JP6300075B2 - コイル部品 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器に用いられるコイル部品の関するものであって、特にはノーカット磁心を用いて構成される、各種インバータ、DC−DCコンバータ、スイッチング電源等に用いられるパワートランス等のコイル部品に関する。
パワートランス等のコイル部品においては、コイルの敷設の容易さから、複数に分割された磁心(以下カット磁心と呼ぶ場合がある)を用いる場合が多い。コイルを敷設したコイル巻枠を用いて、その空芯部にカット磁心を組み合わせて構成する。しかしながら、カット磁心の接合部では漏れ磁束が発生し、それを低減するには、カット磁心の接合部が精度良く面するように研磨する必要があり、製造工程が煩雑なものとなる。また、研磨しても、接合部が磁気ギャップとなって磁気抵抗が増加するので、得られるコイル部品の性能はノーカット磁心を用いるものには及ばない。
ノーカット磁心を用いたコイル部品として、略ロの字形状の環状ノーカット磁心と、4つの辺部の内の一辺部に、回転可能に組み付けて構成されたコイル巻枠とを有する構成のコイル部品が知られている(特許文献1)。コイル巻枠は、円筒状の巻芯部と、巻芯部の両端に設けられ鍔部とを備えており、コイル巻枠の回転軸に沿った分割面で分割可能に構成されている。前記コイル巻枠の鍔部は歯車状に構成されており、歯車状のローラと組み合わせて回転駆動させ、巻芯部に導線を巻回する。この様な構成によって、ノーカット磁心へのコイルの敷設を簡単に行うことが出来る。
特許文献1に記載されたノーカット磁心は、その断面が矩形であるため、その角とコイル巻枠の内側とが接触し、コイル巻枠の内側が削り取られたり、大きな負荷が加わるなどして回転が不安定となり、コイルの巻乱れが生じる場合がある。この様な問題に対して、ノーカット磁心の断面を円形状とし、その周囲に摩擦係数の小さな樹脂材料からなり、断面が円形状の巻芯軸を設けて、コイル巻枠の内側との摩擦抵抗を低減して、安定な巻線を行うことが特許文献2や特許文献3に記載されている。特許文献2、3のコイル部品では、ノーカット磁心のコイル巻枠が設けられる部分の断面形状が円形状であって、用いられる巻芯軸の内側は、ノーカット磁心のコイル巻枠が設けられる部分の断面形状に合わせて、円形あるいは矩形となっている。
特開昭59−36913号公報 実開平4−70720号公報 実開平4−85714号公報
特許文献2のコイル部品に用いられるノーカット磁心は、コイル巻枠が設けられる部分の断面形状が円形状である。大電流用途のコイル部品では、ノーカット磁心に飽和磁束密度が大きい金属磁性材料が用いられ、アモルファス磁性材料でなる金属磁性薄帯を用いた磁心が広く使用されている。金属磁性薄帯を巻回したノーカット磁心の断面形状を円形状に構成するには、研削によって内外周の後加工が必要となる。その為、製造工程が煩雑なものとなり製造コストの増加を招く。また研削によって、隣接する薄帯間が導通して渦電流損失が増大する恐れもある。幅が連続的に変化する薄帯を用いたり、異なる形状に打ち抜いた薄片を積層して断面形状を略円形等、矩形以外の他の形状とすることも可能だが、この場合もまた製造工程が煩雑なものとなる。
また、パワートランス等のコイル部品に用いられる導線は、線径が太く直径1mmを超えるものもあって、巻線時には大きなテンションが発生する。特許文献2や特許文献3のコイル部品では、外側が円形の巻芯軸とコイル巻枠の内側とがクリアランスが少なく対向するが、前記テンションによってコイル巻枠が巻芯軸に強く押し付けられることで、摩擦抵抗が増加して、安定な巻線を行うことが困難となる場合もあり、より一層の摩擦抵抗の低減が求められる。
また、1kWを超えるようなパワートランス等のコイル部品では、導体損失による発熱が大きいので、コイルやコイル巻枠の熱損傷を防ぐように放熱させることが必要である。特許文献3のコイル部品に用いられるノーカット磁心は、コイル巻枠が設けられる部分の断面形状が矩形状であって、断面形状が矩形のノーカット磁心を用いることが出来る。しかしながら、円筒状の巻芯軸の外周とコイル巻枠の内周とは、少ないクリアランスで対向し、コイルの内径側からの放熱がし難い構造となっていた。この点は特許文献2も同様である。
そこで本発明は、断面形状が矩形のノーカット磁心を用いることが出来て、コイル巻枠の内側との摩擦抵抗を低減して安定な巻線を行うことができ、放熱性の改善も可能なコイル部品を提供することを目的とする。
本発明は、ノーカット磁心と、前記ノーカット磁心を収容する環状空間を有するケースと、分割片を組み合わせて筒状を成し、前記ケースの一部を囲う環状内周部を有し、前記ケース上で回転可能なコイル巻枠と、前記コイル巻枠を回転させて敷設されたコイルを備え、前記ケースは、前記コイル巻枠の回転軸と直交する縦断面形状が略矩形であり、かつ、その外表面から突出し、前記コイル巻枠の環状内周部を当接させ滑らせる複数の滑り部を、隣り合う2面のみ、又は、隣り合う2隅部のみに備えたことを特徴とするコイル部品である。
本発明においては、前記ケースの滑り部は、少なくとも前記コイル巻枠の両端側に位置するように設けられるのが好ましい。また、前記滑り部は、前記ケースの縦断面に現れる4つの隅部を接する仮想円に対して、その外方に及ぶように形成するのが好ましい。なお隅部は、アールやカット等の面取りがなされている場合も、全体的な形状としては矩形として取り扱う。
また、前記滑り部の形状を柱形状、半球形状、円錐形状、角錐形状、扇板形状から選択される少なくとも一つとするのが好ましい。また、円錐形状あるいは角錐形状の頂点を取り去った形状の切頭円錐、切頭角錐形状であるのも好ましい。
また前記コイル巻枠は、その回転軸方向の両端部側に鍔部を有し、前記鍔部間にコイルが敷設されるとともに、前記回転軸方向であって前記鍔部の外方に前記コイルの端部を収容可能な収容部を備え、前記鍔部には前記コイルの端部を通す切欠きを有するのが好ましい。更に、コイル巻枠を回転させるギア部を備え、前記ギア部は前記コイル巻枠の回転軸方向であって前記収容部の外方に設けるのが好ましい。また、前記ケースの横断面を矩形環状とし、ケースの対向する2辺のそれぞれにコイル巻枠を設けるのも好ましい。
また前記ノーカット磁心を、磁性合金薄帯として供されるアモルファス合金、又はナノ結晶合金を用いた積層磁心、又は巻磁心とするのが好ましい。アモルファス合金やナノ結晶合金は薄帯として供せられ、一定幅の薄帯で形成された巻磁心や、薄帯から同形状の薄片を打ち抜き積層した積層磁心は、通常、磁路に垂直な断面は通常矩形となる。
本発明によれば、断面形状が矩形のノーカット磁心を用いることが出来て、コイル巻枠の内側との摩擦抵抗を低減して安定な巻線を行うことができ、放熱性の改善も可能なコイル部品を提供することが出来る。
本発明の一実施例にかかるコイル部品の基本構造を示す分解斜視図である。 本発明の一実施例にかかるコイル部品の外観斜視図である。 本発明の一実施例にかかるコイル部品に用いるケースの外観斜視図である。 (a)本発明の一実施例にかかるコイル部品に用いるケースに設けられた滑り部を含む断面図であり、(b)本発明の他の実施例にかかるコイル部品に用いるケースに設けられた滑り部を含む断面図であり、(c)本発明の他の実施例にかかるコイル部品に用いるケースに設けられた滑り部を含む断面図である。 本発明の一実施例にかかるコイル部品に用いるコイル巻枠の外観斜視図である。 本発明の一実施例にかかるコイル部品に用いるコイル巻枠の分解斜視図である。 本発明の一実施例にかかるコイル部品の巻線方法を説明するための図である。 コイル巻枠に敷設されたコイルの状態を説明するための図である。 本発明の他の実施例にかかるコイル部品の平面図である。 本発明の他の実施例にかかるコイル部品の正面図である。 本発明の他の実施例にかかるコイル部品の側面図である。 本発明の他の実施例にかかるコイル部品の断面模式図である。
以下、本発明に係るコイル部品の実施形態を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1は本発明の一実施例に係るコイル部品の構造を示す分解斜視図であり、図2は本発明の一実施例に係るコイル部品の外観斜視図である。コイル部品1は、環状のノーカット磁心20を収容する閉鎖環状空間を有するケース10と、コイルが巻回されたコイル巻枠30とを備える。なお各図で説明の簡単化のためにコイルの図示を省略している。
図3は、本発明のコイル部品に用いるケースの一実施形態を示す外観斜視図である。ケース10は、環状部を形成するように組み立てられる第一環状部材10a及び第二環状部材10bにより構成されている。図示されたケース10は、図中、一点鎖線で示した組立中心線の方向から見て略矩形状に構成され、その隅には環状領域から延出する複数の脚部16が設けられている。環状領域の対向する2辺に位置する第一部分12には、複数の滑り部15が設けられ、前記脚部16は前記第一部分12を繋ぐ第二部分13に直線状に連なって設けられている。前記脚部16には、実装の為の中継部品等、他の部材との固定の為のねじ穴50が形成されている。図示の例では、ケース10は組立中心線に対して回転対称に形成されており、図面上隠れた部分も図示された部分と同様な構成となっている。また、全ての隅部に脚部16を設けているが、必要に応じて適宜減じても構わない。各部の固定は、適宜接着材等の固定手段により行われる。また、ねじ穴50もまた、その形成位置や数等は必要に応じて適宜設定される。
図1に示すように、ケース10を構成する第二環状部材10bは、ノーカット磁心20を配置するように上方が開口した二重壁環状筒部17と、滑り部15の一部を構成する突起15cを有する。第二環状部材10bは第一環状部材10aと組み立てられるので、二重壁環状筒部17の外側には、ケース10の表面から落ち込む段差が設けられている。なお、説明における上下左右は図面における上下左右を意味し、相対的なものであるので、例えば「上方」を「下方」と言い換えても、あるいは「左方」を「右方」と言い換えても構造が異なる訳ではない。
第一環状部材10aは下方が開口した二重壁環状筒部(図示せず)と、滑り部15の一部を構成する突起15a、15bを有する。二重壁環状筒部の内側には二重壁環状筒部17と組み合わせ可能なように段差が設けられており、互いが隙間なく嵌入するので、組み立てた後のケース10の外面、内面には実質的に段差がない。更に、突起15a〜15cが連なって複数の滑り部15が構成される。第一環状部材10aと第二環状部材10bとは、閉鎖環状空間を形成するように組み合わされて一体化し、前記閉鎖環状空間にはノーカット磁心20が収容される。図示した例では、ケース10の前記閉鎖環状空間は、その組立中心軸方向の断面を矩形としているが、ノーカット磁心20の形状に合わせて他の形状としたり、ノーカット磁心20を挟持するように突起部などを設けても構わない。
ケース10の滑り部15は、コイル巻枠30の両端側に位置するように設けられる。図示した例では、コイル巻枠30を2つ有するので、前記脚部16の近傍の合計4か所に設けているが、コイル部品のコイルの発熱の放熱を考慮するとともに、後述するコイル巻枠の環状内周部との接触抵抗が増加して、コイルの巻設に支障が出ない範囲であれば、適宜設ける箇所を増やしても構わない。滑り部15を設けることでケース10の外面とコイル巻枠30の内面との間に空間が確保され、前記空間によりケース10とコイル巻枠30とが直接接触するのを減じて、コイルの発熱がノーカット磁心20へ伝熱するのを防ぐとともに、前記空間がコイル巻枠30の外側にまで通じ、そこでの空気の流れによって放熱が促進され、コイル部品1の温度上昇を抑えることができる。なお、空気の流れは、後述する煙突効果によって自然発生する場合や、冷却ファンなどによって生じる場合がある。
図4(a)、図4(b)及び図4(c)は滑り部を説明するための図である。滑り部15を含むケース10の断面を細部の構造を省き簡略して示している。滑り部15の機能は一つの面に形成すれば足りるが、断面が矩形のケース10には、前記滑り部15が隣り合う2辺側、すなわち2面に設けられている。詳細は後述するが、一つの面に形成された滑り部15では、コイル巻枠30に作用する押圧力の方向が限定されてしまう。滑り部15は少なくとも隣り合う2面に設けることで、押圧力の方向の許容幅を広げ、巻線装置の設計の自由度を上げることが出来るので好ましい。ケース10の断面が円形である場合にも、同じ周上の複数個所に滑り部15を設けるのが好ましい。図4(a)に示した例では、各面に設けた滑り部15は不連続に形成しているが、2面に連続して設けても構わない。また図4(b)、図4(c)に示すように、断面が矩形のケース10の隅部にのみ滑り部15を設けても良いし、隅部間の一部にのみ設けても構わない。図4(c)では、ケース10の隅部がC面であり、前記C面から突出する部分を滑り部15としている。滑り部15の形状は板状に限らず、例えば柱形状、半球形状、円錐形状、切頭円錐形状、角錐形状、切頭角錐形状などの形状でも、本発明の効果が得られる。
ケース10には、その一部を囲う環状内周部を有するコイル巻枠30が、回転可能な状態で取り付けられる。図5はコイル巻枠30の外観斜視図であり、図6はその分解図である。コイル巻枠30は2つに分かれた分割片を組み合わせて筒状を成す形態となっている。コイル巻枠30はその回転軸方向の両端部側に鍔部32を有し、前記鍔部32間にコイルが敷設される胴部31と、前記鍔部32の外方にコイルの端部を収容可能な収容部33と、コイル巻枠30を回転させるためのギア部35が設けられている。
前記鍔部32はコイルが幅方向にずれる等の巻乱れを防ぐとともに、コイルを保護するものであり、その一部にはコイルの端部を通す切欠きを有する。図示した例では切欠きは角鍔部にそれぞれ2か所設けられ、コイル巻枠30を回転軸に対して2回対称としている。なお、図中では一方側の切欠きのみが表れている。コイル部品1をトランスとした場合には、胴部31に多層に重ねられる一次コイルと二次コイルで、それぞれの巻端を異なる切欠きから引き出すことにより、コイル巻枠30の回転軸に対して180度離間させ、巻端処理における一次コイルと二次コイルとの絶縁性を高めることが出来る。
鍔部32の切欠きから引き出されたコイルの端部が、巻線作業中に障害とならないように、前記収容部33に引き回して収めることが出来る。更にコイルの端部を絡げたり、引っかけたりして固定可能なように、突起等の固定手段を設けても良い。また、固定手段を設けなくても、テープ等で仮固定しても良い。
ケース10内に収められるノーカット磁心20は、磁性合金薄帯を巻回または積層して構成されるのが好ましい。磁性合金薄帯は、例えば、溶湯を急冷して得られるFe基アモルファス合金、Co基アモルファス合金、Fe基ナノ結晶合金である。これらの磁性合金薄帯は、フェライトに比べて飽和磁束密度が高く、トランスの小型化に有利である。かかる優位性を最大限に利用するためノーカット磁心として構成される。ノーカットとは、磁性合金薄帯の磁路の途中に切断部分を持たないことをいう。ノーカットの閉磁路の磁心は、磁気ギャップを持たないため、漏れ磁束の影響が排除され、高い動作磁束密度でのトランスの駆動が可能となる。また、その形状は、ケース10の閉鎖環状空間に倣った矩形環状であって、前記滑り部15が位置する環状領域の第一部分12で直線部を有する形状のものを用いる。
コイル巻枠30を構成する第一巻枠部材30aと第二巻枠部材30bは、丁度、コイル巻枠30を回転軸方向に2等分した構成となっている。第一巻枠部材30aと第二巻枠部材30bとが組み合わせ可能なように、胴部31となるアーチ状部31a、31bにはコイル巻枠30の回転軸方向に延びる突起39と窪み38が設けられており、互いが嵌め合わされて組み立て可能となっている。組み立てた後のコイル巻枠30の外面、内面には実質的に段差がなく、コイル巻枠30の環状内周部37とケース10の滑り部15とを当接させ滑らせても、コイル巻枠30を安定に回動させることが出来る。
ケース10やコイル巻枠30は、ノーカット磁心20、コイル等の保護、絶縁性の確保等の目的で用いられる。かかる目的に適うものであれば、ケースの材質はこれを特に限定するものではないが、例えば、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の絶縁樹脂材料を用いることが出来る。その成形には射出成形法等の公知の樹脂成形方法を採用することができる。
図7はコイル部品の巻線方法を説明するための図である。説明しない各部の構成については省略して示している。図示した例ではケース10には、その環状領域の第一部分12の3つの面に半球形状の滑り部15が設けられている。第一巻枠部材30aと第二巻枠部材30bとで、ケース10の環状領域の第一部分12を挟み込むようにしてコイル巻枠30が組立てられる。ノーカット磁心20を介して左右に位置する滑り部15によって、コイル巻枠30の環状内周部37が支持される。コイル巻枠30の環状内周部37とケース10の滑り部15とは、コイル巻枠30とケース10とを組み合わせた状態で、わずかなクリアランスを介して配置され、軽い力でコイル巻枠30を回転可能としている。
コイル巻枠30は、コイルが敷設される胴部31とギア部35とが回転軸を共通にしており、筒部31がギア部35と一体的に回動する。ギア部35は筒部31の両端側にそれぞれ設けられているが、一方側だけに設けることも可能である。但し、ギア部35を筒部31の両端側に設けて、それぞれを駆動手段で回動させれば、一方側だけに設ける場合よりもいっそうコイル巻枠30を安定に回動させることが出来る。ケース10はチャック等の固定手段(図示せず)により固定されており、前記コイル巻枠30のギア部35とモータ等の駆動源に繋がった駆動歯車60とをかみ合わせ、駆動歯車60を回転させることにより導線を胴部31に巻回す。導線供給手段(図示せず)から供給される導線を導線誘導手段(図示せず)によって、コイル巻枠30の回転軸方向に移動させて、コイル巻枠30の胴部31の外周面に、その一端側から他端側に向かって所定のターンで単層以上のコイル40を形成する。駆動歯車60や導線の張力によって、ケース10に向かってコイル巻枠30が押さえ付けられるが、ケース10に設けた滑り部15によって、摩擦抵抗の著しい増加を防ぐことができる。
図8はコイル巻枠に敷設されたコイルの状態を説明するための図である。図示した例ではコイル40を単層に設けている。コイル巻枠30の鍔部32の間に導線を所定回数巻した後、コイル巻枠30のギア部35を駆動する駆動歯車60が停止され、コイル40の両端部がカッター等の切断手段により所定の長さをもって切断される。前記端部の導線を前記鍔部32に設けられた切欠きを通し、収容部33に巻きつけて仮固定する。前記コイル40に重ねて他のコイルを形成する場合に、前記前記コイル40の端部が前記収容部33に収容されているので、巻線作業の障害とならない。適宜、所定の巻数のコイルを必要に応じて設けてコイル部品が形成される。
図9はトランスとしたコイル部品の一実施形態を示す平面図であり、図10はその正面図であり、図11は右側面図である。また図12はトランスとしたコイル部品の一実施形態を示す断面模式図である。
図9〜12に示すコイル部品1は複数のコイル40を有し、前記コイル40を適宜接続して一次コイル21と二次コイル22を構成している。一次コイル21を構成する導線および二次コイル22を構成する導線として、例えば線径がφ1mm以上の3層絶縁電線等の絶縁被覆付き電線を使用し、かかる絶縁被覆によって、一次コイル21と二次コイル22間の絶縁を確保することができる。但し、導線毎の絶縁被覆で一次コイル21と二次コイル22間の絶縁を確保しようとすると、絶縁被覆自体の厚みで巻回部全体の体積が増えるため、通常のマグネットワイヤ(エナメル線)を使用し、一次コイル21を構成するコイル40(Np)と二次コイル22を構成するコイル40(Ns)との間に絶縁シート80を配置することが行われる。コイル巻枠30に巻回可能な柔軟性、強度、絶縁耐力を有する絶縁シート80を用いることで、上述のギア部35の回動を利用して絶縁シート80の巻回も可能になる。絶縁シート80の材質は、例えばポリエステル、不織絶縁紙:ノーメックス(デュポン社の登録商標)等が好ましい。厚さは絶縁性や柔軟性を考慮して、例えば25μm〜50μmのポリエステルシート、50μm〜200μmのノーメックスシートが望ましい。
一方のコイル巻枠30に設けられた複数のコイル40(Np)の端部を縒って並列接続して一次副コイルとし、複数のコイル40(Ns)の端部を縒って並列接続して二次副コイルとする。同様に他方のコイル巻枠30に設けられた複数のコイル40(Np)を並列接続して一次副コイルとし、複数のコイル40(Ns)を並列接続して二次副コイルとし、2つのコイル巻枠30間の一次副コイルを直列接続して一次コイル21とし、二次副コイルを直列接続して二次コイル22としている。
各コイル巻枠30の一次副コイルの端部40a、二次副コイルの端部40bの端部は絶縁の為に筒状の樹脂部材に通される。一次副コイルの端部40aの一方端どうしを圧着接続子90で接続し、他端側を丸型端子96に圧着接続して、一次コイル21とした。同様に、二次副コイルの端部40bの一方端どうしを圧着接続子90で接続し、他端側を丸型端子96に圧着接続して、二次コイル22とした。更に、ケース10の前記圧着接続子90側に、実装の為の中継部材70を接続して、コイル部品1を形成した。中継部材70は、ケース10の脚部16に設けられたねじ穴50に通されたボルト95によって固定されている。中継部材70には実装の為の貫通孔71が設けられており、コイル部品1が固定される実装面に対して縦置き可能としている。コイル部品1を縦置きすることで、コイルの発熱によってケース10の外面とコイル巻枠30の内面との間の空間の空気が温められ、煙突効果によって前記空間に空気の流れが生じて放熱を促進することが出来る。
ケース10に設けた滑り部15によって、コイル巻枠30の環状内周部37との摩擦抵抗が減じられるので、コイル巻枠30の内側との摩擦抵抗を低減して安定な巻線を行うことができ、放熱性の改善も可能なコイル部品1を提供することが出来る。また、滑り部15によって、ケース10の外面とコイル巻枠30の内面との間に空間が確保され、コイル巻枠30の外側にまで通じる前記空間における空気の流れによって放熱が促進されて、通電時におけるコイル部品1の温度上昇を抑えることができる。さらに、断面形状が矩形のノーカット磁心を用いることが出来るので、磁性合金薄帯を用いたノーカット磁心を用いることによるギャップ損失低減の効果と併せて、コイル部品1の損失低減および小型化、軽量化に寄与する。
1 コイル部品
10 ケース
15 滑り部
20 ノーカット磁心
30 コイル巻枠

Claims (8)

  1. ノーカット磁心と、前記ノーカット磁心を収容する環状空間を有するケースと、分割片を組み合わせて筒状を成し、前記ケースの一部を囲う環状内周部を有し、前記ケース上で回転可能なコイル巻枠と、前記コイル巻枠を回転させて敷設されたコイルを備え、
    前記ケースは、前記コイル巻枠の回転軸と直交する縦断面形状が略矩形であり、かつ、その外表面から突出し、前記コイル巻枠の環状内周部を当接させ滑らせる複数の滑り部を、隣り合う2面のみ、又は、隣り合う2隅部のみに備えたことを特徴とするコイル部品。
  2. 請求項1に記載のコイル部品であって、
    前記ケースの滑り部は、少なくとも前記コイル巻枠の両端側に位置するように設けられたことを特徴とするコイル部品。
  3. 請求項1又は2に記載のコイル部品であって、
    前記ケースの縦断面に現れる4つの隅部に接する仮想円に対して、前記滑り部がその外方に及ぶことを特徴とするコイル部品。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載のコイル部品であって、
    前記滑り部の形状を柱形状、半球形状、円錐形状、角錐形状、扇板形状から選択される少なくとも一つとすることを特徴とするコイル部品。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載のコイル部品であって、
    前記コイル巻枠はその回転軸方向の両端部側に鍔部を有し、前記鍔部間にコイルが敷設されるとともに、前記回転軸方向であって前記鍔部の外方に前記コイルの端部を収容可能な収容部を備え、前記鍔部には前記コイルの端部を通す切欠きを有することを特徴とするコイル部品。
  6. 請求項に記載のコイル部品であって、
    コイル巻枠を回転させるギア部を備え、前記ギア部は前記コイル巻枠の回転軸方向であって前記収容部の外方に設けられたことを特徴とするコイル部品
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載のコイル部品であって、
    前記ノーカット磁心がアモルファス合金、又はナノ結晶合金を用いた巻磁心あるいは積層磁心であることを特徴とするコイル部品。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載のコイル部品であって、
    前記ケースの横断面が矩形環状であって、ケースの対向する2辺のそれぞれにコイル巻枠を設けたことを特徴とするコイル部品。
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