JP4557082B2 - 駆動トランジスタ制御回路 - Google Patents
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Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より簡単な回路構成で、駆動トランジスタのスイッチングに伴う高調波ノイズの発生を効果的に抑制できる駆動トランジスタ制御回路を提供することにある。
請求項5記載の駆動トランジスタ制御回路によれば、電流遮断スイッチをトランジスタで構成するので、当該トランジスタをオン/オフさせることでリーク電流を遮断できる。
以下、本発明の第1実施例について図1乃至図3を参照して説明する。電源+Bとグランドとの間には、出力負荷1と、NチャネルMOSFET(駆動トランジスタ)2と、電流検出用の抵抗素子3との直列回路が接続されている。出力負荷1は、例えばDCモータやランプ,インダクタ等である。FET2のドレインとソースとの間には、プルアップ用の抵抗素子4とNPNトランジスタ5(起動トランジスタ)との直列回路が接続されている。尚、抵抗素子3の抵抗値は例えば数10Ω程度であり、抵抗素子4の抵抗値は例えば数100kΩ程度に設定されている。
FET10のドレインは、抵抗素子13及びNPNトランジスタ14を介してグランドに接続されている。NPNトランジスタ15は、トランジスタ14とカレントミラー回路16(第3カレントミラー回路)を構成しており、両者のベースはトランジスタ14のコレクタに接続され、トランジスタ15のコレクタは、FET2のゲート(制御端子)に接続されている。
カレントミラー回路23によりFET2のゲートに供給される電流は、カレントミラー回路7を構成するトランジスタ5に流れるコレクタ電流のミラー電流となっているため、結局はカレントミラー回路7の通電状態に支配される。したがって、立上り始期では、カレントミラー回路7におけるトランジスタ5,6のベース−エミッタ間電圧(接合電圧)VBE5,VBE6がほぼ等しくなっており、カレントミラー回路23により供給される電流は、抵抗素子4の高抵抗で制限された僅かな電流となる。その結果、立上り始期のゲート電圧(1)は緩やかな波形となる。
ゲート電位の上昇に応じてFET2がターンオンすると、FET2を介して抵抗素子3に供給される電流IRが増加するので、それに応じて抵抗素子3の端子電圧が増加する。この場合、抵抗素子3の抵抗値をR3とすると、トランジスタ5,6のベース−エミッタ間電圧は、次式の関係となる。
VBE6=VBE5+R3・IR
すなわち、ベース−エミッタ間電圧VBE5,VBE6の比が変化することで、カレントミラー回路7のミラー比が等価的に大きくなり、カレントミラー回路23により供給される電流は急激に上昇し、FET2のゲート電位も急上昇する。
そして、FET2がフルオン状態に近付くと、抵抗素子4の端子間電圧が極めて小さくなるため、トランジスタ5を介して流れる電流は減少する。したがって、立上り終期のゲート電圧(3)は、再び緩やかな波形となる。
図4は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施例の駆動トランジスタ制御回路31は、第1実施例ではNPNトランジスタ5,6,14,15,18,19で構成していたカレントミラー回路7,16,20を、NチャネルMOSFET5M,6M,14M,15M,18M,19Mで構成したカレントミラー回路7M,16M,20Mで置き換えたものである。
第1実施例の駆動トランジスタ制御回路28において、MOSFETとバイポーラトランジスタとが混在している理由は、両者の動作速度の相違に基づいて、設計的に適した素子を選択した結果である。したがって、第2実施例のように、全ての素子をMOSFETで構成した場合も、第1実施例と同様の効果が得られる。
図5は本発明の第3実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分について説明する。第3実施例の駆動トランジスタ制御回路32は、第1実施例の駆動トランジスタ制御回路28に、電流検出用のNチャネルMOSFET33(電流検出用トランジスタ)を加えたものである。FET2のソースはグランドに直接接続し、FET33のドレイン,ゲートは、FET2のドレイン,ゲートにそれぞれ接続され、ソースは電流検出用の抵抗素子34を介してグランドに接続されている。
すなわち、FET33は、FET2に対して小さい比率で抵抗素子34に検出電流を流すので、FET2に流れる電流が比較的大きい場合でも、抵抗素子34に流す検出電流を小さくして、検出を容易に行うことができる。
図6は本発明の第4実施例を示すものであり、第3実施例と異なる部分について説明する。第4実施例の駆動トランジスタ制御回路32Hは、第3実施例の駆動トランジスタ制御回路32を、ハイサイド駆動方式に適用したものである。すなわち、出力負荷1は、FET2のソースとグランドとの間に接続されている。また、トランジスタ5,6のエミッタと抵抗素子34の低電位側端子は、出力負荷1を介してグランドに接続されている。そして、FET2のゲートに駆動電流を供給するカレントミラー回路23のソースは、電源+Bよりも電圧を昇圧した電源+B’が印加されている。
以上のように構成される第4実施例によれば、ハイサイド駆動方式についても、本発明を適用することができる。
図7は本発明の第5実施例を示すものである。第5実施例は、第3実施例の駆動トランジスタ制御回路32と、第4実施例の駆動トランジスタ制御回路32Hとを組み合わせてトーテムポール接続した構成を示す。この場合、出力負荷1に対しては、駆動トランジスタ制御回路32Hを構成するFET2Hと、駆動トランジスタ制御回路32(L)を構成するFET2(L)との共通接続点(ソース,ドレイン)が接続されている。
図8は本発明の第6実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分について説明する。第6実施例の駆動トランジスタ制御回路35は、第1実施例の駆動トランジスタ制御回路28に、PNPトランジスタ(電流遮断スイッチ)36及び抵抗素子37を加えて構成されている。トランジスタ36は、プルアップ抵抗素子4,トランジスタ5の間に挿入されており、トランジスタ36のエミッタはプルアップ抵抗素子4に接続され、コレクタはトランジスタ5のコレクタに接続されている。トランジスタ36のベースは、抵抗素子37を介して電源+Bに接続されており、当該ベースに対してハイアクティブの制御信号STBが与えられる。
全ての素子をバイポーラトランジスタで構成しても良い。
第5実施例の駆動トランジスタ制御回路32H,32Lをもう1組用意することでHブリッジ回路を構成し、出力負荷1の通電方向を切替えるようにしても良い。
第6実施例の電流遮断スイッチを、PチャネルMOSFETで構成しても良い。また、NPNトランジスタや、NチャネルMOSFETで構成しても良い。
第2乃至第5実施例に構成に、第6実施例のような電流遮断スイッチを設けても良い。
Claims (5)
- 電源とグランドとの間に、負荷と直列に接続される駆動トランジスタのオンオフを制御する駆動トランジスタ制御回路において、
一端が前記駆動トランジスタの電源側端子に接続されるプルアップ抵抗素子と、
前記駆動トランジスタがオンした場合に流れる電流を、グランド側で検出する電流検出抵抗素子と、
前記電流検出抵抗素子と前記プルアップ抵抗素子との間に起動トランジスタが接続され、前記電流検出抵抗素子に流れる電流をミラーさせる電流制御カレントミラー回路と、
外部より与えられる制御信号に応じて前記駆動トランジスタをオンさせる場合に、前記電流制御カレントミラー回路によりミラーされた電流に応じて、前記駆動トランジスタの制御端子に駆動電流を供給する駆動電流供給回路とで構成され、
前記駆動電流供給回路は、
前記駆動トランジスタがターンオンして通電が開始されると、最初は前記プルアップ抵抗素子の抵抗値により制限された駆動電流を供給し、
その後、前記電流検出抵抗素子の端子電圧が大きくなり、前記プルアップ抵抗で決まる電流に対して前記電流制御カレントミラー回路のミラー比が等価的に大きくなることで増加する駆動電流を供給し、
前記駆動トランジスタがフルオン状態に近付くと、前記プルアップ抵抗素子の端子電圧が小さくなることで減少する駆動電流を供給することを特徴とする駆動トランジスタ制御回路。
- 前記駆動電流供給回路は、
前記電流制御カレントミラー回路のミラー電流により起動される第2カレントミラー回路と、
この第2カレントミラー回路のミラー電流により起動され、ミラー側トランジスタが前記駆動トランジスタの制御端子に接続される第3カレントミラー回路と、
前記第2カレントミラー回路のミラー電流により起動される第4カレントミラー回路と、
この第4カレントミラー回路のミラー電流により起動され、ミラー電流を前記駆動電流として前記駆動トランジスタの制御端子に供給する第5カレントミラー回路とで構成され、
前記第3カレントミラー回路は、外部より与えられる前記駆動トランジスタの制御信号がインアクティブである場合に動作され、
前記第4カレントミラー回路は、外部より与えられる前記駆動トランジスタの制御信号がアクティブである場合に動作されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の駆動トランジスタ制御回路。 - 前記電流検出抵抗素子と直列に接続されて、前記駆動トランジスタと並列に接続され、制御端子に前記駆動電流が供給される電流検出用トランジスタを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の駆動トランジスタ制御回路。
- 前記プルアップ抵抗素子と前記起動トランジスタとの間に、前記プルアップ抵抗素子を介して流れる電流を遮断するための電流遮断スイッチを挿入したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の駆動トランジスタ制御回路。
- 前記電流遮断スイッチを、トランジスタで構成したことを特徴とする請求項4記載の駆動トランジスタ制御回路。
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