JP6304573B2 - 複層ガラス - Google Patents

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Description

本開示は、一対の板ガラスが間に減圧された空間を介して積層された複層ガラスに関し、特に、完成後に減圧時に利用された排気管などの突起物が残存しない複層ガラスに関する。
間に複数個のスペーサーを介在させて一対の板ガラスを対向して配置し、両板ガラスの外周部を封着材で密閉することで内部に空隙部による空間を生じさせ、空間内部の空気を排気することで減圧した、複層ガラスが商品化されている。
このような内部の空間が減圧された複層ガラスは、単に板ガラスを2枚重ね合わせただけの複層ガラスと比較して、一対の板ガラスの間に大気圧よりも減圧された真空層を介することによる大きな断熱効果や結露防止効果、防音効果が期待できるため、省エネルギー対策の重要性が高まる昨今、エコガラスの一つとして大きな注目を集めている。
内部の空間が減圧された複層ガラスは、金属またはセラミックスなどからなる複数のスペーサーによって所定の間隔を介した状態で、一対の板ガラスの外周部を低融点ガラスフリットなどの封着シール材を塗布加熱することで封着して空間を形成した後、ガラスもしくは金属により形成された排気管を介して空間内部の空気を排気することで製造される。このような製造工程を経ているために、内部の空間が減圧された複層ガラスには、完成品の段階で先端部が封止された排気管が残存する。透明な板ガラスからなる複層ガラスにおいて、排気管は見栄えを損ねるだけでなく、排気管が損傷すると空間内部の減圧状態が保てなくなってしまうという問題が生じる。このため、窓ガラスとして利用される複層ガラスでは、例えば排気管が室内側の右上部隅部に位置するようにして使用することを規定するなど、排気管が視覚的に、また、物理的に邪魔にならないような使用上の制限が行われている。
従来の減圧された複層ガラスの製造方法として、排気管を一方の板ガラスの厚さ方向中間部分まで埋め込むとともに、排気管封止時の熱が板ガラスと排気管との固定部分に影響しないような遮蔽板を用いて排気管を封止し、完成品に残る排気管の長さを短くする技術が提案されている(特許文献1参照)。また、排気管と排気管が配置された部分の周囲の板ガラスの裏面とを、封止された排気管の先端部との間に間隙を設けて樹脂製のカバー部材で覆うことで、外部からの衝撃により排気管が破損することを防止する技術が提案されている(特許文献2参照)。
特開平10−2161号公報 特開平11−311069号公報
上記した従来の複層ガラスの製造方法では、完成品における排気管の長さを短くして取り扱いを容易にすることができ、また、排気管に直接外部からの力が作用しないようにすることで、排気管の破損により減圧状態が保てなくなることを防止する点で、一定の効果を有する。
しかし、例えば特許文献1に記載された技術では、排気管を短くするために板ガラスに凹所を設け、その凹所内に排気管を固定する必要があることや、排気管の封止時に排気管と板ガラスとの固着部分が高温とならないように配置する遮蔽板が必要となるなど、複層ガラスの製造工程が複雑となる。また、特許文献2に記載された技術では、新たにカバー部材が必要となり部品点数の増加を招くとともに、カバー部材を裏面に付加するための工数の増大を招く。このように、製造工程が複雑化することや部品点数や工数が増加することは、複層ガラスの製造コストの上昇に繋がる。また、いずれの従来技術により形成された複層ガラスにおいても、完成品の状態で排気管が残存するものである以上、複層ガラスの裏面からの突出部が存在するという見栄えの問題や、排気管が破損することによる一対の板ガラスにより形成される空間部分の減圧状態が保てなくなることのリスクを、完全に排除することはできない。
本開示はこのような現状に鑑みてなされたもので、完成品の状態で板ガラスの外面からの突出物を有さない複層ガラスを提供することを目的とする。
本開示の複層ガラスは、所定間隔を隔てて対向配置された一対の板ガラスの周辺部同士が封着材で封着されて前記一対の板ガラスの間には空間が形成されている複層ガラスであって、前記空間は、前記空間内に配置された隔壁によって、前記一対の板ガラスの少なくとも一方に形成された排気口を通じて外部と繋がっている排気口領域と、それぞれ減圧状態に保たれている複数の部分領域とに分割されている、ことを特徴とする。
本開示の複層ガラスは、一対の板ガラス間に形成された空間内を減圧した状態で、領域形成材によって空間を分割して排気口が含まれない部分領域を形成し、その後一対の板ガラスを切断して部分領域を切り出すことで形成される。このため、切り出された部分領域は、板ガラス間の空間が減圧された状態であるとともに、板ガラスの外面からの突出物を有さない複層ガラスとなる。
第1の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法において、封着材と領域形成材が溶融していない状態を示す平面図。 第1の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法において、封着材と領域形成材が溶融していない状態を示す断面図。 第1の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法における、溶融工程と排気工程の設定条件の一例を示す図。 第1の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法において、領域形成材により一対の板ガラス間の空間を分割して部分領域が形成された状態を示す断面図。 第1の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法において、一対の板ガラスから部分領域を切り出す手順を説明する平面図。 切り出されたそれぞれの複層ガラスを示す平面図。 第1の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法における、溶融工程と排気工程の別の設定条件例を示す図。 第1の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法において、領域形成材の第1の変形例を示す平面図。 第1の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法において、領域形成材の第2の変形例を示す平面図。 第1の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法において、領域形成材の変形例を用いた場合の部分領域が形成された状態を示す平面図。 第2の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法において、封着材と領域形成材が溶融していない状態を示す平面図。 第2の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法において、封着材と領域形成材が溶融していない状態を示す断面図。 本開示の複層ガラスの製造方法において、部分領域の形成方法の応用例と破断支持部が設けられた状態とを説明するための平面図。 領域形成材の、塗布された部分と溶融して広がった部分との外観上の差異を説明する図。 本開示の複層ガラスの製造方法において、封着材形成部分に高さ規制部材が配置された場合の、領域形成材により一対の板ガラス間の空間を分割して部分領域が形成された状態を示す断面図。
本開示の複層ガラスの製造方法は、所定間隔を隔てて対向配置された一対の板ガラスの周辺部を封着材で封着して前記板ガラスの間に密閉可能な空間を形成し、排気口から排気することによって前記空間内を減圧状態とした後、前記空間内に配置された領域形成材によって前記空間を分割して前記排気口が含まれない部分領域を形成し、その後前記一対の板ガラスを切断して前記部分領域を切り出す。すなわち、本開示の複層ガラスは、所定間隔を隔てて対向し、対向する周辺部同士が封着されて、間に密閉可能な空間が形成された一対の板ガラスを切断して切り出される部分領域であって、前記部分領域は、前記空間と外部とを連通する排気口から排気することによって前記空間内を減圧した状態で前記空間内に配置された領域形成材が前記空間を分割することによって形成された、前記排気口が含まれない部分である。
本開示の複層ガラスの製造方法は、周辺部を封着材で封着された一対の板ガラス間の空間内を減圧状態とした後に、領域形成材によってその一部を分割して排気口を含まない部分領域を形成する。その後部分領域を切り出すことで、切り出された部分領域が排気に用いられた排気管を備えない複層ガラスとなる。このため、断熱特性や、結露防止特性、さらには遮音特性といった各特性を確保しつつ、排気管などの板ガラスの外面から突出する突出部を有さない複層ガラスを容易に製造することができる。
なお、本明細書において、一対の板ガラス間の空間を減圧するとは、一対の板ガラスの間に形成される空間を、外部の大気圧よりも低い圧力の状態とすることを意味するものとする。また、本明細書における減圧状態とは、空間の内部が外部の大気圧よりも低い状態となっていることを意味し、空間内部の空気を排気して気圧を減じたいわゆる真空状態を含み、かつ、その真空度には左右されない。また、空間内部の空気を排気した後に不活性ガスなどの各種の気体を充填した場合でも、空間内部の最終的な気体の圧力が大気圧よりも低くなっている状態であれば、本明細書における減圧状態に含まれる。
上記本開示の複層ガラスの製造方法において、前記領域形成材は、前記空間が形成された状態で前記部分領域の内外を接続する通気部を有し、前記空間内を減圧状態とした後に前記通気部が閉塞されて前記空間を分割して前記部分領域を形成することが好ましい。このようにすることで、一対の板ガラスの間の空間を減圧状態とした後に、容易に排気口を有さない部分領域を形成することができる。すなわち、本開示の複層ガラスにおいて、前記領域形成材は、前記領域形成材に形成され前記部分領域の内外を接続する通気部が、前記空間内を減圧状態とした後に閉塞されることで前記空間を分割して前記部分領域を形成することが好ましい。
この場合において、前記通気部が、断続的に形成された前記領域形成材の不連続部分であり、前記空間内を減圧状態とした後に前記領域形成材を溶融させて前記不連続部分を連続させることができる。
また、上記本開示の複層ガラスの製造方法において、溶融前の前記領域形成材の形成高さを、溶融前の前記封着材の形成高さよりも低く形成し、前記封着材が溶融して前記一対の板ガラスが封着された状態で前記空間内を減圧状態とし、その後前記一対の板ガラスの間隔を狭くして前記領域形成材によって前記空間を分割して前記部分領域を形成することが好ましい。このようにすることで、一対の板ガラスの間隔を調整することで容易に減圧状態の空間を分割した部分領域を形成することができる。
さらに、前記領域形成材の溶融温度が前記封着材の溶融温度よりも高く、前記封着材が溶融する温度で前記一対の板ガラスを封着して前記空間を形成し、前記空間内を減圧状態とした後に、前記領域形成材が溶融する温度で前記領域形成材を溶融させて前記空間を分割して前記部分領域を形成することが好ましい。このようにすることで、封着材と領域形成材との溶融温度を調整することで容易に減圧状態の空間から部分領域を分割することができる。
また、溶融炉内において前記封着材を溶融させて前記空間を形成した後、前記溶融炉から取り出して前記空間を減圧状態とした後、再び溶融炉内において前記領域形成材を溶融させて前記空間を分割して前記部分領域を形成することが好ましい。このようにすることで、板ガラス間に形成された空間を排気する工程を、封着材と領域形成材とを溶融させる工程とは別に低い温度条件下で行うことができるので、低コストの簡易な設備で空間内を減圧状態に排気することができる。
なお、前記排気口が、前記一対の板ガラスの少なくともいずれか一方に形成されていることが好ましい。このようにすることで、排気口に容易に排気管を接続することができ、排気管を介して空間内部を減圧する製造装置を用いて、複層ガラスを製造することができる。
さらに、前記封着材および前記領域形成材がガラスフリットであることが好ましい。加熱されることで溶融して密閉空間を形成するシール材として、一般的に用いられるガラスフリットを使用して低コストで複層ガラスを製造することができる。すなわち、本開示の複層ガラスにおいて、前記領域形成材がガラスフリットであることが好ましい。
また、前記一対の板ガラスのいずれか一方の表面に、前記一対の板ガラスの間隙を規定するスペーサーが配置されていることが好ましい。このようにすることで、一対の板ガラスの間隔を正確に規定することができるとともに、外部からの衝撃にも強い複層ガラスを得ることができる。すなわち、本開示の複層ガラスは、前記一対の板ガラスのいずれか一方の表面に配置され、前記一対の板ガラスの間隙を規定するスペーサーをさらに備えることが好ましい。また、本開示の複層ガラスにおいて、前記一対のガラス板の前記周辺部同士は封着材により封着され、前記封着材がガラスフリットであることが好ましい。
さらに、前記封着材形成部分に、前記一対の板ガラスの間隙を規定する高さ規制部材が配置されていることが好ましい。このようにすることで、封着材が形成された周辺部でも一対の板ガラスの間隙を所定のものに規制することができる。すなわち、本開示の複層ガラスは、前記封着材形成部分に配置され、前記一対の板ガラスの間隙を規定する高さ規制部材をさらに備えることが好ましい。
また、前記スペーサーまたは前記高さ規制部材の少なくともいずれか一方が、写真露光法により形成されたものであることが好ましい。写真露光法を用いることで、所定の位置に所定形状のスペーサーや高さ規制部材を正確に配置することができる。すなわち、本開示の複層ガラスにおいて、前記スペーサーが、写真露光法により形成されていることが好ましい。また、本開示の複層ガラスにおいて、前記高さ規制部材が、写真露光法により形成されていることが好ましい。
以下、本開示の複層ガラスの製造方法について、図面を参照して説明する。
なお、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本開示にかかる複層ガラスの製造方法および本開示にかかる製造方法により得られる複層ガラスについて、その内容を説明するために必要な部分を中心として簡略化して示したものである。したがって、各図を用いて説明する複層ガラスは、参照する各図に示されていない任意の構成を備えることができる。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率を必ずしも忠実に表したものではない。
(第1の実施形態)
図1および図2は、本実施形態にかかる複層ガラスの製造方法の第1の例を説明するための図である。
図1は、本実施形態にかかる複層ガラスの製造方法において、対向して配置された一対の板ガラスを封着材で封着する前の状態を示す平面図である。また、図2は、本実施形態にかかる複層ガラスの製造方法において、対向して配置された一対の板ガラスを封着材で封着する前の状態を示す断面図である。図2は、図1に示すX−X’矢視線部分の断面構成を示している。
図1および図2に示すように、本実施形態に示す複層ガラスの製造方法では、所定の間隔を隔てて対向して配置された一対の板ガラスの内の、背面側の板ガラス1の前面1a、すなわち、対向するもう一方の前面側の板ガラス2と対向する側の面上の周辺部に、封着材であるフリットシール4が枠状に塗布されている。
本開示にかかる複層ガラスの製造方法では、対向して配置された一対の板ガラスである背面側の板ガラス1と前面側の板ガラス2とが、周辺部を封着材であるフリットシール4で封着されることで、板ガラス1および板ガラス2の間に密閉可能な空間3が形成される。
なお、板ガラス1と板ガラス2との間隔を所定のものとするために、背面側の板ガラス2においてフリットシール4が塗布されている領域の内側には、スペーサー8が整列配置されている。
背面側の板ガラス1の隅部近傍には、板ガラス1を貫通する排気口9が形成されている。さらに、板ガラス1の背面1bにおいて、排気口9に接続されて排気管10が設けられている。なお、本実施形態で説明する複層ガラスの製造方法では、一例としてガラス製の排気管10が用いられ、排気管10の内径と排気口9の径とが同じ大きさとされている。排気管10は、ガラス溶着や溶着部材である溶融金属などを用いる周知の方法によって、排気口9に接続されている。なお、排気管10としては、上記例示したガラス管以外に金属製の管などを用いることができる。
本実施形態で製造方法を説明する複層ガラスに用いられる板ガラスとしては、ソーダライムガラス、高歪点ガラス、化学強化ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、ネオセラム、物理強化ガラスなどの各種板ガラスを用いることができる。なお、本実施形態では、板ガラス1および板ガラス2は、いずれも同じ外形、厚みを有したものを例示しているが、一方の板ガラスの大きさまたは厚さが、他方の板ガラスの大きさや厚さと異なることを妨げるものではない。また、板ガラスの大きさは、使用用途に応じて一辺が数cm程度のものから、窓ガラス用としての一辺が最大2〜3m程度のものまで、さまざまな大きさのものを使用することができる。板ガラスの厚さも、用途に応じて、2〜3mm程度のものから20mm程度のものまで、各種の板ガラスを用いることができる。
板ガラス1の前面1aには、フリットシール4とともに、部分領域を形成するための領域形成材である隔壁が形成されている。具体的には、部分領域Aを形成するための隔壁5a、部分領域Bを形成するための隔壁6a、部分領域Cを形成するための隔壁7aが、最終的に切り出されて複層ガラスを形成することができるようにそれぞれ所定の場所に形成されている。
本実施形態において、一対の板ガラス1、2の周辺部を封着するフリットシール4と、隔壁5a、6a、7aとは、いずれも同じ低融点ガラスフリットが用いられている。
より具体的には、一例としてBiが70%以上、BおよびZnOがそれぞれ5〜15%、さらに、亜鉛シリカ酸化物が20〜30%、エチルセルロース、テルピネオール、ポリイソブチルメタアクリレートなどの有機系物質の混合物が5〜15%含まれた、ビスマス系シールフリットペーストを用いることができる。このガラスフリットの軟化点は、434℃である。
なお、フリットシール4および隔壁5a、6a、7aとして用いられるガラスフリットとしては、上記例示のビスマス系フリットの他に、鉛系フリット、バナジウム系フリットなどを用いることができる。また、ガラスフリットの他に、低融点金属や樹脂などによるシール材を、封着材および領域形成材として用いることができる。
フリットシール4および隔壁5a、6a、7aが溶融していない状態では、隔壁5a、6a、7aにそれぞれ通気部であるスリット5b、6b、7bが形成されていて、このスリットが形成されている部分で隔壁5a、6a、7aがそれぞれ不連続となっている。すなわち、隔壁5a、6a、7aに形成されたスリット5b、6b、7bによって、一対の板ガラス1および2とフリットシール4とで形成された空間3は、部分領域A、B、Cとなる領域部分と空間的に接続され、一つに繋がった状態となっている。なお、図1に示すように、横長の領域Aを形成する隔壁5aには、図中左右両側の辺の中央部分にそれぞれスリット5bが形成されている。
隔壁5a、6a、7aの内側に当たる部分領域A、B、Cとなる部分における板ガラス2の前面2a上には、複数のスペーサー8が縦、横方向にマトリクス状に整列配置されている。本実施形態で示す複層ガラスに配置されているスペーサー8は、一例として直径が1mm、高さが100μmの円柱状である。スペーサーとしては、例示した円柱状のものに限らず、角柱状や球状などの各種形状のものを使用することができる。また、スペーサーの大きさも、例示したものには限られず、使用される板ガラスの大きさや厚さなどに応じて適宜選択することができる。
スペーサー8の配置パターンや配置間隔は、部分領域A、B、Cそれぞれの形状や大きさに合わせて適宜定められている。このため、部分領域毎に異なった配置パターンと配置間隔を採用することができる。さらに、それぞれの部分領域A、B、Cに配置されるスペーサー8の形状、大きさも、部分領域毎に異ならすことができる。また、それぞれの部分領域内に配置されるスペーサー8も全て同じである必要はなく、複数種類のスペーサーを一つの部分領域で用いることもできる。
本実施形態の製造方法において、スペーサー8は光硬化性樹脂により形成されていて、板ガラス1の前面1aにフリットシール4を塗布する前の段階で、前面1aの全体に所定厚さの光硬化性樹脂を塗布した後、マスクを用いて露光してスペーサー8となる部分を硬化させた後、余分な部分を洗浄除去する写真露光法(フォトリソグラフィー法)により形成されたものである。このように写真露光法を用いることで、所定の大きさと断面形状とを備えたスペーサーを所定位置に正確に配置することができる。なお、スペーサー8を透明な光硬化性樹脂で形成することで、複層ガラスの使用時にスペーサー8を目立ちにくくすることができる。
スペーサー8の材料は上記例示した光硬化性樹脂に限らず、後述する加熱工程で溶融しない各種材料を用いることができる。また、写真露光法を用いずに、従来の複層ガラスに用いられているような、金属などの材料により形成されたスペーサーを背面側の板ガラス1の前面1aの所定位置に散布して配置、もしくは、接着することもできる。なお、スペーサーの形成、配置に写真露光法を用いない場合には、スペーサーとして、球状もしくは立方体形状のものを用いることで、板ガラスの面上に配置する際にスペーサーの向きが異なった場合でも、一対の板ガラスの間隔を正確に規定することができる。
なお、本開示の製造方法によって製造される複層ガラスにおいて、スペーサーは必ずしも必要ではなく、スペーサーを用いない構成を採用することも可能である。また、スペーサーを前面側の板ガラスの内面に形成することもできる。
図2に示すように、フリットシール4および隔壁5a、6a、7aが溶融されていない状態では、フリットシール4と隔壁5a、6a、7aの高さは、スペーサー8の高さよりも高く形成されている。このため、前面側の板ガラス2は、フリットシール4および隔壁5a、6a、7aの頂部に載置された状態となっていて、板ガラス2とスペーサー8の頂部との間には間隙が形成されている。
図3は、本実施形態の複層ガラスの製造方法における、フリットシール4および隔壁5a、6a、7aを溶融させる溶融工程と、一対の板ガラス1および2の間の空間3の空気を排気する排気工程の設定条件の例を示す図である。
図3に示すように、第1溶融工程として、まず溶融炉の到達温度を、フリットシール4および隔壁5a、6a、7aに使用されているガラスフリットの軟化点温度434℃よりも高い温度、一例として450℃とする。このとき、フリットシール4が溶け始めて、一対の板ガラス1および2の周囲部が封着され一対の板ガラス1および2の間に密閉可能な空間3が形成される。また、隔壁5a、6a、7aも同様に溶け始めて、隔壁5a、6a、7aと板ガラス1および板ガラス2との接触部分が溶着するが、第1溶融工程における炉温がガラスフリットの軟化点温度を少し上回った温度である450℃に設定されているため、隔壁5a、6a、7aは大きく変形することなく、隔壁5a、6a、7aに形成されたスリット5b、6b、7bは塞がれていない状態となる。第1溶融工程では、隔壁5a、6a、7aに形成されたスリット5b、6b、7bが塞がれないことが重要であるため、第1溶融工程での最高温度である450℃を維持するとともに、その維持時間(リクワイヤ時間)は、隔壁5a、6a、7aのスリット5b、6b、7bが塞がれずに維持できる範囲で設定することになる。本実施形態の場合、この第1溶融工程での維持時間(T1)は、一例として10分間としている。
この後、図3に示すように、一旦溶融炉の温度をガラスフリットの軟化点温度である434℃以下の温度、例えば380℃まで下げた状態で、空間3内部の空気を排気口9および接続された排気管10を介して、真空ポンプにより排気する排気工程が開始される。溶融炉の温度が軟化点温度よりも低く設定されるため、排気工程の期間中には、フリットシール4と隔壁5a、6a、7aの溶融変形は起こらない。
空間3の真空度は、複層ガラスとしての特性としての断熱性を確保する観点から、0.1Pa以下とすることが好ましい。なお、真空度が高いほど複層ガラスとしての断熱特性は高くなるが、より高い真空度を得るためには、真空ポンプの性能を向上させたり排気時間を長くしたりする必要があり製造コストの上昇要因となる。このため、複層ガラスとして必要な特性を確保できる真空度にとどめて必要以上に高い真空度としないことが製造コストの観点から好ましい。
なお、排気工程での設定温度を低くした場合には、後述する第2溶融工程にかけての温度上昇に時間がかかる。このため、溶融工程と排気工程全体での所要時間を短縮する観点から、排気工程の開始時の設定温度をガラスフリットの軟化点温度からわずかに下がった温度とすることが有効である。例えば、排気工程の設定温度を420℃、維持時間(T2)を120分とすることで、複層ガラスの内部の空間を良好に排気することができる。
次に、図3に示すように、空間3内を排気している状態のまま、第2溶融工程として、溶融炉の温度を465℃まで上昇させる。空間3の内部を排気し続けることで、大気圧が一対の板ガラス1および2の間隙を狭くする方向の外力として働くため、板ガラス1および板ガラス2はその間隔を狭める方向に押しつけられる。本実施形態で製造される複層ガラスでは、一例としての高さ100μmのスペーサー8が配置されているため、板ガラス1および2の間隔はスペーサー8の高さである100μmに規定される。板ガラス1および2の間隔が狭められる方向の力が働くことで、溶融したフリットシール4および隔壁5a、6a、7aは、上下から押しつぶされて平面視したときの幅が広がる。このため、フリットシール4によって、一対の板ガラス1および2がより強固に、かつ、確実に封着されるとともに、隔壁5a、6a、7aに形成されていた通気部であるスリット5b、6b、7bがつぶれて閉塞される。隔壁5a、6a、7aのスリット5b、6b、7bが塞がれることで、空間3が分割されて、それぞれが排気口9を含まず、かつ、密閉された、部分領域A、B、Cが形成される。なお、第2溶融工程において、必要に応じて少なくともいずれか一方の板ガラスに対して、板ガラスの間隔を狭める方向に機械的な押圧力を加えることもできる。
第2溶融工程では、上記のように隔壁5a、6a、7aが十分に溶融して、通気部であるスリット5b、6b、7bが確実に塞がれることが重要である。一例として、第2溶融工程における設定温度465℃での維持時間(T3)を30分間とすることで、隔壁5a、6a、7aにより、空間3の内部を部分領域A、B、Cに確実に分割することができる。
図4に断面の状態を示すように、板ガラス1および板ガラス2の間隔が、スペーサー8により規定される所定の間隔となり、隔壁5a、6a、7aのスリット5b、6b、7bが完全に塞がれて、空間3が分割されて部分領域A、B、Cが形成された後、溶融炉の温度を下げてフリット4で周辺部が封着された一対の板ガラス1、2を取り出す。
上記のように、板ガラス1の排気口9から排気管10を介して一対の板ガラス1および2の間に形成された空間3の空気が排気されて空間3が減圧状態とされた後に、隔壁5a、6a、7aによって空間3が分割されて部分領域A、B、Cが形成されたため、図4に示す状態では、図示されている部分領域Aをはじめ部分領域B、Cの内部は減圧状態に保たれている。なお、この図4に示した状態で、真空ポンプから排気管10が外されるため、空間3の内、部分領域A、B、C以外の周辺部分に位置する領域は、外部と同じ大気圧となる。
次に、図5に示すように、一対の板ガラス1、2を、破断線11にそって切り離す。破断線11は、部分領域A、B、Cの周囲を囲み、部分領域A、B、Cが切り出された後にそれぞれの複層ガラスの外周部となる外形規定線11aと、一対の板ガラス1、2の端部から外形規定線11aまでの導入線11bとから構成されている。
板ガラスの切断は、ガラスカッターを用いる方法の他、ウォータージェット法やレーザーカット法により行うことができる。図13を用いて後述する破断部支持材を用いない場合には、板ガラスの切断部分が中空となっているため、板ガラスを確実に切断するためには、ウォータージェット法やレーザーカット法を用いることがより好ましい場合が多い。なお、いずれの方法により板ガラスを切断した場合でも、切断面が滑らかになるような研磨処理を行うことがより好ましい。
図6は、部分領域A、B、Cが図5に示す破断線11にそって切り離された状態を示す。
本実施形態の複層ガラスの製造方法では、このようにして切り出された部分領域A、B、Cがそれぞれ完成品としての複層ガラスとなる。具体的には、切り出された部分領域Aは、板ガラス1から切り出された板ガラス21と、板ガラス2から切り出された板ガラス22の周囲が隔壁5aで封着された複層ガラス20となる。同様に、切り出された部分領域Bが、板ガラス1から切り出された板ガラス31と、板ガラス2から切り出された板ガラス32の周囲が隔壁6aで封着された複層ガラス30となり、切り出された部分領域Cが、板ガラス1から切り出された板ガラス41と、板ガラス2から切り出された板ガラス42の周囲が隔壁7aで封着された複層ガラス40となる。このようにして形成された、複層ガラス20、30、40は、それぞれ所定の外形形状を有し、かつ、スペーサー8でその間隔が規定されて配置されている一対の板ガラス間の空間が減圧状態となっている。また、それぞれの複層ガラス20、30、40が排気管を有していないことは明らかである。
図7は、一対の板ガラス1および2をフリットシール4で封着する第1溶融工程、内部に形成された空間3を減圧状態とする排気工程、隔壁5a、6a、7aを溶融させて通気部であるスリット5b、6b、7bを閉塞し、空間3を分割して部分領域A、B、Cを形成するための第2溶融工程における、別の設定条件例を示すものである。図7に示す別の設定条件は、図3に示した温度条件とは異なり、第1溶融工程の後に複層ガラスを室温まで下げることが特徴となる。
まず、フリットシール4を溶融させることにより、一対の板ガラス1および2を封着させて空間3を形成する、第1溶融工程を行う。第1溶融工程の設定条件は、図3に示したものと同じく、最高到達温度がフリットシール4および隔壁5a、6a、7aに使用されているガラスフリットの軟化点温度434℃よりも高い温度である450℃、維持時間(T4)を一例として10分間とすることができる。その後、封着された状態の一対の板ガラス1、2を溶融炉から取り出す等することでその温度を室温まで下げる。
そして、室温の状態で、真空ポンプにより排気管10を介して、空間3内部を排気して、所定の真空度とする排気工程を行う。排気工程の設定時間(T5)は、例えば300分間である。
図7に示す別の設定条件例では、排気工程の終了時に、空間3の真空度が所定の値、一例として0.1Pa以下の真空度になった状態で、排気管10の先端部分を封着して空間3を密閉するいわゆるチップオフを行う。このようにすることで、一対の板ガラスにより形成された内部の空間3が所定の真空度に減圧された状態の板ガラス1、2を真空ポンプから取り外しても、空間3を減圧状態に保つことができる。
排気工程の後、排気管10がチップオフされた状態の一対の板ガラス1、2を再び溶融炉内に入れて、一例として最高温度が465℃、維持時間(T6)が30分間の第2溶融工程を行う。図7に示す別の設定条件では、溶融炉の温度条件は図3に示した温度条件と同じとすることができるが、第2溶融工程において空間3の排気を行わない点が異なる。このように、図7に示す設定条件例の場合には、第2溶融工程での排気は行われないが、室温状態の排気工程により空間3の内部が外気圧よりも低い減圧状態となっているため、一対の板ガラス1および2の間隔を狭めようとする外力が加わる。この結果、図3に示した設定条件の場合と同様に、第2溶融工程においてフリットシール4が十分に溶融されて、板ガラス1および2が強固に封着されるとともに、隔壁5a、6a、7aのスリット5b、6b、7bが塞がれて、空間3を分割して密閉された部分領域A、B、Cが形成される。
なお、図7に示す別の設定条件での溶融工程と排気工程とを行った場合には、排気管10の先端がチップオフされているため、第2溶融工程が終了した後に真空ポンプから排気管10が外されても、空間3の内、部分領域A、B、C以外の周辺部分に位置する領域はいずれも減圧状態のまま保たれている。このため、排気管を除去する等して、空間3の周辺領域を大気圧と同じ状態にした後、図5に示した破断線にそって部分領域を切り出すことが好ましい。
このように、図7に示した別の設定条件を用いた製造方法では、第1溶融工程と第2溶融工程の間に、複層ガラスを室温状態に戻して排気工程を行う。このため、溶融工程と排気工程とをそれぞれ別個に設けることができ、溶融工程に用いられる溶融炉と排気工程に用いられる真空ポンプとを別個の製造設備とすることができる。この結果、溶融炉の構成を簡易かつ小型のものとすることができ、炉の密閉度も向上させることができるため、必要とされる消費電力の低減や昇温時間の短縮などを図ることができる。また、真空ポンプにおいても、高温状態となる溶融炉と離れた位置に配置できるため、真空ポンプの真空弁や排気管をチャッキングする装置などが高温とならないように、遮蔽部材を配置するなどの対策を施す必要がなくなり、製造装置を簡素化することができる。
一方で、第2溶融工程において、空間3が排気されている状態ではないため、一対の板ガラスの間隔を狭める方向に働く外力が、図3に示した設定条件の場合と比較して弱くなる。このため、フリットシール4や隔壁5a、6a、7aにおける、ガラスフリットの塗布状態や粘度の管理を十分に行い、第2溶融工程後に、一対の板ガラス1、2の間隔が所定のものとなり、かつ、隔壁5a、6a、7aにそれぞれ形成されたスリット5b、6b、7bが塞がれて、それぞれの部分領域A、B、Cが空間3から確実に分割されるようにする必要がある。また必要に応じて、少なくともいずれか一方の板ガラスに対して、機械的な押圧力を加えることで、板ガラスの間隔を所定のものに規制することも考えられる。
以上説明したように、本実施形態の複層ガラスの製造方法では、隔壁5a、6a、7aに通気部としてのスリット5b、6b、7bを設け、第2溶融工程でスリット5b、6b、7bを塞ぐことで、一対の板ガラスの間に形成された空間3を分割して部分領域A、B、Cを形成することができ、それぞれの部分領域切り出すことで、所望形状で、かつ、排気管を有さない複層ガラスを得ることができる。
なお、本実施形態では、一つの部分領域に対して、スリット5bは2つ、スリット6b、7bはそれぞれ1つずつ設けられた例を示したが、隔壁5に通気部であるスリット5b、6b、7bを形成する場合には、スリットの位置、個数等は、適宜定めることができる。なお、それぞれの部分領域内を効率よく排気できるように、スリットはそれぞれの部分領域において排気口9側に形成することが好ましい。また、領域Aのような長細い形状の部分領域の場合には、図示したように、互いに反対側となる位置に複数のスリット5bを形成することが排気効率の観点上好ましい。
なお、本実施形態において、隔壁に形成される通気部としては、図1で図示したようなスリットには限られない。
図8は、スリットとは異なる通気部が設けられた隔壁の構成例としての、第1の変形例の隔壁の構成を示す平面図である。
図8に示す第1の変形例の隔壁5a、6a、7aは、隔壁5a、6a、7aの端部が、それぞれ異なる方向に湾曲する湾曲部5c、6c、7cとなっている。このようにすることで、湾曲部5c、6c、7c同士の間隙部分5d、6d、7dが空間3において部分領域A、B、Cの内部と外部とを接続する通気部となっている。
隔壁5a、6a、7aは、低融点のフリットガラスなどのシール材で形成するが、板ガラス1の内面1aの所定位置にシール材を塗布するための制御は、ペースト状のシール部材を塗布ノズルの先端から吐出させる塗布ノズルの位置を制御することで行われる。このため、図1に平面構成を示すような連続して形成される隔壁5a、6a、7aの一部に不連続部分である所定の幅のスリット5b、6b、7bを形成する場合には、ノズルからのシール材の吐出を一旦停止して、ノズルを所定量移動した後に再びノズルからシール材を吐出させることになる。しかし、ペーストの粘度や、隔壁の塗布幅の大きさなどの制限によって、所定幅のスリットを隔てて不連続な隔壁を正確に形成することが困難となる場合がある。これに対して、図8に示す変形例の隔壁5a、6a、7aのように、端部をそれぞれ異なる方向に湾曲させた湾曲部5c、6c、7cとして、湾曲部5c、6c、7c同士の間に所定幅の間隙部分5d、6d、7dを設け、この間隙部分5d、6d、7dを通気部とすることにより、ノズルによる隔壁5a、6a、7aの塗布位置の制御を容易に行うことができ、所望の形状の隔壁5a、6a、7aを正確に形成することができるという利点がある。
なお、塗布されたガラスフリットの湾曲部5c、6c、7cの長さや、間隙部分5d、6d、7dの幅は、ガラスフリットの粘度や塗布高さ、隔壁を溶融させて通気部を塞ぐ第2溶融工程で押しつぶされた状態での隔壁5a、6a、7aの幅などを考慮して、適宜定めることができる。また、隔壁5a、6a、7aにおける端部を湾曲させる構成に限らず、例えば、隔壁5a、6a、7aにおける端部を互いに異なる方向へ向かう直線部として形成し、この直線部の少なくとも一部分が互いに略平行に所定の間隔を介して配置された構成とするなど、連続して形成される隔壁が所定間隔で配置される部分を有し、この所定間隔部分が第2溶融工程で押しつぶされて塞がれる通気部となる各種の構成を採用することができる。
図9は、通気部が設けられた隔壁のさらに別の構成例である、第2の変形例の隔壁を示す平面図である。
図9に示す、第2の変形例の隔壁5a、6a、7aは、比較的大きな不連続部分5e、6e、7eと、不連続部分5e、6e、7eの各部分領域における内側近傍に、不連続部分5e、6e、7eの長さよりも長いシール部分5f、6f、7fを形成したものである。
図9に示す、第2の変形例の隔壁5a、6a、7aでは、図1に示した隔壁5a、6a、7aのスリット5b、6b、7bの幅よりも長い一定の長さ有するような、不連続部分5e、6e、7eを形成するものである。一例として、図9に示すように、この不連続部分5e、6e、7eの長さをそれぞれの隔壁5a、6a、7aの塗布幅よりも長くすることができる。
図9に示した隔壁5a、6a、7aでは、中間部分に形成される不連続部分5e、6e、7eの長さを、図1に示したスリット5b、6b、7bの幅よりも長いものとして形成することができるとともに、不連続部分5e、6e、7eを塞ぐシール部分5f、6f、7fが不連続部分5e、6e、7eの近傍に配置されているため、不連続部分5e、6e、7eの長さに要求される精度があまり高くならない。このため、図1に示したスリット5b、6b、7bを形成する方法よりも、隔壁5a、6a、7aの塗布形成工程を簡易なものとしても、確実に空間3を分割して密閉された部分領域A、B、Cを形成することができる通気部を備えた隔壁5a、6a、7aを形成することができる。
なお、図9に示す第2の変形例の隔壁5a、6a、7aにおいて、不連続部分5e、6e、7eの長さとシール部分5f、6f、7fの長さ、不連続部分5e、6e、7eとシール部分5f、6f、7fとの間隔は、隔壁5a、6a、7aを形成するシール部材の材料や塗布形成方法、塗布高さ、第2溶融工程における温度条件や最終的な押しつぶされた状態での隔壁5a、6a、7aの幅などを考慮して、適宜定めることができる。
また、図8に示した第1の変形例の隔壁や、図9に示した第2の変形例の隔壁を用いた場合には、隔壁に形成された通気部が塞がった部分が、他の隔壁部分よりも広がってしまう。隔壁の幅があまり広くなりすぎると、完成品の複層ガラスとなった場合に隔壁が視認されやすくなる。さらに、本実施形態の複層ガラスの製造方法では、密閉された部分領域が形成された後に、その周囲の破断線に沿って切り出すことになるため、押しつぶされて広がった状態の隔壁5a、6a、7aは、図10に示すように、部分領域A、B、Cに対して、その内側方向に広がることが好ましい。このため、通気部が塞がった状態での隔壁5a、6a、7aの部分5g、6g、7gの形状と幅を、十分に制御することが好ましい。
以上、本開示の第1の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法として、封着材であるフリットシールと領域形成材である隔壁とを、同じ材料の低融点ガラスフリットを用いて形成することを例示して説明した。
しかし、本実施形態の複層ガラスの製造方法において、フリットシールと隔壁は、同じガラスフリットを用いるものに限られない。例えば、封着材であるフリットシールの溶融温度よりも高い溶融温度のガラスフリットを、領域形成材である隔壁として用いることができる。このように、フリットシールとして用いるガラスフリットと、隔壁として用いるガラスフリットの溶融温度を異ならせ、さらに、フリットシールを溶融させて一対の板ガラスを封着する第1溶融工程の溶融温度をフリットシールの溶融温度以上隔壁の溶融温度以下の温度とし、隔壁を溶融させて一対の板ガラスの間の空間を分割して部分領域を形成する第2溶融工程での溶融温度を隔壁の溶融温度よりもさらに高い温度に設定することで、フリットシールを溶融させて一対の板ガラスの間に所定の空間を形成する第1溶融工程と隔壁を溶融させて通気部を塞ぎ密閉された部分領域形成する第2溶融工程とを、温度条件面から明確に分離することができる。
また、封着材と領域形成材とを、ガラスフリット以外のシール部材で、かつ、それぞれの溶融条件が異なるもので構成することもできる。このように、封着材と領域形成材とを異なる条件で溶融するシール部材で形成し、第1の溶融工程で封着材のみを溶融させるとともに、第2の溶融工程で領域形成材を溶融させることで、第1の溶融工程で不所望に領域形成材が溶融してしまい、通気部の大きさが狭くなって空間内部の排気効率が低下したり、最悪の場合として、第1の溶融工程において通気部が塞がれてしまい、部分領域の内部を十分減圧された状態にすることができなくなってしまったりする不測の事態を回避することができる。
なお、封着材としてのフリットシールと領域形成材としての隔壁とを、いずれも低融点ガラスフリットで形成する場合には、ガラスフリットに用いられるガラス粉や混入される金属粉の、成分、大きさ、含有量などを調整することで、また、溶媒として用いられる樹脂成分の濃度や含有量を調整することで、ガラスフリットの溶融温度を調整することができる。
(第2の実施の形態)
本開示の第2の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法について、図面を参照して説明する。
第2の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法は、背面側に位置する板ガラス1の内面1a上に形成する封着材であるフリットシール4の形成高さよりも、領域形成材である隔壁5の形成高さを低くする点が、上記した第1の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法と異なる。なお、以下本実施形態では、上記第1の実施形態と共通する部材に対して同じ符号を付すとともに、その詳細な説明を適宜省略する場合がある。
図11および図12は、第2の実施形態としての複層ガラスの製造方法を説明するための図である。図11は、背面側の板ガラス1と前面側の板ガラス2とをフリットシール4で封着する前の状態を示す平面図を示す。図12は、同じく背面側の板ガラス1と前面側の板ガラス2とをフリットシール4で封着する前の状態を示す断面図である。図12は、図11に示すY−Y’矢視線部分の断面構成を示している。図11は、第1の実施形態における図1に対応する図面であり、図12は、第1の実施形態における図2に対応する図面である。
図11および図12に示すように、本実施形態の複層ガラスの製造方法では、背面側の板ガラス1の前面1a、すなわち、前面側の板ガラス2と対向する側の面上の周辺部に封着材であるフリットシール4が枠状に塗布されている。また、背面側の板ガラス1の隅部には、板ガラス1を貫通する排気口9が形成されている。さらに、板ガラス1の背面1bでは、排気口9に接続された排気管10が設けられている。
板ガラス1の前面1aには、フリットシール4とともに、部分領域を形成するための領域形成材である隔壁が形成されている。具体的には、部分領域Aを形成するための隔壁5a、部分領域Bを形成するための隔壁6a、部分領域Cを形成するための隔壁7aが、最終的に切り出されて複層ガラスを形成することができるようにそれぞれ所定の場所に形成されている。
本実施形態において、一対の板ガラス1、2を封着するフリットシール4と、隔壁5a、6a、7aとは、いずれも同じ低融点のガラスフリットが用いられているが、フリットシール4の塗布高さが一例として1mmであるのに対し、隔壁5a、6a、7aの塗布高さは、一例として0.5mmと、フリットシール4の塗布高さよりも低くなっている。
なお、フリットシール4の塗布高さと隔壁5a、6a、7aの塗布高さとは、後述する隔壁5a、6a、7aによる板ガラス1、2間の空間を分割する工程において、フリットシール4と隔壁5a、6a、7aとの溶融を制御できる範囲で適宜定めることができる。しかし、隔壁5a、6a、7aの塗布高さは、板ガラス1の内面1aに所定間隔で配置されたスペーサー8の高さ(一例として100μm=0.1mm)よりも高くなるように形成されることが必要である。例えば、フリットシール4および隔壁5a、6a、7aに溶融時の流動性が比較的高い材料を用いる場合には、スペーサー8の高さ0.1mmに対して、フリットシール4の塗布高さを0.5mm、塗布幅を5mm、隔壁5a、6a、7aの塗布高さを0.2mm、塗布幅を3mmとすることができる。フリットシール4、および、隔壁5a、6a、7aの形成に用いられるペーストとしては、上記実施の形態1で例示した、Biが70%以上、BおよびZnOがそれぞれ5〜15%、その他の成分が10%以下である主成分が酸化ビスマスであるガラス成分を60〜75%含み、さらに、亜鉛シリカ酸化物が20〜30%、エチルセルロース、テルピネオール、ポリイソブチルメタアクリレートなどの有機系物質の混合物が5〜15%含まれた、軟化点が434℃のビスマス系シールフリットペーストを用いることができる。
図12に示す状態は、フリットシール4と隔壁5a、6a、7aとが溶融する前の状態であるため、前面側の板ガラス2は、塗布高さがより高いフリットシール4の上部に載置された状態となっている。
この状態で、溶融炉において、例えば第1の実施形態において例示した図3に示す設定条件での第1溶融工程が行われる。第1溶融工程を経ることで、フリットシール4が溶融して板ガラス1と板ガラス2とが封着される。また、第1溶融工程を経たことでフリットシール4が溶融して、フリットシール4の高さが低くなるとともに幅が広がる。このため、前面側の板ガラス2と背面側の板ガラス1との間隔が少し狭まるが、第1の実施形態において説明したように、第1溶融工程での最高到達温度は450℃と、フリットシール4と隔壁5a、6a、7aを形成する低融点ガラスフリットの溶融温度434℃を少し上回る程度の温度であるため、フリットシール4と隔壁5a、6a、7aの溶融による変形は小さい。このため、第1溶融工程後の状態では、フリットシール4と隔壁5a、6a、7aとの塗布高さの差により生じる隔壁5a、6a、7aの上端部と板ガラス2との間隙が引き続き維持され、一対の板ガラス間に形成される空間は、一つの連続した空間のままとなっている。
次に、図3に示したような設定条件での排気工程を経ることで、空間内を0.1Pa以下の真空度の減圧状態とするが、上記のように、板ガラス2と隔壁5a、6a、7aの上端部との間には間隙が残っているため、内部空間3の全体が所定の真空度となる。
その後、図3に示したように、到達温度が465℃と第1溶融工程よりも高い第2溶融工程を行う。この第2溶融工程によってフリットシール4はさらに溶融する。内部空間3が排気されている状態であるため、板ガラス2と板ガラス1との間隔が縮まる方向の外力が強く働き、板ガラス1および2の間隔は、スペーサー8の高さにより規制されるまで狭くなる。この第2溶融工程の結果、隔壁5a、6a、7aが板ガラス1と板ガラス2との両方に接することになり、隔壁5a、6a、7aにより、空間3が分割された部分領域A、B、Cが形成される。なお本実施形態においても、第2溶融工程において、必要に応じて少なくともいずれか一方の板ガラスに対して、板ガラスの間隔を狭める方向に機械的な押圧力を加えることができる。
以降の工程は、第1の実施形態の場合と同様であり、封着された状態の一対の板ガラス1、2を真空ポンプから取り外した後、図5に示した破断線11にそって板ガラス1および板ガラス2を切断して、部分領域A、B、Cを切り出し、それぞれが所望の形状の完成品としての複層ガラスを得る。
以上説明したように、第2の実施形態の複層ガラスの製造方法では、領域形成材である隔壁5a、6a、7aの塗布高さを封着材であるフリットシール4の塗布高さよりも低くすることで、封着された一対の板ガラス1、2間に形成される内部の空間全体を所定の減圧状態とした後に、部分領域A、B、Cを形成することができる。
なお、上記本実施形態の説明において、フリットシール4と隔壁5a、6a、7aとを同じ低融点ガラスフリットを用いて構成することを例示したが、本実施形態においてもフリットシール4として、その溶融温度が隔壁5a、6a、7aを形成する低融点ガラスフリットの溶融温度よりも低い温度のものを用いることができる。
また、上記本実施形態で説明した製造方法において、板ガラス2と隔壁5a、6a、7aの上端部分との間の間隙をより確実に確保するために、フリットシール4塗布部分の外側に板ガラス2と板ガラス1との間隔が所定の値以下とならないように規制するストッパを設け、第1溶融工程においてこのストッパを作用させて所定の間隔を保つとともに、第2溶融工程ではこのストッパを取り外して板ガラス2と板ガラス1との間隔をスペーサー8により規定される所定の間隔とするという方法を採ることもできる。
また、本実施形態における溶融工程と排気工程の設定条件として、第1の実施形態と同様に、第1溶融工程の後に真空封着ガラスの温度を室温まで下げ、溶融炉外で排気工程を行った後に第2溶融工程を行う、第1の実施形態において図7として示した別の設定条件を採用することができる。
以上説明したように、本開示にかかる複層ガラスの製造方法では、一対の板ガラス間に形成される空間内を減圧状態にした後に、領域形成材によって、複層ガラスとして必要な所望の形状を有する部分領域を形成することができる。このため、簡易な製造方法でありながら、部分領域を切り出すことにより得られた複層ガラスは、その内部の空間が減圧状態に保たれている。したがって、断熱効果や結露防止効果、遮音効果といった内部の空間が減圧された複層ガラスが有する各特性を発揮することができる。また、板ガラスから突出する排気管を備えていないため、複層ガラスの使用時や運搬時などの取り扱いにおいて、突出した排気管による不便さが解消されるとともに、排気管が破損した場合に、複層ガラスの一対の板ガラス間の空間全体が減圧された状態ではなくなってしまうという問題が生じることを回避することができる。
特に、本実施形態の製造方法によれば、部分領域内に、部分領域内を減圧状態にするための排気口を設ける必要がないため、完成品としての複層ガラスにおいて、周囲を封着する隔壁の内部領域の全面を有効に使用することができる。
なお上記実施形態における説明では、それぞれの部分領域は、いずれも封着材で囲まれる領域中にその全周を領域形成材で囲まれた状態のものとして例示した。しかし、例えば図13に示す部分領域Aのように、一対の板ガラス1、2における隅部を利用して部分領域を形成する場合には、部分領域の周囲を、封着材であるフリットシール4と領域形成材である隔壁5aとの両方を用いて形成することができる。このようにすることにより、一対の板ガラス1および2から部分領域を切り出す工程における破断線11の長さが短くなり、結果として複層ガラスの製造工程をより簡素化することができる。
また、上記実施形態では、隔壁を用いて3つの減圧された部分領域を形成する場合について説明したが、一対の板ガラスの間の空間に形成される部分領域の数や形状は、例示したものに限られない。さらに、上記実施形態では、複数の部分領域を形成するために、領域形成材に形成される通気部の形状とこれを塞ぐ方法として、隔壁にスリットを設ける方法や隔壁に不連続部分とシール部分を形成する方法、また、封着材と領域形成材の形成高さを変える方法などを例示し、全ての部分領域における領域形成材とこれに設けられた通気部を塞ぐ構成が同じである例のみを示した。しかし、本開示の複層ガラスの製造方法において、一対の板ガラスの間に形成された一つの密閉空間から複数個の部分領域を形成する方法として、上記例示した各方法を組み合わせてそれぞれの部分領域ごとに異なる方法によって部分領域を形成することもできる。
また、内部が減圧状態となった部分領域を一対の板ガラスから破断線にそって切り出す際に、破断線11の直下部分が中空状態となっていて板ガラス間に所定の間隔を有している場合には、板ガラスを押圧して湾曲させる力が働いて板ガラスに不所望な割れが生じてしまうおそれがある。このような不所望な板ガラスの割れを回避するために、図13に示すように、破断線11の、特に導入線11b部分と重複する内部空間に、封着材または領域形成材と同等の部材からなる破断部支持材12を形成しておくことができる。なお、図13に示すように、破断部支持材12は、近傍に配置される封着材や領域形成材とは連続させずに島状の部材として配置することが、一対の板ガラスおよびと封着材とで形成される空間内部の排気効率上好ましい。
さらに、上記各実施形態での説明において、封着材および領域形成材として、ガラスフリットなどの温度が上昇することで溶融変形する部材を用いたものを例示説明したが、封着材および領域形成材としては、例えば紫外線などの光線やその他の刺激によって、所定形状に変形固化する各種部材を用いることができる。この場合には、上記実施形態で説明した第1溶融工程と第2溶融工程とを含む高温プロセスが不要となり、複層ガラスの製造設備を大幅に簡素化することができる。
また、上記第1の実施形態において、領域形成材に形成される通気部として、スリットや領域形成材の形成間隔部分など、平面的な構成としての通気部のみを例示したが、領域形成材の材料やその変形固化方法によっては、領域形成材を貫通する貫通孔を設けてこれを通気部とすることも可能である。
なお、上記第1の実施形態および第2の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法においては、溶融工程と排気工程の設定条件の例として、図3および図7を用いて第1溶融工程の後に封着された状態の板ガラスの温度を一旦下げて排気工程を行う例を説明した。しかし、本開示の複層ガラスの製造方法においては、第1溶融工程の後に封着された一対の板ガラスの温度を下げずに、そのままの温度を維持しながら、もしくはさらに温度を上昇させながら排気工程を行い、第1溶融工程よりも温度の高い第2溶融工程へと移行する設定条件を採用することもできる。このようにすることで、溶融工程と排気工程のリードタイムを減らすことができる。なお、封着された状態の板ガラスの温度を下げずに排気工程を行う場合には、領域形成材に形成された通気部が塞がれるタイミングを正確にコントロールして、一対の板ガラスの間の空間を分割して形成された部分領域が十分に減圧された状態となるように制御することが極めて重要となる。
また、上記第1の実施形態および第2の実施形態にかかる複層ガラスの製造方法において、領域形成材としての隔壁を、封着材であるフリットシールと軟化点の異なる材料で形成する場合や、フリットシールと異なる塗布高さで塗布する場合において、一対の板ガラスの周囲に配置された封着材以外の部分を全て同じ状態の領域形成材で構成する例について説明した。しかし、本開示にかかる複層ガラスの製造方法において、第1溶融工程終了後に内部空間3を一つの連続した空間として維持する方法としては、領域形成材の一部のみを封着材と軟化点の異なる材料で形成してその異なる材料部分に通気部を形成するともに、他の部分は封着材と同じ材料で形成することができる。また、同様に、領域形成材の一部のみの塗布高さを封着材よりも低い塗布高さとして、他の部分の塗布高さを封着材と同じ塗布高さとすることができる。また、領域形成材の材料と塗布高さとの両方を封着材と異ならせることもできる。
図14は、本開示にかかる製造方法により製造された複層ガラスの、完成品の状態における領域形成材の状態を説明する図である。
図14は、所定間隔のスリット22を介して塗布された低融点ガラスフリット21が、溶融工程によって溶融し、溶融部分23がスリットを塞いだ状態となった試料を撮影したものである。具体的には、低融点ガラスフリットとして、実施の形態1および2で例示したペーストを用い、塗布幅5mm、スリット幅2mm、塗布高さ0.5mmのものを、溶融炉に入れ、465℃で30分の溶融工程を経て形成したものである。なお、板ガラスとしては、厚さ3mmのソーダライムガラス2枚を用い、溶融時には一対の板ガラスの間隔を狭めるような外力は加えていない。また、図14に示した試料で、写真撮影が容易となるようにスリット22を介したガラスフリット21を板ガラスの周辺部領域に形成している。
図14に示すように、溶融後のガラスフリットは、比較的淡色のあらかじめ塗布形成されていた部分21と、比較的濃色の溶融した後固化した部分23とが判別できる状態となっている。発明者らが顕微鏡で拡大して確認したところ、あらかじめ塗布されていた部分の低融点ガラスは、微細な粒状の模様が認められたのに対し、一旦溶融して流動した部分の低融点ガラスは、細い線状の模様が確認できた。この模様は、低融点ガラスフリットペーストに含まれるガラス微粒子や気泡などが観察できたものと考えられ、もともとの塗布位置からの移動量の大小が模様の違いとなったと考えることができる。このような、表面状態の違いが、肉眼で観察できる色彩の差異として現れたものと考えられる。
このように、低融点ガラスフリットは、あらかじめ塗布形成された部分と一旦溶融して流動的となった後、再び固化した部分とでその表面状態が異なり、完成品の複層ガラスとなった状態でも特に強い光を照射することによってその色彩の違いとなって現れる。また、低融点ガラスフリットの塗布高さを変えた場合には、完成品の状態での断面形状、特に、断面の幅や板ガラスと接触している部分の広がり度合いの差異となって現れる。したがって、本開示にかかる複層ガラスの製造方法を用いて製造された複層ガラスは、内部の空間を減圧する際に用いられた排気管等が存在せず、かつ、2枚の板ガラスを封着する封着材の一部分に、あらかじめ塗布された部分ではなく溶融することで新たに密着したためにその状態が他とは異なる部分を備えている。このため、密閉空間を形成する封着材の状態を観察することで、他の方法により製造された複層ガラスと判別することができる。
また、封着材や領域形成材を溶融させる方法として、上記各実施形態に例示した溶融炉内に板ガラス全体を導入する方法以外にも、例えば、所定部分の封着材や領域形成材をレーザーによって加熱溶着させるレーザーシール法を採用することもできる。レーザーシール法やその他の方法で外部から所定の熱を加えて特定場所の封着材や領域形成材を溶着する方法によれば、所定の領域の封着材や領域形成材を選択的に溶着させることが容易になる。この結果、封着材のみを先に溶着させて、その後領域形成材を溶融させるという製造工程での溶融制御をより確実に行うことが期待できる。さらに、封着材を溶融炉で溶融封着させた後、内部空間を排気して領域形成材をレーザーシール法により溶融させて内部空間を排気口領域と減圧領域とに分割することで、より簡易な装置を用いて低コストで複層ガラスを製造することが可能となる。
また、上記の実施形態においては、封着材が形成された内側の領域にスペーサーを配置して、一対の板ガラスの間隙を規制する方法を例示したが、スペーサーに相当する高さ規制部材を封着材の形成部分に配置することもできる。
図15は、封着材であるフリットシールの形成領域に、スペーサーと同じ高さの高さ規制部材であるガラスビーズが配置された場合における、領域形成材が溶融して内部の空間が分割された状態を示す断面図である。図14は、第1の実施形態の説明に用いた図4と同じく、フリットシールと隔壁とが完全に溶融した状態の複層ガラスを示している。
図15に示すように、フリットシール4の形成部分に、スペーサー8の高さと同じ径を有する球状のガラスビーズ13を配置することで、スペーサー8が配置されている部分と、ガラスフリット4が形成されている周辺部分とにおける一対の板ガラス1、2間の間隙の高低差を無くすことができる。このようにすることで、板ガラス1、2の周辺部分が湾曲することをより確実に防止できるため、板ガラス1、2に残留する応力を減少させて切り出された複層ガラスの強度を向上させることができる。また、フリットシール4が塗布されている部分で、板ガラス1、2の間隔が所定の間隔よりも狭まってしまうことによって、フリットシール4に近い部分に形成された領域形成材が押しつぶされてその幅が広がり、ユーザに視認されやすくなるなどの問題を回避することができる。
なお、封着材の形成部分に高さ規制部材を配置する方法としては、フリットシール4を塗布する際のペースト中にガラスビーズ13を混入して、フリットシール4の塗布と同時にガラスビーズ13を配置する方法を採用することができる。また、スペーサー8の配置方法と同様の散布法、もしくは、写真露光法によって、スペーサーと同時に予めフリットシール4の形成場所に高さ規制部材を配置しておいて、これに重ねてフリットシール4を塗布形成することもできる。
図15で説明した高さ規制部材を、封着材が形成される部分以外の領域形成材が形成される部分に配置することもできる。このようにすることで、切り出された複層ガラスの周辺部が、スペーサーにより規制される高さと同じ高さに規制される。また、高さ規制部材は、封着材や領域形成材が形成される部分に配置されるものであるため、スペーサーのように、ユーザに視認されることによって複層ガラスの外観を損なってしまうという問題はあまり生じない。このため、高さ規制部材として、比較的大面積を有する柱状部材や、隔壁様の部分領域の周方向に所定の長さを有する連続した部材などを用いることもできる。このような平面視したときの面積が大きな高さ規制部材を配置・形成する方法としては、上記説明した写真露光法が優れている。また、切り出される複層ガラスの大きさや使用される板ガラスの厚さなどによっては、高さ規制部材のみが配置され、スペーサーが配置されない複層ガラスを製造することも可能である。
さらに、上記各実施形態では、板ガラスに形成される排気口として一方の板ガラスの隅部近傍に1つの排気口のみが設けられた例を示したが、排気口の数は1つに限られず、特に面積の広い一対の板ガラスを用いて複層ガラスを製造する場合には、排気効率を考えて2つ以上の排気口を、部分領域として切り出される部分以外に形成することもできる。
また、排気口を板ガラスに形成するのではなく、板ガラスの周辺部に形成される封着材に所定の間隙を設けて、この間隙を排気口として用いることで空間内部の気体を排気することができる。特に、本開示の複層ガラスの製造方法においては、一対の板ガラスの間の空間を領域形成材で分割してそれぞれ減圧された内部空間を有する部分領域を形成するものであるため、部分領域の周囲の内部空間を減圧状態に保つ必要がなく排気口を閉塞する必要がない。このため、例えば、領域形成材における通気部として示したような不連続部分を封着材に形成する方法や、上記した高さ規制部材として球状のガラスビーズではなく筒状の部材を封着材を貫通するように封着材の中に配置して、この筒状部材の内部空間を排気口として利用することなどもできる。なお、板ガラスではなく封着材に形成された排気口を、複数個配置することが可能であり、また、板ガラスと封着材との両方に排気口を形成することもできる。
また、上記各実施形態においては、排気口に排気管を接続して、排気管を介して内部の空間を減圧する方法について説明した。排気管を用いることで、真空ポンプとの接続が容易になり、従来確立された排気方法により一対の板ガラスの間の空間を減圧することができるが、一対の板ガラス内部の空間を排気するに際して排気管は必須のものではない。例えば、排気口が形成された部分の周囲の板ガラスの表面に密着することができる所定の柔軟性を有するリング状部材を用いて、封着された状態の板ガラスと真空ポンプとを気密に接続することにより、排気管を用いずに内部の空間を減圧状態とすることができる。
なお、本開示の複層ガラスの製造方法により製造される複層ガラスとして、板ガラスに反射防止や紫外線の吸収などの各種光学的作用、もしくは、断熱特性などの機能をもたらすために、有機もしくは無機の機能性膜を適宜形成するという、既に確立されている複層ガラスに関する技術を付加・応用することができる。例えば、複層ガラスを構成する少なくともいずれか一方の板ガラスの内表面または外表面に、酸化スズ(SnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛などの酸化物からなる薄膜をCVD(chemical vapor deposition)法などの既知の方法により形成することや、スパッタリング装置によって銀と酸化膜とを交互に積層することなどにより、赤外線領域の光線を強く反射する赤外線反射膜を設けることができ、積層ガラスとしての断熱特性を向上させることができる。また、この場合には、中空構造を備えたスペーサーや、熱伝導性の低い部材より形成されたスペーサーを備えることで、より一層断熱特性に優れた積層ガラスを得ることができる。
また、積層ガラスの内部空間3に、真空度を向上させることができるゲッター材を配置することができる。特に、本開示の積層ガラスでは、ゲッター材を切り出される部分領域以外の内部空間内に配置することで、完成品である切り出された複層ガラスにはゲッター材が含まれていないながら、ゲッター材による高い真空度が得られる減圧空間を備えた複層ガラスを実現することができる。
さらに、複層ガラスを構成する板ガラスとして、上記各実施形態で例示した平板状の板ガラスではなく、一方向若しくは複数の方向に湾曲した湾曲ガラスを用いて、全体として湾曲形状を備えた複層ガラスを実現することができる。
さらにまた、一対の板ガラスの少なくとも一方の板ガラス自体を複層ガラスとして、全体として3枚以上の板ガラスがそれぞれ所定の空間を隔てて積層された複層ガラスを構成することができる。この場合において、積層する複層ガラスを構成する少なくとも厚さ方向における一部分の複層ガラスが、本開示の製造方法により製造されたものであればよい。このため、本開示の製造方法により製造された複層ガラスとして、例えば、本開示の製造方法により製造された複層ガラスに、板ガラス間に不活性ガスが封入された複層ガラスが積層されている構成、別の方法または本開示の製造方法により製造された複層ガラスがさらに積層されている構成、さらには、所定間隔で板ガラスが積層されているのみで間の空間が大気圧のままである複層ガラスが積層された構成といった、さまざまな形態を採ることができる。
以上説明してきた本開示の複層ガラスの製造方法によって製造された複層ガラスは、断熱効果が高く、かつ、取り扱いが容易なエコガラスとして、窓ガラスなどに良好に使用できる。また、例えば、冷蔵庫や冷凍庫の扉部分に、本開示の複層ガラスの製造方法によって製造された複層ガラスを配置することで、高い断熱効果を活かして冷蔵庫や冷凍庫の機能を妨げることなく、内部の状態を確認することができるようになるなど、家庭用もしくは業務用の用途が期待できる。
なお、本開示における排気された空間を減圧状態を保ったまま板ガラスを分割する技術は、複層ガラス以外の、例えばプラズマディスプレイパネルや蛍光表示装置など、排気管を用いて所定の空間内を排気する表示デバイスに用いることができ、本開示と同様に完成品の状態で排気管などの突起物を有しない表示デバイスを製造することができる。
以上説明したように、本開示の複層ガラスの製造方法は、簡易な方法で取り扱いの容易な複層ガラス製造することができる方法として、有用である。

Claims (6)

  1. 所定間隔を隔てて対向配置された一対の板ガラスの周辺部同士が封着材で封着されて前記一対の板ガラスの間には空間が形成されている複層ガラスであって、
    前記空間は、前記空間内に配置された隔壁によって、前記一対の板ガラスの少なくとも一方に形成された排気口を通じて外部と繋がっている排気口領域と、それぞれ減圧状態に保たれている複数の部分領域とに分割されている、
    ことを特徴とする複層ガラス。
  2. 前記複数の部分領域は、それぞれ、前記排気口を含んでいない、
    請求項1に記載の複層ガラス。
  3. 前記隔壁がガラスフリットである、
    請求項1または2に記載の複層ガラス。
  4. 前記一対の板ガラスのいずれか一方の表面に配置され、前記一対の板ガラスの間隙を規定するスペーサーをさらに備える、
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の複層ガラス。
  5. 前記一対のガラス板の前記周辺部同士は封着材により封着され、
    前記封着材がガラスフリットである、
    請求項1〜4のいずれか一つに記載の複層ガラス。
  6. 前記封着材形成部分に配置され、前記一対の板ガラスの間隙を規定する高さ規制部材をさらに備える、
    請求項5に記載の複層ガラス。
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