JP6299226B2 - 金属張積層基板、配線基板、および多層配線基板 - Google Patents

金属張積層基板、配線基板、および多層配線基板 Download PDF

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本発明は、シクロオレフィンポリマーフィルムと金属層とからなる金属張積層基板および配線基板、多層配線基板に関する。
フレキシブル配線基板などの基材となるポリマーには、ポリイミドなどが広く用いられてきた。
近年の電子部品が処理する信号の高周波化に伴い、ポリイミドでは十分に高周波特性を発揮できないでいる。そこで、高周波における誘電損失が低いといった電気特性に優れていることから、シクロオレフィンポリマーフィルムは、フレキシブル配線基板などのプリント配線基板向けの絶縁フィルムへの展開が検討されている。
シクロオレフィンポリマーフィルムを用いた配線基板を得るには、基材にシクロオレフィンポリマーフィルムを用いた金属張積層基板を、いわゆるサブトラクティブ法やセミアディティブ法で配線加工することで実現できる。
シクロオレフィンポリマーフィルムを基材とした銅張積層基板の製造方法としては、各種方法が知られている。その一つはシクロオレフィンポリマーと電気回路の配線を形成する銅箔を接着剤で張り合わせた3層基板があるが、接着剤の影響を受けて誘電特性が優れない。一方、接着剤を用いない2層基板では、電気回路の配線を形成する銅箔とシクロオレフィンポリマーフィルムまたはシクロオレフィンポリマーを含むプリプレグとを熱圧着(ラミネート)法にて貼り合わせる方法(特許文献1には銅箔とプリプレグとをラミネートする技術が開示)が知られている。
特開2012−214602号公報
基材のシクロオレフィンポリマーは高周波における誘電損失が低いといった電気特性に優れている。しかし、基材の電気特性が優れていても、配線と基材の表面粗さが粗いと十分な高周波特性を発揮することができない。
このような状況の中で、本発明の課題とするところは、シクロオレフィンポリマーの優れた誘電特性を発揮できる金属張積層基板、配線基板および多層配線基板を提供することである。
本発明の第1の発明は、シクロオレフィンポリマーフィルムの少なくとも一方の表面に接着剤を介することなく表面の二乗平均粗さ(RMS)が50nm以下、且つ算術平均粗さ(Ra)が50nm以下である金属層が積層された金属張積層基板において、そのシクロオレフィンポリマーフィルムの金属層を設ける側の表面の二乗平均粗さ(RMS)が50nm以下、且つ算術平均粗さ(Ra)が50nm以下であることを特徴とする金属張積層基板である。
本発明の第2の発明は、第1の発明における金属層が、銅からなる銅層であることを特徴とする金属張積層基板である。
本発明の第3の発明は、第1の発明における金属層が、シクロオレフィンポリマーフィルム表面に設けられた下地金属層と、その下地金属層の表面に設けられた銅からなる銅層の積層体であることを特徴とする金属張積層基板である。
本発明の第4の発明は、シクロオレフィンポリマーフィルムの少なくとも一方の表面に接着剤を介することなく表面の二乗平均粗さ(RMS)が50nm以下、且つ算術平均粗さ(Ra)が50nm以下である金属層からなる配線が配された配線基板において、そのシクロオレフィンポリマーフィルムの金属層を設ける側の表面の二乗平均粗さ(RMS)が50nm以下、且つ算術平均粗さ(Ra)が50nm以下であることを特徴とする配線基板である。
本発明の第5の発明は、第4の発明における金属層が、銅からなる銅層であることを特徴とする配線基板である。
本発明の第6の発明は、第4の発明における金属層が、シクロオレフィンポリマーフィルム表面に設けられた下地金属層と、その下地金属層の表面に設けられた銅からなる銅層の積層体であることを特徴とする配線基板である。
本発明の第7の発明は、第4〜第6の発明に記載の配線基板を複数個積層した多層配線基板である。
本発明によれば、高周波特性に優れた銅張積層基板、配線基板、多層配線基板を提供することができる。
[1]金属張積層基板と金属層の表面粗さの関係
本発明にかかる金属張積層基板は、基材となるシクロオレフィンポリマーフィルムの少なくとも一方の表面に接着剤を介することなく金属層が積層された金属張積層基板において、そのシクロオレフィンポリマーフィルムの金属層が設けられる側の表面の二乗平均粗さ(RMS)が50nm以下、且つ算術平均粗さ(Ra)が50nm以下であり、前記金属層の表面の二乗平均粗さ(RMS)が50nm以下、且つ算術平均粗さ(Ra)が50nm以下であることを特徴とする。
ここで、基材のシクロオレフィンポリマーの金属層が積層される側の表面の二乗平均粗さ(RMS)を50nm以下、且つ算術平均粗さ(Ra)を50nm以下に限定するのは、積層される金属層の表面粗さを規定するためである。
金属層は、基材のシクロオレフィンポリマーの表面粗さに追従する。
さらに、金属層の表面は、二乗平均粗さ(RMS)が50nm以下、且つ算術平均粗さ(Ra)が50nm以下である。金属層は、基材側も表面側も二乗平均粗さ(RMS)が50nm以下、且つ算術平均粗さ(Ra)が50nm以下となる。
すなわち、金属層は、10nm単位以下での平滑性を備えるのである。
したがって、金属層の表面粗さの限定する、すなわち平滑性を規定するのは、金属層で伝送される高周波電流が表皮効果により金属層の表面に集まるので、金属層表面での高周波電流の損失を防ぐためである。ここで、高周波電流とは20GHzより高い周波数の領域をいう。
市場で入手可能な銅箔などの金属箔の表面粗さRaは200nm程度である。銅箔がこのような表面粗さとなるのは、基材との密着性確保のためである。しかし、密着性のための表面粗さは誘電特性には不適切である。
[2]金属層
金属層は、配線加工されて配線基板の導体となるので、導電性の優れる銅からなる銅層を用いることが望ましい。その銅層の厚みは、配線の加工性や配線の抵抗値などを考慮して適宜選択することができるが、0.1μm〜12μmが望ましい。
銅層と基材のシクロオレフィンポリマーフィルムの密着性を向上させるため、シクロオレフィンポリマーフィルムと銅層の間に下地金属層を設けることもできる。
下地金属層を設ける場合、金属層は、基材側から下地金属層と銅層の順に積層された積層構造となる。
下地金属層は、例えば、ニッケル、クロム、モリブデン、チタン、バナジウム、錫、金、銀、亜鉛、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、鉄、アルミニウム、鉛−錫系はんだ合金などが挙げられ、これらの金属を1種以上含む合金であることが望ましい。さらには、これらの中でも、ニッケル、クロム、ニッケルを含む合金、クロムを含む合金、ニッケル及びクロムを含む合金から選ばれる1種であることが望ましい。
下地金属層の膜厚は、2nm以上であることが望ましく、上限としては30nm以下であることが望ましい。
なお、配線基板を積層して多層配線基板とする場合、表裏の配線基板に挟まれる配線基板では、基材のシクロオレフィンポリマーフィルムと金属層の密着性は重要ではないので、銅層と基材のシクロオレフィンポリマーフィルムの間に下地金属層を配さなくてもよい。
[3]金属張積層基板の製造方法
本発明にかかる金属張積層基板の製造方法は、基材の表面に乾式めっき法もしくは乾式めっき法と湿式めっき法を併用する。
機材の表面粗さ(平滑性)が規定されたシクロオレフィンポリマーフィルムの表面に、スパッタリング法などの乾式めっき法で2nm〜1000nmの金属層の一部となる金属薄膜を成膜し、さらに、前記金属薄膜の表面に電気めっき等の湿式めっき法で成膜を行い金属層が完成となる。
基材のシクロオレフィンポリマーフィルムと金属層の密着性を向上させる為に、シクロオレフィンポリマーの金属層を設ける側の表面にイオンビーム処理やプラズマ処理を施してもよい。その場合、イオンビーム処理やプラズマ処理後のシクロオレフィンポリマーフィルムの表面の二乗平均粗さ(RMS)が50nm以下、且つ算術平均粗さ(Ra)が50nm以下を確保することが必要である。
基材のシクロオレフィンポリマーフィルムの表面に金属層を設けるので、金属層は、シクロオレフィンポリマーフィルムの表面粗さに追従する表面粗さ(平滑性)を備えることとなる。
さらに、基材として長尺のシクロオレフィンポリマーフィルムを用いる場合は、公知のロールツーロール方式のスパッタリングウェブコーターでスパッタリング成膜を行い、さらに公知のロールツーロール方式の連続電気めっき装置を用いれば、電気めっきの成膜を行える。
イオンビームによる表面処理に使用するガスは、酸素、アルゴン、窒素、水素、二酸化炭素、水蒸気等を使用することができる。また、これらのガスの混合したガスを使用してもよい。
ロールツーロール方式の装置の場合、フィルムの幅方向に均一な処理をするため、通常はリニアタイプのイオンビーム源が使用される。イオンビーム電極に導入するガス流量は電極のサイズに依存する。たとえば、イオンビームの有効長さが500mmの場合、導入するガス流量は、10〜200sccmであることが望ましく、20〜100sccmの範囲がより望ましい。流量が少ないと放電の維持が難しく、流量が多すぎるとアークが発生したり、ビームの拡散が広がるためである。
また、イオンビームによるフィルムの表面処理量は、ガス種、印加電圧、放電電流、処理時間にも依存する。さらに印加電圧を変化させると放電電流も変化するため、イオンビーム処理強度Jを下記(1)式のように定めて行うとよい。
Figure 0006299226
プラズマによる表面処理に使用するガスは、酸素、アルゴン、窒素、水素、二酸化炭素、水蒸気等を使用することができる。また、これらのガスの混合したガスを使用してもよい。
プラズマによる表面処理におけるガス圧は0.5Pa以上が望ましく、ガス圧の下限は、使用するガス種によって異なり、放電持続可能な圧力とする必要がある。
これは、電子衝撃による気体の電離断面積や、電極表面や放電空間の状態によって変化する。また、電源の周波数にも依存し、例えば、直流放電プラズマより高周波放電プラズマの方が、より低圧で放電可能である。ガス圧の上限は特にないが、直流放電プラズマでは、アーク放電が発生する圧力より低圧にすることが望ましい。
また、プラズマによるフィルムの表面処理量は、ガス種、印加電圧、放電電流、処理時間にも依存する。さらに印加電圧を変化させると電流も変化するため、プラズマ処理強度Jを下記(2)式のように定めて行うとよい。
Figure 0006299226
スパッタリング成膜の場合、成膜置内の圧力が1×10−4Pa以下となるまで真空引きした後、プラズマ処理のガスを導入し、直流放電プラズマにより、フィルム表面にプラズマ処理をおこなう。
次に、下地金属層と銅層を成膜する手順を説明する。
公知のスパッタリングウェブコーターを用いて、シクロオレフィンポリマーフィルムの表面に下地金属層を成膜し、下地金属層の表面に銅層の一部を構成する銅薄膜層を成膜してスパッタリング成膜は終了する。スパッタリング成膜が施されたシクロオレフィンポリマーフィルムの銅薄膜層の表面に銅電気めっきにより銅層の一部を構成する銅電気めっき層を成膜する。銅薄膜層と銅電気めっき層の膜厚を目的の膜厚まで成膜すると、金属張積層基板が完成する。
本発明に係る金属張積層基板から、その配線幅を1mmに加工した配線基板の密着性は、JIS C 6471−1995に記載されている90°方向引き剥がし方法で、200N/m以上あれば十分である。
金属張積層基板からサブトラクティブ法などで配線加工する際に、基材と金属層間に必要な密着性が、200N/m以上なのである。この配線基板の金属層の密着性は高いことが望ましいことは勿論であるが、より高い密着性を確保するために、強いプラズマ処理やイオンビーム処理等によって、シクロオレフィンポリマーフィルムの表面粗さが粗くなることやシクロオレフィンポリマーの変質に起因する誘電特性の劣化は、基材にシクロオレフィンポリマーを用いるメリットを失うことになってしまう。
さらに、得られた配線基板を実際に使用する場合には、カバーレイフィルムを被覆するので、配線加工が可能な密着性が確保されていれば、実用上の問題は生じない。
[4]シクロオレフィンポリマー
基材に用いるシクロオレフィンポリマーは、炭素原子で形成される環構造を有し、その環構造中に重合性の炭素−炭素二重結合を1つ有するシクロオレフィンモノマーが重合した熱可塑性樹脂である。
シクロオレフィンポリマーは、シクロオレフィンモノマー単位で環構造を有するが、係る環構造には、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造や不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、得られるプリプレグ及び金属張積層板が機械強度や耐熱性に優れたものとなることから、そのシクロオレフィンモノマー単位の環構造としてはシクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましい。
なお、環構造を構成する炭素原子数には、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲である。
シクロオレフィンポリマー中のシクロオレフィンモノマー単位の割合は、所望により適宜選択すればよいが、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。シクロオレフィンモノマー単位の割合がこの範囲にあると、得られるプリプレグ等の機械強度が向上して好ましい。
このようなシクロオレフィンポリマーとしては、シクロオレフィンモノマーの開環重合体、シクロオレフィンモノマーの付加重合体、シクロオレフィンモノマーと鎖状オレフィンモノマーとの付加共重合体、及びこれらの水素化物が挙げられる。
シクロオレフィンポリマーを構成するシクロオレフィンモノマーは、炭素原子で形成される環構造を有し、かつ該環構造中に重合性の炭素−炭素二重結合を1つ有する化合物である。ここで、「重合性の炭素−炭素二重結合」とは、連鎖重合(開環重合)可能な炭素−炭素二重結合をいう。
シクロオレフィンモノマーの環構造としては、単環、多環、縮合多環、橋かけ環及びこれらの組み合わせ多環などが挙げられる。環構造を構成する炭素原子数には特に限定はないが、通常、4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個である。
これらのシクロオレフィンモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、本発明の効果を損失しない範囲であれば、シクロオレフィンモノマーと共重合可能な任意のモノマーをさらに用いることができる。
[5]配線基板
金属張積層基板は、サブトラクティブ法またはセミアディティブ法で配線加工を施されて、配線基板となる。
このサブトラクティブ法とは、一般に金属張積層基板の金属層を化学エッチング処理して不要部分を除去する方法である。
即ち、金属張積層基板の金属層のうち導体配線として残したい部分の表面にレジストを設け、銅に対応するエッチング液による化学エッチング処理と水洗を経て、金属層の不要部分を選択的に除去して導体配線を形成するものである。
一方セミアディティブ法とは、金属張積層基板の金属層の上にレジスト層を形成し、フォトリソグラフィーにより、レジスト層をパターンニングし、配線を形成したい箇所のレジスト層を除去して得られる金属層が露出した開口部分に銅めっきを施し、配線を形成する。配線を形成後、レジスト除去を行い、金属層を化学エッチング処理して金属層部分を除去する方法である。
配線の表面には、錫めっき、ニッケルめっき、金めっきなどを必要に応じて公知のめっき方法で必要な箇所に施し、公知のカバーレイフィルムなどで表面が覆われる。そして、半導体素子などの電子部品が実装されて電子装置を形成する。
なお、カバーレイフィルムと配線基板の間に粘着層を挟むことがある。このカバーレイフィルムには、低誘電率化や低誘電損失化が達成できる誘電特性に優れた材料を選択すればよい。例えば、カバーレイフィルムの基材にシクロオレフィンポリマー、液晶ポリマー、フッ素樹脂を用い、粘着層には、低誘電損失の為の、ポリエステル樹脂、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を選択できる。
さらに、配線を形成する金属層が3層以上あれば、多層基板である。多層基板を得るには、配線基板を貼りあわせればよい。
以下に本発明の実施例、比較例を示して詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら制限されることはない。
実施例においては、シクロオレフィンポリマーフィルム表面および金属層表面の二乗平均粗さ(RMS)及び算術平均粗さ(Ra)、シクロオレフィンポリマーフィルム−金属層間の密着強度は以下の方法により測定した。
・二乗平均粗さ(RMS)及び算術平均粗さ(Ra)
日本ビーコ株式会社製「NanoscopeV」及びNANOWORLD社製「プローブSEIHR(ばね定数:12−13N/m、共振周波数123−125kHz)」にて、シクロオレフィンポリマーフィルム表面をタッピングモードにて測定し、2μm×2μm角内のRMS及びRaを算出した。なお測定は各2回行った。
・密着強度
銅層側に1mm幅のマスキングを行った後、温度40℃で比重40°ボーメの塩化第二鉄溶液に30秒間浸漬し、金属層をエッチングして除去することで、1mm幅の金属層を配線とする配線基板を得た。
株式会社島津製作所製 オートグラフEZ Graphにて、JIS C 6471−1995に記載されている90°方向引き剥がし方法で、金属層を20mm/min、90°方向に引っ張り、得られた引き剥がし荷重を試料幅1mmで除した値を接着強度(N/m)とした。なお、測定は各2回行った。
・伝送損失
特性インピーダンスが50Ωのマイクロストリップ線路を長さ100mm形成し、Agilent Technologies社製のネットワークアナライザーE8363Bにより、各周波数(5、20、40GHz)での伝送損失を求めた。
日本ゼオン株式会社製「シクロオレフィンポリマーフィルム(ゼオノアフィルムZF14、膜厚50μm ゼオノア:登録商標)」を基材に用い、そのシクロオレフィンポリマーフィルムの表面に、プラズマ処理強度450J/mにて酸素プラズマ処理を行い、続いてスパッタリング法によりNi−20%Crを4nm、銅を100nm積層し、続いて電解銅めっきにより銅層を9μm形成し、金属張積層基板を得た。
界面の表面粗さとしてプラズマ処理後のシクロオレフィンポリマーフィルム表面の2μm×2μm角内におけるRMS及びRaを算出した結果を表1に示す。また銅層形成後の銅層表面における表面粗さを同様に測定し、結果を表1に示す。
次に、この金属張積層基板をエッチング加工して所定のパターンを形成し、密着強度、伝送損失を測定した。その結果を表1に纏めて示す。
実施例1と同じシクロオレフィンポリマーフィルム表面に、プラズマ処理強度120J/mにて酸素プラズマ処理を行い、実施例1と同じ操作で金属張積層基板を得た。
プラズマ処理後のシクロオレフィンポリマーフィルム表面および銅表面の表面粗さ、密着強度、伝送損失を測定した結果を表1に示す。
実施例1と同じシクロオレフィンポリマーフィルム表面に、イオンビーム処理強度1000J/mにて酸素イオンビーム処理を行い、実施例1と同じ操作で金属張積層基板を得た。
プラズマ処理後のシクロオレフィンポリマーフィルム表面および銅表面の表面粗さ、密着強度、伝送損失を測定した結果を表1に示す。
実施例1と同じシクロオレフィンポリマーフィルム表面に、イオンビーム処理強度1500J/mにて酸素イオンビーム処理を行い、実施例1と同じ操作で金属張積層基板を得た。
プラズマ処理後のシクロオレフィンポリマーフィルム表面および銅表面の表面粗さ、密着強度、伝送損失を測定した結果を表1に示す。
実施例1と同じシクロオレフィンポリマーフィルム表面に、イオンビーム処理強度1300J/mにて窒素イオンビーム処理を行い、実施例1と同じ操作で金属張積層基板を得た。
プラズマ処理後のシクロオレフィンポリマーフィルム表面および銅表面の表面粗さ、密着強度、伝送損失を測定した結果を表1に示す。
実施例1と同じプラズマ処理を施したシクロオレフィンポリマーフィルム表面に、直接銅を100nm形成し、実施例1と同じ操作で金属張積層基板を得た。
プラズマ処理後のシクロオレフィンポリマーフィルム表面および銅表面の表面粗さ、密着強度、伝送損失を測定した結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同じシクロオレフィンポリマーフィルムの両面に、粗化面の最大表面粗さ(Rz)が1.5μmで、厚みが9μmの銅箔を張り合わせて、金属張積層基板を得た。
界面の表面粗さとして、銅箔の粗化面および金属張積層基板の表面の2μm×2μm角内におけるRMS及びRaを算出した結果を表1に示す。また金属張積層基板の銅表面における表面粗さを同様に測定し、結果を表1に示す。
次に、この金属張積層基板をエッチング加工して所定のパターンを形成し、密着強度、伝送損失を測定した。その結果を表1に纏めて示す。
(比較例2)
基材に東レ・デュポン社製「ポリイミドフィルム(カプトンEN カプトン:登録商標)」を用いた以外は、実施例1と同じ操作で金属張積層基板を得た。
プラズマ処理後のポリイミドフィルム表面および銅表面の表面粗さを測定した結果を表1に示す。
次に、この金属張積層基板をエッチング加工して所定のパターンを形成し、密着強度、伝送損失を測定した。その結果を表1に纏めて示す。
これらの結果より、比較例1の伝送損失は、上記実施例の2倍以上であった。また、比較例2の20GHzと40GHzの伝送損失は、上記実施例より高く、劣っていた。
Figure 0006299226

Claims (7)

  1. シクロオレフィンポリマーフィルムの少なくとも一方の表面に接着剤を介することなく表面の二乗平均粗さ(RMS)が50nm以下、且つ算術平均粗さ(Ra)が50nm以下である金属層が積層された金属張積層基板において、
    前記シクロオレフィンポリマーフィルムの金属層を設ける側の表面の二乗平均粗さ(RMS)が50nm以下、且つ算術平均粗さ(Ra)が50nm以下であることを特徴とする金属張積層基板。
  2. 前記金属層が、銅からなる銅層であることを特徴とする請求項1に記載の金属張積層基板。
  3. 前記金属層が、前記シクロオレフィンポリマーフィルム表面に設けられた下地金属層と前記下地金属層の表面に設けられた銅からなる銅層の積層体であることを特徴とする請求項1に記載の金属張積層基板。
  4. シクロオレフィンポリマーフィルムの少なくとも一方の表面に接着剤を介することなく表面の二乗平均粗さ(RMS)が50nm以下、且つ算術平均粗さ(Ra)が50nm以下である金属層からなる配線が配された配線基板において、
    前記シクロオレフィンポリマーフィルムの金属層を設ける側の表面の二乗平均粗さ(RMS)が50nm以下、且つ算術平均粗さ(Ra)が50nm以下であることを特徴とする配線基板。
  5. 前記金属層が、銅からなる銅層であることを特徴とする請求項4に記載の配線基板。
  6. 前記金属層が、前記シクロオレフィンポリマーフィルム表面に設けられた下地金属層と前記下地金属層の表面に設けられた銅からなる銅層の積層体であることを特徴とする請求項4に記載の配線基板。
  7. 請求項4から6のいずれか1項に記載の配線基板を複数個積層した多層配線基板。
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