JP2015165065A - 液状化対策構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存構造物がある地盤に対しても低コストで構築でき、かつ、液状化の抑制効果および地中壁の耐震性に優れた液状化対策構造を提供すること。
【解決手段】液状化対策構造1は、地中に構築された地下躯体11を有する建物10と、この建物10の直下の地盤2を囲んで地下躯体11の外側で地中に構築された地中壁20と、地下躯体11の外壁面13と地中壁20の内壁面22との間に設けられた非荷重伝達領域を有するコンクリート体30と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、地盤の液状化を防止するための液状化対策構造に関する。
従来より、地盤の液状化対策が提案されている。
例えば、対象となる地盤を囲んで地中に格子状に地中壁を設ける構造が提案されている(特許文献1参照)。この構造によれば、地中壁で囲まれた対象地盤の変形を抑止するとともに、周辺地盤からこの対象地盤に流入する地下水を遮断して、対象地盤の液状化を防止できる。
また、構造物の直下の地盤に格子状の地中壁を設けて、この格子状の地中壁の頂部と構造物の下面との間に低剛性の緩衝材を挟む構造が提案されている(特許文献2参照)。この構造によれば、格子状の地中壁により地盤のせん断変形を抑止するとともに、地盤に対して上から構造物の重量を加えて、格子状の地中壁で囲まれた地盤の初期有効応力を増加させて、液状化を防止できる。
特公平4−54004号公報 特開2011−190645号公報
しかしながら、特許文献1の構造では、構造物の直下の地盤内に格子状の地中壁を設けて、地盤のせん断変形を抑止して液状化対策を行うには、格子状壁の間隔を狭くしなければならず、地中壁を構築するのにかかるコストが高くなる、という問題があった。
また、特許文献2の構造では、地震時の構造物慣性力が、水平荷重として直下の地盤に直接作用するので、地盤のせん断応力が増加し、液状化の発生を助長するという問題があった。さらに、地中壁内側から外側への地震時土圧によって、外周地中壁の入隅部上部に応力が集中し、地震時に地中壁が損傷する可能性があった。
また、特許文献1および2に共通して、構造物直下に地中壁を設けることを想定しているが、既存構造物がある場合には、構造物直下に地中壁を造成することが難しく、コストが多くなったり、造成が不可能だったりするという問題があった。
本発明は、既存構造物がある地盤に対しても、低コストで構築でき、かつ、液状化の抑制効果および地中壁の耐震性に優れた液状化対策構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の液状化対策構造(例えば、後述の液状化対策構造1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H)は、地下躯体(例えば、後述の地下躯体11)を有する構造物(例えば、後述の建物10、10E)と、当該構造物の直下の地盤(例えば、後述の地盤2)を囲んで構築された地中壁(例えば、後述の地中壁20、SMW壁50)と、前記構造物の地下躯体と前記地中壁の内壁面(例えば、後述の内壁面22)との間に非荷重伝達領域を有する荷重伝達体(例えば、後述のコンクリート体30、30A、鋼矢板31)と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の液状化対策構造は、前記非荷重伝達領域は、前記構造物の桁行方向または梁間方向の中央付近に設けられることを特徴とする。
請求項1または2に係る発明によれば、地中壁により地盤の側面を囲んで、地盤のせん断変形を抑止するとともに、地盤に対して上から構造物の重量を加えて、地盤の初期有効応力を増加させる。これにより、地震時に地盤に生じるせん断応力の初期有効応力に対する比が低下するので、液状化を防止できる。
ここで、初期有効応力とは、地盤が、構造物重量や地盤の自重などによる荷重を受けた時に、土粒子同士の接触面を通して伝わる常時の応力度のことであり、具体的には、土に働く全応力より地下水による水圧成分を除いた応力度を意味する。
ところで、地震時には、横揺れにより構造物に慣性力が発生する。その結果、構造物と地盤とが接しているので、構造物慣性力による水平荷重が地盤に伝わってしまう。すると、地中壁で囲まれた地盤のせん断応力が増大し、液状化を十分に抑制できないおそれがある。
そこで、この発明では、構造物の地下躯体と地中壁の内壁面との間に、非荷重伝達領域を有する荷重伝達体を設けることで、この構造物の水平荷重を、荷重伝達体を介して地中壁へ伝えた。ここで、非荷重伝達領域とは、荷重伝達体による水平荷重の伝達を行わない、地下躯体と地中壁の内壁面との間の領域とする。その結果、構造物から直下の地盤に伝わる水平荷重を低減させ、地盤のせん断応力を低減して、液状化抑制効果を高めることができる。
よって、地中壁の間隔を広くしても液状化抑制効果を十分に得られるようになるので、従来のように格子状に地中壁を設けずに、構造物の直下の地盤を囲んで地中壁を設けるだけで液状化を防止することができる。そのため、本発明では構造物の直下の地盤を囲んで地中壁を設けており、従来のように格子状に地中壁を設けていないから、既存構造物がある地盤に対しても、低コストで地中壁を構築できる。
また、荷重伝達体の非荷重伝達領域を地中壁の中央付近に設けて、地中壁の入隅部で構造物に力が伝わるようにした。入隅部は、直線状に延びる地中壁同士が交差する箇所であり、変形しにくい部分である。この変形しにくい入隅部で力を伝えることで、地震時に構造物の水平荷重を地中壁に伝達しやすくなる。
また、この入隅部では、大きな応力が発生しやすいが、荷重伝達体を設けることで、荷重伝達体と地中壁とが一体化されて入隅部が補強されるから、入隅部の剛性が向上し、入隅部が損傷するのを防止できるうえに、地中壁の耐震性が高まる。
ここで、本発明の液状化対策構造は、前記荷重伝達体は、平面視で略L字形状であり、前記構造物の桁行方向および梁間方向のそれぞれについて、前記荷重伝達体の長さは、前記地中壁の長さの1/4以下であることが好ましい。
荷重伝達体を水平断面視において略L字形状とし、構造物の桁行方向および梁間方向のそれぞれについて、荷重伝達体の長さを、地中壁の長さの1/4以下とし、荷重伝達体の設置範囲を荷重が伝わりやすい範囲に限定すると、荷重伝達機能を維持した状態で荷重伝達体のサイズを小さくすることができ、低コスト化が図れる。
請求項3に記載の液状化対策構造は、前記荷重伝達体と前記地中壁とは、繋ぎ材(例えば、後述の鉄筋40)で一体化されていることを特徴とする。
この発明によれば、荷重伝達体と地中壁が繋ぎ材により強固に一体化されているので、地震時に荷重伝達体と地中壁の間にせん断力が生じても、互いが分離することなく荷重伝達体による地中壁の補強機能を維持することができる。
請求項4に記載の液状化対策構造は、前記荷重伝達体の剛性は、前記地中壁の剛性より大きいことを特徴とする。
この発明によれば、荷重伝達体の剛性を、地中壁の剛性より大きくしたので、地中壁の入隅部の剛性を高めてより確実に補強できる。
本発明によれば、地下躯体の外壁面に荷重伝達体を設けたので、地震時の構造物慣性力を地中壁へと伝達することができ、直下地盤への外荷重を減らすことができる。その結果、直下地盤のせん断応力が低減するので、液状化抑制効果を高めることができる。さらに、荷重伝達体が地中壁の入隅部を補強するので、地中壁の耐震性を高めることができる。また、構造物の直下の地盤を囲んで地中壁を設けたので、従来のように格子状に地中壁を設けないから、低コストで地中壁を構築できる。
本発明の第1実施形態に係る液状化対策構造の平面図である。 前記実施形態に係る液状化対策構造の縦断面図である。 前記実施形態に係る液状化対策構造の地中壁を検討するための算定モデルを示す模式図ある。 前記実施形態に係る液状化対策構造の算定モデルについて変形係数と荷重点の位置の関係を示す図である。 前記実施形態に係る液状化対策構造の地中壁と荷重伝達体との接合部分を示す水平断面図である。 本発明の第2実施形態に係る液状化対策構造の平面図である。 前記実施形態に係る液状化対策構造の縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係る液状化対策構造の平面図である。 前記実施形態に係る液状化対策構造の縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係る液状化対策構造の平面図である。 本発明の第5実施形態に係る液状化対策構造の平面図である。 本発明の第6実施形態に係る液状化対策構造の縦断面図である。 本発明の第7実施形態に係る液状化対策構造の平面図である。 本発明の第8実施形態に係る液状化対策構造の地中壁と荷重伝達体との接合部分を示す水平断面図である。 本発明の第9実施形態に係る液状化対策構造の地中壁と荷重伝達体との接合部分を示す水平断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る液状化対策構造1の平面図および縦断面図である。
液状化対策構造1は、地中に構築された地下躯体11を有する構造物としての建物10と、この建物10の直下の地盤2を囲んで、地下躯体11の外側で地中に構築された地中壁20と、地下躯体11の外壁面13と地中壁20の内壁面22との間に設けられた荷重伝達体としてのコンクリート体30と、を備える。
建物10は、略直方体形状の直接基礎の建物であり、地盤2中に構築された地下躯体11と、この地下躯体11の上に構築された地上躯体12と、を備える。
建物10の側面は、外壁面13となっている。
地中壁20は、平面視では、地下躯体11の外壁面13よりも外側に構築された矩形枠状である。この地中壁20は、平面視で直線状に延びる4つの直線部23で構成される。したがって、この地中壁20の入隅部21は、直線部23同士が交差する4箇所となっている。
また、平面視で、地下躯体11の外壁面13と地中壁20の内壁面22との間には、隙間が形成されている。
各コンクリート体30は、地中壁20の4箇所の入隅部21に設けられる。つまり、コンクリート体30の非荷重伝達領域は、地中壁20の長さ方向の中央付近に設けられている。
このコンクリート体30建物10からの建物慣性力を地中壁20に伝達するものである。
コンクリート体30は、ここでは、無筋コンクリートであり、このコンクリート体30の水平方向の軸剛性およびせん断剛性は、地中壁20の水平方向の軸剛性およびせん断剛性より大きくなっている。
また、このコンクリート体30は、平面視で略L字形状であり、平面視で入隅部21から直線状に2方向に延びている。ここで、このコンクリート体30の入隅部21から各先端までの直線長さをLとすると、コンクリート体30の全長は、2Lとなる。
平面視で、地中壁20の長辺方向(桁行方向)の長さをL、短辺方向(梁間方向)の長さをLとすると、コンクリート体30の入隅部21から各先端までの長さLは、それぞれの方向について、L/4以下、L/4以下であることが好ましい。
これは、建物慣性力を地中壁に伝達させる際、地中壁の中央付近よりも入隅部の方が、地中壁が面外曲げ変形しにくく、建物からの力が伝わりやすいからである。
以下、地中壁について建物からの力が伝わりやすい位置を検討した。
まず、図3に示すように、地中壁の1つの構面を取り出して、両端固定梁としてモデル化したものを算定モデルとする。
次に、モデル化した地中壁の荷重点に、地中壁の内側から外側に向かって水平方向の集中荷重を作用させる。そして、荷重点におけるたわみ量を求めて、変形係数(荷重を地中壁の面外曲げ変形によるたわみ量で除した値)を算定する。
次に、変形係数が大きいほど、建物からの荷重が伝わりやすいと考えられるので、変形係数の大小を比較して、荷重を作用させる位置(荷重点)の違いが荷重の伝わりやすさに及ぼす影響を評価した。
図4は、モデル化した地中壁について変形係数kと荷重点の位置xの関係を示す図である。
図4より、変形係数kは、荷重を作用させる荷重点が地中壁中央に位置する場合が最も小さく、荷重点が端部に近づくほど大きくなることが判る。例えば、変形係数kは、荷重点を地中壁の全長Lx、Lyの1/4の位置とした場合、荷重点を地中壁中央の位置とした場合の2倍以上となっている。よって、地中壁の端部に近いほど、地中壁が面外曲げ変形しにくく、建物からの力の伝達効率が高くなると考えられる。
以上のように、建物10と地中壁20との間に設けるコンクリート体30の断面形状は、建物10と地中壁20との間の全長に亘って設けなくても、建物10を囲む地中壁20の入隅部21のみに設けることで、地震時における建物慣性力を地中壁20に伝達させることができるような形状とする。
図5は、地中壁20とコンクリート体30との接合部分を示す水平断面図である。
地中壁20は、鉛直方向に延びる円柱状のセメント系の地盤改良体24を水平方向に連続して形成したものである。この地盤改良体24は、機械撹拌式の深層(または中層)混合処理工法により造成される。
また、地中壁20に密着してコンクリート体30が造成されている。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)地中壁20により建物10直下の地盤2の地震時における変形を拘束し、地盤2のせん断変形を抑止するとともに、地盤2に対して上から建物10の重量を加えて、地盤の初期有効応力を増加させる。これにより、建物10および地中壁20で囲まれた地盤2の液状化を防止する。
また、地下躯体11の外壁面13と地中壁20の内壁面22との間に、非荷重伝達領域を有するコンクリート体30を設けた。よって、地震時における建物10の慣性力を、コンクリート体30を介して地中壁20に伝達させることで、建物10の直下の地盤2に入力される外荷重を低減できる。
その結果、地盤2の地震時のせん断応力が低減し、液状化抑制効果をさらに高めることができる。
また、建物10の直下の地盤2を囲んで地中壁20を設けたので、従来のように構造物直下の地盤内に格子状に地中壁を設けないから、低コストで地中壁20を構築できる。
また、コンクリート体30を地中壁20の入隅部21に設けた。入隅部21は、直線部23同士が交差する箇所であり、変形しにくい部分であるため、地震時の建物10の水平荷重を地中壁20に伝達しやすい。
また、コンクリート体30には、非荷重伝達領域を地中壁20の中央付近に設けており、地中壁20の入隅部21で建物10に力が伝わるようにした。地中壁20の入隅部21では、大きな応力が発生しやすいが、この入隅部21で力を伝えることで、コンクリート体30と地中壁20とが一体化されて入隅部21が補強されるから、入隅部21の剛性が向上し、入隅部21が損傷するのを防止できる。
〔第2実施形態〕
図6および図7は、本発明の第2実施形態に係る液状化対策構造1Aの平面図および縦断面図である。
本実施形態では、コンクリート体30Aの大きさが、第1実施形態と異なる。
すなわち、コンクリート体30Aの入隅部21から先端までの長さL1は、コンクリート体30の入隅部21から先端までの長さLよりも大きく、コンクリート体30Aの高さH1は、コンクリート体30の高さHよりも大きくなっている。
本実施形態によれば、上述の(1)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(2)コンクリート体30Aの入隅部21から先端までの長さL1、高さをH1としたので、コンクリート体30から地中壁20に作用する力を、より十分に分散して地中壁20に伝達でき、地中壁20の一部に応力が集中するのを回避して、地中壁20の損傷を確実に防止できる。また、コンクリート体30から建物10に作用する力を、より十分に分散して建物10に伝達でき、建物10の一部に応力が集中するのを回避して、建物10の損傷を確実に防止できる。
建物10の応力が厳しくなる場合には、L1を建物柱間隔以上とし、地中壁20の応力が厳しくなる場合には、H1を建物の根入れ深さ以上とするのが有効である。
〔第3実施形態〕
図8および図9は、本発明の第3実施形態に係る液状化対策構造1Bの平面図および縦断面図である。
本実施形態では、地中壁20を高圧噴射撹拌工法により造成したセメント系の地盤改良体25で構成する点、および、荷重伝達体として鋼矢板31を設けた点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、入隅部21について、建物10に近接して鋼矢板31を打ち込み、その後、鋼矢板31の外側に固化材を吹き付けながら、高圧噴射撹拌工法により地盤改良体25を造成する。これにより、鋼矢板31と地盤改良体25とを一体化させる。
本実施形態によれば、上述の(1)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(3)建物10と地中壁20との隙間を小さくできるので、建物10周囲のスペースが狭い場合であっても、液状化対策構造1Bを構築できる。
〔第4実施形態〕
図10は、本発明の第4実施形態に係る液状化対策構造1Cの平面図である。
本実施形態では、地中壁20の一部を、機械撹拌式の深層混合処理工法により造成された地盤改良体24で構成した点が、第3実施形態と異なる。
すなわち、地中壁20のうち、鋼矢板31が設けられる部分を、高圧噴射撹拌工法により造成した地盤改良体25で構成し、鋼矢板31が設けられない部分を、機械撹拌式の深層混合処理工法により造成された地盤改良体24で構成する。
本実施形態によれば、上述の(1)、(3)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(4)機械撹拌式の深層混合処理工法は、高圧噴射撹拌工法に比べて、コストが安く、発生汚泥が少ない。地中壁20の一部を機械撹拌式の深層混合処理工法により造成された地盤改良体24で構成したので、より低コストで液状化対策構造1Cを構築できる。
〔第5実施形態〕
図11は、本発明の第5実施形態に係る液状化対策構造1Dの平面図である。
本実施形態では、地中壁20の入隅部21を地盤改良体24でさらに補強した点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、地中壁20の入隅部21の外側に、さらに、機械撹拌式の深層混合処理工法により地盤改良体24を造成する。
本実施形態によれば、上述の(1)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(5)地中壁20の入隅部21の外側を地盤改良体24で補強したので、コンクリート体30による補強と地盤改良体24による補強の両方の補強効果が得られるので、地中壁20の耐震性を向上できる。
〔第6実施形態〕
図12は、本発明の第6実施形態に係る液状化対策構造1Eの縦断面図である。
本実施形態では、建物10Eの基礎をパイルドラフト基礎とした点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、パイルドラフト基礎は、杭14による杭基礎と、べた基礎と、を併用した基礎である。
本実施形態によれば、上述の(1)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(6)建物10Eの基礎をパイルドラフト基礎としたので、杭14により建物10Eの沈下を抑制できる。
〔第7実施形態〕
図13は、本発明の第7実施形態に係る液状化対策構造1Fの平面図である。
本実施形態では、建物10と地中壁20との隙間の一部に粒状体41を設けた点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、建物10と地中壁20との隙間のうちコンクリート体30を設けていない部分には、砕石などの透水性の高い粒状体41が設けられている。
本実施形態によれば、上述の(1)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(7)建物10と地中壁20との隙間の一部に粒状体41を設けたので、地震時に、建物10の直下の地盤2で増加した水圧を円滑に消散させることができる。
〔第8実施形態〕
図14は、本発明の第8実施形態に係る液状化対策構造1Gについて、地中壁としてのSMW壁50とコンクリート体30との接合部分を示す水平断面図である。
本実施形態では、地中壁としてのSMW壁50を設けた点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、SMW壁50は、土とセメントスラリーを混合攪拌して造成した壁体51と、この壁体51に水平方向に所定間隔おきに打ち込まれた複数本の芯材52と、を備える。
芯材52は、略鉛直方向に延びるH形鋼であり、この芯材52の表面に繋ぎ材としてのスタッド53が複数本溶接されており、これらスタッド53の先端は、コンクリート体30内に埋め込まれている。
本実施形態によれば、上述の(1)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(8)地中壁としてのSMW壁50の芯材52に、スタッド53を打ち込んだので、SMW壁50とコンクリート体30とを一体化して、SMW50をより確実に補強できる。
〔第9実施形態〕
図15は、本発明の第9実施形態に係る液状化対策構造1Hについて、地中壁20の地盤改良体24とコンクリート体30との接合部分を示す水平断面図である。
本実施形態では、地中壁20の地盤改良体24に繋ぎ材としての鉄筋40を差し込んだ状態で、コンクリート体30を造成した点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、鉄筋40によって、地盤改良体24とコンクリート体30とが一体化し、地盤改良体24とコンクリート体30の間にせん断力や引張力が掛かっても、分離しにくくなっている。
本実施形態によれば、上述の(1)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(9)地中壁20の地盤改良体24とコンクリート体30が鉄筋40で繋がっているので、地中壁20とコンクリート体30の一体化がより強固となり、地中壁20をより確実に補強できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の各実施形態では、地中壁20を、機械撹拌式の深層混合処理工法により造成されたセメント系の地盤改良体24、高圧噴射撹拌工法により造成したセメント系の地盤改良体25、あるいは、SMW壁50により構成したが、これに限らず、鉄筋コンクリートで構成してもよい。
また、荷重伝達体を、無筋のコンクリート体30や、鋼矢板31としたが、これに限らず、鉄筋コンクリート、流動化処理土、セメント系の地盤改良体、モルタル、H形鋼、山留め材等としてもよい。
D…地中壁の壁厚
H、H1…コンクリート体の高さ
L、L1…コンクリート体の水平断面視における長辺の長さ
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H…液状化対策構造
2…地盤
10、10E…建物(構造物)
11…地下躯体
12…地上躯体
13…外壁面
14…杭
20…地中壁
21…入隅部
22…内壁面
23…直線部
24、25…地盤改良体
30、30A…コンクリート体(荷重伝達体)
31…鋼矢板(荷重伝達体)
40…鉄筋(繋ぎ材)
41…粒状体
50…SMW壁(地中壁)
51…壁体
52…芯材
53…スタッド

Claims (4)

  1. 地下躯体を有する構造物と、
    当該構造物の直下の地盤を囲んで構築された地中壁と、
    前記構造物の地下躯体と前記地中壁の内壁面との間に非荷重伝達領域を有する荷重伝達体と、を備えることを特徴とする液状化対策構造。
  2. 前記非荷重伝達領域は、前記構造物の桁行方向または梁間方向の中央付近に設けられることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の液状化対策構造。
  3. 前記荷重伝達体と前記地中壁とは、繋ぎ材で一体化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液状化対策構造。
  4. 前記荷重伝達体の剛性は、前記地中壁の剛性より大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液状化対策構造。
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