JP6304356B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、溝内に流れ込む水を効率よく排出してハイドロプレーニング現象を抑制することが出来、且つ、製造が容易な空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤでは、排水性能を確保するために、トレッド面にタイヤ周方向に延在する主溝や、タイヤ周方向に対して傾斜して延在する主傾斜溝が形成されている。このような空気入りタイヤの排水性を改善するために、これら溝の内面に複数本の突起又は窪みを設けることが提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。
しかしながら、このような空気入りタイヤでは、細かい突起や窪みが多数設けられているため、金型の製造が難しく、更に、加硫時に金型の凹部(タイヤ側の突起に対応)や凸部(タイヤ側の窪みに対応)にゴムが流れ込み難いため加硫故障が発生し易く、生産性が悪化するという問題がある。生産性を上げるために突起又は窪みの本数を減らすことも考えられるが、単に本数を減らしただけでは排水性を改善する効果が充分に得られなくなるという問題がある。
特開2002−219906号公報 国際公開第2004/048130号
本発明の目的は、溝内に流れ込む水を効率よく排出してハイドロプレーニング現象を抑制することが出来、且つ、製造が容易な空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の第一の空気入りタイヤは、トレッド部にタイヤ周方向に延在する主溝又はタイヤ周方向に対して傾斜して延在する主傾斜溝を有する空気入りタイヤにおいて、前記主溝又は前記主傾斜溝の溝底中央に対して一方側の溝内面と他方側の溝内面の両方の溝内面に、該溝内面から突出すると共にトレッド面に平行な基準線に対して振幅を持って周期的に湾曲しながら前記主溝又は前記主傾斜溝の長手方向に延在する突条体が形成され、前記一方側の溝内面に設けられた前記突条体と前記他方側の溝内面に設けられた前記突条体とが周期が同じで位相が異なる湾曲形状を有することで、前記一方側の溝内面に設けられた前記突条体と前記他方側の溝内面に設けられた前記突条体とで、溝底中央から最も離間する湾曲形状の山どうし及び溝底中央に最も近づく湾曲形状の谷どうしの溝長手方向の位置が揃わないことを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明の第二の空気入りタイヤは、トレッド部にタイヤ周方向に延在する主溝又はタイヤ周方向に対して傾斜して延在する主傾斜溝を有する空気入りタイヤにおいて、前記主溝又は前記主傾斜溝の溝底中央に対して一方側の溝内面と他方側の溝内面の両方の溝内面に、該溝内面から突出すると共にトレッド面に平行な基準線に対して振幅を持って周期的に湾曲しながら前記主溝又は前記主傾斜溝の長手方向に延在する突条体が形成され、前記一方側の溝内面に設けられた前記突条体と前記他方側の溝内面に設けられた前記突条体とが周期が異なる湾曲形状を有することを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤは、溝内面に振幅を持って周期的に湾曲した突条体を有するので、この突条体が溝内の水を掻きだす方向に動き、突条体付近の水に渦が発生する。これにより、溝内面付近の水の流れが良くなると共に溝中央付近の速い水流と混ざって溝内全体の水流の速度が増し、効率的な排水が可能になる。また、突条体が振幅を持って湾曲しているので、走行時の空気入りタイヤの変形に起因するグルーブクラックの発生を防止することが出来る。更に、この形状により、排水性能を向上できるので、突起の本数を減少してゴム流れを良くして加硫故障を防止することが可能になる。
特に、本発明では、突条体を一方側の溝内面と他方側の溝内面の両方に形成すると共に、一方側の溝内面に設けられた突条体と他方側の溝内面に設けられた突条体とが周期が同じで位相が異なる湾曲形状を有するようにするか、或いは、突条体を一方側の溝内面と他方側の溝内面の両方に形成すると共に、一方側の溝内面に設けられた突条体と他方側の溝内面に設けられた突条体とが周期が異なる湾曲形状を有するようにしているので、両側の溝内面に設けられた突条体の湾曲形状の山と谷とが揃わず、より効果的に溝内の水を掻き出すと共に渦を発生させて水流の速度を増大させ、排水性能を向上することが出来る。
本発明においては、空気圧230kPaを充填し、最大負荷能力の80%の荷重を負荷したときの接地面内に含まれる主溝又は主傾斜溝の有効長さaと、突条体の湾曲形状の繰り返し単位の1周期の長さbとが、a≧bの関係を満たすことが好ましい。このように接地面内に少なくとも1周期分の突条体が含まれるようにすることで、効果的に溝内の水を掻き出すと共に渦を発生させることが出来、排水性能を更に向上することが出来る。
本発明においては、突条体が溝底から溝深さの75%の範囲内に存在することが好ましい。このように突条体を配置することで、摩耗初期においても突条体による排水性能を向上する効果を維持することが出来る。
本発明においては、突条体の湾曲形状の谷が溝底中央の近傍に配置されたことが好ましい。これにより、溝内面の広範囲に突条体を設けることが出来るため、より効果的に溝内の溝を掻き出し、排水性能を向上することが出来る。
本発明においては、突条体の最大幅が0.2mm以上1.0mm以下であることが好ましい。この範囲に設定することで、溝体積を維持して排水性能を保つことが出来る。また、金型の生産性が良くなると共に、製造時のゴム流れを阻害しないので、生産性を向上することが出来る。
本発明においては、一方側の溝内面及び/又は他方側の溝内面のそれぞれに2本の突条体が設けられ、これら2本の突条体の振幅及び/又は周期が互いに異なることが好ましい。これにより、溝内の水を掻き出す効果を高めることが出来る。また、トレッド面側の突条体が摩滅しても突条体による効果を維持することが出来る。
本発明の空気入りタイヤの一例を示す子午線断面図である。 本発明の空気入りタイヤのトレッド面の一例を示す正面図である。 本発明の空気入りタイヤのトレッド面の他の例を示す正面図である。 本発明の突条体の構造を説明するために空気入りタイヤの溝の一部を切り取って示す参考図である。 本発明の突条体の構造を説明するために空気入りタイヤの溝の一部を展開して示す参考図である。 図5のX−X矢視断面図である。 本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの溝の一部を拡大して示す展開図である。 図7のX−X矢視断面図である。 本発明の他の実施形態からなる空気入りタイヤの溝の一部を拡大して示す展開図である。 図9のX−X矢視断面図である。 本発明の空気入りタイヤの接地面を示す説明図である。 本発明の突条体の他の態様を説明するために空気入りタイヤの溝を展開して示す参考図である。 本発明の空気入りタイヤの溝に形成された様々な突条体の断面形状を示す参考図である。 本発明の突条体の更に他の態様を説明するために空気入りタイヤの溝の一部を展開して示す参考図である。 図14の位置X,Y,Zのそれぞれにおける断面図である。 本発明の突条体の更に他の態様を説明するために空気入りタイヤの溝の一部を展開して示す参考図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に例示する空気入りタイヤTにおいて、CLはタイヤセンターライン、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部分と折り返し部分により包み込まれている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層7の外周側にはタイヤ周方向に配向する繊維コードを含むベルト補強層8が設けられている。ベルト補強層8のタイヤ周方向に対するコード角度は5°以下、より好ましくは、3°以下である。
本発明は、このような一般的な空気入りタイヤに適用されるが、その具体的な構造は上述の基本構造に限定されるものではない。
本発明の空気入りタイヤのトレッド面9(トレッド部1の表面)には、少なくとも、図2に例示するようなタイヤ周方向に延びる複数本の主溝10Aか、図3に例示するようなタイヤ周方向に対して傾斜して延在する複数本の主傾斜溝10Bが形成されている(以下、特に断りがない限り、主溝10A及び主傾斜溝10Bをまとめて溝10と言う)。そして、これら溝10の溝内面11には突条体12が形成されている。尚、これら溝10の他に、タイヤ幅方向に延びる横溝や、主溝及び主傾斜溝よりも溝幅が狭い副溝などの任意の溝を形成しても良い。
図4〜6に例示するように、溝10に形成された突条体12は、溝内面11から突出すると共に、トレッド面9に平行な基準線Lに対して振幅を持って周期的に湾曲しながら溝の長手方向に延在する。図4〜6の例では、突条体12は、溝底13の溝幅方向中央(溝底中央C)に対して一方側の溝内面14と他方側の溝内面15のうち、一方側の溝内面14のみに設けられている。また、図示の例では、突条体12の湾曲形状は、正弦波状になっている。
このような形状の突条体12は、走行時には路面に対して溝内の水を掻き出す方向に動くので、突条体12付近の水に渦を発生させることが出来る。これにより、溝内面11付近の水の流れが良くなると共に溝中央付近の速い水流と混ざって、溝内全体の水流の速度が増し、効率的な排水が可能になる。また、突条体12が振幅を持って湾曲しているので、走行時の空気入りタイヤの変形に起因するグルーブクラックの発生を防止することが出来る。更に、この湾曲形状によって従来の直線形状の突条体よりも排水性能を向上できるので、突条体12の本数を減少して製造時のゴム流れを良好にして加硫故障の発生を防止することが可能になる。
上述のように、図4〜6の例では、突条体12は、溝底中央Cに対して一方側の溝内面14のみに設けられているが、本発明では、図7〜10に例示するように、一方側の溝内面14と他方側の溝内面15との両方に、それぞれ突条体12を形成する。
図7,8に例示する実施形態では、一方側の溝内面14に設けられた突条体12と他方側の溝内面15に設けられた突条体12とが、周期が同じで位相が異なる湾曲形状を有している。一方、図9,10に例示する実施形態では、一方側の溝内面14に設けられた突条体12と他方側の溝内面15に設けられた突条体12とが、周期が異なる湾曲形状を有している。いずれの場合も、位相の違い又は周期の違いによって、両側の突条体12の湾曲形状の山と谷とが揃わないようになっており、より効果的に溝内の水を掻き出すと共に水の渦を発生させて水流の速度を増大させ、排水性能を向上することが出来る。
このように両側の溝内面11に突条体12を設ける場合、両側の突条体12の湾曲形状の山と谷とが互い違いになれば良いので、両側の突条体12の湾曲形状の振幅は同一であっても、異なっていても構わない。
突条体12は、少なくとも上述の湾曲形状を有していれば、接地領域内において路面に対して傾斜した部分を有するので、溝10内の水を掻き出すことが出来るが、より効率的に水を掻き出すためには、空気圧230kPaを充填し、最大負荷能力の80%の荷重を負荷したときの接地面G(以下、接地面Gと言う)内に含まれる溝10の有効長さaと、突条体12の湾曲形状の繰り返し単位の1周期の長さbとが、a≧bの関係を満たすことが好ましい。これにより、接地面G内に含まれる溝10に、突条体12の湾曲形状の繰り返し単位が少なくとも1周期分含まれることになる。従って、突条体12の湾曲形状の山と谷とが接地面G内に確実に含まれるので効率的に水を掻き出すことが可能になる。
尚、溝10が主溝10Aの場合、有効長さaとは、図11(A)に例示するように、接地面G内に含まれる主溝10Aの部分の長さをaである。この場合、接地面Gでは、タイヤ幅方向外側に向かって接地面G内に含まれる主溝10Aの部分の長さaが小さくなるが、各主溝10Aの部分において長さa,bがa≧bの関係を満たすことが好ましい。
一方、溝10が主傾斜溝10Bの場合は、有効長さaとは、図11(B)に例示するように、主傾斜溝10Bが接地面G内で最も長い状態になったときの長さ(最大長さa)である。この場合、主傾斜溝10Bの最大長さaは、接地面G内で終端する主傾斜溝10B(図11(B)のタイヤセンターラインCLより右側に例示)では、主傾斜溝10Bのタイヤ幅方向内側端からタイヤ幅方向外側端までの距離(主傾斜溝10Bの全長)であり、接地面Gを越えて延在する主傾斜溝10B(図11(B)のタイヤセンターラインCLより左側に例示)では、主傾斜溝10Bのタイヤ幅方向内側端から接地端までの距離である。
突条体12の溝深さ方向の配置は特に限定されないが、好ましくは、突条体12が溝底13から溝深さDの75%の範囲内に存在すると良い。このように突条体12を配置することで、摩耗初期においても突条体12による排水性能を向上する効果を維持することが出来る。
上述の実施形態では、突条体12は、溝底中央Cの一方側の溝内面14と他方側の溝内面15のうち、特に、左右の溝壁面16,17に設けられているが、溝底中央Cを越えなければ、図12に例示するように、突条体12が溝底13まで延在していても良い。特に、突条体12の湾曲形状の谷を溝底中央Cの近傍に配置することが好ましい。これにより、溝内面11の広範囲に突条体12を設けることが出来るため、より効果的に溝内の水を掻き出し、排水性能を向上することが出来る。
突条体12の形状は特に限定されないが、例えば、断面形状を、図13(A)に例示するような半楕円形状、図13(B)に例示する様な半円形状、図13(C)に例示するような三角形状等にすることが出来る。いずれの場合も、突条体12の最大幅w、即ち、突条体の溝内面における幅wを0.2mm以上1.0mm以下にすることが好ましい。この範囲に設定することで、溝体積を維持して排水性能を保つことが出来る。また、金型の生産性が良くなると共に、製造時のゴム流れを阻害しないので、生産性を向上することが出来る。幅wが0.2mmより小さいと、金型の製造が難しくなると共に、ゴム流れが阻害され、生産性を充分に向上することが難しくなる。幅wが1.0mmより大きいと、溝体積が大幅に減少するため、排水性能を向上する効果が充分に得られない。
一方、突条体12の突出高さhは、突条体12の全長に亘って一定であっても良いが、図14,15に例示するように、突条体12の突出高hさを変動させて、溝10の溝幅が広い部分での突条体12の突出高さhを高くすると共に、溝10の溝幅が狭い部分での突条体12の突出高さhを低くしてもよい。つまり、一般的に溝10は、溝底15に向かって溝幅が狭くなるので、それに応じて突条体12の突出高さhを変化させてもよい。具体的には、例えば、溝10の開口部近傍での突条体12の突出高さhを最も高くし、溝底15に向かって突条体12の突出高さhが徐々に低くなるようにすることもできる。図14,15の例では、図14の位置Xでの断面、即ち、突条体12の山での断面(図15(A))における突出高さhが最も大きく、図14の位置Yでの断面、即ち、突条体12の山と谷の中間地点での断面(図15(B))における突出高さh、図14の位置Zでの断面、即ち、突条体の谷での断面(図15(C))における突出高さhの順に、突出高さhが小さくなっている。このように突条体12の突出高さhを変動させることで、突条体12を設けることによる溝体積の大幅な減少を回避し、優れた排水性能を得ることが出来る。
このとき、突出高さhは、0mm以上1mm以下の範囲内で変動させることが好ましい。つまり、突出高さhが0mmになることで、突条体12が溝10の長手方向に断続的に延在するようになっても良いが、突出高さが1mmを超えないようにすると良い。突出高さhが1mmより大きいと、溝体積が大幅に減少するため、排水性能を向上する効果が充分に得られない。
上述の実施形態では、一方側の溝内面14及び他方側の溝内面15のそれぞれに1本の突条体12が設けられていたが、一方側の溝内面14及び他方側の溝内面15のそれぞれに複数本の突条体12を設けることも出来る。特に、一方側の溝内面14及び他方側の溝内面15のそれぞれに2本の突条体12を設け、これら2本の突条体12の振幅及び/又は周期を、図16に例示するように、互いに異ならせることが好ましい。これにより、溝10内の水を掻き出す効果を高めることが出来る。また、トレッド面9側の突条体12が摩滅しても、溝底13側の突条体12が残るため、突条体12による効果を維持することが出来る。
このとき、片側の溝内面14,15に設けられた複数本の突条体12同士は、交差せずに延在することが好ましい。また、溝底13側の突条体12の振幅及び周期は、トレッド面9側の突条体12の振幅及び周期よりも小さいことが好ましい。
突条体12の波高H(振幅の2倍)は、突条体12を溝壁16,17のみに設ける場合は、溝深さDの50%〜75%にすることが好ましい。また、突条体12が溝底13にも延在する場合は、トレッド面9から溝底中央Cまでの距離の75%〜90%にするとよい。尚、図16に例示するように、片側の溝内面14,15に複数本の突条体12を設ける場合、突条体12の波高Hは、片側の溝内面14,15に設けられた各突条体12の波高H1,H2の総和とする。
タイヤサイズが225/45R17であり、タイヤの断面構造を図1、トレッドパターンを図2で共通にし、突条体の有無、突条体の断面形状、突条体の平面視形状、接地長に対する突条体の周期、両溝壁のいずれの溝壁が突条体を有するか(突条体を有する溝壁)、両壁に突条体を設けた場合の突条体の位相、突条体の深さ方向の位置、突条体の波高、突条体の最大幅、突条体の高さが一定であるか否か、突条体の高さの範囲、溝壁当たりの突条体の本数をそれぞれ異ならせた従来例1〜3、比較例1、参考例1〜4、実施例1〜4の12種類の試験タイヤを製造した。
尚、従来例2,3は、突条体の代わりに溝を設けた例であり、上述の突条体の構成に対応する溝の構成を各欄に括弧を付して記載した。また、従来例2は、溝に対して傾斜した直線状の溝を多数配置した例であり、従来例3は、溝の長手方向に延びる直線状の溝を多数配置した例である。比較例1は、突条体が湾曲せずに溝の長手方向に対して直線状に延びる例である。
参考例1〜4、実施例1〜4において、突条体の湾曲形状は、いずれも正弦曲線状である。
これら12種類の試験タイヤについて、下記の評価方法によりハイドロプレーニング発生速度及び生産歩留まり率を評価し、その結果を表1に併せて示した。
ハイドロプレーニング発生速度
各試験タイヤをリムサイズ17×7 1/2Jのホイールに組み付け、空気圧230kPaを充填し、排気量2.0LのFR車に装着し、水深10mmの水を満たしたプールに直進進入した。このプールに、ハイドロプレーニング現象が発生するまで少しずつ速度を変えながら繰り返し進入し、ハイドロプレーニング現象が発生した速度を記録した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど、ハイドロプレーニング現象の発生速度が高く、排水性が優れていることを意味する。
生産歩留まり率
各試験タイヤをそれぞれ100本製造し、金型から抜き取った後の加硫故障(突条体の欠け、ゴム流れ不良)の有無を目視で調べ、加硫故障が発生したタイヤ数をカウントした。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きい程、加硫故障が発生したタイヤ数が小さく、生産性が優れていることを意味する。
Figure 0006304356
表1から判るように、実施例1〜4はいずれも、ハイドロプレーニング発生速度が高いと共に、生産歩留まり率が高く、排水性と生産性を共に向上した。一方、直線状の溝を多数設けた従来例2,3は、優れた排水性能は得られるものの、溝壁の形状が複雑になるため、生産歩留まり率が悪く、生産性が悪化した。また、直線状の突条体を片側の壁面のみに1本設けた比較例1は、溝壁の形状が単純であるため、生産歩留まり率が溝又は突条体を設けない従来例1と同等であるものの、直線状の突条体では水流を掻き出す効果が充分に得られないうえ、突条体により溝体積が減少するため、ハイドロプレーニング発生速度が低く、排水性能が低下した。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
9 トレッド面
10 溝
10A 主溝
10B 主傾斜溝
11 溝内面
12 突条体
13 溝底
14 一方側の溝内面
15 他方側の溝内面
16,17 溝壁
CL タイヤセンターライン
C 溝底中央
L 基準線

Claims (7)

  1. トレッド部にタイヤ周方向に延在する主溝又はタイヤ周方向に対して傾斜して延在する主傾斜溝を有する空気入りタイヤにおいて、
    前記主溝又は前記主傾斜溝の溝底中央に対して一方側の溝内面と他方側の溝内面の両方の溝内面に、該溝内面から突出すると共にトレッド面に平行な基準線に対して振幅を持って周期的に湾曲しながら前記主溝又は前記主傾斜溝の長手方向に延在する突条体が形成され、前記一方側の溝内面に設けられた前記突条体と前記他方側の溝内面に設けられた前記突条体とが周期が同じで位相が異なる湾曲形状を有することで、前記一方側の溝内面に設けられた前記突条体と前記他方側の溝内面に設けられた前記突条体とで、溝底中央から最も離間する湾曲形状の山どうし及び溝底中央に最も近づく湾曲形状の谷どうしの溝長手方向の位置が揃わないことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. トレッド部にタイヤ周方向に延在する主溝又はタイヤ周方向に対して傾斜して延在する主傾斜溝を有する空気入りタイヤにおいて、
    前記主溝又は前記主傾斜溝の溝底中央に対して一方側の溝内面と他方側の溝内面の両方の溝内面に、該溝内面から突出すると共にトレッド面に平行な基準線に対して振幅を持って周期的に湾曲しながら前記主溝又は前記主傾斜溝の長手方向に延在する突条体が形成され、前記一方側の溝内面に設けられた前記突条体と前記他方側の溝内面に設けられた前記突条体とが周期が異なる湾曲形状を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 空気圧230kPaを充填し、最大負荷能力の80%の荷重を負荷したときの接地面内に含まれる前記主溝又は前記主傾斜溝の有効長さaと、前記突条体の湾曲形状の繰り返し単位の1周期の長さbとが、a≧bの関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記突条体が溝底から溝深さの75%の範囲内に存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記突条体の湾曲形状の谷が前記溝底中央の近傍に配置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記突条体の最大幅が0.2mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項1〜5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記一方側の溝内面及び/又は前記他方側の溝内面のそれぞれに2本の突条体が設けられ、これら2本の突条体の振幅及び/又は周期が互いに異なることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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