JP6304296B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Description
ここに開示する技術は、エンジンの制御装置に関する。
特許文献1には、EGRバルブの故障診断方法の一例として、燃料カット中にEGRバルブを一時的に開閉して、吸気通路内の圧力変動を検出することが記載されている。前記特許文献1によれば、検出された圧力変動量が所定値に達しなかった場合、EGRバルブが正常に開かなかったものとして、故障が生じているものと判定するようになっている。
近年、燃料カットから復帰するときに出力トルクを精度良く制御するために、吸気マニホールド内の空気の状態を、EGRガスの影響を考慮した上で略一定に保つことが考えられている。その場合、燃料カット中、吸気マニホールドの気体収支(吸気マニホールドへ流入する空気の流量と、吸気マニホールドから流出する空気の流量との差)は、EGRによる排気の還流の寄与を考慮した上で、所定の目標値に追従するように制御される。例えば、燃料カット中にEGRバルブが開弁すると、その開度に応じて、スロットルバルブが閉弁することになる。
しかしながら、前記のような追従を行うよう構成してしまうと、前記特許文献1に記載の方法を用いてEGRバルブの故障を診断するとき、EGRバルブを一時的に開閉した際に、その開閉に応じて、スロットルバルブも開閉することになる。したがって、圧力変動の検出に支障を来してしまうため、前記特許文献1に記載の方法では、EGRバルブの故障診断を正常に行うことが出来ない。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジンの制御装置において、吸気マニホールドの気体収支を目標値に追従させたときに、EGRバルブの故障診断を正常に行うことにある。
ここに開示する技術は、吸気通路の下流端部に配設された吸気マニホールドと、前記吸気通路に設けられ、前記吸気マニホールドへ流入する吸気の流量を調整するスロットルバルブと、気筒内へ供給する燃料を噴射するよう構成された燃料噴射弁と、排気通路と前記吸気通路の前記スロットルバルブよりも下流側部分とを接続するEGR通路と、前記EGR通路に配設され、該EGR通路を介して前記吸気マニホールドへ還流する空気の流量を調整するEGRバルブとを備えたエンジンの制御装置に関する。
前記制御装置は、前記スロットルバルブ及び前記EGRバルブの開度を調整するバルブ制御部と、所定の燃料カット条件が成立した場合、前記燃料噴射弁による燃料噴射を中止する燃料カット制御を実行する噴射制御部と、前記燃料カット制御中に、前記EGRバルブの故障の有無を判定するEGRモニタを実行するEGR診断部とを備える。
前記バルブ制御部は、前記燃料カット制御中に、前記吸気マニホールドへ流入する空気の流量と、前記吸気マニホールドから流出する空気の流量との差を示す気体収支の目標値である目標収支を取得すると共に、前記気体収支が前記目標収支となるように、前記スロットルバルブ及び前記EGRバルブの開度をそれぞれ調整するよう構成される。
そして、前記EGR診断部は、前記EGRモニタにおいて、前記EGRバルブの開度を変更すると共に、該開度を変更した後の前記還流量の推定値を示す推定還流量と、該開度を変更する際の目標還流量とを比較することで、前記EGRバルブの故障の有無を判定する。
前記のように、バルブ制御部は、燃料カット制御中に、吸気マニホールドの気体収支の目標値を取得すると共に、その気体収支が目標値となるように、つまり、気体収支が目標値に追従するように、EGRバルブ及びスロットルバルブの開度を調整する。詳しくは、バルブ制御部は、気体収支のうちの少なくとも一部に寄与する空気の還流量が所定の目標還流量となるようにEGRバルブを制御すると共に、その目標還流量に応じて、気体収支が目標収支となるようにスロットルバルブの開度を調整する。
EGR診断部は、燃料カット制御中に、EGRバルブの故障の有無を判定するEGRモニタを実行する。詳しくは、EGR診断部は、EGRモニタにおいて、EGRバルブの開度を変更すると共に、EGRバルブの開度を変更した後の推定還流量と、その開度に変更する際の目標還流量とを比較することで、EGRバルブの故障の有無を判定する。
EGR通路を介した空気の還流量は、EGRバルブの開閉動に応じて増減する量であり、EGRバルブが正常に動作する場合、推定還流量は、EGRバルブが目標通りの開度を実現したことを受けて、目標還流量付近の値を取る。一方で、EGRバルブが故障していた場合、推定還流量は、EGRバルブが目標通りの開度を実現しなかったことを受けて、目標還流量から外れた値を取る。したがって、推定還流量と目標還流量とを比較することで、EGRバルブの故障の有無を判定することが可能になる。
このように、前記の構成によれば、吸気マニホールドの気体収支を目標値に追従させるように構成した場合であっても、EGRバルブの故障診断を正常に行うことが可能になる。
また、前記エンジンは、前記吸気通路に配設されかつ、前記スロットルバルブを通過する空気の流量を検出するエアフロメータと、前記吸気マニホールド内における空気の圧力を検出する圧力センサとを備え、前記EGR診断部は、前記エアフロメータにより検出された、前記吸気マニホールドへ吸入される空気の流量と、前記圧力センサによる検出結果に基づいて推定された、前記気体収支の現在値とに基づいて、前記推定還流量を取得する、としてもよい。
前記の構成によると、推定還流量を適切に推定することが可能になる。
また、前記エンジンは、燃料タンクの蒸発燃料を、空気と混合されたパージガスとして前記吸気マニホールド内へ導入するよう構成されたパージシステムを備え、前記EGR診断部は、前記EGRモニタの最中、前記パージシステムによる前記パージガスの導入を停止させるよう構成されている、としてもよい。
蒸発燃料は、空気と混合されたパージガスとして、吸気マニホールド内へ導入される。
前記の構成によると、EGR診断部は、EGRモニタの最中、パージガスの導入を停止させる。パージガスの導入を停止することで、推定還流量を取得する上で考慮するべき因子が減るから、EGR診断部は、推定還流量をより適切に推定することが可能になる。
以上説明したように、前記エンジンの制御装置によれば、EGRバルブの故障診断を正常に行うことが可能になる。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈エンジンの構成〉
図1は、実施形態による制御装置が適用されたエンジンの概略構成図である。
図1は、実施形態による制御装置が適用されたエンジンの概略構成図である。
図1に示すように、エンジン100(例えばガソリンエンジン)は、主に、外部から導入された吸気(空気)が通過する吸気通路10と、吸気通路10から供給された吸気と後述の燃料噴射弁23から供給された燃料との混合気を燃焼させてエンジン100を駆動するエンジン本体20と、このエンジン本体20内の燃焼により発生した排気(空気)が排出される排気通路(排気系)30と、エンジン100全体を制御するPCM(Powertrain Control Module)50とを有する。
吸気通路10には、上流側から順に、外部から導入された吸気を浄化するエアクリーナ2と、通過する吸気を昇圧させる、ターボ過給機4のコンプレッサ4aと、通過する吸気を冷却するインタークーラ9と、通過する吸気の流量を調整するスロットルバルブ11と、エンジン本体20に供給する吸気を一時的に蓄えるサージタンク13aを有する吸気マニホールド13とが設けられている。吸気マニホールド13は、吸気通路10の下流端部に配設されており、エンジン本体20の吸気ポート25に接続されている。
スロットルバルブ11は、吸気通路10のうちインタークーラ9と吸気マニホールド13との間の部分に配設されており、インタークーラ9を通過した後に吸気マニホールド13へ吸入される吸気の流量を調整するように構成されている。
また、吸気通路10には、コンプレッサ4aによって過給された吸気の一部を、コンプレッサ4aの上流側に還流するためのエアバイパス通路6が設けられている。具体的には、エアバイパス通路6は、一端がコンプレッサ4aの下流側で且つスロットルバルブ11の上流側の吸気通路10に接続され、他端がコンプレッサ4aの上流側の吸気通路10に接続されている。また、このエアバイパス通路6には、エアバイパス通路6を流れる吸気の流量を制御するエアバイパスバルブ7が設けられている。
さらに、吸気通路10には、不図示の燃料タンク内で発生した蒸発燃料を、吸気通路10を介して各気筒内に導入するよう構成されたパージシステム80が接続されている。
詳しくは、パージシステム80は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸着して回収する不図示のキャニスタと、キャニスタを吸気通路10へ接続するパージ通路84と、パージ通路84に設けられたパージバルブ85とを有している。パージシステム80は、蒸発燃料と空気とを含むパージガスを、パージ通路84を介して吸気通路10(具体的には、吸気マニホールド13のサージタンク13a)へ供給するように構成されている。以下、パージガスを吸気通路10へ供給することを、単に「パージ」と称する場合がある。
パージ通路84は、キャニスタとサージタンク13aとを接続している。パージ通路84には、パージバルブ85が設けられている。パージバルブ85は、PCM50からの制御信号により開閉される電子制御式のバルブである。パージ通路84のうちパージバルブ85よりも下流側(サージタンク13a側)の部分には、サージタンク13aからの空気の逆流を防止する逆止弁84aが設けられている。
エンジン本体20は、主に、吸気ポート25を開閉する吸気バルブ22と、気筒21内に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁23と、気筒21内に供給された吸気と燃料との混合気に点火する点火プラグ24と、気筒21内での混合気の燃焼により往復運動するピストン27と、ピストン27の往復運動により回転されるクランクシャフト28と、排気ポート26を開閉する排気バルブ29とを有する。
排気通路30には、上流側から順に、通過する排気によって回転させられ、この回転によってコンプレッサ4aを回転駆動する、ターボ過給機4のタービン4bと、排気の浄化機能を有する排気浄化触媒37、38とが設けられている。排気浄化触媒37、38は、例えばNOx触媒や三元触媒や酸化触媒などである。
また、排気通路30には、排気を吸気通路10に還流するEGR(Exhaust Gas Recirculation)通路32が接続されている。このEGR通路32は、一端がタービン4bの上流側の排気通路30に接続され、他端が吸気通路10のスロットルバルブ11よりも下流側部分(具体的には、吸気マニホールド13のサージタンク13a)に接続されている。加えて、EGR通路32には、還流させる排気を冷却するEGRクーラ33と、EGR通路32を流れる排気の流量を制御するEGRバルブ34とが設けられている。
EGRバルブ34は、本実施形態では、EGR通路32の流路断面積を段階的に変更することにより、EGR通路32を介して吸気マニホールド13へ還流する排気の流量を調整するように構成されている。
さらに、排気通路30には、ターボ過給機4のタービン4bを、排気に迂回させるタービンバイパス通路35が設けられている。このタービンバイパス通路35には、タービンバイパス通路35を流れる排気の流量を制御するウェイストゲートバルブ(以下、「WGバルブ」と称する)36が設けられている。
また、エンジン100には、燃料室から漏れ出たブローバイガスを吸気通路10へ戻すための第1及び第2ベンチレーションホース87、89を備えている。第1ベンチレーションホース87は、エンジン本体20を構成するシリンダブロックのクランクケースとサージタンク13aとを接続している。第1ベンチレーションホース87のクランクケース側の端部には、ブローバイガスをサージタンク13a側にしか流さないようにするためのPCVバルブ88が設けられている。PCVバルブ88は、サージタンク13a内の圧力がクランクケース内の圧力(大気圧と同じ)よりも低いときに、その差圧に応じて開弁する。PCVバルブ88が開弁することで、ブローバイガスは、第1ベンチレーションホース87を介してクランクケースからサージタンク13aへ流れることになる。第2ベンチレーションホース89は、エンジン本体を構成するシリンダヘッドと、吸気通路10のうちコンプレッサ4aよりも上流側の部分とを接続している。
また、図1に示すエンジン100には、各種のセンサが設けられている。具体的には、エンジン100の吸気系においては、エアクリーナ2の下流側の吸気通路10(詳しくは、エアクリーナ2とコンプレッサ4aとの間の吸気通路10)に、吸気流量を検出するエアフロメータ61と吸気温度を検出する第1温度センサ62とが設けられ、コンプレッサ4aとスロットルバルブ11との間の吸気通路10に、過給圧を検出する第1圧力センサ63が設けられ、スロットルバルブ11の下流側の吸気通路10(詳しくは、サージタンク13a内)に、サージタンク13a内の圧力であるインマニ圧力を検出する第2圧力センサ64が設けられている。この第2圧力センサ64には、サージタンク13a内の温度であるインマニ温度を検出する温度センサが内蔵されている。
そして、エンジン本体20においては、クランク角を検出するクランク角センサ69、及び、ウォータジャケット内のエンジン冷却水の水温(エンジン水温)を検出する水温センサ70が設けられている。
さらに、エンジン100の排気系においては、EGR通路32に、EGRバルブ34の開度であるEGR開度を検出するEGR開度センサ65と、EGRバルブ34の上流側(排気通路側)における排気圧力を検出する排圧センサ71とが設けられ、タービン4b付近に、WGバルブ36の開度であるWG開度を検出するW/G開度センサ66が設けられ、タービン4bの下流側の排気通路30(詳しくはタービン4bと排気浄化触媒37との間の排気通路30)に、排気中の酸素濃度を検出するO2センサ67と、排気温度を検出する排温センサ68とが設けられている。
その他、エンジン100には、大気圧を検出する大気圧センサ60、及び、アクセルペダルの開度であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサ72が設けられている。
エアフロメータ61は、検出した吸気流量に対応する検出信号S61をPCM50に供給し、第1温度センサ62は、検出した吸気温度に対応する検出信号S62をPCM50に供給し、第1圧力センサ63は、検出した過給圧に対応する検出信号S63をPCM50に供給し、第2圧力センサ64は、検出したインマニ圧力とインマニ温度に対応する検出信号S64をPCM50に供給し、EGR開度センサ65は、検出したEGR開度に対応する検出信号S65をPCM50に供給し、WG開度センサ66は、検出したWG開度に対応する検出信号S66をPCM50に供給し、O2センサ67は、検出した酸素濃度に対応する検出信号S67をPCM50に供給し、排温センサ68は、検出した排気温度に対応する検出信号S68をPCM50に供給する。クランク角センサ69は、検出したクランク角に対応する検出信号S69をPCM50に供給する。また、大気圧センサ60は、検出した大気圧に対応する検出信号S60をPCM50に供給し、水温センサ70は、検出したエンジン水温に対応する検出信号S70をPCM50に供給し、排圧センサ71は、検出した排気圧力に対応する検出信号S71をPCM50に供給し、アクセル開度センサ72は、検出したアクセル開度に対応する検出信号S72をPCM50に供給する。
PCM50は、CPUと、CPU上で実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)や各種のデータを格納するためのROMやRAMの如き内部メモリとを備えるコンピュータにより構成される。PCM50は、上述した各種センサから供給された検出信号に基づいて、種々の制御や処理を行う。尚、PCM50は、制御装置の一例である。
図2に、PCM50の機能構成図を示す。詳しくは、PCM50は、各アクチュエータの制御の基本値を設定するトルクベース制御を行うベース設定部51と、スロットルバルブ11及びEGRバルブ34を制御するバルブ制御部52と、燃料カット制御を実行する噴射制御部53と、EGRモニタを実行するEGR診断部54と、バージシステム80を制御するパージ制御部55とを備えている。
ベース設定部51は、エンジン100の運転状態に基づいて出力トルクの要求値(以下、「目標トルク」と称する)を求め、その目標トルクを基準として、スロットルバルブ11の開度、WGバルブ36の開度、点火プラグ24の点火時期、吸気バルブ22や排気バルブ29の開閉時期、及び、燃料噴射弁23の噴射量などの基本値を設定する、各基本値は、目標トルクに応じて様々に変更される。例えば、ベース設定部51は、後述の如く、目標トルクに基づいて、スロットルバルブ11を通過する吸気の流量の目標値(以下、「目標スロットル通過流量」と称する)を求めると共に、その目標スロットル通過流量に基づいて、スロットルバルブ11のバルブ開度の目標値(以下、「目標スロットル開度」と称する)を設定する。
噴射制御部53は、エンジン100の減速運転時に所定の燃料カット条件が成立した場合、燃料噴射弁23による燃料噴射を中止する燃料カット制御を実行するように構成されている。
バルブ制御部52は、基本的には、ベース設定部51により設定された前述の目標スロットル開度となるように、スロットルバルブ11の開度を調整する。バルブ制御部52はまた、エンジン100の運転状態に基づき設定された目標EGR開度となるように、EGRバルブ34の開度を調整する。詳しくは、バルブ制御部52は、エンジン100の運転状態に基づいて、EGR通路32を介した排気の還流量(以下、「EGR流量」と称する)の目標値を示す目標還流量(以下、「目標EGR流量」と称する)を求めると共に、その目標EGR流量に基づいて、EGRバルブ34のバルブ開度の目標値(以下、「目標EGR開度」と称する)を定める。バルブ制御部52は、目標EGR開度となるように、EGRバルブ34の開度を調整する。
バルブ制御部52は、燃料カット制御から復帰するときの応答性の向上、及び、復帰時にスロットルバルブを開弁したときのトルクショックを抑制するべく、燃料カット制御中にスロットルバルブ11を完全に閉弁せずに、全閉状態付近までの閉弁に留めるように構成されている。また、燃料カット制御中、EGR通路32を介して還流するEGRガスは、新気と同程度の酸素を含むことになる。一方で、スロットルバルブ11は、完全には閉弁されないものの、全閉状態付近まで閉弁されることになるため、スロットルバルブ11を通過して吸気マニホールド13へ吸入される新気の流量は、通常の運転領域よりも少なくなる。したがって、燃料カット制御から復帰するときの出力トルクに対し、EGRガスの寄与が比較的大きくなる。そのため、燃料カット制御から復帰するときに出力トルクを精度良く制御するために、バルブ制御部52は、燃料カット制御時における吸気マニホールド13内の空気の状態を、EGRガスの影響を考慮した上で略一定に保つように構成されている。その場合、燃料カット制御中に、吸気マニホールド13へ流入する空気の流量と、吸気マニホールド13から流出する空気の流量との差を示す気体収支(流入する空気の流量が、流出する空気の流量より大きい場合に正となり、小さい場合に負となる)は、EGR通路32を介した排気の還流の影響を考慮した上で、所定の目標値に追従するように制御される。
詳しくは、バルブ制御部52は、燃料カット制御中、気体収支の目標値である目標収支を取得する。目標収支としては、後述の目標インマニ通過流量が用いられる。
バルブ制御部52は、燃料カット制御中、気体収支が目標収支となるように、スロットルバルブ11及びEGRバルブ34の開度をそれぞれ調整する。例えば、燃料カット制御中、所定の目標収支が実現された状態において、その状態からEGR流量が増加すると、その増加分に応じてスロットル通過流量が減少するように、スロットルバルブ11の開度が閉じ側に調整される。
EGR診断部54は、燃料カット制御中に、EGRバルブ34の故障の有無を診断するEGRモニタを実行する。詳しくは後述するが、EGR診断部54は、EGRモニタにおいて、EGRバルブ34の開度を変更すると共に、該開度を変更した後の還流量の推定値を示す推定還流量(以下、「推定EGR流量」と称する)と、その開度を変更する際の目標EGR流量とを取得する。そして、EGR診断部54は、推定EGR流量と目標EGR流量とを比較することで、EGRバルブ34の故障の有無を判定する。
パージ制御部55は、パージバルブ85の開度を調整することにより、パージガスの供給量を制御する。
〈トルクベース制御〉
まず、トルクベース制御に関わる処理について、図3のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図3は、ベース設定部51が行う処理を示すフローチャートである。
まず、トルクベース制御に関わる処理について、図3のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図3は、ベース設定部51が行う処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、ベース設定部51は、エンジン100の運転状態を取得する。具体的には、エンジン本体20の回転速度(以下、「エンジン回転数」と称する)、車速、アクセル開度、及び、変速比等をエンジン100の運転状態として読み込む。例えば、エンジン回転数は、クランク角センサ69の検出結果に基づいて取得される。
続いて、ベース設定部51は、取得された運転状態に応じて目標加速度を求める(ステップS2)と共に、目標加速度の実現に必要な目標トルクを求める(ステップS3)。
さらに、ベース設定部51は、ステップS4において、目標トルクの実現に必要な充填効率の目標値(以下、「目標充填効率」と称する)を求める。詳しくは、目標充填効率は、目標トルク、エンジン回転数、及び、図示平均有効圧力の目標値(以下、「目標図示平均有効圧力」と称する)に基づいて求められる。目標図示平均有効圧力は、目標トルク、並びに、トルク損失となる機械抵抗及びポンプ損失(ポンピングロス)に基づいて求められる。
ステップS5において、ベース設定部51は、前記のように求められた目標充填効率に基づいて、吸気バルブ22及び排気バルブ29の双方に対し、開閉時期の基本値を設定する。吸気バルブ22の開閉時期の基本値は、PCM50の内部メモリに予め記憶された、エンジン回転数及び目標充填効率とそれらに応じた吸気バルブ22の開閉時期とが関連付けて規定された吸気VVTマップに求められる。排気バルブ29の開閉時期の基本値も、同様のマップから求められる。
ステップS5の後には、ステップS6〜ステップS9と、ステップS10〜ステップS15とが並行して行われる。
ステップS6においては、ベース設定部51は、目標充填効率を実現するために必要な吸気マニホールド13内の吸気の量の目標値(以下、「目標インマニ空気量」と称する)を求める。目標インマニ空気量は、吸気マニホールド13内の吸気密度を基準とした体積効率、所謂インマニ基準の体積効率と、吸気マニホールド13の容積(以下、「インマニ容積」と称する)と、気筒21の容積(以下、「シリンダ容積」と称する)と、気筒21内に吸入される1行程あたりの吸気の質量であるシリンダ吸入空気量の目標値(以下、「目標シリンダ空気量」と称する)とに基づいて求められる。インマニ容積及びシリンダ容積は、双方とも予め規定されており、それぞれPCM50の内部メモリに記憶されている。目標シリンダ空気量は、ステップS4で設定された目標充填効率と、シリンダ容積と、標準大気密度とに基づいて求められる。標準大気密度は、標準状態における大気の密度(約1.2kg[kg/m3])である。
さらに、このステップS6において、ベース設定部51は、目標インマニ空気量に応じて、吸気マニホールド13を通過する吸気の流量の目標値(以下、「目標インマニ通過流量」と称する)を求める。目標インマニ通過流量は、前述のように求めた目標インマニ空気量と、現在のインマニ空気量の推定値(以下、「実インマニ空気量」と称する)との間の収支に基づいて求められる。実インマニ空気量は、第2圧力センサ64により検出されたインマニ圧力及びインマニ温度に基づいて推定される。尚、この実インマニ空気量は、吸気マニホールド13に流入する空気量と吸気マニホールド13から気筒21内へ流出する空気量との間の収支を計算することにより推定してもよい。
ステップS7において、ベース設定部51は、目標インマニ通過流量を実現するために必要となる、スロットルバルブ11を通過する吸気の流量(スロットル通過流量)の目標値(以下、「目標スロットル通過流量」と称する)を求める。燃料カット制御中であれば、目標インマニ通過流量が前述の目標収支として用いられる。その場合、目標収支から目標EGR流量を減算した値に基づいて、目標スロットル通過流量が求められる。
ステップS8において、ベース設定部51は、目標スロットル通過流量を実現するために必要となる、スロットルバルブ11のバルブ開度の目標値(以下、「目標スロットル開度」と称する)を設定する。この目標スロットル開度は、目標スロットル通過流量と、第1圧力センサ63により検出された、スロットルバルブ11上流側の吸気圧力(過給圧)と、第2圧力センサ64により検出された、スロットルバルブ11下流側の吸気圧力とに基づいて求められる。
ステップS9において、ベース設定部51は、燃料噴射弁23及び点火プラグ24についても、PCM50の内部メモリに予め記憶された適宜のマップに基づいて基本値を求める。例えば、ベース設定部51は、目標充填効率に基づいて燃料噴射弁23の噴射量を設定し、目標トルクを実現するように点火プラグ24の点火時期を設定する。そして、ベース設定部51は、燃料噴射弁23、点火プラグ24に対して各々の制御値(基本値)に対応する制御信号を出力する。ベース設定部51はまた、バルブ制御部52に対し、目標スロットル開度に対応する制御信号を出力する。バルブ制御部52は、目標スロットル開度を実現するように、スロットルバルブ11を制御する。
一方で、ステップS10において、ベース設定部51は、目標充填効率の実現に必要となる、過給圧の目標値である目標過給圧を求める。目標過給圧は、PCM50の内部メモリに予め記憶された、エンジン回転数、目標充填効率及び吸気バルブ22の開閉時期とそれらに応じた目標過給圧とが関連付けて規定された過給圧マップに基づいて求められる。
ステップS11において、ベース設定部51は、目標過給圧に基づいて、タービン4bを通過する流量の目標値である目標タービン流量を求める。詳しくは、目標タービン流量は、圧縮機駆動力の目標値である目標圧縮機駆動力、及び、エンジン回転数等に基づいて求められる。目標圧縮機駆動力は、目標過給圧に基づいて求められる。
ステップS12においては、ベース設定部51は、算出された目標タービン流量を実現するために必要な、WGバルブ36のバルブ開度の目標値(以下、「目標WG開度」と称する)を設定する。目標WG開度は、目標タービン流量と排気の総流量とに基づいて求められる。
そして、ステップS13において、ベース設定部51は、WGバルブ36のバルブ開度が目標WG開度となるようにWGバルブ36を駆動するための制御信号を出力する。
尚、これらのステップの順番は一例であり、ステップの順番を可能な範囲で適宜入れ替えたり、複数のステップを並行して処理したりしてもよい。例えば、ステップS6からステップS9まで続くステップと、ステップS10からステップS13まで続くステップとを並行に処理せずに、一つずつ順番に処理してもよい。
〈EGR制御〉
続いて、EGRバルブ34の制御に関する処理について説明する。
続いて、EGRバルブ34の制御に関する処理について説明する。
バルブ制御部52は、PCM50の内部メモリに予め記憶されたEGR制御マップに基づいて目標EGR率を設定する。詳しくは、EGR制御マップには、実充填効率及びエンジン水温とそれらに応じた目標EGR率とがエンジン回転数毎に規定されている。目標EGR率は、実充填効率と、エンジン回転数と、エンジン水温とを、そのEGR制御マップに照らし合わせることにより設定される。実充填効率は、吸気流量と、エンジン回転数と、インマニ温度とに基づいて求められる。
次に、バルブ制御部52は、目標EGR率と、スロットル通過流量の推定値とに基づいて目標EGR流量を求める。スロットル通過流量の推定値としては、前述の吸気流量が用いられる。
バルブ制御部52は、目標EGR流量と、EGRバルブ34前後の差圧とに基づいて、EGR通路32の流路断面積の目標値を求め、その目標値を実現するように、EGRバルブ34の開度を調整する。この調整により、EGRバルブ34は、EGR流量が目標EGR流量となるように制御されることになる。ここで、EGRバルブ34前後の差圧は、排圧センサ71により検出されたEGRバルブ34上流側の圧力と、第2圧力センサ64により検出されたEGRバルブ34下流側の圧力(インマニ圧力)とから求められる。
〈燃料カット制御〉
続いて、燃料カット制御に関する処理について説明する。
続いて、燃料カット制御に関する処理について説明する。
噴射制御部53は、前述の如く、エンジン100の減速運転時に所定の燃料カット条件が成立した場合に、燃料カット制御を実行する。この実施形態では、燃料カット条件は、アクセル開度が0であり且つ、エンジン回転数が所定の閾値以下のときに成立したものと判定される。エンジン回転数の閾値は、予め規定されており、PCM50に記憶されている。燃料カット制御が実行されると、燃料噴射弁23による燃料噴射が中止することになる。
前述の如く、バルブ制御部52は、燃料カット制御中に、気体収支が目標収支に追従するように、EGRバルブ34及びスロットルバルブ11の開度をそれぞれ調整する。
〈EGRモニタ〉
続いて、EGRモニタに関わる処理について、図4〜図6を参照しながら詳細に説明する。図4は、EGRモニタに関する処理のフローチャートである。図5は、EGRモニタ時における(a)アクセル開度の推移、(b)燃料カット制御のON/OFFの推移、(c)EGRモニタの実行許可判定の推移、(d)目標スロットル開度の推移、(e)EGRモニタの実行判定の推移、(f)EGRバルブ開度の目標値の推移、(g)目標/推定EGR流量の推移、(h)EGR安定待機時間の推移、(i)EGR判定カウンター、及び、(j)EGR正常判定の推移を例示するタイムチャートである。図6は、気体収支と、吸気マニホールドへ流入する空気の流量と、吸気マニホールドから流出する空気の流量との間の関係を示すイメージ図である。
続いて、EGRモニタに関わる処理について、図4〜図6を参照しながら詳細に説明する。図4は、EGRモニタに関する処理のフローチャートである。図5は、EGRモニタ時における(a)アクセル開度の推移、(b)燃料カット制御のON/OFFの推移、(c)EGRモニタの実行許可判定の推移、(d)目標スロットル開度の推移、(e)EGRモニタの実行判定の推移、(f)EGRバルブ開度の目標値の推移、(g)目標/推定EGR流量の推移、(h)EGR安定待機時間の推移、(i)EGR判定カウンター、及び、(j)EGR正常判定の推移を例示するタイムチャートである。図6は、気体収支と、吸気マニホールドへ流入する空気の流量と、吸気マニホールドから流出する空気の流量との間の関係を示すイメージ図である。
ここでは、図5(a)、(b)に示すように、アクセル開度が減少した結果、時間t0において燃料カット制御が実行された状況について例示する。
図4のフローに示すように、EGR診断部54は、EGRモニタを許可するか否かの判定と、S/N比(Signal-to-Noise ratio)を確保するための処理と、EGRモニタの実行と、EGRバルブ34の故障診断とを順次、実行する。
(EGRモニタの許可)
まず、EGR診断部54は、EGRモニタを許可するか否かの判定を行う。具体的には、図4のステップS101において、EGRモニタと、目標EGR流量及び推定EGR流量の算出とに関連するアクチュエータやセンサが正常に動作するか否かが確認される。具体的には、スロットルバルブ11、水温センサ70、エアフロメータ61、第2圧力センサ、EGRバルブ34、及び、排圧センサ71等が確認の対象となる。
まず、EGR診断部54は、EGRモニタを許可するか否かの判定を行う。具体的には、図4のステップS101において、EGRモニタと、目標EGR流量及び推定EGR流量の算出とに関連するアクチュエータやセンサが正常に動作するか否かが確認される。具体的には、スロットルバルブ11、水温センサ70、エアフロメータ61、第2圧力センサ、EGRバルブ34、及び、排圧センサ71等が確認の対象となる。
続くステップS102において、エンジン100が、EGRモニタを実行可能な運転領域にあるか否かが確認される。具体的には、燃料カット制御のON/OFFを示すフラグ、吸気温度、エンジン水温、エンジン回転数等が確認の対象となる。
ステップS101〜ステップS102は、図5に示す例では、時間t0からt1にかけて行われる。
ステップS101〜ステップS102において、アクチュエータやセンサが正常に動作することと、EGRモニタを実行可能な運転領域にあることとが確認されると、EGR診断部54は、図5(c)に示すように、EGRモニタの実行許可を示すフラグをONにして、S/N比を確保するための処理を開始する。
(S/N比の確保)
次に、EGR診断部54は、EGRモニタによる故障診断を精度良く行うために、充填効率を上昇させてS/N比の確保を試みる。詳しくは、ステップS103において、ベース設定部51が目標充填効率、ひいては目標収支を増加させると共に、その増加分に応じて、スロットルバルブ11の目標スロットル開度を増加させる(図5(d)を参照)。バルブ制御部52は、その目標スロットル開度となるように、スロットルバルブ11の開度を開き側に調整する。スロットルバルブ11は、全閉付近の状態から開弁されて、そのことで、吸気マニホールド13内の空気量、ひいては気体収支が増加する。このときの目標充填効率は、EGRバルブ34の故障診断に要求する精度、及び、吸気マニホールド13の構成等に応じて、適宜、変更可能である。
次に、EGR診断部54は、EGRモニタによる故障診断を精度良く行うために、充填効率を上昇させてS/N比の確保を試みる。詳しくは、ステップS103において、ベース設定部51が目標充填効率、ひいては目標収支を増加させると共に、その増加分に応じて、スロットルバルブ11の目標スロットル開度を増加させる(図5(d)を参照)。バルブ制御部52は、その目標スロットル開度となるように、スロットルバルブ11の開度を開き側に調整する。スロットルバルブ11は、全閉付近の状態から開弁されて、そのことで、吸気マニホールド13内の空気量、ひいては気体収支が増加する。このときの目標充填効率は、EGRバルブ34の故障診断に要求する精度、及び、吸気マニホールド13の構成等に応じて、適宜、変更可能である。
続くステップS104において、EGR診断部54は、パージシステム80によりパージガスが導入されていれば、その導入を停止するように、パージ制御部55を介してパージシステム80へ制御信号を出力する。パージガスの導入を停止することで、推定EGR流量を求める上で考慮すべく因子が減ることになるため、EGR弁31の故障診断において、S/N比を確保する上で有利になる。
ステップS103〜ステップS104は、図5に示す例では、時間t1からt2にかけて行われる。
ステップS103〜ステップS104において、スロットルバルブ11の開度の調整と、パージガスの導入の停止とが開始されると、EGR診断部54は、ステップS105へ進み、EGRモニタを実行するか否かの判定を行う。
(EGRモニタの実行判定)
次に、EGR診断部54は、S/N比が確保されたか否かを判定し、その判定結果に基づいて、EGRモニタを実行する。詳しくは、ステップS105において、EGR診断部54が実充填効率を確認し、ステップS103において増加させた目標充填効率が達成されたか否かを判定する。続くステップS106において、EGR診断部54は、パージガスの導入の停止が完了したか否かを確認する。
次に、EGR診断部54は、S/N比が確保されたか否かを判定し、その判定結果に基づいて、EGRモニタを実行する。詳しくは、ステップS105において、EGR診断部54が実充填効率を確認し、ステップS103において増加させた目標充填効率が達成されたか否かを判定する。続くステップS106において、EGR診断部54は、パージガスの導入の停止が完了したか否かを確認する。
ステップS105〜ステップS106は、図5に示す例では、時間t2に行われる。
ステップS105〜ステップS106において、目標充填効率が達成されたことと、パージガスの導入の停止が完了したこととが確認されると、EGR診断部54は、図5(e)に示すように、EGRモニタを実行することを示すフラグをONにして、EGRモニタを開始する。
(EGRバルブの故障診断)
次に、EGR診断部54は、EGRモニタを開始する。詳しくは、EGR診断部54は、目標充填効率、ひいては目標収支を一定に保持したまま、図5(f)に示すようにEGRバルブ34の開弁を試みる。このとき、気体収支が目標収支に追従するように、EGRバルブ34の開弁に伴って、スロットルバルブ11が閉弁されることになる。続いて、EGR診断部54は、図5(h)に示すように、EGRモニタを開始してから所定時間に亘って(t2≦t<t3)待機した後、目標EGR流量と推定EGR流量との比較を行う。このような待機をすることで、目標EGR流量と推定EGR流量とが十分に安定した後に、両者の比較を行うことが可能になる。ここで、目標EGR流量は、EGRモニタの実行時における目標EGR率と、スロットル通過流量の推定値とに基づいて求められる。一方で、そのときの気体収支と、吸気マニホールド13を出入りする空気の流量との間には、以下の式(1)が成立する。
次に、EGR診断部54は、EGRモニタを開始する。詳しくは、EGR診断部54は、目標充填効率、ひいては目標収支を一定に保持したまま、図5(f)に示すようにEGRバルブ34の開弁を試みる。このとき、気体収支が目標収支に追従するように、EGRバルブ34の開弁に伴って、スロットルバルブ11が閉弁されることになる。続いて、EGR診断部54は、図5(h)に示すように、EGRモニタを開始してから所定時間に亘って(t2≦t<t3)待機した後、目標EGR流量と推定EGR流量との比較を行う。このような待機をすることで、目標EGR流量と推定EGR流量とが十分に安定した後に、両者の比較を行うことが可能になる。ここで、目標EGR流量は、EGRモニタの実行時における目標EGR率と、スロットル通過流量の推定値とに基づいて求められる。一方で、そのときの気体収支と、吸気マニホールド13を出入りする空気の流量との間には、以下の式(1)が成立する。
ΔGm=Qes+Qtv−Qcy+Qpc+Qpr・・・(1)
式(1)において、ΔGmは、気体収支の現在値を示しており、インマニ圧力等に基づいて推定される。Qesは、推定EGR流量を示しており、後述の如く求められる。Qtvは、吸入流量つまり、スロットルバルブ11を通過して吸気マニホールド13内に吸入される新気の流量を示しており、エアフロメータ61の検出結果として取得される。Qcyは、吸気マニホールド13から気筒21内に吸入される空気の流量の推定値であって、実充填効率等に基づいて求められる。Qpcは、ブローバイガスとして吸気マニホールド13内へ戻る空気の流量の推定値を示しており、燃料カット制御中は0とみなすことができる。さらに、Qprは、パージガスとして吸気マニホールド13内に吸入される空気の流量を示しており、EGRモニタ中は、パージガスの導入が停止されるため0となる。
式(1)をQesについて解くことにより、以下の式(2)が得られる。
Qes=ΔGm−Qtv+Qcy−Qpc−Qpr・・・(2)
Qpcを0とみなすことができること、及び、パージガスの導入が停止されることを考慮すると、式(2)より以下の式(3)が得られる。
Qes=ΔGm−Qtv+Qcy・・・(3)
よって、式(3)に対し、ΔGmとQtvとQcyとを代入することにより、推定EGR流量を示すQesが求められる。
例えばEGRバルブ34に故障が生じていた結果、EGRバルブ34が十分に開かなかった場合、EGR流量が十分に確保されない一方で、スロットルバルブ11は、目標収支を実現するべく閉じることになるため、気体収支は目標収支よりも減少することになる。つまり、ΔGmが目標値よりも減少することになって、その結果、推定EGR流量は、目標EGR流量よりも減少することになる。
EGR診断部54は、所定時間に亘る待機の後、EGR判定カウンターを作動させる。図5(i)に示すように、EGR判定カウンターは、所定時間に亘って(t3≦t<t4)カウントを行う。EGR診断部54は、そのカウント中に、目標EGR流量と推定EGR流量との比較を行う。具体的には、図4のステップS107に示すように、目標EGR流量をQetとすると、EGR診断部54は、目標EGR流量(目標流量)と推定EGR流量(実流量)との間の差分(偏差)ΔQ(=Qet−Qes)を求め、そのΔQと所定の閾値Qthとを比較する。ここで、閾値Qthは、EGRバルブ34の構成等に応じて予め規定された数値であり、PCM50の内部メモリに記憶されている。EGR診断部54は、図3のステップS108に示すように、EGR判定カウンターがカウントを実行している最中に差分ΔQが閾値Qthよりも大きくなったことが検出されなかった場合には、図5(j)に示すように、EGRバルブ34に故障が生じておらず、正常に動作するものと判定する。一方で、EGR診断部54は、カウント中に差分ΔQが閾値Qthよりも大きくなったことが検出された場合には、EGRバルブ34が十分に開かなかったがためにQesがQetよりも少なくなってしまったこと、つまり、EGRバルブ34に故障が生じており、異常な動作を行うものと判定する。
EGR判定カウンターがカウントを終えると(t≧t4)、EGR診断部54は、EGRモニタを終了する。EGRモニタが終了すると、EGRバルブ34が閉弁されると共に、ベース設定部51が目標充填効率、ひいては目標収支を減少させて、スロットルバルブ11及びEGRバルブ34は、その減少分に応じた開度に調整される。
尚、これらのステップの順番は一例であり、ステップの順番を可能な範囲で適宜入れ替えたり、複数のステップを並行して処理したりしてもよい。例えば、ステップS101とステップS102とを入れ替えたり、ステップS103とステップS104とを入れ替えたりしてもよい。
〈まとめ〉
以上説明したように、EGR診断部54は、燃料カット制御中に、EGRバルブ34の故障の有無を判定するEGRモニタを実行する。詳しくは、燃料カット制御中、バルブ制御部52は、気体収支を目標収支に追従させると共に、EGR診断部54は、EGRバルブ34の開度を変更して、EGRバルブの開度を変更した後の推定EGR流量Qesと、その開度を設定する際の目標EGR流量Qetとの間の差分ΔQに基づいて、EGRバルブ34の故障の有無を判定する。
以上説明したように、EGR診断部54は、燃料カット制御中に、EGRバルブ34の故障の有無を判定するEGRモニタを実行する。詳しくは、燃料カット制御中、バルブ制御部52は、気体収支を目標収支に追従させると共に、EGR診断部54は、EGRバルブ34の開度を変更して、EGRバルブの開度を変更した後の推定EGR流量Qesと、その開度を設定する際の目標EGR流量Qetとの間の差分ΔQに基づいて、EGRバルブ34の故障の有無を判定する。
EGR通路32を介した空気の還流量は、EGRバルブ34の開閉動に応じて増減する量であり、EGRバルブ34が正常に動作する場合、推定EGR流量Qesは、EGRバルブ34が目標通りの開度を実現したことを受けて、目標EGR流量Qet付近の値を取る。一方で、EGRバルブ34が故障していた場合、推定EGR流量Qesは、EGRバルブ34が目標通りの開度を実現しなかったことを受けて、目標EGR流量Qetから外れた値を取る。したがって、推定EGR流量Qesと目標EGR流量Qetとを比較することで、EGRバルブ34の故障の有無を判定することが可能になる。
このように、前記の構成によれば、吸気マニホールド13を通過する空気の流量を目標値に追従させるよう設定した場合であっても、EGRバルブ34の故障診断を正常に行うことが可能になる。
また、前記の構成によると、EGR診断部54は、エアフロメータ61により検出された吸気流量と、第2圧力センサ64による検出結果に基づいて推定された気体収支ΔGmとに基づいて、推定EGR流量Qesを取得する。このような構成とすることで、推定EGR流量Qesを適切に推定することが可能になる。
また、前記の構成によると、EGR診断部54は、EGRモニタの最中、前記パージシステムによる前記パージガスの導入を停止させるよう構成されている、としてもよい。
蒸発燃料は、空気と混合されたパージガスとして、吸気マニホールド内へ導入される。
また、前記の構成によると、EGR診断部54は、EGRモニタの最中、パージガスの導入を停止させる。パージガスの導入を停止することで、推定EGR流量Qesを推定する上で考慮するべき因子が減るから、EGR診断部54は、推定EGR流量Qesをより適切に推定することが可能になる。
また、前記の構成によると、EGR診断部54は、EGRモニタを開始する前に、スロットルバルブ11を開弁することにより充填効率、ひいては気体収支を上昇させる。その後に、EGR診断部54は、スロットルバルブ11の開度を閉弁側(具体的には、全閉状態付近の開度)に調整すると共に、上昇させた気体収支を維持するべく、スロットルバルブ11を閉じた分に応じて、EGRバルブ34の開弁を試みる。EGR診断部54は、その際のEGRバルブ34の開弁に対して、EGRモニタを行う。
このように、EGR診断部54は、EGRモニタを開始する前に、スロットルバルブ11を開弁して気体収支を増加させる。それによれば、S/N比を確保して、ひいてはEGRモニタによる故障診断を精度良く行うことが可能になる。
《他の実施形態》
前記実施形態では、EGR診断部54は、推定EGR流量Qesと目標EGR流量Qetとの差分に基づいて、故障診断を行っていたが、この構成には限られない。例えば、推定EGR流量Qesと目標EGR流量Qetとの比率に基づいて故障診断を行ってもよい。
前記実施形態では、EGR診断部54は、推定EGR流量Qesと目標EGR流量Qetとの差分に基づいて、故障診断を行っていたが、この構成には限られない。例えば、推定EGR流量Qesと目標EGR流量Qetとの比率に基づいて故障診断を行ってもよい。
前記実施形態では、EGR診断部54は、推定EGR流量を求める際に、ブローバイガスの寄与を0とみなしていたが、この構成には限られない。ブローバイガスの流量を直接的に又は間接的に取得する手段を新設し、ブローバイガスの寄与を考慮した上で推定EGR流量を求めてもよい。
また、前記実施形態では、EGR診断部54は、推定EGR流量を求める際に、パージガスの導入を停止していたが、この構成には限られない。パージガスの流量を直接的に又は間接的に取得する手段を新設し、パージガスの影響を考慮した上で推定EGR流量を求めてもよい。
100 エンジン
10 吸気通路
11 スロットルバルブ
13 吸気マニホールド
20 エンジン本体
21 気筒
23 燃料噴射弁
30 排気通路
32 EGR通路
34 EGRバルブ
4 ターボ過給機
4a コンプレッサ
4b タービン
50 PCM(制御装置)
52 バルブ制御部
53 噴射制御部
54 EGR診断部
61 エアフロメータ
64 第2圧力センサ(圧力センサ)
80 パージシステム
Qes 推定EGR流量(推定還流量)
Qet 目標EGR流量(目標還流量)
10 吸気通路
11 スロットルバルブ
13 吸気マニホールド
20 エンジン本体
21 気筒
23 燃料噴射弁
30 排気通路
32 EGR通路
34 EGRバルブ
4 ターボ過給機
4a コンプレッサ
4b タービン
50 PCM(制御装置)
52 バルブ制御部
53 噴射制御部
54 EGR診断部
61 エアフロメータ
64 第2圧力センサ(圧力センサ)
80 パージシステム
Qes 推定EGR流量(推定還流量)
Qet 目標EGR流量(目標還流量)
Claims (3)
- 吸気通路の下流端部に配設された吸気マニホールドと、前記吸気通路に設けられ、前記吸気マニホールドへ流入する吸気の流量を調整するスロットルバルブと、気筒内へ供給する燃料を噴射するよう構成された燃料噴射弁と、排気通路と前記吸気通路の前記スロットルバルブよりも下流側部分とを接続するEGR通路と、前記EGR通路に配設され、該EGR通路を介して前記吸気マニホールドへ還流する空気の流量を調整するEGRバルブとを備えたエンジンの制御装置であって、
前記スロットルバルブ及び前記EGRバルブの開度を調整するバルブ制御部と、
所定の燃料カット条件が成立した場合、前記燃料噴射弁による燃料噴射を中止する燃料カット制御を実行する噴射制御部と、
前記燃料カット制御中に、前記EGRバルブの故障の有無を判定するEGRモニタを実行するEGR診断部とを備え、
前記バルブ制御部は、前記燃料カット制御中に、前記吸気マニホールドへ流入する空気の流量と、前記吸気マニホールドから流出する空気の流量との差を示す気体収支の目標値である目標収支を取得すると共に、前記気体収支が前記目標収支となるように、前記スロットルバルブ及び前記EGRバルブの開度をそれぞれ調整するよう構成され、
前記EGR診断部は、前記EGRモニタにおいて、前記EGRバルブの開度を変更すると共に、該開度を変更した後の前記EGR通路を介した空気の還流量の推定値を示す推定還流量と、該開度を変更する際の目標還流量とを比較することで、前記EGRバルブの故障の有無を判定するエンジンの制御装置。 - 請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
前記エンジンは、
前記吸気通路に配設されかつ、前記スロットルバルブを通過する空気の流量を検出するエアフロメータと、
前記吸気マニホールド内における空気の圧力を検出する圧力センサとを備え、
前記EGR診断部は、前記エアフロメータにより検出された、前記吸気マニホールドへ吸入される空気の流量と、前記圧力センサによる検出結果に基づいて推定された、前記気体収支の現在値とに基づいて、前記推定還流量を取得するエンジンの制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のエンジンの制御装置において、
前記エンジンは、燃料タンクの蒸発燃料を、空気と混合されたパージガスとして前記吸気マニホールド内へ導入するよう構成されたパージシステムを備え、
前記EGR診断部は、前記EGRモニタの最中、前記パージシステムによる前記パージガスの導入を停止させるよう構成されているエンジンの制御装置。
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