JP6296059B2 - 吸湿性ポリエステル繊維及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)混練安定性
エクストルダー出口処のポリエステルの押出膨張程度を観察することによって判定する。押出膨張が無いのは○、軽微な押出膨張があるのは△、激しい押出膨張があるのは×を記し、そのうち、○及び△は合格と判定する。
紡糸する2h内の紡糸状況に対して以下の方法で評価し、断糸が無いのは○、少量の断糸がある(1〜3回)のは△、頻繁に断糸(4回以上)したのは×を記し、そのうち、○及び△は合格と判断する。
長さ方向と直交して繊維をカットし、単繊維の断面を取って切片してルテニウム染色を行い、透過型電子顕微鏡(TEM)(10万倍)を使用してブレンド状態を観察、撮影する。繊維は、連続的な基材の成分(白い部分)を海成分、類似円状的に分散する成分(灰色成分)を島成分とする海島構造をしている。島成分を円に視し、島成分の面積から直径を算出する。該直径を島成分の構成するポリビニルピロリドンの分散径とし、20つの島成分の平均値を平均分散径とする。
ポリN−ビニルラクタムを質量濃度が1%である水溶液に調製し、その相対粘度を測定し、さらにfikentscherでそのK値を計算する。
logZ=C[75K2/(1+1.5KC)+K]
そのうちK:K値×103、C:水溶液の濃度(W/V%)、Z:濃度がCである水溶液の相対粘度。
破壊強さ=強度×(延伸度)0.5
強度が繊維応力−引張り時の最大切断点を応変する応力/繊度(cN/dtex)で、伸びが繊維最大切断点の応変(%)である。
繊維から油剤を除去し、約1gのサンプルをガラス重量がWである秤量瓶内に入れ、乾燥箱内に置き、110℃で2h乾燥する。該秤量瓶を密封し、乾燥器内に置いて30分間冷却させる。サンプルが収納されている秤量瓶の重量W1を測定する。次ぎ、開放の状態で、20℃、65%RHに設定されている恒温・恒湿器内に入れて、24h放置する。その後、さらに密封の状態下で乾燥器内に30分間放置する。その次、さらに秤量瓶の重量W2を測定する。続いて開放の状態で、30℃、90%RHに設定されている恒温・恒湿器内に入れて、24h放置し、さらに密封の状態下で、乾燥器内に30分間を放置した後、さらに秤量瓶の重量W3を測定する。
MR1=(W2−W1)×100%/(W1−W)
MR2=(W3−W1)×100%/(W1−W)
ΔMR=MR2−MR1 。
日本JIS L−0842標準に基づいて測定を行い、級数が高ければ耐光堅牢度が良い。
核磁気共鳴スペクトルに基づき、吸湿性物質の特徴ピックの位置及び強度を検出し、さらに化学式に基づいて、該吸湿性物質の含有量を推算する。
6g重合体をシート状に押圧し、蛍光X線分析装置(理学電気公司により製造されたX線分析装置3270型)を使用してその強度を測定し、既知金属含有量のサンプルで事前に製作した検出線を使用して換算する。
実施例1
テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム(SIPM)、エチレングリコール、アジピン酸及び触媒とするチタン酸テトラブチルをエステル化反応ケトル内に加え、そのうち、SIPMの添加量がテレフタル酸ジメチルの添加量の2.6mol%に相当、アジピン酸の添加量がテレフタル酸ジメチルの添加量の5.4mol%に相当、チタン酸テトラブチルの添加量がチタン元素に基づいて計算すると共ポリエステルの10.5ppmに相当、テレフタル酸ジメチル、SIPM及びアジピン酸から構成された総酸成分と二価アルコール(エチレングリコール)とのモル比が1:1.8で、エステル化反応ケトル内にさらにマンガン元素に基づいて計算すると共ポリエステル200ppmに相当する酢酸マンガンを同時に添加し、230℃、常圧条件下で4h反応し、メタノール留出分が95%以上に到達した後、小分子のプレポリマーを得る。プレポリマーを230℃、常圧下に保持し、リン元素に基づいて計算すると共ポリエステル50ppmに相当するリン系安定剤リン酸を添加し、5分間後減圧し始め、温度を上げる。90分間を使用して温度を250℃から290℃まで上げ、圧力を80Paまで下げる。撹拌した後、反応体系に対して窒素ガスを注入して常圧まで復帰させ、重縮合反応を停止し、それによって、融点が230℃であるポリエステルを得る。
ポリエステル繊維に対するPVPの添加量をそれぞれ5wt%、10wt%、15wt%に変更し、その他の実施例1と同様である。評価結果は表1に示す。
ポリエステル繊維に対するPVPの添加量をそれぞれ1wt%、20wt%に変更し、その他の実施例1と同様である。評価結果は表1に示す。
ポリエステル繊維に対するPVPの添加量を7wt%に変更し、ポリエステル繊維に対する、P元素に基づいて計算すると2,2’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)スピロ[4H−1,3,2−ジオキサホスホリン−5(6H),5’(6’H)−[4H−1,3,2]ジオキサホスホリン]の添加量をそれぞれ50ppm、250ppm、350ppm、450ppmに変更し、その他の実施例1と同様である。評価結果は表2に示す。
リン系熱安定剤を添加しない以外に、実施例5と同様な方法に基づいて繊維を得る。評価結果は表2に示す。
テレフタル酸、エチレングリコール及び触媒三酸化アンチモンをエステル化反応ケトル内に加え、テレフタル酸とエチレングリコールとのモル比が1:1.8で、230℃、常圧条件下でエステル化反応を4h行って、小分子のプレポリマーを得る。プレポリマーを230℃、常圧下に維持し、リン元素に基づいて計算すると共ポリエステル50ppmに相当する安定剤リン化合物リン酸を加え、5分間後減圧、昇温し始める。90分間を使用して温度を250℃から290℃に上げ、圧力を80Paまで下げる。撹拌した後、反応体系に対して窒素ガスを注入して常圧まで復帰させ、重縮合反応を停止し、それによって、融点が252℃であるポリエステルを得る。
ロータ長さ比L/Dがそれぞれ45、48、55である二軸エクストルダーを選んでブレンドを行い、その他は実施例5と同様である。評価結果は表3に示す。
ロータ長さ比L/Dがそれぞれ30、35である二軸エクストルダーを選んでブレンドを行い、その他は実施例5と同様である。評価結果は表3に示す。
テレフタル酸5.7Kg、ブタンジオール5.4Kg、ポリエチレングリコール(分子量4000)3.75Kgを取って十分に混合した後、撹拌及び加熱温度制御を有する反応器内に投入し、且つ触媒チタン酸テトラブチル8g及び15g抗酸化剤IR1010を加え、徐々に温度を230℃まで上げて脱水のエステル化反応を行い、エステル化率が95%及びそれ以上に達した時に、エステル化反応を中止し、徐々に温度を250℃まで上げ、同時に、反応圧力を130Pa以下まで下げ、小分子を脱出する反応し、所定の重合体粘度まで達した後、吐出しせん断を行い、融点が220℃であるポリエステルを得る。
実施例1に調製された融点が230℃であるポリエステル、及び融点が240℃であるポリエステル(アジピン酸の添加量がテレフタル酸メチルの添加量の4.0mol%に相当する以外に、実施例1と同様な方法に基づいて調製する)をそれぞれ選び、対応に、溶融紡糸する時の温度をそれぞれ255℃、260℃に変更し、その他は実施例12と同じである。
K値が60であるPVP(BASF社製品)と前記実施例1に調製された融点が230℃であるポリエステルとを二軸エクストルダー(φ44mm、L/D:52)でブレンド押出を行い、そのうち、PVPの添加量がポリエステル繊維の7wt%を占め、エクストルダーの温度が溶融部245℃、混練部180℃に設定され、押出し状況が良好である。得たブレンド物を溶融紡糸し、紡糸する過程において、リン元素に基づいて計算するとポリエステル繊維の150ppmに相当するリン酸トリメチル(実施例15)、リン酸メチル(実施例16)、レソルシノール−ジ(ペンタエリスリトール)リン酸エステル(実施例17)を添加する。紡糸の温度が255℃、紡糸の速度が3000m/minで、原繊維を得、さらに原繊維を1.7倍延伸加工することによってポリエステル繊維を得る。得たポリエステル繊維に対する評価結果は表4に示す。
K値が10及び120であるPVP(BASF社製品)を選び、その他は実施例12と同じである。比較例7におけるPVPのK値が10である時に、混練が安定であるが、その耐熱性が悪いため紡糸する時に比較的多くの断糸が引き起こされた。比較例8におけるPVPのK値が120である時に、混練体系の粘度が大きいため、押出し膨張が発生し、混練性が悪くなった。
Claims (10)
- 吸湿性ポリエステル繊維において、該ポリエステル繊維には融点200〜240℃のポリエステル、ポリN−ビニルラクタム及びリン系熱安定剤を含有し、そのうち、ポリN−ビニルラクタムがポリエステル繊維の重量の3〜15wt%を占め、その分散径が200nm以下であり、リン系熱安定剤の含有量がP元素として計算すると、ポリエステル繊維の重量の50〜500ppmを占める、ことを特徴とする吸湿性ポリエステル繊維。
- 前記ポリエステル繊維には、ポリN−ビニルラクタムがポリエステル繊維の重量の5〜12wt%を占める、ことを特徴とする請求項1記載の吸湿性ポリエステル繊維。
- 前記ポリN−ビニルラクタムがポリビニルピロリドンである、ことを特徴とする請求項1または2に記載の吸湿性ポリエステル繊維。
- 前記ポリN−ビニルラクタムのK値が15〜90である、ことを特徴とする請求項3に記載の吸湿性ポリエステル繊維。
- リン系熱安定剤が2,2’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)スピロ[4H−1,3,2−ジオキサホスホリン−5(6H),5’(6’H)−[4H−1,3,2]ジオキサホスホリン]または2,2’−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシ)スピロ[1,3,2−ジオキサホスホリナン−5,5’−[1,3,2]ジオキサホスホリナン]である、ことを特徴とする請求項5に記載の吸湿性ポリエステル繊維。
- 該ポリエステル繊維の吸湿性パラメータΔMRが1.0%以上、色調b値が5.0以下、耐光堅牢度が3級以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の吸湿性ポリエステル繊維。
- 吸湿性ポリエステル繊維の製造方法において、融点200〜240℃のポリエステルとポリN−ビニルラクタムとを、ポリN−ビニルラクタムの添加量がポリエステル繊維の重量の3〜15wt%を占めるよう、ロータ長さ比L/Dが45以上である二軸エクストルダーにてブレンドを行うステップと、得たブレンド物を溶融紡糸して原繊維を得、該原繊維をさらに延伸を行ってポリエステル繊維を得るステップと、ブレンドを行う段階または溶融紡糸段階にて、リン元素として計算するとポリエステル繊維の重量の50ppm〜500ppmであるリン系熱安定剤を添加するステップと、を含む、ことを特徴とする吸湿性ポリエステルの製造方法。
- 前記リン系熱安定剤がブレンドを行う段階で添加される、ことを特徴とする請求項8に記載の吸湿性ポリエステル繊維の製造方法。
- 前記溶融紡糸の温度が220〜270℃の範囲内である、ことを特徴とする請求項8または9に記載の吸湿性ポリエステル繊維の製造方法。
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