JP6299421B2 - フッ素含有水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Description

本発明はフッ素含有水の処理方法及び処理装置に係り、詳しくはフッ素系エッチング排水などのフッ素含有水からフッ素を高度に除去すると共に、除去したフッ素を高純度のフッ化カルシウムとして効率よく回収するフッ素含有水の処理方法及び処理装置に関するものである。
近年、半導体製造分野やその関連分野、あるいは各種金属材料、単結晶材料、光学系材料などの表面処理分野などにおいては、フッ化水素や、フッ化水素とフッ化アンモニウムを主成分とするエッチング剤が多量に用いられている。フッ化水素を主成分とするエッチング剤や、フッ化水素及びフッ化アンモニウムを主成分として含むエッチング剤(バッファードフッ酸)は、フッ素をHFとして高濃度含有していることから、これらのエッチング剤は排水系統へ移行した際、高濃度フッ素含有排水となる。一方、エッチング途中やエッチング終了時には、これらのエッチング剤で処理された材料を大量の洗浄水で洗浄するため、その洗浄工程からは、大量の低濃度フッ素含有排水が排出される。これらの高濃度フッ素含有排水及び低濃度フッ素含有排水は混合されて一括処理されている。
従来、このようなフッ素含有排水の処理方法として、排水を粒状炭酸カルシウム(CaCO)充填塔に通水し、排水中のフッ素をCaCO粒子にCaFとして固定することにより除去する方法(特開平5−253578号公報)や、フッ素含有排水に塩化カルシウム等の水溶性カルシウム化合物を添加してフッ素を含む種晶を充填した晶析塔に通水し、排水中のフッ素をフッ化カルシウム(CaF)として種晶表面に析出させることにより除去する晶析法が知られている。
これらの方法は、CaF純度97%以上のフッ化カルシウム粒子を回収することができ、資源の回収、再利用の面において有利である。
しかし、粒状炭酸カルシウム充填塔を用いる方法では、排水の成分によって、例えば排水中のNHOH成分等が多い場合などにおいて、フッ素除去率が90%程度と低くなってしまうことがあった。また、処理水のフッ素濃度を十分に下げられない欠点もあり、通常30〜100mg/L程度のフッ素が処理水中に残留するため、晶析法に対して処理水質で劣る結果となる。これは、粒状炭酸カルシウム充填塔による処理が、炭酸カルシウム粒子内でのCO 2−とFとの置換反応に基づくものであるため、排水中にある程度のF濃度が必要であるとともに、処理水中のCaイオン濃度を上げることが困難であるために、メカニズム的に避けられないものであった。
一方、晶析法では、塩化カルシウム等の水溶性カルシウム化合物とともに中和のためのアルカリ剤を必要とすることから、薬剤コストが高くつく上に、種晶となるフッ化カルシウムの入手もまたコスト増の要因となっていた。
これに対して、粒状炭酸カルシウム充填塔による処理と、晶析法による処理を組み合わせ、フッ素含有水を炭酸カルシウム粒状体に接触させた後、水溶性カルシウム化合物を添加してフッ素含有種晶と接触させるフッ素含有水の処理方法も提案されている(特開2003−117565号公報)。
この特開2003−117565号公報には、以下の記載がなされている。
フッ素含有水を炭酸カルシウム(CaCO)粒状体に接触させることにより、フッ素含有水中のフッ素は、例えば下記反応によりCaCO粒状体にCaFとして固定される。
2HF+CaCO→CaF+HCO +H
また、フッ素含有水に水溶性カルシウム化合物を添加してフッ素含有種晶を接触させると、フッ素含有水中のフッ素は、下記反応により種晶表面にCaFとして析出する。
Ca2++2F→CaF
CaCO粒状体と接触させる方法は、高濃度フッ素含有水の処理に適し、晶析法は低濃度フッ素含有水の処理に適している。このため、フッ素含有水をCaCO粒状体と接触させて、フッ素含有水中のフッ素を予め除去して低濃度フッ素含有水とした後、これを晶析法で処理することにより、フッ素濃度の著しく低い高水質処理水を得ることができる。
また、CaCO充填塔では、フッ素含有水中のフッ素との反応でCaCO粒状体がフッ素置換され、CaF含有粒状体となる。このフッ素置換によりCaF含有粒状体となった充填粒子を晶析塔のフッ素含有種晶として利用することができ、このようにCaCO充填塔の充填粒子を、晶析塔のフッ素含有種晶として利用し、更にCaFを析出させることにより、発生汚泥量の低減、CaF含有汚泥のCaF純度の向上を図ることができ、再利用可能な高純度CaFを回収することが可能となる。
この特開2003−117565号公報では、CaCO充填塔に充填するCaCO粒状体の粒径について、0.1〜0.5mm程度のものが好ましく用いられると記載され、その実施例では粒径0.2〜0.3mmのCaCO粒状体が用いられている。また、CaCO充填塔を複数直列に配置し、通水順序を順次変えてゆくメリーゴーランド方式とすることが好ましいと記載されている。
なお、特開2011−88071号公報には、粒状炭酸カルシウム充填塔による処理において、平均粒径30〜150μmの粒状炭酸カルシウムを用いることで、比較的小型の設備で、フッ素除去率の向上と、回収フッ化カルシウムの高純度化を実現することができることが記載されている。
また、特開平5−253578号公報には、フッ素含有水を炭酸カルシウム充填層に通水して処理するに当たり、炭酸カルシウム充填層の入口液と出口液のフッ素濃度又はpHがほぼ同一になるまで通水処理することにより、ほぼ100%に近い純度のフッ化カルシウムを回収することができることが記載されている。
特開平5−253578号公報 特開2003−117565号公報 特開2011−88071号公報
特開2003−117565号公報では、CaCO充填塔において、フッ素含有水中のフッ素との反応でCaCO粒状体がフッ素置換され、CaF含有粒状体となったものを晶析塔のフッ素含有種晶として利用し得ることが記載されているが、このようなCaF含有粒状体をフッ素含有種晶として用いる場合における、CaCO充填塔に充填するCaCO粒状体の粒径の好適値についての検討がなされていない。
特開2011−88071号公報には、平均粒径30〜150μmの粒状炭酸カルシウムを用いることが好ましい旨の記載はなされているが、この粒径は、粒状炭酸カルシウム充填塔のみで処理を行う場合の好適粒径であり、この粒径を、そのまま、粒状炭酸カルシウム充填塔で得られたCaF含有粒状体を晶析塔のフッ素含有種晶として利用する方法に適用できるものではない。即ち、粒状炭酸カルシウム充填塔で得られたフッ化カルシウム含有粒子をフッ素含有種晶として用いる場合、粒子内に浸入した高フッ素濃度の水を除去するため洗浄を行う必要があり、その洗浄効率や、晶析によるフッ素除去効率も考慮する必要もあるが、特開2011−88071号公報にはこのような検討はなされていない。
また、特開2011−88071号公報、特開2003−117565号公報のいずれにも、充填塔への流路切換を行うメリーゴーランド方式の処理についての記載はあるが、充填塔内の粒子を抜き出して、他の充填塔に移送、充填することの記載はない。
本発明は、上記の従来技術に鑑みてなされたものであって、フッ素含有水を粒状炭酸カルシウム充填塔による処理と、晶析法による処理とで処理するに当たり、従来法に比べて、それぞれの処理におけるフッ素除去率をより一層高めると共に、除去したフッ素をより一層高純度のフッ化カルシウムとして効率的に回収することができるフッ素含有水の処理方法及び処理装置を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、炭酸カルシウム充填塔に充填する炭酸カルシウム粒子として、粒径0.1mm以下の小粒径の炭酸カルシウム粒子を用いることにより、炭酸カルシウム充填塔におけるフッ素除去率のみならず、晶析によるフッ素除去率も高めることができ、また、高純度フッ化カルシウムを回収することができることを見出した。また、複数段直列に設けた炭酸カルシウム充填塔にフッ素含有水を順次通水し、第1段目で得られたフッ化カルシウム含有粒子を抜き出して最後段の充填塔に充填し、第2段目以降の充填塔内の粒子をそれぞれ直前の充填塔に移送して充填し、最後段から1つ前の充填塔には新品の炭酸カルシウム粒子を充填するようにすることにより、同一タイプの充填塔を用い、最後段の充填塔を晶析塔として機能させて効率的な処理を行うことができることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] フッ素含有水を炭酸カルシウム粒子に接触させて、該フッ素含有水中のフッ素と炭酸カルシウムとの反応で該フッ素をフッ化カルシウムとして除去すると共に、該炭酸カルシウム粒子中の炭酸カルシウムの少なくとも一部が該フッ化カルシウムに置換されたフッ化カルシウム含有粒子を得る第1のフッ素除去工程と、該第1のフッ素除去工程の処理水に水溶性カルシウム化合物を添加してフッ素含有種晶と接触させて、残留するフッ素を晶析により除去する第2のフッ素除去工程とを有するフッ素含有水の処理方法において、前記炭酸カルシウム粒子として、粒径0.1mm以下の炭酸カルシウム粒子を用いると共に、前記第1のフッ素除去工程で得られた前記フッ化カルシウム含有粒子を、前記第2のフッ素除去工程における前記フッ素含有種晶として用い、前記フッ素含有水を、複数段直列に設けた前記炭酸カルシウム粒子の充填塔と、最後段の前記フッ素含有種晶の充填塔に順次通水し、該最後段の充填塔の流入水に前記水溶性カルシウム化合物を添加し、該最後段の充填塔の流出水を処理水として取り出す方法であって、第1段目の充填塔の流入水と流出水のフッ素濃度又はpHがほぼ同一になるまで前記フッ素含有水の通水を行った後、通水を停止し、最後段の充填塔内の粒子を系外へ抜き出し、第1段目の充填塔内の粒子を抜き出して該最後段の充填塔に充填し、第2段目以降の充填塔内の粒子を抜き出してそれぞれ直前の充填塔に充填し、該最後段から1つ前の充填塔に新品の炭酸カルシウム粒子を充填した後、前記フッ素含有水の通水を再開することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
] 炭酸カルシウム粒子を充填した充填塔を有し、フッ素含有水中のフッ素と炭酸カルシウムとの反応で該フッ素含有水中のフッ素をフッ化カルシウムとして除去すると共に、該炭酸カルシウム粒子中の炭酸カルシウムの少なくとも一部をフッ化カルシウムに置換してフッ化カルシウム含有粒子を得る第1のフッ素除去手段と、フッ素含有種晶を充填した充填塔を有し、フッ素含有水中のフッ素を晶析除去する第2のフッ素除去手段と、該第1のフッ素除去手段にフッ素含有水を通水する手段と、該第1のフッ素除去手段の流出水に水溶性カルシウム化合物を添加する手段と、該水溶性カルシウム化合物が添加された該第1のフッ素除去手段の流出水を該第2のフッ素除去手段に通水する手段とを有するフッ素含有水の処理装置において、前記第1のフッ素除去手段の前記炭酸カルシウム粒子が粒径0.1mm以下の炭酸カルシウム粒子であり、前記第2のフッ素除去手段の前記フッ素含有種晶が、前記第1のフッ素除去手段で得られた前記フッ化カルシウム含有粒子であり、前記第1のフッ素除去手段は、複数段直列に設けられた炭酸カルシウム粒子の充填塔を有し、前記第2のフッ素除去手段の前記充填塔は、該第1のフッ素除去手段の複数の充填塔群の後段に最後段の充填塔として設けられており、該最後段の充填塔内の粒子を系外へ抜き出す手段と、第1段目の充填塔内の粒子を抜き出して該最後段の充填塔に充填する手段と、第2段目以降の充填塔内の粒子を抜き出してそれぞれ直前の充填塔に充填する手段と、最後段から1つ前の充填塔に新品の炭酸カルシウム粒子を充填する手段と、該最後段の充填塔の流入水に前記水溶性カルシウム化合物を添加する手段と、該最後段の充填塔の流出水を処理水として取り出す手段とを有することを特徴とするフッ素含有水の処理装置。
] フッ素含有水を、複数段直列に設けた炭酸カルシウム粒子の充填塔と、更にその後段に最後段の充填塔として設けられたフッ素含有種晶の充填塔に順次通水して処理し、該最後段の充填塔の流入水には水溶性カルシウム化合物を添加した後該最後段の充填塔に通水する方法であって、第1段目の充填塔の流入水と流出水のフッ素濃度又はpHがほぼ同一になるまで前記フッ素含有水を通水した後、通水を停止し、その後、該最後段の充填塔内の粒子を系外へ抜き出し、第1段目の充填塔内の粒子を抜き出して該最後段の充填塔に充填し、第2段目以降の充填塔内の粒子を抜き出してそれぞれ直前の充填塔に充填し、該最後段から1つ前の充填塔に新品の炭酸カルシウム粒子を充填した後、前記フッ素含有水の通水を再開することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
] 複数段直列に設けられた炭酸カルシウム粒子の充填塔と、更にその後段に最後段の充填塔として設けられたフッ素含有種晶の充填塔と、該複数段直列に設けられた炭酸カルシウム粒子の充填塔と最後段のフッ素含有種晶の充填塔にフッ素含有水を順次通水する手段と、該最後段の充填塔内の粒子を系外へ抜き出す手段と、第1段目の充填塔内の粒子を抜き出して該最後段の充填塔に充填する手段と、第2段目以降の充填塔内の粒子を抜き出してそれぞれ直前の充填塔に充填する手段と、該最後段から1つ前の充填塔に新品の炭酸カルシウム粒子を充填する手段と、該最後段の充填塔の流入水に水溶性カルシウム化合物を添加する手段と、該最後段の充填塔の流出水を処理水として取り出す手段とを有することを特徴とするフッ素含有水の処理装置。
本発明によれば、フッ素含有水を粒状炭酸カルシウム充填塔による処理と、晶析法による処理とで処理するに当たり、炭酸カルシウム充填塔に充填する炭酸カルシウム粒子として、粒径0.1mm以下の小粒径の炭酸カルシウム粒子を用いることにより、炭酸カルシウム充填塔におけるフッ素除去率のみならず、晶析によるフッ素除去率も高めることができ、また、高純度フッ化カルシウムを得ることができる。また、このように小粒径の炭酸カルシウム粒子を用いることで、前段の粒状炭酸カルシウム充填塔におけるフッ素除去率を大幅に改善することができ、この結果、後段の晶析によるフッ素除去においては、残留する少量のフッ素のみを除去すればよいため、晶析に必要な塩化カルシウム等の水溶性カルシウム化合物や水酸化ナトリウム等のpH調整剤の使用量を削減し、処理コストを抑えることができる。
また、複数段直列に設けた炭酸カルシウム充填塔にフッ素含有水を順次通水し、第1段目で得られたフッ化カルシウム含有粒子を抜き出して最後段の充填塔に充填し、第2段目以降の充填塔内の粒子をそれぞれ直前の充填塔に移送して充填し、最後段から1つ前の充填塔には新品の炭酸カルシウム粒子を充填するようにすることにより、同一タイプの充填塔を用い、最後段の充填塔を晶析塔として機能させて効率的な処理を行うことができる。
本発明によれば、フッ素除去率を98〜99%、或いはそれ以上に高めると共に、CaF純度98〜100%程度の高純度フッ化カルシウムを回収して、これを有効に再利用することが可能となる。
本発明のフッ素含有水の処理装置の実施の形態の一例を示す系統図である。
以下に本発明のフッ素含有水の処理方法及び処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
以下において、フッ素含有水(以下、「原水」と称す場合がある。)を、炭酸カルシウム粒子に接触させて原水中のフッ素と炭酸カルシウムとの反応で該フッ素をフッ化カルシウムとして除去すると共に、該炭酸カルシウム粒子中の炭酸カルシウムの少なくとも一部が該フッ化カルシウムに置換されたフッ化カルシウム含有粒子を得る第1のフッ素除去工程を「前段処理」と称し、この前段処理の処理水に水溶性カルシウム化合物を添加してフッ素含有種晶と接触させて、残留するフッ素を晶析により除去する第2のフッ素除去工程を「後段処理」と称す場合がある。
<炭酸カルシウム粒子>
本発明においては、前段処理に用いる炭酸カルシウム粒子として、粒径100μm以下、好ましくは粒径80μm以下で、体積平均粒子径(以下、単に「平均粒径」と称す。)が20〜80μm、より好ましくは30〜60μmの炭酸カルシウム粒子を用いる。
本発明で用いる炭酸カルシウム粒子の粒径は、後述の作用効果を得る上で小さい方が好ましい。ただし、粒径が過度に小さいと、炭酸カルシウムと原水中のフッ素との反応で生成した炭酸ガスにより、微細な炭酸カルシウム粒子が充填塔から流出し、処理が不安定となり、フッ素除去率も低下するため、上記下限以上とすることが好ましい。
本発明において、このような小粒径の炭酸カルシウム粒子を用いることによる作用効果は以下の通りである。
(1) 炭酸カルシウム粒子の比表面積が大きく、フッ素との反応に関与する面積が大きいため、前段処理における反応速度を速くすることができる。
前段処理において、炭酸カルシウム粒子のCaCOがCaFに変換しても、粒子自体の大きさは変わらないが、分子量100のCaCOが分子量78のCaFに変換されることで密度が小さくなる。即ち、細孔のような細い通路が粒子内部に形成され、この通路に原水が浸入し、粒子内部にまで浸透してゆき、反応はさらに粒子内部にまで進行し、より反応速度が高められる。
その際、炭酸カルシウム粒子の粒径が小さく、その細孔の長さが粒径の2乗に比例して短くなるため、細孔内へ原水が浸入し易く、この点からも反応が速く進行し、粒子内部まで炭酸カルシウムがフッ化カルシウムに置換されたフッ化カルシウム含有粒子を得ることができる。
(2) (1)より、粒子内部にまで反応が進行して高純度のフッ化カルシウム含有粒子を得ることができ、これを後段処理のフッ素含有種晶として有効に用いることができる。また、後段処理においても種晶粒子の粒径が小さく、晶析に寄与する面積が大きいと共に、細孔が短く、被処理水が細孔内に浸入し易いことから、晶析反応が速やかに進行し、処理水フッ素濃度を更に低減すると共に、高純度フッ化カルシウム含有粒子を回収することができる。
(3) 前段処理で得られたフッ化カルシウム含有粒子を後段処理のフッ素含有種晶として用いるに先立ち、このフッ化カルシウム含有粒子を洗浄する際にも以下の利点がある。
フッ化カルシウム含有粒子の細孔内には、原水と同等の高濃度フッ素含有水が浸透しているため、これを洗浄処理するには、洗浄水量、洗浄時間共に多く必要とすることになるが、粒径の小さいフッ化カルシウム含有粒子であれば、粒子内の細孔の長さが短いため、洗浄により細孔内の水を排出させ易い。このため、洗浄水量、洗浄時間を低減することができる。
(4) 炭酸カルシウム粒子の粒径が大きく、得られるフッ化カルシウム含有粒子の粒径も大きく、粒子内部にまで高フッ素濃度の原水が入り込んでいると、浸入水の晶析反応を十分に行えず、これをフッ素含有種晶として用いる場合、処理水フッ素濃度に影響するため、粒子の入れ換え直後には、一般的に原水を受け入れず、後段処理で得られた処理水を前段処理に循環させるなどの煩雑な運転管理が必要となるが、粒径の小さい炭酸カルシウム粒子から得られた粒径の小さいフッ化カルシウム含有粒子であれば、下記(5)のように、このような問題がない。
(5) フッ化カルシウム含有粒子の粒径が小さく、細孔の長さが短いと、後段処理において、フッ化カルシウム含有粒子の細孔内に水溶性カルシウム化合物を含む被処理水が浸入し易く、細孔内に原水が残留していても、この原水についても容易に晶析反応させることができる。
(6) 上記(5)より、フッ化カルシウム含有粒子をフッ素含有種晶として利用する場合、洗浄を行うことなくそのまま利用することもできる。
<フッ素含有水の処理>
本発明は、前述のような小粒径の炭酸カルシウム粒子を用いると共に、前段処理で得られたフッ化カルシウム含有粒子を後段処理のフッ素含有種晶として用いることを特徴とするが、この処理は、好ましくは、原水を、複数段直列に設けた炭酸カルシウム粒子の充填塔と、最後段のフッ素含有種晶の充填塔に順次通水し、最後段の充填塔の流入水に水溶性カルシウム化合物を添加し、最後段の充填塔の流出水を処理水として取り出す運転を行い、第1段目の充填塔の流入水と流出水のフッ素濃度又はpHがほぼ同一になるまで原水の通水を行った後、通水を停止し、最後段の充填塔内の粒子を系外へ抜き出し、第1段目の充填塔内の粒子を抜き出して最後段の充填塔に充填し、第2段目以降の充填塔内の粒子を抜き出してそれぞれ直前の充填塔に充填し、最後段から1つ前の充填塔に新品の炭酸カルシウム粒子を充填した後、原水の通水を再開する運転を繰り返すことで実施することが好ましい。
図1は、このような運転を行うフッ素含有水の処理方法に好適なフッ素含有水の処理装置の一例を示す系統図である。
以下、図1の処理装置による原水の処理について説明する。
原水は配管11より、循環槽1Aを経て、ポンプPを有する配管12から第1充填塔1に導入され、第1充填塔1内を上向流で流れ、処理水は配管13より循環槽1Aに循環される。循環槽1A内の水の一部は、配管14より循環槽2Aを経て、ポンプPを有する配管15から第2充填塔2に導入され、第2充填塔2内を上向流で流れ、処理水は配管16より循環槽2Aに循環される。循環槽2A内の水の一部は、配管17より循環槽3Aを経て、ポンプPを有する配管18から第3充填塔3に導入されるが、その際、第3充填塔3の入口側で、配管19よりCaCl等の水溶性カルシウム化合物が添加されると共に、配管20よりpH調整剤が添加される。配管18からの水は、第3充填塔3内を上向流で流れ、処理水は配管21より循環槽3Aに循環され、循環槽3A内の水の一部が処理水として配管22より系外へ排出される。
即ち、この装置において、第1,2充填塔1,2には炭酸カルシウム粒子が充填され、第3充填塔3にはフッ素含有種晶が充填されており、第1充填塔1と第2充填塔2が前段処理を行うための粒状炭酸カルシウム充填塔として機能し、最後段の第3充填塔3が後段処理を行うための晶析塔として機能する。
晶析塔となる最後段の第3充填塔3の流入水は、pH4〜9であることが好ましく、従って、必要に応じてpH調整剤として水酸化ナトリウム(NaOH)等のアルカリ、塩酸(HCl)等の酸が添加される。
また、水溶性カルシウム化合物としては、塩化カルシウム(CaCl)、炭酸カルシウム(CaCO)等のカルシウム塩や水酸化カルシウム(Ca(OH))等を用いることができる。水溶性カルシウム化合物として、水酸化カルシウム等のアルカリを添加する場合には、添加後のpHが晶析に適当なpHとなるようにpHを適宜調整する。
このようなカルシウム化合物の添加量は、晶析処理される被処理水(図1では第2充填塔2の処理水)中のフッ素濃度の理論量、即ち被処理水のフッ素濃度の1/2モル倍以上であることが好ましく、一般的には、被処理水のフッ素濃度に対して80〜150重量%程度とするのが好ましい。
各充填塔への通水SVは特に限定されないが、SV=0.5〜5hr−1で、いずれの充填塔の通水SVも同等とすることが、運転管理の簡略化の面で好ましい。また、各充填塔の通水LVについては、LV=5〜15m/hrで、充填塔内粒子の展開率が20〜40%程度となるように、循環水量を設定することが、充填塔容積を過度に大きくすることなくフッ素除去率を高める上で好ましい。この通水LVについても、すべての充填塔において同等とすることが、運転管理の簡略化の面で好ましい。
このようにして原水の通水を行うことで、第1充填塔1の流入水と流出水のフッ素濃度又はpHがほぼ同一になったら、原水の通水を停止し、充填塔内の粒子の入れ換えを行う。なお、以下において、流入水と流出水のフッ素濃度又はpHがほぼ同一になることを「飽和に達する」と称す場合がある。
第1充填塔1が飽和に達するということは、第1充填塔1内の粒子がほぼ100%に近い高純度フッ化カルシウム粒子となり、第1充填塔1において、それ以上CaFの固定化反応が起こらないことを意味する。
原水の通水停止後、各充填塔1〜3の粒子を抜き出し、第1充填塔1から抜き出した粒子を第3充填塔3に充填し、第2充填塔2から抜き出した粒子を第1充填塔1に充填し、第3充填塔3から抜き出した粒子を系外へ排出し、第2充填塔2には新品の炭酸カルシウム粒子を充填し、その後、同様に原水の通水を再開する。
原水の通水で飽和に達した第1充填塔1から抜き出した粒子は、高純度フッ化カルシウム含有粒子であり、晶析塔となる第3充填塔3のフッ素含有種晶として有効に用いることができる。また、晶析塔となる最後段の第3充填塔3の直前の充填塔である第2充填塔2に新品の炭酸カルシウム粒子を充填することにより、この第2充填塔2で前段の充填塔の処理水から高度にフッ素を除去することができる。
このように、原水の通水により第1充填塔1が飽和に達した後、通水を停止して充填塔内の粒子の入れ換えを行い、原水の通水と粒子の入れ換えを繰り返し行うことにより、原水を粒状炭酸カルシウムによる処理と晶析法による処理とで高度に処理することが可能となる。
しかも、すべての充填塔を同仕様とし、また、通水条件を統一することで、装置設備の設計と運転管理を簡略化することができる。特に、メリーゴーランド方式とする場合に比べて、原水の流路切り換えなどが不要であり、そのため配管やバルブの数を大きく削減でき、また、晶析塔を含めて充填塔を統一することができ、付帯設備と運転管理の簡略化のメリットは大きい。
なお、第1充填塔1内から抜き出した粒子を第3充填塔3に充填するに当たり、粒子を洗浄してもよい。
ただし、本発明では、小粒径の炭酸カルシウム粒子を用いることによる前述の作用効果で、この粒子を洗浄することなく第3充填塔3に充填しても処理水質を大きく低下させることなく、安定に処理することができる。また、洗浄を行う場合であっても、洗浄処理を容易に行うことができる。特に、大粒径の炭酸カルシウム粒子を用いたメリーゴーランド方式では、洗浄時間が長く、別途洗浄設備が設けられていたが、小粒径のものを用いた粒子の入れ替え方式とすることで、洗浄はより容易となり、洗浄設備も省略することができる。
図1において、充填塔は、晶析塔となる最後段の充填塔も含めて3段に直列に設けられているが、本発明において、充填塔は3段に限らず、4段以上であってもよい。ただし、充填塔数が過度に多いと装置が過大となるため、通常3〜6段程度に充填塔を連結することが好ましい。
いずれの場合であっても、第1段目の充填塔が飽和に到るまで原水の通水を行い、その後、最後段の充填塔内の粒子を系外へ抜き出し、第1段目の充填塔内の粒子を抜き出して該最後段の充填塔に充填し、第2段目以降の充填塔内の粒子を抜き出してそれぞれ直前の充填塔に充填し、該最後段から1つ前の充填塔に新品の炭酸カルシウム粒子を充填した後、原水の通水を再開すればよい。
なお、装置の運転開始に当たって、すべての充填塔に新品の炭酸カルシウム粒子を充填した場合、第1段目の充填塔が飽和に達しても、最後段の充填塔内の粒子は、フッ化カルシウム含有量が非常に低いものとなる。従って、この初回の運転時にのみ、最後段の充填塔の流入水には水溶性カルシウム化合物及びpH調整剤を添加せずに通水を行い、第1段目の充填塔が飽和に達した時点で、各充填塔内の粒子を抜き出し、第1段目の充填塔内の粒子を最後段の充填塔に充填し、第2段目以降の充填塔内から抜き出した粒子をそれぞれ直前の充填塔に充填し(即ち、初回の運転時には、フッ化カルシウム含有粒子を回収せず)、その後の原水の通水再開時、即ち、2回目の運転以降から、前述のように、各充填塔に連続的に原水を通水すると共に、最後段の充填塔に水溶性カルシウム化合物とpH調整剤を添加するようにしてもよい。また、この場合において、初回の運転で最後段の充填塔から得られる処理水のフッ素濃度は十分に低減されていない場合が多いため、初回の運転時に、最後段の充填塔から得られる処理水は、採水せずに第1段目の充填塔に循環するようにしてもよい。
本発明において、処理対象とされるフッ素含有水は電子産業プロセス排水、フッ酸製造排水等のフッ素含有水であり、そのフッ素(F)濃度には特に制限はないが、本発明は特に1,000〜10,000mg−F/L程度の高濃度フッ素含有水の処理に好適である。このフッ素含有水は、アンモニウムイオン(NH )やリン酸イオン(PO 3−)等のフッ素イオン以外の成分が含有していても良い。
本発明では、このような高濃度フッ素含有水を、小粒径の炭酸カルシウム粒子を用いて、粒状炭酸カルシウムによる処理と晶析法とにより処理することにより、フッ素を低濃度にまで除去するものであるが、晶析塔となる最後段の充填塔に流入する被処理水のフッ素濃度が高いと、微細な粒子の流出の問題が生じる恐れがあるので、最後段の充填塔の流入水のフッ素濃度が50mg/L以下、例えば20〜40mg/Lとなるように、前段の充填塔で処理を行うことが好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
炭酸カルシウム粒子として粒径80μm以下、平均粒径50μmのものを用い、図1に示す装置でフッ素濃度2000〜3000mg/Lのフッ素含有水を原水として処理を行った。各充填塔1〜3には、炭酸カルシウム粒子を充填し、原水はSV=2hr−1で通水した。また、いずれの充填塔においても通水LV=20m/hrとなるように循環水量を設定した。また、最後段の第3充填塔3の流入水にCaClを100〜200mg/L添加すると共に、pH調整剤(NaOH)を添加してpH7〜8に調整した。
原水の通水を継続することで、第1充填塔1が飽和となった時点で原水の通水を停止し、その後、各充填塔内の粒子を抜き出し、第1充填塔1から抜き出した粒子を第3充填塔3に充填し、第3充填塔3から抜き出した粒子を系外へ排出し、第2充填塔2から抜き出した粒子を第1充填塔1に充填し、第2充填塔2に新品の炭酸カルシウム粒子を充填した後、第1回目の通水運転と同一の条件で原水の通水を再開した。
上記の条件で原水の通水と、充填塔内の粒子の入れ換えを繰り返し行ったところ、2回目以降の通水運転で得られた処理水のフッ素濃度は10〜50mg/Lであり、高水質の処理水を安定して得ることができた。また、第3充填塔3から回収した粒子のCaF純度は99%であり、高純度フッ化カルシウムを得ることができた。
[比較例1]
実施例1において、炭酸カルシウム粒子として粒径100〜500μm、平均粒径300μmのものを用いたこと以外は同様にして処理を行ったところ、2回目以降の通水運転における処理水のフッ素濃度は50〜80mg/Lと実施例1の場合よりも高く、また第3充填塔3から回収した粒子のCaF純度も97%で、実施例1よりも劣るものであった。
[比較例2]
実施例1で用いたものと同粒径の炭酸カルシウム粒子を用い、第3充填塔3の流入水にCaClとpH調整剤を添加しないこと以外は、実施例1におけると同一条件で原水の通水を行い、第1充填塔1が飽和となった時点で原水の通水を停止した。
その後、各充填塔1〜3から粒子を抜き出し、第2充填塔2から抜き出した粒子を第1充填塔1に充填し、第3充填塔3から抜き出した粒子を第2充填塔2に充填し、第3充填塔3に新品の炭酸カルシウム粒子を充填し、再び同一条件で原水の通水を再開する運転を繰り返した。
本比較例は、従来法のメリーゴーランド方式の処理に相当する。
このようにして運転を行ったときの処理水のフッ素濃度は100〜300mg/Lであり、フッ素濃度を十分に低減することはできなかった。また、第1充填塔1から回収した粒子のCaF純度は97%で実施例1よりも劣るものであった。
1 第1充填塔
2 第2充填塔
3 第3充填塔
1A,2A,3A 循環槽

Claims (4)

  1. フッ素含有水を炭酸カルシウム粒子に接触させて、該フッ素含有水中のフッ素と炭酸カルシウムとの反応で該フッ素をフッ化カルシウムとして除去すると共に、該炭酸カルシウム粒子中の炭酸カルシウムの少なくとも一部が該フッ化カルシウムに置換されたフッ化カルシウム含有粒子を得る第1のフッ素除去工程と、
    該第1のフッ素除去工程の処理水に水溶性カルシウム化合物を添加してフッ素含有種晶と接触させて、残留するフッ素を晶析により除去する第2のフッ素除去工程とを有するフッ素含有水の処理方法において、
    前記炭酸カルシウム粒子として、粒径0.1mm以下の炭酸カルシウム粒子を用いると共に、
    前記第1のフッ素除去工程で得られた前記フッ化カルシウム含有粒子を、前記第2のフッ素除去工程における前記フッ素含有種晶として用い
    前記フッ素含有水を、複数段直列に設けた前記炭酸カルシウム粒子の充填塔と、最後段の前記フッ素含有種晶の充填塔に順次通水し、
    該最後段の充填塔の流入水に前記水溶性カルシウム化合物を添加し、該最後段の充填塔の流出水を処理水として取り出す方法であって、
    第1段目の充填塔の流入水と流出水のフッ素濃度又はpHがほぼ同一になるまで前記フッ素含有水の通水を行った後、通水を停止し、
    最後段の充填塔内の粒子を系外へ抜き出し、
    第1段目の充填塔内の粒子を抜き出して該最後段の充填塔に充填し、
    第2段目以降の充填塔内の粒子を抜き出してそれぞれ直前の充填塔に充填し、
    該最後段から1つ前の充填塔に新品の炭酸カルシウム粒子を充填した後、
    前記フッ素含有水の通水を再開することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  2. 炭酸カルシウム粒子を充填した充填塔を有し、フッ素含有水中のフッ素と炭酸カルシウムとの反応で該フッ素含有水中のフッ素をフッ化カルシウムとして除去すると共に、該炭酸カルシウム粒子中の炭酸カルシウムの少なくとも一部をフッ化カルシウムに置換してフッ化カルシウム含有粒子を得る第1のフッ素除去手段と、フッ素含有種晶を充填した充填塔を有し、フッ素含有水中のフッ素を晶析除去する第2のフッ素除去手段と、該第1のフッ素除去手段にフッ素含有水を通水する手段と、該第1のフッ素除去手段の流出水に水溶性カルシウム化合物を添加する手段と、該水溶性カルシウム化合物が添加された該第1のフッ素除去手段の流出水を該第2のフッ素除去手段に通水する手段とを有するフッ素含有水の処理装置において、
    前記第1のフッ素除去手段の前記炭酸カルシウム粒子が粒径0.1mm以下の炭酸カルシウム粒子であり、
    前記第2のフッ素除去手段の前記フッ素含有種晶が、前記第1のフッ素除去手段で得られた前記フッ化カルシウム含有粒子であり、
    前記第1のフッ素除去手段は、複数段直列に設けられた炭酸カルシウム粒子の充填塔を有し、前記第2のフッ素除去手段の前記充填塔は、該第1のフッ素除去手段の複数の充填塔群の後段に最後段の充填塔として設けられており、
    該最後段の充填塔内の粒子を系外へ抜き出す手段と、
    第1段目の充填塔内の粒子を抜き出して該最後段の充填塔に充填する手段と、
    第2段目以降の充填塔内の粒子を抜き出してそれぞれ直前の充填塔に充填する手段と、
    最後段から1つ前の充填塔に新品の炭酸カルシウム粒子を充填する手段と、
    該最後段の充填塔の流入水に前記水溶性カルシウム化合物を添加する手段と、
    該最後段の充填塔の流出水を処理水として取り出す手段とを有することを特徴とするフッ素含有水の処理装置。
  3. フッ素含有水を、複数段直列に設けた炭酸カルシウム粒子の充填塔と、更にその後段に最後段の充填塔として設けられたフッ素含有種晶の充填塔に順次通水して処理し、該最後段の充填塔の流入水には水溶性カルシウム化合物を添加した後該最後段の充填塔に通水する方法であって、
    第1段目の充填塔の流入水と流出水のフッ素濃度又はpHがほぼ同一になるまで前記フッ素含有水を通水した後、通水を停止し、その後、
    該最後段の充填塔内の粒子を系外へ抜き出し、
    第1段目の充填塔内の粒子を抜き出して該最後段の充填塔に充填し、
    第2段目以降の充填塔内の粒子を抜き出してそれぞれ直前の充填塔に充填し、
    該最後段から1つ前の充填塔に新品の炭酸カルシウム粒子を充填した後、
    前記フッ素含有水の通水を再開することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  4. 複数段直列に設けられた炭酸カルシウム粒子の充填塔と、更にその後段に最後段の充填塔として設けられたフッ素含有種晶の充填塔と、
    該複数段直列に設けられた炭酸カルシウム粒子の充填塔と最後段のフッ素含有種晶の充填塔にフッ素含有水を順次通水する手段と、
    該最後段の充填塔内の粒子を系外へ抜き出す手段と、
    第1段目の充填塔内の粒子を抜き出して該最後段の充填塔に充填する手段と、
    第2段目以降の充填塔内の粒子を抜き出してそれぞれ直前の充填塔に充填する手段と、
    該最後段から1つ前の充填塔に新品の炭酸カルシウム粒子を充填する手段と、
    該最後段の充填塔の流入水に水溶性カルシウム化合物を添加する手段と、
    該最後段の充填塔の流出水を処理水として取り出す手段と
    を有することを特徴とするフッ素含有水の処理装置。
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