JP6303841B2 - Lev型ゼオライト及びその製造方法 - Google Patents

Lev型ゼオライト及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6303841B2
JP6303841B2 JP2014118597A JP2014118597A JP6303841B2 JP 6303841 B2 JP6303841 B2 JP 6303841B2 JP 2014118597 A JP2014118597 A JP 2014118597A JP 2014118597 A JP2014118597 A JP 2014118597A JP 6303841 B2 JP6303841 B2 JP 6303841B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lev
type zeolite
ratio
less
sda
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014118597A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015155364A (ja
Inventor
祐介 楢木
祐介 楢木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2014118597A priority Critical patent/JP6303841B2/ja
Publication of JP2015155364A publication Critical patent/JP2015155364A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6303841B2 publication Critical patent/JP6303841B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、LEV構造を有するゼオライトに関する。更には、本発明は高温下に曝露されても結晶性の低下が抑制されたLEV型ゼオライト及びその製造方法に関する。
二重六員環を有するゼオライトは、高温・高湿雰囲気下で使用される触媒や吸着剤として検討されている。
近年、吸着剤や自動車向けの排ガス浄化用SCR触媒をはじめとする触媒としてLEV型ゼオライトが注目されている。
例えば、特許文献1では構造指向剤(以下、「SDA」ともいう。)としてキヌクリジニウムイオンを用いて合成される、シリカアルミナモル比約10〜300のLEV型ゼオライトが開示されている。
また、特許文献2ではSDAとして1−アダマンタンアミンを用いて合成されるLEV型ゼオライトが開示されている。当該LEV型ゼオライトの製造方法は高シリカアルミナモル比においては不純物としてDDR構造のゼオライトを副生しやすい。特許文献2において、シリカアルミナモル比34として報告された物質はLEV構造のゼオライト以外にDDR構造のゼオライトを含んでいた。すなわち、特許文献2においては、シリカアルミナモル比25を超えた純粋なLEV構造のゼオライトは製造することができなかった。
また、特許文献3ではSDAとしてジエチルジメチルアンモニウムイオンを用いて合成される、シリカアルミナモル比約10〜80のLEV型ゼオライトが開示されている。
欧州特許40016号 欧州特許255770号 米国特許4485303号
特許文献1乃至3で開示されたLEV型ゼオライトでは耐熱性、特に高温高湿雰囲気下における耐性(以下、「耐熱水性」ともいう。)が十分ではなかった。
これらの課題に鑑み、本発明は、従来のLEV型ゼオライトよりも、高温高湿雰囲気下、特に700℃以上の高温高湿雰囲気下に曝露されてもゼオライトの結晶性が低下しにくいLEV型ゼオライトを提供することを目的とする。
本発明者は、高温高湿雰囲気(以下、「熱水雰囲気」ともいう。)におけるLEV型ゼオライトの結晶性の低下及びこれに由来する結晶構造の崩壊挙動について検討した。その結果、LEV型ゼオライトに含まれるシラノール基の含有量を制御することで、高温高湿下におけるLEV型ゼオライトの結晶性の低下が抑制されることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1] アルミナに対するシリカのモル比が20以上であり、なおかつ、ケイ素に対するシラノール基のモル比が1.5×10−2以下であることを特徴とするLEV型ゼオライト。[2] シラノール量が1.5×1020個/g以下であることを特徴とする前記[1]に記載のLEV型ゼオライト。
[3 LEV型ゼオライトが、Nu−3、ZK−20、LZ−132、LZ−133、ZSM−45、RUB−50及びSSZ−17の群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載のLEV型ゼオライト。
[4] 平均粒子径が0.4μm以上、更には0.5μm以上であることを特徴とする前記[1]乃至[3]のいずれかに記載のLEV型ゼオライト。
[5] シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び構造指向剤を含む原料組成物を結晶化する結晶化工程を含むLEV型ゼオライトの製造方法であって、前記原料組成物が、構造指向剤に対するアルカリ金属のモル比が0.2以上であり、なおかつ、アルミナに対するシリカのモル比が10以上であることを特徴とする前記[1]乃至[4]のいずれかに記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
[6] 前記構造指向剤が1級アミン、2級アミン及び3級アミンの群から選ばれる少なくともいずれかであることを特徴とする前記[5]に記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
[7] 前記構造指向剤が1−アダマンタンアミン又はその塩であることを特徴とする前記[5]又は[6]に記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
[8] 前記原料組成物が以下のモル組成、
SiO/Al比 25以上、60未満
O/SiO比 5以上、50未満
M/SDA比 0.2以上、2.0以下
(Mはアルカリ金属、SDAは構造指向剤である)
を有することを特徴とする前記[5]乃至[7]のいずれかに記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
[9] 前記原料組成物がLEV型ゼオライト、CHA型ゼオライト及びFAU型ゼオライトの群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする前記[5]乃至[8]のいずれかに記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
[10] 前記[1]乃至[4]のいずれかに記載のLEV型ゼオライトを含む吸着剤。
[11] 前記[1]乃至[4]のいずれかに記載のLEV型ゼオライトを含む触媒。
以下、本発明のLEV型ゼオライトについて説明する。
本発明はLEV型ゼオライトに係る。LEV型ゼオライトとは、LEV構造を有するゼオライトであり、特にLEV構造を有するアルミノシリケートである。
アルミノシリケートは、アルミニウム(Al)とケイ素(Si)とが酸素(O)を介したネットワークの繰返しからなる構造(以下、「ネットワーク構造」ともいう。)、及び、ネットワーク構造の末端や欠陥などの端部(以下、「骨格端部」とする。)にシラノール基(Si−OH)を、その骨格に含む。
LEV構造とは、国際ゼオライト学会(International ZeoliteAssociation;以下、「IZA」)のStructure Commissionが定めているIUPAC構造コードで、LEV型となる構造である。
LEV構造は、IZAのStructure Commitionが定義するABC−6ファミリー(以下、単に「ファミリー」とする。)に属する構造である。A、B、及びCは、いずれも6個の酸素から構成される六角状の環状構造、いわゆる酸素六員環(以下、単に「六員環」ともいう。)を意味する。
LEV構造は、AABCCABBCで表される構造である。より詳細には、LEV構造は、2個の六員環がC軸方向に連続して結合された六員環(以下、「二重六員環」とする。)、独立してひとつの六員環がC軸方向に形成された六員環(以下、「平面六員環」とする。)、及び、独立してひとつの六員環がC軸方向以外に形成された六員環(以下、「歪んだ六員環」とする)、を有する構造である。このように、LEV構造は二重六員環、平面六員環、及び歪んだ六員環の3種の六員環を有する構造である。なお、ファミリーに分類される構造であるCHA構造は、AABBCCで表される。当該構造は六員環として二重六員環のみを有する構造であり、平面六員環及び歪んだ六員環を含まない。
LEV型ゼオライトとしては、Nu−3、ZK−20、LZ−132、LZ−133、ZSM−45、RUB−50及びSSZ−17の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、Nu−3であることがより好ましい。
本発明のLEV型ゼオライトに含まれるケイ素に対するシラノール基のモル比(以下、「SiOH/Si比」とする。)は、1.5×10−2以下、更には1.0×10−2以下である。
ゼオライトに含まれるケイ素が多くなるほど、LEV型ゼオライトに含まれるシラノール基の量(以下、「シラノール量」とする。)は多くなる傾向がある。したがって、アルミナに対するシリカのモル比(以下、「SiO/Al比」とする。)が5以下であるゼオライト(以下、「ローシリカゼオライト」とする。)は、SiO/Al比が5を超えるゼオライト(以下、「ハイシリカゼオライト」とする。)よりもシラノール量が少なくなる傾向にある。しかしながら、SiO/Al比が低いために、ローシリカゼオライトはハイシリカゼオライトよりも耐熱性が低く、高温下での用途に適していない。
本発明のLEV型ゼオライトは、ハイシリカゼオライトでありながら、なおかつ、シラノール量が少ない。これにより、本発明のLEV型ゼオライトは高温下、更には高温高湿雰囲気下に曝露された場合であっても結晶性の低下が生じにくくなる。SiOH/Si比は0.7×10−2以下であることが好ましく、0.5×10−2以下であることがより好ましい。
LEV型ゼオライトのSiOH/Si比は、LEV型ゼオライトのケイ素の含有量に対する1H MAS NMRスペクトルから求まるシラノール量、から求めることができる。本発明において、LEV型ゼオライトのケイ素の含有量はICP法その他の組成分析により求めることができる。また、シラノール量は1H MAS NMRスペクトルから求めることができる。シラノール量の求め方として、例えば、脱水処理をしたLEV型ゼオライトを1H MAS NMR測定し、得られた1H MAS NMRスペクトルから検量線法により、シラノール量を算出することが挙げられる。
より具体的なシラノール量の測定方法として、LEV型ゼオライトを真空排気下にて400℃で5時間保持して脱水処理し、脱水処理後のLEV型ゼオライトを窒素雰囲気下で採取し秤量し、1H MAS NMR測定をすることが挙げられる。当該測定により得られる1H MAS NMRスペクトルのシラノール基に帰属されるピーク(2.0±0.5ppmのピーク)の面積強度から、検量線法によりLEV型ゼオライト中のシラノール量を求めることが挙げられる。
本発明のLEV型ゼオライトは、SiO/Al比が20以上、また更には25以上、また更には30以上であることが好ましい。SiO/Al比が20未満であると高温下での結晶性の低下が大きくなるため、LEV型ゼオライトの耐熱性が低くなる。このようなLEV型ゼオライトはシラノール量が少なくとも高温下での用途に適さない。
SiO/Al比が高くなると耐熱性が向上する傾向にある。これに加え、シラノール量が少ないことによる耐熱水性向上の効果が一層大きくなる。耐熱水性向上の効果はSiO/Al比が30を超えた場合により大きくなる。通常、SiO/Al比は40以下である。
本発明のLEV型ゼオライトは上記のSiO/Al比及びSiOH/Si比を満たしていれば、これに含まれるシラノール基の絶対量は限定されない。本発明のLEV型ゼオライトのシラノール量は、1.5×1020個/g以下(2.56×10−4mol/g以下)、更には1.0×1020個/g以下(1.66×10−4mol/g以下)、また更には0.9×1020個/g以下(1.50×10−4mol/g以下)、また更には0.8×1020個/g以下(1.33×10−4mol/g以下)、また更には0.7×1020個/g以下(1.16×10−4mol/g以下)を挙げることができる。
LEV型ゼオライトは高温高湿下に曝露されると、非晶質化による結晶構造の崩壊や、骨格からのアルミニウムの脱離が生じることがある。上記のSiO/Al比及びSiOH/Si比を有するため、本発明のLEV型ゼオライトは、高温高湿気下に曝露された際のゼオライトの結晶構造が壊れにくいだけでなく、固体酸の減少が生じにくい。これにより本発明のLEV型ゼオライトは、従来のLEV型ゼオライトと比較して、高い耐熱性及び高い耐熱水性を有するLEV型ゼオライトとなる。
シラノール量が少なくなるほど、耐熱水性は高くなる傾向にある。シラノール基は骨格端部に存在するため、シラノール基を有さないLEV型ゼオライト、すなわちシラノール量が0個/gのLEV型ゼオライトは存在しない。そのため、本発明のLEV型ゼオライトのシラノール量は0.1×1020個/g以上(0.17×10−4mol/g以上)、更には0.2×1020個/g以上(0.33×10−4mol/g以上)、また更には0.3×1020個/g以上(0.50×10−4mol/g以上)、また更には0.4×1020個/g以上(0.66×10−4mol/g以上)であることが挙げられる。
本発明のLEV型ゼオライトは以下に示す粉末X線回折(以下、「XRD」とする。)パターンを有することが好ましい。
Figure 0006303841
ここで、表1に示したXRDパターンは、実質的にSDAを含まないLEV型ゼオライトのXRDパターンである。LEV型ゼオライトは、通常、SDAを用いて合成される。合成された状態(as synthesized)のLEV型ゼオライトはSDAを含む。SDAを含むLEV型ゼオライトは、例えば、表2に示したXRDパターンを示す。
Figure 0006303841
本発明のLEV型ゼオライトは、平均粒子径が0.4μm以上、更には0.5μm以上であることが好ましい。平均粒子径が0.4μm以上であることで、本発明のLEV型ゼオライトの耐熱性及び耐熱水性が高くなりやすい。平均粒子径は通常、10μm以下、更には8μm以下、また更には5μm以下である。
本発明において、平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」とする。)観察によって一次粒子を無作為に100個以上観察し、観察された一次粒子の水平フェレ径の平均値から求めることができる。
なお、本発明における平均粒子径とは、一次粒子の平均粒子径である。本発明における一次粒子は、SEM観察において、独立した最小単位の粒子として確認することができる粒子である。従って、SEM観察において複数粒子の凝集体として観察される粒子、いわゆる二次粒子の粒子径を平均して求まる平均粒子径と、本発明における平均粒子径は異なるものである。
本発明のLEV型ゼオライトは、高温高湿雰囲気下、特に700℃以上の高温高湿雰囲気下に曝露された場合の結晶性の低下が小さいLEV型ゼオライトである。高温高湿雰囲気として、900℃で、10体積%のHOを含む空気中を挙げることができる。高温高湿雰囲気への曝露時間が長くなることで、ゼオライトへの熱負荷が大きくなる。そのため、一般的には熱水雰囲気などの高温高湿雰囲気への曝露時間が長くなるほど、ゼオライト骨格からのアルミニウムの脱離をはじめとする、ゼオライトの結晶の崩壊が起こりやすくなる。
本発明のLEV型ゼオライトは、耐熱水性に優れるため、900℃、10体積のHOを含む空気中に2時間に曝露された場合であっても、当該曝露前のLEV型ゼオライトの結晶化度に対する曝露後のLEV型ゼオライトの結晶化度(以下、「結晶化残存率」という。)が60%以上、更には70%以上、また更には80%以上となる。
次に、本発明のLEV型ゼオライトの製造方法について説明する。
合成されたLEV型ゼオライト(以下、「合成LEV型ゼオライト」ともいう。)は、アルカリ性雰囲気下で、構造指向剤(SDA)を鋳型として、シリカ源及びアルミナ源が結晶化することで得られる。結晶化過程において、雰囲気中に存在する水酸化物イオン(OH)の一部が合成LEV型ゼオライトの結晶に取り込まれる。結晶化過程における水酸化物イオンの取込は、結晶化の雰囲気、温度及び反応時間など種々の要因の影響を複雑に受けると考えられる。そのため、例えば、雰囲気中の水酸化物イオンの量を少なくするなどの条件とした場合であっても、結晶化により得られるLEV型ゼオライト中の水酸化物イオンの取込量を制御することはできなかった。
本発明者は、LEV型ゼオライトの製造方法について検討した結果、結晶化過程におけるSDAの性状が水酸化物イオンの取込挙動に影響することを見出した。さらには、原料組成物中のSDAとアルカリ金属の関係に着目し、これらを制御することで、水酸化物イオンの取込が抑制されたLEV型ゼオライトが得られることを見出した。
すなわち、本発明のLEV型ゼオライトの製造方法は、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び構造指向剤を含む原料組成物を結晶化する結晶化工程を含むLEV型ゼオライトの製造方法であって、前記原料組成物が、構造指向剤に対するアルカリ金属のモル比が0.2以上であり、なおかつ、アルミナに対するシリカのモル比が10以上であることを特徴とするLEV型ゼオライトの製造方法を挙げることができる。
本発明の製造方法においては、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び構造指向剤を含む原料組成物を結晶化する結晶化工程を含む。結晶化工程では、原料組成物が結晶化し、LEV型ゼオライトが得られる。
結晶化工程に供する原料組成物は、構造指向剤(SDA)に対するアルカリ金属のモル比(以下、「M/SDA比」とする。)は0.2以上であり、0.30以上であることが好ましく、0.33以上であることがより好ましく、0.34以上であることが更に好ましい。原料組成物に含まれるアルカリ金属と構造指向剤との割合を上記の範囲とすることにより、結晶化の過程における構造指向剤に起因するLEV型ゼオライトへのシラノール基の取込が抑制される。シラノール基の取込が抑制される理由のひとつとして、M/SDA比が上記の範囲となることで、原料混合物中のSDAのイオン化(カチオン化)が抑制されることが考えられる。
M/SDA比が0.2以上とすることでSDAがイオン化(カチオン化)しにくくなる。これにより、原料組成物の結晶化過程において、カチオン化したSDAのカウンターイオンとなる水酸化物イオンの取込が抑制される。さらに、M/SDA比が0.34以上であることで、アルミナに対するシリカのモル比(SiO/Al比)が30以上の、高いSiO/Al比を有するLEV型ゼオライトの単相が得られやすくなる。
一方、M/SDA比が高くなりすぎると、結晶化が進行しにくくなる傾向にある。M/SDA比が2.5以下、更には2.0以下、更には0.4以下であれば、結晶化は進行する。
アルカリ源はアルカリ金属の化合物であり、特に塩基性を示すアルカリ金属の化合物である。具体的なアリカリ源として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウムの群から選ばれる少なくとも1種、並びに、アルミナ源及びシリカ源の少なくともいずれかに含まれるアルカリ金属成分を挙げることができる。
SDAは、1級アミン、2級アミン及び3級アミンの群から選ばれる少なくともいずれかである。これらのSDAはイオン化(カチオン化)した状態のみならず、イオン化(カチオン化)することなく、LEV型ゼオライトの鋳型として機能する。SDAがイオン化(カチオン化)しにくくなることで、結晶化中のLEV型ゼオライトへの水酸化物イオン(OH)の取込が抑制される。具体的なSDAとして、1−アダマンタンアミン又はキヌクリジンの少なくともいずれかであることが好ましい。よりイオン化(カチオン化)しにくいため、SDAは1−アダマンタンアミンであることがより好ましい。
これらのSDAはこれをそのまま又はこれらの塩であってもよい。SDAが塩である場合は無機酸塩、更には塩酸塩又は硫酸塩のいずれかであってもよい。例えば、1−アダマンタンアミンの塩として、1−アダマンタンアミン塩酸塩又は1−アダマンタンアミン硫酸塩の少なくともいずれかを挙げることができる。
結晶化工程において、原料組成物のアルミナに対するシリカのモル比(SiO/Al比)は10以上、更には20以上、また更には30以上、また更には35以上である。原料組成物を結晶化して得られるLEV型ゼオライトのSiO/Al比は、原料組成物のそれよりも小さくなる傾向にある。そのため、原料組成物中のSiO/Al比が10未満では、得られるLEV型ゼオライトのSiO/Al比が低くなる。このようなLEV型ゼオライトは高温下における耐性が著しく低くなり、熱水雰囲気下での結晶度が大きく低下する。
原料組成物のシリカに対する水のモル比(以下、「HO/SiO比」とする。)は、5以上、50以下を挙げることができる。HO/SiO比がこの範囲であれば、結晶化中に適度な攪拌が可能な粘度となる。
原料組成物のSDAは上記のM/SDA比を満たせばよい。一方で、シリカに対するSDAのモル比(以下、「SDA/SiO比」とする。)は、0.05以上、0.50以下を挙げることができる。
シリカ源はシリカ(SiO)又はその前駆体となるケイ素化合物であり、例えば、コロイダルシリカ、無定型シリカ、珪酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート、沈殿法シリカ又はアルミノシリケートゲルの群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができ、沈殿法シリカ又はアルミノシリケートゲルの少なくともいずれかであることが好ましく、沈殿法シリカであることが好ましい。
アルミナ源はアルミナ(Al)又はその前駆体となるアルミニウム化合物であり、例えば、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミノシリケートゲル及び金属アルミニウムの群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。なお、シリカ源をアルミノシリケートゲルとした場合、これはアルミナ源ともなる。
原料組成物は上記を含み、なおかつ、以下の組成を有していることが好ましい。
SiO/Al比 25以上、60未満
O/SiO比 5以上、50未満
M/SDA比 0.2以上、2.0以下
(Mはアルカリ金属、SDAは構造指向剤である)
さらには、以下の組成を有していることがより好ましい。
SiO/Al比 30以上、40未満
O/SiO比 5以上、30未満
M/SDA比 0.33以上、0.9以下
なお、上記組成における各割合はモル(mol)割合であり、Mはアルカリ金属、SDAは構造指向剤である。また、SDAは1−アダマンタンアミンである。
さらに、原料組成物は種晶を含んでいてもよい。これにより結晶化がより効率的になる。種晶としてはゼオライト骨格に二重六員環を有するゼオライト、更にはLEV型ゼオライト、CHA型ゼオライト及びFAU型ゼオライトの群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができ、また更にはLEV型ゼオライト又はCHA型のゼオライトの少なくともいずれかを挙げることができる。より好ましい種晶としてNu−3、ZK−20、LZ−132、LZ−133、ZSM−45、SSZ−17、RUB−50及び天然レビナイトの群から選ばれる少なくとも1種のゼオライト、更にはNu−3を挙げることができる。
原料組成物が種晶を含む場合、原料組成物に含まれる種晶は、原料組成物中のSiOの重量に対して0.05重量%以上、20重量%以下を例示することができる。
結晶化工程において、原料組成物が結晶化すれば、その結晶化方法は適宜選択することができる。好ましい結晶化方法として、原料組成物を水熱処理することが挙げられる。水熱処理は、原料組成物を密閉耐圧容器に入れ、これを加熱すればよい。水熱処理条件として以下のものを挙げることができる。
処理温度 :100℃以上、200℃以下、好ましくは150℃以上、190℃以下、より好ましくは170℃以上、180℃以下の任意の温度
処理時間 :2時間以上、500時間以下、好ましくは10時間以上、300時間以下
処理圧力 :自生圧
結晶化工程における原料組成物は、静置された状態又は攪拌された状態のいずれでもよい。得られるLEV型ゼオライトの組成がより均一になるため、結晶化は原料組成物が攪拌された状態で行うことが好ましい。
本発明のLEV型ゼオライトの製造方法は、結晶化工程の後、洗浄工程、乾燥工程、SDA除去工程、アンモニウム処理工程又は熱処理工程の1つ以上を含んでいてもよい。
洗浄工程は、結晶化後のLEV型ゼオライトと液相とを固液分離する。洗浄工程は、公知の方法で固液分離をし、固相として得られるLEV型ゼオライトを純水で洗浄すればよい。
乾燥工程は、結晶化工程後又は洗浄工程後のLEV型ゼオライトから水分を除去する。乾燥工程の条件は任意であるが、結晶化工程後又は洗浄工程後のLEV型ゼオライトを、大気中、100℃以上、150℃以下で2時間以上、静置又はスプレードライヤーによる乾燥が例示できる。
SDA除去工程は、LEV型ゼオライトに含まれるSDAを除去するために行う。通常、結晶化工程を経たLEV型ゼオライトは、その細孔内にSDAを含有している。そのため、必要に応じてこれを除去することができる。
SDA除去工程は、SDAが除去されれば任意の方法で行うことができる。これらの除去法として、酸性水溶液を用いた液相処理、レジンなどを用いた交換処理、熱分解処理及び焼成処理の群からなる少なくとも1種の処理方法を挙げることができる。製造効率の観点から、SDA除去工程は熱分解処理又は焼成処理のいずれかであることが好ましい。
アンモニウム処理工程は、LEV型ゼオライトに含有されるアルカリ金属を除去するために行う。アンモニウム処理工程は一般的な方法で行うことができる。例えば、アンモニウムイオンを含有する水溶液をLEV型ゼオライトと接触させることで行う。
熱処理工程では、LEV型ゼオライトを400℃以上、600℃以下の熱処理を行う。カチオンタイプがアンモニウム型(NH 型)のLEV型ゼオライトである場合、当該熱処理により、カチオンタイプがプロトン型(H型)のLEV型ゼオライトとなる。より具体的な焼成条件としては、大気中、500℃、1〜2時間を挙げることができる。
本発明のLEV型ゼオライトは、吸着剤や触媒等として使用することができる。特に高温雰囲気下で使用される吸着剤又は触媒、更には高温高湿雰囲気下で使用される吸着剤又は触媒として使用することができる。
高温雰囲気下で使用される吸着剤としては、水吸着剤、炭化水素吸着剤、窒素酸化物吸着剤などを例示することができる。また、高温高湿雰囲気下で使用される触媒としては、自動車排ガス用酸化触媒、窒素酸化物直接分解触媒、窒素酸化物還元除去触媒などを例示することができる。
本発明により、従来のLEV型ゼオライトよりも、700℃以上の高温高湿雰囲気下に曝露されてもゼオライトの結晶性が低下しにくいLEV型ゼオライトを提供することができる。
さらに、本発明の製造方法により、シラノール量が少ないLEV型ゼオライトを直接合成することができる。本発明の製造方法により得られるLEV型ゼオライトは、LEV型ゼオライトが形成した後に、シラノール量を低減する追加の処理を施すことなく耐熱水性に優れたLEV型ゼオライトとなる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(LEV構造の同定、及び、結晶化度の測定)
一般的なX線回折装置(商品名:MXP−3、マックサイエンス社製)を使用し、試料の粉末X線回折測定をした。線源にはCuKα線(λ=1.5405Å)を用い、測定モードはステップスキャン、スキャン条件は毎秒0.04°、計測時間は3秒、および測定範囲は2θとして4°から44°の範囲で測定した。
得られた粉末X線回折パターンと、表1又は表2の粉末X線回折パターンとを比較することで、試料を同定した。
結晶化度は、SDAを含むLEV型ゼオライトについては格子面間隔d=4.04±0.07のピーク高さから、実質的にSDAを含まないLEV型ゼオライトについては格子面間隔3.99±0.07のピーク高さから求めた。
(シラノール基の含有量の測定方法)
1H MAS NMRにより、LEV型ゼオライトのシラノール基の含有量を測定した。
測定に先立ち、試料を真空排気下にて400℃で5時間保持し脱水することで前処理とした。前処理後、室温まで冷却した試料を窒素雰囲気下で採取し秤量した。測定装置は一般的なNMR測定装置(装置名:VXR−300S、Varian製)を使用した。測定条件は以下のとおりとした。
共鳴周波数 :300.0MHz
パルス幅 :π/2
測定待ち時間 :10秒
積算回数 :32回
回転周波数 :4kHz
シフト基準 :TMS
得られた1H MAS NMRスペクトルから2.0±0.5ppmのピークをシラノール基に帰属されるピークとした。当該ピークを波形分離し、その面積強度を求めた。得られた面積強度から検量線法により試料中のシラノール量を求めた。
(平均粒子径の測定方法)
一般的な走査型電子顕微鏡(商品名:JSM−6390LV型、日本電子社製)を用い、試料を走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」とする)観察した。SEM観察の倍率は10,000倍とした。SEM観察により得られた試料のSEM像から、100個の一次粒子を無作為に選択し、その水平フェレ径を測定した。得られた測定値の平均値を求め、試料の平均粒子径とした。
(組成分析)
組成分析は誘導結合プラズマ発光分析法(ICP法)により行った。すなわち、試料をフッ酸と硝酸の混合水溶液に溶解させ、測定溶液を調製した。一般的な誘導結合プラズマ発光分析装置(商品名:OPTIMA3000DV、PERKIN ELMER製)を用いて、得られた測定溶液を測定して試料の組成を分析した。
(SiOH/Si比)
ICP法により測定されたLEV型ゼオライトのケイ素含有量(mol/g)に対する、1H MAS NMRにより測定されたLEV型ゼオライトのシラノール基の含有量(mol/g)を求め、これをSiOH/Si比とした。
(水熱耐久処理)
試料をプレス成形し、凝集径12メッシュ〜20メッシュの凝集粒子とした。凝集粒子状の試料3mLを常圧固定床流通式反応管に充填し、これに10体積%のHOを含む空気を300mL/分で流通させて水熱耐久処理を行った。水熱耐久処理は900℃で2時間行った。
実施例1
沈降法シリカ(Nipsil VN−3)11.3gに純水117.3g、アルミン酸ナトリウム(試薬特級)2.97g及び1−アダマンタンアミン(試薬特級)8.5gを加え撹拌して反応混合物を得た。反応混合物の組成はモル比で以下のとおりであった。
SiO/Al =30
Na/SiO =0.120
O/SiO =40
Na/1−アダマンタンアミン =0.360
得られた反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、180℃で240時間加熱して生成物を得た。
生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。得られた生成物の粉末X線回折パターンは表2と同等な粉末X線回折パターンを示した。これにより、当該生成物はLEV型ゼオライト以外の相を含まない、単一相のNu−3であることが確認できた。また、本実施例のSiO/Alモル比は24及び平均粒子径は2.9μmであった。
得られたLEV型ゼオライトを空気中、600℃で2時間焼成したのち、これを20%塩化アンモニウム水溶液と混合した。混合後のLEV型ゼオライトはろ過、洗浄した後、大気中110℃で一晩乾燥した。これにより、NH型のLEV型ゼオライトとした。
得られたLEV型ゼオライトのシラノール量を測定した。
また、NH型のLEV型ゼオライトに水熱耐久処理を施した。水熱耐久処理前のLEV型ゼオライトの結晶化度に対する、水熱耐久処理後のLEV型ゼオライトの結晶化度を求め、これを結晶化残存率とした。結果を表3に示す。
実施例2
沈降法シリカ9.75gに純水100.7g、アルミン酸ナトリウム2.10g、48%水酸化ナトリウム0.22g及び1−アダマンタンアミン7.3gを加え撹拌して反応混合物を得た。反応混合物の組成はモル比で以下のとおりであった。
SiO/Al =36
Na/SiO =0.117
O/SiO =40
Na/1−アダマンタンアミン =0.350
得られた反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、180℃で240時間加熱して生成物を得た。
生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。得られた生成物の粉末X線回折パターンは表2と同等な粉末X線回折パターンを示した。これにより、当該生成物はLEV型ゼオライト以外の相を含まない、単一相のNu−3であることが確認できた。また、生成物のシリカアルミナモル比は31及び平均粒子径は4.3μmであった。
得られたLEV型ゼオライトを実施例1と同様にシラノール含有量、及び結晶化残存率を測定した。結果を表3に示す。
実施例3
沈降法シリカ9.57gに純水100.0g、アルミン酸ナトリウム1.89g、48%水酸化ナトリウム0.31g、及び1−アダマンタンアミン7.2gを加え、これを撹拌して反応混合物を得た。反応混合物の組成はモル比で以下のとおりであった。
SiO/Al =40
Na/SiO =0.115
O/SiO =40
Na/1−アダマンタンアミン =0.346
当該反応混合物に、実施例1で得たLEV型ゼオライト1.01gを添加した後、得られた反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、180℃で240時間加熱して生成物を得た。
生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。得られた生成物の粉末X線回折パターンは表2と同等な粉末X線回折パターンを示した。これにより、当該生成物はLEV型ゼオライト以外の相を含まない、単一相のNu−3であることが確認できた。また、生成物のシリカアルミナモル比は33及び平均粒子径は7.0μmであった。
得られたLEV型ゼオライトを実施例1と同様にシラノール含有量、及び結晶化残存率を測定した。結果を表3に示す。
実施例4
沈降法シリカ9.58gに純水100.3g、アルミン酸ナトリウム1.89g、1−アダマンタンアミン7.2gを加え撹拌して反応混合物を得た。反応混合物の組成はモル比で以下のとおりであった。
SiO/Al =40
Na/SiO =0.090
O/SiO =40
Na/1−アダマンタンアミン =0.271
当該反応混合物に、チャバザイト型ゼオライト(CHA型ゼオライト)1.01gを添加した後、得られた反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、180℃で240時間加熱して生成物を得た。
チャバザイト型ゼオライトはシリカアルミナモル比が30のものを使用した。
生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。得られた生成物の粉末X線回折パターンは表2と同等な粉末X線回折パターンを示した。これにより、当該生成物はLEV型ゼオライト以外の相を含まない、単一相のNu−3であることが確認できた。また、生成物のシリカアルミナモル比は34及び平均粒子径は0.67μmであった。
得られたLEV型ゼオライトを実施例1と同様にシラノール含有量、及び結晶化残存率を測定した。結果を表3に示す。
比較例1
ジメチルジエチルアンモニウムをSDAとして使用したLEV型ゼオライトを合成した。すなわち、アルミン酸ナトリウム(19.7重量%NaO,19.1%Al)2.6gをジメチルジエチルアンモニウムハイドロオキサイド20%溶液96.6gに溶解した。48%水酸化ナトリウム溶液0.68g、水0.2g及び最後に沈降法シリカ19.9gを加えた。反応混合物は次の組成を有していた。
SiO/Al =60
(NaO+DMDEAO)/SiO = 0.32
NaO/(NaO+DMDEAO) = 0.14
この混合物を130℃で23日間加熱した。生成物の試料を遠心分離により洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。生成物は表1及び表2のいずれのXRDパターンではなく、米国特許4,495,303号の表1に示されたLEV型ゼオライトと同様なXRDパターンを示した。生成物のシリカアルミナモル比は27及び平均粒子径は0.31μmであった。
得られたLEV型ゼオライトを実施例1と同様にシラノール含有量、及び結晶化残存率を測定した。結果を表3に示す。
比較例2
アルミン酸ナトリウム0.45g及び48%水酸化ナトリウム1.10gを、純水6.52gに加え混合した。これに沈降法シリカ2.86gを添加して混合物を得た。当該混合物を95℃に加熱し、これを攪拌しながらヨウ化N−メチルキヌクリジニウム3.07gを加えて原料混合物を得た。反応混合物の組成はモル比で以下のとおりであった。
SiO/Al =50
Na/SiO =0.192
O/SiO =10
N−メチルキヌクリジニウム/SiO =0.285
得られた反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、180℃で72時間加熱して生成物を得た。
生成物を濾過、洗浄した後、大気中110℃で一晩乾燥させた。生成物は表1及び表2のいずれのXRDパターンではなく、米国特許4,372,930号の表2に示されたLEV型ゼオライトと同様なXRDパターンを示した。生成物のシリカアルミナモル比は30及び平均粒子径は0.16μmであった。
得られたLEV型ゼオライトを実施例1と同様にシラノール含有量、及び結晶化残存率を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0006303841
表3より、本実施例のLEV型ゼオライトはシラノール基の含有量が比較例に対して少なく、水熱耐久処理後の結晶化度残存率が非常に高いことがわかる。実施例1と実施例2との比較からも分かる通り、一般にシラノール基の含有量はシリカアルミナモル比の増大に伴い増加する。そのため比較例1の試料のシリカアルミナモル比が30を超えるものであった場合、そのシラノール基の含有量は比較例1を更に上回ることが予想できる。比較例2は試料のシリカアルミナモル比が30であるが、SiOH/Si比が実施例の試料よりも多いため結晶化度残存率が低い。これよりシリカアルミナモル比及びSiOH/Si比を兼ね備えることで、高い耐熱水性を有するLEV型ゼオライトとなることが確認できた。
本発明のLEV型ゼオライトは、吸着剤や触媒として、特に高温下で使用される吸着剤や触媒として使用することができる。排気ガス処理システムに組み込まれる触媒として使用できる。特に本発明のLEV型ゼオライトは、還元剤の存在下で自動車、特にディーゼル車の排ガス中の窒素酸化物を還元除去する、SCR触媒、更にはDPFと一体化されたSCR触媒として使用できる。

Claims (11)

  1. アルミナに対するシリカのモル比が20以上であり、なおかつ、ケイ素に対するシラノール基のモル比が1.5×10−2以下であることを特徴とするLEV型ゼオライト。
  2. シラノール量が1.5×1020個/g以下であることを特徴とする請求項1に記載のLEV型ゼオライト。
  3. LEV型ゼオライトが、Nu−3、ZK−20、LZ−132、LZ−133、ZSM−45、RUB−50及びSSZ−17の群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のLEV型ゼオライト。
  4. 平均粒子径が0.4μm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のLEV型ゼオライト。
  5. シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び構造指向剤を含む原料組成物を結晶化する結晶化工程を含むLEV型ゼオライトの製造方法であって、前記原料組成物が、構造指向剤に対するアルカリ金属のモル比が0.33以上であり、なおかつ、アルミナに対するシリカのモル比が10以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
  6. 前記構造指向剤が1級アミン、2級アミン及び3級アミンの群から選ばれる少なくともいずれかであることを特徴とする請求項5に記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
  7. 前記構造指向剤が1−アダマンタンアミン又はその塩であることを特徴とする請求項5又は6に記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
  8. 前記原料組成物が以下のモル組成、
    SiO/Al比 25以上、60未満
    O/SiO比 5以上、50未満
    M/SDA比 0.33以上、2.0以下
    (Mはアルカリ金属、SDAは構造指向剤である)
    を有することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
  9. 前記原料組成物がLEV型ゼオライト、CHA型ゼオライト及びFAU型ゼオライトの群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
  10. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のLEV型ゼオライトを含む吸着剤。
  11. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のLEV型ゼオライトを含む触媒。
JP2014118597A 2014-01-16 2014-06-09 Lev型ゼオライト及びその製造方法 Active JP6303841B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014118597A JP6303841B2 (ja) 2014-01-16 2014-06-09 Lev型ゼオライト及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014006160 2014-01-16
JP2014006160 2014-01-16
JP2014118597A JP6303841B2 (ja) 2014-01-16 2014-06-09 Lev型ゼオライト及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015155364A JP2015155364A (ja) 2015-08-27
JP6303841B2 true JP6303841B2 (ja) 2018-04-04

Family

ID=54774951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014118597A Active JP6303841B2 (ja) 2014-01-16 2014-06-09 Lev型ゼオライト及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6303841B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10953390B2 (en) 2016-05-23 2021-03-23 Tosoh Corporation CHA-type zeolite and method for producing the same
JP2018079428A (ja) * 2016-11-17 2018-05-24 東ソー株式会社 炭化水素吸着剤及び炭化水素の吸着除去方法
CN113636568B (zh) * 2020-05-11 2022-11-01 中国石油化工股份有限公司 Rte/lev共结晶分子筛及其制备方法和应用

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8618773D0 (en) * 1986-07-31 1986-09-10 Ici Plc Zeolite synthesis
JPH0938464A (ja) * 1995-07-27 1997-02-10 Idemitsu Kosan Co Ltd 排ガス浄化用触媒及びこれを使用した排ガスの浄化方法
JP5879339B2 (ja) * 2010-06-18 2016-03-08 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se Lev型構造ゼオライト系材料の製造用の有機テンプレート不使用合成方法
WO2011158218A1 (en) * 2010-06-18 2011-12-22 Basf Se Zeolitic materials of lev-type structure and methods for their production
JP2012116723A (ja) * 2010-12-02 2012-06-21 Hiroshima Univ コア−シェル構造を有するlev型ゼオライトとその合成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015155364A (ja) 2015-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107207270B (zh) 新型沸石
JP4904417B2 (ja) ベータ型ゼオライト及びその製造方法
JP6371476B2 (ja) モレキュラーシーブssz−98の製造方法
US10407314B2 (en) Chabazite-type zeolite and method of manufacturing chabazite-type zeolite
KR102219718B1 (ko) Lev 형 제올라이트 및 그 제조 방법
JP5974170B2 (ja) アルミノシリケートゼオライトssz−33の作成方法
JP7207454B2 (ja) Aei型ゼオライトの製造方法
WO2017026484A1 (ja) Aei型ゼオライトの製造方法
JP6485666B1 (ja) 非晶質アルミノケイ酸塩粒子粉末及びその製造方法
WO2015038193A1 (en) Method for preparing zeolite ssz-35
JP2015518814A (ja) アルミノシリケートゼオライトssz−56の製造方法
JP6303841B2 (ja) Lev型ゼオライト及びその製造方法
JP5615530B2 (ja) Mtw型ゼオライトの製造方法
US10751705B2 (en) Chabazite zeolite with high hydrothermal resistance and method for producing same
JP6100361B2 (ja) モレキュラーシーブssz−87及びその合成
JP6303842B2 (ja) Lev型ゼオライト及びこれを含む窒素酸化物還元触媒、並びに窒素酸化物還元方法
JP2018062450A (ja) Kfi型ゼオライト及びその製造方法
CN110407229B (zh) 合成cha结构分子筛的方法及cha结构分子筛
JP2017014100A (ja) 高シリカチャバザイト型ゼオライトの製造方法および高シリカチャバザイト型ゼオライト
JP7404765B2 (ja) ゼオライト製造用アルミノシリケート
US20220227636A1 (en) Method for producing aei zeolite

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180219

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6303841

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151