JP6303682B2 - ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物及びポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物及びポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物及びその触媒組成物を用いたポリウレタンフォームの製造方法に関する。
さらに詳しくは、初期反応性、ポリウレタンフォームの物性及び低密度化に優れる特徴を有し且つ揮発性アミン系触媒の排出が極めて小さい触媒組成物と、その触媒組成物を用いた硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関するものである。
ポリウレタンフォームはポリオールとポリイソシアネートとを触媒及び必要に応じて発泡剤、難燃剤、界面活性剤、架橋剤等の存在下に反応させて製造される。このポリウレタンフォームの製造に、金属系化合物や第3級アミン化合物等を触媒として用いることが従来知られている。これらの触媒は、単独で又は併用され工業的に多用されている。
これらの触媒のうち、とりわけ第3級アミン化合物は、生産性、成形性に優れることよりポリウレタンフォーム製造用の触媒として広く用いられている。例えば、従来公知のトリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン等の化合物が挙げられる。
ポリウレタンフォームの形成反応は、主にポリオールとイソシアネートの反応によるウレタン基形成反応(樹脂化反応)とイソシアネートと水との反応によるウレア基形成及び炭酸ガス発生(泡化反応)反応の2つから成り、触媒は、これらの反応速度だけでなく、フォームの硬化速度、成型性、フォームの低密度化及び物性等に大きな影響を及ぼす。
一方、発泡剤として使用されてきたクロロフルオロカ−ボン類(トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン等のいわゆるCFC類)、ハイドロクロロフルオロカ−ボン類(ジクロロモノフルオロエタン等のいわゆるHCFC類)は、オゾン層破壊の原因となるため、その使用が制限されている。現在、オゾン層を破壊することのない又はオゾン層破壊の小さいハイドロフルオロカ−ボン類(テトラフルオロエタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン等のいわゆるHFC類)が、発泡剤として使用されている。しかしながら、これらのHFC類は、オゾン層破壊効果はないが、温室効果は炭酸ガスの概ね数百倍から数千倍と非常に大きいため、京都議定書に基づき排出削減が求められている。
また、オゾン層を破壊することのない低沸点の炭化水素(プロパン、ブタン、ペンタン等のいわゆるHC類)は、温室効果の小さい発泡剤として有力視されているが、燃焼性が高いために使用が制限される問題がある。
このため、発泡剤としてのCFC類、HCFC類、HFC類、HC類を削減し、水量を増加させた処方又は水のみを発泡剤として用いる処方が検討されているが、発泡剤として水量を増加させると、ポリウレタンフォームの初期反応性が低下する問題がある。さらに発泡倍率が低いため、同一体積のポリウレタンフォームを得るために、より多くの原料を必要とすることから、経済性も著しく悪化する。そのため、水量を増加した処方又は水のみを発泡剤として用いる処方に適した触媒の開発が強く要求されている。
しかしながら、現在使用されているポリウレタンフォーム製造用触媒は、種々の問題点を有している。
例えば、従来公知の第3級アミン触媒は、アミン臭が強く、特に比較的低分子量のトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等は、極めて強い刺激臭を有し、発泡工程の悪臭のために著しく労働環境を悪化する。また、上述の水発泡処方に起因する初期反応性低下の問題を解決するため、第3級アミン触媒を大量に使用した場合、発泡工程に従事する作業者の眼が霞む症状に見舞われる所謂アイレインボ−等の問題がある。さらに、残存する第3級アミン触媒のため、ポリウレタンフォーム製品自身に悪臭が残る上、外部に第3級アミン触媒が飛散するため、製品としての価値を損じる等の問題がある。
これらの問題を解決するため、少なくとも4個の三級窒素原子を有するアルキル化ポリアルキレンポリアミン組成物が、発泡反応速度が速く、比較的臭気の小さいフォームを形成可能なアミン触媒として開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、有用なアルキル化ポリアルキレンポリアミン組成物として、トリエチレンテトラミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、N,N’−ビス(アミノエチル)ピペラジン、N−2(2’−アミノエチル)アミノエチルピペラジン、テトラエチレンペンタミン、N−2(2’(2”−アミノエチル)アミノエチル)アミノエチルピペラジン、N−2(2’−アミノエチル)アミノエチル−N’−アミノエチルピペラジン、N”,N”−ビス(2−アミノエチル)−N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N,N−ビス(2−アミノエチル)ジエチレントリアミンのアルキル化体からなる群より選ばれる化合物が例示されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、分子中にイソシアネート基と反応する官能基を有する第3級アミン触媒を用いて、悪臭等の発生を抑え、ポリ塩化ビニルやABS樹脂等と接触させて用いても当該材料を変色や劣化させないポリウレタンフォームの製造方法が開示されている。なお、分子中にイソシアネート基と反応する官能基を有する第3級アミン触媒として、具体的には、N,N,N’−トリエチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルビス(アミノエチル)エーテル、ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノオクチルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン、3−キヌクリジノール、(3−ヒドロキシアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン)、ジメチルエタノールアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、ジメチルアミノトリオキシエチレン、ジメチルアミノエトキシエタノール等が例示されている(例えば、特許文献3参照)。
また、分子内に炭素数8〜18の範囲の長鎖脂肪族モノアミン化合物と、分子内にヒドロキシアルキル基を有する第3級アミン化合物、及び/又はトリエチレンジアミンとからなる触媒組成物が、ポリウレタン樹脂の硬化性、成型性及び低温時の接着強度を改良し、なお且つ極めて低臭気なポリウレタン製品を与えるアミン触媒組成物として開示されている。分子内にヒドロキシアルキル基を有する第3級アミン化合物の好適な例として、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N−ジメチルアミノエチル−N’−メチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノプロピル−N’−メチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチル−N’−メチルアミノエチル−N”−メチルアミノイソプロパノール、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N−イソプロパノールアミン、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジイソプロパノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−メチルピペラジン、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、及び5−ジメチルアミノ−3−メチル−1−ペンタノール、1−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾールが開示されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、上記したアルキル化ポリアルキレンポリアミン組成物は、従来公知の第3級アミン触媒のうち、比較的分子量の低い、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等に比較すると、揮発性は低いものの、ポリウレタンフォーム製品自身に僅かな臭気が残る上、ポリウレタンフォーム製品から外部への移行を完全には抑制できないため、他の材料を汚染する懸念があった。
一方、上記した分子中にイソシアネート基と反応する官能基を有する第3級アミン触媒は、イソシアネートと反応して消費されるため、発泡直後のアミン臭気及びアミン蒸気による人体(特に目)に対する影響は小さいものの、触媒活性が比較的低いため、反応性を高めるためには、触媒を多量に使用する必要があり、ポリウレタンフォーム製品を安価に製造することが困難であった。
また、これら分子中にイソシアネート基と反応する官能基を有する第3級アミン触媒は、ポリウレタンフォームの初期反応性が十分とはいえなかった。
特開昭52−147698号公報 特開2007−22995号公報 特開平9−208657号公報 特開2011−252176号公報
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポリウレタンフォームの初期反応性を改良し、ポリウレタンフォームの密度を低減し、なお且つ極めて低臭気なポリウレタンフォームを与える触媒組成物を提供するとともに、この触媒組成物を用いた硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することである。
本発明者らは、公知の触媒の持つ様々な問題点を解決するために鋭意検討した。その結果、驚くべきことに、(A)メチル化ポリエチレンポリアミン組成物及び(B)分子内に少なくとも1つのヒドロキシアルキル基を有する第3級アミン化合物からなる触媒組成物が、ポリウレタンフォームの初期反応性を改良し、ポリウレタンフォームの密度を低減し、なお且つ極めて低臭気なポリウレタンフォームを与え、さらにポリウレタンフォームの寸法安定性、難燃性を改善するという新規な事実を見出し、本発明を完成したものである。
すなわち本発明は、以下に示すとおりのポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物及びポリウレタンフォームの製造方法である。
[1]下記一般式(1)
Figure 0006303682
[式中、R〜Rはメチル基を表し、R、Rは各々独立してメチル基又はN,N−ジメチルアミノエチル基を表す。m+nは、R、Rがともにメチル基又はN,N−ジメチルアミノエチル基の場合、2〜4の整数を表し、それ以外の場合は1〜3の整数を表す。R〜Rが任意に結合しピペラジン環からなる複素環構造を形成しても良い。]
で示されるメチル化ポリエチレンポリアミン(A)と、分子内に少なくとも1つのヒドロキシアルキル基を有する第3級アミン化合物(B)とを含むポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
[2]上記一般式(1)で示されるメチル化ポリエチレンポリアミン(A)が、トリエチレンテトラミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、テトラエチレンペンタミン、及びペンタエチレンヘキサミンのメチル化体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする上記[1]に記載の触媒組成物。
[3]分子内に少なくとも1つのヒドロキシアルキル基を有する第3級アミン化合物(B)が、2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール、2−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]エタノール及び2−[[2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エチル]メチルアミノ]エタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミン化合物であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の触媒組成物。
[4]上記一般式(1)で示されるメチル化ポリエチレンポリアミン組成物(A)と、分子内に少なくとも1つのヒドロキシアルキル基を有する第3級アミン化合物(B)との混合比率が90〜10/10〜90(重量比)の範囲であることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の触媒組成物。
[5]さらに、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチル−1H−イミダゾール、ジメチルオクチルアミン、ジメチルドデシルアミン及びジメチルヘキサデシルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミン化合物(C)を含むことを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の触媒組成物。
[6]さらに、1,3,5−トリス[3−(ジメチルアミノ)プロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムギ酸塩、及び2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミン化合物(D)を含むことを特徴とする上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の触媒組成物。
[7]ポリオールとポリイソシアネートを、触媒及び発泡剤の存在下に反応させてポリウレタンフォームを製造する方法において、触媒として、上記[1]乃至[6]のいずれかに記載の触媒組成物を使用することを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。
[8]発泡剤として、水のみを使用することを特徴とする上記[7]に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
本発明の触媒組成物は、従来のアミン触媒に比べ、初期反応性に優れており、原料を攪拌混合した後、短時間のうちに発泡を開始する。このため、例えば、スプレ−式の現場発泡用途等に用いた場合でも、壁面に吹付けた原料の液垂れ等の不良を起こし難い。また、ポリウレタンフォーム製造工程において作業環境を著しく改善し、製品であるポリウレタンフォームに悪臭を残さないとともに、ポリウレタンフォームからのアミン成分の揮発量低減が可能である。さらに発泡倍率が高く、低密度のポリウレタンフォームを与えることが可能である。
本発明の触媒組成物において、上記アミン化合物(A)及びアミン化合物(B)以外に、さらにアミン化合物(C)を加えることで、ポリウレタンフォームの接着性を改善することができる。
本発明の触媒組成物において、上記アミン化合物(A)及びアミン化合物(B)以外に、さらにアミン化合物(D)を加えることで、ポリウレタンフォームの難燃性を改善することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の触媒組成物は、上記一般式(1)で示されるメチル化ポリエチレンポリアミン(A)[以下、アミン化合物(A)と称する。]と分子内に少なくとも1つのヒドロキシアルキル基を有する第3級アミン化合物(B)[以下、アミン化合物(B)と称する。]とを含む。
上記一般式(1)において、R〜Rが任意に結合しピペラジン環からなる複素環構造を形成しても良く、例えば、R若しくはRとRとが結合するか、R若しくはRとRとが結合するか、又はRとRとが結合して、ピペラジン環からなる複素環構造を形成しても良い
アミン化合物(A)としては、特に限定するものではないが、例えば、トリエチレンテトラミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、テトラエチレンペンタミン、4−(2−アミノエチル)−1,4,7,10−テトラアザデカン、3,6−ビス(2−アミノエチル)−3,6−ジアザオクタン−1,8−ジアミン及びペンタエチレンヘキサミンのメチル化体が挙げられる。
これらのアミン化合物のうち、トリエチレンテトラミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、テトラエチレンペンタミン、及びペンタエチレンヘキサミンのメチル化体が特に好ましい。
アミン化合物(A)は、ポリウレタンフォームの初期反応性に優れる。さらにアミンの揮発性が低いため、ポリウレタンフォームからの臭気が極めて小さく、ポリウレタンフォーム製造現場の作業環境を改善する。
しかしながら、アミン化合物(A)を単独で用いると、ポリウレタンフォームの密度が高くなる問題がある。
アミン化合物(A)は、文献既知の方法にて容易に製造できる。例えば、前記したポリエチレンポリアミン類とホルムアルデヒドを水素加圧下、水素化触媒の存在にて反応させる還元メチル化による方法等が挙げられる。
アミン化合物(B)としては、特に限定するものではないが、例えば、アルカノールアミン類が挙げられ、具体的には、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノイソプロパノール、2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール、N,N−ジメチルアミノエトキシイソプロパノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシイソプロパノール、2−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]エタノール、N,N−ジメチルアミノエチル−N’−メチルアミノイソプロパノール、N,N−ジメチルアミノプロピル−N’−メチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノプロピル−N’−メチルアミノイソプロパノール、N,N−ジメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、2−[[2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エチル]メチルアミノ]エタノール、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシイソプロピルビスアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチル−N’−メチルアミノエチル−N”−メチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノエチル−N’−メチルアミノエチル−N”−メチルアミノイソプロパノール、N,N−ジメチルアミノエチル−N’−メチルアミノエチル−N”−メチルアミノエチル−N”’−メチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノエチル−N’−メチルアミノエチル−N”−メチルアミノエチル−N”’−メチルアミノイソプロパノール、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N−イソプロパノールアミン、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジイソプロパノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−メチルピペラジン、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、5−ジメチルアミノ−3−メチル−1−ペンタノール、1−(2’−ヒドロキシエチル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
これらのうち、触媒活性が高いことから、2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール、2−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]エタノール及び2−[[2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エチル]メチルアミノ]エタノールが特に好ましい。
アミン化合物(B)は、イソシアネートと反応してポリウレタンフォーム中に取り込まれることから、アミンの揮発性が低いため、ポリウレタンフォームからの臭気が極めて小さく、ポリウレタンフォーム製造現場の作業環境を改善する。
しかしながら、アミン化合物(B)を単独で用いると、十分に早い初期反応性が得られない問題がある。
アミン化合物(B)は、文献既知の方法にて容易に製造できる。例えば、アルコールのアミノ化による方法、アミノアルコール類の還元メチル化による方法等が挙げられる。
本発明の触媒組成物において、アミン化合物(A)とアミン化合物(B)との混合比率は、通常10〜90/90〜10(重量比)の範囲であり、好ましくは30〜70/70〜30(重量比)の範囲である。
例えば、アミン化合物(A)の比率が上記範囲を逸脱して多くなると、触媒組成物としての触媒活性が向上するため触媒の使用量を少なくすることができるものの、ポリウレタンフォームからのアミン触媒揮発量が増大し、臭気が悪化する。
また、アミン化合物(B)の比率が上記範囲を逸脱して多くなると、ポリウレタンフォームからのアミン触媒揮発量が低減し、臭気が改善する反面、初期反応性が遅くなる問題がある。
すなわち、アミン化合物(A)、(B)を、単独でポリウレタンフォームの製造に用いても、アミン触媒揮発量が多くなりポリウレタンフォーム製品の臭気が悪化するか、又は初期反応性が低下するため、本発明の効果は達成されず、アミン化合物(A)、(B)を上記範囲で併用することによってはじめて本発明の効果が達成される。
本発明の触媒組成物は、ポリウレタンフォームの製造方法において触媒として使用されるが、特に、硬質ポリウレタンフォームの製造方法において好適に用いられる。
一般的に、硬質ポリウレタンフォームは、高度に架橋された独立気泡構造を有し、可逆変形不可能なフォームである[Gunter Oertel,“Polyurethane Handbook”(1985年版) Hanser Publishers(ドイツ)p.234〜313、岩田敬治「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(1987年初版)日刊工業新聞社,p.224〜283等参照]。また、硬質ポリウレタンフォームの物性としては、特に限定するものではないが、一般的には、密度が20〜100kg/m、圧縮強度が0.5〜10kgf/cm(50〜1000kPa)の範囲である。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、ポリオールとポリイソシアネートを上記した本発明の触媒組成物の存在下に反応させることをその特徴とする。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法に用いられるポリオールとしては、特に限定するものではないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール及びそれらの混合物が使用できる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸とヒドロキシ化合物(グリコール等)の反応から得られるものや、DMT残査、無水フタル酸を出発原料とするポリエステルポリオール、ナイロン製造時の廃物、TMP、ペンタエリスリトールの廃物、フタル酸系ポリエステルの廃物、廃品を処理し誘導したポリエステルポリオール等が挙げられる[例えば、岩田敬治「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(1987年初版)日刊工業新聞社,p.116〜117参照]。上記以外にも、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸又はこれらの廃物、廃品から、芳香族ジカルボン酸又はその誘導体をエステル化反応させて得られるもの等が例示できる。ポリエステルポリオールの原料として用いる二塩基酸としては、具体的には、アジピン酸、フタル酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、リシノール酸等が例示される。
ポリエーテルポリオールは、例えば、グリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュ−クロース等の多価アルコール類、アンモニア、エチレンジアミン、エタノールアミン類等の脂肪族アミン化合物類、トルエンジアミン、ジフェニルメタン−4、4’−ジアミン等の芳香族アミン化合物類、又はこれらの混合物にエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加して得られる。
ポリマーポリオールとしては、例えば、上記したポリエーテルポリオールとエチレン性不飽和単量体(例えば、ブタジエン、アクリロニトリル−スチレン等)とをラジカル重合触媒の存在下に反応させた重合体ポリオール等が挙げられる。
これらのポリオールのうち、硬質ポリウレタンフォームの製造方法においては、ポリエーテル、ポリエステルポリオールが好ましい。ポリオールの平均官能価は4〜8の範囲が好ましく、平均ヒドロキシル価は200〜800mgKOH/gの範囲が好ましく、さらに好ましくは300〜700mgKOH/gの範囲である。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法に用いられるポリイソシアネートとしては、特に限定するものではないが、具体的には、トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−又は4,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類、又はそれらとポリオールとの反応による遊離イソシアネート含有プレポリマー類、カルボジイミド変性等の変性ポリイソシアネート類、さらにはそれらの混合ポリイソシアネート等を例示できる。
TDIとその誘導体としては、例えば、2,4−TDIと2,6−TDIの混合物又はTDIの末端イソシアネートプレポリマー誘導体を挙げることができる。MDIとその誘導体としては、例えば、MDIとその重合体のポリフェニルポリメチレンジイソシアネートの混合体、末端イソシアネート基をもつジフェニルメタンジイソシアネート誘導体等を挙げることができる。
これらのポリイソシアネートのうち硬質ポリウレタンフォームの製造方法においては、MDI又はMDIの誘導体が好ましく、これらは混合して使用しても差支えない。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法に用いられる発泡剤としては、物理的発泡剤、化学的発泡剤のいずれも使用することができる。
物理的発泡剤としては、特に限定するものではないが、例えば、低沸点有機化合物が挙げられる。低沸点有機化合物としては、例えば、炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系の化合物等が挙げられる。炭化水素系の低沸点有機化合物としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素系の低沸点有機化合物としては、例えば、ハロゲン化メタン、ハロゲン化エタン類、フッ素化炭化水素類、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)類、ハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)類が挙げられ、具体的には塩化メチレン、HCFC−141b、HFC−245fa、HFC−365mfc、HCFO−1233zd、HFO−1336mzz等が例示される。
また、物理的発泡剤として、空気、窒素、二酸化炭素等の気体類等も使用できる。
一方、化学的発泡剤としては、例えば、原料成分であるポリイソシアネートと反応して又は熱等により分解してガスを発生させるものが挙げられる。具体的には、水、有機酸、硼酸等の無機酸類、アルカリ炭酸塩類、環状カ−ボネート類、ジアルキルカ−ボネート等が例示される。
これらのうち、発泡剤としては、化学的発泡剤が好ましく、水単独が特に好ましい。水の量はポリオール100重量部に対し、通常2〜50重量部の範囲であり、さらに好ましくは2〜30重量部の範囲である。水を過剰に使用すると、ポリウレタンフォームの硬化速度が遅くなるとともに、発泡のプロセスレンジが狭くなり、成型性が悪化するおそれがある。
また、物理的発泡剤と水とを併用する場合、物理的発泡剤の使用量は所望のフォーム密度に応じて適宜選択されるため、特に限定するものではないが、ポリオール100重量部に対して、通常40重量部以下であり、好ましくは30重量部以下である。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法において、本発明の触媒組成物の使用量は、使用されるポリオールを100重量部としたとき、通常0.01〜15重量部の範囲であり、好ましくは0.05〜10重量部の範囲である。触媒組成物をこの範囲を超えて過剰に使用すると、ポリウレタンフォームの硬化性、生産性は向上するものの揮発性アミンの量も多くなるため好ましくない。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法に使用される触媒は、本発明の触媒組成物であり、その他の触媒を併用する必要はない。
しかしながら、上記アミン化合物(A)及びアミン化合物(B)以外に、さらに、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチル−1H−イミダゾール、ジメチルオクチルアミン、ジメチルドデシルアミン及びジメチルヘキサデシルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミン化合物(C)を加えることで、ポリウレタンフォームの接着性を改善することができる。
また、上記アミン化合物(A)及びアミン化合物(B)以外に、さらに、1,3,5−トリス[3−(ジメチルアミノ)プロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムギ酸塩、及び2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミン化合物(D)を加えることで、ポリウレタンフォームの難燃性を改善することができる
また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記以外の触媒を併用することができる。このような触媒としては、例えば、従来公知の有機金属触媒、第3級アミン類等を挙げることができる。
有機金属触媒としては、例えば、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。
第3級アミン類としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等の第3級アミン化合物類が挙げられる。
これらの第3級アミン化合物類のうち、触媒活性が高いことから、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルが特に好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂の製造方法において、上記したアミン化合物(C)、アミン化合物(D)、有機金属触媒、第3級アミン化合物類等は必須ではないが、これらを併用する場合の使用量は、ポリオール100重量部に対し、通常0.01〜5重量部の範囲である。
また、本発明のポリウレタンフォームの製造方法においては、上記したアミン化合物(A)、アミン化合物(B)、アミン化合物(C)、アミン化合物(D)、有機金属触媒、第3級アミン化合物類等の有機カルボン酸塩を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、触媒又は助触媒として適宜使用することができる。これらを併用する場合の使用量は、ポリオール100重量部に対し、通常0.01〜5重量部の範囲である。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法において、本発明の触媒組成物を単独で又は上記した従来公知の触媒と混合して用いることができるが、混合調製にあたっては、必要な場合、溶媒を使用することができる。
このような溶媒としては、例えば、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、水等が挙げられる。溶媒の量は、特に限定するものではないが、触媒の全量に対して70重量%以下が好ましい。本発明のポリウレタンフォームの製造方法においては、このように調製された触媒をポリオールに添加して使用してもよいし、本発明の触媒組成物の各成分と、必要であれば併用される従来公知の触媒とを別々にポリオールに添加して使用してもよく、特に限定するものではない。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法において、必要であれば助剤として整泡剤を使用することができる。整泡剤としては、特に限定するものではないが、例えば、オールガノシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、シリコーン−グリース共重合体等の非イオン系界面活性剤、又はこれらの混合物等が挙げられる。その使用量は、ポリオール100重量部に対して通常0.1〜10重量部の範囲である。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法において、必要であれば助剤として架橋剤又は鎖延長剤を使用することができる。架橋剤又は鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等の低分子量の多価アルコール類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低分子量のアミンポリオール類、又はエチレンジアミン、キシリレンジアミン、メチレンビスオールソクロルアニリン、ジエチルトルエンジアミン等のポリアミン類等を挙げることができる。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法においては、必要に応じて、着色剤、難燃剤、老化防止剤その他公知の添加剤等も使用してもよい。これらの添加剤の種類、添加量は、通常使用される範囲で十分使用することができる。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法にて製造される製品は種々の用途に使用できる。硬質ポリウレタンフォームの場合、例えば、冷凍庫、冷蔵庫、建築用途等に使用される断熱材等が挙げられる。
以下、実施例、比較例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
合成例1 メチル化トリエチレンテトラミンの調製.
内容積1リットルの攪拌機付きオートクレーブにトリエチレンテトラミン(東ソー社製、TETA)151g、水150g及び触媒としてラネーニッケル6.0gを仕込んだ。密閉したオートクレーブを水素置換後、攪拌下に120℃まで昇温した。続けてオートクレーブ内に圧力3MPaで水素を導入しつつ37%ホルマリン水溶液487gを4時間かけてポンプで供給した。1時間熟成反応を行った後、冷却して反応液を取り出した。ラネ−ニッケルを分離した後、ロータリーエバポレーターを用いて反応液から水を留去後、蒸留精製した。この蒸留精製物をガスクロマトグラフ分析した結果、メチル化トリエチレンテトラミンであることを確認した。
合成例2 メチル化トリス(2−アミノエチル)アミンの調製.
原料としてトリス(2−アミノエチル)アミン(東京化成工業社製、試薬)151gを用いた以外は、合成例1と同様にしてメチル化トリス(2−アミノエチル)アミンを得た。
合成例3 メチル化テトラエチレンペンタミンの調製.
原料としてテトラエチレンペンタミン(東ソー社製、TEPA)167gを用いた以外は、合成例1と同様にしてメチル化テトラエチレンペンタミンを得た。
実施例1〜12及び比較例1〜5.
本発明の触媒組成物、比較例の触媒を用いポリウレタンフォームを製造した例を以下に示す。
1.ポリウレタンフォームの初期反応性:
表1、表2に示す触媒組成物及び触媒を用い、表3に示すポリウレタンフォーム処方を実施し、それらの初期反応性を評価した。
すなわち、ポリオール、水、難燃剤、及び整泡剤を予めプレミックス液とした。プレミックス液50gを300mlポリエチレンカップに量り取り、次に表1、表2に示す触媒組成物及び触媒を添加した後、20℃に温度調整しながら均一に混合した。
別容器に20℃に温度調整したポリイソシアネート液をイソシアネートインデックス{イソシアネート基/OH基(モル比)×100)}が110となる量だけ量り取り、それを上記ポリエチレンカップ中に入れた直後、高速攪拌機にて8000rpmで3秒間混合攪拌した。この混合液を23℃に温度調節した2Lポリエチレンカップに移し発泡中の反応性を測定した。
これらの結果を表1、表2にあわせて示す。
Figure 0006303682
Figure 0006303682
Figure 0006303682
なお、各測定項目の測定方法は以下のとおりである。
1−1.初期反応性の測定項目:
・クリ−ムタイム:ポリウレタンフォームが上昇を開始する時間を目視にて測定した。
2.ポリウレタンフォームの物性、難燃性及びアミン臭気:
上述の調製法に従い、発泡したポリウレタンフォームについて、コア密度、接着強度、難燃性及びアミン臭気を測定し比較した。これらの結果を表1、表2にあわせて示す。なお、各測定項目の測定方法は以下のとおりである。
2−1.ポリウレタンフォーム物性の評価項目:
・コア密度:2Lポリエチレンカップ内で発泡したポリウレタンフォームの中心部を15×7×7cmの寸法にカットし、寸法、重量を正確に測定してコア密度を算出した。
・接着強度:2Lポリエチレンカップの底部に5×5cmのSUS304製板を予めセットしておき、発泡させたポリウレタンフォームと接着させた。発泡1時間後、SUS304製板とポリウレタンフォームの接着強度を、プッシュプルゲ−ジを用いて測定した。
2−2.ポリウレタンフォーム難燃性の評価項目:
・酸素指数:得られたポリウレタンフォームの中心部を採取し、JIS K7201に準じて測定した。
2−3.ポリウレタンフォーム寸法安定性の評価項目:
・発泡1日後の収縮:コア密度の測定に用いたポリウレタンフォームを室温下で保管し、発泡1日後の収縮状態を以下のとおり目視で判定した。
◎:収縮無し、○:微かに収縮有り、△:明確な収縮有り、×:強い収縮有り。
2−4.ポリウレタンフォームから生じるアミン臭気の評価項目:
・アミン臭気:5人のモニタ−に発泡中のポリウレタンフォームから生じる臭いを嗅いでもらい、臭いの強さを以下のとおり判定した
◎:臭気無し、○:微かに臭気有り、△:明確な臭気有り、×:強い臭気有り。
・ポリウレタンフォームの初期反応性について.
実施例1〜12から明らかなとおり、本発明の触媒組成物では、水とイソシアネートの反応を促進する効果が高いため、クリ−ムタイムが10秒未満であり、初期反応性に優れている。特に、実施例2及び4は、クリ−ムタイムが6秒であり、初期反応性に特に優れている。これに対し、本発明の触媒組成物を逸脱し、メチル化ポリエチレンポリアミン組成物(A)を含有しない比較例2及び比較例4では、クリ−ムタイムが10秒を超えて遅かった。
・ポリウレタンフォームの物性、難燃性及びアミン臭気について.
コア密度:実施例1〜7から明らかなとおり、本発明の触媒組成物では、コア密度が30.0kg/m以下であり、フォームの低密度化に有効であることを示している。これに対し、アミン化合物(B)を含まない比較例1及び比較例5では、コア密度が31.0kg/mを超えて高かった。
接着強度:実施例8、9及び12から明らかなとおり、アミン化合物(C)を併用した本発明の触媒組成物では、何れも接着強度が1.3kgf/m以上であり、表面の硬化性が高いことを示している。特にアミン化合物(C)を20重量%併用した本発明の触媒組成物では、実施例8及び実施例9から明らかなとおり、接着強度が1.5kgf/m以上であり、表面の硬化性が極めて高かった。
これに対し、アミン化合物(B)のみを用いた比較例2では、接着強度が0.6kg/mと低かった。また、アミン化合物(B)と1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミンとを併用した比較例3では、接着強度が0.8kg/mと低かった。さらに、アミン化合物(A)と3−(ジメチルアミノ)プロピルアミンとを併用した比較例5は、接着強度が0.5kg/mと極めて低かった。
難燃性:実施例1〜12から明らかなとおり、本発明の触媒組成物では、何れも酸素指数が21.0%以上であり、フォームの難燃性が高いことを示している。特に、アミン化合物(D)を併用した実施例10及び実施例11は、酸素指数が22.2%以上であり、フォームの難燃性に特に優れていた。これに対し、アミン化合物(B)を全く含まない比較例1は、酸素指数が19.0%と低かった。
フォーム寸法安定性:実施例1〜12から明らかなとおり、本発明の触媒組成物では、発泡1日後のフォーム収縮が無い又は極めて小さいものであった。特に、アミン化合物(B)を触媒組成物中に90重量%含有する実施例7は、発泡1日後のフォーム収縮が全く無かった。これに対し、アミン化合物(A)のみを触媒として用いた比較例1では、発泡1日後のフォーム収縮が極めて大きくなった。また、アミン化合物(A)と、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミンとを併用した比較例5は、発泡1日後のフォーム収縮が極めて大きくなった。
フォーム臭気:実施例1〜12から明らかなとおり、本発明の触媒組成物では、揮発性のアミン触媒が少ないため、発泡中のフォームから生じるアミン臭気が無い又は僅かであった。特に、実施例1〜実施例5及び実施例7は、発泡中のフォームから生じるアミン臭気が全く無かった。これに対し、アミン化合物(B)と1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミン又はジメチルシクロヘキシルアミンとを併用した比較例3及び比較例4では、発泡中のフォームから生じるアミン臭気が強かった。また、アミン化合物(B)を含有しない比較例1では、発泡中のフォームから明確なアミン臭気が認められた。
以上のとおり、本発明の触媒組成物を用いた実施例1〜12は、初期反応性、コア密度、接着性、難燃性、寸法安定性、アミン臭気の全ての項目で、優れた値を得られる。一方、本発明の触媒組成物を逸脱した比較例1〜5では、初期反応性、コア密度、接着性、難燃性、寸法安定性、アミン臭気の何れかの項目で実施例に劣るものであった。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0006303682
    [式中、R〜Rはメチル基を表し、R、Rは各々独立してメチル基又はN,N−ジメチルアミノエチル基を表す。m+nは、R、Rがともにメチル基又はN,N−ジメチルアミノエチル基の場合、2〜4の整数を表し、それ以外の場合は1〜3の整数を表す。R〜Rが任意に結合しピペラジン環からなる複素環構造を形成しても良い。]
    で示されるメチル化ポリエチレンポリアミン(A)と、2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール、2−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]エタノール及び2−[[2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エチル]メチルアミノ]エタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種の第3級アミン化合物(B)とを含むポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
  2. 上記一般式(1)で示されるメチル化ポリエチレンポリアミン(A)が、トリエチレンテトラミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、テトラエチレンペンタミン、及びペンタエチレンヘキサミンのメチル化体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の触媒組成物。
  3. 上記一般式(1)で示されるメチル化ポリエチレンポリアミン(A)と、2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール、2−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]エタノール及び2−[[2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エチル]メチルアミノ]エタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種の第3級アミン化合物(B)との混合比率が90〜10/10〜90(重量比)の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の触媒組成物。
  4. さらに、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチル−1H−イミダゾール、ジメチルオクチルアミン、ジメチルドデシルアミン及びジメチルヘキサデシルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミン化合物(C)を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の触媒組成物。
  5. さらに、1,3,5−トリス[3−(ジメチルアミノ)プロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムギ酸塩、及び2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミン化合物(D)を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の触媒組成物。
  6. ポリオールとポリイソシアネートを、触媒及び発泡剤の存在下に反応させてポリウレタンフォームを製造する方法において、触媒として、請求項1乃至請求項のいずれかに記載の触媒組成物を使用することを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。
  7. 発泡剤として、水のみを使用することを特徴とする請求項に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
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