JP6296199B1 - ハット形鋼矢板及び壁体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハット形鋼矢板におけるアーム部および継手部に作用する曲げモーメントを小さくして、アーム部での変形、破壊リスクが抑制されたハット形鋼矢板を提供する。【解決手段】ハット形鋼矢板1は、ウェブ部3の両端に一対のフランジ部5が形成され、この一対のフランジ部5の各端部に一対のアーム部7が形成されるとともに、この一対のアーム部7の各先端に一対の継手部9が設けられたものにおいて、一対のアーム部7の弱軸方向の断面2次モーメントの平均値Iaと、一対の継手部9の弱軸方向の断面2次モーメントの平均値Ijと、ハット形鋼矢板1の弱軸方向の断面2次モーメントIとの関係が(1)式を満たすことを特徴とするものである。0≦(Ij−Ia)/I≦0.00025・・・・(1)【選択図】図1

Description

本発明は、土留め壁、基礎構造、港湾ならびに河川の護岸や止水壁等の部材として適用するハット形鋼矢板、及び、前記ハット形鋼矢板の継手部が連結され地中に設置されて形成される壁体に関するものである。
一般的にハット形鋼矢板は、例えば特許文献1に示されるように、ウェブ部、フランジ部、アーム部、継手部で構成され、U形鋼矢板と比べると、その継手位置が鋼矢板壁断面の中心軸位置から、縁端部になったことで、曲げ変形を受けたときの継手せん断ズレがなく、構造性能の低下がないことが大きなメリットとなっている。
また、国内のハット形鋼矢板の既存規格としては、非特許文献において10H、25Hの2種類が記載されている。
特開2004−162458号公報
「鋼矢板-設計から施工まで-」、鋼管杭協会・鋼矢板技術委員会、2014.10改訂版
特許文献1や非特許文献1に示された一般的なハット形鋼矢板では、その継手位置がハット形鋼矢板断面の縁端部に位置するようになった。そのため、地中に設置されてなる壁体として使用する場合は、図9に示すように、ハット形鋼矢板21が連結された状態では、継手部23が正面から土圧荷重を受ける構造となる。
ここで問題となるのが、継手部23とアーム部25との断面剛性の違い(通常、継手部23>アーム部25)であり、断面剛性差が大きい場合、より断面剛性の大きい部位に荷重が集中することとなる。この点を、図10に基づいて詳細に説明する。
図10は、図9において破線の楕円で囲んだ部位(図10(a)参照)において土圧等に起因して作用する作用荷重分布(図10(b)参照)、せん断力分布(図10(c)参照)、曲げモーメント分布(図10(d)参照)を模式的に示している。
図10に示すように、相対的に断面剛性の大きい継手部23及びその近傍に作用荷重が集中し、断面剛性の小さいアーム部25では作用荷重が低減する(図10(b)参照)。その結果、作用する曲げモーメントが大きくなり(図10(d)参照)、相対的に弱点部位であるアーム部25での変形及び破壊リスクが大きくなる。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、ハット形鋼矢板におけるアーム部及び継手部に作用する曲げモーメントを小さくして、アーム部での変形及び破壊リスクが抑制されたハット形鋼矢板を提供することを目的としている。
また、本発明は、前記ハット形鋼矢板の継手部を連結して地中に設置することで形成される壁体を提供することを目的としている。なお、地中に設置されてなる壁体には、例えば、土留め壁、基礎構造、港湾の護岸、河川の護岸及び止水壁等があげられる。
図11は、図10(a)に示した部位に相当する部位に継手部がなく、断面剛性が均等な部材27であった場合(図11(a)参照)における作用荷重分布(図11(b)参照)、せん断力分布(図11(c)参照)、曲げモーメント分布(図11(d)参照)を模式的に示している。図11に示すように、断面剛性が均等な部材断面に作用する荷重は一様な分布となり(図11(b)参照)(ただし、作用荷重全体の大きさは図10と同一レベル)、その結果、作用する曲げモーメント分布は小さくなる(図11(d)参照)。
このように、断面剛性が均等な部材断面であれば曲げモーメント分布を小さくできることを前提として、さらに検討を重ね、アーム部及び継手部の形状バランスを最適化することを想到して、本発明を完成したものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
(1)本発明に係るハット形鋼矢板は、ウェブ部の両端に一対のフランジ部が形成され、該一対のフランジ部の各端部に一対のアーム部が形成されるとともに、該一対のアーム部の各先端に一対の継手部が設けられたものにおいて、前記一対のアーム部の弱軸方向の断面2次モーメントの平均値Iaと、前記一対の継手部の弱軸方向の断面2次モーメントの平均値Ijと、前記ハット形鋼矢板1枚の弱軸方向の断面2次モーメントIとの関係が(1)式を満たすことを特徴とするものである。
0≦(Ij−Ia)/I≦0.00025 ・・・・(1)
(2)また、本発明に係るハット形鋼矢板は、上記の発明(1)に記載のものにおいて、前記アーム部と前記フランジ部との連結部に位置する隅角部において、ハット形断面における凹面側の曲率半径が凸面側の曲率半径よりも大きくなるように前記隅角部が形成されていることを特徴とするものである。
(3)また、本発明に係る壁体は、上記の発明(1)又は(2)に記載のハット形鋼矢板が、継手部を連結され地中に設置されてなることを特徴とするものである。
本発明によれば、ハット形鋼矢板のアーム部及び継手部の形状バランスを最適化し、当該部位に作用する曲げモーメントを小さくして、相対的に弱点部位となるアーム部での変形及び破壊リスクを抑えることができる。これによって、本発明によれば従来よりも構造信頼性の高いハット形鋼矢板を提供することができる。
また、本発明によれば、前記ハット形鋼矢板の継手部を連結して地中に設置することで形成される壁体を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係るハット形鋼矢板の説明図である。 図2は、実施の形態1及び2における(1)式及び(2)式の導出過程を説明するための図であって、モーメント増加率と縁端部断面2次モーメント差(Ij−Ia)との関係を示すグラフである。 図3は、実施の形態1における(1)式の導出過程を説明するための図であって、縁端部断面2次モーメント差(Ij−Ia)と鋼矢板の断面2次モーメントIとの関係を示すグラフである。 図4は、実施の形態2における(2)式の導出過程を説明するための図であって、縁端部断面2次モーメント差(Ij−Ia)と鋼矢板の断面2次モーメントIとの関係を示すグラフである。 図5は、実施の形態3における(3)式の導出過程を説明するための図であって、縁端部断面2次モーメント差(Ij−Ia)と鋼矢板の断面2次モーメントIとの関係を示すグラフである。 図6は、実施の形態4における(4)式の導出過程を説明するための図であって、縁端部断面2次モーメント差(Ij−Ia)と鋼矢板の断面2次モーメントIとの関係を示すグラフである。 図7は、実施の形態5のハット形鋼矢板を説明する説明図である。 図8は、実施の形態5のハット形鋼矢板が満たすべき関係の導出過程を説明するための図であって、モーメント増加率と隅角部曲率半径比との関係を示すグラフである。 図9は、ハット形鋼矢板を地盤に設置した状態において、ハット形鋼矢板に作用する土圧荷重の説明である。 図10は、発明が解決しようとする課題を説明するための説明図である。 図11は、課題を解決するための手段を説明するための説明図である。
以下に、本発明に係るハット形鋼矢板及び壁体の実施の形態について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態に係るハット形鋼矢板1は、図1に示すように、ウェブ部3の両端に一対のフランジ部5が形成され、この一対のフランジ部5の各端部に一対のアーム部7が形成されるとともに、この一対のアーム部7の各先端に一対の継手部9が設けられている。そして、一対のアーム部7の弱軸方向の断面2次モーメントの平均値Iaと、一対の継手部9の弱軸方向の断面2次モーメントの平均値Ijと、ハット形鋼矢板1の弱軸方向の断面2次モーメントIとの関係が、下記(1)式を満たすことを特徴とするものである。
0≦(Ij−Ia)/I≦0.00025 ・・・・(1)
なお、以下の説明において、一対のアーム部7の弱軸方向の断面2次モーメントの平均値Ia、一対の継手部9の弱軸方向の断面2次モーメントの平均値Ij、及び、ハット形鋼矢板1の弱軸方向の断面2次モーメントIをそれぞれ単に「Ia」、「Ij」及び「I」と表記する場合がある。
本実施の形態の特徴は、Ia、Ij及びIが上記(1)式の関係を満たすことにあるので、以下においては、上記(1)式の関係をいかにして導き出したかについて説明する。
図10に示したように、アーム部25と継手部23との断面剛性の差が大きくなると、より剛性の大きい継手部23に荷重が集中し、作用する曲げモーメントの増大につながる。そこで、図1に示すハット形鋼矢板1において、一対のアーム部7の弱軸方向の断面2次モーメントの平均値Ia、一対の継手部9の弱軸方向の断面2次モーメントの平均値Ij、及び、ハット形鋼矢板1枚の弱軸方向の断面2次モーメントIをパラメータとし、図9に示す状態を想定したモデルにより、土圧荷重を加えた際に生じる、アーム部7から継手部9にかけての作用モーメントを計算した。
ハット形鋼矢板1枚の弱軸方向の断面2次モーメントIが、7000〜200000cm4の範囲にあるI=7000cm4、20000cm4、50000cm4、100000cm4、200000cm4の各場合ごとに、縁端部断面2次モーメント差である(Ij−Ia)と曲げモーメントの増加率との関係を求めた。図2は、この関係をグラフ表示したものであり、横軸が「縁端部断面2次モーメント差」=(Ij−Ia)(cm4)を示し、縦軸がモーメント増加率を示している。なお、モーメント増加率は、「縁端部断面2次モーメント差(Ij−Ia)」=0の場合の作用曲げモーメントの最大値を基準値(=1)として、そこからの増加率で評価している。
図2のグラフに示されるように、モーメント増加率は、これが13%に到達する前では緩慢に増加しているが、13%を越えた以降、その増加率が急激に大きくなっている。換言すれば、縁端部断面2次モーメント差(Ij−Ia)が、モーメント増加率13%となるときの値を越えるとモーメント増加率が急激に大きくなり、縁端部断面2次モーメント差(Ij−Ia)が、モーメント増加率13%となるときの値以下であればモーメント増加率が緩慢である。
このことは、縁端部断面2次モーメント差(Ij−Ia)が、モーメント増加率13%となるときの値を越える領域では、縁端部断面2次モーメント差(Ij−Ia)の少しの変化でモーメント増加率が大きく変動することを意味している。したがって、アーム部7及び継手部9の形状バランスを最適化し、当該部位に作用する曲げモーメントを小さくして、相対的に弱点部位となるアーム部7での変形及び破壊リスクを抑えるためには、モーメント増加率を13%以下にすることが重要である。
モーメント増加率13%を「しきい値1」と考えた場合、この「しきい値1」におけるハット形鋼矢板1の断面2次モーメントIと縁端部断面2次モーメント差(Ij−Ia)との関係を示したものが図3である。図3において、横軸はハット形鋼矢板1の断面2次モーメントI(cm4)であり、縦軸は縁端部断面2次モーメント差(Ij−Ia)(cm4)(モーメント増加率13%時)を示している。図3に示すように、ハット形鋼矢板1の断面2次モーメントIと縁端部断面2次モーメント差(Ij−Ia)とは線形関係にあり、(Ij−Ia)=0.00025×Iで近似できる。
したがって、(Ij−Ia)≦0.00025×I、すなわち、(Ij−Ia)/I≦0.00025とすることによって、モーメント増加率をモーメント増加率が急騰する以前の13%以下に抑えることができ、上述したように、相対的に弱点部位となるアーム部7での変形及び破壊リスクを抑えることができる。
また、一方で、アーム部7の断面剛性が継手部9の断面剛性を上回ると、最大モーメントが作用する継手部9の性能が相対的に低下することになりバランスを欠くこととなるので、形状バランスの観点から0≦(Ij−Ia)とすることが望ましい。
上記の検討から、アーム部7及び継手部9の好適な形状バランスとして、下記(1)式で表すことができる。
0≦(Ij−Ia)/I≦0.00025 ・・・・(1)
上記(1)式の導出過程は以上の通りであり、Ij、Ia及びIが上記(1)式の関係を満たすことによって、アーム部7及び継手部9の形状バランスを最適化し、当該部位に作用する曲げモーメントを小さくして、相対的に弱点部位となるアーム部7での変形及び破壊リスクを低減できることが分かる。
図2を見るとモーメント増加率が13%を越えるとモーメント増加率が急激に直線的に増加しており、モーメント増加率が13%以下では二次曲線のように増加している。したがって、モーメント増加率が13%以下の領域であっても、モーメント増加率がより小さい値をしきい値とすることによって、よりモーメント増加率の増加割合を低く抑えることができる。このような観点から図2を参照して、いくつかのしきい値を抽出して以下の実施の形態2〜4として示す。
[実施の形態2]
図2を見ると、モーメント増加率11%前後でも、モーメント増加率の変局が見られ、11%以下になった場合、一段とモーメント増加率の増加率が低くなっている。このことにより、もう一つのしきい値「しきい値2」と見ることもできる。
この場合も「しきい値1」の場合と同様に、モーメント増加率11%「しきい値2」における鋼矢板断面2次モーメントと縁端断面2次モーメント差との関係をグラフ表示すると図4に示す通りとなり、(Ij−Ia)=0.00022×Iで近似することができる。したがって、(Ij−Ia)≦0.00022×I、すなわち、(Ij−Ia)/I≦0.00022とすることによって、モーメント増加率を11%以下に抑えることができ、相対的に弱点部位となるアーム部7での変形及び破壊リスクをより低減できる。
よって、アーム部7及び継手部9のより好適な形状バランスとして、下記(2)式で表すことができる。
0≦(Ij−Ia)/I≦0.00022 ・・・・(2)
[実施の形態3]
図2を見ると、モーメント増加率9%前後でも、モーメント増加率の変局が見られ、9%以下になった場合、一段と増加率が低くなっている。このことにより、もう一つのしきい値「しきい値3」と見ることもできる。
この場合も「しきい値1」及び「しきい値2」の場合と同様に、モーメント増加率9%「しきい値3」における鋼矢板断面2次モーメントと縁端断面2次モーメント差との関係をグラフ表示すると図5に示す通りとなり、(Ij−Ia)=0.00018×Iで近似することができる。したがって、(Ij−Ia)≦0.00018×I、すなわち、(Ij−Ia)/I≦0.00018とすることによって、モーメント増加率を9%以下に抑えることができ、相対的に弱点部位となるアーム部7での変形及び破壊リスクをより低減できる。
よって、アーム部7及び継手部9のより好適な形状バランスとして、下記(3)式で表すことができる。
0≦(Ij−Ia)/I≦0.00018 ・・・・(3)
[実施の形態4]
図2を見ると、モーメント増加率6%前後でも、モーメント増加率の変局が見られ、6%以下になった場合、一段と増加率が低くなっている。このことにより、もう一つのしきい値「しきい値4」と見ることもできる。
この場合も「しきい値1」、「しきい値2」及び「しきい値3」の場合と同様に、モーメント増加率6%「しきい値4」における鋼矢板断面2次モーメントと縁端断面2次モーメント差との関係をグラフ表示すると図6に示す通りとなり、(Ij−Ia)=0.00013×Iで近似することができる。したがって、(Ij−Ia)≦0.00013×I、すなわち、(Ij−Ia)/I≦0.00013とすることによって、モーメント増加率を6%以下に抑えることができ、相対的に弱点部位となるアーム部7での変形及び破壊リスクをより低減できる。
よって、アーム部7及び継手部9のより好適な形状バランスとして、下記(4)式で表すことができる。
0≦(Ij−Ia)/I≦0.00013 ・・・・(4)
[実施の形態5]
実施の形態1〜4においては、アーム部7及び継手部9の形状バランスを好適にすることによって、当該部位に作用する曲げモーメントを低減するというものであった。ハット形鋼矢板1のアーム部7及び継手部9に作用する曲げモーメントを小さくするためには、形状バランスの好適化に加えて、アーム部7とフランジ部5との連結部に位置する隅角部11から、アーム部7にかけて板厚を増加させ、当該部位の断面剛性を大きくすることも効果的である。
実施の形態5はかかる観点に基づくものであり、本実施の形態に係るハット形鋼矢板1は、実施の形態1又は2に記載のものにおいて、アーム部7とフランジ部5との連結部に位置する隅角部11において、ハット形断面における凹面側の曲率半径が凸面側の曲率半径よりも大きくなるように隅角部11が形成されていることを特徴とするものである(図7参照)。
以下、隅角部11の形状を上記のように設定した理由について説明する。
隅角部11において、ハット形断面における凹面側の曲率半径と凸面側の曲率半径との関係に着目して、図9に示す状態を想定したモデルにより、土圧荷重を加えた際に生じる、アーム部7から継手部9にかけての作用モーメントを計算した。なお、ハット形鋼矢板1の隅角部11の形状では複数の曲率形状を組み合わせて形成するケースも考えられるが、ここでは平均化処理して考えればよい。
上記の計算結果を、隅角部曲率半径比(=凹面側の曲率半径/凸面側の曲率半径)とモーメント増加率との関係でグラフ化したものを図8に示す。図8においては、横軸が隅角部曲率半径比(=凹面側の曲率半径/凸面側の曲率半径)であり、縦軸がモーメント増加率である。なお、モーメント増加率は、凹面側の曲率半径/凸面側の曲率半径=1とした場合の作用曲げモーメントの最大値を基準値(=1)として、そこからの増加率(低減率)で評価している。
図8を見ると理解されるように、隅角部曲率半径比(=凹面側の曲率半径/凸面側の曲率半径)が1を下回るとモーメント増加率が急増するのに対し、隅角部曲率半径比(=凹面側の曲率半径/凸面側の曲率半径)が1を上回るとモーメントがゆるやかに減少する。このことから、隅角部曲率半径比(=凹面側の曲率半径/凸面側の曲率半径)=1の場合をしきい値と考えることができ、隅角部曲率半径比が1を上回るようにすることによって、モーメント増加率を抑えることができる。
したがって、アーム部7とフランジ部5との連結部に位置する隅角部11の好適な形状として、その凹面側の曲率半径が凸面側の曲率半径を上回るように形成されることを要件とすることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、ハット形断面における凹面側の曲率半径が凸面側の曲率半径よりも大きくなるように隅角部11を形成したことにより、アーム部7とフランジ部5との連結部の曲げモーメントを小さく抑えることができ、相対的に弱点部位となるアーム部7での変形及び破壊リスクをより低減することができる。
なお、上記の実施の形態1〜4のハット形鋼矢板1が連結され地中に設置されてなる壁体は、上述したハット形鋼矢板1と同様に、アーム部7とフランジ部5との連結部の曲げモーメントを小さく抑えることができ、相対的に弱点部位となるアーム部7での変形及び破壊リスクをより低減することができる。
本発明に規定する構成要件の観点から、実施の形態1〜4に示したハット形鋼矢板1と従来規格品との差異を明らかにするために、従来規格品と本発明例とについての形状バランスを下記表1に示す。
上記表1に示すように、従来規格品は、実施の形態1〜4の要件である、(Ij−Ia)/I≦0.00025、(Ij−Ia)/I≦0.00022、(Ij−Ia)/I≦0.00018、(Ij−Ia)/I≦0.00013を満たしていないことが分かる。換言すれば、実施の形態1〜4に係るハット形鋼矢板1は、従来規格品に比較して、アーム部7とフランジ部5との連結部の曲げモーメントを小さく抑えることができ、相対的に弱点部位となるアーム部7での変形及び破壊リスクを抑えられることが分かる。
本発明に規定する構成要件の観点から、実施の形態5に示したハット形鋼矢板1と従来規格品との差異を明らかにするために、従来規格品と本発明例とについて隅角部11の形状を下記表2に示す。
上記表2に示すように、従来規格品は、実施の形態5の要件である隅角部11の形状に関し、ハット形断面における凹面側の曲率半径が凸面側の曲率半径よりも大きくなるように隅角部11が形成されていること、すなわち、(凹面側の曲率半径)/(凸面側の曲率半径)>1を満たしていないことが分かる。換言すれば、実施の形態5に係るハット形鋼矢板1は、上記の要件を満たすことによって、従来規格品に比較して、アーム部7とフランジ部5との連結部の曲げモーメントを小さく抑えることができ、相対的に弱点部位となるアーム部7での変形及び破壊リスクを抑えられることが分かる。
本発明によれば、ハット形鋼矢板におけるアーム部及び継手部に作用する曲げモーメントを小さくして、アーム部での変形及び破壊リスクが抑制されたハット形鋼矢板を提供することができる。
また、本発明によれば、前記ハット形鋼矢板の継手部を連結して地中に設置することで形成される壁体を提供することができる。
1 ハット形鋼矢板
3 ウェブ部
5 フランジ部
7 アーム部
9 継手部
11 隅角部
21 ハット形鋼矢板(従来例)
23 継手部(従来例)
25 アーム部(従来例)
27 断面剛性が均等な部材

Claims (3)

  1. ウェブ部の両端に一対のフランジ部が形成され、該一対のフランジ部の各端部に一対のアーム部が形成されるとともに、該一対のアーム部の各先端に一対の継手部が設けられたハット形鋼矢板において、
    前記一対のアーム部の弱軸方向の断面2次モーメントの平均値Iaと、前記一対の継手部の弱軸方向の断面2次モーメントの平均値Ijと、前記ハット形鋼矢板1枚の弱軸方向の断面2次モーメントIとの関係が(1)式を満たすことを特徴とするハット形鋼矢板。
    0≦(Ij−Ia)/I≦0.00025 ・・・・(1)
  2. 前記アーム部と前記フランジ部との連結部に位置する隅角部において、ハット形断面における凹面側の曲率半径が凸面側の曲率半径よりも大きくなるように前記隅角部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のハット形鋼矢板。
  3. 請求項1又は2に記載のハット形鋼矢板が、継手部を連結され地中に設置されてなることを特徴とする壁体。
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