本発明に基づいた各実施の形態および実施例について、以下、図面を参照しながら説明する。各実施の形態および実施例の説明において、個数および量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数およびその量などに限定されない。各実施の形態および各実施例の説明において、同一の部品および相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰返さない場合がある。
以下の説明では、本発明に係る電子機器の一例として、近接センサーについて説明するが、本発明は、これに限らず各種の電子機器として実装することが可能である。但し、本発明に係る電子機器の封止性を考慮すると、各種のセンサーとして実装するのが好適である。
[全体構成]
まず、図1〜図5を参照して、本実施の形態の近接センサー510について説明する。図1は、本実施の形態の近接センサー510を示す斜視図である。図2は、本実施の形態の近接センサー510の分解した状態を示す斜視図である。図3は、図1中のIII−III線に沿った矢視断面図である。図4は、図1中のIV−IV線に沿った矢視断面図である。図5は、本実施の形態の近接センサー510が含む検出部210の近傍を拡大して示す断面図である。
図1〜図5を参照して、近接センサー510は、検出領域内に磁界を発生させて検出対象の接近または有無を検出する誘導形の近接センサーである。近接センサー510により検出される検出対象は、導電性の物体である。近接センサー510により検出される検出対象は、代表的には、鉄などの磁性金属を含む。近接センサー510により検出される検出対象は、銅またはアルミニウムなどの非磁性金属を含んでいてもよい。
近接センサー510は、仮想上の中心軸102(図3および図4参照)に沿って円筒状に延伸する外観を有する。近接センサー510は、検出部210(図3〜図5参照)と、コイルケース20と、プリント基板50(図2〜図5参照)と、筐体であるベース金具60と、クランプ80と、リングコード70とを含む。
検出部210は、検出対象の接近または有無を検出する。一例として、検出部210は、コイルに電流を流すことで磁界を発生し、この発生した磁界と検出対象との電磁的な相互作用を利用して、検出対象の接近または有無を検出する。検出部210は、検出領域と向かい合う近接センサー510の前端側に設けられている。検出部210は、主として、コア40と、電磁コイル36(図3〜図5参照)と、コイルスプール30(図2〜図5参照)とを含む。
コア40は、例えば、フェライトなどの高周波特性の良い材料で形成されている。コア40は、検出部210のコイル特性を高めるとともに、磁束を検出領域に集中させる機能を有する。電磁コイル36は、コイル線であって、コイルスプール30に巻回されている。電磁コイル36は、中心軸102を中心に巻回されている。本実施の形態においては、電磁コイル36の巻回中心軸は、中心軸102と一致するように構成されている。
コイルスプール30は、電気絶縁性を有する樹脂で形成されている。コイルスプール30は、コア40に形成された環状の溝の内部に収容されている。コイルピン46は、導電性の金属から形成されている。コイルピン46は、コイルスプール30により支持されている。コイルピン46は、検出部210からプリント基板50の側に向けて延出する形状を有する。コイルピン46の延びる先は、プリント基板50上に形成されたパターンに接続されている。
検出部210から延出するコイルピン46の根元部には、コイルスプール30の外周上から引き出された電磁コイル36の先端37が巻き付けられている。電磁コイル36とプリント基板50とは、コイルピン46および図示しないはんだを介して互いに電気的に接続されている。
検出部210は、コイルケース20内に収容されている。コイルケース20は、ベース金具60の前端側の開口61に装着される前面カバーとして機能する。コイルケース20は、典型的には、樹脂部120を形成する樹脂との接着性のよい、熱可塑性樹脂といった材料で形成されている。コイルケース20の材料としては、例えば、ABS、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PA(ポリアミド)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PES(ポリエーテルサルフォン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、LCP(液晶ポリマー)、PS(ポリスチレン)、および、これらの混合材などから、適時選択できる。
コイルケース20は、検出部210を収容する前端側のカバーとして設けられている。コイルケース20は、本体ケースであるベース金具60の前端側の開口61を塞ぐ。コイルケース20は、有底の円筒形状を有しており、主に、検出部210を外部雰囲気から遮断し、保護するために設けられている。
コイルケース20は、中心軸102を中心に円筒状に延伸し、その一方端で閉塞され、その他方端で開口された形状を有する。コイルケース20の閉塞端側の端面が、近接センサー510の検出面を構成している。検出部210は、コイルケース20のうちの筒状に形成された部分の内側に配置されている。
プリント基板50は、長尺状の平板形状を有する。プリント基板50は、中心軸102の軸方向を長手方向として延在している。プリント基板50には、トランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサといった各種の図示しない電子部品が搭載されている。これらの電子部品も樹脂封止されており、この電子部品には、検出部210に電気的に接続されるものも含まれる。
ベース金具60は、トランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサ等の電子部品を収容する筒状の本体ケースとして機能する。本体ケースであるベース金具60は、コイルケース20により一端(前端側の開口61)が閉塞されている。ベース金具60は、中心軸102の外周上で近接センサー510の外郭をなす。ベース金具60は、中心軸102を中心に円筒状に延びる形状を有する。ベース金具60は、円筒状の形状に限られず、四角筒状、多角筒状、楕円筒状などの、他の筒状の形状を有していてもよい。本体ケースとしては、樹脂製の部材から構成されていてもよい。
ベース金具60は、中心軸102に沿って延びる両端で開口されており、長手方向の前端側に開口61を有し、長手方向の後端側に開口62を有している。開口61および開口62は、ベース金具60の内表面63の内側に形成される内部空間を通して互いに連通している。本実施の形態の内表面63については、中心軸102に対して直交する方向の断面形状を見た場合、中心軸102の延びる方向のいずれの位置においても正円形状を有している。
ベース金具60は、金属で形成されている。ベース金具60の外周面には、近接センサー510を外部設備に固定する際に用いられるネジが形成されている。上述のコイルケース20は、ベース金具60の前端側の開口61の内側に挿入され、ベース金具60に固定されている。すなわち、筒状の本体ケースであるベース金具60の一端(前端側の開口61)は、コイルケース20により閉塞されている。また、リングコード70およびクランプ80は、筒状の本体ケースであるベース金具60の他端の開口(後端側の開口62)を互いに一体となって塞ぐ。すなわち、リングコード70およびクランプ80は、本体ケースの他端の開口を塞ぐ閉塞部材として機能する。
クランプ80は、近接センサー510の後端側からベース金具60に接続される接続部材として設けられている。クランプ80は、ベース金具60の後端側と一体化することで、円筒ケース310を構成する。クランプ80は、円筒形状を有するベース金具60の後端に接続されている。クランプ80は、ベース金具60の後端側の開口62の内側に挿入されている。クランプ80は、ベース金具60と一体となって、中心軸102を中心に円筒状に延びている。クランプ80には、充填ゲート81が形成されている。充填ゲート81は、近接センサー510の製造時、円筒ケース310内に樹脂を注入するための貫通孔として設けられている。充填ゲート81は、円筒ケース310の側面には、樹脂部120の充填に用いられる、本体ケースであるベース金具60の内側と外側とを連通する。
クランプ80は、充填される樹脂に対して、線膨脹係数が低い材料、つまり硬度が高い材料が用いられる。このようなクランプ80の材料としては、例えば、ABS、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PA(ポリアミド)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PES(ポリエーテルサルフォン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、LCP(液晶ポリマー)、PS(ポリスチレン)、および、これらの混合材などから、適時選択できる。後述するようなクランプ80と一体的に形成される周辺部品についても、このような材料で形成される。後述するようなクランプ80と一体的に形成される周辺部品についても、このような材料で形成される。
リングコード70は、外部接続部品であり、ベース金具60の内部空間でプリント基板50に電気的に接続されている。リングコード70は、クランプ80の中に挿通され、クランプ80の後端側の開口82から引き出されている。リングコード70は、クランプ80の後端側の開口82を閉塞している。
リングコード70は、ケーブル71およびリング部材72を有する。リング部材72は、円筒ケース310の内部でケーブル71の端部を覆うように設けられている。リング部材72は、円筒ケース310内に設けられる後述する樹脂部120と、ケーブル71との間の接合性を確保する。リング部材72は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)から形成されている。ケーブル71は、例えば、ポリ塩化ビニルにより被覆されている。
円筒ケース310の内部には、樹脂の充填により樹脂部120が形成されている。近接センサー510においては、円筒ケース310、リングコード70、およびコイルケース20によって、検出部210およびプリント基板50を収容するケース部材が構成されている。樹脂部120は、円筒ケース310と、その前後端を閉塞するコイルケース20およびリングコード70とに囲まれたこのケース部材内の収容空間を満たすように設けられている。樹脂部120は、コイルケース20に収容された検出部210、円筒ケース310に収容されたプリント基板50および電子部品を封止する。
ベース金具60、コイルケース20、リングコード70、およびクランプ80が組み合わされた状態では、これらの内側には収容空間が形成される。近接センサー510が作製された状態においては、プリント基板50および電子部品は、樹脂部120とともに、収容空間内に位置している。すなわち、プリント基板50および電子部品は、本体ケースとして機能するベース金具60、および、閉塞部材として機能するリングコード70およびクランプ80に囲まれた内部に配置されている。
[樹脂部120]
充填ゲート81から充填される樹脂部120としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、および、湿気硬化性樹脂から選択される。典型的には、樹脂部120は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれから選択される。樹脂部120は、本体ケースであるベース金具60の内部に充填されて、検出部210(コア40、電磁コイル36、コイルスプール30)などを封止する。
樹脂部120としては、硬度の低い樹脂が用いることで、電子部品やプリント基板50といった内部機器への応力を低減する。このような硬度の低い樹脂として、典型的には、線膨脹係数が90×10−6/℃以上であり、かつ400×10−6/℃以下である材料が用いられる。なお、樹脂が充填される筐体の構成部品の材料としては、その硬度が樹脂部120の硬度より高く、樹脂部120の変形に耐性(剛性)を有するものであれば、任意の材料を選択できる。
本実施の形態では、このような線膨張係数が高い樹脂を採用したとしても、後述するような構造を採用することで、外部に樹脂が飛出すといった事態を防止できる。そのため、高温環境下(例えば、50℃以上)で使用されたとしても、封止性を確保できる。
樹脂部120の形成に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、およびポリアミドからなる群から選ばれた少なくとも一種が挙げられる。樹脂部120の形成に用いられる熱可塑性樹脂には、難燃剤、有機・無機フィラー、可塑剤、着色剤、酸化防止剤などの各種の添加剤が含まれてもよい。なお、樹脂部120の形成に用いられる熱可塑性樹脂には、いわゆるホットメルト樹脂を採用することが好ましい。
一方、熱硬化性樹脂を採用する場合には、代表的に、エポキシ樹脂が用いられる。樹脂部120は、検出部210に作用する樹脂応力変動(応力緩和)が小さいことが好ましい。樹脂部120として用いる熱硬化性樹脂は、常温での弾性率が800MPa以上であるものが好ましい。樹脂部120として用いる熱硬化性樹脂には、難燃剤、有機・無機フィラー、可塑剤、着色剤、酸化防止剤などの各種添加剤が含まれてもよい。
近接センサー510として作製された状態において、樹脂部120は、コイルケース20の側(一方の開口61)からリングコード70およびクランプ80の側(他方の開口62)に向かって延びる形状を有している。
本実施の形態に従う円筒ケース310は、その構成の一部として、充填樹脂規制面を含む。充填樹脂規制面は、高温環境下(例えば、50℃以上)において使用された場合であっても、充填ゲート81などから充填樹脂が飛出すのを防止する機構である。より具体的には、充填ゲート81およびその周辺の構造(以下、「ゲート周辺部」とも総称する)に形成される樹脂部の厚みを薄肉化することで、当該樹脂部の熱膨張による飛出しを抑制する。
本願発明者らは、充填樹脂の飛出しを防止するために、当該充填樹脂に生じる総熱膨張量を抑制するという方策を見出した。充填樹脂に生じる総熱膨張量は、ゲート周辺部に存在する充填樹脂の総体積と相関性を有している。そこで、本願発明者らは、樹脂充填性を犠牲にしない範囲で、ゲート周辺部に存在する充填樹脂の総体積を最適化することで、総熱膨張量を大幅に抑制し、充填樹脂の飛出しを防止できるという新たな知見を見出した。
[充填樹脂規制面]
先に、図6〜図8を参照して、本実施の形態の充填樹脂規制面について概念的に説明する。図6は、本実施の形態の充填樹脂規制面を実現するフィルムゲート部品を模式的に示す斜視図である。図7は、図6中のVII−VII線に沿った矢視断面図である。図8は、本実施の形態のフィルムゲート部品を用いた樹脂の充填処理を示す模式図である。
図6および図7を参照して、本実施の形態のフィルムゲート部品320は、樹脂充填性を犠牲にしない範囲で、ゲート周辺部332に存在する充填樹脂の総体積を最適化する。なお、「フィルムゲート部品」との名称は、充填ゲート81の下部および周辺部に形成される樹脂部が薄肉化されてフィルム状に充填される構造であることを意図している。
図6および図7に示すフィルムゲート部品320は、一例として、シール段差構造を有している。具体的には、フィルムゲート部品320は、中心軸102の軸方向に対して直交する方向の断面視としてみた場合の断面積(断面半径)がより大きな第1円筒部321と、第1円筒部321に比較して断面積(断面半径)が小さい第2円筒部322とが隣接結合された上で、第1円筒部321の外表面の一部が切欠かれたような構成になっている。つまり、第1円筒部321(第1部分)には、その外表面が第1円筒部321(第2部分)の外表面と連続面になるように構成された切欠部が設けられている。この第1円筒部321の外表面上の切欠部がフィルムゲート部323に相当する。この切欠部によって、第1円筒部321は、その外表面の少なくとも一部がベース金具60(本体ケース)の内表面と接することになる。フィルムゲート部323は、充填ゲート81の位置と対応するように位置決めされている。
図8(a)および図8(b)に示すように、充填ゲート81を介して注入される樹脂は、フィルムゲート部323を通って、紙面左側にあるベース金具60の内部空間へ充填されることになる。第1円筒部321の外周面には、フィルムゲート部323として切欠かれた部分以外の部分が残っているので、第1円筒部321の外周面がベース金具60の後端側と一体化することで、充填された樹脂を封止する。樹脂の充填が完了すると、ベース金具60の内側に形成される内部空間には、樹脂部120が形成される。
図8(b)に示すような樹脂の充填が完了した状態において、ゲート周辺部332には、フィルムゲート部品320の大きさ(つまり、切欠かれた部分の体積)に相当する充填樹脂が存在する。本願発明者らは、封止樹脂のケース体内からの飛出しを防止するために、フィルムゲート部323の大きさを充填ゲート81との関係を考慮しつつ、以下のような条件に従って決定することが好ましいことを見出した。
(1)充填樹脂規制面とベース金具60の内表面63との間の距離(フィルムゲート部323の樹脂充填部厚みD)は0.2mm〜1.0mmの範囲
(2)充填樹脂規制面の面積(円周方向幅W×軸方向長さL1)は充填ゲート81の断面積の4倍以上
なお、充填樹脂の線膨脹係数は90×10−6/℃〜400×10−6/℃の範囲であり、近接センサー510(電子機器)の適用温度範囲は、−30℃〜85℃の範囲であるとする。
フィルムゲート部品320は、充填樹脂の総体積を最適化(削減)するという観点から、薄肉化された樹脂充填構造を有している。そして、フィルムゲート部品320の薄肉化された樹脂充填構造と充填樹脂との間では、一部または全体が接着されることになる。
なお、第1円筒部321と第2円筒部322との間の段差(半径の差)は、0.2mm〜1.0mmの範囲が好ましく、第2円筒部322の軸方向長さL2は、0.5mm〜10.0mmの範囲が好ましい。また、フィルムゲート部323の軸方向長さL1は、第2円筒部322の軸方向長さL2+20.0mm以下であることが好ましい。一方、フィルムゲート部323の円周方向幅Wは任意の値に設計することができる。すなわち、図6および図7に示すような、一部を切欠いたような構造に加えて、後述するような全周に亘ってフィルムゲート部が設けられていてもよい。すなわち、薄肉化された樹脂充填構造の周方向全体に樹脂を充填できるようなフィルムゲート部品を採用することで、封止性を向上させることができる。
このように、本実施の形態においては、本体ケースであるベース金具60の内部において、充填ゲート81と対向する位置を含み、ベース金具60の内表面63との間の距離が0.2mm以上かつ1.0mm以下であって、面積が充填ゲート81の断面積の少なくとも4倍である領域を有する、充填樹脂規制面が設けられる。
充填ゲート81が正円形状の開口で構成する場合には、その直径は1.0mm〜3.0mmに設計するのが好ましい。あるいは、充填ゲート81の開口が正円形状でなくともよく、多角形形状や楕円形状であってもよい。但し、充填ゲート81は、その直径が1.0mm〜3.0mmの範囲内にある円の開口面積に相当する断面積を有するように形成されることが好ましい。
フィルムゲート部品の薄肉化された樹脂充填構造として、充填ゲート81の少なくとも片側に壁または溝形状を有するような構成を採用してもよい。このような構成を採用することで、充填樹脂との接着表面積を増加させて、封止性をより向上させることができる。このような構成の詳細な一例(例えば、突起、くぼみ形状など)については、後述する。また、他の例として、ゲートの少なくとも片側に壁や溝を形成し、充填された樹脂との接着性を高めるような構成についても後に詳述する。
また、ケーブルやコネクタといった外部接続部品がフィルムゲート部品と一体的に形成されていてもよい。
本実施の形態においては、線膨張係数が高い(90×10−6/℃〜400×10−6/℃)の樹脂を用いて封止する場合、外部と連通する開放部(例えば、充填ゲート)の充填樹脂の総体積を極力少なくすることで、充填樹脂の熱膨張による開放部からの樹脂飛出しを抑制する。このとき、開放部の周辺に充填される樹脂の厚みを最適化することで、これを実現する。上述したように、樹脂の厚みを0.2mm〜1.0mmの範囲に設計することで、樹脂の膨張による生じる応力は、厚み方向に比較して、より長手方向に多く発生することになる(つまり、応力_長手方向>応力_厚み方向の関係が成立する)。これにより、高温環境下(例えば、50℃以上)で使用された場合に生じる樹脂膨張応力を、長手方向、つまり封止樹脂内部に取込むことができる。
以下、本実施の形態の充填樹脂規制面を含むフィルムゲート部品のいくつかについて例示する。
[実施の形態1]
図9を参照して、実施の形態1のフィルムゲート部品について説明する。図9は、実施の形態1のフィルムゲート部品320Aおよびフィルムゲート部品320Aを含む近接センサーを示す模式図である。
図9(a)に示すように、実施の形態1の近接センサー510は、筐体であるベース金具60の前端側がコイルケース20で閉塞されるとともに、後端側がフィルムゲート部品320Aを含む円筒ケース310Aで閉塞されている。フィルムゲート部品320Aを含む円筒ケース310Aは、ベース金具60の閉塞部材として機能する。円筒ケース310Aは、外部接続部品であるリングコード70を含む。円筒ケース310Aには、充填ゲート81が形成されている。近接センサー510の製造時には、充填ゲート81を介して円筒ケース310A内に樹脂が注入される。
図9(b)に示すように、実施の形態1の円筒ケース310Aは、その外表面がベース金具60(本体ケース)の内表面63と接するように構成された主部である第1円筒部321Aと、第1円筒部321Aと一体的に構成されたフィルムゲート部323Aとを含む。
フィルムゲート部323Aの充填ゲート81側の面が充填樹脂規制面に相当する。実施の形態1の充填樹脂規制面は、第1円筒部321A(主部)と一体的に構成されるとともに、充填ゲート81と対向する位置に配置される。また、フィルムゲート部323Aの充填ゲート81側の面積は、充填ゲート81の断面積の4倍以上になっている。
フィルムゲート部323Aは、樹脂の充填時の流動性を高めるように、円弧状の構造を採用している。フィルムゲート部323Aの外表面(充填樹脂規制面)は、中心軸102の軸方向に対して直交する方向の断面視としてみた場合に、充填ゲート81と対向する面が凸面になるような円弧状の形状を有している。
以下、フィルムゲート部323Aとベース金具60の内表面63との間の距離(図9(b)に示す樹脂充填部厚みD)を異ならせて、樹脂飛出しの抑制効果および樹脂充填性について評価した結果を以下に示す。この評価結果では、線膨張係数280×10−6/℃であるホットメルト樹脂を封止樹脂として用いた。そして、電子機器を高温環境下(50℃)に晒して生じた結果を評価した。
樹脂飛出しの抑制効果については、デジタルファインスコープによる目視評価とした。樹脂飛出し量が0.5mm未満であれば、飛出した樹脂の脱落が生じないと考えられるので、この0.5mmを評価基準とした。つまり、樹脂飛出し量が0.5mm未満であれば「良好」(下表では「A」と記載)と判断し、それ以上であれば「不良」(下表では「B」と記載)と判断した。
樹脂充填性については、フィルムゲート部323Aとベース金具60の内表面63との間(薄肉化された樹脂充填構造)に樹脂が充填されていない部分が存在するか否かを目視評価した。つまり、空間内に樹脂が完全に充填されていれば「良好」(下表では「A」と記載)と判断し、空間内に樹脂が充填されていない部分が残っていれば「不良」(下表では「B」と記載)と判断した。
以下に示す結果でも、「フィルムゲート部323Aの外表面(充填樹脂規制面)とベース金具60の内表面63との間の距離(樹脂充填部厚みD)は0.2mm〜1.0mmの範囲」が適切であることが示されている。
以下の表に示す実施例1〜4ならびに比較例1および2は、ベース金具60の内表面63との間の距離(樹脂充填部厚みD)を0.1mm〜1.1mmの範囲で変化させたものである。
以下の表に示すように、樹脂充填部厚みDが0.1mm(比較例1)である場合については、要求される樹脂充填性を得られなかった。より具体的には、樹脂充填部厚みDが0.1mmである比較例1においては、充填ゲート81からベース金具60の内部まで樹脂を充填するための流路を十分に確保することができず、樹脂の未充填部が存在するという結果になった。なお、比較例1においては、樹脂の未充填部が存在するため、樹脂飛出しの抑制効果については、評価していない。
また、樹脂充填部厚みDが1.1mm(比較例2)である場合については、要求される樹脂飛出しの抑制効果を得られなかった。より具体的には、個体差があったものの、おおよそ0.4〜0.8mmの樹脂飛出しがあり、いくつかのケースでは評価基準の0.5mmを超えた。
これらに対して、樹脂充填部厚みDが0.2mm〜1.0mmの範囲である、実施例1〜4のいずれについても、樹脂飛出しの抑制効果および樹脂充填性の両方の要求を満たしていることがわかる。なお、樹脂充填部厚みDが0.2mmである場合(実施例1)は、樹脂充填性を確保するために必要な下限値に相当し、樹脂充填部厚みDが1.0mmである場合(実施例4)は、樹脂飛出しの抑制効果を発揮させるための上限値に相当する。
以下、実施の形態1のいくつかの変形例について説明する。
[実施の形態1の変形例1]
まず、図10を参照して、円弧状のフィルムゲート部を有するフィルムゲート部品について説明する。図10は、実施の形態1の変形例1のフィルムゲート部品320Bおよび320Cを示す模式図である。
図10(a)に示すフィルムゲート部品320Bは、図9(b)に示す実施の形態1のフィルムゲート部品320Aに比較して、フィルムゲート部323Aの長手方向の両側324がベース金具60の内表面63(図示しない)に接触するように構成されている。すなわち、フィルムゲート部品320Bは、ベース金具60(本体ケース)の軸方向に沿って延びる部材に相当するフィルムゲート部323Bを有しており、フィルムゲート部323Bの両側324は、ベース金具60(本体ケース)の中心軸102の軸方向と平行な所定の長さ範囲に亘って、ベース金具60(本体ケース)の内表面63と接するように構成される。
このように、フィルムゲート部323Aとベース金具60の内表面63との間に隙間をなくすことで、充填ゲート81の周辺の空間をフィルムゲート部323Bによって他の空間から区画できるので、樹脂膨張による周辺からの突出しの影響を緩和することができる。
図10(b)に示すフィルムゲート部品320Cは、図10(a)に示すフィルムゲート部品320Bに加えて、樹脂の充填をガイドする流路がさらに設けられている。より具体的には、フィルムゲート部品320Cのフィルムゲート部323Cの外表面には、長手方向に延びる溝部325が形成されている。すなわち、フィルムゲート部323Cの外表面(充填樹脂規制面)には、充填ゲート81と対向する面の表面に、ベース金具60(本体ケース)の中心軸102の軸方向に沿って溝部325が設けられている。このような樹脂を中心軸102の軸方向に導くための溝部を設けることで、フィルムゲート部品320Cとの接着表面積を増加させて、封止性をより向上させることができる。
図10(a)に示すフィルムゲート部323Bおよび図10(b)に示すフィルムゲート部323Cの外表面(充填樹脂規制面)は、中心軸102の軸方向に対して直交する方向の断面視としてみた場合に、いずれも充填ゲート81と対向する面が凸面になるような円弧状の形状を有している。このような構造を採用することで、充填時の流動性を高めて、樹脂充填性を改善できる。
[実施の形態1の変形例2]
次に、図11を参照して、平面状のフィルムゲート部を有するフィルムゲート部品について説明する。図11は、実施の形態1の変形例2のフィルムゲート部品320Dおよび320Eを示す模式図である。
図11(a)に示すフィルムゲート部品320Dは、非円弧状のフィルムゲート部323Dを有している。より具体的には、平面状の部材をフィルムゲート部323Dとして採用している。フィルムゲート部323Dの長手方向の両側326がベース金具60の内表面63(図示しない)に接触するように構成されている。すなわち、フィルムゲート部品320Dは、ベース金具60(本体ケース)の軸方向に沿って延びる部材に相当するフィルムゲート部323Dを有しており、フィルムゲート部323Dの両側326は、ベース金具60(本体ケース)の中心軸102の軸方向と平行な所定の長さ範囲に亘って、ベース金具60(本体ケース)の内表面63と接するように構成される。
このように、フィルムゲート部323Dとベース金具60の内表面63との間に隙間をなくすことで、充填ゲート81の周辺の空間をフィルムゲート部323Dによって他の空間から区画できるので、樹脂膨張による周辺からの突出しの影響を緩和することができる。
一方、図11(b)に示すフィルムゲート部品320Eについても、非円弧状のフィルムゲート部323Eを有している。フィルムゲート部品320Eは、図11(a)に示すフィルムゲート部品320Dにおいて、フィルムゲート部の幅を狭めたものに相当する。すなわち、フィルムゲート部品320Dは、ベース金具60(本体ケース)の軸方向に沿って延びる部材に相当するフィルムゲート部323Eを有しており、フィルムゲート部323Eの両側327は、ベース金具60の内表面63(図示しない)との間には、いくらかの隙間が生じている。このような隙間を残すことで、樹脂の充填時の流動性を高めて、樹脂充填性を改善できる。
図11(a)に示すフィルムゲート部323Dおよび図11(b)に示すフィルムゲート部323Eの外表面(充填樹脂規制面)は、いずれも充填ゲート81と対向する面が平面状の断面形状を有している。このような比較的簡素な構造を採用することで、フィルムゲート部品の歩留まりを向上できる。
[実施の形態1の変形例3]
次に、図12を参照して、平面状でかつ溝部が形成されたフィルムゲート部を有するフィルムゲート部品について説明する。図12は、実施の形態1の変形例3のフィルムゲート部品320Fを示す模式図である。
図12に示すフィルムゲート部品320Fは、非円弧状のフィルムゲート部323Fを有している。フィルムゲート部323Fの外表面には、樹脂の充填をガイドする流路として、長手方向に延びる溝部328が形成されている。より具体的には、溝部328の両側により高さのある一対の壁部329が長手方向に設けられており、この一対の壁部329によって、溝部328が形成されている。すなわち、フィルムゲート部323Fの外表面(充填樹脂規制面)には、充填ゲート81と対向する面の表面に、ベース金具60(本体ケース)の中心軸102の軸方向に沿って壁部329が設けられている。このような樹脂を中心軸102の軸方向に導くための溝部を設けることで、フィルムゲート部品320Fとの接着表面積を増加させて、封止性をより向上させることができる。
また、フィルムゲート部323Fの外表面(充填樹脂規制面)は、いずれも充填ゲート81と対向する面が平面状の断面形状を有しており、このような比較的簡素な構造を採用することで、フィルムゲート部品の歩留まりを向上できる。
[実施の形態2]
図13を参照して、実施の形態2のフィルムゲート部品について説明する。図13は、実施の形態2のフィルムゲート部品320Gおよびフィルムゲート部品320Gを含む近接センサーを示す模式図である。
図13(a)に示すように、実施の形態2の近接センサー510は、筐体であるベース金具60の前端側がコイルケース20で閉塞されるとともに、後端側がフィルムゲート部品320Gを含む円筒ケース310Gで閉塞されている。円筒ケース310Gは、外部接続部品であるリングコード70を含む。近接センサー510の製造時には、円筒ケース310Gに形成された充填ゲート81を介して円筒ケース310G内に樹脂が注入される。
図13(b)に示すように、実施の形態2のフィルムゲート部品320Gは、一例として、シール段差構造を有している。具体的には、フィルムゲート部品320Gは、中心軸102の軸方向に対して直交する方向の断面視としてみた場合の断面積(断面半径)がより大きな第1円筒部321Aと、第1円筒部321Aに比較して断面積(断面半径)が小さい第2円筒部322Gとが隣接結合されたような構成になっている。第1円筒部321Aの外表面は、ベース金具60(本体ケース)の内表面63と接している。第2円筒部322Gは、その表面全体がフィルムゲート部として機能する。すなわち、第2円筒部322Gの表面全体が充填樹脂規制面になり得る。そのため、第2円筒部322Gと充填ゲート81とについては、中心軸102の軸方向における位置合わせのみを行なえばよく、回転方向の位置については考慮する必要はない。
第2円筒部322Gの軸方向の長さ(軸方向の幅)は、充填ゲート81の断面積の4倍以上の面積を確保できるように決定される。
このように、閉塞部材として機能する円筒ケース310Gは、その外表面がベース金具60(本体ケース)の内表面63と接するように構成された第1円筒部321A(第1部分)と、第1円筒部321Aと一体的に構成され、中心軸102の軸方向に対して直交する方向の断面視としてみた場合に、第1円筒部321Aの形状より小さな形状を有する第2円筒部322G(第2部分)とを含む。このとき、充填樹脂規制面は、第2円筒部322G(第2部分)に含まれる。
以下、第2円筒部322Gの外表面(充填樹脂規制面)とベース金具60の内表面63との間の距離(図13(b)に示す樹脂充填部厚みD)を異ならせて、樹脂飛出しの抑制効果および樹脂充填性について評価した結果を以下に示す。この評価結果は、上述の実施の形態1で説明した評価と同様の方法で行なった。そのため、樹脂飛出しの抑制効果および樹脂充填性について評価方法についての詳細な説明は繰返さない。
以下に示す結果でも、「第2円筒部322Gの外表面(充填樹脂規制面)とベース金具60の内表面63との間の距離(樹脂充填部厚みD)は0.2mm〜1.0mmの範囲」が適切であることが示されている。
以下の表に示す実施例5〜8ならびに比較例3および4は、第2円筒部322Gの外表面とベース金具60の内表面63との間の距離(樹脂充填部厚みD)を0.1mm〜1.1mmの範囲で変化させたものである。
以下の表に示すように、樹脂充填部厚みDが0.1mm(比較例3)である場合については、要求される樹脂充填性を得られなかった。より具体的には、樹脂充填部厚みDが0.1mmである比較例3においては、充填ゲート81からベース金具60の内部まで樹脂を充填するための流路を十分に確保することができず、樹脂の未充填部が存在するという結果になった。なお、比較例3においては、樹脂の未充填部が存在するため、樹脂飛出しの抑制効果については、評価していない。
また、樹脂充填部厚みDが1.1mm(比較例4)である場合については、要求される樹脂飛出しの抑制効果を得られなかった。より具体的には、個体差があったものの、おおよそ0.4〜0.7mmの樹脂飛出しがあり、いくつかのケースでは評価基準の0.5mmを超えた。
これらに対して、樹脂充填部厚みDが0.2mm〜1.0mmの範囲である、実施例5〜8のいずれについても、樹脂飛出しの抑制効果および樹脂充填性の両方の要求を満たしていることがわかる。なお、樹脂充填部厚みDが0.2mmである場合(実施例5)は、樹脂充填性を確保するために必要な下限値に相当し、樹脂充填部厚みDが1.0mmである場合(実施例8)は、樹脂飛出しの抑制効果を発揮させるための上限値に相当する。
[実施の形態3]
図14を参照して、実施の形態3のフィルムゲート部品について説明する。図14は、実施の形態3のフィルムゲート部品320Hおよびフィルムゲート部品320Hを含む近接センサーを示す模式図である。実施の形態3のフィルムゲート部品320Hは、実施の形態2のフィルムゲート部品320Gに対して、樹脂の充填をガイドする流路がさらに設けられている。
図14(a)に示すように、実施の形態3の近接センサー510は、筐体であるベース金具60の前端側がコイルケース20で閉塞されるとともに、後端側がフィルムゲート部品320Hを含む円筒ケース310Hで閉塞されている。円筒ケース310Hは、外部接続部品であるリングコード70を含む。近接センサー510の製造時には、円筒ケース310Hに形成された充填ゲート81を介して円筒ケース310H内に樹脂が注入される。
図14(b)に示すように、実施の形態3のフィルムゲート部品320Hは、中心軸102の軸方向に対して直交する方向の断面視としてみた場合の断面積(断面半径)がより大きな第1円筒部321Aと、第1円筒部321Aに比較して断面積(断面半径)が小さい第2円筒部322Hとが隣接結合されたような構成になっている。第1円筒部321Aの外表面は、ベース金具60(本体ケース)の内表面63と接している。第2円筒部322Hの表面には、長手方向に延びる溝部を構成するように、一対の規制板331が配置されている。一対の規制板331の外周側は、ベース金具60の内表面63と接している。すなわち、第2円筒部322Hの外表面(充填樹脂規制面)には、充填ゲート81と対向する面の表面に、ベース金具60(本体ケース)の中心軸102の軸方向に沿って溝部が設けられている。
充填ゲート81は、対向する位置が一対の規制板331で囲まれる範囲に対応するように、位置決めされる。すなわち、一対の規制板331は、充填ゲート81と対向する面の表面に、ベース金具60(本体ケース)の中心軸102の軸方向に沿って溝部325が設けられている。第2円筒部322Hの軸方向の長さ(軸方向の幅)および一対の規制板331の間の幅は、充填ゲート81の断面積の4倍以上の面積を確保できるように決定される。
このように、閉塞部材として機能する円筒ケース310Hは、その外表面がベース金具60(本体ケース)の内表面63と接するように構成された第1円筒部321A(第1部分)と、第1円筒部321Aと一体的に構成され、中心軸102の軸方向に対して直交する方向の断面視としてみた場合に、第1円筒部321Aの形状より小さな形状を有する第2円筒部322H(第2部分)とを含む。このとき、充填樹脂規制面は、第2円筒部322H(第2部分)を含む。このような樹脂を中心軸102の軸方向に導くための溝部を設けることで、フィルムゲート部品320Hとの接着表面積を増加させて、封止性をより向上させることができる。
以下、第2円筒部322Hの外表面(充填樹脂規制面)とベース金具60の内表面63との間の距離(図14(b)に示す樹脂充填部厚みD)を異ならせて、樹脂飛出しの抑制効果および樹脂充填性について評価した結果を以下に示す。この評価結果は、上述の実施の形態1で説明した評価と同様の方法で行なった。そのため、樹脂飛出しの抑制効果および樹脂充填性について評価方法についての詳細な説明は繰返さない。
以下に示す結果でも、「第2円筒部322Hの外表面(充填樹脂規制面)とベース金具60の内表面63との間の距離(樹脂充填部厚みD)は0.2mm〜1.0mmの範囲」が適切であることが示されている。
以下の表に示す実施例9〜12ならびに比較例5および6は、第2円筒部322Hの外表面とベース金具60の内表面63との間の距離(樹脂充填部厚みD)を0.1mm〜1.1mmの範囲で変化させたものである。
以下の表に示すように、樹脂充填部厚みDが0.1mm(比較例5)である場合については、要求される樹脂充填性を得られなかった。より具体的には、樹脂充填部厚みDが0.1mmである比較例5においては、充填ゲート81からベース金具60の内部まで樹脂を充填するための流路を十分に確保することができず、樹脂の未充填部が存在するという結果になった。なお、比較例5においては、樹脂の未充填部が存在するため、樹脂飛出しの抑制効果については、評価していない。
また、樹脂充填部厚みDが1.1mm(比較例6)である場合については、要求される樹脂飛出しの抑制効果を得られなかった。より具体的には、個体差があったものの、おおよそ0.3〜0.6mmの樹脂飛出しがあり、いくつかのケースでは評価基準の0.5mmを超えた。
これらに対して、樹脂充填部厚みDが0.2mm〜1.0mmの範囲である、実施例9〜12のいずれについても、樹脂飛出しの抑制効果および樹脂充填性の両方の要求を満たしていることがわかる。なお、樹脂充填部厚みDが0.2mmである場合(実施例9)は、樹脂充填性を確保するために必要な下限値に相当し、樹脂充填部厚みDが1.0mmである場合(実施例12)は、樹脂飛出しの抑制効果を発揮させるための上限値に相当する。
[実施の形態4]
図15を参照して、実施の形態4のフィルムゲート部品について説明する。図15は、実施の形態4のフィルムゲート部品320Iおよびフィルムゲート部品320Iを含む近接センサーを示す模式図である。
図15(a)に示すように、実施の形態4の近接センサー510は、筐体であるベース金具60の前端側がコイルケース20で閉塞されるとともに、後端側がフィルムゲート部品320Iを含む円筒ケース310Iで閉塞されている。円筒ケース310Iは、外部接続部品であるリングコード70を含む。近接センサー510の製造時には、円筒ケース310Iに形成された充填ゲート81を介して円筒ケース310I内に樹脂が注入される。
図15(b)に示すように、実施の形態4のフィルムゲート部品320Iは、円筒状の第1円筒部321を有しており、第1円筒部321Iの外表面は、ベース金具60(本体ケース)の内表面63と接している。さらに、第1円筒部321Iの外表面には、その一部に切欠部334が形成されている。切欠部334がフィルムゲート部として機能する。すなわち、切欠部334の露出面が充填樹脂規制面になり得る。切欠部334は、充填ゲート81の位置と対応するように位置決めされている。切欠部334の軸方向の長さ(軸方向の幅)および幅(円周方向の幅)は、充填ゲート81の断面積の4倍以上の面積を確保できるように決定される。
また、切欠部334の外表面(充填樹脂規制面)とベース金具60の内表面63との間の距離(切欠部334の樹脂充填部厚みD)は0.2mm〜1.0mmの範囲になるように設計される。
このように、閉塞部材として機能する円筒ケース310Iは、その外表面がベース金具60(本体ケース)の内表面63と接するように構成された第1円筒部321I(主部)を含む。さらに、第1円筒部321Iには、その外表面がベース金具60(本体ケース)の内表面63からの距離が0.2mm〜1.0mmの範囲になるように構成された切欠部334が設けられている。そして、円筒ケース310Iの切欠部334は、充填ゲート81と連通するように配置される。実施の形態4の円筒ケース310Iでは、主部となる第1円筒部321Iの一部を切欠いたような比較的簡素な構造を採用するため、フィルムゲート部品の歩留まりを向上できる。
以下、切欠部334の外表面(充填樹脂規制面)とベース金具60の内表面63との間の距離(図15(b)に示す切欠部334の樹脂充填部厚みD)を異ならせて、樹脂飛出しの抑制効果および樹脂充填性について評価した結果を以下に示す。この評価結果は、上述の実施の形態1で説明した評価と同様の方法で行なった。そのため、樹脂飛出しの抑制効果および樹脂充填性について評価方法についての詳細な説明は繰返さない。
以下に示す結果でも、「切欠部334の外表面(充填樹脂規制面)とベース金具60の内表面63との間の距離(樹脂充填部厚みD)は0.2mm〜1.0mmの範囲」が適切であることが示されている。
以下の表に示す実施例13〜16ならびに比較例7および8は、切欠部334の外表面とベース金具60の内表面63との間の距離(樹脂充填部厚みD)を0.1mm〜1.1mmの範囲で変化させたものである。
以下の表に示すように、樹脂充填部厚みDが0.1mm(比較例7)である場合については、要求される樹脂充填性を得られなかった。より具体的には、樹脂充填部厚みDが0.1mmである比較例7においては、充填ゲート81からベース金具60の内部まで樹脂を充填するための流路を十分に確保することができず、樹脂の未充填部が存在するという結果になった。なお、比較例7においては、樹脂の未充填部が存在するため、樹脂飛出しの抑制効果については、評価していない。
また、樹脂充填部厚みDが1.1mm(比較例8)である場合については、要求される樹脂飛出しの抑制効果を得られなかった。より具体的には、個体差があったものの、おおよそ0.3〜0.6mmの樹脂飛出しがあり、いくつかのケースでは評価基準の0.5mmを超えた。
これらに対して、樹脂充填部厚みDが0.2mm〜1.0mmの範囲である、実施例13〜16のいずれについても、樹脂飛出しの抑制効果および樹脂充填性の両方の要求を満たしていることがわかる。なお、樹脂充填部厚みDが0.2mmである場合(実施例13)は、樹脂充填性を確保するために必要な下限値に相当し、樹脂充填部厚みDが1.0mmである場合(実施例16)は、樹脂飛出しの抑制効果を発揮させるための上限値に相当する。
[実施の形態5]
図16を参照して、実施の形態5のフィルムゲート部品について説明する。図16は、実施の形態5のフィルムゲート部品320Jおよびフィルムゲート部品320Jを含む近接センサーを示す模式図である。実施の形態5のフィルムゲート部品320Jは、実施の形態2のフィルムゲート部品320Gに対して、樹脂の充填をガイドする流路がさらに設けられている。
図16(a)に示すように、実施の形態5の近接センサー510は、筐体であるベース金具60の前端側がコイルケース20で閉塞されるとともに、後端側がフィルムゲート部品320Jを含む円筒ケース310Jで閉塞されている。円筒ケース310Jは、外部接続部品であるリングコード70を含む。近接センサー510の製造時には、円筒ケース310Jに形成された充填ゲート81を介して円筒ケース310J内に樹脂が注入される。
図16(b)に示すように、実施の形態5のフィルムゲート部品320Jは、中心軸102の軸方向に対して直交する方向の断面視としてみた場合の断面積(断面半径)がより大きな第1円筒部321Aと、第1円筒部321Aに比較して断面積(断面半径)が小さい第2円筒部322Jとが隣接結合されたような構成になっている。第1円筒部321Aの外表面は、ベース金具60(本体ケース)の内表面63と接している。第2円筒部322Jの表面には、円周方向に延びる溝を構成するように、1つ以上の突起部335(図16(b)に示す例では、2列分)が設けられている。突起部335の各々の外周側は、ベース金具60の内表面63と接している。すなわち、第2円筒部322J(第2部分)の周方向の外表面であって、ベース金具60(本体ケース)の内表面に対向する側には、円周方向に沿って延びる突起部335が設けられている。
充填ゲート81は、対向する位置が突起部335で囲まれる範囲に対応するように、位置決めされる。充填樹脂規制面は、第2円筒部322J(第2部分)の外表面に相当する。第2円筒部322Jの軸方向の長さ(軸方向の幅)および突起部335の数や軸方向の長さ(軸方向の幅)は、充填ゲート81の断面積の4倍以上の面積を確保できるように決定される。軸方向の長さ(軸方向の幅)のような樹脂を導くための溝部を設けることで、フィルムゲート部品320Jとの接着表面積を増加させて、封止性をより向上させることができる。
以下、第2円筒部322Jの外表面(充填樹脂規制面)とベース金具60の内表面63との間の距離(図16(b)に示す樹脂充填部厚みD)を異ならせて、樹脂飛出しの抑制効果および樹脂充填性について評価した結果を以下に示す。この評価結果は、上述の実施の形態1で説明した評価と同様の方法で行なった。そのため、樹脂飛出しの抑制効果および樹脂充填性について評価方法についての詳細な説明は繰返さない。
以下に示す結果でも、「第2円筒部322Jの外表面(充填樹脂規制面)とベース金具60の内表面63との間の距離(樹脂充填部厚みD)は0.2mm〜1.0mmの範囲」が適切であることが示されている。
以下の表に示す実施例17〜20ならびに比較例9および10は、第2円筒部322Jの外表面とベース金具60の内表面63との間の距離(樹脂充填部厚みD)を0.1mm〜1.1mmの範囲で変化させたものである。
以下の表に示すように、樹脂充填部厚みDが0.1mm(比較例9)である場合については、要求される樹脂充填性を得られなかった。より具体的には、樹脂充填部厚みDが0.1mmである比較例9においては、充填ゲート81からベース金具60の内部まで樹脂を充填するための流路を十分に確保することができず、樹脂の未充填部が存在するという結果になった。なお、比較例9においては、樹脂の未充填部が存在するため、樹脂飛出しの抑制効果については、評価していない。
また、樹脂充填部厚みDが1.1mm(比較例10)である場合については、要求される樹脂飛出しの抑制効果を得られなかった。より具体的には、個体差があったものの、おおよそ0.3〜0.6mmの樹脂飛出しがあり、いくつかのケースでは評価基準の0.5mmを超えた。
これらに対して、樹脂充填部厚みDが0.2mm〜1.0mmの範囲である、実施例17〜20のいずれについても、樹脂飛出しの抑制効果および樹脂充填性の両方の要求を満たしていることがわかる。なお、樹脂充填部厚みDが0.2mmである場合(実施例17)は、樹脂充填性を確保するために必要な下限値に相当し、樹脂充填部厚みDが1.0mmである場合(実施例18)は、樹脂飛出しの抑制効果を発揮させるための上限値に相当する。
[実施の形態6]
上述の実施の形態1〜5においては、ベース金具60およびコイルケース20が円筒状である構成について例示したが、本発明は、筒状に形成されていれば、その断面形状は問わない。例えば、その断面形状が任意の多角形である筒状のベース金具およびコイルケースを採用できる。
図17は、実施の形態6の近接センサー510を示す斜視図である。図17に示す近接センサー510は、中心軸に沿って四角柱状に延伸する外観を有する。近接センサー510は、検出部(図示しない)と、コイルケース20と、プリント基板(図示しない)と、筐体であるベース金具60Kと、クランプ80と、リングコード70とを含む。このような四角柱状の筐体を有する電子機器については、その筐体に応じたフィルムゲート部品320Kが採用される。
図18は、実施の形態6のフィルムゲート部品320Kを示す模式図である。図18に示すフィルムゲート部品320Kは、主として、主部となる角筒部321Kと、角筒部321Kと一体的に形成されるフィルムゲート部323Kとを含む。図18に示すフィルムゲート部323Kは、図11に示す実施の形態1の変形例2のフィルムゲート部品320Dおよび320Eを類似した構成を有している。そのため、充填樹脂規制面およびそれによる作用効果などについての説明は、ここでは繰返さない。また、上述の実施の形態1〜5に示される技術思想についても同様に適用可能である。
つまり、本発明に係る技術思想は、その断面が円形状、楕円形状、多角形状のいずれを有する筒状の筐体であっても適用可能であり、フィルムゲート部品については、筐体の断面形状に応じて適宜設計される。
[実施の形態7]
上述の実施の形態1〜6においては、本体ケースであるベース金具60の後端側に開口を塞ぐ閉塞部材の一部として、フィルムゲート部品が形成されている構成例について説明したが、フィルムゲート部品を本体ケースの一部として、つまり両者を一体的に構成してもよい。以下、フィルムゲート部品が本体ケースと一体的に形成されている構成について説明する。
図19は、実施の形態7のフィルムゲート部品およびフィルムゲート部品を含む近接センサーを示す模式図である。図19(a)は、実施の形態7の近接センサーの斜視図を示し、図19(b)は、実施の形態7の近接センサーの断面図を示す。
図19(a)および図19(b)に示すように、実施の形態7のベース金具60Lの後端側には、充填ゲート81が設けられており、この充填ゲート81と連通する中空構造320Lが形成されている。中空構造320Lは、充填ゲート81を介してベース金具60L内に注入された樹脂をベース金具60Lの内部へ導くとともに、樹脂部の熱膨張による飛出しを抑制するための充填樹脂規制面としても機能する。つまり、中空構造320Lは、フィルムゲート部品として機能する。
中空構造320Lの半径方向の幅(つまり、樹脂充填部厚みD)は、0.2mm〜1.0mmの範囲に設計されるとともに、中空構造320Lの面(軸方向長さおよび円周方向幅)は、充填ゲート81の断面積の4倍以上となるように設計される。このような設計値を採用することで、上述の充填樹脂規制面による樹脂飛出しの抑制効果と同様の効果を実現できる。
ベース金具60Lの中空構造320Lが設けられる位置の内側には、閉塞部材である、リングコード70が接続されたクランプ80が嵌合するようになっており、クランプ80の嵌合によって、ベース金具60Lの後端側が閉塞される。すなわち、ベース金具60Lの後端側にある嵌合部340とクランプ80とが嵌合する。
このように、ベース金具60L(本体ケース)は、クランプ80およびリングコード70(閉塞部材)と嵌合するための嵌合部340がその一端に設けられている。嵌合部340は、クランプ80およびリングコード70と嵌合するその内表面のベース金具60L(本体ケース)の軸方向に対して直交する方向の断面形状がベース金具60L(本体ケース)の他の部分より小さくなるように構成されるとともに、ベース金具60L(本体ケース)の内部と連通する中空構造320Lが形成されている。充填ゲート81は、嵌合部340に近接して設けられるとともに、そして中空構造320Lの厚みは0.2mm〜1.0mmの範囲内となるように構成されている。
本実施の形態においては、基本的には金属で構成されるベース金具60Lに充填樹脂規制面が形成されるので、基本的には樹脂で構成される閉塞部材に比較して、加工が容易化される。そのため、装置全体としての歩留まりを向上させることができる。
[実施の形態8]
上述の実施の形態1〜6においては、本体ケースであるベース金具60の後端側に開口を塞ぐ閉塞部材の一部として、フィルムゲート部品が形成されている構成例について説明したが、ベース金具および閉塞部材の両者で充填樹脂規制面を実現してもよい。以下、フィルムゲート部品が本体ケースおよび閉塞部材との連係により形成されている構成について説明する。
図20は、実施の形態8のフィルムゲート部を示す模式図である。図20(a)および図20(b)には、実施の形態8の近接センサーを構成するベース金具60Mの後端側を塞ぐ際の工程を示す。すなわち、実施の形態8においては、リングコード70と一体化されたクランプ80Mを筐体であるベース金具60Mの前端側から差し込むとともに、後端側へ移動させてこれらの部材を固定する。ベース金具60Mの後端側には、ベース金具60Mの終端を内側に折曲げたような嵌合部323Mが設けられており、嵌合部323Mの近傍には充填ゲート81が設けられている。充填ゲート81は、本体ケースであるベース金具60Mの内側と外側とを連通する。嵌合部323Mは、ベース金具60Mの後端側の全周に亘って中空構造を構成する。
図20(b)に示すように、ベース金具60Mの後端側にクランプ80Mが固定された状態においては、クランプ80Mの外周が他の部分より大きい部分(鍔部)の外周面は嵌合部323Mと連続して、嵌合部323Mが形成する中空空間を軸方向に沿って前端側に拡大する。この拡大された中空空間の内側の面が充填樹脂規制面に相当する。
すなわち、本体ケースであるベース金具60Mは、クランプ80M(閉塞部材)と嵌合するための嵌合部323Mがその一端に設けられている。嵌合部323Mは、クランプ80M(閉塞部材)と嵌合するその内表面の断面形状がベース金具60Mの他の部分より小さくなるように構成されるとともに、ベース金具60Mの内部と連通する中空構造になっている。充填ゲート81を介して注入される樹脂は、嵌合部323Mおよびクランプ80Mが構成する中空空間を通って、紙面左側にあるベース金具60Mの内部空間へ充填されることになる。
クランプ80M(閉塞部材)は、嵌合部323Mの内表面と接する主部と、その外表面が中空構造の内側の面と連続面になるように構成された鍔部(突出部)とを含む。嵌合部323Mおよびクランプ80Mの鍔部とベース金具60Mの内表面63Mとの間の距離(図20(a)に示す樹脂充填部厚みD)は、0.2mm〜1.0mmの範囲に設計される。すなわち、中空構造の厚みは0.2mm〜1.0mmの範囲内となるように構成される。また、嵌合部323Mおよびクランプ80Mが構成する中空空間の面積は、充填ゲート81の断面積の4倍以上となるように設計される。
充填ゲート81は、嵌合部323Mに対向する部分またはクランプ80Mの突出部に対向する部分に設けられる。すなわち、充填ゲート81は、ベース金具60Mの後端側であって、嵌合部323Mおよびクランプ80Mに近接した位置に配置される。
このような設計値を採用することで、上述の充填樹脂規制面による樹脂飛出しの抑制効果と同様の効果を実現できる。
[利点]
本実施の形態によれば、充填樹脂規制面を実現するフィルムゲート部を構成することで、線膨張係数が90×10−6/℃以上であり、かつ400×10−6/℃以下である樹脂(例えば、ホットメルト樹脂)を使用して内部を充填した場合であっても、厚み方向の樹脂膨張を抑制できる。これによって、その電子機器を高温環境で使用された際でも、充填樹脂の熱膨張でゲートから樹脂が飛出る可能性を大幅に低減できる。
また、本実施の形態によれば、本体ケースの一端に薄肉化された樹脂充填構造を形成し、この樹脂充填構造に樹脂を充填することで、全周に亘ってシール構造を設けることで、耐水性(封止性)を担保できる。また、本実施の形態によれば、樹脂充填の最初の段階で、当該シール構造に樹脂充填されるため、安定した耐水性を確保できる。
[その他の実施の形態]
上述の各実施の形態は、電子機器の一例として近接センサーに基づいて説明したが、本発明は近接センサーに限られない。本発明は、典型的には、光電センサー、ファイバセンサー、または、スマートセンサーなどに適用してもよい。
光電センサーは、発光源から出射される光の様々な性質を利用して、物体の有無や表面状態の変化などを検出する。光電センサーの検出部は、発光源として発光ダイオードまたは半導体レーザーなどを含む。ファイバセンサーは、光電センサーに光学ファイバを組み合わせたセンサーである。ファイバセンサーの検出部も、発光源として発光ダイオードまたは半導体レーザーなどを含む。スマートセンサーは、近接センサーや光電センサーに、解析、情報処理の能力が付加されたセンサーである。スマートセンサーの検出部は、近接センサーが基本構成として用いられる場合、上記の各実施の形態における検出部に相当し、光電センサーが基本構成として用いられる場合、発光源として発光ダイオードまたは半導体レーザーなどを含む。
以上、本発明に基づいた各実施の形態および実施例について説明したが、今回開示された各実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。