JP6296082B2 - 駆動装置 - Google Patents

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Description

本明細書が開示する技術は、駆動信号に基づいて駆動対象トランジスタを駆動する駆動装置に関する。
インバータや電圧コンバータは、駆動信号に基づいて電力変換用のパワートランジスタ(駆動対象トランジスタ)のオンとオフを切り換える装置、即ち、パワートランジスタを駆動する駆動装置を備えている。
特許文献1に、カレントミラー回路を利用し、パワートランジスタのオンとオフを切り換える速度(以下、切換速度と称する)を調整可能な駆動装置が開示されている。特許文献1の駆動装置は、パワートランジスタに高速動作が要求されないときには切換速度を下げることで、パワートランジスタのスイッチングノイズを抑制する。
カレントミラー回路は、Nチャネル型トランジスタを使うタイプとPチャネル型トランジスタを使うタイプがあるが、以下では、まず、Nチャネル型トランジスタを使ったカレントミラー回路を例に説明する。カレントミラー回路は、ゲート閾値電圧が等しい2個のトランジスタのゲート同士が接続されているとともに、一方のトランジスタの高電位側電極とゲートが接続される。一方のトランジスタの高電位側電極には、一定電流(参照電流)を流す電流源が接続される。説明の都合上、以下では、カレントミラー回路の2個のトランジスタのうち、電流源が接続されるトランジスタを第1トランジスタと称し、他方のトランジスタを第2トランジスタと称する。
カレントミラー回路を駆動装置に用いる場合、第2トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の一方が駆動装置の出力端に相当し、パワートランジスタのゲートが接続される。第2トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の他方には、パワートランジスタのゲートをオン電圧に引き上げる高電圧端とオフ電圧に引き下げる低電圧端の一方が接続される。参照電流が流れるとカレントミラー回路の第1、第2トランジスタがオンとなり、パワートランジスタのゲートと高電圧端(又は低電圧端)が導通する。参照電流を止めるとともにカレントミラー回路のトランジスタのゲート電圧を下げると第1、第2トランジスタがオフとなり、パワートランジスタのゲートと高電圧端(又は低電圧端)の間が遮断される。
カレントミラー回路では、参照電流に比例した電流が第2トランジスタに流れる。参照電流を小さくすると、第2トランジスタがオン状態のときに流れる電流が小さくなり、パワートランジスタのゲート電圧の変化速度が遅くなる。その結果、パワートランジスタの切換速度が遅くなる。特許文献1の駆動装置は、参照電流の大きさを調整することで、パワートランジスタ(駆動対象トランジスタ)の切換速度を調整する。
特開2009−111470号公報
駆動装置のカレントミラー回路には、消費電力の小さい電圧駆動型トランジスタが採用される。電圧駆動型トランジスタは、ゲートを充放電することによりオンとオフを切り換える。Nチャネル型トランジスタを用いたカレントミラー回路では、第1、第2トランジスタのゲート同士が接続されるとともに、それらゲートに、第1トランジスタの高電位側電極も接続される。第1トランジスタの高電位側電極には電流源が接続されており、その電流源が出力する参照電流により、2個のトランジスタ(第1トランジスタ及び第2トランジスタ)のゲートが充電される。なお、以下では、第1トランジスタ及び第2トランジスタを単純に第1及び第2トランジスタと称することがある。駆動装置は、駆動信号のトリガ(例えばパルスエッジ)で参照電流によって2個のトランジスタのゲートを充電し始める。参照電流が小さいと、カレントミラー回路のトランジスタのゲート充電速度が遅くなる。その結果、駆動信号のトリガを受信してからカレントミラー回路のトランジスタがオフからオンに切り換わるまでに相応の時間を要してしまう。Pチャネル型のトランジスタを用いたカレントミラー回路では、第1トランジスタのゲートと低電位側電極が接続され、第1及び第2トランジスタの双方のゲートの放電電流が参照電流の大きさに規制される。参照電流が小さいと、カレントミラー回路のトランジスタのゲート放電速度が遅くなる。その結果、やはり、駆動信号のトリガを受信してからカレントミラー回路のトランジスタがオフからオンに切り換わるまで相応の時間を要してしまう。すなわち、カレントミラー回路を用いた駆動回路では、駆動信号のトリガを受信してから駆動対象トランジスタのゲート電圧を変更するまでのレスポンスに時間を要してしまう。参照電流を大きくすれば、レスポンスは速くなるが、それでは第1トランジスタの消費電力が増大してしまう。
本明細書は、カレントミラー回路を用いた駆動装置に関し、第1トランジスタの消費電力を大きくすることなく、駆動信号のトリガを受信してから駆動対象トランジスタを駆動するまでのレスポンスを速める技術を提供する。なお、説明を簡単にするため、以下では、「駆動信号のトリガ」を単純に「駆動信号」と称する。即ち、本明細書は、駆動信号を受信してから駆動対象トランジスタを駆動するまでのレスポンスを速める技術を提供する。
まず、カレントミラー回路に電圧駆動型かつNチャネル型のトランジスタを採用した場合の駆動装置を説明する。本明細書が開示する一態様の駆動装置は、電圧駆動型かつNチャネル型のトランジスタであってゲート閾値電圧が等しい第1及び第2トランジスタと、電流源と、電流制御回路と、ゲート充電回路を備える。第1トランジスタは、その高電位側電極とゲートが接続されている。第2トランジスタは、そのゲートが第1トランジスタのゲートと接続されているとともに、高電位側電極と低電位側電極の一方に駆動対象トランジスタのゲートが接続される。電流源は、第1トランジスタの高電位側電極に接続されており、一定電流を出力する。電流制御回路は、駆動対象のトランジスタのオンとオフを切り換えるために外部から与えられる駆動信号に応答して、電流源を使って第1及び第2トランジスタのゲートへの充電を開始する。なお、駆動信号は、第1及び第2トランジスタをオフからオンに切り換える信号にも相当する。上記の構成により、第1及び第2トランジスタがカレントミラー回路を構成することが理解される。ゲート充電回路は、電流源とは別に第1及び第2トランジスタのゲートを充電する。ゲート充電回路は、次の第1充電回路と第2充電回路のいずれか一方の構成を備えている。
第1充電回路は、コンデンサと充電端と放電端と充電スイッチを備えている。コンデンサの一方の電極は、第1及び第2トランジスタのゲートに接続されている。充電端は、コンデンサの他方の電極に電力を供給するために備えられており、放電端は、コンデンサの他方の電極から電力を放出させるために備えられている。充電スイッチは、駆動信号に応答してコンデンサの他方の電極の接続先を放電端から充電端へ切り換える。そして、第1トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の間に一定電流が流れるときの電流源の出力端電圧Vrefと、コンデンサの容量Ccgと、第1及び第2トランジスタのゲート容量の合計容量Ccmと、充電端の電圧Vcgが、次の(式1)の関係を満たしている。
Vref≧Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm) (式1)
第2充電回路は、充電端とダイオードと充電スイッチを備えている。充電端は、第1及び第2トランジスタのゲートに電力を供給するために備えられている。ダイオードは、アノードが充電端に接続されておりカソードが第1及び第2トランジスタのゲートに接続されている。充電スイッチは、駆動信号に応答して充電端と第1及び第2トランジスタの間を遮断状態から導通状態に切り換える。そして、第1トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の間に一定電流が流れるときの電流源の出力端電圧Vrefと、ダイオードの順電圧Vfと、充電端の電圧Vcgが、次の(式2)の関係を満たしている。
Vref≧Vcg−Vf (式2)
上記した第1充電回路と第2充電回路のいずれかのゲート充電回路を備える駆動装置は、駆動信号に応答して、電流制御回路が電流源を使って第1及び第2トランジスタのゲートの充電を開始するとともに、ゲート充電回路が第1及び第2トランジスタのゲートの充電を開始する。電流源からだけでなく、ゲート充電回路からも電力が供給されるので、第1及び第2トランジスタのゲートの充電時間が短縮される。ゲート充電回路を備えることによって、駆動信号を受信してから第1、第2トランジスタがオフからオンに切り換わるまでのレスポンスが速くなる。即ち、駆動信号を受信してから駆動対象トランジスタを駆動するまでのレスポンスが速くなる。
電流源とゲート充電回路からの電力供給により、第1、第2トランジスタのゲート電圧が増加する。(式1)の右辺(Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm))、及び、(式2)の右辺(Vcg−Vf)は、充電端の電圧Vcgのみによって第1、第2トランジスタのゲートを充電したと仮定した場合のゲート電圧の最大値である。従って、ゲート電圧が[Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm)]に達すると、あるいは、ゲート電圧が[Vcg−Vf]に達すると、ゲート充電回路からはそれ以上の電力供給ができなくなる。即ち、ゲート充電回路からの電力供給が自動的に停止する。その後は、電流源からの電力供給のみとなる。第1、第2トランジスタのゲート電圧は、電流源からの電力供給により上昇を続け、第1、第2トランジスタのゲート電圧はゲート閾値電圧Vthを越える。即ち、第1及び第2トランジスタがオフからオンに切り換わる。そうすると、第1トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の間に電流源の一定電流(電流上限値Idmax)が流れる。電流源は、第1トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の間に流れる電流が一定電流のときの出力端電圧が電圧Vrefとなるように調整されており、その大きさは、ゲート閾値電圧Vthより高い値に設定されている。ゲート電圧が出力端電圧Vrefに達するまでに第1、第2トランジスタはオフからオンに切り換わり、最終的にはゲート電圧が出力端電圧Vrefに達する。このとき、第1トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の間には、電流源の一定電流(電流上限値Idmax)が流れる。別言すれば、第1トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の間を流れる電流は、電流源の一定電流を越えない。
このように本明細書が開示する駆動装置は、ゲート電圧の立ち上がり期間にはゲート充電回路により第1、第2トランジスタのゲートが急速に充電され、駆動信号を受信してから第1、第2トランジスタがオフからオンに切り換わるまでの時間(レスポンス時間)が短縮される。一方、ゲート充電の途中でゲート充電回路からの電力供給が止まる。ゲート電圧は最終的に電流源の出力端電圧Vrefに到達し、第1トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の間を流れる電流は一定値(電流上限値Idmax)となる。なお、以下では、トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の間を流れる電流を主電流と称することがある。本明細書が開示する駆動装置は、第1、第2トランジスタがオフからオンに切り換わった後、第1トランジスタの主電流は、電流源が出力する一定電流(電流上限値Idmax)に制限される。それゆえ、第1トランジスタとしては、電流上限値Idmaxを許容できればよい。この駆動装置は、第1トランジスタの主電流を大きくすることなく、即ち、第1トランジスタの消費電力を増大させることなく、第1、第2トランジスタのゲート充電を早めることができる。すなわち、この駆動装置は、消費電力を大きくすることなく、駆動信号の受信から駆動対象トランジスタの駆動までのレスポンスを速めることができる。
第1充電回路の場合、(式1)の関係を満たすコンデンサによって、第1トランジスタの主電流が一定値(電流上限値Idmax)に達するまでに第1充電回路からの電力供給が自動的に停止する。第2充電回路の場合は、(式2)の関係によって、第1トランジスタの主電流が一定値(電流上限値Idmax)に達するまでに第2充電回路からの電力供給が自動的に停止する。なお、第2充電回路の場合、上記したダイオードを備えることによって、ゲート電圧が[Vcg−Vf]を越えた後に電流源から第2充電回路への電流の逆流が防止される。また、(式1)、(式2)の等号が成立する場合は、第1トランジスタの主電流が一定値(電流上限値Idmax)に達した時点でゲート充電回路が停止する。
ゲート充電回路が第1充電回路の場合、コンデンサの容量Ccgと、第1及び第2トランジスタのゲート容量の合計容量Ccmと、充電端の電圧Vcgと、第1及び第2トランジスタのゲート閾値電圧Vthは、次の(式3)の関係を満足していることが好ましい。
Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm)≧Vth (式3)
また、ゲート充電回路が第2充電回路の場合、順電圧Vfと、充電端の電圧Vcgと、第1及び第2トランジスタのゲート閾値電圧Vthは、次の(式4)の関係を満足していることが好ましい。
Vcg−Vf≧Vth (式4)
(式3)と(式4)の関係は、ゲート充電回路による充電中に第1及び第2トランジスタのゲート電圧がゲート閾値電圧を越えること意味する。即ち、(式3)と(式4)の関係が成立すれば、ゲート充電回路による急速充電中に第1、第2トランジスタをオフからオンに切り換えることができる。(式3)を満たす第1充電回路、及び、(式4)を満たす第2充電回路は、第1トランジスタの消費電力を増加させることなく、駆動信号の受信から第1及び第2トランジスタがオフからオンに切り換わるまでの時間(即ち、駆動信号を受信してからパワートランジスタを駆動するまでの時間)をより一層短縮することができる。
電流制御回路は、第1トランジスタをオフからオンに切り換える駆動信号に応答して第1及び第2トランジスタのゲートと放電端(グランド端)との間を導通から遮断に切り換えるスイッチ回路であってもよい。あるいは、電流制御回路は、駆動信号に応答して、電流源を出力停止状態から出力状態に切り換える回路であってもよい。前者の場合は、電流源は常に一定電流を出力してもよいことになる。電流源から供給される電力はスイッチ回路を通じて放電され、ゲートが充電されないからである。ただし、前者の回路は、第1トランジスタがオフしている間、電流源の出力電力が無駄になる。一方、後者の回路の場合、駆動信号が第1トランジスタのオフを示している間は、電流源は出力停止状態を維持するので電力が無駄にならない。
次に、カレントミラー回路に電圧駆動型かつPチャネル型のトランジスタを採用した場合の駆動装置を説明する。本明細書が開示する別の態様の駆動装置は、電圧駆動型かつPチャネル型のトランジスタであってゲート閾値電圧が等しい第1及び第2トランジスタと、電流源と、電流制御回路と、ゲート放電回路を備える。第1トランジスタは、その低電位側電極とゲートが接続されている。第2トランジスタは、そのゲートが第1トランジスタのゲートと接続されているとともに、高電位側電極と低電位側電極の一方に駆動対象トランジスタのゲートが接続される。電流源は、第1トランジスタの低電位側電極に接続されており、一定電流を通過させる。電流制御回路は、駆動信号に応答して、電流源を使って(即ち、電流源を通して)第1及び第2トランジスタのゲートを放電する。なお、駆動信号は、第1及び第2トランジスタをオフからオンに切り換える信号にも相当する。従って、電流制御回路は、第1及び第2トランジスタをオフからオンに切り換える駆動信号に応答して、電流源を遮断状態から導通状態に切り換え、第1、第2トランジスタのゲートの放電を開始する。上記の構成により、第1及び第2トランジスタがカレントミラー回路を構成することが理解される。ゲート放電回路は、電流源とは別に第1及び第2トランジスタのゲートを放電する。ゲート放電回路は、次の第1放電回路と第2放電回路のいずれか一方の構成を備えている。
第1放電回路は、コンデンサと充電端と放電端と放電スイッチを備えている。コンデンサの一方の電極は、第1及び第2トランジスタのゲートに接続されている。充電端は、コンデンサの他方の電極に電力を供給するために備えられており、放電端は、コンデンサの他方の電極から電力を放出させるために備えられている。放電スイッチは、駆動信号に応答してコンデンサの他方の電極の接続先を充電端から放電端へ切り換える。そして、第1トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の間に一定電流が流れるときの電流源の入力端電圧VLrefと、コンデンサの容量Ccgと、第1及び第2トランジスタのゲート容量の合計容量Ccmと、第1トランジスタのゲートに電力を供給する電力供給端と放電端との電圧差dVcgが、次の(式5)の関係を満たしている。
dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm)≧VLref (式5)
第2放電回路は、放電端とダイオードと放電スイッチを備えている。放電端は、第1及び第2トランジスタのゲートから電力を放出させるために備えられている。ダイオードは、アノードが第1及び第2トランジスタのゲートに接続されており、カソードが放電端に接続されている。放電スイッチは、駆動信号に応答して放電端と第1及び第2トランジスタの間を遮断状態から導通状態に切り換える。そして、第1トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の間に一定電流が流れるときの電流源の入力端電圧VLrefと、ダイオードの順電圧Vfと、放電端の電圧VLcgが、次の(式6)の関係を満たしている。
VLcg+Vf≧VLref (式6)
第1放電回路又は第2放電回路のゲート放電回路を備える駆動装置は、駆動信号に応答して、電流制御回路が電流源を使って第1及び第2トランジスタのゲート放電を開始するとともに、ゲート放電回路が第1及び第2トランジスタのゲート放電を開始する。電流源とゲート放電回路を通じた放電により、第1及び第2トランジスタのゲートが速やかに放電される。これによって、駆動信号の受信から第1、第2トランジスタがオフからオンに切り換わるまでの時間を短縮することができ、駆動対象トランジスタを駆動するまでのレスポンスを良くすることができる。
ゲート放電が進むと、第1、第2トランジスタのゲート電圧が下がっていく。(式5)の左辺[dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm)]、及び、(式6)左辺[VLcg+Vf]は、ゲート放電回路のみで第1、第2トランジスタのゲートを放電したと仮定したときのゲート電圧の最低値である。従って、第1、第2トランジスタのゲート電圧が[dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm)]、あるいは、[VLcg+Vf]まで下がると、ゲート放電回路を通じた放電が自動的に止まり、電流源を通じた放電のみとなる。その後、ゲート電圧は、電流源を通じた放電により下降を続け、電流源の入力端電圧VLrefで一定となる。電流源の入力端電圧VLrefはゲート閾値電圧Vthよりも低く設定されており、ゲート電圧が入力端電圧VLrefに達するまでに第1、第2トランジスタはオフからオンに切り換わる。電流源は、第1トランジスタの高電位側電極と低電位側電極に一定値の電流(電流上限値Idmax)が流れるときにその入力端電圧がVLrefとなるように調整されている。即ち、第1、第2トランジスタがオフからオンに切り換わった後、第1トランジスタの主電流は一定値(電流上限値Idmax)に制限される。それゆえ、第1トランジスタとしては、主電流として電流上限値Idmaxを許容できればよい。Pチャネル型トランジスタを採用したカレントミラー回路を含む駆動装置も、第1トランジスタの主電流を大きくすることなく、即ち、消費電力を大きくすることなく、駆動信号の受信から駆動対象トランジスタを駆動するまでの時間(レスポンス時間)を短縮することができる。
第1放電回路の場合、(式5)の関係を満たすコンデンサによって、第1トランジスタの主電流が一定値(電流上限値Idmax)に達するまでに第1放電回路による放電が自動的に停止する。第2放電回路の場合は、(式6)の関係によって、第1トランジスタの主電流が一定値(電流上限値Idmax)に達するまでに第2放電回路による放電が自動的に停止する。なお、第2放電回路の場合、上記したダイオードを備えることによって、ゲート電圧が「VLcg+Vf」を下回った後に第2放電回路から電流源への電流の逆流が防止される。また、(式5)、(式6)の等号が成立する場合は、第1トランジスタの主電流が一定値(電流上限値Idmax)に達した時点でゲート放電回路が停止する。
ゲート放電回路が第1放電回路の場合、コンデンサの容量Ccgと、第1及び第2トランジスタのゲート容量の合計容量Ccmと、電圧差dVcgと、第1及び第2トランジスタのゲート閾値電圧Vthが、次の(式7)の関係を満足していることが好ましい。
Vth≧dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm) (式7)
また、ゲート放電回路が第2放電回路の場合、順電圧Vfと、電圧VLcgと、第1及び第2トランジスタのゲート閾値電圧Vthが、次の(式8)の関係を満足していることが好ましい。
Vth≧VLcg+Vf (式8)
(式7)と(式8)の関係は、ゲート放電回路による放電中に第1及び第2トランジスタのゲート電圧がゲート閾値電圧Vthを下回ること意味する。即ち、(式7)と(式8)の関係が成立すれば、ゲート放電回路による放電中に第1、第2トランジスタがオフからオンに切り換わる。(式7)を満たす第1放電回路、及び、(式8)を満たす第2放電回路は、第1トランジスタの消費電力を増加させることなく、レスポンス時間をより一層短縮することができる。
Pチャネル型トランジスタを使ったカレントミラー回路を含む駆動装置と、Nチャネル型トランジスタを使ったカレントミラー回路を含む駆動装置のいずれも、第1及び第2トランジスタがオフからオンに切り換わった後に第1トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の間を流れる電流(主電流)を遮断する遮断スイッチを備えているとよい。通常のカレントミラー回路では、第1、第2トランジスタがオフからオンに切り換わった後も第1トランジスタの主電流として参照電流が流れ続ける。第1、第2トランジスタがオフからオンに切り換わった後に第1トランジスタの主電流を遮断しても、第1、第2トランジスタのオン状態は保持される。第1及び第2トランジスタがオフからオンに切り換わった後に第1トランジスタの主電流を遮断することで、それ以後は第1トランジスタに電流が流れなくなり、消費電力をさらに抑えることができる。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
第1実施例の駆動装置のブロック図である。 第1実施例の駆動装置のタイムチャートである。 ゲート充電回路を備えない場合のタイムチャートである。 第2実施例の駆動装置のブロック図である。 第3実施例の駆動装置のブロック図である。 第4実施例の駆動装置のブロック図である。 第4実施例の駆動装置のタイムチャートである。 第5実施例の駆動装置のブロック図である。 第6実施例の駆動装置のブロック図である。 第7実施例の駆動装置のブロック図である。 第7実施例の駆動装置のタイムチャートである。 第8実施例の駆動装置のブロック図である。 第9実施例の駆動装置のブロック図である。 第9実施例の駆動装置のタイムチャートである。 第9実施例の駆動装置の別のタイムチャートである。 第10実施例の駆動装置のブロック図である。 第10実施例の駆動装置のタイムチャートである。 第11実施例の駆動装置のブロック図である。 第11実施例の駆動装置のタイムチャートである。
(第1実施例)図1と図2を参照して第1実施例の駆動装置を説明する。図1は、駆動装置10aのブロック図である。図2は、駆動装置10aの動作を示すタイムチャートである。駆動装置10aは、パワートランジスタ99を駆動する装置である。パワートランジスタ99は、電力を変換するために用いられるスイッチング素子であり、例えば、直流を交流に変換するインバータのスイッチング素子であったり、電圧コンバータのスイッチング素子であったりする。パワートランジスタ99を含む電力変換装置は、パワートランジスタ99を除いて図示を省略する。電力変換装置が複数のパワートランジスタを含む場合は、夫々のパワートランジスタに対して駆動装置10aが用意される。
駆動装置10aは、不図示の上位の制御装置から与えられるパルス状の駆動信号Vin1に基づき、パワートランジスタ99のオンとオフを切り換える。駆動装置10aは、駆動信号Vin1のパルスエッジをトリガにして、パワートランジスタ99を駆動する。駆動装置10aは、駆動信号Vin1がLowレベルのときは、パワートランジスタ99をオンに保持し、駆動信号Vin1がLowレベルからHighレベルに切り換わると、パワートランジスタ99をオンからオフに切り換える。なお、「オン」とは、トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の間が導通状態であることを意味し、「オフ」とは、トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の間が電流遮断状態であることを意味する。
なお、詳しくは後述するが、駆動装置10aは、駆動信号Vin1がLowレベルからHighレベルに切り換わるパルスエッジをトリガにして、第1、第2トランジスタ1a、2aをオフからオンに切り換える。以下、第1、第2トランジスタ1a、2aをオフからオンに切り換える動作を主に説明する。以下の説明において、しばしば、「駆動信号Vin1に応答して」との表記が現れるが、この表記は、詳しくは、「パワートランジスタ99(駆動対象トランジスタ)のオンとオフを切り換える駆動信号であって第1、第2トランジスタ1a、2aをオフからオンに切り換える駆動信号Vin1に応答して」ということを意味する。
駆動装置10aは、入力端11と出力端12を備える。入力端11には、先に述べた上位の制御装置が接続されており、駆動信号Vin1が入力される。出力端12には、駆動対象であるパワートランジスタ99のゲートが接続される。
駆動装置10aは、第1トランジスタ1aから第6トランジスタ6aの6個のトランジスタを備える。第1トランジスタ1a、第2トランジスタ2a、第3トランジスタ3a、第5トランジスタ5aは、Nチャネル型のMOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、第4トランジスタ4aと第6トランジスタ6aはPチャネル型のMOSFETである。MOSFETは、ゲートがソースとドレインから絶縁されており、ゲート電圧の大きさで、オンまたはオフが決まる、いわゆる電圧駆動型である。Nチャネル型のMOSFETは、その構造上、ソースからドレインに向けて常に電流を通すダイオードが付随するが、そのダイオードの図示は省略する。Pチャネル型のMOSFETは、その構造上、ドレインからソースに向けて常に電流を通すダイオードが付随するが、そのダイオードの図示は省略する。以降の図でも同様である。なお、各トランジスタには、トランジスタ保護用の還流ダイオードが接続されていてもよい。
駆動装置10aの内部には、いくつかの電源正極端31〜33と、いくつかの電源負極端41〜43、49が備えられている。電源正極端31〜33は、各素子に電力を供給する端子であり、電源負極端41〜43、49は、各素子から流出する電流の放出端に相当する。電源正極端の電圧と電源負極端の電圧は、不図示の電源回路により定められる。電源負極端41〜43、49は、駆動装置10aのグランド端に相当する場合もあれば、駆動装置10aのグランド端の電圧に対して所定のバイアスを加えられた電圧に保持されることもある。また、電源正極端31〜33は、同一の電圧に保持される場合もあるが、夫々が異なる電圧に保持されることもある。
電源正極端31は、パワートランジスタ99のオン電圧VCC1に保持されている。電源負極端41は、パワートランジスタ99のオフ電圧に保持されている。電源正極端32、33については後に説明する。
駆動装置10aは、上記した6個のトランジスタ1a−6aのほか、NOT素子13(インバータ素子)、コンデンサ16、電流源17、抵抗18、電流制御回路21を備える。第1トランジスタ1aと第2トランジスタ2aがカレントミラー回路15aを構成し、第4トランジスタ4a、第5トランジスタ5a、及び、コンデンサ16がゲート充電回路14aを構成する。
駆動装置10aの出力端12は、第6トランジスタ6aと抵抗18を介して、電源正極端31に接続されている。より詳しくは、第6トランジスタ6aのソースが電源正極端31に接続されており、ドレインは抵抗18を介して出力端12に接続されている。出力端12と電源負極端41の間には、第2トランジスタ2aが接続されている。第2トランジスタ2aのドレインは出力端12に接続されており、ソースは電源負極端41に接続されている。第6トランジスタ6aがオンになり、第2トランジスタ2aがオフになると、パワートランジスタ99のゲート電圧が電源正極端31の電圧VCC1に引き上げられ、パワートランジスタ99がオンになる。第6トランジスタ6aがオフになり、第2トランジスタ2aがオンになると、パワートランジスタ99のゲート電圧が電源負極端41の電圧に引き下げられ、パワートランジスタ99がオフになる。
第6トランジスタ6aのゲートは入力端11に接続されており、第6トランジスタ6aは、入力端11に入力される駆動信号Vin1により、オンとオフが切り換えられる。第6トランジスタ6aは、電源正極端31と出力端12(パワートランジスタ99のゲート)の間の導通と遮断を切り換えるスイッチ回路に相当する。第6トランジスタ6aは、入力端11に入力される駆動信号Vin1に応答して電源正極端31と出力端12の間の導通と遮断を切り換える。電源正極端31と出力端12の間の導通と遮断を切り換えるスイッチ回路には、以下で説明するカレントミラー回路を採用してもよいが、本実施例では、図を理解し易くするために、単純に一つのトランジスタ(第6トランジスタ6a)でスイッチ回路を表している。第6トランジスタ6aは入力端11に入力される駆動信号Vin1のパルスエッジで速やかに切り換わる。駆動信号Vin1が入力されてからパワートランジスタ99を駆動するまでのレスポンスは、以下で説明するカレントミラー回路15aの動作に依存する。
第2トランジスタ2aは、第1トランジスタ1aとともにカレントミラー回路15aを構成し、第2トランジスタ2aのオン/オフは、第1トランジスタ1aのオン/オフにより切り換えられる。なお、第1トランジスタ1aと第2トランジスタ2aには、ゲート閾値電圧Vthが等しいトランジスタが採用されている。
カレントミラー回路15aについて説明する。先に述べたように、第1トランジスタ1aと第2トランジスタ2aは、いずれも、電圧駆動型、かつ、Nチャネル型のトランジスタである。ドレインが高電位側電極に相当し、ソースが低電位側電極に相当する。第2トランジスタ2aは、先に述べたように、出力端12と電源負極端41の間に接続されている。第2トランジスタ2aのドレイン(高電位側電極)が出力端12に接続されている。先に述べたように、出力端12にパワートランジスタ99のゲートが接続される。第1トランジスタ1aのドレインは、ゲートと接続されている。第1トランジスタのソースは電源負極端42に接続されている。第1トランジスタ1aのゲートは第2トランジスタ2aのゲートに接続されている。
第1及び第2トランジスタ1a、2aのゲートには、第3トランジスタ3aのドレインが接続されている。第3トランジスタ3aのソースは電源負極端49に接続されている。第3トランジスタ3aは、電源負極端49を通じて第1及び第2トランジスタ1a、2aのゲートを放電するために備えられている。第3トランジスタ3aのゲートは、NOT素子13を介して入力端11に接続されている。それゆえ、第3トランジスタ3aのゲートには、駆動信号Vin1のLowとHighを反転した信号(反転信号Vin1x)が入力される。第3トランジスタ3aは、入力端11に入力される駆動信号Vin1に応答して第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートを放電する。
第1トランジスタ1aのドレイン(高電位側電極)には、電流源17が接続されており、その電流源17には、電圧VCC2を供給する電源正極端32が接続されている。電流源17には、電流制御回路21が接続されている。その電流制御回路21には、駆動信号Vin1が入力される。電流制御回路21は、駆動信号Vin1に応答して、電流源17の出力停止状態と電流出力状態とを切り換える。具体的には、駆動信号Vin1がLow電位のときには電流制御回路21は、電流源17を出力停止状態に保持する。駆動信号Vin1がLow電位からHigh電位に切り換わると、電流制御回路21は、電流源17を出力状態に変更する。出力状態のとき、電流源17は、電源正極端32からの電力供給を受け、所定の一定電流(電流上限値Idmax)を出力する。電流源17は、第1トランジスタ1aがオン状態となり、そのドレインとソースの間に一定電流(電流上限値Idmax)が流れるときに、その出力端電圧が所定の電圧Vrefとなるように調整されている。なお、出力停止状態から一定電流(電流上限値Idmax)を安定して出力するまでの過渡期には、出力端電圧はゼロから電圧Vrefまで徐々に変化する。なお、以下では、トランジスタのドレインとソースの間に流れる電流を「ドレイン電流」あるいは「主電流」と称する。
駆動信号Vin1に応答して電流制御回路21が電流源17を出力停止状態から出力状態に切り換えると、電流源17から第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートに電力が供給され始める(ゲートが充電され始める)。
第1トランジスタ1aのドレイン、及び、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートには、ゲート充電回路14aが接続されている。ゲート充電回路14aは、電流源17とは別に、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートを充電する。ゲート充電回路14aは、電圧Vcgに保持された電源正極端33と、これに対応する電源負極端43と、2個のトランジスタ(第4トランジスタ4aと第5トランジスタ5a)と、コンデンサ16で構成されている。第4トランジスタ4aはPチャネル型のMOSFETであり、第5トランジスタ5aはNチャネル型のMOSFETである。第4トランジスタ4aと第5トランジスタ5aは、電源正極端33と電源負極端43の間に直列に接続されている。具体的には、第4トランジスタ4aのソースが電源正極端33に接続されており、ドレインは第5トランジスタ5aのドレインに接続されている。第5トランジスタ5aのソースは、電源負極端43に接続されている。コンデンサ16の一方の電極16aは、カレントミラー回路15aの第1トランジスタ1aのドレインとゲート、及び、第2トランジスタ2aのゲートに接続されている。コンデンサ16の他方の電極16bは、第4トランジスタ4aと第5トランジスタ5aの直列接続の中点に接続されている。
第4、第5トランジスタ4a、5aのゲートは、共に、NOT素子13を介して入力端11に接続されている。それゆえ、第4、第5トランジスタ4a、5aのゲートには、駆動信号Vin1のLowとHighを反転した信号(反転信号Vin1x)が入力される。第4、第5トランジスタ4a、5aのゲートがLow電位に保持されると、Pチャネル型の第4トランジスタ4aがオンになり、Nチャネル型の第5トランジスタ5aがオフになる。その結果、コンデンサ16の電極16bは電源正極端33に接続され、コンデンサ16が充電される。第4、第5トランジスタ4a、5aのゲートがHigh電位に保持されると、第4トランジスタ4aがオフになり、第5トランジスタ5aがオンになる。その結果、コンデンサ16の電極16bは電源負極端43に接続され、コンデンサ16が放電される。すなわち、コンデンサ16は、電源正極端33から電力供給を受けて充電され、電源負極端43を通じて放電される。第4、第5トランジスタ4a、5aは、駆動信号Vin1に応答してコンデンサ16の電極16bの接続先を電源負極端43から電源正極端33へ切り換えるスイッチの役割を果たす。コンデンサ16の電極16aは第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートに接続されている。それゆえ、コンデンサ16が充電されるとき、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートが充電され、コンデンサ16が放電されるとき、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートも放電される。
駆動装置10aの動作を概説する。今、駆動信号Vin1として、Low電位からHigh電位に切り換わるパルスエッジが入力される場合を想定する。駆動信号Vin1がHigh電位に切り換わる前、入力端11はLow電位に保持されている。そのときには、第6トランジスタ6aはオン状態に保持される。また、電流制御回路21は、電流源17を出力停止状態に保持する。ゲート充電回路14aの第4、第5トランジスタ4a、5aのゲートには、NOT素子13を介してHigh電位の信号が入力される。それゆえ、先に述べたように、コンデンサ16の電極16bは電源負極端43に接続され、コンデンサ16は放電状態に保持される。また、Nチャネル型の第3トランジスタ3aのゲートにも、NOT素子13を介してHigh電位の信号が入力される。それゆえ、第3トランジスタ3aはオン状態となり、カレントミラー回路15aの第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートは電源負極端49に接続される。その結果、第1、第2トランジスタ1a、2aはオフ状態に保持される。第2トランジスタ2aがオフ状態に保持され、第6トランジスタ6aがオン状態に保持されるので、出力端12は電源正極端31の電圧VCC1に保持される。すなわち、パワートランジスタ99がオン状態に保持される。
駆動信号Vin1がLow電位からHigh電位に切り換わったときの動作を説明する。概説すると、駆動信号Vin1がLow電位からHigh電位に切り換わると、第6トランジスタ6aがオフになり、第2トランジスタ2aがオンになる。その結果、出力端12の電位が電源負極端41の電位に引き下げられ、パワートランジスタ99がオンからオフに切り換わる。
駆動信号Vin1がLow電位からHigh電位に切り換わったときの動作を詳しく説明する。駆動信号Vin1がLow電位からHigh電位に切り換わると、第3トランジスタ3aがオフになり、カレントミラー回路15aの第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートと電源負極端49の間が遮断される。同時に、駆動信号Vin1に応答して電流制御回路21が電流源17を出力状態に切り換える。その結果、電流源17が出力を開始し、第1トランジスタ1aへ電流が供給され始める。当初、第1トランジスタ1aはオフしているので、ドレインとソースの間は遮断されている。それゆえ、電流源17から供給される電流は、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートに供給される。即ち、電流制御回路21は、駆動信号Vin1に応答して、電流源17を使って第1トランジスタ1a(及び第2トランジスタ2a)のゲートへの充電を開始する。
また、駆動信号Vin1に応答して、ゲート充電回路14aのコンデンサ16の接続先が電源負極端43から電源正極端33に切り換えられ、コンデンサ16が充電される。それまで放電状態だったコンデンサ16に電力が供給されるので、コンデンサ16を通じてゲート充電回路14aから第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートへ電力が供給される。第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートは、電流源17とゲート充電回路14aの双方から電力供給を受け、急速に充電される。第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート電圧が急速に上昇し、第1、第2トランジスタ1a、2aがオフからオンに切り換わる。第2トランジスタ2aがオンになり、先に述べたように第6トランジスタ6aがオフになるので、出力端12は電源負極端41の電位に引き下げられ、パワートランジスタ99はオンからオフに切り換えられる。即ち、駆動装置10aは、上位の制御装置からのパルス状の駆動信号Vin1に応答して、パワートランジスタ99をオンからオフに切り換える。
他方、駆動信号Vin1の電位がHighレベルからLowレベルに切り換わると、駆動装置10aの出力端12の電圧が電源正極端31の電圧VCC1に引き上げられ、パワートランジスタ99がオフからオンに切り換わる。出力端12の電位がLow電位からHigh電位に切り換わるときの駆動装置10aの動作の説明は割愛する。
ゲート充電回路14aは、電流源17の出力電流が電流上限値Idmaxに達するまでに自動的に電力供給を停止する。これは、電流源17の出力電流(参照電流)によって第1トランジスタ1aのドレイン/ソース間に電流上限値Idmaxの電流が流れるときの電流源17の出力端電圧Vrefと、コンデンサ16の容量Ccgと、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート容量の合計容量Ccmと、コンデンサ16を充電するための電源正極端33の電圧Vcgが次の(式1)の関係を満足することによって達成される。
Vref≧Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm) (式1)
(式1)の右辺[Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm)]は、電源正極端33の電圧Vcgによって、コンデンサ16のカレントミラー回路15aの側の電極16aに実現される電圧を意味する。別言すれば、[Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm)]は、電源正極端33の電圧Vcgによって達成される第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート電圧に相当する。以下では、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート電圧を符号Vcmで表し、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート閾値電圧を記号Vthで表す。
先に述べたように、電流源17とゲート充電回路14aは、駆動信号Vin1に応答して電力供給を開始する。電力供給開始に伴い、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート電圧Vcmが上昇する。ゲート電圧Vcmが[Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm)]まで上昇する間、電流源17とゲート充電回路14aの双方から第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートへ電力が供給される。ゲート電圧Vcmが[Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm)]に達すると、ゲート充電回路14aは電流を出力できなくなり、ゲート充電回路14aからの電力供給が止まる。電流源17が第1トランジスタ1aのドレインに対して電流を供給するときの出力端の電圧Vref(即ち、電流上限値Idmaxを出力するときの出力端電圧)は、[Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm)]以上であるので、電流源17を通じた電力供給は続く。なお、電圧Vrefは、電流源17の出力端の最大電圧に相当する。
電流源17の出力端の最大電圧Vrefは、ゲート閾値電圧Vthよりも高く設定されている。第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート電圧Vcmがゲート閾値電圧Vthを超えると、第1、第2トランジスタ1a、2aが同時にオフからオンに切り換わる。第1トランジスタ1aがオンになると、そのドレインとソースの間に電流(ドレイン電流)が流れるようになる。最終的に、ゲート電圧VcmはVrefとなり、第1トランジスタ1aのドレイン電流は、電流源17の電流上限値Idmaxとなる。
先に述べたように、第1トランジスタ1aの主電流はIdmaxの大きさを越えることはないので、第1トランジスタ1aは、電流上限値Idmaxを許容するだけのサイズ(チャネル幅)を備えていればよいことになる。
今、第1トランジスタ1aのサイズ(チャネル幅)を記号M1で表し、第2トランジスタ2aのサイズ(チャネル幅)を記号M2で表すと、第1トランジスタ1aに流れるドレイン電流Id1と、第2トランジスタ2aに流れるドレイン電流Id2との間には、Id2=(M2/M1)×Id1の関係が成立する。即ち、第2トランジスタ2aのサイズM2に比較して第1トランジスタ1aのサイズM1を小さくすると、小さい消費電力で第2トランジスタ2aを切り換えることができる。このことは、駆動装置10aが、消費電力を抑えつつ、パワートランジスタ99を切り換えられることを意味する。
一方、第1トランジスタ1aのサイズM1を小さくするには、電流源17の電流上限値Idmaxを小さくしなければならない。電流源17の電流上限値Idmaxを小さくすることは、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートを充電する電流が小さくなることを意味し、充電速度が遅くなる。第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート充電が遅いと、駆動信号Vin1を受信してから第1、第2トランジスタ1a、2aがオフからオンに切り換わるまでに時間を要する。即ち、駆動信号Vin1を受けてからパワートランジスタ99を駆動するまでのレスポンスが遅くなる。そこで、駆動装置10aでは、電流源17とは別に、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートに一時的に電力を供給するゲート充電回路14aを備える。このゲート充電回路14aにより、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートの充電速度を高めることと、第1トランジスタ1aのドレイン/ソース間に定常的に流れる電流(主電流)を電流上限値Idmax以下に制限することの両立を図る。すなわち、駆動装置10aは、消費電力を抑えつつ、駆動信号Vin1を受けてからパワートランジスタ99を駆動するまでの時間を短縮することができる。
図2のタイムチャートを参照して、駆動装置10aの動作を再度説明する。Vin1は、上位の制御装置から送られる駆動信号である。Vin1xは、駆動信号Vin1の反転信号であり、第3トランジスタ3aと第4トランジスタ4aと第5トランジスタ5aのそれぞれのゲートに供給される。Vcmは、先に述べたように、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート電圧を示す。Id1は、第1トランジスタ1aのドレイン電流を示し、Id2は第2トランジスタ2aのドレイン電流を示す。Voutは、出力端12の電圧を示す。
駆動信号Vin1は、時刻t1にLowレベルからHighレベルに変化する。Vin1xは、時刻t1にHighレベルからLowレベルに変化する。先に述べたように、駆動信号Vin1がLowレベルからHighレベルに変化すると、第3トランジスタ3aと第6トランジスタ6aが共にオンからオフに切り換わる。また、後述するように、第1トランジスタ1aと第2トランジスタ2aはオフからオンに切り換わる。時刻t1が、パワートランジスタ99の切り換えを指令する駆動信号Vin1のパルスエッジの受信時刻である。
反転信号Vin1xがHighレベルからLowレベルに切り換わると、電流制御回路21が、電流源17を出力停止状態から出力状態に切り換える。その結果、電流源17から電力供給が開始される。即ち、電流源17が第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートを充電し始める。同時に、コンデンサ16の電極16bの接続先が電源負極端43から電源正極端33に切り換わり、ゲート充電回路14aからも電力供給が開始される。電流源17とゲート充電回路14aの双方からの電力供給により、ゲート電圧Vcmが急速に上昇する。
第1トランジスタ1aのゲート容量と第2トランジスタ2aのゲート容量の合計容量Ccmと、電源正極端33の電圧Vcgと、第1トランジスタ1aと第2トランジスタ2aのゲート閾値電圧Vthは、次の(式3)関係を満足するように定められている。
Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm)≧Vth (式3)
先に述べたように、[Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm)]は、電源正極端33の電圧Vcgによって実現されるゲート電圧Vcmである。図2において、電圧Vcm1が、[Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm)]に相当する。(式3)は、電圧Vcm1よりもゲート閾値電圧Vthが低いことを意味する。それゆえ、ゲート充電回路14aからの電力供給が続いている間に、第1トランジスタ1aと第2トランジスタ2aはオフからオンに切り換わる。時刻t2が、ゲート電圧Vcmがゲート閾値電圧Vthに達し、第1トランジスタ1aと第2トランジスタ2aがオフからオンに切り換わる時刻を意味する。従って、時刻t2から、ドレイン電流Id1、Id2が流れ始めるとともに、出力端12の電圧Voutが下がり始める。駆動装置10aは、時刻t1で駆動信号Vin1のパルスエッジを受信し、時刻t2でカレントミラー回路15aの第1、第2トランジスタ1a、2aがオフからオンに切り換わる。
時刻t3でゲート電圧Vcmが電圧Vcm1に達する。時刻t3にて、ゲート充電回路14aはそれ以上コンデンサ16から第1トランジスタ1aへ電流を流せなくなる。即ち、ゲート電圧Vcmが電圧Vcm1に達した時刻t3にて、ゲート充電回路14aからの電力供給が自動的に止まる。時刻t3以後は、電流源17の出力電力のみが第1トランジスタ1aへ供給される。ゲート充電回路14aからの電力供給が止まるので、時刻t3以後は、第1トランジスタ1aのドレイン電流Id1の増加速度が小さくなる。時刻t4でドレイン電流Id1が電流上限値Idmaxに達する。時刻t4以後は、第1トランジスタ1aには、電流上限値Idmaxのドレイン電流Id1が流れ続ける。第2トランジスタ2aには、時刻t2以後、第1トランジスタ1aのドレイン電流Id1を[M2/M1]倍したドレイン電流Id2が流れる。第2トランジスタ2aのドレイン電流Id2は、パワートランジスタ99のゲート放電による電流である。第2トランジスタ2aにドレイン電流Id2が流れるとともに、パワートランジスタ99のゲート電圧、即ち、出力端12の電圧(出力端電圧Vout)が低下する。出力端電圧VoutがId2=Id1×(M2/M1)の電流を流すのに十分でなくなると、出力端電圧Voutと第2トランジスタ2aのドレイン電流Id2が共に低下し、時刻t5で双方がゼロとなる。パワートランジスタ99は、時刻t4から時刻t5の間で、出力端電圧Voutがパワートランジスタ99のゲート閾値電圧を下回ったときにオンからオフに切り換わる。
なお、時刻t4以後のゲート電圧Vcm2は、電流上限値Idmaxを出力しているときの電流源17の出力端電圧Vrefに等しい(Vcm2=Vref)。また、時刻t4以降において、パワートランジスタ99のゲート電圧、即ち、出力端12の電圧(出力端電圧Vout)は、一時的にフラットになる期間がある。図2において符号Sが示す期間が、「フラットになる期間」を示す。これは、カレントミラー回路のミラー効果による現象である。以降のタイムチャートでも同様である。
図3に、ゲート充電回路14aを備えない駆動装置の場合のタイムチャートを示す。時刻t1で駆動信号Vin1がLowレベルからHighレベルに変化し、電流源17からの電流供給が開始される。図3の場合、ゲート充電回路14aを備えないのであるから、ゲート電圧Vcmの増加速度は、図2の時刻t1〜t3の期間の増加速度と比較して小さい。それゆえ、ゲート電圧Vcmがゲート閾値電圧Vthに達する時刻t2が図2のケースと比較して遅くなる。即ち、駆動信号Vin1を受信してからカレントミラー回路15aの第1、第2トランジスタ1a、2aがオフからオンに切り換わるまでに時間を要する。その結果、出力端電圧Voutがゼロに下がる時刻t5が図2のケースと比較して遅くなる。第1実施例の駆動装置10a(図2のケース)は、ゲート充電回路14aを有さない駆動装置(図3のケース)と比較して、駆動信号Vin1を受信してからパワートランジスタ99を駆動するまでの時間が短い。一方、図2のケースと図3のケースでは、共に、第1トランジスタ1aに流れるドレイン電流Id1は、いずれもIdmax以下である。
図2と図3を比較すると明らかなとおり、ゲート充電回路14aを備える駆動装置10aは、カレントミラー回路15aの第1トランジスタ1aのドレイン電流Id1を大きくすることなく(即ち、消費電力を増大させることなく)、駆動信号Vin1を受信してからパワートランジスタ99を駆動するまでの時間を短縮することができる。(式1)を満足するコンデンサを備えたゲート充電回路14aが、駆動装置10aにそのような利点をもたらす。
第1実施例の駆動装置10aでは、駆動信号Vin1がLowからHighに切り換わると、電流源17が電力供給を開始するとともに、ゲート充電回路14aが電力供給を開始する。ゲート充電回路14aの時間当たりの充電量が電流源27の時間当たりの充電量よりも大きい場合、ゲート充電回路14aの電力供給開始と電流源17の電力供給開始との間に所定の時間差を設けてもよい。例えば、ゲート充電回路14aは、駆動信号Vin1のLowからHighへの切り換え後、直ちに電力供給を開始し、電流源17は、駆動信号Vin1の切換後に所定の時間差だけ待ってから電力供給を開始する。その時間差は、例えば、ゲート電圧Vcmがゲート充電回路14aによる最大電圧Vcm1=[Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm)]に達するまでの時間である。
(第2実施例)図4を参照して、第2実施例を説明する。第1実施例の駆動装置10aでは、電源正極端31と出力端12の間に第6トランジスタ6aが接続され、出力端12と電源負極端41の間にカレントミラー回路15aの第2トランジスタ2aが接続されていた。これに対して第2実施例の駆動装置10bでは、電源正極端31と出力端12の間にカレントミラー回路15aの第2トランジスタ2aが接続されており、出力端12と電源負極端41の間に抵抗18と第6トランジスタ106aが接続されている。第6トランジスタ106aのゲートはNOT素子13に接続されており、第6トランジスタ106aのゲートには反転信号Vin1xが入力される。なお、電源負極端42は、出力端12と同じ電圧となるように制御される。
駆動装置10bでは、駆動信号Vin1がLowレベルからHighレベルに切り換わると、第6トランジスタ106aがオンからオフに切り換わるとともに、第2トランジスタ2aがオフからオンに切り換わる。その結果、出力端12の電位が電源負極端41の電位から、電源正極端31の電圧VCC1に引き上げられ、パワートランジスタ99がオフからオンに切り換わる。
図4の駆動装置10bにおけるカレントミラー回路15a、ゲート充電回路14a、電流源17は第1実施例の駆動装置10aと同じであるので、詳しい説明は省略する。図1の第1実施例の駆動装置10aでは、カレントミラー回路15aの第2トランジスタ2aが出力端12と電源負極端41の間に接続されており、第2実施例の駆動装置10bでは、第2トランジスタ2aが電源正極端31と出力端12の間に接続されている点で相違する。しかし、ゲート充電回路14aの機能と作用効果は、図1の駆動装置10aの場合と同じである。図4の駆動装置10bは、図1の駆動装置10aと同様に、消費電力を抑えつつ、駆動信号Vin1を受信してからパワートランジスタ99を駆動するまでの時間を短縮することができる。
第1、第2実施例に関する留意点を述べる。第1実施例の駆動装置10aでは、(式3)の関係が成立するように各パラメータが設定されているが、(式3)の関係が成立していない場合には、図2の時刻t3と時刻t4の間でゲート電圧Vcmがゲート閾値電圧Vthを越え、第1トランジスタ1aと第2トランジスタ2aがオフからオンに切り換わる。その場合でも、図3に示したゲート充電回路を備えない場合と比較して短時間で第1、第2トランジスタ1a、2aを切り換えることができる。第2実施例についても同様である。
(第3実施例)図5を参照して第3実施例の駆動装置10cを説明する。第3実施例の駆動装置10cは、ゲート充電回路14bが、第1実施例の駆動装置10aのゲート充電回路14aと相違する。図5のブロック図において、ゲート充電回路14bのほかのデバイスは、図1のブロック図に示したデバイスと同じであるので、説明は省略する。
ゲート充電回路14bは、第1実施例のゲート充電回路14aと同様に、第1トランジスタ1aのドレインとゲート、及び、第2トランジスタ2aのゲートに接続されている。ゲート充電回路14bは、電圧Vcgが供給される電源正極端33と、Pチャネル型であって電圧駆動型の第4トランジスタ104aと、ダイオード19で構成されている。ダイオード19のカソード19aは、第1トランジスタ1aのドレインとゲート、及び、第2トランジスタ2aのゲートに接続されている。ダイオード19のアノード19bは、第4トランジスタ104aを介して電源正極端33に接続されている。第4トランジスタ104aのゲートは、NOT素子13を介して入力端11に接続されている。即ち、第4トランジスタ104aは、駆動信号Vin1に応答して電源正極端33と第1、第2トランジスタ1a、2aとの間を遮断状態から導通状態に切り換えるスイッチの役割を果たす。
電流源17の出力電流(参照電流)によって第1トランジスタ1aのドレイン/ソース間に電流上限値Idmaxの電流が流れているときの電流源17の出力端電圧Vrefと、ダイオード19の順電圧Vfと、電源正極端33の電圧Vcgは、次の(式2)の関係を満たすように定められている。
Vref≧Vcg−Vf (式2)
さらに、順電圧Vfと、電源正極端33の電圧Vcgと、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート閾値電圧Vthは、次の(式4)を満たすように定められている。
Vcg−Vf≧Vth (式4)
駆動装置10cは、第1実施例の駆動装置10aと同様に、入力端11に入力されるパルス状の駆動信号Vin1の電位がLowからHighに切り換わると、パワートランジスタ99をオンからオフに切り換える。駆動装置10cの動作を、ゲート充電回路14bを中心に説明する。
LowからHighに切り換わる駆動信号Vin1を受信すると、電流制御回路21が、電源正極端32と第1トランジスタ1aの間に接続されている電流源17を出力停止状態から出力状態に切り換える。これによって、電流源17から第1トランジスタ1aへの電力供給が開始される。同時に、駆動信号Vin1の反転信号Vin1xにより、第4トランジスタ104aのゲートがHighからLowに切り換わり、電源正極端33と第1、第2トランジスタ1a、2aとの間が遮断状態から導通状態に切り換わる。ゲート充電回路14bは、電流源17とは別に第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートを充電する。第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート電圧Vcmが[Vcg−Vf]に達するまでは、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートには、電流源17とゲート充電回路14bの双方から電力が供給される。その結果、ゲート電圧Vcmが急速に高まる。ゲート電圧Vcmが[Vcg−Vf]に達すると、ゲート充電回路14bからの電力供給が自動的に止まる。(式4)により、ゲート電圧Vcmが[Vcg−Vf]に達するまでに第1、第2トランジスタ1a、2aはオフからオンに切り換わる。その結果、第1、第2トランジスタ1a、2aにはドレイン電流が流れ始める。
(式2)の関係より、ゲート電圧Vcmが[Vcg−Vf]に達しても、電流源17からの電力供給は続く。なお、ゲート電圧Vcmが[Vcg−Vf]を越えた場合、ダイオード19が電流源17からゲート充電回路14bへの電流の流入を防止する。電流源17からの電力供給により、ゲート電圧Vcmは[Vcg−Vf]を越えて上昇する。
ゲート電圧Vcmが[Vcg−Vf]を越えた後は、電流源17からの電力供給により、ゲート電圧Vcmは電圧Vrefまで上昇し、第1トランジスタ1aを流れるドレイン電流Id1は、電流上限値Idmaxまで上昇する。その後は、ゲート電圧Vcmは電圧Vrefに保持され、第1トランジスタ1aには電流上限値Idmaxのドレイン電流が流れ続ける。
第1トランジスタ1aとともに第2トランジスタ2aがオフからオンに切り換わると、第2トランジスタ2aにドレイン電流Id2が流れ、出力端12の電圧Voutが低下する。出力端12の電圧Voutがパワートランジスタ99のゲート電圧を下回ると、パワートランジスタ99がオンからオフに切り換わる。
駆動装置10cの動作は、図2のタイムチャートと同じとなる。ただし、図2のVcm1は[Vcg−Vf]に相当する。第3実施例の駆動装置10cは、第1実施例の駆動装置10aと同様に、第1トランジスタ1aの消費電力を大きくすることなく、駆動信号Vin1の受信からパワートランジスタ99を駆動するまでの時間を短縮することができる。ダイオード19を備えるとともに、(式2)を満足するゲート充電回路14bが、駆動装置10cにそのような利点をもたらす。
図4を使って説明した第2実施例の駆動装置10bのゲート充電回路14aを、ダイオード19を使ったゲート充電回路14bで置き換えてもよい。
第3実施例の駆動装置10cでは、(式4)の関係が成立するように各パラメータが設定されているが、(式4)の関係が成立していない場合には、図2の時刻t3と時刻t4の間でゲート電圧Vcmがゲート閾値電圧Vthを越え、第1トランジスタ1aと第2トランジスタ2aがオフからオンに切り換わる。その場合でも、図3に示したゲート充電回路がない場合と比較して、短時間で第1トランジスタ1aと第2トランジスタ2aを切り換えることができる。
(第4実施例)次に、図6と図7を参照して第4実施例の駆動装置を説明する。図6は、第4実施例の駆動装置10dのブロック図であり、図7は、駆動装置10dのタイムチャートである。駆動装置10dは、カレントミラー回路に電圧駆動型かつPチャネル型のトランジスタを用いる。以後、第4実施例から第6実施例までは、カレントミラー回路に電圧駆動型かつPチャネル型のトランジスタを用いた駆動装置を説明する。
駆動装置10dは、パルス状の駆動信号Vin1のパルスエッジをトリガにして、パワートランジスタ99のオンとオフを切り換える。駆動装置10dは、駆動信号Vin1がHighレベルのときは、パワートランジスタ99をオフに保持し、HighレベルからLowレベルに切り換わる駆動信号Vin1を受信すると、パワートランジスタ99をオフからオンに切り換える。
詳しくは後述するが、駆動装置10dは、駆動信号Vin1がHighレベルからLowレベルに切り換わるパルスエッジをトリガにして、第1、第2トランジスタ1b、2bをオフからオンに切り換え、その結果、パワートランジスタ99がオフからオンに切り換えられる。以下の説明において、しばしば、「駆動信号Vin1に応答して」との表記が現れるが、この表記は、詳しくは、「パワートランジスタ99(駆動対象トランジスタ)のオンとオフを切り換える駆動信号であって第1、第2トランジスタ1b、2bをオフからオンに切り換える駆動信号Vin1に応答して」ということを意味する。
駆動装置10dは、入力端11と出力端12を備える。入力端11には、上位の制御装置が接続されており、駆動信号Vin1が入力される。出力端12には、駆動対象であるパワートランジスタ99のゲートが接続される。
駆動装置10dは、第1トランジスタ1bから第6トランジスタ6bの6個のトランジスタを備える。第1トランジスタ1b、第2トランジスタ2b、第3トランジスタ3b、第4トランジスタ4bは、Pチャネル型のMOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、第5トランジスタ5bと第6トランジスタ6bはNチャネル型のMOSFETである。
駆動装置10dの内部には、いくつかの電源正極端31、32、33、39と、いくつかの電源負極端41、42、43が備えられている。電源正極端31、32、33、39は、各素子に電力を供給する端子であり、電源負極端41、42、43は、各素子から流出する電流の放出端に相当する。電源正極端と電源負極端の電圧は、不図示の電源回路により定められる。電源負極端41、42、43は、駆動装置10dのグランド端に相当する場合もあれば、駆動装置10dのグランド端の電圧に対して所定のバイアスを加えられた電圧に保持されることもある。電源正極端31は、パワートランジスタ99のオン電圧VCC1に保持されている。電源負極端41は、パワートランジスタ99のオフ電圧に保持されている。
駆動装置10dは、上記した6個のトランジスタ1b−6bのほか、NOT素子13(インバータ素子)、電流制御回路22、コンデンサ26、電流源27、抵抗18を備える。第1トランジスタ1bと第2トランジスタ2bがカレントミラー回路15bを構成し、第4トランジスタ4b、第5トランジスタ5b、及び、コンデンサ26がゲート放電回路24aを構成する。
駆動装置10dの出力端12は、抵抗18と第6トランジスタ6bを介して、電源負極端41に接続されている。出力端12と電源正極端31の間には、第2トランジスタ2bが接続されている。第2トランジスタ2bのドレインは出力端12に接続されており、ソースは電源正極端31に接続されている。第6トランジスタ6bがオフになり、第2トランジスタ2bがオンになると、パワートランジスタ99のゲート電圧が電源正極端31の電圧VCC1に引き上げられ、パワートランジスタ99がオンになる。第6トランジスタ6bがオンになり、第2トランジスタ2bがオフになると、パワートランジスタ99のゲート電圧が電源負極端41の電圧に引き下げられ、パワートランジスタ99がオフになる。第6トランジスタ6bのゲートは入力端11に接続されており、第6トランジスタ6bは、入力端11に入力される駆動信号Vin1により、オンとオフが切り換えられる。第6トランジスタ6bは、電源負極端41と出力端12(パワートランジスタ99のゲート)の間の導通と遮断を切り換えるスイッチ回路に相当する。第6トランジスタ6bは、入力端11に入力される駆動信号Vin1に応答して電源負極端41と出力端12の間の導通と遮断を切り換える。第6トランジスタ6bは駆動信号Vin1により速やかにオンとオフが切り換えられる。駆動信号Vin1を受信してからパワートランジスタ99を駆動するまでの時間は、カレントミラー回路15bの動作に依存する。
第2トランジスタ2bは、第1トランジスタ1bとともにカレントミラー回路15bを構成する。第2トランジスタ2bのオン/オフは、第1トランジスタ1bのオン/オフにより切り換えられる。先に述べたように、第1トランジスタ1bと第2トランジスタ2bは、いずれも、電圧駆動型、かつ、Pチャネル型である。従って、ゲート電圧が所定のゲート閾値電圧よりも高いとドレイン/ソース間がオフ(遮断)し、ゲート電圧が所定のゲート閾値電圧よりも低いとドレイン/ソース間がオン(導通)する。ソースが高電位側電極に相当し、ドレインが低電位側電極に相当する。第1トランジスタ1bのドレインは、ゲートと接続されている。第1トランジスタ1bのソースは電源正極端32に接続されている。第1トランジスタ1bのゲートは第2トランジスタ2bのゲートに接続されている。なお、第1トランジスタ1bと第2トランジスタ2bには、ゲート閾値電圧Vthが等しいトランジスタが採用されている。
第1及び第2トランジスタ1b、2bのゲートには、第3トランジスタ3bのドレインが接続されている。第3トランジスタ3bのソースは電源正極端39に接続されている。第3トランジスタ3bは、第1及び第2トランジスタ1b、2bのゲートを充電するために備えられている。第3トランジスタ3bのゲートは、NOT素子13を介して入力端11に接続されている。それゆえ、第3トランジスタ3bのゲートには、駆動信号Vin1の反転信号Vin1xが入力される。第3トランジスタ3bは、入力端11に入力される駆動信号Vin1に応答して第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートを充電する。
第1トランジスタ1bのドレイン(低電位側電極)には、電流源27が接続されており、その電流源27には電源負極端42が接続されている。電流源27は、電流制御回路22により制御される。その電流制御回路22には、駆動信号Vin1が入力される。電流制御回路22は、駆動信号Vin1に応答して、電流源27を電流遮断状態から導通状態に切り換える。これによって、第1、第2トランジスタ1b、2bのゲート放電が開始される。即ち、電流制御回路22は、駆動信号Vin1に応答して、電流源27を使って(電流源27を通じて)第1、第2トランジスタ1b、2bのゲート放電を開始する。なお、電流源27は、導通時には、電源負極端42を通じて第1トランジスタ1b(及び第2トランジスタ2bのゲート)から放出される電流を所定の一定電流(電流上限値Idmax)に制限する。電流源27は、遮断状態から導通状態に切り換わった直後には、通過する電流と、入力端の電圧が徐々に高くなる。電流源27の入力端電圧は、第1、第2トランジスタ1b、2bがオンし、第1トランジスタ1bのドレイン/ソース間に電流上限値Idmaxの電流が流れるときにVLrefとなる。
第1トランジスタ1bのドレイン、及び、第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートには、ゲート放電回路24aが接続されている。ゲート放電回路24aは、電流源27とは別に、第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートを放電する回路である。ゲート放電回路24aは、電圧VCC3が供給される電源正極端33と、電圧VLcgに保持されている電源負極端43と、2個のトランジスタ(第4トランジスタ4bと第5トランジスタ5b)と、コンデンサ26で構成されている。電圧VLcgについては後に説明する。第4、第5トランジスタ4b、5bは、図1の第4、第5トランジスタ4a、5aと同じである。
第4、第5トランジスタ4b、5bのゲートは、共に、NOT素子13を介して入力端11に接続されている。第4、第5トランジスタ4b、5bのゲートには、駆動信号Vin1の反転信号Vin1xが入力される。駆動信号Vin1がHigh電位(反転信号Vin1xがLow電位)のとき、コンデンサ26の電極26bは電源正極端33に接続され、コンデンサ26が充電される。駆動信号Vin1がLow電位(反転信号Vin1xがHigh電位)のとき、コンデンサ26の電極26bは電源負極端43に接続され、コンデンサ26が放電される。第4、第5トランジスタ4b、5bは、駆動信号Vin1に応答してコンデンサ26の電極26bの接続先を電源正極端33から電源負極端43へ切り換えるスイッチの役割を果たす。コンデンサ26の電極26aは第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートに接続されている。それゆえ、コンデンサ26が放電されるとき、第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートも放電される。
駆動装置10dの動作を概説する。今、駆動信号Vin1として、High電位からLow電位に切り換わるパルスエッジが入力される場合を想定する。駆動信号Vin1がLow電位に切り換わる前、入力端11はHigh電位に保持されている。そのときには、第6トランジスタ6bはオン状態に保持される。また、電流制御回路22は、電流源27を電流遮断状態に保持している。即ち、電流制御回路22は、電流源27を停止させ、第1トランジスタ1bと電源負極端42の間を電流遮断状態に保持している。ゲート放電回路24aの第4、第5トランジスタ4b、5bのゲートには、NOT素子13を介してLow電位の信号が入力される。それゆえ、コンデンサ26の電極26bは電源正極端33に接続され、コンデンサ26は充電状態に保持される。また、Pチャネル型の第3トランジスタ3bのゲートにも、NOT素子13を介してLow電位の信号が入力される。それゆえ、第3トランジスタ3bはオン状態となり、カレントミラー回路15bの第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートは電源正極端39に接続される。その結果、ゲート電圧が引き上げられ、第1、第2トランジスタ1b、2bはオフ状態に保持される。第2トランジスタ2bがオフ状態に保持され、第6トランジスタ6bがオン状態に保持されるので、出力端12は電源負極端41の電圧に保持される。すなわち、パワートランジスタ99がオフ状態に保持される。
なお、ゲート放電回路24aの電源正極端33の電圧は、第1、第2トランジスタ1b、2bのゲート電圧を引き上げる電源正極端39の電圧VCC3と同じである。第3トランジスタ3bと第4トランジスタ4bが共にオン状態のとき、第1、第2トランジスタ1b、2bのゲート電圧は、電源正極端39、33により、オン電圧(電圧VCC3)に保持される。
High電位からLow電位に切り換わる駆動信号Vin1を受信したときの動作を説明する。概説すると、駆動信号Vin1がLow電位に切り換わると、第6トランジスタ6bがオフになり、第2トランジスタ2bがオンになる。その結果、出力端12の電位が電源正極端31の電圧VCC1に引き下げられ、パワートランジスタ99がオフからオンに切り換わる。
High電位からLow電位に切り換わる駆動信号Vin1を受信したときの動作を詳しく説明する。駆動信号Vin1がHigh電位からLow電位に切り換わると、第3トランジスタ3bがオフになり、カレントミラー回路15bの第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートと電源正極端39の間が遮断される。同時に、駆動信号Vin1に応答して電流制御回路22が電流源27を導通状態に切り換え、第1トランジスタ1bから電源負極端42へと電力が放出され始める。当初、第1トランジスタ1bはオフしているので、ドレインとソースの間は遮断されている。それゆえ、電流源27を通じて第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートから電力が放出される。即ち、駆動信号Vin1に応答して、電流制御回路22が電流源27を使って(電流源27を通じて)第1、第2トランジスタ1b、2bのゲート放電を開始する。
また、電流制御回路22と同時に、駆動信号Vin1に応答して、ゲート放電回路24aのコンデンサ26の接続先が電源正極端33から電源負極端43に切り換えられ、コンデンサ26を通じても、第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートが放電される。ゲート放電回路24aは、電流源27を介さずに、第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートを放電する。第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートは、電流源27とゲート放電回路24aの双方を通じて急速に放電される。それゆえ、第1、第2トランジスタ1b、2bのゲート電圧が急速に低下し、第1、第2トランジスタ1b、2bがオフからオンに切り換わる。第2トランジスタ2bがオンになり、第6トランジスタ6bがオフになるので、出力端12は電源正極端31の電圧VCC1に引き下げられ、パワートランジスタ99はオフからオンに切り換えられる。即ち、駆動装置10bは、上位の制御装置からのパルス状の駆動信号Vin1に応答して、パワートランジスタ99を切り換える。
他方、駆動信号Vin1の電位がLowレベルからHighレベルに切り換わると、駆動装置10bの出力端12の電圧が電源負極端41の電位に引き下げられ、パワートランジスタ99がオンからオフに切り換わる。出力端12の電位がHigh電位からLow電位に切り換わるときの駆動装置10dの動作の説明は割愛する。
ゲート放電回路24aは、第1トランジスタ1aのドレイン電流が電流上限値Idmaxに達する前に自動的に放電を停止する。これは、第1トランジスタ1aがオンし、第1トランジスタ1bのドレイン/ソース間に電流上限値Idmaxの電流が流れるときの電流源27の入力端電圧VLrefと、コンデンサ26の容量Ccgと、第1、第2トランジスタ1b、2bのゲート容量の合計容量Ccmと、第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートに電力を供給する電源正極端39と電源負極端43との電圧差dVcgが次の(式5)の関係を満足することによって達成される。
dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm)≧Vref (式5)
なお、電源正極端39は、第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートに電力を供給するための高電圧端である。その電圧を記号VCC3で表し、電源負極端43の電圧を記号VLcgで表すと、dVcg=VCC3−VLcgとなる。
(式5)において、「dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm)」は、電源正極端39と電源負極端43との電圧差dVcgによって、コンデンサ26のカレントミラー回路15bの側の電極26aに実現される電圧を意味する。別言すれば、「dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm)」は、電圧差dVcgによって達成される第1、第2トランジスタ1b、2bのゲート電圧Vcmに相当する。
先に述べたように、電流源27とゲート放電回路24aは、駆動信号Vin1に応答して第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートから電力を放出し始める(即ち放電し始める)。放電開始に伴い、第1、第2トランジスタ1b、2bのゲート電圧Vcmが低下する。ゲート電圧Vcmが「dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm)」まで低下する間、電流源27とゲート放電回路24aの双方を通じて第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートが放電される。ゲート電圧Vcmが「dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm)」を下回ると、ゲート放電回路24aからは電流が放出できなくなり、ゲート放電回路24aを通じた放電が止まる。電流源27の入力端の最低電圧VLrefは、「dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm)」よりも低いので、電流源27を通じた放電は続く。最終的に、ゲート電圧VcmはVLrefとなる。なお、電流源27の入力端の最低電圧VLrefについては後述する。
電流源27の入力端の最低電圧VLrefは、ゲート閾値電圧Vthよりも低く設定されている。第1、第2トランジスタ1b、2bのゲート電圧Vcmがゲート閾値電圧Vthを下回ると、第1、第2トランジスタ1b、2bが同時にオフからオンに切り換わる。第1トランジスタ1bがオンになると、そのドレインとソースの間に電流(ドレイン電流)が流れるようになる。先に述べたように、第1トランジスタ1bから放出される電流はIdmaxの大きさを越えることはないので、第1トランジスタ1bは、電流上限値Idmaxを許容するだけのサイズ(チャネル幅)を備えていればよいことになる。なお、電流源27の入力端の最低電圧VLrefは、第1、第2トランジスタ1b、2bがオンし、第1トランジスタ1bのドレイン/ソース間に電流上限値Idmaxが流れるときの電流源27の入力端電圧に相当する。
駆動装置10dでは、電源負極端42と電流源27とは別に、第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートを放電するゲート放電回路24aを備える。パワートランジスタ99の切り換えを指令する駆動信号Vin1を受信した直後は電流源27とゲート放電回路24aの双方によって第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートが放電される。それゆえ、駆動信号Vin1を受信してから第1、第2トランジスタ1b、2bがオフからオンに切り換わるまでの時間が短縮される。また、ゲート放電回路24aは、第1トランジスタ1bのドレイン/ソース間に流れる電流(ドレイン電流)が電流上限値Idmaxに達するまでに停止する。(式5)を満足するゲート放電回路24aにより、第1トランジスタ1bのドレイン/ソース間に定常的に流れる電流(ドレイン電流)を電流上限値Idmax以下に制限しつつ、駆動信号Vin1の受信からパワートランジスタ99を駆動するまでの時間を短縮することができる。
図7のタイムチャートを参照して、駆動装置10dの動作を再度説明する。記号Vin1、Vin1x、Vcm、Id1、Id2、Voutの意味は、図2の場合と同じである。
駆動信号Vin1は、時刻t1にHighレベルからLowレベルに変化する。Vin1xは、時刻t1にLowレベルからHighレベルに変化する。先に述べたように、駆動信号Vin1がHighレベルからLowレベルに変化すると、第3トランジスタ3bと第6トランジスタ6bが共にオンからオフに切り換わる。
反転信号Vin1xがLowレベルからHighレベルに切り換わると、電流制御回路22が電流源27を電流遮断状態から導通状態に切り換え、電流源27を通じた放電が開始される。同時に、コンデンサ26の電極26bの接続先が電源正極端33から電源負極端43に切り換わり、ゲート放電回路24aからも放電が開始される。電流源27とゲート放電回路24aの双方を通じた放電により、ゲート電圧Vcmが急速に低下する。第1トランジスタ1bのゲート容量と第2トランジスタ2bのゲート容量の合計容量Ccmと、電源正極端39と電源負極端43の電圧差dVcgと、第1トランジスタ1bと第2トランジスタ2bのゲート閾値電圧Vthは、次の(式7)関係を満足するように定められている。
Vth≧dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm) (式7)
先に述べたように、[dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm)]は、電圧差dVcgによって実現されるゲート電圧Vcmである。図7において、電圧Vcm1が、[dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm)]に相当する。電圧Vcm1よりもゲート閾値電圧Vthは高いので、ゲート放電回路24aからの放電が続いている間に、第1、第2トランジスタ1b、2bはオフからオンに切り換わる。時刻t2が、ゲート電圧Vcmがゲート閾値電圧Vthを下回り、第1トランジスタ1bと第2トランジスタ2bがオフからオンに切り換わる時刻を意味する。従って、時刻t2から、ドレイン電流Id1、Id2が流れ始めるとともに、出力端12の電圧Voutが上昇し始める。
時刻t3でゲート電圧Vcmが電圧Vcm1に達する。時刻t3にて、ゲート放電回路24aは、コンデンサ26を通じて第1トランジスタ1bから電源負極端43へ放電できなくなる。即ち、ゲート電圧Vcmが電圧Vcm1に達した時点でゲート放電回路24aを通じた放電は自動的に止まる。時刻t3以後は、電流源27を通じた放電のみが継続される。それゆえ、時刻t3以後は、第1トランジスタ1bのドレイン電流Id1の増加速度が小さくなる。時刻t4でドレイン電流Id1が電流源27の電流上限値Idmaxに達する。時刻t4以後は、第1トランジスタ1bには、電流上限値Idmaxのドレイン電流Id1が流れ続ける。第2トランジスタ2bには、時刻t2以後、第1トランジスタ1bのドレイン電流Id1を[M2/M1]倍したドレイン電流Id2が流れる。第2トランジスタ2bのドレイン電流Id2は、電源正極端31からパワートランジスタ99のゲートへ流れ込む電流である。第2トランジスタ2bにドレイン電流Id2が流れるとともに、パワートランジスタ99のゲート電圧、即ち、出力端12の電圧(出力端電圧Vout)が上昇する。電源正極端31と出力端電圧Voutの電位差がId2=Id1×(M2/M1)の電流を流すのに十分でなくなると、第2トランジスタ2aのドレイン電流Id2が低下し、時刻t5でドレイン電流Id2はゼロとなる。このとき、出力端電圧Voutは、電源正極端31の電圧VCC1に等しくなる。パワートランジスタ99は、時刻t4から時刻t5の間で、出力端電圧Voutがパワートランジスタ99のゲート閾値電圧を越えたときにオンからオフに切り換わる。
なお、時刻t4以後のゲート電圧Vcmは、第1トランジスタ1bのドレイン/ソース間に電流上限値Idmaxの電流が流れているときの電流源27の入力端電圧VLrefに等しい。
ゲート放電回路24aを備えない場合、図7のタイムチャートにおける時刻t1から時刻t3の間のゲート電圧Vcmが急速に低下する期間が存在しない。ゲート放電回路24aを備えない場合、図7の時刻t3と時刻t4の間のゲート電圧Vcmの下降速度が、時刻t1から開始されることになる。そのため、ゲート放電回路24aを備えない場合、ゲート電圧Vcmがゲート閾値電圧Vthを下回る時刻が、図7のケースと比較して遅くなる。一方、ゲート放電回路24aは、第1トランジスタ1bのドレイン電流を増大させることはない。従って、ゲート放電回路24aを備える駆動装置10dは、カレントミラー回路15bの第1トランジスタ1bのドレイン電流を増大させることなく、駆動信号Vin1を受信してからパワートランジスタ99を駆動するまでの時間を短縮することができる。
第4実施例の駆動装置10dでは、駆動信号Vin1がHighからLowに切り換わると、電流源27を通じた放電が開始されるとともに、ゲート放電回路24aも放電を開始する。ゲート放電回路24aの時間当たりの放電量が電流源27の時間当たりの放電量よりも大きい場合、ゲート放電回路24aの放電開始と電流源27を通じた放電開始との間に所定の時間差を設けてもよい。例えば、ゲート放電回路24aは、駆動信号Vin1のHighからLowへの切り換え後、直ちに放電を開始し、電流制御回路22は、駆動信号Vin1の切換後に所定の時間差だけ待って電流源27を遮断から導通に切り換え、放電を開始する。その時間差は、例えば、ゲート電圧Vcmがゲート放電回路24aによる最低電圧Vcm1=[dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm)]に達するまでの時間である。
(第5実施例)図8を参照して、第5実施例を説明する。第5実施例の駆動装置10eも、カレントミラー回路に電圧駆動型かつPチャネル型のトランジスタを採用する。先の第4実施例の駆動装置10dでは、電源正極端31と出力端12の間にカレントミラー回路15bの第2トランジスタ2bを接続し、出力端12と電源負極端41の間に抵抗18と第6トランジスタ6bを接続していた。第5実施例の駆動装置10eは、電源正極端31と出力端12の間に抵抗18と第6トランジスタ106bを接続し、出力端12と電源負極端41の間にカレントミラー回路15bの第2トランジスタ2bを接続する。第6トランジスタ106bのゲートはNOT素子13に接続されており、第6トランジスタ106bのゲートには反転信号Vin1xが入力される。なお、電源正極端32は、出力端12と同じ電圧になるように制御される。
駆動装置10eでは、HighレベルからLowレベルに切り換わる駆動信号Vin1を受信すると、第6トランジスタ106bがオンからオフに切り換わるとともに、第2トランジスタ2bがオフからオンに切り換わる。その結果、出力端12の電位が電源正極端31の電位から、電源負極端41の電圧に引き下がり、パワートランジスタ99がオンからオフに切り換わる。
図8の駆動装置10eにおけるカレントミラー回路15b、ゲート放電回路24b、電流制御回路22、電流源27の機能は第4実施例の駆動装置10dと同じであるので、詳しい説明は省略する。図6の第4実施例の駆動装置10dでは、カレントミラー回路15bの第2トランジスタ2bが出力端12と電源正極端31の間に接続されており、第5実施例の駆動装置10eでは、第2トランジスタ2bが電源負極端41と出力端12の間に接続されている点で相違する。しかし、ゲート放電回路24aの機能と作用効果は、図6の駆動装置10dの場合と同じである。図8の駆動装置10eは、図6の駆動装置10dと同様に、消費電力を抑えつつ、駆動信号Vin1を受信してからパワートランジスタ99を駆動するまでの時間を短縮することができる。
第4、第5実施例に関する留意点を述べる。第4実施例の駆動装置10dでは、(式7)の関係が成立するように各パラメータが設定されているが、(式7)の関係が成立していない場合には、図7の時刻t3と時刻t4の間でゲート電圧Vcmがゲート閾値電圧Vthを下回り、第1トランジスタ1bと第2トランジスタ2bがオフからオンに切り換わる。その場合でも、ゲート放電回路を備えない場合と比較して短時間で第1トランジスタ1bと第2トランジスタ2bを切り換えることができる。第5実施例についても同様である。
(第6実施例)図9を参照して第6実施例の駆動装置10fを説明する。第6実施例の駆動装置10fも、電圧駆動型かつPチャネル型トランジスタをカレントミラー回路に採用する。第6実施例の駆動装置10fは、ゲート放電回路24bが、第4実施例の駆動装置10dのゲート放電回路24aと相違する。図9のブロック図において、ゲート放電回路24bのほかのデバイスは、図6のブロック図に示したデバイスと同じであるので、説明は省略する。
ゲート放電回路24bは、第4実施例のゲート放電回路24aと同様に、第1トランジスタ1bのドレインとゲート、及び、第2トランジスタ2bのゲートに接続されている。ゲート放電回路24bは、電圧VLcgに保持されている電源負極端43と、Nチャネル型であって電圧駆動型の第4トランジスタ104bと、ダイオード29で構成されている。ダイオード29のアノード29aは、第1トランジスタ1bのドレインとゲート、及び、第2トランジスタ2bのゲートに接続されている。ダイオード29のカソード29bは、第4トランジスタ104bを介して電源負極端43に接続されている。第4トランジスタ104bのゲートは、NOT素子13を介して入力端11に接続されている。即ち、第4トランジスタ104bは、駆動信号Vin1に応答して電源負極端43と第1、第2トランジスタ1b、2bとの間を遮断状態から導通状態に切り換えるスイッチの役割を果たす。
第1トランジスタ1bがオンし、電流源27を通じて第1トランジスタ1bのドレイン/ソース間に電流上限値Idmaxの電流が流れるときの電流源27の入力端電圧VLrefと、ダイオード29の順電圧Vfと、電源負極端43の電圧VLcgは、次の(式6)の関係を満たすように定められている。
VLcg+Vf≧VLref (式6)
なお、電源負極端43は、ゲート放電回路24bにおいて第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートを放電するための低電圧端である。(式6)の左辺は、電流源27が遮断状態にあるときの、ゲート電圧Vcmの最低電圧を意味する。また、順電圧Vfと、電源負極端43の電圧VLcgと、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート閾値電圧Vthは、次の(式8)を満たすように定められている。
Vth≧VLcg+Vf (式8)
駆動装置10fは、第4実施例の駆動装置10dと同様に、入力端11に入力されるパルス状の駆動信号Vin1の電位がHighからLowに切り換わると、パワートランジスタ99をオフからオンに切り換える。駆動装置10fの動作を、ゲート放電回路24bを中心に説明する。
駆動信号Vin1がHighからLowに切り換わると、電流制御回路22が、電源負極端42と第1トランジスタ1bの間に接続されている電流源27を遮断状態から導通状態に切り換える。その結果、電流源27を通じた第1、第2トランジスタ1b、2bのゲート放電が開始される。同時に、駆動信号Vin1の反転信号Vin1xにより、第4トランジスタ104bがオフからオンに切り換わり、電源負極端43と第1、第2トランジスタ1b、2bとの間が遮断状態から導通状態に切り換わる。ゲート放電回路24bは、電流源27を介さずに第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートを放電する。第1、第2トランジスタ1b、2bのゲート電圧Vcmが[VLcg+Vf]に低下するまでは、第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートは、ゲート放電回路24bと電流源27の双方を通じて放電される。その結果、ゲート電圧Vcmが急速に降下する。ゲート電圧Vcmが[VLcg+Vf]に達すると、ゲート放電回路24bを通じた放電は自動的に止まる。(式8)により、ゲート電圧Vcmが[VLcg+Vf]に達するまでに第1、第2トランジスタ1b、2bはオフからオンに切り換わる。その結果、第1、第2トランジスタ1b、2bにはドレイン電流が流れ始める。
(式6)の関係より、ゲート電圧Vcmが[VLcg+Vf]に達しても、電流源27を通じた放電は続く。なお、ゲート電圧Vcmが[VLcg+Vf]を下回った場合、ダイオード29が電源負極端43から第1、第2トランジスタ1b、2bのゲートへの電流の逆流を防止する。従って、ゲート電圧Vcmは、電源負極端42と電流源27を通じた放電により、[VLcg+Vf]よりも低く降下する。
ゲート電圧Vcmが[VLcg+Vf]を下回った後は、電流源27を通じた放電により、ゲート電圧Vcmは電圧VLrefまで下降し、第1トランジスタ1bを流れるドレイン電流Id1は、電流上限値Idmaxまで上昇する。その後は、ゲート電圧Vcmは電圧VLrefに保持され、第1トランジスタ1bには電流上限値Idmaxの電流が流れ続ける。
第1トランジスタ1bとともに第2トランジスタ2bがオフからオンに切り換わると、第2トランジスタ2bにドレイン電流Id2が流れ、出力端12の電圧Voutが上昇する。出力端12の電圧Voutがパワートランジスタ99のゲート電圧を越えると、パワートランジスタ99がオフからオンに切り換わる。
駆動装置10fの動作は、図7のタイムチャートと同じとなる。ただし、図7のVcm1は[VLcg+Vf]に相当する。第6実施例の駆動装置10fは、第4実施例の駆動装置10dと同様に、第1トランジスタ1bの消費電力を大きくすることなく、駆動信号の受信からパワートランジスタ99の駆動までの時間を短縮することができる。
図8を使って説明した第5実施例の駆動装置10eのゲート放電回路24aを、ダイオード29を使ったゲート放電回路24bで置き換えてもよい。
第6実施例の駆動装置10fでは、(式8)の関係が成立するように各パラメータが設定されているが、(式8)の関係が成立していない場合には、図7の時刻t3と時刻t4の間でゲート電圧Vcmがゲート閾値電圧Vthを下回り、第1トランジスタ1bと第2トランジスタ2bがオフからオンに切り換わる。その場合でも、ゲート放電回路を備えない場合と比較して短時間で第1トランジスタ1bと第2トランジスタ2bを切り換えることができる。
(第7実施例)次に、図10と図11を参照して第7実施例の駆動装置10gを説明する。図10は、駆動装置10gのブロック図であり、図11は、駆動装置10gのタイムチャートである。駆動装置10gは、電圧駆動型であり、かつ、Nチャネル型のトランジスタを用いたカレントミラー回路を含んでいる。
駆動装置10gは、第1実施例の駆動装置10aにおいて、ゲート充電回路14aの電源正極端33の電圧Vcgを適切に調整する電圧調整回路50aを備える。電圧調整回路50aの電圧出力端54が、ゲート充電回路14aの電源正極端33に接続されている。図10では、便宜上、電圧出力端54と電源正極端33を接続する線は図示を省略している。
駆動装置10gにおいて、電圧調整回路50a以外の回路は図1に示した回路と同じであるので説明は省略する。ただし、本実施例では、図1の回路の電源負極端41、42、43、49は、全て同電位(駆動装置10gのグランド電位)に保持されているので、本実施例では、図1における電源負極端41、42、43、49を、共通グランド端48と総称する。以下、電圧調整回路50aを説明する。
電圧調整回路50aは、電源正極端51、電流源52、フィルタコンデンサ53、Nチャネル型かつ電圧駆動型のトランジスタ55、56を備える。ここで、トランジスタ55、56には、カレントミラー回路15aの第1トランジスタ1aと特性が同じであるトランジスタが採用されている。また、電流源52は、電流源17と特性が同じであり、電流源17と同じ電流上限値Idmaxと出力端電圧Vrefで動作する。また、ゲート充電回路14aのコンデンサ16として、その容量Ccgが、第1トランジスタ1aのゲート容量と第2トランジスタ2aのゲート容量の合計容量Ccmと同じであるコンデンサが採用されている。
トランジスタ55、56は、電源正極端51と共通グランド端48の間に直列に接続されている。トランジスタ55は、そのゲートとドレインが接続されており、トランジスタ56も、そのゲートとドレインが接続されている。電源正極端51には、所定の電圧が印加されている。電源正極端51に印加される電圧は、例えば、第1トランジスタ1aに電力を供給する電源正極端32の電圧VCC2と同じであってよい。高電位側のトランジスタ55と電源正極端51の間に電流源52が接続されている。高電位側のトランジスタ55のドレインが、電圧調整回路50aの電圧出力端54に接続されている。電圧出力端54と共通グランド端48の間には、電圧出力端54の電圧変動を抑制するフィルタコンデンサ53が接続されている。
第1実施例の駆動装置10aの説明で述べたように、電源正極端33の電圧Vcgによるゲート電圧Vcmは、Vcm=[Vcg×Ccg/(Ccg+Ccm)]となる。ここで、Ccgは、コンデンサ16の容量を表す。今、コンデンサ16の容量Ccgは、ゲートの合計容量Ccmと同じに選定されている。それゆえ、Vcm=Vcg/2となる。
一方、電圧調整回路50aにおいて、トランジスタ55のゲート電圧を記号V55で表し、トランジスタ56のゲート電圧を記号V56で表すと、Vcg=V55+V56となる。一方、第1トランジスタ1aとトランジスタ55とトランジスタ56は同じ特性を有しており、それらのトランジスタには同じ大きさの電流が流れるので、Vgs=V25=V26である。ここで、Vgsは、第1トランジスタ1aの目標オン電圧を示す。目標オン電圧は、第1トランジスタ1aをオン状態に保持するときのゲート電圧であり、そのゲート電圧により第1トランジスタ1aのドレイン/ソース間に電流上限値Idmaxの電流が流れるときの電流源17の出力端電圧Vrefが、目標オン電圧Vgsに相当する。
以上の関係より、Vcm=Vcg/2=(V55+V56)/2=2Vgs/2=Vgsとなる。他方、先に述べたように、第1トランジスタ1aのドレイン/ソース間に電流上限値Idmaxの電流が流れているときの電流源17の出力電圧Vrefが第1トランジスタ1aの目標オン電圧Vgsに相当する。すなわち、電圧調整回路50aを用いてゲート充電回路14aを動作させると、ゲート充電回路14aは、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート電圧Vcmを、目標オン電圧Vgs、即ち、電流源17の出力端電圧Vrefまで引き上げる。図10の駆動装置10gのタイムチャートを図11に示す。時刻t1で駆動信号Vin1がLowからHighに切り換わり、ゲート充電回路14aと電流源17が出力を開始する。ゲート充電回路14aからの電力供給によって、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート電圧Vcmは、一気にVref(Vcm2)に引き上げられる。先に説明した図2のタイムチャートでは、図2における時刻t3は、ゲート電圧Vcmがゲート充電回路14aの最大出力電圧Vcm1(=Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm))に到達する時刻を表した。図10の駆動装置10gでは、ゲート充電回路14aの最大出力電圧Vcm1が電圧Vrefとなるように調整されているので、図11のタイムチャートでは、図2のタイムチャートにおける時刻t3と時刻t4が同時刻となる。また、図2における時刻t4とは、ゲート電圧VcmがVcm2、即ち、電流源17の出力端電圧Vrefに達する時刻である。図10の駆動装置10gでは、出力電圧を最適に調整されたゲート充電回路14aにより、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート電圧Vcmが一気に目標オン電圧(電圧Vref)に引き上げられる。それゆえ、出力端12の電圧Voutがゼロまでに下がる時間をより短くすることができる。即ち、図10の駆動装置10gは、駆動信号Vin1を受信してからパワートランジスタ99を駆動するまでの時間をより短縮することができる。
なお、第7実施例は、(式1)において等号が成立する場合に相当する。駆動装置10gでは、ゲート充電回路14aは、ゲート電圧Vcmが電流源17の出力端電圧Vrefに達した時点で充電を停止する。第7実施例の駆動装置10gは、共通グランド端48の電圧を基準に電圧調整回路50aの電圧出力端54の電圧(即ちゲート充電回路14aの電源正極端33の電圧Vcg)が定まる。それゆえ、電源正極端51の電圧が変動しても、ゲート充電回路14aは、常に、ゲート電圧Vcmが電流源17の出力端電圧Vrefに達した時点で充電を停止する。
(第8実施例)図12を参照して第8実施例の駆動装置10hを説明する。図12は、第8実施例の駆動装置10hのブロック図である。第8実施例の駆動装置10hは、第7実施例の駆動装置10g(図10参照)の変形例である。駆動装置10hにおいて電圧調整回路50bの他のデバイスは図10の駆動装置10gと同じであるので説明は省略する。
第8実施例の駆動装置10hは、電圧調整回路50bを備える。先の駆動装置10gの電圧調整回路50aは2個のトランジスタ55、56の直列接続を備えた。図12に示す駆動装置10hの電圧調整回路50bは、4個のトランジスタ55、56、57、58の直列接続を備える。トランジスタ57、58が増えたほかは、電圧調整回路50bの構成は電圧調整回路50aの構成と同じである。トランジスタ55、56、57、58には、第1トランジスタ1aと同じ特性を備えるトランジスタが採用される。また、先の電圧調整回路50aと同様に、電圧調整回路50bにおいても、電流源52は、電流源17と特性が同じであり、電流源17と同じ電流上限値Idmaxと出力端電圧Vrefを有する。一方、ゲート充電回路14aのコンデンサ16として、その容量Ccgが、第1トランジスタ1aのゲート容量と第2トランジスタ2aのゲート容量の合計容量Ccmの1/3の容量のコンデンサが選定されている。
ゲート充電回路14aの電源正極端33の電圧Vcgと、電流源17の出力端電圧Vrefとの関係を説明する。電圧Vcgによるゲート電圧Vcmは、Vcm=[Vcg×Ccg/(Ccg+Ccm)]である。ここで、駆動装置10hでは、Ccg=Ccm/4であるから、Vcg=4Vcmとなる。一方、トランジスタ55−58は、第1トランジスタ1aと同じ特性を有しており、それらのトランジスタには同じ大きさの電流が流れるので、Vgs=V55=V56=V57=V58ある。第7実施例の場合と同様に、Vgsは、第1トランジスタ1aの目標オン電圧を示す。目標オン電圧は、第1トランジスタ1aをオン状態に保持するときのゲート電圧であり、電流上限値Idmaxを出力しているときの電流源17の出力端電圧Vrefが、目標オン電圧Vgsに相当する。以上の関係より、Vcm=Vcg/4=(V55+V56+V57+V58)/4=4Vgs/4=Vgs=Vrefとなる。即ち、第8実施例の場合も、ゲート充電回路14aによる充電で第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート電圧Vcmは、電流源17の出力端電圧Vref、すなわち、目標オン電圧まで達する。電圧調整回路50bを含む駆動装置10hの動作は、第7実施例の駆動装置10gの動作と同じとなる。第7実施例の駆動装置10gとの相違は、第8実施例の駆動装置10hでは、ゲート充電回路14aのコンデンサの容量を合計容量Ccmの1/3まで小さくできることにある。これは、電圧調整回路50bのトランジスタの数を増やすとともに、Vcgを高めることで実現される。
第8実施例に関する上記の説明から、次のことが結論できる。電圧調整回路50bの電流源52と共通グランド端48の間に直列に接続されるトランジスタの数をnとする。その場合、ゲート充電回路14aのコンデンサ16の容量Ccgは、合計容量Ccmの1/nにすることができる。
(第9実施例)次に、図13から図15を用いて、第9実施例の駆動装置10jを説明する。図13は、第9実施例の駆動装置10jのブロック図である。第9実施例の駆動装置10jは、第1実施例の駆動装置10aに加えて、充電調整回路60を備えている。駆動装置10jは、駆動対象であるパワートランジスタ99の駆動中に(オン/オフ切換中に)、電流源17の出力電流を変更する。充電調整回路60は、電流源17の出力電流の変更に応じて、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート電圧を速やかに調整する。
充電調整回路60の出力端は、ゲート充電回路14aの出力端(即ち、コンデンサ16の電極16a)に接続されている。充電調整回路60は、ゲート充電回路14aと同じ構造を備えている。なお、第9実施例の駆動装置10jにおいても、第1実施例の駆動装置10aにおける電源負極端41、42、43、49は同電位(駆動装置のグランド電位)に保持されており、それらを共通グランド端48と総称する。
充電調整回路60の構造を説明する。充電調整回路60の回路構造は、ゲート充電回路14aの回路構造と同じである。充電調整回路60は、電圧VCC3が供給される電源正極端61と、共通グランド端48と、2個のトランジスタ62、63と、コンデンサ64で構成されている。トランジスタ62はPチャネル型のMOSFETであり、トランジスタ63はNチャネル型のMOSFETである。トランジスタ62、63は、電源正極端61と共通グランド端48の間に直列に接続されている。具体的には、トランジスタ62のソースが電源正極端61に接続されており、ドレインはトランジスタ63のドレインに接続されている。トランジスタ63のソースは、共通グランド端48に接続されている。コンデンサ64の一方の電極は、ゲート充電回路14aのコンデンサ16の一方の電極16aに接続されている。コンデンサ64の他方の電極は、トランジスタ62、63の直列接続の中点に接続されている。
トランジスタ62、63のゲートは、サブ入力端11aに接続される。サブ入力端11aには、不図示の上位の制御装置から、パルス状の電流調整信号Vin2が入力される。電流調整信号Vin2は、電流制御回路21に入力される。電流制御回路21は、電流調整信号Vin2に応答して、電流源17の出力電流の大きさ(電流上限値)を変更する。電流源17は、第1トランジスタ1aのドレイン/ソース間に流れる電流(ドレイン電流)をIdmaxからIdmax2へ変更することができる。この電流値IdmaxとIdmax2を以下では電流上限値と称する。電流源17が、第1トランジスタ1aのドレイン電流を電流上限値Idmaxに制限しているときの電流源17の出力端電圧はVrefであり、ドレイン電流を電流上限値Idmax2に制限しているときの電流源17の出力端電圧はVref2である。ここで、電圧Vref<電圧Vref2である。
サブ入力端11aには、充電調整回路60のトランジスタ62、63のゲートが接続されており、パルス状の電流調整信号Vin2は、トランジスタ62、63のゲートにも入力される。電流調整信号Vin2がHighのときには、トランジスタ62がオフに保持され、トランジスタ63がオンに保持される。その結果、コンデンサ64が共通グランド端48に接続され、コンデンサ64が放電状態となる。一方、電流調整信号Vin2がLowのときには、トランジスタ62がオンに保持され、トランジスタ63がオフに保持される。その結果、コンデンサ64が電源正極端61に接続され、コンデンサ64が充電される。コンデンサ64が放電状態から充電状態に至る間、コンデンサ64からカレントミラー回路15aの第1トランジスタ1aに電力が供給される。
図14と図15のタイムチャートを利用して、充電調整回路60の機能を説明する。まず、図14のタイムチャートについて説明する。図14は、時刻tbにて、電流源17に設定されている電流上限値の値をIdmaxからIdmax2へ増加する場合のタイムチャートである。先に述べたように、電流源17は、電流上限値がIdmaxのときの出力端電圧がVrefであり、電流上限値がIdmax2のときには、出力端電圧はVref2に上昇する。なお、時刻t1から時刻t4までの動きは、図2に示したタイムチャートと同じであるので説明は省略する。
電流上限値を変更するための信号である電流調整信号Vin2は、時刻tbでHighからLowに切り換わる。この電流調整信号Vin2に応答して、電流制御回路21は、電流源17の電流上限値をIdmaxからIdmax2へ引き上げる。なお、第1トランジスタ1aのドレイン電流の大きさは、第1トランジスタ1aのゲート電圧で決まる。電流源17の出力電流が変更されると、電流源17の出力電流(=電流上限値Idmax2)の一部は第1トランジスタ1aのゲートへと流れ、ゲート電圧を上昇させる。第1トランジスタ1aのゲートは第2トランジスタ2aのゲートと接続されているので、電流源17の出力電流(=電流上限値Idmax2)の一部で第1、第2トランジスタ1a、2aの双方のゲートが充電される。Idmax2が小さい場合、ゲート電圧は徐々にしか上昇せず、第1トランジスタ1aのドレイン電流も徐々にしか変化しない。充電調整回路60は、電流源17の出力電流を増加させる際、第1、第2トランジスタ1a,2aのゲート電圧を速やかに調整する。
電流調整信号Vin2は、充電調整回路60にも入力される。電流調整信号Vin2がHighからLowに切り換わると、充電調整回路60において、トランジスタ62がオフからオンに切り換わり、トランジスタ63がオンからオフに切り変わる。そうすると、コンデンサ64の接続先が、共通グランド端48から電源正極端61に切り換わり、コンデンサ64が充電され始める。コンデンサ64が満充電となるまでの間、コンデンサ64を介して電源正極端61から第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートへ電力が供給される。それゆえ、時刻tbの直後に、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート電圧Vcmは、それまでのVcm2からVcm3へ急速に引き上げられる。ゲート電圧Vcmの増加に伴い、第1トランジスタ1aのドレイン電流Id1が、IdmaxからIdmax2へと素早く増加する。第1トランジスタ1aのドレイン電流Id1が増加するので、第2トランジスタ2aはそれまでよりも電流が流れ易くなり、第2トランジスタ2aのドレインの電圧、即ち、出力端12の電圧Voutの低下速度が速まる。こうして、出力端12の電圧Voutがゼロに達する時刻t5が、図2のタイムチャートの場合と比較して早まる。なお、図14におけるVcm2は、電流源17が第1トランジスタ1aのドレイン電流として電流上限値Idmaxを出力しているときの出力端電圧Vrefに相当する。また、Vcm3は、電流源17がドレイン電流として電流上限値Idmax2(>Idmax)を出力しているときの出力端電圧Vref2(>Vref)に相当する。
図15のタイムチャートについて説明する。図15は、時刻tcにて、電流制御回路21が電流源17の電流上限値をIdmaxからIdmax3へ下げる場合のタイムチャートである。電流源17は、電流上限値がIdmaxのときの出力端電圧がVrefであり、電流上限値がIdmax3のときには、出力端電圧はVref3に低下する。なお、時刻t1から時刻t4までの動きは、図2に示したタイムチャートと同じであるので説明は省略する。
電流上限値を変更するための信号である電流調整信号Vin2は、時刻tcでLowからHighに切り換わる。この電流調整信号Vin2に応答して、電流制御回路21は、電流源17の電流上限値をIdmaxからIdmax3へ引き下げる。電流調整信号Vin2がLowからHighに切り換わると、充電調整回路60において、トランジスタ62がオンからオフに切り換わり、トランジスタ63がオフからオンに切り変わる。そうすると、コンデンサ64の接続先が、電源正極端61から共通グランド端48に切り換わり、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートから所定量の電力が共通グランド端48から放出される。それゆえ、時刻tcの直後に、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲート電圧Vcmは、それまでのVcm2からVcm4へ急速に引き下げられる。なお、図15におけるVcm2は、電流源17が電流上限値Idmaxを出力しているときの出力端電圧Vrefに相当し、Vcm4は、電流源17が電流上限値Idmax3(<Idmax)を出力しているときの出力端電圧Vref3(<Vref)に相当する。
ゲート電圧Vcmの急速な低下に伴い、第1トランジスタ1aのドレイン電流Id1が、IdmaxからIdmax3へと素早く低下する。第1トランジスタ1aのドレイン電流Id1が低下するので、第2トランジスタ2bのドレイン電流Id2も低下し、第2トランジスタ2aのドレインの電圧、即ち、出力端12の電圧Voutの低下速度が遅くなる。こうして、出力端12の電圧Voutがゼロに達する時刻t5が、図2のタイムチャートの場合と比較して遅くなる。
図14のタイムチャートでは、時刻tbに電流調整信号Vin2を受信すると、ゲート電圧Vcmが速やかに変化し、ドレイン電流Id1は速やかにIdmaxからIdmax2へと変換する。そして、第2トランジスタ2aのドレイン電流Id2も速やかに変化する。図15のタイムチャートでは、時刻tcに電流調整信号Vin2を受信すると、ゲート電圧Vcmが速やかに変化し、ドレイン電流Id1は速やかにIdmaxからIdmax3へと変換する。そして、第2トランジスタ2aのドレイン電流Id2も速やかに変化する。第9実施例の駆動装置10jは、カレントミラー回路15aの第1トランジスタ1aのゲート電圧を素早く変更することができ、第1、第2トランジスタ1a、2aのドレイン電流Id1、Id2を素早く変更することができる。第9実施例の駆動装置10jにおける充電調整回路60は、ゲート充電回路14aの技術の応答である。
(第10実施例)図16と図17を参照して第10実施例の駆動装置10kを説明する。図16は、駆動装置10kのブロック図である。図17は、駆動装置10kの動作のタイムチャートである。駆動装置10kは、第1実施例の駆動装置10aに加えて、サブ入力端11bと第7トランジスタ7を備えている。第7トランジスタ7は、第1、第2トランジスタ1a、2aがオフからオンに切り換わった後に第1トランジスタ1aのドレインとソースの間を流れる電流(主電流)を遮断するスイッチ(遮断スイッチ)の役割を果たす。サブ入力端11bと第7トランジスタ7以外の構成は、図1の駆動装置10aと同じであり、図17の時刻t4までの動きは、図2のタイムチャートと同じであるので説明は省略する。
サブ入力端11bには、不図示の上位の制御装置から、第1トランジスタ1aを回路から切り離す指令信号(遮断指令信号Vin3)が入力される。遮断指令信号Vin3も、パルス状の信号であり、当初はHigh電位に保持されており、High電位からLow電位に切り換わる立下りエッジが、第1トランジスタ1aを遮断する指示に相当する。
第7トランジスタ7は、第1トランジスタ1aと接続点P1の間に接続されている。接続点P1は、第1トランジスタ1aの高電位側電極とゲート、及び、コンデンサ16が接続されている点である。第7トランジスタ7のゲートはサブ入力端11bに接続されている。第7トランジスタ7はNチャネル型MOSFETであり、ゲート電圧がHigh電位に保持されている間はオンとなり、ゲート電圧がLow電位に下がるとオフとなる。先に述べたように、遮断指令信号Vin3は、当初はHigh電位に保持されており、第7トランジスタ7はオン状態に保持される。第7トランジスタ7がオン状態の間は、駆動装置10kは第1実施例の駆動装置10aと同じである。
図17のタイムチャートを参照して、第7トランジスタ7の機能と駆動装置10kの動作を説明する。遮断指令信号Vin3は、時刻tdにてHigh電位からLow電位に切り換わる。駆動装置10kのカレントミラー回路15aの第1、第2トランジスタ1a、2aは、時刻tdよりも前に、時刻t2にオフからオンに切り換わる。時刻t4にて第1トランジスタ1aのドレイン電流Id1は電流上限値Idmaxに達する。先の図1の駆動装置10aでは、時刻t4以後は、第1トランジスタ1aのドレイン電流Id1として一定の電流(=電流上限値Idmax)が流れ続ける(図2参照)。第10実施例の駆動装置10kでは、時刻t4より後の時刻tdに、遮断指令信号Vin3がHigh電位からLow電位に下がる。遮断指令信号Vin3に応答して、時刻tdに第7トランジスタ7がオンからオフに切り換わる。第7トランジスタ7がオフに切り換わると、第1トランジスタ1aのドレイン(高電位側電極)が遮断状態となる。即ち、時刻td以後は、第1トランジスタ1aのドレイン電流Id1はゼロとなる。なお、図16に示すように、電流源17と第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートとの接続は保持される。第1トランジスタ1aのドレインが遮断されると、電流源17の電流は第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートへと流れ、ゲート電圧Vcmが増加する。ゲート電圧Vcmが上昇するため、第2トランジスタ2aのドレイン電流Id2が増加する。その結果、出力端電圧Voutの電圧低下率が大きくなり、図2のタイムチャートと比較して、より早いタイミングで出力端電圧Voutがゼロになる。
第10実施例の駆動装置10kは、時刻td以後、第1トランジスタ1aのドレイン電流がゼロになるので、第1実施例の駆動装置10aよりも消費電力を抑制できる。
第10実施例の駆動装置10kでは、第1トランジスタ1aのドレイン側に第7トランジスタ7が接続されていた。第7トランジスタ7は、第1トランジスタ1aのソース(低電位側電極)の側に接続されていてもよい。第7トランジスタ7は、第1、第2トランジスタ1a、2aがオフからオンに切り換わった後に第1トランジスタ1aのドレイン/ソース間を流れる電流(主電流)を遮断するスイッチ(遮断スイッチ)の役割を果たす。遮断スイッチは、トランジスタ以外のデバイスで実現されてもよい。遮断スイッチは、例えば電磁リレーで実現されてもよい。
(第11実施例)次に、図18と図19を参照して第11実施例の駆動装置10mを説明する。図18は、駆動装置10mのブロック図である。図19は、駆動装置10mの動作のタイムチャートである。駆動装置10mは、先の駆動装置10kの構成に加え、第8トランジスタ8を備えている。第8トランジスタ8は、接続点P1と電源正極端32bとの間に接続されている。電源正極端32bは、電流源17の入力端に接続されている電源正極端32と同じ電圧VCC2に保持されている。第8トランジスタ8は、Pチャネル型のトランジスタであり、ゲート電圧がHigh電位のときにはオフになり、ゲート電圧がLow電位のときにはオンになる。また、第8トランジスタ8のゲートは、サブ入力端11bに接続されている。第10実施例の場合と同じように、サブ入力端11bには、通常はHigh電位に保持されている遮断指令信号Vin3が入力される。第8トランジスタ8は、遮断指令信号Vin3がHigh電位に保持されている間は、電源正極端32bと接続点P1の間を遮断し、遮断指令信号Vin3がLow電位に切り換わると、電源正極端32bと接続点P1の間を導通させる。
図19のタイムチャートを参照して駆動装置10mの動作を説明する。なお、時刻t4までは、図2のタイムチャートと同じである。駆動装置10mは、先の駆動装置10kと同様に、時刻tdにHigh電位からLow電位に切り換わる遮断指令信号Vin3を受信する遮断。遮断指令信号Vin3により、第7トランジスタ7がオフとなり、第8トランジスタ8がオンとなる。第7トランジスタ7がオフすることにより、第1トランジスタ1aのドレイン電流Id1がゼロになる。第8トランジスタ8がオンすることにより、電流源17と電源正極端32bの双方から第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートに電力が供給される。先の駆動装置10kの場合と比較して、時刻tdの後、第1、第2トランジスタ1a、2aに供給される電流が増加する。それゆえ、駆動装置10kの場合と比較して、時刻td以後のゲート電圧Vcmの増加率が高くなる。その結果、第2トランジスタ2aのドレイン電流Id2の増加率も高くなり、より一層早く、出力端電圧Voutがゼロに達する。
第11実施例の駆動装置10mも、第10実施例の駆動装置10kと同様に、遮断スイッチである第7トランジスタ7を備えることで、第1トランジスタ1aの消費電力をより一層低減することができる。第11実施例の駆動装置10mは、第8トランジスタ8を備えることで、第10実施例の駆動装置10kと比較して、より一層早く、出力端電圧Voutをゼロにすることができる。
第10実施例の第7トランジスタ7(遮断スイッチ)、及び、第11実施例の第8トランジスタは、第2実施例から第9実施例の駆動装置に適用してもよい。
実施例で説明した実施例に関する留意点を述べる。第1トランジスタ1aの高電位側に電流源が配置されている第1〜第3実施例、及び、第7〜第11実施例では、電流制御回路21が電流源17を制御している。即ち、電流制御回路21が、電流源17を使った第1トランジスタ1aのゲートの充電開始を制御している。電流制御回路21の機能は、電流源17に組み込まれていてもよい。また、電流制御回路21は、無くともよい。その場合、第3トランジスタ3aと、駆動信号Vin1の反転信号Vin1xを第3トランジスタ3aのゲートに供給するNOT素子13が、電流制御回路21の代わりをする。図1の第1実施例の場合でそのことを説明する。仮に、電流制御回路21が外されており、電流源17は常に一定電流を出力している場合を想定する。駆動信号Vin1がLowレベルに保持されている間、第3トランジスタ3aのゲートにはHighレベルの信号が供給され、第3トランジスタ3aはオン状態に保持される。このとき、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートは、電源負極端41に接続され、電源負極端41の電位に保持される。即ち、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートはLow電位に保持される。電流源17が一定電流を供給し続けても、その電力は、第3トランジスタ3aを介して電源負極端41に流れ、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートは充電されない。駆動信号Vin1がLowレベルからHighレベルに切り換わると、第3トランジスタ3aがオフし、第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートと電源負極端41の間が遮断される。電流源17からは常に一定電流が供給されているので、第3トランジスタ3aがオフすると、電流源17による第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートの充電が開始される。上記のとおり、電流制御回路21が外されている場合、第3トランジスタ3aとNOT素子13が、電流源17を使って第1、第2トランジスタ1a、2aのゲートの充電を開始する電流制御回路に相当する。ただし、駆動信号Vin1に応答して電流源17を出力停止状態から出力状態に切り換える電流制御回路21は、第1トランジスタ1aがオフの間、電流源17の出力電流を無駄にしない利点がある。
第4〜第6実施例において、電流制御回路22は電流源27に組み込まれていてもよい。
実施例では、カレントミラー回路にMOSFETを採用している。カレントミラー回路に採用するトランジスタは、電圧駆動型であれば、MOSFETに限られない。カレントミラー回路に採用するトランジスタは、IGBTであってもよい。
本明細書が開示する技術は、カレントミラー回路に使われているトランジスタ以外のトランジスタについては、そのタイプに限定は無い。また、第1トランジスタと第2トランジスタは、個別にパッケージされたデバイスであってよいし、一つの基板に形成されていてもよい。第1トランシスタと第2トランジスタは、ワンチップの中に実装された2個のトランジスタであってもよい。
第1−第3実施例、及び、第7−第11実施例の駆動回路は、カレントミラー回路に電圧駆動型かつNチャネル型の第1、第2トランジスタ1a、2aを採用している。実施例の電流制御回路21が請求項1の「電流制御回路」の一例に相当し、電流源17が請求項1の「電流源」の一例に相当する。実施例のゲート充電回路14aが、請求項の「第1充電回路」の一例に相当する。電源正極端33が請求項1の「充電端」の一例に相当し、電源負極端43、及び共通グランド端48が「放電端」の一例に相当する。ゲート充電回路14aの第4、第5トランジスタ4a、5aが、第1充電回路の「充電スイッチ」の一例に相当する。第1充電回路の「充電スイッチ」は、駆動信号Vin1に応答してコンデンサ16の電極16bの接続先を放電端(電源負極端43又は共通グランド端48)から充電端(電源正極端33)へ切り換えるスイッチ回路であれば、第4、第5トランジスタ4a、5aに限られない。
実施例のゲート充電回路14bが、請求項1の「第2充電回路」の一例に相当する。ゲート充電回路14bの第4トランジスタ104aが、第2充電回路の「充電スイッチ」の一例に相当する。第2充電回路の「充電スイッチ」は、駆動信号Vin1に応答して充電端(電源正極端32)と第1、第2トランジスタ1a、2aとの間を遮断状態から導通状態に切り換えるスイッチ回路であれば、第4トランジスタ104aに限られない。
第4−第6実施例の駆動回路は、カレントミラー回路に電圧駆動型かつPチャネル型の第1、第2トランジスタ1b、2bを採用している。実施例の電流制御回路22が請求項4の「電流制御回路」の一例に相当し、電流源27が請求項4の「電流源」の一例に相当する。実施例のゲート放電回路24aが、請求項4の「第1放電回路」の一例に相当する。電源正極端33が「充電端」の一例に相当し、電源負極端43が「放電端」の一例に相当する。ゲート放電回路24aの第4、第5トランジスタ4b、5bが、第1放電回路の「放電スイッチ」の一例に相当する。第1放電回路の「放電スイッチ」は、駆動信号Vin1に応答してコンデンサ16の電極16bの接続先を充電端(電源正極端32)から放電端(電源負極端43)へ切り換えるスイッチ回路であれば、第4、第5トランジスタ4b、5bに限られない。実施例の電源正極端39が、請求項4の「電力供給端」の一例に相当する。
実施例のゲート放電回路24bが、請求項4の「第2放電回路」の一例に相当する。ゲート放電回路24bの第4トランジスタ104bが、第2放電回路の「放電スイッチ」の一例に相当する。第2放電回路の「放電スイッチ」は、駆動信号Vin1に応答して放電端(電源負極端42)と第1、第2トランジスタ1b、2bとの間を遮断状態から導通状態に切り換えるスイッチ回路であれば、第4トランジスタ104bに限られない。
実施例の説明における「駆動信号に応答して」とは、「パワートランジスタのオンとオフの切り換えを指示するトリガに応答して」の意味である。「駆動信号に応答して」のより具体的な例としては、「パワートランジスタのオンとオフを切り換える駆動信号のパルスエッジに応答して」の意味である。
実施例の駆動装置では、出力端12と電源正極端31との間、及び、出力端12と電源負極端41との間、の一方に、カレントミラー回路を使ったスイッチ回路を配置し、他方に、1個のトランジスタ(第6トランジスタ)で構成されるスイッチ回路を配置した。出力端12と電源正極端31との間、及び、出力端12と電源負極端41との間、の夫々に、カレントミラー回路を使ったスイッチ回路を配置してもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1a、1b:第1トランジスタ
2a、2b:第2トランジスタ
3a、3b:第3トランジスタ
4a、4b:第4トランジスタ
5a、5b:第5トランジスタ
6a、6b:第6トランジスタ
7:第7トランジスタ
8:第8トランジスタ
10a−10m:駆動装置
11:入力端
11a、11b:サブ入力端
12:出力端
13:NOT素子
14a、14b:ゲート充電回路
15a、15b:カレントミラー回路
16:コンデンサ
17、27:電流源
18:抵抗
19、29:ダイオード
21、22:電流制御回路
24a、24b:ゲート放電回路
26:コンデンサ
31−33、39:電源正極端
41−43、49:電源負極端
48:共通グランド端
50a、50b:電圧調整回路
52:電流源
53:フィルタコンデンサ
54:電圧出力端
55−58、62、63:トランジスタ
60:充電調整回路
64:コンデンサ
99:パワートランジスタ
104a、104b:第4トランジスタ
106a、106b:第6トランジスタ
106b:第6トランジスタ

Claims (8)

  1. 駆動信号に基づいて駆動対象トランジスタを駆動する駆動装置であり、
    電圧駆動型かつNチャネル型のトランジスタであって、高電位側電極とゲートが接続されている第1トランジスタと、
    電圧駆動型かつNチャネル型のトランジスタであって、ゲート閾値電圧が前記第1トランジスタと同じであり、そのゲートが前記第1トランジスタのゲートと接続されているとともに、高電位側電極と低電位側電極の一方に前記駆動対象トランジスタのゲートが接続される第2トランジスタと、
    前記第1トランジスタの高電位側電極に接続されており、一定電流を出力する電流源と、
    前記駆動信号に応答して、前記電流源を使って前記第1及び前記第2トランジスタのゲートへの充電を開始する電流制御回路と、
    前記電流源とは別に前記第1及び前記第2トランジスタのゲートを充電するゲート充電回路と、
    を備えており、
    前記ゲート充電回路は、第1充電回路と第2充電回路のいずれか一方の構成を備えており、
    前記第1充電回路は、
    一方の電極が前記第1及び前記第2トランジスタのゲートに接続されているコンデンサと、
    前記コンデンサの他方の電極に電力を供給する充電端と、
    前記コンデンサの他方の電極から電力を放出させる放電端と、
    前記駆動信号に応答して前記コンデンサの他方の電極の接続先を前記放電端から前記充電端へ切り換える充電スイッチと、
    を備えており、
    前記第1トランジスタの前記高電位側電極と前記低電位側電極の間に前記一定電流が流れるときの前記電流源の出力端電圧Vrefと、前記コンデンサの容量Ccgと、前記第1及び前記第2トランジスタのゲート容量の合計容量Ccmと、前記充電端の電圧Vcgが、
    Vref≧Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm)
    の関係を満たしている回路であり、
    前記第2充電回路は、
    前記第1及び前記第2トランジスタのゲートに電力を供給する充電端と、
    アノードが前記充電端に接続されておりカソードが前記第1及び前記第2トランジスタのゲートに接続されているダイオードと、
    前記駆動信号に応答して前記充電端と前記第1及び前記第2トランジスタの間を遮断状態から導通状態に切り換える充電スイッチと、
    を備えており、
    前記第1トランジスタの前記高電位側電極と前記低電位側電極の間に前記一定電流が流れるときの前記電流源の出力端電圧Vrefと、前記ダイオードの順電圧Vfと、前記充電端の電圧Vcgが、
    Vref≧Vcg−Vf
    の関係を満たしている回路である、駆動装置。
  2. 前記ゲート充電回路は前記第1充電回路であり、
    前記容量Ccgと、前記合計容量Ccmと、前記電圧Vcgと、前記第1及び前記第2トランジスタのゲート閾値電圧Vthが、
    Vcg・Ccg/(Ccg+Ccm)≧Vth
    の関係を満たしている、請求項1の駆動装置。
  3. 前記ゲート充電回路は前記第2充電回路であり、
    前記順電圧Vfと、前記電圧Vcgと、前記第1及び前記第2トランジスタのゲート閾値電圧Vthが、
    Vcg−Vf≧Vth
    の関係を満たしている、請求項1の駆動装置。
  4. 前記電流制御回路は、前記駆動信号に応答して、前記電流源を出力停止状態から出力状態に切り換える、請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動装置。
  5. 駆動信号に基づいて駆動対象トランジスタを駆動する駆動装置であり、
    電圧駆動型かつPチャネル型のトランジスタであって、低電位側電極とゲートが接続されている第1トランジスタと、
    電圧駆動型かつPチャネル型のトランジスタであって、ゲート閾値電圧が前記第1トランジスタと同じであり、そのゲートが前記第1トランジスタのゲートと接続されているとともに、高電位側電極と低電位側電極の一方に前記駆動対象トランジスタのゲートが接続される第2トランジスタと、
    前記第1トランジスタの低電位側電極に接続されており、一定電流を通過させる電流源と、
    前記駆動信号に応答して、前記電流源を使って前記第1及び前記第2トランジスタのゲートの放電を開始する電流制御回路と、
    前記電流源とは別に前記第1及び前記第2トランジスタのゲートを放電するゲート放電回路と、
    を備えており、
    前記ゲート放電回路は、第1放電回路と第2放電回路のいずれか一方の構成を備えており、
    前記第1放電回路は、
    一方の電極が前記第1及び前記第2トランジスタのゲートに接続されているコンデンサと、
    前記コンデンサの他方の電極に電力を供給する充電端と、
    前記コンデンサの他方の電極から電力を放出させる放電端と、
    前記駆動信号に応答して前記コンデンサの他方の電極の接続先を前記充電端から前記放電端へ切り換える放電スイッチと、
    を備えており、
    前記第1トランジスタの前記高電位側電極と前記低電位側電極の間に前記一定電流が流れるときの前記電流源の入力端電圧VLrefと、前記コンデンサの容量Ccgと、前記第1及び前記第2トランジスタのゲート容量の合計容量Ccmと、前記第1及び前記第2トランジスタのゲートに電力を供給する電力供給端と前記放電端との電圧差dVcgが、
    dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm)≧VLref
    の関係を満たしている回路であり、
    前記第2放電回路は、
    前記第1及び前記第2トランジスタのゲートから電力を放出させる放電端と、
    アノードが前記第1及び前記第2トランジスタのゲートに接続されており、カソードが前記放電端に接続されているダイオードと、
    前記駆動信号に応答して前記放電端と前記第1及び前記第2トランジスタの間を遮断状態から導通状態に切り換える放電スイッチと、
    を備えており、
    前記第1トランジスタの前記高電位側電極と前記低電位側電極の間に前記一定電流が流れるときの前記電流源の入力端電圧VLrefと、前記ダイオードの順電圧Vfと、前記放電端の電圧VLcgが、
    VLcg+Vf≧VLref
    の関係を満たしている回路である、駆動装置。
  6. 前記ゲート放電回路は前記第1放電回路であり、
    前記容量Ccgと、前記合計容量Ccmと、前記電圧差dVcgと、前記第1及び前記第2トランジスタのゲート閾値電圧Vthが、
    Vth≧dVcg・Ccm/(Ccg+Ccm)
    の関係を満たしている、請求項5の駆動装置。
  7. 前記ゲート放電回路は前記第2放電回路であり、
    前記順電圧Vfと、前記電圧VLcgと、前記第1及び前記第2トランジスタのゲート閾値電圧Vthが、
    Vth≧VLcg+Vf
    の関係を満たしている、請求項5の駆動装置。
  8. 前記第1及び前記第2トランジスタがオフからオンに切り換わった後に前記第1トランジスタの高電位側電極と低電位側電極の間を流れる電流を遮断する遮断スイッチを備えている、請求項1から7のいずれか1項に記載の駆動装置。
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