図1において、本発明を実施した溶液製膜設備10は、単層構造のフィルム11をつくるためものものであり、上流側から順に、流延室12とクリップテンタ13と乾燥室15と冷却室16と巻取室17とを有する。なおこの例では、液晶ディスプレイの偏光板の保護膜として用いるフィルム11を製造しているが、これに限られず、例えば、偏光板の保護機能を有する位相差フィルムや低透湿フィルムとして用いるフィルムを製造することができる。
流延室12は、ポリマーが溶媒に溶解したポリマー液(以下、ドープと称する)18から、溶媒を含んだ状態のフィルム11を形成するためのものである。この例では、ドープ18のポリマーをセルロースアセテート、溶媒をジクロロメタンとメタノールとの混合物としている。しかしドープ18のポリマーと溶媒とはこれに限定されない。ポリマーとしては、例えば、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)等が用いられる。溶媒としてはブタノール等が用いられ、こうした物質は単独で用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
流延室12には、ダイ20と、流延バンド22と、回転ローラ23,24と、流延バンド22から流延膜21を剥ぎ取る剥取ローラ25と、温調装置26と、送風装置27a,27b等が備えられている。
ダイ20は、この例では、供給されてきたドープ18を案内しながら、ドープ18の流れであるドープ流を膜状に形成して流出するためのものである。ダイ20の詳細については別の図面を用いて後述する。流延バンド22は、ダイ20から流出したドープ18を支持して流延膜21を形成するためのものである。
回転ローラ23,24には、環状に形成された支持体としての流延バンド22が掛け渡される。回転ローラ23,24は回転軸23a,24aを有し、回転軸23a,24aが図示しない駆動装置により回転することにより、周方向に回転する。この回転に伴い流延バンド22は長手方向に連続的に移動する。ダイ20は、本実施形態においては回転ローラ23上に設けているが、回転ローラ23から回転ローラ24に向かう流延バンド22上に設けてもよい。移動する流延バンド22に向けてダイ20からドープ18が連続的に流出することにより、流延バンド22上に流延膜21が形成される。この例では、支持体として、回転ローラ23,24に掛け渡され、ローラの回転により、移動する流延バンド22を用いているが、これに限られない。例えば、回転ローラ23,24と流延バンド22とに代えて、流延ドラム(図示無し)を用いてもよい。
流延バンド22は移動速度が10m/分以上80m/分以下の範囲内にされており、これにより流延速度が10m/分以上80m/分以下とされる。本実施形態では、流延バンド22の移動速度を20m/分にしている。
温調装置26は、流延膜21を支持する流延バンド22の支持面22a(図3参照)の温度を所定の値にするためのものである。温調装置26は、回転ローラ23,24に取り付けられており、伝熱媒体の温度を調節する温度調節部(図示無し)を備え、温度調節部と回転ローラ23,24内に設けられる流路との間で、所望の温度に調節された伝熱媒体を循環させる。この伝熱媒体の循環により、回転ローラ23,24を介して流延バンド22の温度を調節する。
送風装置27a,27bは、流延膜21を乾燥するためのものである。送風装置27a,27bは、ダイ20よりも流延バンド22の移動方向下流側に設けられる。送風装置27a,27bは、本実施形態では、通過する流延膜21に向けて乾燥風を送出するものとしているが、これに限られず、例えば流延バンド22の移動方向に向けて流延膜21上に乾燥風を供給するものであってもよい。ダイ20と送風装置27aとの間に、送風装置27aから出される乾燥風を遮るラビリンスシール(図示無し)を設けてもよい。このラビリンスシールの設置により、流延直後の流延膜21と乾燥風との接触に起因する流延膜21の面状変動が抑制される。
流延バンド22の移動方向におけるダイ20よりも上流側には減圧チャンバ(図示無し)を配してもよい。この減圧チャンバは、ダイ20から流延バンド22に至るドープ18であるいわゆるビードの切断や震えを防止するためのものである。減圧チャンバは、流延バンド22の移動方向におけるビードよりも上流側の雰囲気を吸引することにより、ビードの上流側の圧力を下流側の圧力よりも低くする。この圧力調整によりビードは安定する。
剥取ローラ25は、その回転軸を回転ローラ23の回転軸と平行に配してある。剥取ローラ25、この例では、フィルム11の搬送路に関して流延バンド22とは反対側に配されており、周面にフィルム11が巻き掛けられる。剥取ローラ25は、フィルム11の搬送にともなって従動回転する。フィルム11を剥取ローラ25に巻き掛けた状態で、溶液製膜設備10の下流に向けてフィルム11が引っ張られることにより、流延膜21が所定の剥取位置で流延バンド22から剥がれる。なお、剥取ローラ25をモータによりフィルム11の搬送に同期して回転させてもよい。
流延室12からクリップテンタ13に至る渡り部29には、複数のローラ30が配され、これらのローラ30は、フィルム11をクリップテンタ13に案内する。複数のローラ30によって設定されるフィルム11の搬送路の近傍には、送風装置(図示無し)が設けられてもよい。この送風装置は、溶媒を含んだ状態のフィルム11に、風をあててフィルム11の乾燥をすすめる。
クリップテンタ13は、フィルム11の側縁部を保持する保持部材としてのクリップ(図示無し)を複数備えており、このクリップの移動によりフィルム11を搬送する。また、クリップをフィルム11の幅方向へ移動することにより、フィルム11の幅を拡げたり、狭めたり、一定に保持する等の幅の制御を行う。クリップテンタには送風装置(図示無し)が設けられており、搬送されるフィルム11には送風装置から乾燥風が送られる。
クリップテンタ13より下流には、本実施形態のように耳切装置31が設けられていてもよく、耳切装置31は、フィルム11の幅方向両側縁部を切り離す。切り離された両側縁部は、送風によりクラッシャ32に送られて、破砕され、ドープ等の原料として再利用される。
乾燥室15には、フィルム11を搬送しながら、さらに乾燥をすすめるためのものである。乾燥室15には多数のローラ34が設けられており、ローラ34のそれぞれにフィルム11が巻き掛けられながら搬送される。乾燥室15内の雰囲気の温度や湿度などは、図示しない空調機により調節されている。なお、乾燥室15には吸着回収装置が接続されており、フィルム11から蒸発した溶媒が吸着材に吸着されて回収される。
冷却室16は、乾燥室15の下流に設けられており、フィルム11を例えば室温となるまで冷却するためのものである。冷却室16は、雰囲気の温度や湿度などが、図示しない空調機により調節されている。
本実施形態では、冷却室16の下流にナーリング付与ローラ35を設けている。ナーリング付与ローラ35は、フィルム11の両側縁部に多数の凹凸からなるナーリングを付与する。巻取室17は、プレスローラ38を有する巻取機36を備え、巻取機36にはフィルム11を巻き取るための巻き芯37がセットされ、駆動部(図示無し)によって巻き芯37を周方向に回転させてフィルム11を巻き芯37に巻き取る。
図2,図3に示すように、ダイ20は、1対のダイブロック41,42と1対の側板45,46とを備える。流延バンド22(図1参照)の幅方向をX方向とし、このX方向と直交する水平方向をY方向とし、水平面に直交する方向をZ方向とするときに、X方向に延びた1対のダイブロック41,42は、Y方向で対向する。側板45と側板46とは、ダイブロック41,42のX方向における各端部に配され、これらはX方向で対向する。側板45,46の各内壁には、ドープ流の幅を規制するスペーサ板47が配されている。ドープ18が案内される内部流路49は、1対のダイブロック41,42と1対の側板45,46の内側に設けられたスペーサ板47とによって囲まれて形成される。なお、ダイブロック41のダイブロック42と対向する対向面を、以下、第1内壁面41aと称し、ダイブロック42のダイブロック41と対向する対向面を、以下、第2内壁面42aと称する。
内部流路49は、この例では、ダイ20をZ方向で貫通するように形成されている。内部流路49の上端は、ダイ20の上部にドープ18が供給される供給口49iとして開口し、下端はダイ20の下部にドープ18が膜状のドープ流を成して流出する出口49oとして開口する。ドープ18の流れ方向は、Z方向に沿った図2及び図3における下向き方向である。出口49oは、X方向に延びたスリット形状、すなわち、X方向が長手方向、Y方向が短手方向とされた矩形である。ドープ18の流れ方向と直交するXY平面における内部流路49の断面形状は、本実施形態では、X方向に長く、Y方向に短い矩形状となっている。ただし、供給口49iと後述の供給部50におけるXY平面での断面形状とは矩形でなくてもよく、例えば円形でもよい。また、この例の出口49oは、Y方向における長さ(以下、第1長さと称する)が1mmであるが、出口49oの第1長さはこれに限られず、目的とするフィルム11の厚みに応じて設定される。例えば、目的とするフィルム11の厚みが5μm以上150μm以下の範囲内である場合には、出口49oの第1長さは0.2mm以上2mm以下の範囲内とされる。中でも、目的とするフィルム11の厚みが5μm以上40μm以下の範囲内である場合には、出口49oの第1長さは0.2mm以上1mm以下の範囲内とされる。
内部流路49は、供給口49iから出口49oに向かって、供給部50と、第1流路部51と、第2流路部52と、第3流路部53とを有する。供給部50は、供給口49iから供給されたドープ18を第1流路部51へ案内するためのものである。第1流路部51は、ドープ流を幅広の膜状に形成するためのものであり、第2流路部52は、膜状のドープ流の厚みをより小さくするためのものである。第3流路部53は、第2流路部52で発生した応力を緩和したり、ドープ流の幅方向における流量分布を調節するためのものである。
XY面において内部流路49の第1長さは、図2に示すように、出口49oに向かって、供給部50、第1流路部51、第3流路部53ではそれぞれ一定であり、第2流路部52では連続的に漸減する。また、供給部50と第1流路部51との第1長さは互いに等しい。一方、XY平面における内部流路49のX方向における長さ(以下、第2長さと称する)は、図3に示すように、出口49oに向かって、供給部50、第2流路部52、第3流路部53ではそれぞれ一定であり、第1流路部51では連続的に漸増する。なお、この例における供給部50は上記のようにそれぞれ一定の第1長さと第2長さとをもつので、断面の形状及び大きさはZ方向において一定とされている。しかし、供給部50は、第1長さと第2長さとをそれぞれZ方向で変化させたものでもよく、すなわちXY平面での断面の形状及び大きさがZ方向で変化したものでもよい。
ダイブロック41の第1内壁面41aにおいて、第1流路部51と第2流路部52との境界と、第2流路部52と第3流路部53との境界とは、それぞれ、図3に示すように、X方向における中央から両端に向かって出口49oからの距離が連続的に漸減し、図3紙面における左右で対称に、かつ、左右の各々で直線状に形成されている。したがって第3流路部53は、ドープ18の流れ方向における第3長さが、X方向の中央から両端に向かって漸減している。
ダイブロック41の第1内壁面41aのうち第3流路部53を形成する部分には、チョークバー56が設けられている。チョークバー56は、ドープ流につきその幅方向、すなわちY方向における流量分布を調節するためのものである。チョークバー56は、X方向に延びている。チョークバー56は、ダイブロック41の第1内壁面41a側から外部に向けて貫通するように形成された開孔41bに、第1内壁面41aから突出して設けられ、Y方向で移動自在とされている。チョークバー56の第1内壁面41aからの突出量は、X方向における平均値で、この例では概ね1.5mmとしているが、これに限られず、0.5mm以上3.0mm以下の範囲内とされる。なお、突出量のX方向における平均値は、X方向において選ばれる複数の位置で突出量をそれぞれ求め、これら各突出量をP1,P2,・・・,Pn−1,Pn(nは2以上の自然数)とするときに、(P1+P2+・・・+Pn−1+Pn)/nの算出式で求めればよく、本実施形態においてもこの算出方法で求めている。なお、X方向において選ばれる位置の数は、少なくとも20であることが好ましい。
チョークバー56は弾性を有しており、チョークバー56の第3流路部53と反対側には複数のボルト57がX方向に所定間隔で配されている。チョークバー56の第3流路部とは反対側の内部には、ボルト57の先端が固定されるボルト固定部材56aが設けられており、このボルト固定部材56aは、チョークバー56に対しては回動自在とされている。ダイブロック41には、開孔41bの第3流路部53とは反対側に、ボルト57を螺合支持する支持部材58が設けられる。これにより、ボルト57はボルト固定部材56aと一体にY方向に移動し、移動したボルト固定部材56aに対応するチョークバー56の対応部分はY方向に移動して第2内壁面42aとの間隔が増減される。
第2内壁面42aと対向するチョークバー56の対向面には、X方向における中央部に、溝60がドープ18の流れ方向に沿って形成されている。チョークバー56の第2内壁面42a側の端部は、溝60を除いた部分が、第1内壁面41aに平行な平坦面56bを有する断面台形状とされている。
溝60は、図4に示すように、X方向の中央に関して図4における左右対称の断面をもって形成されている。溝60は、平坦面56bに平行な底面60aをもち、平坦面56bと底面60aとは斜面60bで接続している。溝60の幅W60は、チョークバー56の平坦面56bでの開口において、1mm以上20mm以下の範囲内とされており、本実施形態では5mmにしてある。このように、溝60の幅W60は、フィルムにおいて発生する薄膜部分の幅よりも小さく設定してある。溝60の幅W60は、平坦面56bでの開口において、2mm以上15mm以下の範囲内であることがより好ましく、3mm以上10mm以下であることがさらに好ましい。
溝60の幅W60は、深さ方向(図4のY方向における下向きに対応)に漸減していることがより好ましい。すなわち、底面60aと各斜面60bとのなす角は鈍角であることが好ましい。底面60aにおける幅W60は平坦面56bにおける幅W60よりも小さくし、0.5mm以上19mm以下の範囲内であることが好ましく、本実施形態では4mmとしている。
また、溝60の幅W60はドープの流れ方向において一定であることが好ましく、本実施形態でもそのようにしてある。
溝60の深さD60は、出口49oの第1長さの50%以上300%以下の範囲内、つまりこの例では0.5mm以上3.0mm以下の範囲内であることが好ましく、本実施形態においては1.5mmとしている。溝60の深さD60は、出口49oの第1長さの100%以上250%以下の範囲内にすることがより好ましく、130%以上220%以下の範囲内にすることがさらに好ましい。
溝60の深さD60は、ドープ18の流れ方向において一定であることが好ましく、本実施形態でもそのようにしてある。なお、本実施形態においては、溝60の底面60aを第1内壁面41aと面一となるように溝60を形成しているが、この態様に限られない。すなわち、底面60aの底面60aが第1内壁面41aから突出した位置となるように溝60を形成してもよいし、第1内壁面41aよりも奥まった位置となるように溝60を形成してもよい。
この例では、Y方向の図2における左向きが流延バンド22の移動方向に一致するように、ダイ20を構成している。しかし、これに限られず、例えば、Y方向の図2における右向きが流延バンド22の移動方向に一致するように構成されたダイでもよい。
上記構成の作用を説明する。ドープ18は、ポンプ(図示無し)によりダイ20へ連続的に供給される。ドープ18は、供給部50、第1流路部51、第2流路部52、第3流路部53を順次通過する。供給部50は、第1流路部51のX方向における中央部にドープ18を案内する。
第1流路部51はドープ18を第2流路部52に向けて案内しながら、ドープ流の幅を連続的に拡げて膜状にする。ドープ18は第1流路部51のX方向中央部に供給されて両側部へと流れていくから、ドープ流における幅方向中央部の圧力損失が両側部の圧力損失よりも小さい。このため、幅方向中央部は、両側部に比べてドープ18が流れやすくなり、流量すなわち単位時間当たりに流れる量が多くなって第2流路部53との境界へ向かう。
第2流路部52は、ドープ流の幅を第1流路部51における幅に保持しながら、厚みを第3流路部53に向けて連続的に漸減させる。ドープ流が受ける圧力損失は、幅方向中央部が側部よりも小さい状態でこの第2流路部52へ達しており、加えて、この第2流路部52は、第1内壁面41a及び第2内壁面42aとのそれぞれにおける第1流路部51との境界が、X方向での中央部においてドープ18の流れ方向の上流側に凸の山形に形成されているから、この境界を通過する際にX方向中央部では側部に比べてドープ流の圧力損失が局所的に大きくなる。
第3流路部53は、ドープ流の幅及び厚みを、第2流路部52における幅及び厚みに保持した状態でチョークバー56まで案内する。ドープ18は、各ボルト57によるチョークバー56の第3流路部53への出退により形成された、第2内壁面42aとチョークバー56の平坦面56bとの間の隙間を通ることによって、ドープ流は圧力損失がX方向に一致する幅方向で調整され、流量が調節されるから、幅方向において流量分布が精度よく調節される。
ここで、第3流路部53も第2流路部52と同様に、第1内壁面41a及び第2内壁面42aとのそれぞれにおける第2流路部52との境界が、X方向での中央部においてドープ18の流れ方向の上流側に凸の山形に形成されている。すなわち、X方向の中央から両端に向かってドープ18の流れ方向における第3長さが漸減している。このように、第1流路部51と第3流路部53との形状をドープ流の幅方向で変化させることで、圧力損失を幅方向で均一化しているので、出口49oから出る際のドープ流の厚みは、その全幅域においてTダイを用いた場合よりも均一になる。一方で、第3流路部53は第2流路部52との境界が上流側に凸の山形に形成されているので、この凸部分の境界及びその付近を通過するドープ流は圧力損失が局所的に大きくなり、ドープ18が流れにくくなる。こうして流量が幅方向中央部で局所的に低下した状態で、ドープ流はチョークバー56に達する。
チョークバー56には溝60が形成されており、第2内壁面42aと溝60の底面60aとの距離は、第2内壁面42aと平坦面56bとの距離よりも大きくされているから、ドープ流の幅方向における中央及びこの付近のみ、局所的に圧力損失が小さくなって、より大きな流量で第2内壁面42aとチョークバー56との隙間を流れる。このように第1流路部51と第2流路部52との境界、第2流路部52と第3流路部53との境界でそれぞれ局所的に小さくなった幅方向中央部の流量は、溝60により大きくされるので、幅方向における中央部は、この中央部を除いた他の部分と同じ流量のドープ流を成してドープ18が通過するようになる。このようにチョークバー56を通過したドープ18は、幅方向に一定の流量で出口49oへ向けて案内され、この状態で出口49oから流出される。
溝60が形成されていないチョークバーを用いた場合には、フィルムの幅方向での中央部に他の領域よりも1μm程度厚みが薄い薄膜部分が発生してしまうが、この薄膜部分の幅よりも小さい幅W60の溝60を設けたチョークバー56を用いることにより、幅方向中央部に薄膜部分が無く、幅方向で厚みが均一なフィルム11が得られる。例えば流延バンド22の移動速度を20m/分に設定した製造速度において、溝60が形成されていないチョークバーを用いた場合には、得られたフィルムには幅方向中央部に、厚みが最大で1.4μm薄い薄膜部分が60mmの幅で生じたが、同じ製造速度においてチョークバー56を用いた場合には、フィルム11に薄膜部分は認められず、幅方向で厚みは均一であることが確認されている。溝60の幅W60を、チョークバー56の平坦面56bでの開口において1mm以上20mm以下の範囲内とすることで、薄膜部分の発生が確実に抑えられる。平坦面56bでの開口における幅W60を1mm以上とすることで、1mm未満の場合と比べて上記の幅W60において、ドープ18が溝60内を確実に流れ、ドープ流の幅方向における厚み分布が確実に調節される。一方、20mm以下とすることで、20mmより大きい場合と比べて上記の幅W60においてドープ18の流れ過ぎが抑えられ、ドープ流の幅方向における厚み分布がより確実に調節される。
薄膜部分の発生を抑制する効果は、一定の製造速度下においてフィルム11の厚みをより薄くするほど高く、フィルム11を5μm以上60μm以下の範囲内に製造する場合に効果が顕著であり、5μm以上40μm以下の範囲内に製造する場合にさらに顕著な効果がある。また、製造速度を上げるほど、薄膜部分の発生を抑制する効果は高い。
溝60を出口49oの第1長さの50%以上300%以下の範囲内、すなわちこの例では0.5mm以上3.0mm以下の範囲内の深さD60で形成してあるから、フィルム11の幅方向中央部における薄膜部分の発生がより確実に抑えられる。深さD60を出口49oの第1長さの50%以上とすることで、50%未満の場合と比べて上記の幅W60において、ドープ18が溝60内を確実に流れ、ドープ流の幅方向における厚み分布が確実に調節される。深さD60を出口49oの第1長さの300%以下とすることで、300%より大きい場合と比べて上記の幅W60においてドープ18の流れ過ぎが抑えられ、ドープ流の幅方向における厚み分布がより確実に調節される。
溝60は、ドープ18の流れ方向において深さD60を一定に形成することが、溝60を形成する加工面で簡易かつ良い精度の発現で有利であり、このように深さD60をドープ18の流れ方向において一定に形成しても、フィルムの幅方向中央部における薄膜部分の発生は確実に抑えられる。また、ドープ18の流れ方向において深さD60を変化させて溝を形成した場合にはその変化に起因して応力がわずかに発生することが場合によってはあるが、深さD60を一定に形成することで、そのような応力の発生が確実に防止されるから、フィルム11の幅方向中央部における薄膜部分の発生がより確実に抑えられる。
底面60aにおける幅W60は平坦面56bにおける幅W60よりも小さくし、幅W60を深さ方向で漸減させているから、ドープ18にかかる応力の急峻な変化が抑制され、フィルムの幅方向中央部における薄膜部分の発生がより確実に抑えられる。
溝60は、ドープ18の流れ方向において幅W60を一定に形成することが、溝60を形成する加工面で簡易かつ良い精度の発現で有利である。このように幅W60をドープ18の流れ方向において一定に形成しても、フィルムの幅方向中央部における薄膜部分の発生は確実に抑えられる。
第3流路部53を通過したドープ18は、出口49oから、移動する流延バンド22に向けて流出され、これにより、流延バンド22上に流延膜21が形成される。出口49oからはドープ流が幅方向に一定の流量で流出されるから、流延膜21は厚みが幅方向で一定に形成される。
流延バンド22上で、流延膜21は送風装置27a,27bからの乾燥風により乾燥されて、剥ぎ取られるまでにゲル化する。剥取ローラ25は、搬送可能な程度にゲル化した流延膜21を、流延バンド22から連続的に剥ぎ取り、帯状のフィルム11が形成される。
剥ぎ取り時の流延膜21の溶媒含有率は、20質量%以上250質量%以下の範囲であることが好ましい。なお、本明細書において溶媒含有率(単位;%)は乾量基準の値であり、具体的には、溶媒の質量をMS、流延膜21またはフィルム11の質量をMFとするときに、{MS/(MF−MS)}×100で求める百分率である。
フィルム11は、クリップテンタ13へ案内される間、渡り部29の送風装置により風をあてられて乾燥をすすめられる。風の温度は、20℃以上250℃以下であることが好ましい。フィルム11は、クリップテンタ13において、搬送されながら乾燥をすすめられる。この乾燥の間に、幅を拡げられたり、狭められたりするが、この順序や幅の変化率などは、目的とする例えば光学特性等に応じて決定される。
クリップテンタ13から送り出されたフィルム11は、クリップテンタ13での把持跡のある側縁部が耳切装置31で切除された後に、乾燥室15へ送られる。乾燥室15は、ローラ34でフィルム11を支持しながら下流側へ送る。雰囲気の温度や湿度などが調節されている乾燥室15を通過することにより、フィルム11はより乾燥される。フィルム11は冷却室16を通過することで例えば室温となるまで冷却される。
フィルム11は、冷却された後、ナーリング付与ローラ35により両側縁部にナーリングが付与される。ナーリングが付与されたフィルム11は、巻取室17で、巻き芯37にロール状に巻き取られる。流延膜21が幅方向で一定の厚みに形成されるので、得られるフィルム11は幅方向の中央部のみが薄くなることが防がれ、厚みが幅方向で一定に形成される。
この例では、流延膜21に含まれる溶媒の乾燥により流延膜21に自己支持性を発現させているが、これに限られない。例えば、冷却により流延膜21に自己支持性を発現させてもよい。
図5に示すダイ80は、第1ドープ81と第2ドープ82とから2層構造のフィルムを製造するために、第1ドープ81と第2ドープ82との流れが層状に重なった膜状のドープ流を形成するためのものである。ただし、第1ドープ81と第2ドープ82との処方によっては、得られたフィルムにおいて2層の境界が認められない場合がある。境界が認められない場合の第1ドープ81と第2ドープ82としては、例えば、ポリマーの種類が互いに同じではあるが、ポリマーの溶媒に対する質量割合が互いに異なるものなどが挙げられる。
この例では、液晶ディスプレイの偏光板の保護膜として用いられるフィルムを製造しており、第1ドープ81のポリマーとしてセルロースアセテート、溶媒としてジクロロメタンとメタノールとの混合物を用いており、第2ドープ82は第1ドープ81とポリマーの溶媒に対する質量割合が異なるものとしている。しかし、第1ドープ81と第2ドープ82との各ポリマー及び各溶媒はこれに限定されない。各ポリマー及び各溶媒の具体例は、前述のドープ18におけるものと同じである。
ダイ80は、Y方向で対向するダイブロック85,86と、ダイブロック85とダイブロック86との間の上部に配される合流ブロック87とを備える。なお、ダイ80は、ダイ20と同様に、ダイブロック85,86及び合流ブロック87のX方向における各端部に配され、X方向で対向する側板(図示無し)と、これら側板の各内壁に設けられるスペーサ板(図示無し)とを備えるが、図5においては図示を略してある。なお、図5においては、図2〜図4と同じ部材については図2〜図4と同じ符号を付し、説明を略す。
ダイ80は、内部流路91〜93を備える。内部流路91は、第1ドープ81を案内しながら、ドープ流を膜状に形成するためのものである。内部流路91は、ダイブロック85と合流ブロック87と側板の内側に設けられたスペーサ板とによって囲まれて形成され、その一端が第1ドープ81の供給口91iとされる。内部流路91は、前述の内部流路49(図2,図3参照)と同様に構成されている。すなわち、内部流路91は、供給口91a側から順にドープ供給部50,第1流路部51,第2流路部52,第3流路部53を備え、ダイブロック85にチョークバー56が設けられている。
ダイブロック85と合流ブロック87との互いの対向面をそれぞれ第1内壁面85a、第2内壁面87aとするときに、第1内壁面85aは、ダイブロック41の第1内壁面41aと同様に構成され、第2内壁面87aは、ダイブロック42の第2内壁面42aと同様に構成されている。チョークバー56は、ダイブロック85の合流ブロック87と対向する第1内壁面85aから突出して配され、第3流路部53へ出退移動することで、合流ブロック87との間隔が増減される。
内部流路92は、第2ドープ82を案内しながら、ドープ流を膜状に形成するためのものである。内部流路92は、ダイブロック86と合流ブロック87とスペーサ板とによって囲まれて形成され、その一端が第2ドープ82の供給口92iとされる。内部流路92も、前述の内部流路49(図2,図3参照)と同様に構成されている。内部流路92は、供給口92a側から順にドープ供給部50,第1流路部51,第2流路部52,第3流路部53を備え、ダイブロック86にチョークバー56が設けられている。
ダイブロック86と合流ブロック87との互いの対向面をそれぞれ第1内壁面86a、第2内壁面87bとするときに、第1内壁面86aは、ダイブロック41の第1内壁面41aと同様に構成され、第2内壁面87bは、ダイブロック42の第2内壁面42aと同様に構成されている。チョークバー56は、ダイブロック86の合流ブロック87と対向する第1内壁面86aから突出して配され、第3流路部53へ出退移動することで、合流ブロックとの間隔が増減される。
内部流路93は、第1ドープ81と第2ドープ82との流れが層状に重なったドープ流(以下、層状ドープ流と称する)を形成するためのものである。内部流路93は、内部流路91と内部流路92との各第3流路部53の下流端に続いて設けられ、ダイブロック85とダイブロック86とスペーサ板とによって囲まれて形成される。合流ブロック87の下流端が第1ドープ81と第2ドープ82との合流位置である。内部流路93の下流端は、層状ドープ流を流出する出口93oとされ、ダイ80の図5における下端に開口する。このように、この例では、第1流路部51〜第3流路部53を備える内部流路91と内部流路92との各第3流路部53は、内部流路93を介して出口93oに接続する。
本実施形態では、ダイブロック85に設けたチョークバー56と、ダイブロック86に設けたチョークバー56とは、合流位置からの距離が各ドープ流の流れ方向において互いに等しい位置に配されている。これにより、ダイとしての構造の複雑化が回避されている。ただし、ダイブロック85におけるチョークバー56と、ダイブロック86におけるチョークバー56とは、合流位置からの距離を互いに異なるように設けてもよい。
本実施形態では、チョークバー56をダイブロック85とダイブロック86とに設けており、これにより、ダイとしての構造の複雑が回避されている。ただし、ダイブロック85に代えて合流ブロック87にチョークバー56を設けて、これにより、内部流路91の第3流路部53におけるダイブロック85の第1内壁面85aとの間隔を増減してもよい。また、ダイブロック86に代えて合流ブロック87にチョークバー56を設けて、これにより、内部流路92の第3流路部53におけるダイブロック86の第1内壁面86aとの間隔を増減してもよい。
この例では、内部流路91〜93は、それぞれを流れるドープの流れ方向と直交する各断面での面積(以下、流路断面積と称する)が互いに等しくされているが、これに限定されない。例えば、内部流路91と内部流路92とのいずれか一方を他方よりも小さな流路断面積にしてもよいし、また、内部流路93の流路断面積を内部流路91と内部流路92との流路断面積の和としてもよい。
この例では、Y方向の図5における左向きが流延バンド22の移動方向に一致するように、ダイ80を構成している。しかし、2層構造のフィルムを製造するためのダイは、これに限られず、例えば、Y方向の図5における右向きが流延バンド22の移動方向に一致するように構成されたものでもよい。
ダイ80は2層構造のフィルムを製造するためのものであるが、3層以上のフィルムを製造するためのものとして、1対のダイブロックの間に配する合流ブロックを2以上にしてもよい。この場合には、内部流路を形成するY方向に対向したダイブロックと合流ブロックとのいずれか一方に、チョークバー56を設ければよい。
溶融製膜で用いるポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート,ポリメチルメタクリレート(PMMA)等がある。また、この例では、液晶ディスプレイの偏光板の保護膜として用いるフィルムを製造しているが、これに限られず、例えば、偏光板に用いられ位相差機能をもつ保護膜として用いるフィルムを製造することができる。
上記構成の作用を説明する。第1ドープ81と第2ドープ82とは、独立してポンプ(図示無し)によりダイ80へ連続的に供給される。第1ドープ81は供給口91iから内部流路91内へ案内され、内部流路91の供給部50、第1流路部51、第2流路部52、第3流路部53を順次通過する。
第1流路部51は第1ドープ81を第2流路部52に向けて案内しながら、ドープ流の幅を連続的に拡げて膜状にする。このようにドープ流の幅を連続的に拡げることで、第1ドープ81は、第1流路部51のX方向両端にまでより確実に行き渡る。第1ドープ81は第1流路部51のX方向中央部に供給されて両側部へと流れていくから、ドープ流における幅方向中央部の圧力損失が両側部の圧力損失よりも小さい。このため、幅方向中央部は、両側部に比べて第1ドープ81が流れやすくなり、流量すなわち単位時間当たりに流れる量が多くなって第2流路部53との境界へ向かう。
第2流路部52は、ドープ流の幅を第1流路部51における幅に保持しながら、厚みを第3流路部53に向けて連続的に漸減させる。ドープ流が受ける圧力損失は、幅方向中央部が側部よりも小さい状態でこの第2流路部52へ達しており、加えて、この第2流路部52は、第1内壁面41a及び第2内壁面42aとのそれぞれにおける第1流路部51との境界が、X方向での中央部において第1ドープ81の流れ方向の上流側に凸の山形に形成されているから、この境界を通過する際にX方向中央部では側部に比べてドープ流の圧力損失が局所的に大きくなる。
第3流路部53は、ドープ流の幅及び厚みを、第2流路部52における幅及び厚みに保持した状態でチョークバー56まで案内する。第1ドープ81は、各ボルト57によるチョークバー56の第3流路部53への出退により形成された、第2内壁面87aとチョークバー56の平坦面56b(図2,図4参照)との間の隙間を通ることによって、X方向に一致する幅方向において流量分布が精度よく調節される。チョークバー56には溝60が形成されているから、ドープ流の幅方向における中央部のみ、より大きな流量で第2内壁面87aとチョークバー56との隙間を流れる。これにより、幅方向における中央部は、この中央部を除いた他の部分と概ね同じ流量で第1ドープ81が通過するようになる。このようにチョークバー56を通過した第1ドープ81は、幅方向に一定の流量で合流位置へ向かう。
第2ドープ82は、供給口92iから内部流路92内へ案内され、内部流路92の供給部50、第1流路部51、第2流路部52、第3流路部53を順次通過する。第2ドープ82も第1ドープ81と同様に、この内部流路92において流量を幅方向で一定に調節されて、合流位置へ向かう。
内部流路91からのドープ流と内部流路92からのドープ流とは合流位置である合流ブロック87の下流端で膜状を維持したまま合流し、これにより層状ドープ流が形成される。第1ドープ81及び第2ドープ82とは、内部流路91及び内部流路92において幅方向に流量が一定にされることで厚みを均一化されているから、層状ドープ流も幅方向に厚みが均一化されたものになり、出口93oから流出して、幅方向に厚みが均一な流延膜が形成される。
上記のダイ20,80は、溶液製膜設備に配して用いているが、溶融製膜設備に配して用いてもよい。溶融製膜設備に用いても、これらのダイ20,80は、溶液製膜設備の場合と同様に、幅方向で均一な厚みをもつフィルムを製造することができる。ダイ20を溶融製膜設備に用いる場合には、ダイブロック41とダイブロック42とのいずれか一方が上方に、他方が下方に位置するようにダイ20を配することが好ましい。また、ダイ80を溶融製膜設備に用いる場合には、ダイブロック85とダイブロック86とのいずれか一方が上方に、他方が下方に位置するようにダイ80を配することが好ましい。
溶融製膜設備としての一例は、溶融押出装置(図示無し)と、ダイ20とを備える。溶融押出装置は、供給部材としてのフィーダから例えばペレット状のポリマーを供給して、供給されたポリマーを加熱することにより溶融して、ダイ20へと押し出す。ダイ20は、溶融したポリマーであるポリマー液を出口49oから連続的に押し出してフィルムを長尺に形成する。なお、出口49oの下流に冷却装置を設けて、出口49oから出たフィルムを例えば室温程度に冷却してもよい。得られたフィルムは、例えば巻取機36により巻き芯に巻き取られる。
ダイ20をダイ80に代え、2種のポリマーを2つのフィーダから溶融押出装置内へ供給することにより、2層構造のフィルムを製造することができる。また、溶融製膜においてもダイの1対のダイブロックの間に配する合流ブロックを2以上にすることにより、3層以上の構造をもつフィルムを製造することができる。
[実施例1]〜[実施例15]
異なるダイ20を用いて溶液製膜設備10により、フィルム11を製造して実施例1〜実施例15とした。各実施例で用いたダイ20の出口49oの第1長さは表1の「出口の第1長さ」欄に、チョークバー56の平坦面56bでの開口における幅W60は「溝の幅W60」欄に、深さD60は「溝の深さD60」欄に、それぞれ示す。なお、いずれの溝60も、幅W60は、溝60の深さ方向に、すなわち平坦面56bから底面60aに向かうに従い、連続的に漸減しているものとした。また、いずれの溝60も、深さDはドープ18の流れ方向において一定とした。表1において、「フィルムの厚み」欄は、各実施例で製造した個々のフィルム11の厚み(単位はμm)を示しており、「チョークバーの長さLC」欄は、第2内壁面42aに対向するチョークバー56の対向面における、ドープ18の流れ方向での長さを示し、この長さは図3において符号LCで示している。
薄膜部分の発生について、各実施例で得られたフィルム11を評価した。評価は以下の方法及び基準で行い、結果は表1に示す。すなわち、フィルム11の幅方向において、全幅域での厚みの平均値t1(単位はμm)を求めた。具体的には、株式会社キーエンス社製多層膜厚測定器SI−T80により、幅方向で連続的に厚みを測定して、その測定結果から平均値t1を求めた。また、フィルム11の幅方向での中央から両側にそれぞれ50mmの領域、すなわち幅方向中央部として100mmの幅の領域に関し、フィルム11の凹み量を求め、これをt2(単位はμm)とした。具体的には、株式会社キーエンス社製多層膜厚測定器SI−T80を用いて、幅方向中央部としての100mm幅の領域を、幅方向で連続的に厚みを測定し、測定した厚みの最大値から最小値を減じた値を上記凹み量としてのt2を求めた。そして、厚みの不均一度を式(1)により求め、この不均一度に基づいて下記の基準で評価した。なお、下記の基準で、A,Bは合格、Cは不合格である。
不均一度(%)=(t2/t1)×100 ・・・(1)
A;不均一度が1%以下である
B;不均一度が1%より大きく2%以下である。
C;不均一度が2%より大きい
[比較例1]〜[比較例2]
実施例1で用いたチョークバー56を、溝60が形成されていないチョークバーに代えてフィルムを製造し、これを比較例1とした。また、実施例1で用いたチョークバー56を、チョークバーの平坦面での開口における幅が表1の「溝の幅W60」に示す寸法である溝を形成したチョークバーに代えてフィルムを製造し、これを比較例2とした。
薄膜部分の発生について、実施例と同じ方法及び基準で、得られたフィルムを評価した。結果は表1に示す。