JP6298638B2 - 摺動ダンピング装置および免震テーブル - Google Patents

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Description

本発明は、コンピューター等の電子機器や文化財などを地震から守る免震テーブル等に用いられる摺動ダンピング装置、これを用いた免震テーブルに関する。
電気機器などを保護する現状の免震テーブルは、0.2〜1秒程度の短周期成分を卓越成分とする地震動(以下、短周期地震動という)を対象としている。この周期域での高い免震効果を得るために、機器搭載時の機器−免震テーブル系の固有周期は2〜5秒に設計され、減衰を小さめに設定されている場合が多い。従って、この固有周期を外れた周期成分を含む長周期地震動を受けたときには、機器−免震テーブル系は共振し、許容変位を超えて大きく振動するという問題がある。なお、卓越成分とは、地震動は様々な周期成分を含み、その内の大きな周期成分をいう。
従来の免震テーブルでは、筒型ダンパーを用いた減衰装置が広く用いられている。しかし、長周期地震動による共振問題に対して、筒型ダンパーを用いた減衰装置では、下記(a)ないし(c)などの問題がある。
(a)長周期地震動に対応するためには、一定以上の長いストロークが必要であるが、長いストロークの筒型ダンパーでは、構造が複雑で大きく重くなってしまう。
(b)一般的な筒型ダンパーは、油等の流体を用いた物が多く、速度に依存したダンピング特性となり、動き出しのスムーズさと、ストローク後半の高減衰特性が得にくい。
(c)一般的な流体を用いた筒型ダンパーは、劣化や漏れの問題がつきまとう。
一方、筒型ダンパーを用いずに長周期地震動による共振を抑制する摺動ダンピング装置として、特許文献1に記載の摺動ダンピング装置が提案されている。この摺動ダンピング装置は、両端側付近で各端部に向かうにつれて径が大きくなる軸部材と、この軸部材と接した状態のまま軸部材に沿って移動する挟持部材とを有し、地震などの外力が加わって挟持部材が軸部材に沿って移動する際、軸部材が端部側に向かうにつれて、軸部材の径が大きくなるので、徐々に大きくなる摩擦力を発生させるように形成されている。
特許文献1に記載の摺動ダンピング装置は、短周期地震動および長周期地震動に対して有効であるが、短周期地震動および長周期地震動の両方に対して、より有効な摺動ダンピング装置が要望されている。
特開2011−47514号公報
本発明の課題は、長いストロークでも軽量で簡便な機構を備え、短周期地震動に対して高い免震効果を発揮し、かつ長周期地震動による共振を抑制する摺動ダンピング装置および免震テーブルを提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)表面にガイドレールを有する固定台と、前記ガイドレールに係合しガイドレールに沿って移動可能であり、かつガイドレールに沿った両端が開口した開口部およびこの両端の開口部に連通した内部空間を有する可動ガイド材と、この可動ガイド材の内部空間内に収容され、貫通孔を有する複数の摩擦回転板からなり、各摩擦回転板は厚さ方向が前記ガイドレールの長手方向に沿うように可動ガイド材の内部空間内に並べて収容されている摩擦回転群と、前記固定台の表面にガイドレールに沿って架設され、可動ガイド材の両端開口部および内部空間内の各摩擦回転板の貫通孔を挿通した架設体とを備え、下記(a)および(b)の条件を満たすように、架設体の少なくとも両端部は、摩擦回転板をその周方向に回転させるねじれ構造を有することを特徴とする摺動ダンピング装置。
条件(a):前記可動ガイド材が前記架設体の長手方向の中央部に位置し、地震動の発生がない場合、前記可動ガイド材は、その位置を保持する。
条件(b):前記可動ガイド材がガイドレールに沿って前記架設体に対して相対移動する際、ガイドレールの端部に向かうにつれて、前記可動ガイド材に収容された前記複数の摩擦回転板は、先頭の摩擦回転板から順に回転を開始し、隣接し対面する摩擦回転板の表面と摺接し、摩擦力を発生させる。
(2)前記架設体は金属帯体からなり、この金属帯体は、少なくとも両端部がねじられており、前記貫通孔は、前記金属帯体のねじりに追従して前記摩擦回転部材が回動するように形成されている前記(1)に記載の摺動ダンピング装置。
(3)前記摩擦回転部材は、摩擦係数の高い高摩擦回転部材と、この高摩擦回転部材よりも摩擦係数が小さい低摩擦回転部材とを含む前記(2)に記載の摺動ダンピング装置。
(4)前記架設体は外周面に溝が形成されたシャフトであり、前記溝は、シャフト中央部がシャフトの軸方向に平行な直線溝であり、シャフト中央部から端部にかけて螺旋状にねじれた構造へと連続的に変化するとともに、前記貫通孔は、前記シャフトの溝と係合する突部を有する前記(1)に記載の摺動ダンピング装置。
(5)前記可動ガイド材がガイドレールに沿って前記架設体に対して相対移動したときに、可動ガイド材を元の位置に復帰させる弾性部材を前記可動ガイド材に取り付けた前記(1)〜(4)のいずれかに記載の摺動ダンピング装置。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の摺動ダンピング装置からなる下段摺動ダンピング装置と、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の摺動ダンピング装置からなる上段摺動ダンピング装置とを互いに直交状態で積層したことを特徴とする摺動ダンピング装置。
(7)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の摺動ダンピング装置の前記可動ガイド材の上面にテーブルが取り付けられた免震テーブル。
(8)前記(6)に記載の摺動ダンピング装置の前記上段摺動ダンピング装置における可動ガイド材の上面にテーブルが取り付けられた免震テーブル。
本発明によれば、長いストロークでも軽量で簡便な機構で、短周期地震動に対して高い免震効果を発揮し、かつ長周期地震動による共振を抑制することができる。すなわち、本発明によれば、地震等の震動がない通常時には、摺動部材が架設体の長手方向の中央部に位置して、可動ガイド材はフラつきの無い静止状態を保持する。一方、地震動が起きた場合、可動ガイド材の移動量が小さい時には、摺動効果が小さく、可動ガイド材の移動量が大きくなるに従って摺動効果が大きくでき、短周期地震動から長周期地震動まで対応出来る。また、本発明によれば、油等が漏れたり、劣化したりする可能性がある流体を用いないので、保守・維持管理が容易である。
本発明の一実施形態に係る摺動ダンピング装置の概略斜視図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る摺動ダンピング装置の概略平面図であり、(b)は(a)中のX方向から観た概略正面図である。 本発明の一実施形態における可動ガイド材の概略斜視図である。 (a)は本発明の一実施形態における収納部材の概略正面図であり、(b)は概略平面図であり、(c)は概略背面図である。 (a)は本発明の一実施形態における収納蓋部材の概略正面図であり、(b)は概略平面図であり、(c)は概略背面図である。 架設体のねじれにより摩擦回転板が周方向に回転することを説明するための概略説明図である。 本発明の一実施形態における収納部材、収納蓋部材および摩擦回転群の分解斜視図である。 (a)本発明の他の実施形態における架設体の概略正面図であり、(b)本発明の他の実施形態における摩擦回転板の概略斜視図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る摺動ダンピング装置の概略平面図である。 (a)は本発明のさらに他の実施形態に係る摺動ダンピング装置の概略平面図であり、(b)は(a)中のZ−Z´における概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
〔摺動ダンピング装置1〕
本発明の一実施形態に係る摺動ダンピング装置1は、図1および図2に示すように、表面にガイドレール2aおよび固定部2bを有する固定台2と、ガイドレール2aに沿った両端が開口した開口部30およびこの開口部30に連通する内部空間31を有する可動ガイド材3と、架設体5とを備える。可動ガイド材3の内部空間31には、図7に示すように、複数の摩擦回転板4aからなる摩擦回転群4が収納されている。各摩擦回転板4aは、その主面の中央部に貫通孔40を有する。
可動ガイド材3は、その開口部30および内部空間31に架設体5が挿通するとともに、ガイドレール2aに沿って移動可能にガイドレール2aに係合されている。摩擦回転群4は、図6、図7に示すように、各摩擦回転板4aの貫通孔40に架設体5が挿通するとともに、各摩擦回転板4aの厚さ方向がガイドレール2aに沿うように各摩擦回転板4aが可動ガイド材3の内部空間31内に並べて収納されて構成されている。架設体5は、その長手方向の中央部から両端部にかけて、それぞれ45°ねじられた状態(ねじれ構造)で、ガイドレール2aの長手方向に沿って、固定台2の表面より上方に位置する固定部2bの上面にその両端部が固定されている。
なお、架設体5の長手方向の中央部とは、通常、図2(b)において、架設体5を固定部2bに固定する螺子などの固定具2e同士を結ぶ直線の中点を中心とする、一定の範囲をいう。
(固定台2)
固定台2は、建物の床面などに公知の部材を介して地面に固定され、地震動により、その振動が伝達されて振動するものである。図2(a)において、ガイドレール2aの長手方向と、架設体5を固定部2bに固定する螺子などの固定具2e同士を結ぶ直線とは略平行な関係にある。
固定台2は、図1に示すように、本体部2cと、この本体部2c上に固定されたガイドレール2aおよび一対の固定部2b,2bとから構成され、一対の固定部2b,2bは、高さが同じで、かつ架設した架設体5がガイドレール2aに沿うように配置されている。これにより、摺動ダンピング装置1において、地震動により可動ガイド材3が架設体5に対して相対移動する際、隣接し対面する摩擦回転板4aの表面同士を効率的に摺接させることができる。
ガイドレール2aおよび固定部2bの配置間隔等は、免震対象物に応じて適宜調整すればよい。なお、本発明では、ガイドレール2a、固定部2bおよび本体部2cが一体化された固定台であってもよい。
ガイドレール2aとしては、後述する可動ガイド材3のスライド部材3aをスライド自在に搭載可能なものであれば特に限定されず、例えば、図1,2に示すようなリニアレールなどが挙げられる。固定部2bおよび本体部2cの形状や大きさ等は、免震対象物に応じて適宜変更すればよい。
(可動ガイド材3)
可動ガイド材3は、摩擦回転群4を収納するとともに、地震動によりガイドレール2aに沿って架設体5に対して相対移動可能なものである。さらに、可動ガイド材3には、免震対象物を載置または固定するためのテーブル(図示せず)が取り付けられる。
可動ガイド材3は、図3に示すように、スライド部材3aと、摩擦回転群4を収納する収納部材3bと、摩擦回転群4を収納部材3bの内部空間31内に閉じ込める収納蓋部材3cとからなる。
スライド部材3aは、ガイドレール2aに対してガイドレール2aの長手方向に沿って移動可能に係合されている。収納部材3bは、スライド部材3aに固定されている。収納蓋部材3cは、収納部材3bに固定されている。
収納部材3bは、図4に示すように、スライド部材3aと当接する装着部3baと、摩擦回転群4を収納する貫通孔(内部空間31)が形成された収納部3bbとを有する。また、装着部3baには、スライド部材3aと収納部材3bとを螺子固定するための螺子孔3b1が形成され、収納部3bbには、収納部材3bと収納蓋部材3cとを螺子固定するための螺子孔3b2が形成されている。
内部空間31の直径は、摩擦回転板4aをその周方向に回転可能に収納できる大きさであれば特に限定されない。内部空間31の深さD3bは、複数の摩擦回転群4を収納できる深さであれば特に限定されず、隣接する摩擦回転板4aの摺動回転するように摩擦回転群4を収納した際に若干の隙間がある程度の深さであるのが好ましい。
また、収納部材3bでは、内部空間31の形状は円筒状であるが、本発明はこれに限定されず、摩擦回転板4aが周方向に回転可能であれば、三角柱状、四角柱状、五角柱状などであってもよい。
収納蓋部材3cは、図5に示すように、平板状の本体部3caと、円柱状の中央部に架設体5が挿通する貫通孔(開口部30)が形成された筒部3cbとを有する。また、本体部3caには、収納蓋部材3cと収納材3bとを螺子固定するための螺子孔3c1が形成されている。
開口部30の直径は、収納部材3bの内部空間31の直径よりも小さく、かつ摩擦回転群4を可動ガイド材3の内部空間31内に収納した際、摩擦回転板4aを可動ガイド材3の内部空間31内に閉じ込めることができるサイズであれば、特に限定されない。収納蓋部材3cの厚みD3cは、複数の摩擦回転群4を内部空間31内に収納できる厚みであれば特に限定されず、隣接する摩擦回転板4a同士が摺動回転するように摩擦回転群4を収納した際に若干の隙間ができる程度の厚みであるのが好ましい。
収納蓋部材3cを収納部材3bに取り付ける際、筒部3cbは収納部材3b側となるように取り付けられる。
また、収納蓋部材3cでは、開口部30の形状は円柱状であるが、本発明はこれに限定されず、三角柱状、四角柱状、五角柱状などであってもよい。
(摩擦回転群4)
摩擦回転群4は、図7に示すように、複数の摩擦回転板4aからなる。摩擦回転群4を構成する摩擦回転板4aの枚数は、特に限定されず、免震対象物に応じて適宜調整すればよい。回転する摩擦回転板4aの枚数が多い程、大きな減衰力を発揮する。
摩擦回転板4aは、図6に示すように、円形の主面中央部に架設体5が挿通する所定形状の貫通孔40を有する円板である。この貫通孔40に架設体5が挿通されることで、例えば、一端部Y´が中央部Yに対して45°ねじられたねじれ構造の架設体5の中央部Yから一端部Y´にかけて摩擦回転板4aが移動する場合、図6に示すように、摩擦回転板4aは、架設体5のねじりに追従して回転しながら移動する。この際、隣接する摩擦回転板4aは主面同士が接触した状態であるため、一方の摩擦回転板4aが摺動回転することで摩擦力が発生する。この摩擦力が可動ガイド材3の移動を抑制する作用をもたらす。
摩擦回転板4aのサイズは、可動ガイド材3の収納空間31に収納できるサイズであれば特に限定されない。貫通孔40の形状は、相対移動の際、架設体5のねじれに追従して回転可能な形状であれば特に限定されず、例えば、架設体5の断面形状によって適宜調整すればよい。また、摩擦回転板4aは円板であるが、本発明はこれに限定されず、矩形板などであってもよい。
摩擦回転板4aの材質としては、例えば、隣接する摩擦回転板4aとの間で発生する摩擦力が所望のものとなるように適宜調整すればよく、例えば、エラストマー、金属、樹脂、セラミック、無機ファイバーなどが挙げられ、これら2種以上を併用した複合材であってもよい。
摩擦回転板4aを構成するエラストマーとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴムなどが挙げられる。
摩擦回転板4aを構成する金属としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、真鍮などが挙げられる。
摩擦回転板4aを構成する樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性の汎用プラスチック;ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂などの熱可塑性のエンジニアリングプラスチック;ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂などの熱可塑性のスーパーエンジニアリングプラスチック;熱硬化性ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂;などが挙げられ、これらの樹脂は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
摩擦回転板4aを構成するセラミックとしては、例えば、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。
摩擦回転板4aを構成する無機ファイバーとしては、例えば、セラミック繊維、生分解性セラミック繊維、鉱物繊維、炭素繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミノシリケート繊維などが挙げられる。
摩擦回転板4aを構成する複合材としては、例えば、不織布を樹脂やエラストマーで固めたもの、炭素繊維を樹脂やエラストマー、炭素で固めたものなどが挙げられる。
摩擦回転板4aの主面には、織布、編布または不織布の布が貼合されているのが好ましい。これにより、摩擦回転板4a同士の摩擦による磨り減りの進行を抑制することができる。
織物、編物または不織布の布を構成する繊維としては、例えば、フッ素繊維、液晶ポリマー繊維、カーボン繊維などの合成繊維;綿糸などの天然繊維などが挙げられ、これらの2種以上の混合繊維であってもよい。
摩擦回転群4は、摩擦係数の高い高摩擦回転部材と、この高摩擦回転部材よりも摩擦係数が小さい低摩擦回転部材とを含むのが好ましい。これにより、同じ種類の摩擦回転部材4aが隣接する場合に比べて、隣接する摩擦回転部材4a同士の摺動回転がスムーズになり、効率的に可動ガイド材3の移動を抑制することができる。摩擦回転群4は、例えば、高摩擦回転部材と低摩擦回転部材とが交互に並べられているのが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
摩擦回転部材の摩擦係数は、摩擦回転部材を構成する材質、凹凸など主面の表面状態などによって定まり、例えば、一方の摩擦回転部材(高摩擦回転部材)を構成する材質がエラストマーである場合、他方の摩擦回転部材(低摩擦回転部材)を構成する材質は樹脂であるのが好ましい。
(架設体5)
架設体5は、相対移動の際、架設体5の中央部に対してねじれた部位を移動する摩擦回転板4aを回転させるものであり、その両端部は固定部2bの上面に固定されている。
架設体5では、架設体5の一端部から架設体3の全長に対して3分の1および3分の2程度離れた位置を始点として、中央部から一端部にかけて45°ねじられているが、本発明はこれに限定されず、少なくとも両端部が中央部に対してねじられていればよく、さらにねじられた部位があってもよいし、ねじり角度は、免震対象物に応じて適宜調整すればよい。また、ねじりの回転方向は、右回りでも左回りでもどちらでもよい。
架設体5は、中央部に位置する可動ガイド材3の挿通直後からねじれているのが好ましい。これにより、可動ガイド材が前記架設体の長手方向の中央部に位置し、地震動の発生がない場合、前記可動ガイド材は、その位置を保持することができる。
架設体5は、所望のねじり構造を保持し、摩擦回転板4aを回転させる剛性を有するものであれば特に限定されず、例えば、ニッケル、アルミニウム、鉄材、銅、真鍮などからなる金属帯体などが挙げられる。架設体5の厚みなどのサイズは、免震対象物に応じて適宜調整すればよい。架設体5の形状が帯体状である場合、その断面形状は、例えば、正方形、十字形などであってもよい。
(弾性部材)
摺動ダンピング装置1は、可動ガイド材3が架設体5の長手方向中央部から相対移動した際、該長手方向中央部に可動ガイド材3を復帰させる復元力を可動ガイド材3に付勢する弾性部材を備えていてもよい。当該弾性部材を図2(a)に符号6で示す。これにより、地震動により可動ガイド材3が架設体5に対して相対移動した後、架設体5の長手方向の中央部に可動ガイド材3を復元させることができる。弾性部材6は、一端が可動ガイド材3に接続され、他端が摺動ダンピング装置1とは別の図示しない構造体に接続されていてもよく、あるいは固定台2に接続されていてもよい。
図2(a)では、2本の弾性部材6を示しているが、本発明はこれに限定されず、1本または3本以上の弾性部材が接続されていてもよい。弾性部材6としては、例えば、スプリング、板バネなどのバネ、弾性ゴムなどが挙げられる。
〔摺動ダンピング装置1の組立方法〕
摺動ダンピング装置1の組立は、例えば、下記(i)、(ii)、(iii)の順で行えばよい。
(i) 本体部2c上にガイドレール2aを固定した後、本体部2c上に一対の固定部2b,2bを、対向するように固定し、固定台2とする。
(ii)架設体5に、図7に示すように、収納蓋部材3c、収納材3b、摩擦回転部材4aおよび収納蓋部材3cをこの順に挿通し、収納蓋部材3cと収納材3bとを固定し、摩擦回転群4を可動ガイド材3の内部空間31内に封止する。
(iii) 可動ガイド材3のスライド部材3aをガイドレール2aにスライド自在に装着し、ついで架設体5の両端部を中央部に対して45°ねじりながら、可動ガイド材3を架設体5の長手方向中央部に移動させ、架設体5の両端部を固定台2の一対の固定部2b,2bにそれぞれ螺子止めなどにより固定する。これにより、摺動ダンピング装置1が得られる。
〔摺動ダンピング装置1の動作〕
摺動ダンピング装置1は、相対移動の際、短周期地震動では小さな減衰力で、長周期地震動では架設体の端部側に向かうにつれて大きな減衰力で、可動ガイド材3の移動を抑制する。詳しくは、下記(a)ないし(c)の動作をする。
(a)可動ガイド材3が架設体5の長手方向の中央部に位置し、地震の発生のない通常時である場合、主に架設体5と摩擦回転板4aとの間で発生する静摩擦により、可動ガイド材3は、フラつきの無い状態で、架設体5の長手方向の中央部の位置を保持する。
(b)短周期地震動が発生した場合、可動ガイド材3は架設体5の長手方向の中央部内を相対移動し、主に架設体5と摩擦回転板4aとの間で発生する動摩擦により、可動ガイド材3の相対移動は抑制され、後に停止する。
(c)長周期地震動が発生した場合、可動ガイド材3は架設体5の長手方向の中央部を越えて端部側を相対移動し、この際、主に隣接する摩擦回転板4a同士の摺動回転により、すなわち、ガイドレール2aの端部に向かうにつれて、可動ガイド材3に収容された複数の摩擦回転板4aは、先頭の摩擦回転板4aから順に回転を開始し、隣接し対面する摩擦回転板4aの表面(主面)と摺接し、摩擦力が発生することにより、上記動摩擦よりも大きな減衰力で可動ガイド材3の相対移動は抑制され、後に停止する。この際、架設体5の端部側に向かって摺同回転する摩擦回転板4aの枚数が増え、減衰力が大きくなるに伴い、共振は抑制される。
このため、本発明の摺動ダンピング装置1は、長周期地震動に対応するために一定以上の長いストロークとしても、従来の筒型ダンパーと比較して、軽量で、構造が簡便で優れた減衰特性を有する。また、油等の流体を用いた一般的な筒型ダンパーと異なり、速度に依存したダンピング特性とならず、初動がスムーズで、ストローク後半の高減衰特性が得やすい。さらに、流体を用いた一般的な筒型ダンパーと異なり、劣化や漏れの問題がなく、保守・維持管理が容易である。
〔本発明の他の実施形態〕
本発明の他の実施形態を図8に示す。この実施形態では、前述の架設体5に代えて、外周面に溝7aが形成されたシャフト7を用い、この溝7aと係合する突部41が形成された貫通孔40´を有する複数枚の摩擦回転板4a´からなる摩擦回転群4を用いたものである。その他は前述の実施形態と同じであるので、以下、同一構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
シャフト7は、丸棒の外表面に複数の平行な溝7aが形成したものである。溝7aは、中央部7Bにおいて軸方向に平行な直線溝であり、中央部7Bから端部までの領域7Cが螺旋状にねじられた構造へと連続的に変化している。シャフト7は、固定部2bに固定するための取付部7dを有する。
螺旋状にねじられた溝を有する領域7Cは、通常、1リード(ピッチ)の30〜70%の長さである。また、溝7aの深さや数は、免震対象物に応じて、適宜調整すればよい。
ここで、直線溝が形成された中央部7Bは、可動ガイド材3が位置するシャフト7の長手方向中央部であり、地震動の発生がない場合、前記可動ガイド材3がその位置を保持する。なお、シャフト7の長手方向に沿った可動ガイド材3の長さは特に限定されない。
摩擦回転板4a´に形成された貫通孔40´には、溝7aと係合する突部41が形成されている。これにより、複数の摩擦回転板4a´は、震動時にはシャフト7の溝7aの形状に追従して、先頭の摩擦回転板4a´から順に回転を開始し、隣接し対面する摩擦回転板4a´の表面と摺接し、摩擦力を発生させ、震動を減衰させる。
なお、貫通孔40´は、中央部から螺旋状にねじられた構造の両端部にかけて摩擦回転板4a´をスムーズに移動させるなどの観点から、薄い樹脂や弾性ゴムなどの弾性部材を介して、シャフト7と接触していてもよい。
その他は、前述の実施形態を同じであるので、詳細な説明は省略する。
〔本発明のさらに他の実施形態〕
本発明のさらに他の実施形態を図9に示す。この実施形態では、2本のガイドレール2a,2aが架設体5を介して平行に配置された固定台2´を用い、可動ガイド材3´は各ガイドレール2aに装着されたスライド部材を有する。その他は図1〜7に示した実施形態と同じであるので、以下、同一構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
〔本発明のさらに他の実施形態〕
本発明のさらに他の実施形態を図10に示す。同図に示す摺動ダンピング装置10は、下段摺動ダンピング装置11と、上段摺動ダンピング装置12とを互いに直交状態で積層したものである。図10において、図9の実施形態に示した構成部材と同一構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
〔免震テーブル〕
本発明の免震テーブルは、上述した摺動ダンピング装置の可動ガイド材の上面または上述した上段摺動ダンピング装置における可動ガイド材の上面に、図示しないテーブルが取り付けられたものである。このテーブル上に、美術品、工芸品、医薬品棚、ボトルラック、一般陳列棚、コンピューター関連機器、その他精密機器などの免震対象物を載置、固定などすることで、免震対象物の転倒や誤作動の発生などを抑制することができる。
テーブルとしては、免震対象物に応じて適宜調整すればよく、公知のものが挙げられる。また、免震対象物に応じて、テーブルの重さを調整することで、減衰特性を容易に調整することができる。
1,1´,10 摺動ダンピング装置
2,2´ 固定台
3,3´ 可動ガイド材
4,14 摩擦回転群
5,15 架設体
6 弾性部材
7 シャフト(架設体)
11 下段摺動ダンピング装置
12 上段摺動ダンピング装置

Claims (6)

  1. 表面にガイドレールを有する固定台と、
    前記ガイドレールに係合しガイドレールに沿って移動可能であり、かつガイドレールに沿った両端が開口した開口部およびこの両端の開口部に連通した内部空間を有する可動ガイド材と、
    この可動ガイド材の内部空間内に収容され、貫通孔を有する複数の摩擦回転板からなり、各摩擦回転板は厚さ方向が前記ガイドレールの長手方向に沿うように可動ガイド材の内部空間内に並べて収容されている摩擦回転群と、
    前記固定台の表面にガイドレールに沿って架設され、可動ガイド材の両端開口部および内部空間内の各摩擦回転板の貫通孔を挿通した架設体とを備え、
    下記(a)および(b)の条件を満たすように、架設体の少なくとも両端部は、摩擦回転板をその周方向に回転させるねじれ構造を有することを特徴とする摺動ダンピング装置。
    条件(a):前記可動ガイド材が前記架設体の長手方向の中央部に位置し、地震動の発生がない場合、前記可動ガイド材は、その位置を保持する。
    条件(b):前記可動ガイド材がガイドレールに沿って前記架設体に対して相対移動する際、ガイドレールの端部に向かうにつれて、前記可動ガイド材に収容された前記複数の摩擦回転板は、先頭の摩擦回転板から順に回転を開始し、隣接し対面する摩擦回転板の表面と摺接し、摩擦力を発生させる。
  2. 前記架設体は金属帯体からなり、この金属帯体は、少なくとも両端部がねじられており、
    前記貫通孔は、前記金属帯体のねじりに追従して前記摩擦回転が回動するように形成されている請求項1に記載の摺動ダンピング装置。
  3. 前記摩擦回転は、摩擦係数の高い高摩擦回転と、この高摩擦回転よりも摩擦係数が小さい低摩擦回転とを含む請求項2に記載の摺動ダンピング装置。
  4. 前記架設体は外周面に溝が形成されたシャフトであり、前記溝は、シャフト中央部がシャフトの軸方向に平行な直線溝であり、シャフト中央部から端部にかけて螺旋状にねじれた構造へと連続的に変化するとともに、
    前記貫通孔は、前記シャフトの溝と係合する突部を有する請求項1に記載の摺動ダンピング装置。
  5. 前記可動ガイド材がガイドレールに沿って前記架設体に対して相対移動したときに、可動ガイド材を元の位置に復帰させる弾性部材を前記可動ガイド材に取り付けた請求項1〜4のいずれかに記載の摺動ダンピング装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の摺動ダンピング装置の前記可動ガイド材の上面にテーブルが取り付けられた免震テーブル。
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