JP6300784B2 - 塩の代替物 - Google Patents

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Description

本発明は、一般的に、塩の味を忠実に残すことができるNaClのない組成物を有する塩の代替物に関するものである。
本発明は、特に食品産業、または消費者が通常の塩の代替物として直接使用できる塩の代替物に関するものである。
多数の科学的研究が、塩(NaCl)の過剰消費と、今日、公衆衛生の真の問題である心臓血管疾患との相関を示した。
この塩の過剰消費は、主に、ファーストフードの頻繁化、調理済み食品の消費等のように、より迅速およびより産業化された料理のために伝統料理離れなどの食習慣の変化によるものである。
塩の過剰消費に関連するリスクを低減させるために、とりわけ塩の代替組成物を使用して、塩の一日の摂取を減少させることが提案された。これらの組成物としては、塩化ナトリウムに乏しく、カリウム塩およびマグネシウム塩をかなりの量含む代用塩が特に発見されている。
そのために、従来技術では、
a)英国特許第2237720号明細書に記載された、最終組成物の重量で、46.6%のNaCl、6.5%のMgCl2、2.8%のMgSO4、2.2%のCaSO4、41.5%のKCl、0.10%のMgBr2および0.2%のCaCO3を含む代用塩、または
b)33.3%のNaCl+66.6%のKClを含む市販の組成物
が提案された。
しかしながら、代用塩の探求は実施が困難である。それは、塩の技術的機能を維持しながら、塩化ナトリウムの割合が少ないことによって引き起こされる味の不足を最大限に補う化合物を発見することを必要とする。
先行技術の塩の代替組成物は限られた味覚品質を呈し、本物の塩の加塩味力に等しくなるようには到達していないことが観察される。典型的には、これらの組成物は、塩の味を変質させる、苦みのような「偽の味」を呈する。
このことから、微量の塩化ナトリウムを含み、味覚品質および通常の塩に等しい加塩味力を呈する通常の塩の代用塩の探求には、今も大きな興味が抱かれている。
実際、食卓塩の形態で、または、食品マトリックスにおける補足物として、塩の感覚認知に最も近く、塩味、味覚増進剤の役割、偽の味の不在、そして好ましくは塩と同じ技術的機能を持つ組成物を含む塩の代替物を得ることが望まれている。
そのために、本発明は、添加物を除いた塩の代替物の総重量の25〜96%の塩化ナトリウム、塩の代替物の総重量の0〜4%の添加物、および残りの組成物を含み、この残りの組成物は、この残りの組成物の総重量で、
‐塩化カリウム72%〜87%、
‐硫酸マグネシウム10%〜20%、および
‐硫酸カルシウム3%〜8%、好ましくは3%〜7.5%
を含む、塩の代替物を目的とする。
この残りの組成物は、有利には、塩化カリウム、硫酸マグネシウムおよび硫酸カルシウムから構成される。以下の説明では、パーセンテージは、異なる記載がなければ、塩の代替物全体に関する、または、特記したときには塩を除いた組成物に関する、重量パーセントで表示される。
どのような化合物が塩化ナトリウムの減少によって生じる感覚損失を補うための最も優れた候補であるかを評価するために研究が行われた。研究の範囲は海水に多量に存在するミネラル、すなわち、NaCl、KCl、MgSO4、CaSO4、MgCl2、CaCl2、およびK2SO4に限定された。
ミネラルの味覚に関する先行技術では、ミネラル混合物において、アニオンはそのサイズによって味に影響し、すなわち、アニオンが小さいほど、味の強さが大きくなることが教示されている。塩化物はその分子量が硫酸塩のそれよりかなり小さいので、塩化物が優れた候補と考えられているのは、そのためである。
したがって、本発明以前に、先行技術では、前記の仮説によると、塩化カリウム(KCl)、塩化マグネシウム(MgCl2)および/または塩化カルシウム(CaCl2)のみを含むべきである、もっぱら塩化物で構成される最適な処方が提案された。さらに、そのような処方は、本発明以前に市場に提案されている。たとえば、下記のものを挙げることができる。
‐33.3%のNaCl、66%のKCl、
‐60%のNaCl、21.4%のKCl、15.5%のMgCl2、3.1%のNH4Cl、または
‐NaClおよびCaCl2によってのみ構成された組成物。
しかしながら、感覚分析によって、驚くべきことに、塩の代用品の最良の解決方法は本発明が提案するように塩化物および硫酸塩を同時に含む混合物であることが明らかになった。より詳細には、塩化カリウム、硫酸マグネシウムおよび硫酸カルシウムを特定の割合で含有する処方はもっぱら塩化物で構成される処方より味に優れていることが分かった。
この混合物において、ミネラル塩間の味の相互作用の存在によって偽の味を取り除くことができるように思われるであろう。
そのうえ、この組成物は、NaCl、KCl、MgSO4およびCaSO4などの海水に自然に存在するミネラルを含んでいる。
塩の代替物は、また、採取方法に由来する粘土等のようなかすかな味の、または無味の化合物を少量含むことがある。
本発明の好ましい実施態様によると、塩の代替物はNaClを90%未満、好ましくはNaClを80%未満含む。
典型的には、塩化ナトリウムは、海、岩塩の地下堆積物または天然塩水に由来する。
食品品質の塩についての様々な規格によると、塩化ナトリウム(NaCl)の含有量は添加物を除いて乾燥抽出物の97%未満であってはならない。
しかしながら、グレー海塩については、不純物が実質的に採取方法に由来する粘土、硫酸塩または塩化物の形態のマグネシウム塩、カルシウム塩およびカリウム塩であるので、許容される最低純度が94%であるという例外がある。
ホワイト海塩に関しては、存在する不溶性物質の量がより小さく、NaClの純度は、添加物を除くと、99.8%に近づくことがある。
好ましい組成によると、本発明による塩の代替物は好ましくは塩化ナトリウム50%〜95%を含む。
本発明の任意の特徴によると、残りの組成物は、この残りの組成物の総重量で、
‐塩化カリウム76%〜84%、
‐硫酸マグネシウム12%〜18%、および
‐硫酸カルシウム4%〜6%
を含む。
有利には、残りの組成物は、この残りの組成物の総重量で、
‐塩化カリウム78%〜82%、
‐硫酸マグネシウム13.5%〜16.5%、および
‐硫酸カルシウム4.5%〜5.5%
を含む。
好ましい実施態様によると、残りの組成物は、この残りの組成物の総重量で、
‐塩化カリウム82%〜86%、
‐硫酸マグネシウム10%〜12.5%、および
‐硫酸カルシウム4.5%〜5.5%
を含む。
この組成物が(塩の粒子のような)個別の結晶の形態をとるとき、そのような組成物によって、より優れた流動性を有し、固まる傾向の小さい塩の代替物を得ることができる。
本発明の任意の特徴によると、各添加物はヨウ素化合物、固化防止剤、流動化剤、フッ化カリウムおよび亜硝酸ナトリウムによって構成される群に属し、単独でも混合物でもいい。
「添加物」という語は、テクニカルな添加物および栄養分、典型的にはヨウ素を意味する。
ヨウ素は、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素酸ナトリウムまたはヨウ素酸カリウムの形態で添加される。ヨウ素の量は国によって異なり、最も多くの場合国の規制による(15から100mg/kg超まで)。ヨウ素は塩を介して供給され、それによって、人々におけるヨウ素の欠乏を低減させ、こうして、とりわけ甲状腺の良好な機能に役立つ。
人々におけるフッ素欠乏を低減させるため、フッ化カリウムは塩に混入される。混入される量は、様々な国の規制によって決定され、例えば、フランスでは250mg/kgに決定されている。フッ化物は脱灰から歯を守るのに役立つので、塩はフッ化される。
「固化防止剤」とは、塩の結晶の固化を防止し、こうして、塊になることを防止するために使用される物質を意味する。
固化防止剤は、好ましくは、フェロシアン化ナトリウム(Na4Fe(CN)6)、フェロシアン化カリウム(K4Fe(CN)6)およびフェロシアン化カルシウム(Ca2Fe(CN)6)によって構成される群から選択される。
「流動化剤」とは、塩が塩入れの穴から出ることを容易にするため、または、産業機械でのその使用を容易にするためなどの、塩の流動性を改良することができる薬剤を意味する。
流動化剤は、好ましくは、炭酸カルシウム(CaCO3/Ca(HCO32)、炭酸ナトリウム(Na2CO3/NaHCO3)、炭酸マグネシウム(MgCO3/4MgCO3Mg(OH)2)、酸化マグネシウム(MgO)および二酸化ケイ素(SiO2、nH2O)から構成される群から選択される。炭酸マグネシウムおよび酸化マグネシウムの混合物が好ましく、特に60:40,±5%のそれぞれの重量割合が特に好ましい。個人使用向けの処方(食卓塩)では、この流動化剤が有利には0.8〜1.2重量%の割合で、典型的には約1%添加される。産業利用のための処方では、この割合はより小さくなることがある(例えば、この割合は約0.25〜0.75%で変化することがある)。
当業者は、固化防止剤であれ、流動化剤であれ、塩の組成物中に存在する化合物を、明瞭に決定することができる。
これらの添加物のいくつかはquantam satis(十分且つ必要量)で、他は最大1%の割合で使用されるべきである。
本発明の任意の特徴によると、1つ以上の添加物の総量は、塩の代替物の総重量の3%未満、さらに2%未満、好ましくは1.5%未満である
好ましくは、各添加物は塩の代替物の総重量の0.0005%(微量)〜1%の割合で使用される。
亜硝酸ナトリウムは、豚肉加工品または動物用飼料用の塩に添加される添加物である。それは保存剤という技術的機能を有するが、また、色および風味を発展させることができる。これらの二つの産業的用途の他には、亜硝酸ナトリウムは塩に混入されない。
実際には、亜硝酸ナトリウムの塩における割合は、クライアントの要望や国に応じて0.45〜1.8%で変えることができる。
本発明の別の変形例によると、添加物は、他の化合物を含まないで、上記した特定の化合物によって慣習的に構成される。
これらの添加物はどれも必須ではない。すべて、任意で組成物に添加される。
さらに、これらの添加物の塩の組成物への使用は、味をほとんど変化させない。
本発明の任意の特徴によると、塩の代替物は、実質的に塩の代替物の総重量の少なくとも50%を構成する結晶からなり、直径0.1〜6mmの(ふるい分けで測定された)粒度分布の結晶の形態である。
好ましくは、塩の代替物の総重量の少なくとも50%は、直径0.1〜3mmの粒度分布の結晶の形態である。
好ましくは、塩の代替物の総重量の少なくとも50%は、直径0.1〜2mmの粒度分布の結晶の形態である。
有利には、塩の代替物は、直径0.1〜1mm、好ましくは直径0.2〜0.5mmの粒度分布の結晶の形態で、少なくとも50重量%含む。
本発明の好ましい特定の一側面によると、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウムおよび硫酸カルシウムによって形成される群の構成要素は海起源である。
本発明は、また前記のすべての特徴を含む食卓塩の代替物に関するものである。
本発明による塩の代替物は、また「残りの組成物」として塩化カリウム、硫酸マグネシウムおよび硫酸カルシウムを前記の割合で含む、または、それによって構成される混合物によって構成される。そのような代替物は、食物また食料品の調製のときに添加される塩の一部に置き換えるために使用されることができる。例えば、前記食料品のマトリックスで使用される塩の75重量%まで置き換えることができる。好ましくは、この食物または食料品に存在する塩の50重量%まで、および、特に35重量%まで置き換える。有利には、この食物またはこの食料品に存在する塩の約25重量%を置き換える。
本発明は、また、塩味の製品、特に前記製品への本発明による塩の代替物の付加を含む製品すなわち食料品の製造方法に関するものである。
本発明による塩の代替物は、それが塩化ナトリウム(塩)を含むにせよ含まないにせよ、塩味の食品に含まれるか、混合されることができ、そのような製品自体が本発明の目的である。
本発明は、また、食料品の調製のために塩(NaCl)と組み合わせた塩化カリウム、硫酸マグネシウムおよび硫酸カルシウムの同時の、分離した、または一定期間内に割り振った使用に関するものである。好ましくは、これらの三つの製品の各割合は、前記の「残りの組成物」および/または以下に続く実施例に記載するようなものである。
本発明は、また、ヒトおよび/または動物用の食物の、特に産業的な調製への本発明による塩の代替物の使用に関するものである。したがって、塩と同一の技術的機能、マトリックスによって異なることがある技術的機能(保存、テクスチャ、色等)を保証する。
例として、食物の味を保持するため、主に、調理済み食品、スープ、アペリティフ用ビスケット等の製造のために、本発明による塩の代替物を使用することができる。
本発明は、また、例えば、チーズ、豚肉加工品などの食物の保存剤としての、および、魚、肉等の塩漬け用の本発明による塩の代替物の使用に関するものである。
本発明は、例としてのみ示した、下記の説明を読むことにより、より明らかになるであろう。
実施例1:塩化物の割合がより大きい代替物に対する、本発明による塩の代替物の味の比較研究。
驚くべきことに塩化ナトリウムに乏しく、KCl、MgSO4、CaSO4に富む塩は従来の塩に近い味を有し、その硫酸塩の含有量にも関わらず偽の味がほとんどないことが発見された。
テストする製品
F0(塩):100%のNaCl
F1(比較‐塩化物100%):50%のNaCl、46%のKCl、4%のMgCl2
F2(比較‐塩化物94.5%):50%のNaCl、44.5%のKCl、5.5%のCaSO4
F3(本発明による組成物‐塩化物90%):50%のNaCl、40%のKCl、7.5%のMgSO4、2.5%のCaSO4
使用したマトリックス
・塩無添加トマトジュースVITALIAにテストする製品を0.6重量%混入した。
・塩無添加マッシュポテトMouslineにテストする製品を0.6重量%混入した。
参加者数:101
Figure 0006300784
Figure 0006300784
Figure 0006300784
従来の塩の処方F0に続いて、本発明による処方F3がトマトジュースにおいて最も優れた包括的評価を得た。それは塩化物をより大きい割合で含有する処方F1およびF2より高く評価された。
Figure 0006300784
従来の塩の処方F0に続いて、本発明による処方F3がマッシュポテトにおいて最も優れた包括的評価を得た。それは塩化物をより大きい割合で含有する処方F1およびF2より高く評価された。
Figure 0006300784
本発明による処方F3で味付けしたトマトジュースは、塩を入れたトマトジュースに最も近い。
結果/結論:味のレベルで本発明による処方F3は、トマトジュースおよびマッシュポテトでテストした三つの処方の中で最も優れたものである。さらに、それが塩の味に最も近い。
したがって、この第一の実施例は、本発明による塩の代替物:50%のNaCl、40%のKCl、7.5%のMgSO4、2.5%のCaSO4がより多くの塩化物を含む処方より優れていることを確認している。
実施例2:各々33.3%のNaClを含む本発明による塩の代替物F5および塩の代替物の市販組成物F4の三点試験法。
F4(比較):33.3%の塩+66.6%のKCl。
F5(本発明による組成物):33.3%の塩+53.3%のKCl+10%のMgSO4+3.4%のCaSO4。
使用したマトリックス
・塩無添加トマトジュースVITALIAにテストする製品を濃度6g/Lで混入した。
手順
24人の参加者でこれらの二つの製品(F4、F5)の三点試験法を実施した。参加者は、各回二つが同じで一つが異なる三つのサンプルをテストした。
これらの試験は、試験を系統立てるために、以下の形態AAB×4、ABB×4、BAA×4、BBA×4、ABA×4、BAB×4の6×4個の形態を使用して、きちんと設定された規則によって実施された。(A=F5)(B=F4)。
参加者は以下の二つの質問に答えるものだった:
‐あなたが違うと思うサンプルはどれか。
‐あなたが好きなサンプルはどれか。
結果
24人の参加者中、7人が他の二つと異なるサンプルを見分けることに成功した。
7つの「良好な回答」の結果を見ると、7人は組成物F5のトマトジュースを好むことが確かめられる。
結論
これらの試験では、正確に識別した7人の参加者の好みの結果がすべて同じであり、本発明による塩の代替物を好んでいることが分かり、興味深い。
この点に関して、7人の消費者のうち7人が好むということは、違いを示した消費者の100%であり、極めて意味深く、したがって、本発明による塩の代替物は、違いを認識することができる消費者の評価において優れた味を示す(または偽の味が少ない)と結論づけることができる。
実施例3:パンのレシピにおける塩に関して、塩化ナトリウムの含有量が異なる本発明による塩の代替物の味の比較研究。
テストする製品
F0(塩):100%のNaCl、
F6(本発明による組成物):85%のNaCl、12%のKCl、2.25%のMgSO4、0.75%のCaSO4、
F7(本発明による組成物):70%のNaCl、24%のKCl、4.5%のMgSO4、1.5%のCaSO4。
使用したマトリックス
BIPEA NF V03−716法の製造図から製造したパン。加塩味製品の率:18g/小麦粉1kg。
参加者数:61
Figure 0006300784
Figure 0006300784
結論:これらの結果は、本発明による組成物(F6およびF7)で塩味をつけたパンが、従来の塩入りパンよりも好ましいとさえ認識されていることを示している。
実施例4:カマンベールチーズのレシピにおける、本発明による塩の代替物および塩の三点試験法
テストする製品
F0(塩):100%のNaCl
F6(本発明による組成物):85%のNaCl、12%のKCl、2.25%のMgSO4、0.75%のCaSO4
F7(本発明による組成物):70%のNaCl、24%のKCl、4.5%のMgSO4、1.5%のCaSO4
使用したマトリックス
2重量%の率で加塩味製品を混入したカマンベール。
参加者数:61
a)F6に対するF0識別テストの結果
質問された61人の消費者のうち、21人だけが他の二つと異なるカマンベール片を発見した。これらの21人の消費者のうち、20人はこの選択を偶然にしたと指摘した。この結果は、二つのカマンベールを区別することのできる消費者の実際の割合(1.6%と算出される)はわずかであり、加塩味製品に有意な違いがあるとは結論づけられないことを示している。
b)F7に対するF0識別テストの結果
質問された61人の消費者のうち、23人だけが他の二つと異なるカマンベール片を発見した。これらの23人の消費者のうち、19人はこの選択を偶然にしたと指摘した。この結果は、二つのカマンベールを区別することのできる消費者の実際の割合(6.5%と算出される)はわずかであり、加塩味製品に有意な違いがあるとは結論づけられないことを示している。
結果/結論
これらの試験は、カマンベールの場合、消費者はその極めて大多数が従来の塩から本発明による塩の代替物を区別することができないことを示している。
実施例5:パンのレシピにおける、本発明による塩の代替物の技術的機能の確認。
テストする製品
F0(塩):100%のNaCl、
F6(本発明による組成物):85%のNaCl、12%のKCl、2.25%のMgSO4、0.75%のCaSO4
F7(本発明による組成物):70%のNaCl、24%のKCl、4.5%のMgSO4、1.5%のCaSO4
使用したマトリックス
BIPEA NF V03−716法の製造図から製造したパン。加塩味製品の率:18g/小麦粉1kg。
a)ショパンアルベオグラフ(Chopin alveograph)でのテスト
ショパンアルベオグラフは、パン生地の挙動を評価するために、製パン業で従来から使用されている測定手段である。
Figure 0006300784
これらの結果は、従来の塩を混入した小麦粉と本発明による組成物入り小麦粉で、生地の挙動に統計的に有意な差はないことを示す。
Figure 0006300784
これらの結果は、従来の塩入りパンと本発明による組成物入りパンとの間に差がないことを示す。
したがって、本発明による組成物は、生地の弾力性に関してもパンの皮またはパンの身の着色に関しても、パンにおいて従来の塩と同様な技術的特性を有する。
c)パンのレシピにおける、従来の塩に対する本発明による組成物の保存の役割の確認
保存の評価は、D+1、D+2およびD+3の質量損失の追跡によって明らかにされた。
Figure 0006300784
従来の塩(F0)入りパンと本発明による塩の代替物(F6およびF7)入りの二つのパンとの間の質量損失の比較によって、塩の代替物が塩と同様のパンにおける保存特性を有することが示されている。
結論:パンのレシピにおけるこれらの試験は、本発明による塩の代替物が従来の塩と同様な技術的特性を有することを示す。
実施例6:カマンベールのレシピにおける、本発明による塩の代替物の技術的役割の確認。
テストする製品
F0(塩):100%のNaCl、
F6(本発明による組成物):85%のNaCl、12%のKCl、2.25%のMgSO4、0.75%のCaSO4
F7(本発明による組成物):70%のNaCl、24%のKCl、4.5%のMgSO4、1.5%のCaSO4
使用したマトリックス
加塩味製品を2%の率で混入したカマンベール。
Figure 0006300784
解説
TDE:総乾燥抽出物
F/D:脂肪/乾燥物
MFFB:脂肪を含まない主成分の水分
FFDE:脂肪を含まない乾燥抽出物
SN:可溶性窒素
TN:総窒素
NPN:非タンパク質窒素
F:脂肪材料
TNCM:総窒素含有材料
塩の種類は熟成中の表面フローラの発達にほとんど影響しない。三つの種類の塩で、フローラは同じ熟成段階で出現し、全体的に同じように発達する。
水の活性(aw)は異なる種類の塩を使用して製造したカマンベールで統計的に差がない。この結果により、変質病原菌に対する挙動が類似していると推測される。
最後に、カマンベールのタンパク質分解は、細かいタンパク質分解(特にアンモニアの生成)と同様に一次的なタンパク質分解に関しても塩の代替物によって有意な影響を受けない。
結論:これらの結果から、本発明による組成物はカマンベールにおいて塩と同様な技術的機能を確かに有することが確認された。
実施例7:フランクフルトソーセージのレシピにおける、本発明による塩の代替物の技術的機能の確認。
ソーセージのレシピにおいて、本発明による塩の代替物の使用について比較テストを実施した。
ソーセージは、25%の一定の脂質含有量を有し、下記の4シリーズの加塩味製品を使用して実現した。
‐C=塩化ナトリウム100%の対照。
‐R35=塩化ナトリウムを35%低減しての試験。
‐S25=塩化カリウム80%、硫酸マグネシウム15%および硫酸カルシウム5%の混合物によって塩化ナトリウム25%を代用した試験。
‐S35=塩化カリウム80%、硫酸マグネシウム15%および硫酸カルシウム5%の混合物によって塩化ナトリウム35%を代用した試験。
各シリーズについて、十五個のソーセージ各々の三回の反復が実現され、各反復は同じ主原料に基づいて製造した四つのシリーズC、R35、S25およびS35を有する。それらの製品の処方が下記の表1に表される。
Figure 0006300784
SC:塩の濃度:「通常」のNaCl、すなわち亜硝酸塩無添加の塩である。塩の低減は塩の総量(通常および亜硝酸塩)を考慮する。
技術的な効率(重量の変化)、テクスチャ(パテの堅さ)、色および全体的な感覚評価をテストした。対照とソーセージS25およびS35との間には有意な差は全く測定されなかったが、一方、ソーセージR35は技術的な効率、テクスチャおよび感覚評価に関して明らかに劣っている。
実施例8:塩入れ用の塩の代替物の処方
塩入れによる散布に特別に適した塩の代替物の一例は、そのサイズすなわちふるい分けによって測定した粒度が一般的に200〜500μmの結晶の形態の組成物であり、その組成は塩の代替物の総重量で下記のとおりである。
‐50%のNaCl、
‐41%のKCl、
‐5.5%のMgSO4
‐2.5%のCaSO4
‐1%のDC4(それぞれの重量で60:40の割合の炭酸マグネシウムおよび酸化マグネシウムの混合物)、および
‐微量(0.0005%)のフェロシアン化物。
この処方は良好な流動性を呈し、塩入れ、すなわち、一般的に食物の上に少量の塩の代替物を制御して注ぐことができる一連の穴がその蓋に穿たれた容器内の塩の代替物の散布に特別に適する。この処方は、少なくとも一部分で結晶の流動性をその貯蔵中に特に保持するという利点を呈する。そのような製品は食卓塩の代替物としての使用に特別に適する。
実施例9:粒子の形態で、弱い固化を呈する塩の代替物の処方
貯蔵および容易な輸送が可能な塩の代替物の別の例は、そのサイズすなわちふるい分けによって測定した粒度が一般的に100〜900μmの結晶の形態の組成物であり、その組成は塩の代替物の総重量で下記のとおりである。
‐50%のNaCl、
‐40%のKCl、
‐7%のMgSO4
‐2.5%のCaSO4
‐0.5%のDC4、および
‐微量(0.0005%)のフェロシアン化物。
この処方は、特に、貯蔵の間極めて低減した粒子の固化を、したがって、良好な流動性を呈する。したがって、そのような製品はオートメーション化されていてもいなくても、食品産業での使用にまさに特別に適している。
英国特許第2237720号明細書

Claims (12)

  1. 添加物を除いた塩の代替物の総重量の25〜96%の塩化ナトリウム、塩の代替物の総重量の0〜4%の添加物および残りの組成物を含み、この残りの組成物が、この残りの組成物の総重量で
    ‐塩化カリウム72%〜87%、
    ‐硫酸マグネシウム10%〜20%、および
    ‐硫酸カルシウム3%〜8%
    を含む、塩の代替物。
  2. 添加物を除いた塩の代替物の総重量で、50〜95%の塩化ナトリウムを含むことを特徴とする、請求項1に記載の塩の代替物。
  3. 残りの組成物がこの残りの組成物の総重量で、
    ‐塩化カリウム76%〜84%、
    ‐硫酸マグネシウム12%〜18%、および
    ‐硫酸カルシウム4%〜6%
    を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の塩の代替物。
  4. 残りの組成物がこの残りの組成物の総重量で、
    ‐塩化カリウム82%〜86%、
    ‐硫酸マグネシウム10%〜12.5%、および
    ‐硫酸カルシウム4.5%〜5.5%、
    を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の塩の代替物。
  5. 各添加物はヨウ素化合物、固化防止剤、流動化剤、フッ化カリウムおよび亜硝酸塩、およびそれらの混合物によって構成される群に属することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の塩の代替物。
  6. 添加物の量が塩の代替物の総重量の2%未満であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の塩の代替物。
  7. 塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウムおよび硫酸カルシウムによって形成される群のすべての構成要素は海起源であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の塩の代替物。
  8. 直径0.1〜6mmの、好ましくは0.2〜0.5mmの粒度分布の結晶の形態である、請求項1〜のいずれか一つに記載の塩の代替物。
  9. 請求項1〜のいずれか一つに記載の塩の代替物を含むことを特徴とする、食卓塩の代替物。
  10. ヒトおよび/または動物用の食物の産業的な調製のための請求項1〜のいずれか一つに記載の塩の代替物の使用。
  11. 塩味の製品、特に前記製品への請求項1〜のいずれか一つに記載の塩の代替物の付加を含む食品の製造方法。
  12. 請求項1〜9のいずれか一つに記載の塩の代替物を含む塩味のついた食品。

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