JP5076419B2 - ポリウレタン樹脂製造用のアミン触媒組成物及びそれを用いたポリウレタン樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリウレタン樹脂製造用のアミン触媒組成物及びそれを用いたポリウレタン樹脂の製造方法 Download PDF

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本発明は、軟質、硬質、半硬質、エラストマー等のポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物及びその触媒組成物を用いたポリウレタン樹脂の製造方法に関する。更に詳しくは、揮発性のアミン系触媒をほとんど排出しないポリウレタン樹脂を製造するための触媒組成物及びそのポリウレタン樹脂の製造方法に関するものである。
ポリウレタン樹脂はポリオールと有機ポリイソシアネートとを触媒及び必要に応じて発泡剤、界面活性剤、架橋剤等の存在下に反応させて製造される。従来このポリウレタン樹脂の製造に数多くの金属系化合物や第3級アミン化合物を触媒として用いることが知られている。これら触媒は単独若しくは併用することにより工業的にも多用されている。
とりわけ第3級アミン化合物は生産性、成形性に優れることよりポリウレタン樹脂製造用の第3級アミン触媒として広く用いられている。例えば、従来公知のトリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N,N−ジメチルエタノールアミン等の化合物である。
金属系触媒は生産性、成形性が悪化することより、ほとんどの場合第3級アミン触媒と併用されることが多く単独での使用は少ない。
しかしながら、前記した第3級アミン触媒等はポリウレタン樹脂製品中にフリーの形で残留し、揮発性のアミンとして徐々に排出するため種々の問題を引き起こす。例えば、(1)自動車内におけるポリウレタンフォーム製品から排出される揮発性アミンの臭気問題、(2)ポリウレタンフォーム中の揮発性分が自動車の窓ガラスに被着し窓ガラスを曇らせ商品価値を落とす原因となっている、いわゆるフォギングと呼ばれる問題、(3)ポリウレタン製品から排出される揮発性アミンによる他の材料への汚染問題等である。これらの問題を解決するため、上記した第3級アミン触媒に対し、分子内にポリイソシアネートと反応しうる1級及び2級のアミノ基又はヒドロキシアルキル基を有するアミン触媒を使用する方法が提案されている(特許文献1〜特許文献3等参照)。これら反応基を有するアミン触媒は、ポリイソシアネートと反応した形でポリウレタン樹脂骨格中に固定化されるため上記問題を回避できるとしている。しかしながら、これら反応性基を有するアミン触媒の大半は、反応が不完全でポリウレタン樹脂製品中に少量残留する。また、一旦ポリイソシアネートと反応しポリウレタン樹脂骨格中に固定化されるものの、高い温度になると結合の分解が起きフリーのアミンが少量排出されるものもある。さらに1級及び2級のアミノ基を有するアミン触媒では、ポリウレタン樹脂の硬化が不十分となる結果、生産性の低下を招き、生産されたポリウレタン製品の成形性、物性が不十分である。
また、ポリアミン型のヒドロキシアルキル基含有アミン触媒を使用する方法が提案され(特許文献4、特許文献5参照)、ポリウレタン製品の臭気問題や塩ビ材質の変質問題が解決できるとしている。しかしながら、これらポリアミン型のアミン触媒ではポリウレタン製品の成形性、特にポリウレタンフォーム製品の成型不良が起き、商品価値のない製品となるという問題がある。
さらに、これらポリアミン型のアミン触媒を他の触媒と組合せた触媒組成物が提案され(特許文献6、特許文献7参照)、ポリウレタン製品の成形性、特にポリウレタンフォーム製品の成型不良を改善できるとしている。
しかしながら、特許文献6に記載されたような、分子内に1級アミノ基及び第3級アミン基をそれぞれ1個以上含むアミン化合物と分子内にヒドロキシアルキル基を2個以上有する第3級アミン化合物からなる触媒組成物では、成形時の硬化がまだ充分ではない。
また、特許文献7に記載されたような、ヒドロキシアルキル基含有イミダゾール触媒と下記一般式で示される化合物からなる触媒組成物では成形時の独泡性の改善が不十分であり、触媒組成物の価格も高いという問題もある。
Figure 0005076419
[上記式中、Xは窒素原子又は酸素原子を表し、R、Rは各々独立してメチル基又は下記式(A)
Figure 0005076419
(上記式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、pは1〜3の整数を表す。)
で表される官能基を表し、m、nは1〜2の整数を表す。但し、Xが窒素原子の場合、RとRが同時にメチル基になることはない。また、Xが酸素原子の場合、Rは上記式(A)で表される官能基を表す。]
一方、アミン系以外の金属系触媒、例えば有機錫化合物は前記問題を起こさないが単独の使用では生産性、物性及び成形性が悪化し、更に製品中に残留した金属による環境問題も取り沙汰されて来ている。
特開昭46−4846号公報 特公昭61−31727号公報 特公昭57−14762号公報 特開昭53−126099号公報 特開平4−85317号公報 特開2001−181363号公報 特開2003−105052号公報
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製品中から排出されるアミンがほとんどないポリウレタン樹脂を生産性、成形性良く得る製造方法とそれに使用される触媒組成物を提供することである。
本発明者らは上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、ポリウレタン樹脂製造の際に特定のアミン触媒を併用すると、揮発性アミンをほとんど排出しないポリウレタン樹脂を成形性、生産性良く得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下に示すとおりの、ポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物及び触媒組成物としてそれを用いたポリウレタン樹脂の製造方法である。
[1]下記一般式(1)で示されるアミン化合物と、下記一般式(2)及び/又は下記一般式(3)で示されるアミン化合物からなるポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物。
Figure 0005076419
[上記式(1)中、R及びRは各々独立して炭素原子数1〜4のアルキル基、ジメチルアミノプロピル基又はジエチルアミノプロピル基を表す。但し、RとRが直接又は窒素原子若しくは酸素原子を介在して結合した環状構造を表してもよい。Rは炭素数2〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。R及びRは各々独立して炭素数2〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。mは0〜2の整数を表す。]
Figure 0005076419
[上記式(2)中、R及びRは各々独立してメチル基又は下記一般式(4)で示される置換基を表す。n、pは1〜2の整数を表す。但し、R及びRが同時にメチル基になることはない。]
Figure 0005076419
[上記式(3)中、Rは下記一般式(4)で示される置換基を表す。n、pは1〜2の整数を表す。]
Figure 0005076419
[上記式(4)中、Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。qは1〜3の整数を表す。]
[2]一般式(1)で示されるアミン化合物が、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)ネオペンタンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)ヘキサンジアミン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノエチル)ピペリジン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)ネオペンタンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)ヘキサンジアミン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノエチル)ピペリジン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、及びN,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする上記[1]に記載のポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物。
[3]一般式(2)又は一般式(3)で示されるアミン化合物が、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N’−(2−ヒドロキシエチル)−N,N,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N’−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N’−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N’−トリメチルービス(2−アミノエチル)エーテル、及びN’−(2−ヒドロキシエチル)−N,N,N’−トリメチルービス(2−アミノエチル)エーテルからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物。
[4]一般式(1)で示されるアミン化合物と、一般式(2)及び/又は一般式(3)で示されるアミン化合物との混合比率が、[一般式(1)で示されるアミン化合物]/[一般式(2)及び/又は一般式(3)で示されるアミン化合物]=20/95〜80/5(重量比)であることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載のポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物。
[5]ポリオールとポリイソシアネートとを、上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の触媒組成物の存在下で反応させることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
[6]ポリオールとポリイソシアネートとを、上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の触媒組成物の存在下、水、液化炭酸ガス及び低沸点有機化合物ならなる群より選ばれる発泡剤を用いて反応させることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。
本発明の触媒組成物は、ポリウレタン樹脂原料であるポリイソシアネートと反応し、ポリウレタン樹脂骨格中に固定化される。更に固定化された本発明の触媒は高温下に曝されても分解することがない。このため本発明の触媒組成物はポリウレタン樹脂中にフリーのアミンは極少量しか存在せず揮発性アミンがほとんど出てこない。即ち、本発明の触媒組成物を用いたポリウレタン樹脂製品では前述した種々の問題、例えば揮発性アミンによる臭気、フォギング等を防止することが可能となる。
また、本発明の触媒組成物をポリウレタン樹脂の製造に用いると、成形時の硬化及び独泡製の改善が見られ、ポリウレタンフォーム製品等ではフォーム表面部のセル荒れ改良等の優れた成形性を示し、また樹脂の硬化も早くなり生産性も向上する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物は、上記一般式(1)で示されるアミン化合物と、上記一般式(2)又は下記一般式(3)で示されるアミン化合物からなるポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物である。
上記一般式(1)で示されるアミン化合物は、ヒドロキシアルキル基を2以上有する第3級アミン化合物であり、アミン化合物の1級アミノ基にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを2〜6モル付加反応させて得られる。エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加モル数は触媒活性の点からは2モルが特に好ましく、それらのアミン化合物として、例えば、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)ネオペンタンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)ヘキサンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)ヘキサデシルジアミン、N,N−ジエチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジエチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1−ジエチルアミノペンタン、N,N−ジエチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)ヘキサンジアミン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノエチル)ピペリジン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノエチル)−N’−メチルピペラジン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノプロピル)ピペリジン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノプロピル)−N’−メチルピペラジン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N,N−ビス(ジエチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)ネオペンタンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)ヘキサンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)ヘキサデシルジアミン、N,N−ジエチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N−ジエチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)プロパンジアミン、4−ビス(ヒドロキシプロピル)アミノ−1−ジエチルアミノペンタン、N,N−ジエチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)ヘキサンジアミン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシプロピル)アミノエチル)ピペリジン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシプロピル)アミノエチル)−N’−メチルピペラジン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシプロピル)アミノプロピル)ピペリジン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシプロピル)アミノプロピル)−N’−メチルピペラジン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)プロパンジアミン、N,N−ビス(ジエチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)プロパンジアミン等が挙げられる。これらのうち、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)ネオペンタンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)ヘキサンジアミン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノエチル)ピペリジン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)ネオペンタンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)ヘキサンジアミン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノエチル)ピペリジン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミンが、触媒活性が高いため、より好ましい。
本発明の上記一般式(2)又は一般式(3)で示されるアミン化合物は、反応性基をもつ第3級アミン触媒であり、上記一般式(2)で示されるアミン化合物としては、例えば、N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N’−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N’−(2−ヒドロキシエチル)−N,N,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N−(2−ヒドロキシブチル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N’−(2−ヒドロキシブチル)−N,N,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N−(2−ヒドロキシペンチル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N’−(2−ヒドロキシペンチル)−N,N,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N−(2−ヒドロキシヘキシル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N’−(2−ヒドロキシヘキシル)−N,N,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン等が挙げられ、上記一般式(3)で示されるアミン化合物としては、例えば、N’−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N’−トリメチルービス(2−アミノエチル)エーテル、N’−(2−ヒドロキシエチル)−N,N,N’−トリメチルービス(2−アミノエチル)エーテル、N’−(2−エトキシエタノール)−N,N,N’−トリメチルービス(2−アミノエチル)エーテル等が挙げられる。これらのうち、触媒活性の高さの点から、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N’−(2−ヒドロキシエチル)−N,N,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N’−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N’−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N’−トリメチルービス(2−アミノエチル)エーテル、N’−(2−ヒドロキシエチル)−N,N,N’−トリメチルービス(2−アミノエチル)エーテルがより好ましい。
本発明の触媒組成物の必須成分である上記一般式(1)で示されるアミン化合物は文献既知の方法にて容易に製造できる。例えば、N,N−ジメチルプロパンジアミン、N,N−ジエチルプロパンジアミン等は、ジメチルアミン、ジエチルアミン等とアクリロニトリルの反応から得られるジアルキルアミノプロピオニトリルの水添反応から得られる。また、ビス(ジメチルアミノプロピル)プロパンジアミンは、上記ジアルキルアミノプロピオニトリルの水添反応時の副生物であるビス(ジメチルアミノプロピル)アミンとアクリロニトリルとの反応生成物を水添反応すると得られる。そして、これらの方法で得られたアミン化合物にエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加反応させれば、上記一般式(1)で示されるアミン化合物を得ることができる。
また、本発明の触媒組成物の必須成分である上記一般式(2)又は一般式(3)で示されるアミン化合物はそれぞれ文献既知の方法にて容易に製造できる。例えば、ジエチレントリアミン又はビス(アミノエチル)エーテルと酸化プロピレン又は酸化エチレンとを反応させ、次に還元メチル化反応を行うこと等により得られる。
本発明の触媒組成物における上記一般式(1)で示されるアミン化合物と、上記一般式(2)又は一般式(3)で示されるアミン化合物の混合比率は、[一般式(1)で示されるアミン化合物]/[一般式(2)又は一般式(3)で示されるアミン化合物]として、通常20〜95/80〜5(重量比)の範囲であり、好ましくは40〜90/60〜10(重量比)の範囲である。混合比率がこの範囲外の場合、例えば、上記一般式(1)で示されるアミン化合物が95重量%以上では触媒活性が低くなり触媒使用量が多く必要となる。また、軟質フォーム製品ではフォームセルの独泡性が強くなり脱型後に収縮、変形を起こす等成形性も悪化する。一方、上記一般式(2)又は一般式(3)で示されるアミン化合物が80重量%以上ではポリウレタン樹脂の生産性が極端に悪化しフォームが成形できなくなる場合がある。すなわち、上記一般式(1)で示されるアミン化合物と、上記一般式(2)又は一般式(3)で示されるアミン化合物を単独でポリウレタン樹脂の製造に用いても、生産性、成形性が問題となり本発明は達成されず、2種類のアミン化合物の併用による相乗作用でのみ本発明は達成される。
本発明の触媒組成物は、ポリオールと有機ポリイソシアネートとを、触媒及び必要に応じて発泡剤、界面活性剤、架橋剤等の存在下で反応させるポリウレタン樹脂の製造方法において、触媒として使用される。以下、本発明のポリウレタン樹脂の製造方法について説明する。
本発明のポリウレタン樹脂の製造方法に使用されるポリオールとしては、従来公知のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、さらには含リンポリオールやハロゲン含有ポリオール等の難燃ポリオール等が使用できる。これらのポリオールは単独で使用することもできるし、適宜混合して併用することもできる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、少なくとも2個以上の活性水素基を有する化合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、エチレンジアミン等のアミン類、エタノールアミン及びジエタノールアミン等のアルカノールアミン類等)を出発原料として、これにエチレンオキシドやプロピレンオキシドに代表されるアルキレンオキサイドを付加させることにより得られるものが挙げられる(例えば、Polyurethane Handbook(Gunter Oertel著 1985年版)第42〜53頁に記載の方法を参考のこと)。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸とグリコールの反応から得られるもの、更には、ナイロン製造時の廃物、TMP、ペンタエリストールの廃物、フタル酸系ポリエステルの廃物、廃品を処理し誘導したポリエステルポリオール等が挙げられる(例えば、ポリウレタン樹脂ハンドブック(岩田敬治著1987年 初版)117頁を参照のこと)。
ポリマーポリオールとしては、例えば、前記ポリエーテルポリオールとエチレン性不飽和単量体(例えば、ブタジエン、アクリロニトリル、スチレン等)をラジカル重合触媒の存在下に反応させた重合体ポリオールが挙げられる。
難燃ポリオールとしては、例えば、リン酸化合物にアルキレンオキシドを付加して得られる含リンポリオール、エピクロルヒドリンやトリクロロブチレンオキシドを開環重合して得られる含ハロゲンポリオール、フェノールポリオール等が挙げられる。
本発明の製造方法において、ポリオールとしては、分子量が62〜15000のものが通常使用される。軟質ポリウレタンフォームを製造する場合には、分子量1000〜15000のポリオールが通常使用されるが、好ましくは分子量3000〜15000のポリエーテルポリオール及びポリマーポリオールであり、ポリエーテルポリオールとポリマーポリオールを併用することがさらに好ましい。
本発明に使用される有機ポリイソシアネートは、公知のものであればよく、特に限定するものではないが、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフチレンジイシシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート及びこれらの混合体が挙げられる。
TDIとその誘導体としては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物又はTDIの末端イソシアネートプレポリマー誘導体が挙げられる。MDIとその誘導体としては、例えば、MDIとその重合体のポリフェニル−ポリメチレンジイソシアネートの混合体、及び/又は末端イソシアネート基をもつジフェニルメタンジイソシアネート誘導体を挙げることができる。これら有機ポリイソシアネートのうち、TDIとMDIが好ましく使用される。軟質ポリウレタンフォームにはTDIとMDI及びその併用系が使用される。
これら有機ポリイソシアネートとポリオールの使用比率としては、特に限定するものではないが、イソシアネートインデックス(イソシアネート基/イソシアネート基と反応しうる活性水素基)で表すと、軟質フォームや半硬質フォームを製造する場合には通常60〜130の範囲であり、硬質フォーム及びウレタンエラストマーの製造においては通常60〜400の範囲である。
本発明の触媒組成物をポリウレタン樹脂の製造に用いる際の使用量は、使用されるポリオ−ルを100重量部としたとき、通常0.01〜10重量部であるが好ましくは0.05〜5重量部である。触媒使用量を多く用いるとポリウレタン樹脂の生産性は向上するが揮発性アミンの量も多くなり好ましくない。
本発明のポリウレタンの製造方法に使用される触媒は、上記した本発明の触媒組成物であるが、それ以外にも本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の触媒を併用して用いることができる。他の触媒としては、例えば、従来公知の有機金属触媒、第3級アミン類や第4級アンモニウム塩類等を挙げることができる。
有機金属触媒としては、例えばスタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。
第3級アミン類としては、従来公知のものであればよく、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール等の第3級アミン化合物類が挙げられる。
また、上記一般式(1)〜一般式(3)で示されるアミン化合物以外の反応性基を持つ第3級アミン化合物も使用でき、例えば、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルヘキサノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N−ジメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)イソプロパノールアミン、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、1−(2−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、3−キヌクリジノール等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩類としては従来公知の、テトラメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物、水酸化テトラメチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム水酸化物、テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムギ酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等のテトラアルキルアンモニウム有機酸塩類が挙げられる。
これら他の触媒のうち、少量の使用で反応性を高めることができるトリエチレンジアミンが特に好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂の製造方法において、必要に応じて、発泡剤を使用することができる。発泡剤としては、水や低沸点有機化合物が通常使用される。低沸点有機化合物としては、例えば、炭化水素やハロゲン化炭化水素等が通常使用される。炭化水素としては、従来公知のメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等を使用することができる。ハロゲン化炭化水素としては、従来公知のハロゲン化メタン、ハロゲン化エタン、フッ素化炭化水素、具体的には、塩化メチレン、HCFC−141b、HFC−245fa、HFC−356mfc等を使用することができる。これら発泡剤の使用においては、水と低沸点有機化合物をそれぞれ単独使用してもよいし、併用してもよい。本発明の製造方法において、特に好ましい発泡剤は水である。その使用量は目的とする製品の密度により変わり得るが、通常ポリオール100重量部に対して0.1重量部以上であり、好ましくは0.5〜10重量部である。
本発明の製造方法において、必要であれば、界面活性剤を用いることができる。本発明において使用される界面活性剤としては、従来公知の有機シリコーン系界面活性剤であり、その使用量は、ポリオール100重量部に対して0.1〜10重量部である。
本発明において、必要であれば架橋剤又は鎖延長剤を使用することができる。架橋剤又は鎖延長剤としては、低分子量の多価アルコール(例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等)、低分子量のアミンポリオール(例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)又はポリアミン(例えば、エチレンジアミン、キシリレンジアミン、メチレンビスオルソクロルアニリン等)を挙げることができる。これらのうち、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
本発明の製造方法において、必要に応じて、着色剤、難燃剤、老化防止剤その他公知の添加剤等も使用できる。これらの添加剤の種類、添加量は公知の形式と手順を逸脱しないならば通常使用される範囲で十分使用することができる。
本発明の製造方法により製造されたポリウレタン樹脂は、揮発性のアミン触媒がポリウレタン樹脂1g当り200ppm以下である。なお、本発明において、揮発性のアミン触媒量とは、ポリウレタン樹脂を90℃で30分加熱し、更に120℃で60分加熱したときにポリウレタン樹脂からガス状で発生する(ポリウレタン樹脂1g当りの)アミン触媒の総量を示す。
本発明のポリウレタン樹脂の製造方法にて製造される製品は種々の用途に使用できる。ポリウレタン樹脂製品としては、発泡剤を用いて製造される軟質ポリウレタンフォーム、半硬質ポリウレタンフォーム及び硬質ポリウレタンフォーム、更に発泡剤を用いないエラストマー製品等が挙げられる。本発明の製造方法は、これらのうち、発泡剤を用いて製造される軟質ポリウレタンフォーム、半硬質ポリウレタンフォーム及び硬質ポリウレタンフォームの製造に際し、好ましく適用される。更に好ましくは、揮発性のアミン触媒が排出されやすい軟質ポリウレタンフォームである。
軟質ポリウレタンフォーム製品としては、例えば、クッションとしてのベッド、カーシート、マットレス等が挙げられる。半硬質ポリウレタンフォーム製品としては、例えば、自動車関連のインスツルメントパネル、ヘッドレスト、ハンドル等が挙げられる。硬質ポリウレタンフォーム製品としては、例えば、冷凍庫、冷蔵庫、断熱建材等が挙げられる。エラストマー製品としては、例えば、接着剤、床材、防水材等が挙げられる。
以下、本発明を実施例、比較例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1〜6及び比較例1〜9
本発明の触媒組成物及び比較例の触媒を用い、軟質高弾性ポリウレタンフォームを製造した例を以下に示す。
N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミン(DMAPA2EO)及びN,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキプロピル)プロパンジアミン(DMAPA2PO)とN−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミンとN’−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミンの混合物(DETAPO)及びN’−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N’−トリメチルービス(2−アミノエチル)エーテル(DMAEO)を表1に示した調合比にて混合し、本発明の触媒組成物C−1〜C−6を調合した。
Figure 0005076419
ポリオール、水、架橋剤、整泡剤を表2に示した原料配合比にてプレミックスAを調合した。
Figure 0005076419
プレミックスA 86.2gを300mlポリエチレンカップに取り、更に本発明の触媒組成物C−1〜C−6及び比較例の触媒を各々反応性が下記のゲルタイムで60±1秒となる量を添加し20℃に温度調整した。別容器で20℃に温度調整したポリイソシアネート液(TM80)をイソシアネートインデックス{イソシアネート基/OH基(モル比)×100)}が105となる量だけプレミックスAのカップの中に入れ、素早く攪拌機にて6000rpmで5秒間攪拌した。混合攪拌した混合液を60℃に温度調節した2Lポリエチレンカップに移し発泡中の反応性を測定した。
次に原料スケールをアップさせ、同様な操作にて60℃に温度調節したモールド(内寸法、35×35×10cmのアルミ製)内にフォーム全密度が52Kg/mとなるように混合液を入れ蓋をして発泡成形を行った。混合液を入れた時点から5分後にフォームを脱型した。成型フォームからフォームの独泡性、フォームの脱型時硬度、フォームの成形性、フォームの全密度、コア密度、アミン触媒揮発量及びフォームの臭気を測定し比較した。結果を表3、表4に示す。なお、各測定項目の測定方法は以下のとおりである。
・反応性の測定項目
クリームタイム:発泡開始時間、フォームが上昇開始する時間を目視にて測定、
ゲルタイム :反応が進行し液状物質より、樹脂状物質に変わる時間を測定、
ライズタイム :フォームの上昇が停止する時間を赤外線センサーにて測定。
・フォームの独泡性:混合液を入れた時点から5分後にフォームを脱型し、フォームを直ちに手で押して次のように評価した。独泡性が強いとフォームに弾力性がなく手に受ける抵抗が大きい。
◎:弾力性が大、
○:弾力性が中、
△:弾力性が小、
×:弾力性ナシ。
・フォームの脱型時硬度:フォームの独泡性評価後直ちにテンシロンにて直径20cmの円盤を用いてフォームの65%圧縮圧力を10回測定した。その10回目の圧力を脱型時硬度とした。脱型時硬度が高いと早く脱型できフォーム生産性に寄与する。
・フォームの成形性:モールド成形フォームの表面部セル荒れを目視にて観察し成形性として次のように評価した。
◎:セル荒れが全くなし、
○:セル荒れが一部にある、
△:セル荒れが表面部の約半分程度ある、
×:セル荒れが表面部の全面にある。
・フォームコア密度:モールド成型フォームの中心部を21×21×6cmの寸法にカットし、寸法、重量を正確に測定してコア密度を算出した。
・アミン触媒揮発量:フォーム中から揮発するアミン触媒量を凝縮させるVDA−278の方法に準じて定量した。即ち、スキン層を含むようにフォームを15mg切り出し、ガラス管に入れた。始めに、アミン触媒揮発量(VOC)測定では、90℃×30分加熱し、発生ガスを−150℃でトラップ採取した。引き続き、アミン触媒揮発量(Fogging)測定では、120℃×60分加熱し、上記と同様の条件で発生ガスをトラップ採取した。採取した2点のサンプルを300℃に再加熱しガスクロマトグラフィにて定量した。定量値はフォーム1g当りのアミン触媒(ppm)で表した。なお、VDAとは、ドイツ自動車工業規格(Verband der Automobilindustrie)の略である。
・フォームの臭気:反応性を測定したフリー発泡のフォーム上部から5×5×3cm寸法のフォームをカットし900mlマヨネーズ瓶の中に入れ蓋をした。この瓶を80℃で1時間加熱後室温に戻し、10人のモニターにそのフォームの臭いを嗅いで貰い、臭いの強さを測定した。
◎:ほとんど臭い無し、
○:微かに臭気あり、
△:臭気有り、
×:強い臭気有り。
Figure 0005076419
Figure 0005076419
実施例1〜6から明らかなように、本発明の触媒組成物を用いたポリウレタンフォームは揮発性のアミン触媒が200ppm以下でアミン触媒の排出量が少ないためフォームに臭気がほとんどない。また、フォームの成形性が良く、フォームの独泡性も良好で、更にはフォームの脱型時硬度が高く短時間に金型からフォーム製品を取り出すことができ、フォームの生産性に寄与する。
これに対し、比較例1、2、7では揮発性のアミン触媒がフォーム中から多く排出されるため、フォームに強い臭気がする。比較例1は分子内に反応性基を持たない3級アミン触媒の例であるが、揮発性のアミン触媒がフォーム中から多く排出されている。また、比較例2は分子内にヒドロキシエチル基を持つアミン触媒の例であるが、揮発性のアミン触媒がフォーム中から多く排出されている。さらに、比較例7は分子内に2級アミノ基を持つアミン触媒の例であるが、揮発性のアミン触媒がフォーム中から多く排出されている。
比較例3〜6は、本発明の触媒組成物に用いられるアミン化合物の単独使用の例である。比較例3、4から明らかなとおり、分子内にヒドロキシアルキル基を持つアミン触媒の単独使用ではフォームが形成できない。また、比較例5、6から明らかなとおり、分子内にヒドロキシアルキル基を2つ持つアミン触媒の単独使用では触媒活性が低く、また、フォームの独泡性が強い。さらに、比較例8では、フォーム脱型時硬度・成形性が十分ではなく、比較例9では、フォームの独泡性が十分ではない。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示されるアミン化合物と、下記一般式(2)又は下記一般式(3)で示されるアミン化合物とのみからなるポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物。
    Figure 0005076419
    [上記式(1)中、R及びRは各々独立して炭素原子数1〜4のアルキル基、ジメチルアミノプロピル基又はジエチルアミノプロピル基を表す。但し、RとRが直接又は窒素原子若しくは酸素原子を介在して結合した環状構造を表してもよい。Rは炭素数2〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。R及びRは各々独立して炭素数2〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。mは0〜2の整数を表す。]
    Figure 0005076419
    [上記式(2)中、R及びRは各々独立してメチル基又は下記一般式(4)で示される置換基を表す。n、pは1〜2の整数を表す。但し、R及びRが同時にメチル基になることはない。]
    Figure 0005076419
    [上記式(3)中、Rは下記一般式(4)で示される置換基を表す。n、pは1〜2の整数を表す。]
    Figure 0005076419
    [上記式(4)中、Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。qは1〜3の整数を表す。]
  2. 一般式(1)で示されるアミン化合物が、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)ネオペンタンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)ヘキサンジアミン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノエチル)ピペリジン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)ネオペンタンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシプロピル)ヘキサンジアミン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノエチル)ピペリジン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、及びN,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物。
  3. 一般式(2)又は一般式(3)で示されるアミン化合物が、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N’−(2−ヒドロキシエチル)−N,N,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N’−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N’−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N’−トリメチルービス(2−アミノエチル)エーテル、及びN’−(2−ヒドロキシエチル)−N,N,N’−トリメチルービス(2−アミノエチル)エーテルからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物。
  4. 一般式(1)で示されるアミン化合物と、一般式(2)又は一般式(3)で示されるアミン化合物との混合比率が、[一般式(1)で示されるアミン化合物]/[一般式(2)又は一般式(3)で示されるアミン化合物]=20/95〜80/5(重量比)であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物。
  5. ポリオールとポリイソシアネートとを、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の触媒組成物の存在下で反応させることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
  6. ポリオールとポリイソシアネートとを、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の触媒組成物の存在下、水、液化炭酸ガス及び低沸点有機化合物ならなる群より選ばれる発泡剤を用いて反応させることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。
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