JP2017014100A - 高シリカチャバザイト型ゼオライトの製造方法および高シリカチャバザイト型ゼオライト - Google Patents

高シリカチャバザイト型ゼオライトの製造方法および高シリカチャバザイト型ゼオライト Download PDF

Info

Publication number
JP2017014100A
JP2017014100A JP2016126956A JP2016126956A JP2017014100A JP 2017014100 A JP2017014100 A JP 2017014100A JP 2016126956 A JP2016126956 A JP 2016126956A JP 2016126956 A JP2016126956 A JP 2016126956A JP 2017014100 A JP2017014100 A JP 2017014100A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
type zeolite
chabazite
high silica
mass
silica chabazite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016126956A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6879680B2 (ja
Inventor
陽子 山口
Yoko Yamaguchi
陽子 山口
鶴田 俊二
Shunji Tsuruta
俊二 鶴田
中島 昭
Akira Nakajima
昭 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Original Assignee
JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JGC Catalysts and Chemicals Ltd filed Critical JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Publication of JP2017014100A publication Critical patent/JP2017014100A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6879680B2 publication Critical patent/JP6879680B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

【課題】ケイバン比および結晶性が高いチャバザイト型ゼオライトを、有機構造規定剤を用いなくとも合成できること
【解決手段】下記(a)、(b)の特徴を具備するチャバザイト型ゼオライトを酸処理する高シリカチャバザイト型ゼオライトの製造方法。
(a)ケイバン比(SiO2/Al23モル比)が6.5以上
(b)相対結晶度が100%以上
【選択図】図1

Description

本発明は、ケイバン比の高いチャバザイト型ゼオライト(以下、高シリカチャバザイト型ゼオライトともいう。)の製造方法およびケイバン比の高いチャバザイト型ゼオライトに関する。
ゼオライトは、多様な組成及び構造を有する。ゼオライトの構造は、国際ゼオライト学会において、アルファベット3文字を用いた構造コードで分類されている。本発明におけるチャバザイト型ゼオライトは、構造コードでCHAに分類される構造を有している。
チャバザイト型ゼオライトは、ガスの分離、自動車の排気ガス中に含まれる窒素酸化物の還元、低級アルコールおよびその他の酸素含有炭化水素の液体燃料への転換、およびジメチルアミンの製造のための触媒等に使用することができる(特許文献1)。
自動車の排気ガス中に含まれる窒素酸化物を還元する触媒としてチャバザイト型ゼオライトを用いる場合、上記の排気ガス中に含まれる水分によりチャバザイト型ゼオライトの結晶構造が破壊されるという課題(耐水熱性)がある。上記の課題を解決するため、ケイバン比(SiO2/Al23モル比)の高いチャバザイト型ゼオライトが求められている(特許文献2)。
また、チャバザイト型ゼオライトは、一般的に有機構造規定剤(Structure−directing agent:SDA)を使用して合成される。有機構造規定剤を用いた合成方法は、環境負荷が大きく、高コストである。したがって、有機構造規定剤を用いないチャバザイト型ゼオライトの合成方法が広く検討されている(特許文献2)。
しかし、有機構造規定剤を用いないチャバザイト型ゼオライトの合成方法では、ケイバン比の高いチャバザイト型ゼオライトを得ることが困難であった。
フォージャサイト型ゼオライトなどは、酸処理を行うとケイバン比が高くなることが広く知られている(特許文献3)。しかし、チャバザイト型ゼオライトを酸処理した場合、ケイバン比が高くなるものの、結晶構造が破壊されるという課題があった。
米国特許第6709644号公報 特開2015−101506号公報 特開平09−206601号公報
ケイバン比および結晶性が高いチャバザイト型ゼオライトを、有機構造規定剤を用いなくとも合成できること。
下記(a)、(b)の特徴を具備するチャバザイト型ゼオライトを酸処理することで、上記の課題を解決することができる。
(a)ケイバン比(SiO2/Al23モル比)が6.5以上
(b)相対結晶度が100%以上
ケイバン比および結晶性(本発明において、相対結晶度ともいう。)が高いチャバザイト型ゼオライトが、有機構造規定剤を用いなくとも得られる。
実施例1および比較例1におけるX線回折パターンである。 実施例1におけるSEM画像(倍率30,000倍)である。 比較例1におけるSEM画像(倍率30,000倍)である。 実施例および比較例における高シリカチャバザイト型ゼオライトのケイバン比(X軸)と相対結晶度(Y軸)との散布図である。
以下に本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトの製造方法について説明する。
本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトの製造方法(以下、本発明の製造方法ともいう。)は、下記1〜2の工程を具備する。
1.チャバザイト型ゼオライトを準備する工程
2.チャバザイト型ゼオライトと酸溶液とを接触させ、高シリカチャバザイト型ゼオライトを得る工程(以下、酸処理工程ともいう。)
[チャバザイト型ゼオライト]
本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトのケイバン比は、6.5以上である。なお、本発明において、ケイバン比は、下記の式から求められる。
ケイバン比[−]=SiO2[mоl]/Al23[mоl]
チャバザイト型ゼオライトのケイバン比は、下記の範囲にあることが好ましい。ケイバン比が低すぎる場合、酸処理において結晶性が低下するので好ましくない。また、ケイバン比が高すぎるチャバザイト型ゼオライトを、有機構造規定剤を用いずに合成することは困難であるため、好ましくない。
<好ましいチャバザイト型ゼオライトのケイバン比>
ケイバン比=7〜12
本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトの相対結晶度は、100%以上である。なお、本発明の相対結晶度は、国際ゼオライト学会のHP(http://www.iza-online.org/synthesis/)に記載されたChabaziteの合成方法に基づいて合成したチャバザイト型ゼオライト(R1)と本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトのX線回折パターンから求められる。具体的には、それぞれのX線回折パターンにおいて、ミラー指数(100)、(20−1)、(3−1−1)に帰属される各ピークの高さの合計値を用い、下記の式により相対結晶度が求められる。
相対結晶度[%]=H/HR1 ×100
H :本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトの上記の各ピークの高さの合計
R1:国際ゼオライト学会のHPに記載されたChabaziteの合成方法に基づいて合成したチャバザイト型ゼオライト(R1)の上記の各ピークの高さの合計
本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトの相対結晶度は、下記の範囲にあることが好ましい。相対結晶度が低すぎる場合、酸処理工程で得られる高シリカチャバザイト型ゼオライトの相対結晶度も低くなるため好ましくない。相対結晶度が150%を超えるチャバザイト型ゼオライトは、合成が困難である。
<好ましいチャバザイト型ゼオライトの相対結晶度>
相対結晶度=120〜150[%]
また、X線回折パターンが、(100)、(200)、(20−1)、(21−1)、(211)、(3−1−1)、(310)、(3−1−2)のミラー指数に帰属されるピークをすべて有している場合、チャバザイト型ゼオライトであると判断できる。
本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトのKの含有量は、K2O換算で下記の範囲にあることが好ましい。Kの含有量が下記の範囲にない場合、酸処理において結晶性が低下する可能性があるので好ましくない。本発明において、Kの含有量は、後述する実施例と同様の方法で測定する。
<好ましいチャバザイト型ゼオライトのKの含有量>
2O=9.7〜15.27[質量%]
本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトは、Si及びAlを含む。本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトのSi及びAlの含有量は、酸化物換算(SiはSiO2換算、AlはAl23換算)で、下記の範囲にあることが好ましい。
SiO2=67.2〜79.6[質量%]
Al23=10.1〜17.5[質量%]
なお、本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトのSi及びAlの含有量は、Kの含有量と同様の方法で測定する。
本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトは、その結晶構造中にPを実質的に含まないことが好ましい。したがって、Pを結晶構造に含むチャバザイト型ゼオライトの1種であるSAPO−34などは、本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトには含まれないことが好ましい。また、合成原料等に含まれるPが、本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトに残留する場合もある。このような場合は、概ね1000ppm以下の含有量であれば、実質的に含んでいないと解してよい。なお、本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトのPの含有量は、Kの含有量と同様の方法で測定する。
本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトの比表面積は、下記の範囲にあることが好ましい。比表面積が低すぎると、触媒等に用いた場合、活性等が低下するため好ましくない。比表面積が600m2/gを超えるチャバザイト型ゼオライトは、合成が困難である。比表面積は、後述する実施例と同様の方法で測定する。
<好ましいチャバザイト型ゼオライトの比表面積>
比表面積=350〜600[m2/g]
本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトの平均粒子径は、下記の範囲にあることが好ましい。平均粒子径が小さすぎる場合、相対結晶度が低くなりやすいので好ましくない。平均粒子径が大きすぎる場合、酸処理工程においてAlが脱離しにくくなるため好ましくない。平均粒子径は後述する実施例と同様の方法で測定する。
<好ましいチャバザイト型ゼオライトの平均粒子径>
平均粒子径=0.1〜5[μm]
本発明の製造方法に用いるチャバザイト型ゼオライトは、有機構造規定剤を用いずに合成することが好ましい。有機構造規定剤を用いない場合、環境負荷およびコストを低減することができる。有機構造規定剤を用いない合成方法は、例えば、特許文献2のような従来公知の方法を用いることができる。なお、有機構造規定剤を用いて合成したチャバザイト型ゼオライトであっても、本発明の構成を満たす製造方法であれば、本発明の効果を奏するものと考えられる。
ここで、有機構造規定剤として、例えば、TEAH(テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド)のような四級アンモニウム塩や有機アミンが挙げられる。
[酸処理工程]
本発明の製造方法における酸処理工程は、チャバザイト型ゼオライトと酸溶液を接触させる工程である。なお、チャバザイト型ゼオライトが酸溶液中で沈降や凝集する場合は、撹拌や超音波処理等を行うことで、チャバザイト型ゼオライトが酸溶液中に分散した状態を維持することが好ましい。
酸処理工程において使用する酸溶液は、水と酸を含む。酸は、無機酸または有機酸を用いることができるが、無機酸を用いることが好ましい。更に硫酸であることが好ましい。また、酸の濃度は、下記の範囲にあることが好ましい。酸の濃度が低すぎる場合、酸処理工程においてAlが脱離しにくくなるため好ましくない。また、酸の濃度が高すぎる場合、酸処理工程で得られる高シリカチャバザイト型ゼオライトの相対結晶度が低下するため好ましくない。
<好ましい酸の濃度>
酸の濃度=1.0〜4.0質量%
酸処理工程において使用する酸溶液のpHは、下記の範囲にあることが好ましい。酸溶液のpHが高すぎる場合、酸処理工程においてAlが脱離しにくくなるため好ましくない。
<好ましい酸溶液のpH>
酸溶液のpH=1.5〜3.0
本発明の酸処理工程における処理温度は、下記の範囲にあることが好ましい。なお、本発明の酸処理工程における処理温度とは、酸溶液の温度である。処理温度が高すぎる場合、酸処理工程で得られる高シリカチャバザイト型ゼオライトの相対結晶度が低下するため好ましくない。
<好ましい処理温度>
処理温度=20〜98℃
以下に本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトについて説明する。
本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、前述の本発明の製造方法によって製造できる。
[高シリカチャバザイト型ゼオライト]
本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトのケイバン比は、7.5以上である。本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトのケイバン比は下記の範囲にあることが好ましい。ケイバン比が低すぎる場合、耐水熱性が悪くなるため好ましくない。ケイバン比が高い高シリカチャバザイト型ゼオライトは、従来、有機構造規定剤(SDA)を用いずに合成することは困難であったが、前述の本発明の製造方法によって製造できることを、本発明者は見出した。
<好ましい高シリカチャバザイト型ゼオライトのケイバン比>
ケイバン比=7.5〜12
本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトの相対結晶度は、105%以上である。本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトの相対結晶度は下記の範囲にあることが好ましい。相対結晶度が低すぎると触媒として用いた場合に触媒活性が低くなるため好ましくない。また、本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトにCuを担持して後述するNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトを合成する際に、結晶構造が破壊されやすくなるので好ましくない。
<好ましい高シリカチャバザイト型ゼオライトの相対結晶度>
相対結晶度=105〜150[%]
本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトのKの含有量は、K2O換算で7.0〜11.6質量%であってもよい。これは、酸処理前のチャバザイト型ゼオライトに由来するものであるが、必要によってイオン交換等で除去してもよい。
本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、Si及びAlを含む。本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトのSi及びAlの含有量は、酸化物換算(SiはSiO2換算、AlはAl23換算)で、下記の範囲にあることが好ましい。
SiO2=71.1〜81.9[質量%]
Al23=10.9〜17.0[質量%]
なお、本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトのSi及びAlの含有量は、前述のKの含有量と同様の方法で測定する。
本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、その結晶構造中にPを実質的に含まないことが好ましい。したがって、Pを結晶構造に含むチャバザイト型ゼオライトの1種であるSAPO−34などは、本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトには含まれないことが好ましい。また、合成原料等に含まれるPが、本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトに残留する場合もある。このような場合は、概ね1000ppm以下の含有量であれば、実質的に含んでいないと解してよい。なお、本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトのPの含有量は、前述のKの含有量と同様の方法で測定する。
本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトの比表面積は、下記の範囲にあることが好ましい。比表面積が低すぎると、触媒活性が低くなるため好ましくない。比表面積が600m2/gより大きい高シリカチャバザイト型ゼオライトは、合成が困難である。
<好ましい高シリカチャバザイト型ゼオライトの比表面積>
比表面積=350〜600[m2/g]
本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、大気雰囲気下でH2Oを1ml/minの速度で添加しながら700℃で3時間処理した後の相対結晶度が100%以上である。これは、本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトが、高温、高湿の環境下においても、結晶構造を維持できることを表している。本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、大気雰囲気下でH2Oを1ml/minの速度で添加しながら700℃で3時間処理した後の相対結晶度が、下記の範囲にあることが好ましい。これが100%より低い場合、高温・高湿下で本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトを用いると、ゼオライトの結晶構造を有効に使用できなくなるので好ましくない。また、これが150%を超える本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、合成が困難である。
<好ましい高シリカチャバザイト型ゼオライトの相対結晶度(大気雰囲気下でH2Oを1ml/minの速度で添加しながら700℃で3時間処理した後)>
100〜150[%]
[NH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライト]
本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、Cuを担持すると、NH3−SCR反応に触媒活性を示す。以下、NH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトについて、詳述する。
本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、Cuを含む。Cuの担持量は、母体となる本発明の高シリカチャバザイト型ゼオライトに対して、下記の範囲にあることが好ましい。Cuの担持量が少なすぎると、NH3−SCR活性が低下するので好ましくない。また、Cuの担持量が多すぎると、耐久性が低下するので好ましくない。特に、水蒸気雰囲気下で高温の状態で使用すると、結晶構造が破壊されやすくなる。
<好ましいCu担持量>
Cu担持量=2〜10質量%
本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトの組成は、KをK2O換算で0〜0.2質量%含むことが好ましい。組成が下記の範囲にあるNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、触媒として用いた場合、NH3−SCR活性がより優れるとともに、耐水熱性がより良好である。Kの含有量が多すぎると、Cuが高シリカチャバザイト型ゼオライトにイオン交換しにくくなるので、好ましくない。
<好ましいNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトの組成>
2O=0〜0.099[質量%]
本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトのケイバン比は、7.5以上である。本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトのケイバン比は、下記の範囲にあることが好ましい。ケイバン比が下記の範囲にあるNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、NH3−SCR反応が高くなるとともに、耐水熱性が高くなる。
<好ましいNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトのケイバン比>
ケイバン比=8〜9.9
本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、Si及びAlを含む。本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトのSi及びAlの含有量は、酸化物換算(SiはSiO2換算、AlはAl23換算)で、下記の範囲にあることが好ましい。
SiO2=73.3〜86.9質量%
Al23=10.1〜18.1質量%
なお、本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトのSi及びAlの含有量は、前述のKの含有量と同様の方法で測定する。
本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、その結晶構造中にPを実質的に含まないことが好ましい。したがって、Pを結晶構造に含むチャバザイト型ゼオライトの1種であるSAPO−34などは、本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトには含まれないことが好ましい。また、合成原料等に含まれるPが、本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトに残留する場合もある。このような場合は、概ね1000ppm以下の含有量であれば、実質的に含んでいないと解してよい。なお、本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトのPの含有量は、前述のKの含有量と同様の方法で測定する。
本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトの相対結晶度は、100%以上である。本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトの相対結晶度は、下記の範囲にあることが好ましい。相対結晶度が高ければNH3−SCR活性が増加するが、相対結晶度が下記の範囲より大きい本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトは合成が困難である。
<好ましいNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトの相対結晶度>
相対結晶度=140〜180%
本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトの比表面積は、下記の範囲にあることが好ましい。比表面積が低すぎると、NH3−SCR活性が低くなるため好ましくない。比表面積が600m2/gより大きい本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、合成が困難である。
<好ましい本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトの比表面積>
比表面積=350〜600[m2/g]
本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトの外表面積は、22m2/g以上であることが好ましい。外表面積が大きい本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、ゼオライトの細孔と界面のアクセスが増えるので、NH3−SCR活性が高くなり好ましい。また、Cuを担持する際に、ゼオライトの細孔内に拡散されやすくなるので好ましい。本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、下記の範囲にあることがより好ましい。外表面積が40m2/gより大きい本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトを合成することは困難である。
<より好ましいNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトの外表面積>
外表面積=22〜40m2/g
本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトの比表面積と外表面積の比率(比表面積/外表面積)は、下記の範囲にあることが好ましい。比表面積と外表面積の比率が下記の範囲にある本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトは、NH3−SCR反応活性が高くなる。
(比表面積/外表面積)=10〜18.5
本発明のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトの平均粒子径は、下記の範囲にあることが好ましい。平均粒子径が小さすぎる場合、相対結晶度が低くなりやすいので好ましくない。一方で、平均粒子径が大きすぎても、前述の外表面積が低下しやすくなるので好ましくない。
<好ましいチャバザイト型ゼオライトの平均粒子径>
平均粒子径=0.5〜5[μm]
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[チャバザイト型ゼオライト(1)の合成]
AlをAl23換算濃度として22質量%、NaをNa2O換算濃度として17質量%含むアルミン酸ナトリウム水溶液0.168kgを、NaOH濃度21.65質量%の水酸化ナトリウム水溶液1.35kgに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を撹拌しながら、SiをSiO2換算濃度として24質量%、NaをNa2O換算濃度として7.7質量%含む珪酸ナトリウム水溶液1.361kgに添加した。このときの溶液の組成は、酸化物モル比で、
Na2O/Al23=16
SiO2/Al23=15
2O/Al23=330
であった。ついで、この溶液を30℃で15時間静置してアルミノシリケート溶液を調製した。
SiをSiO2換算濃度として24質量%、NaをNa2O換算濃度として7.7質量%含む珪酸ナトリウム水溶液22.78kgに、水5.66kgと、SiO2濃度30質量%のシリカゾル(日揮触媒化成製:Cataloid SI−30:平均粒子径10nm)18.97kgと、前記アルミノシリケート溶液2.88kgを加え、攪拌混合した。これに、AlをAl23換算濃度として22質量%、NaをNa2O換算濃度として17質量%含むアルミン酸ナトリウム水溶液10.03kgを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリーを調製した。このときの混合ヒドロゲルスラリーの組成は、酸化物モル比で、
Na2O/Al23=2.80
SiO2/Al23=8.70
2O/Al23=108
であった。
混合ヒドロゲルスラリー60.3kgを結晶化槽にて、95℃で35時間、水熱処理を行った。その後、70℃まで冷却し、濾過してNa−Y型ゼオライトのケーキ29.5kgを得た。得られたNa−Y型ゼオライトのケーキを、更に洗浄し、濾過し、乾燥してNa−Y型ゼオライトを調製した。
Na−Y型ゼオライト500g、硫酸アンモニウム280gを含む水溶液5000gを80℃に昇温し、撹拌しながら2時間イオン交換した後、濾過し、洗浄し、乾燥し、550℃で5時間焼成した。更に、上記の条件でイオン交換、濾過、洗浄、乾燥の操作を2回行い、NHイオン交換率95%の0.95(NH2O・0.05Na2O・Al23・5SiO2ゼオライト(NH4(95)Y型ゼオライトともいう。)を調製した。
ついで、NH4(95)Y型ゼオライトに水を加えて50質量%の水分を含むように水分調整した。水分調整したNH4(95)Y型ゼオライトを容器に充填し、600℃に昇温して2時間スチーム処理することで、超安定性フォージャサイト型ゼオライトを調製した。
この超安定性フォージャサイト型ゼオライト500gに、濃度25質量%の硫酸495gを0.5時間で滴下して脱アルミ処理を行い、ケイバン比9.0のフォージャサイト型ゼオライトを調製した。
このフォージャサイト型ゼオライトの濃度が20質量%であるフォージャサイト型ゼオライトスラリーを調製し、ビーズミル(アシザワファインテック(株)製:LMZ015)で微細化処理を行った。このときの微細化条件は、ジルコニアビーズ0.5mm、周速10m/s、ビーズ充填量は体積換算で85%であった。微細化されたフォージャサイト型ゼオライト型スラリー95gと水60gを混合し、ついでKOH濃度が95.5質量%のKOH5.5gを混合して、合成スラリーを調製した。合成スラリーを150℃で48時間水熱処理した。その後、水熱処理した合成スラリーを取出し、ろ過、洗浄、乾燥してチャバザイト型ゼオライト(1)を調製した。
[ケイバン比の測定方法]
上記の方法で得られたチャバザイト型ゼオライト(1)について、下記の条件でSi、Al、Kの含有量を測定した。各組成は酸化物換算で質量%として算出した。また、算出したSiO2とAl23の組成をモル比に換算して、ケイバン比(SiO2/Al23)を算出した。結果を第1表における実施例1〜4の欄に示す。
<Si、Al、Kの含有量測定>
測定方法:ICP発光分析
装置 :ICP730−ES(株式会社VARIAN製)
試料溶解:酸溶解
[相対結晶度の測定方法]
国際ゼオライト学会のHP(http://www.iza-online.org/synthesis/)に記載されたChabaziteの合成方法に基づいて合成を行った。具体的には、198.2mlのイオン交換水と45質量%のKOH溶液を26.8ml混合した溶液に25.0gのケイバン比5.2のHY型ゼオライトを添加し、30秒間撹拌した。このスラリーを95℃で96時間結晶化した。得られたスラリーは500mlの水で2回洗浄した後、乾燥し、チャバザイト型ゼオライト(R1)を得た。
上記の方法で得られたチャバザイト型ゼオライト(1)とチャバザイト型ゼオライト(R1)について、下記の条件でX線回折測定を行った。
<X線回折測定条件>
装置 :MiniFlex(株式会社リガク製)
操作軸 :2θ/θ
線源 :CuKα
測定方法 :連続式
電圧 :40kV
電流 :15mA
開始角度 :2θ=5°
終了角度 :2θ=50°
サンプリング幅:0.020°
スキャン速度 :10.000°/min
上記のX線回折測定により得られたX線回折パターンから、ミラー指数(100)、(20−1)、(3−1−1)に帰属される各ピークの高さの合計値を求め、下記の式により相対結晶度を求めた。結果を第1表における実施例1〜4の欄に示す。
相対結晶度[%]=H/HR1 ×100
H :チャバザイト型ゼオライト(1)の上記の各ピークの高さの合計
R1:チャバザイト型ゼオライト(R1)の上記の各ピーク高さの合計
[比表面積の測定方法]
チャバザイト型ゼオライト(1)10g、硫酸アンモニウム5gを含む水溶液100gを60℃に昇温し、撹拌しながら1時間イオン交換し、その後、濾過、洗浄した。この操作を2回行った。上記の方法で得られたチャバザイト型ゼオライトについて、下記の条件で比表面積の測定を行った。結果を第1表における実施例1〜4の欄に示す。
<比表面積測定条件>
装置 BELSORP−miniII(マイクロトラック・ベル株式会社製)
方法 BET多点法
前処理 300℃−60min電気炉で焼成後、300℃−2hr真空焼成
試料質量 約0.05g
具体的には、試料を測定セルに取り、上記前処理を行い、細孔分布測定装置を使用してN2ガスでの吸着等温線を得る。その吸着等温線より、BET解析法にて相対圧0.05〜0.35の範囲でより直線になる点を結んだ時の切片と傾きから単分子層吸着量を求める。その吸着量からBET式により比表面積を算出する。
[平均粒子径の測定方法]
チャバザイト型ゼオライトの走査型電子顕微鏡写真(SEM)画像から、平均粒子径を測定した。具体的には、画像のチャバザイト型ゼオライト粒子1個について、最も大きい径を測定した。この方法で10個の粒子を測定し、その平均値を平均粒子径とした。結果を第1表に示す。
[チャバザイト型ゼオライト(2)の合成]
AlをAl23換算濃度で22質量%、NaをNa2O換算濃度で17質量%含むアルミン酸ナトリウム水溶液0.168kgを、NaOHが濃度21.65質量%の水酸化ナトリウム水溶液1.35kgに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を撹拌しながら、SiをSiO2換算濃度で24質量%、NaをNa2O換算濃度で7.7質量%含む珪酸ナトリウム水溶液1.361kgに添加した。このときの溶液の組成は、酸化物モル比で、
Na2O/Al23=16
SiO2/Al23=15
2O/Al23=330
であった。ついで、この溶液を30℃で15時間静置してアルミノシリケート溶液を調製した。
SiをSiO2換算濃度として24質量%、NaをNa2O換算濃度として7.7質量%含む珪酸ナトリウム水溶液22.78kgに、水5.66kgと、SiO2濃度30質量%シリカゾル(日揮触媒化成製:Cataloid SI−30:平均粒子径10nm)18.97kgと、前記アルミノシリケート溶液2.88kgを加え攪拌混合した。これに、AlをAl23換算濃度として22質量%、NaをNa2O換算濃度として17質量%含むアルミン酸ナトリウム水溶液10.03kgを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリーを調製した。このとき混合ヒドロゲルスラリーの組成は、酸化物モル比で、
Na2O/Al23=2.80
SiO2/Al23=8.70
2O/Al23=108
であった。
混合ヒドロゲルスラリー60.3kgを、結晶化槽にて、95℃で35時間、水熱処理した。その後、70℃まで冷却し、濾過してNa−Y型ゼオライトのケーキ29.5kgを得た。得られたNa−Y型ゼオライトのケーキを、更に洗浄し、濾過し、乾燥してNa−Y型ゼオライトを調製した。
Na−Y型ゼオライト500g、硫酸アンモニウム280gを含む水溶液5000gを80℃に昇温し、撹拌しながら2時間イオン交換した後、濾過し、洗浄し、乾燥し、550℃で5時間焼成した。更に、上記の条件でイオン交換、濾過、洗浄、乾燥の操作を2回行い、NH4イオン交換率95%の0.95(NH42O・0.05Na2O・Al23・5SiO2ゼオライトを調製した。その後、550℃で5時間焼成し、フォージャサイト型ゼオライトを調製した。
このフォージャサイト型ゼオライト20gを水80gに分散させ、ついでKOH濃度が95.5質量%のKOH6.5gを混合して、合成スラリーを調製した。合成スラリーを95℃で48時間水熱処理を行った。その後、合成スラリーを取出しろ過、洗浄、乾燥してチャバザイト型ゼオライト(2)を調製した。このチャバザイト型ゼオライト(2)について、チャバザイト型ゼオライト(1)と同様の方法で、ケイバン比、相対結晶度、比表面積、平均粒子径を測定した。結果を第1表における比較例1〜6の欄に示す。
[実施例1]
チャバザイト型ゼオライト(1)10gと、硫酸濃度が1.45質量%である酸溶液を接触させ、95℃で1時間、撹拌したまま保持した。保持が終了した後、濾過、洗浄、乾燥して高シリカチャバザイト型ゼオライトを得た。
得られた高シリカチャバザイト型ゼオライトについて、前述の方法を用いて、ケイバン比、相対結晶度(%)、組成、比表面積を測定した。結果を第1表に示す。また、X線回折パターンを図1に示す。更に、SEM画像を図2に示す。
得られた高シリカチャバザイト型ゼオライトについて、次の方法を用いて耐水熱性を評価した。
[耐水熱性の評価方法]
得られた高シリカチャバザイト型ゼオライトについて、下記の条件における高温下で水蒸気処理を行った。結果を第2表に示す。
<水蒸気処理条件>
装置: 環状炉
温度: 700℃
時間: 3時間
ガス: 大気雰囲気下でH2Oを1ml/minの速度で、環状炉に添加
水蒸気処理後の高シリカチャバザイト型ゼオライトについて、前述の方法で、相対結晶度(%)を測定した。
[実施例2]
硫酸濃度が1.65質量%である以外は、実施例1と同様の方法で高シリカチャバザイト型ゼオライトを得た。実施例1と同様の方法で、高シリカチャバザイト型ゼオライトを測定した結果を、それぞれ第1表および第2表に示す。
[実施例3]
硫酸濃度が2.59質量%である以外は、実施例1と同様の方法で高シリカチャバザイト型ゼオライトを得た。実施例1と同様の方法で、高シリカチャバザイト型ゼオライトを測定した結果を、それぞれ第1表および第2表に示す。
[実施例4]
硫酸濃度が2.93質量%である以外は、実施例1と同様の方法で高シリカチャバザイト型ゼオライトを得た。実施例1と同様の方法で、高シリカチャバザイト型ゼオライトを測定した結果を、それぞれ第1表および第2表に示す。
[比較例1]
チャバザイト型ゼオライト(2)10gと、硫酸濃度が1.74質量%である酸溶液を接触させ、95℃で1時間、撹拌したまま保持した。保持が終了した後、濾過、洗浄、乾燥して高シリカチャバザイト型ゼオライトを得た。実施例1と同様の方法で、高シリカチャバザイト型ゼオライトを測定した結果を、それぞれ第1表および第2表に示す。また、X線回折パターンを図1に示す。更に、SEM画像を図3に示す。
[比較例2]
硫酸濃度が2.58質量%である以外は、比較例1と同様の方法で高シリカチャバザイト型ゼオライトを得た。実施例1と同様の方法で、高シリカチャバザイト型ゼオライトを測定した結果を、それぞれ第1表および第2表に示す。
[比較例3]
硫酸濃度が3.15質量%である以外は、比較例1と同様の方法で高シリカチャバザイト型ゼオライトを得た。実施例1と同様の方法で、高シリカチャバザイト型ゼオライトを測定した結果を、それぞれ第1表および第2表に示す。
[比較例4]
硫酸濃度が3.55質量%である以外は、比較例1と同様の方法で高シリカチャバザイト型ゼオライトを得た。実施例1と同様の方法で、高シリカチャバザイト型ゼオライトを測定した結果を、それぞれ第1表および第2表に示す。
[比較例5]
硫酸濃度が3.86質量%である以外は、比較例1と同様の方法で高シリカチャバザイト型ゼオライトを得た。実施例1と同様の方法で、高シリカチャバザイト型ゼオライトを測定した結果を、それぞれ第1表および第2表に示す。
[比較例6]
硫酸濃度が4.10質量%である以外は、比較例1と同様の方法で高シリカチャバザイト型ゼオライトを得た。実施例1と同様の方法で、高シリカチャバザイト型ゼオライトを測定した結果を、それぞれ第1表および第2表に示す。
実施例1〜4および比較例1〜6について、高シリカチャバザイト型ゼオライトのケイバン比をX軸、相対結晶度をY軸として散布図を作成した(図4)。ケイバン比の高いチャバザイト型ゼオライトを用いると、酸処理工程によってケイバン比が高くなっても、相対結晶度が維持されることが判明した。
[チャバザイト型ゼオライト(3)の合成]
AlをAl23換算濃度で22質量%、NaをNa2O換算濃度で17質量%含むアルミン酸ナトリウム水溶液0.168kgを、NaOHが濃度21.65質量%の水酸化ナトリウム水溶液1.35kgに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を撹拌しながら、SiをSiO2換算濃度で24質量%、NaをNa2O換算濃度で7.7質量%含む珪酸ナトリウム水溶液1.361kgに添加した。このときの溶液の組成は、酸化物モル比で、
Na2O/Al23=16
SiO2/Al23=15
2O/Al23=330
であった。ついで、この溶液を30℃で15時間静置してアルミノシリケート溶液を調製した。
SiをSiO2換算濃度として24質量%、NaをNa2O換算濃度として7.7質量%含む珪酸ナトリウム水溶液22.78kgに、水5.66kgと、SiO2濃度30質量%シリカゾル(日揮触媒化成製:Cataloid SI−30:平均粒子径10nm)18.97kgと、前記アルミノシリケート溶液2.88kgを加え攪拌混合した。これに、AlをAl23換算濃度として22質量%、NaをNa2O換算濃度として17質量%含むアルミン酸ナトリウム水溶液10.03kgを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリーを調製した。このとき混合ヒドロゲルスラリーの組成は、酸化物モル比で、
Na2O/Al23=2.80
SiO2/Al23=8.70
2O/Al23=108
であった。
混合ヒドロゲルスラリー60.3kgを、結晶化槽にて、95℃で35時間、水熱処理した。その後、70℃まで冷却し、濾過してNa−Y型ゼオライトのケーキ29.5kgを得た。得られたNa−Y型ゼオライトのケーキを、更に洗浄し、濾過し、乾燥してNa−Y型ゼオライトを調製した。
Na−Y型ゼオライト500g、硫酸アンモニウム280gを含む水溶液5000gを80℃に昇温し、撹拌しながら2時間イオン交換した後、濾過し、洗浄し、乾燥し、550℃で5時間焼成した。更に、上記の条件でイオン交換、濾過、洗浄、乾燥の操作を2回行い、NH4イオン交換率95%の0.95(NH42O・0.05Na2O・Al23・5SiO2ゼオライトを調製した。
ついで、NH4(95)Y型ゼオライトに水を加えて50質量%の水分を含むように水分調整した。水分調整したNH4(95)Y型ゼオライトを容器に充填し、600℃に昇温して2時間スチーム処理することで、超安定性フォージャサイト型ゼオライトを調製した。
この超安定性フォージャサイト型ゼオライト500gに、濃度25質量%の硫酸330gを0.5時間で滴下して脱アルミ処理を行い、ケイバン比7.0のフォージャサイト型ゼオライトを調製した。
このフォージャサイト型ゼオライト20gを水80gに分散させ、ついでKOH濃度が95.5質量%のKOH7.0gを混合して、合成スラリーを調製した。合成スラリーを95℃で48時間水熱処理を行った。その後、合成スラリーを取出しろ過、洗浄、乾燥してチャバザイト型ゼオライト(3)を調製した。このチャバザイト型ゼオライト(3)について、チャバザイト型ゼオライト(1)と同様の方法で、ケイバン比、相対結晶度、比表面積、平均粒子径を測定した。結果を第1表における実施例5の欄に示す。
[実施例5]
チャバザイト型ゼオライト(3)10gと、硫酸濃度が1.45質量%である酸溶液を接触させ、95℃で1時間、撹拌したまま保持した。保持が終了した後、濾過、洗浄、乾燥して高シリカチャバザイト型ゼオライトを得た。実施例1と同様の方法で、高シリカチャバザイト型ゼオライトを測定した結果を、それぞれ第1表および第2表に示す。
[NH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライト]
硫酸アンモニウムを用いて、実施例1〜5、比較例1〜6で得られた高シリカチャバザイト型ゼオライトを、Kの濃度がK2O換算で0.1質量%以下となるまでイオン交換した。次に、Cuの担持量がCu換算で約4質量%となるように硝酸銅水溶液に浸漬して、NH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトを得た。具体的には、前述の高シリカチャバザイト型ゼオライト各10gを1mol/Lの硝酸銅3水和物溶液100gに懸濁し80℃に昇温し、撹拌しながら1時間イオン交換した後、ろ過、洗浄した。この操作を目標のCu担持量になるまで繰り返した。
得られたNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトについて、実施例1と同様の方法でSi、Al、K、Cuの含有量を測定した。また、実施例1と同様の方法で、比表面積、相対結晶度を測定した。結果を第3表に示す。
得られたNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトについて、下記の方法で外表面積を測定した。結果を第3表に示す。
[外表面積測定方法]
測定方法 窒素吸着法
測定装置 BEL SORP−miniII(日本ベル株式会社製)
サンプル量 約0.05g
前処理 300℃、2時間(真空下)
相対圧範囲 0〜1.0
算出方法 外表面積:t−plot法
得られたNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライトについて、顆粒状に成型した後、下記の方法でNH3−SCR活性を測定した。結果を第3表に示す。
<NH3−SCR反応評価条件>
反応装置 常圧固定床流通式反応管
触媒成形体 10cc
反応ガス NO:500ppm、NH3:500ppm、O2:10%、N2:バランス
反応ガス流量 6000cc/min
反応温度 150℃、200℃、300℃
<NOx除去率算出方法>
各反応温度において、定常状態になった時点における反応管入口のNOx濃度をCin、
反応管出口のNOx濃度をCoutとして、下記の式から算出した。
NOx除去率[%]={(Cin‐Cout)/Cin}×100

Claims (8)

  1. 下記(a)、(b)の特徴を具備するチャバザイト型ゼオライトを酸処理する高シリカチャバザイト型ゼオライトの製造方法。
    (a)ケイバン比(SiO2/Al23モル比)が6.5以上
    (b)相対結晶度が100%以上
  2. KをK2O換算で9.7〜15.27質量%含む前記チャバザイト型ゼオライトを用いる、請求項1に記載の高シリカチャバザイト型ゼオライトの製造方法。
  3. 硫酸を1〜4質量%含む酸処理溶液で酸処理する請求項1又は2に記載の高シリカチャバザイト型ゼオライトの製造方法。
  4. 有機構造規定剤を使用せずに合成した前記チャバザイト型ゼオライトを用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の高シリカチャバザイト型ゼオライトの製造方法。
  5. 下記(c)〜(e)の特徴を具備する高シリカチャバザイト型ゼオライト。
    (c)ケイバン比が7.5以上
    (d)相対結晶度が105%以上
    (e)大気雰囲気下でH2Oを1ml/minの速度で添加しながら700℃で3時間処理した後の相対結晶度が100%以上
  6. 下記(f)〜(h)の特徴を具備するNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライト。
    (f)ケイバン比が7.5以上
    (g)相対結晶度が100%以上
    (h)Cuを2〜10質量%含む
  7. 外表面積が22m2/g以上である請求項6に記載のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライト。
  8. 外表面積と比表面積の比率が10以上である請求項7に記載のNH3−SCR反応用の高シリカチャバザイト型ゼオライト。
JP2016126956A 2015-06-29 2016-06-27 高シリカチャバザイト型ゼオライトの製造方法および高シリカチャバザイト型ゼオライト Active JP6879680B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015130275 2015-06-29
JP2015130275 2015-06-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017014100A true JP2017014100A (ja) 2017-01-19
JP6879680B2 JP6879680B2 (ja) 2021-06-02

Family

ID=57829880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016126956A Active JP6879680B2 (ja) 2015-06-29 2016-06-27 高シリカチャバザイト型ゼオライトの製造方法および高シリカチャバザイト型ゼオライト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6879680B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018212351A1 (en) * 2017-05-19 2018-11-22 Daikin America, Inc. Composition and method for producing composition
JP2019099391A (ja) * 2017-11-29 2019-06-24 日揮触媒化成株式会社 ベータ型ゼオライトの製造方法
CN111268691A (zh) * 2020-03-12 2020-06-12 上海索易分子筛有限公司 一种小晶粒菱沸石及其制备方法和应用

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014515723A (ja) * 2011-04-18 2014-07-03 ピーキュー コーポレイション 大型結晶で有機を含まないチャバザイトと、同材料の作成方法および使用方法
JP2015101056A (ja) * 2013-11-27 2015-06-04 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置
JP2015101506A (ja) * 2013-11-25 2015-06-04 日揮触媒化成株式会社 チャバサイト型ゼオライトの合成方法
JP2015536291A (ja) * 2012-10-18 2015-12-21 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se ゼオライト材料の後処理

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014515723A (ja) * 2011-04-18 2014-07-03 ピーキュー コーポレイション 大型結晶で有機を含まないチャバザイトと、同材料の作成方法および使用方法
JP2015536291A (ja) * 2012-10-18 2015-12-21 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se ゼオライト材料の後処理
JP2015101506A (ja) * 2013-11-25 2015-06-04 日揮触媒化成株式会社 チャバサイト型ゼオライトの合成方法
JP2015101056A (ja) * 2013-11-27 2015-06-04 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018212351A1 (en) * 2017-05-19 2018-11-22 Daikin America, Inc. Composition and method for producing composition
CN110494488A (zh) * 2017-05-19 2019-11-22 大金美国股份有限公司 组合物以及制造组合物的方法
CN110494488B (zh) * 2017-05-19 2022-04-19 大金美国股份有限公司 组合物以及制造组合物的方法
JP2019099391A (ja) * 2017-11-29 2019-06-24 日揮触媒化成株式会社 ベータ型ゼオライトの製造方法
CN111268691A (zh) * 2020-03-12 2020-06-12 上海索易分子筛有限公司 一种小晶粒菱沸石及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP6879680B2 (ja) 2021-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107207270B (zh) 新型沸石
JP2012254921A (ja) β型鉄シリケート組成物及び窒素酸化物還元方法
JP2017081809A (ja) Aei型ゼオライト及びその製造方法と用途
US9968917B2 (en) LEV-type zeolite and production method therefor
JP6485666B1 (ja) 非晶質アルミノケイ酸塩粒子粉末及びその製造方法
US10618040B2 (en) Chabazite zeolite for substrate coating
JP6879680B2 (ja) 高シリカチャバザイト型ゼオライトの製造方法および高シリカチャバザイト型ゼオライト
CN103962177A (zh) 一种含分子筛的催化剂的制备方法
JP6817022B2 (ja) 高耐水熱性チャバザイト型ゼオライトおよびその製造方法
CN107548380A (zh) 稳定化的微孔晶态材料、其制备方法和用于NOx的选择性催化还原的用途
JP6303842B2 (ja) Lev型ゼオライト及びこれを含む窒素酸化物還元触媒、並びに窒素酸化物還元方法
WO2017213022A1 (ja) 高耐水熱性チャバザイト型ゼオライトおよびその製造方法
JP2023551654A (ja) 有機テンプレートを組み合わせて使用するチャバザイトゼオライトの合成
US20210403334A1 (en) Method of making aei-type zeolites having a high silica to alumina molar ratio (sar)
JP6778554B2 (ja) 高結晶性チャバザイト型ゼオライトおよびその製造方法
JP7113821B2 (ja) Cha型アルミノ珪酸塩の製造方法
JP2021080132A (ja) 疎水性ゼオライト、及びその製造方法
JP6727884B2 (ja) アーモンド状の形状を有するzsm−5型ゼオライトおよびその製造方法
JP2019166436A (ja) 活性マトリックスおよびその製造方法、ならびに(残油)流動接触分解触媒
JP2019166437A (ja) 活性マトリックスおよびその製造方法、ならびに(残油)流動接触分解触媒
JP2022156977A (ja) 充填密度が高いフォージャサイト型ゼオライトおよびその製造方法
JP2021143078A (ja) 疎水性mfi型ゼオライト、その製造方法、及びその用途
JP2024023361A (ja) ゼオライト製造用アルミノシリケート
CN116262622A (zh) 一种纳米级高硅y分子筛、及其制备方法和应用
JPH05138030A (ja) 窒素酸化物の還元用触媒および窒素酸化物の接触還元分解方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200721

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200722

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210406

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210430

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6879680

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250