JP6295684B2 - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
近年、インクジェットヘッドの分野では多数のノズルを二次元的に配列し、ヘッドサイズの大型化を抑えつつノズルの高密度に配置するインクジェットヘッドが考えられている。
上述したインクジェットヘッドにおいて、各アクチュエーターを圧力室基板に設けるためには、サンドブラスト等のパターニングによって基板上に複数のアクチュエーターを形成しておき、当該複数のアクチュエーターと圧力室基板と貼り合わせて接着する。上述した方法で接着することにより、複数のアクチュエーターをユニット単位で扱うことができ、簡便に各アクチュエーターを圧力室基板に設けることができる。
特許文献1(特開2000−117989号公報)は、圧電材料からなるシートを基板上に仮固定し、該シートをエッチングしてアクチュエーターを形成する。その後、アクチュエーターが形成された基板と振動層を貼り付けた後、アクチュエーターと基板を剥離することにより、アクチュエーターと振動層を接着する製造方法について記載されている。
特開2000−117989号公報
ところで、上記の通りインクジェットヘッドにおいて、複数のアクチュエーターを各圧力室の一部である振動板に簡便に接着することは可能となったが、依然として各ノズルから吐出されるインク滴量及びノズルからインク滴が射出される速度を安定化させる点については特許文献1においても課題があった。
図18は、横軸を接着層の厚み(μm)とし、縦軸をノズルからインクが射出される速度(m/s)とし、接着層の厚みと射出速度との関係を示した図である。図18から本発明者は、アクチュエーターと振動板との接着層の厚みに応じて射出速度が変化すると共に、接着層の厚みが薄い場合は接着層の厚みが厚い場合と比較してアクチュエーターが変形する力を効率的に振動板に与えることができるので同じ駆動電圧でも射出速度を上げることができることを見出した。従って接着層を薄くするために各ノズルにおけるアクチュエーターと振動板とを接着層を介して接着するときに接着層をできるだけ薄くすべく、圧力を付与して接着することが考えられる。図17(a)は圧力を加えて複数のノズルに対応するアクチュエーターと振動板とを接着層を介して接着した場合において、横軸が各ノズルの番号(Nozzle No)を示し、縦軸に各ノズルの射出速度(m/s)を示したものである。図17(a)に示される通り、各ノズルからインクが射出される射出速度にばらつきが生じている。本発明者はインク滴が射出される速度にばらつきが生じる原因を鋭意検討した結果、各ノズルに備えられるアクチュエーターと振動板との接着層の厚みにばらつきが生じ、各ノズルの接着層に厚いものと薄いものが混在していることを見出した。これは、複数のノズルに対応するアクチュエーターと振動板を接着する際に、例えば複数のノズルに対応するアクチュエーターに同時に圧力を加えても、圧力が均一に付与されず、それに伴い接着層の厚みがノズル毎に変化してしまうことに起因するものである。
そこで本発明は、振動板とアクチュエーターとの間を接着する際に、複数のノズルに対応する振動板とアクチュエーターとの間を接着する際にもその接着層を簡易に薄くかつ均一にすることができ、各ノズルから吐出されるインク滴量及びインク滴の射出速度を安定化することができるインクジェットヘッドを提供することを目的とする。また、振動板とアクチュエーターとの間の接着層を薄くすることにより、射出速度を向上させたインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
本発明は上述した課題を解決するために、
請求項1記載の発明は、
液滴を吐出して画像を形成するノズルと、
圧力室基板と、
振動板と、
前記圧力室基板と前記振動板とから形成され、前記ノズルと連通する圧力室と、
前記振動板の側に第1電極層が設けられたアクチュエーターとを備え、
前記振動板と前記第1電極層とが接着層を介して接着されて前記アクチュエーターが前記振動板を変形させて液滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、
前記第1電極層の前記振動板との接着面を横断するように溝が設けられていることを特徴とするインクジェットヘッドである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記溝を複数備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記第1電極層の接着面に形成される前記複数の溝が平行に設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記接着面は矩形であり、
前記複数の溝の各々は、前記矩形の辺に対して傾斜した方向に沿って設けられており、
前記複数の溝は、前記矩形の各辺に少なくとも一つの溝の端部が位置するように設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項2から4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記溝が形成される第1電極層の接着面に対して直交する断面、かつ前記溝のうち、所定の溝に対して直交する断面において、
前記溝の幅をG、前記溝が形成されていない部分の幅Fとすると、
0.3<G/F<0.7
となるように前記溝が形成され、該溝が前記第1電極の接着面の面積の60%以上にわたって形成されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記溝の深さdが0μm<d≦1.0μmであることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記ノズルは複数備えられると共に、
前記ノズルに対応して前記第1電極層を備える前記アクチュエーター及び前記振動板が設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、
液滴を吐出して画像を形成するノズルと、
圧力室基板と、
前記圧力室基板と反対側に第2電極層が設けられた振動板と、
前記圧力室基板と前記振動板とから形成され、前記ノズルと連通する圧力室と、
前記振動板の側に第1電極層が設けられた前記アクチュエーターと、
を備え、
前記第1電極層と前記第2電極層とが接着層を介して接着されて前記アクチュエーターが前記振動板を変形させて液滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、
前記第1電極層と前記第2電極層とが積層方向において接着層を介して重なる領域を接着面とし、
前記第2電極層の接着面側に溝が前記積層方向と直交する方向に貫通するように前記接着面に設けられると共に、前記溝の端部が前記接着面の領域外の位置となるように設けられていることを特徴とするインクジェットヘッドである。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記溝を複数備えることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記第2電極層に形成される前記複数の溝が平行に設けられていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記接着面は矩形であり、
前記複数の溝の各々は、前記矩形の辺に対して傾斜した方向に沿って設けられており、
前記複数の溝は、前記接着面に垂直な方向から見て前記矩形の各辺に対して少なくとも一つの溝が交差するように設けられていることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項9から11のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記溝が形成される第1電極層の接着面に対して直交する断面、かつ前記溝のうち、所定の溝に対して直交する断面において、
前記溝の幅をG、前記溝が形成されていない部分の幅Fとすると、
0.3<G/F<0.7
となるように前記溝が形成され、該溝が前記第2電極の接着面の面積の60%以上にわたって形成されていることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項8から12のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記溝の深さdが0μm<d≦1.0μmであることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項8から13のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記ノズルは複数備えられると共に、
前記ノズルに対応して前記第1電極層を備える前記アクチュエーター及び前記第2電極層を備える振動板が設けられていることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項1から14のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドを搭載したことを特徴とするインクジェット記録装置である。
本発明によれば、アクチュエーターと振動板との接着層を薄くすることによって、各ノズルから吐出されるインク滴量及びインク滴の射出速度を安定化することができる。また、射出速度を速くすることができる。図17(b)は、複数のノズルに対応するアクチュエーターと振動板とを接着層で接着する際に溝を設けた場合を示したものであり、図17(b)からわかる通り、溝を設けることで圧力がノズル毎に均一にかからなかったとしても接着層の厚みを均一とすることができ、射出速度を安定化することができる。
本発明に係るインクジェットヘッドの斜視図である。 X−Y平面における複数のノズルの配置例を示す図である。 インクジェットヘッドの断面図である。 図3に示す断面図のうち、一つのノズルに係る構成の拡大図である。 (a)振動板30にアクチュエーター60を接着層Sを介して接着した時の上面図。(b)振動板30に第1電極62とアクチュエーター60を積層させた時の概略斜視図である。 (a)第1の実施態様における溝の形状を示した図である。(b)第1の実施態様における溝を複数設けた場合を示した図である。(c)(b)で示した溝の変形例を示した図である。 (a)振動板30にアクチュエーター60を接着層Sを介して接着した時の上面図。(b)第2電極63を設けた振動板30にアクチュエーター60を積層させた時の概略斜視図である。 (a)第2の実施態様における溝の形状を示した図である。(b)第2の実施態様における溝を複数設けた場合を示した図である。(c)(b)で示した溝の変形例を示した図である。 (a)第1電極層62の接着面に直交し、かつ形成された溝と直交する平面における断面図である。(b)図9(a)における第1電極層62の溝形成パターンを示した図である。 本願発明における平行を示した図である。 バルク型アクチュエーター部材200からアクチュエーター60を得る加工方法の例を示した図である。 バルク型アクチュエーター部材200からアクチュエーター60を切り離した様子を示す図である。 第1電極62を備えたアクチュエーター60を接着層Sを介して振動板30に接着する方法の例を示した図である。 振動板とスペーサー基板との接合例に係る説明図である。図14(a)は、スペーサー基板を示す図である。図14(b)は、ヘッド基板を示す図である。図14(c)は、ヘッド基板とスペーサー基板との接合体を示す図である。 スペーサー基板を上方から見た場合の平面図である。図15(a)は、ヘッド基板と接合される前のスペーサー基板を示す図である。図15(b)は、ヘッド基板と接合された後のスペーサー基板を示す図である。 中間基板を用いた場合のインクジェットヘッドの変形例を示す断面図である。 各ノズル(全512ノズル)の射出速度を示した図である。 本願発明に係る接着層Sの厚みと射出速度との関係を示した図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本発明に係るインクジェットヘッド1の斜視図である。
図1に示すように、インクジェットヘッド1は、平面に沿って設けられた複数のノズルNを備える。
以下、複数のノズルNが設けられた平面をX−Y平面とし、当該平面に沿う方向であって、互いに直交する方向をそれぞれX方向、Y方向とする。また、X−Y平面に直交する方向をZ方向とする。
図2は、X−Y平面における複数のノズルNの配置例を示す図である。
図2に示すように、インクジェットヘッド1には、例えば、Y方向に沿って設けられた複数のノズルNによるノズル列が、X方向に複数列設けられている。
なお、図2では、多数存するノズルNのうち、最左に存するノズル列のノズルNについて符号を付し、他のノズルNの符号を省略している。
図3は、インクジェットヘッド1の断面図である。なお、図3では、便宜上、複数のノズルNのうち、四つのノズルNについて図示している。
図3に示すように、複数のノズルNは、ノズル基板10に形成されている。
また、ノズル基板10のうち、複数のノズルNからインクが吐出される方向の反対側には、Z方向に沿って、複数の基板等が積層されている。具体的には、例えば、ノズル基板10に近い側から、圧力室基板20、振動板30、スペーサー基板40、配線基板50が積層されている。
以下、便宜上、ノズル基板10、圧力室基板20、振動板30、スペーサー基板40及び配線基板50が積層された複数の基板からなる構造体を積層体Aと記載する。また、Z方向に沿う方向のうち、ノズル基板10を基準として、インクが吐出される所定の方向を下方と記載し、その反対方向を上方と記載する。
図4は、図3に示す断面図のうち、一つのノズルNに係る構成の拡大図である。
図3、図4に示すように、圧力室基板20には、ノズルNに連通する圧力室21が形成されている。
また、振動板30は、圧力室21の上方に設けられており、圧力室21の一面(上面)を構成する。即ち、振動板30は、圧力室21に対して、インクが吐出される所定の方向(下方)の反対側(上方)に設けられている。また、振動板30の上面には、アクチュエーター60が設けられている。ここで、アクチュエーター60は、振動板30に当接している。
また、振動板30、スペーサー基板40及び配線基板50には、圧力室21に連通する導通路31、41、51が設けられている。導通路31、41、51により形成されるインクの流路は、圧力室21と、配線基板50の上方に設けられた共通流路70とを接続する。
共通流路70は、例えば、配線基板50の上方に立設する筐体80内に設けられて、図示しないインクの供給機構に接続されている。当該インクの供給機構から共通流路70に供給されたインクは、共通流路70、導通路51、41、31を通って圧力室21に供給される。圧力室21に供給されたインクは、アクチュエーター60の動作に応じて振動板30が振動することで圧力室21内のインクに圧力を加えることで、ノズルNから吐出される。
ここで、共通流路70は、圧力室21に供給されるインクの供給部として機能する。圧力室21には、ノズルNから吐出されるインクが収容される。また、アクチュエーター60は、ノズルNからインクを吐出するための圧力を圧力室21に加える。
以下、積層体Aのうち、ノズルNが形成されたノズル基板10、圧力室21が形成されている圧力室基板20と、圧力室21の上面を構成する振動板30及びアクチュエーター60から構成される構造体をヘッド基板Bとする。ここで、配線基板50には、圧力室21に供給されるインクの供給部(共通流路70)とヘッド基板Bとの間に設けられて供給部から圧力室21に連通するインクの導通路(導通路51)が形成されている。
アクチュエーター60は、配線基板50に設けられた配線52と電気的に接続されている。
具体的には、アクチュエーター60は、例えば、X−Y平面に沿う上面及び下面を有する方形状のアクチュエーターである。アクチュエーター60は、その上面に配線電極61が設けられている。また、アクチュエーター60は、その下面に第1電極62が設けられている。
配線電極61は、図4に示すように、接続部90を介して、配線基板50の下面側に設けられた配線52と電気的に接続されている。接続部90は、配線電極61と配線52とをZ方向に沿って接続するよう設けられている。
接続部90は、配線基板50に形成されたバンプ91を有する。
具体的には、バンプ91は、例えば、金を材料としたワイヤーボンディングにより形成される。また、バンプ91は、例えば、配線52の下面に形成される。配線52は、例えば、少なくとも下面が平坦な面となるよう設けられた導電性を有する金属(例えば、アルミニウム)製の板により構成されている。
また、バンプ91の下端側には導電性材料92が塗布されている。具体的には、導電性材料92は、例えば、導電性接着剤である。導電性接着剤とは、導電性を有する金属粉末(例えば、銀粉等)が混入された接着剤であり、導電性を有する。
このように、接続部90は、配線基板50に形成されたバンプ91とバンプ91に塗布された導電性材料92を介して配線基板50とアクチュエーター60とを電気的に接続する。
配線基板50は、例えば、配線基板50の基部である板状のインターポーザー53と、インターポーザー53の上面、下面をそれぞれ被覆する絶縁層54、55と、絶縁層54、インターポーザー53及び絶縁層55を貫通する貫通孔に設けられた貫通電極56と、絶縁層54の上面に設けられて貫通電極56の上側の端部と電気的に接続された配線57と、配線57の上面及び配線57が設けられていない絶縁層54の上面を被覆する絶縁層58と、絶縁層55の下面に設けられて貫通電極56の下側の端部と電気的に接続された配線52と、配線52のうちバンプ91が形成されない部分の下面及び絶縁層55のうち配線52が設けられていない下面を被覆する絶縁層59と、絶縁層58、絶縁層54、インターポーザー53、絶縁層55及び絶縁層59を貫通する導通路51と、を有する。
配線52は、貫通電極56、配線57を介して、アクチュエーター60への電圧の印加に係る図示しない制御部に接続されている。
また、図4に示す通り、第1電極62(以下、第1電極層62とも記載する)は、振動板30に当接している。振動板30は、導電体であり、第1電極62と制御部とを電気的に接続する電極として機能している。具体的には、第1電極62は、例えば、振動板30及び振動板30に接続された図示しない配線を介して制御部に接続されている。なお、上記では振動板30に電気的に接続する電極としての機能を持たせたが、例えば後述する第2電極63(以下、第2電極層とも記載する)のように別途設けることもできる。
アクチュエーターは、配線電極61が、接続部90、配線52、貫通電極56、配線57を介して制御部に接続されるとともに、第1電極62が、振動板30及び図示しない配線を介して制御部に接続されることで、制御部の制御下で、アクチュエーター60として動作する。
スペーサー基板40は、振動板30と配線基板50との間で、アクチュエーター60及び接続部90のZ方向に沿った幅に対応したスペースを確保する。
具体的には、スペーサー基板40は、振動板30の上面側におけるアクチュエーター60の配設位置に応じた開口部42を有する。開口部42は、スペーサー基板40をZ方向に貫通している。
次に、第1電極62のうち、接着層S側の接着面に溝を有するインクジェットヘッドの実施態様を第1の実施態様として詳細な説明を行う。
図5及び図6は、図4に示したアクチュエーター60、第1電極62、第2電極63、及び振動板30のうち、第1電極62における接着層Sを形成する側の面(接着面)に溝を形成した場合の実施態様を示した図である。
振動板30に設けられた第2電極63とアクチュエーター60に設けられた第1電極62とが接着層Sを介して接着されることによってアクチュエーター60は第2電極63と電気的に接続されると共に制御部に接続される。また、第1電極62と第2電極63とが接着層Sを介して接着されることによってアクチュエーター60が振動板30を変形させ、インクを吐出することができる。
なお、第2電極63に替えて、導電性をもつ振動板30を用い、第1電極62と振動板30とを接着層Sを介して接着することもできるが、第1電極62と第2電極63とを接着層Sを介して接着する実施態様を以下で例示する。本実施態様では、第1電極62のうち、接着層S側の接着面を横断するように溝を設ける。以下において第1電極62の接着層S側の接着面を横断するように設けられる溝について詳述する。
図5(a)、(b)及び図6(a)〜(c)は第1電極62と振動板30のうち、第1電極62における接着層Sを形成する側の面(接着面)に溝を形成した実施態様を示した図である。図5(a)は第2電極63が形成された振動板30にアクチュエーター60を接着層を介して接着した際の上面図である。図5(a)の通り、本実施態様では振動板30のうち、第1電極62と対向する面は第1電極62よりも広い領域となっている。また、図5(b)は振動板30に第1電極62及びアクチュエーター60を積層させた時の概略斜視図である。図5(b)の通り、振動板30とアクチュエーター60及び第1電極62を接着する際には、第1電極62と振動板30との間に接着層Sを設けて接着する。なお、図5(b)は、第1電極62の接着面を横断するように溝を形成しているが、図示されていない。
図6は、本実施態様における溝の形成について例示したものである。図6(a)は第1電極62の接着面において単数の溝を設けた場合であり、図6(b)は第1電極62の接着面において複数の溝を設けた場合を示す。図6(c)は、図6(b)に示した複数の溝の配置の変形例を示したものである。本実施態様は、図6(a)〜(c)のように第1電極62の接着面を横断するように溝を設ける。本発明において「横断」とは、溝の端部(Ma及びMb)が第1電極層62の接着面の端部と一致することを示す。
このように第1電極62の接着面には、単数又は複数の溝が設けられている。第1電極62に溝が形成されておらず、かつ第1電極62と第2電極63とを接着する際により接着層Sを薄くしようとした場合、接着層Sを形成する接着剤のうち、余分な接着剤を接着層Sの側面まで移動させて逃がす必要があるため、例えば接着層Sの中央部に存在する余分な接着剤に対しては、余分な接着剤を接着層Sの中央部から接着層Sの側面への長い距離を移動させて排出する必要がある。従って、例えば上記の場合、余分な接着剤を接着層Sの側面から排出させるために、より強い圧力をかける必要が生じることや、第1電極62の中央部から端部に向かって圧力をかける等の圧力のかけ方を工夫する必要が生じる。一方、上述した溝、例えば単数の溝を形成しておくことにより、圧力を第1電極62にかけた際に余分な接着剤を溝に流入させることができるので、溝を形成しない場合と比較して、圧力をかけて余分な接着剤を移動させる距離を短くすることができる。また、溝が「横断」するように設けられているので、溝に流入した余分な接着剤が溝に通って接着層の側面から排出される。従って、より強い圧力をかけることや、第1電極62の中央部から端部に向かって圧力をかける等の圧力のかけ方を工夫することなく、接着層Sを薄くすることができる。
さらに上述した溝を複数設けることにより、さらに圧力をかけて余分な接着剤を移動させる距離を短くすることができるので、接着層Sをより薄くすることができ、より好ましい。
上述した構成によって接着層Sの厚みを0<接着層Sの厚み(μm)<0.7とすることができ、各ノズルから吐出されるインク滴量及びインク滴の射出速度を安定化することができる。
次に上述した実施態様のアクチュエーター60、振動板30、接着層S、及び第1電極62とを接着する方法について以下に詳述する。
まず、第1電極62を備えたアクチュエーターの作成方法について以下で説明する。
図11(a)に示すように、第1固定台80にバルク型アクチュエーター部材200を熱剥離シート等の第1粘着固定シート82を介して固定する。この時、予めバルク型アクチュエーター部材200の両面には、配線電極61及び第1電極62をスパッタリング法等で形成しておくと良い。なお、配線電極61及び第1電極62としては、導電性のある層であり、支持層との密着性が良ければどの様な材料及び構成でも構わないが、例えばSiO2を150μm、Crを50μm、Auを300μmを順次スパッタリング法で形成したものを第1電極62として使用できる。
上述したように配線電極61及び第1電極62が形成されたバルク型アクチュエーター部材200の表面に、フォトリソグラフィー技術により短冊格子状の第1マスク86を形成する。この後、図11(b)に示すように酸化アルミナ等の微小球を吹き付ける(矢印で示す)ブラスト加工を行う。
ブラスト加工を行った後、第1のマスクを剥離し、第2のマスク(図示しない)をフォトリソグラフィー技術により形成する。第2のマスクは、第1電極62の接着面を横断する溝を形成できるような形状となっており、上述した方法と同様に酸化アルミナ等の微小球を吹き付ける(矢印で示す)ブラスト加工を行うことによって溝が形成される。この時、第1のマスク86を用いてブラスト加工を行う時よりも第1電極62をブラストする深さが浅くなるように例えばブラスト時間を短くすることが好ましい。
なお、ブラスト加工の他に例えばダイシングによっても上述したような第1電極62を備えたアクチュエーター60を作成することができる。図11に示すように、第1固定台80に、バルク型アクチュエーター部材200をダイシングシート等の第1粘着固定シート82を介して固定し、刃先がテーパ状のブレード84(例えば、(株)ディスコ NBC−Z1090LG2S3T2 56×0.15×40×45°)を備えたダイサーを用いて直交する2方向に短冊状に切断する。尚、図11に示すバルク型アクチュエーター部材200においては、上下面の配線電極61、第1電極62を省略している。
バルク型アクチュエーター部材200を切断し、2方向の断面が略台形の短冊状のアクチュエーター60とした様子の一部分を図12に示す。図12に示す様に、アクチュエーター60は、バルク型アクチュエーター部材200を規則正しく切断して得ることができるため、廃棄する部分の発生を抑えて、複数のアクチュエーター60をバルク型アクチュエーター部材200から効率良く得ることができる。尚、断面形状を長方形とする場合は、例えば、刃先がテーパ状でない板状のブレードを用いればよい。
次に第1電極62を備えたアクチュエーター60を接着層Sを介して振動板30に備えられた第2電極63に接着する方法について以下に詳述する。
図13(a)〜(d)に示すように図13(a)は第1電極62を備えたアクチュエーターが第1固定板80に第1粘着固定シート82を介して固定されている状態を示したものである。図13(b)は、ノズル基板10を第2固定台81に熱剥離シート等の第2粘着固定シート83を介して固定した後、ノズル基板10上に圧力室基板20、振動板30、及び第2電極63を順次接合した状態を示したものである。図13(c)は、第2電極63の接着面に対して、接着剤を塗布して接着層Sを形成した状態を示したものである。図13(d)は第2電極63上に接着層Sを形成した後、第1電極62のうち、固定されている第1固定台80と逆側の面を振動板30に目合わせして接合する状態を示したものである。また接着層Sを介して接合する際にかける圧力としては、1.0×10Pa[N/m]が好ましい。この際、例えば複数のノズルに対応するアクチュエーター60に圧力を付与して接着層Sを介して第2電極層63を備えた振動板30を接着する場合、複数のノズルに対応したアクチュエーター60に均一に圧力がかかることが好ましい。また、第1電極62に溝を設けておくと、アクチュエーター60それぞれに同時に圧力をかけて接着する際にかける圧力のずれがあっても、第1電極62に形成された溝によってスムーズに接着層Sの側面に余分な接着剤をはみ出させて接着することができるので複数のノズルに対応した接着層を均一な厚みで形成することができる。この際に第1固定板80及び第2固定板81には、第1電極62と振動板30とを位置合わせして接合するために、それぞれ第1位置決め穴84及び第2位置決め穴85を設けておくと良い。第1位置決め穴84及び第2位置決め穴85は、例えばサンドブラスト加工等によって形成する。第1電極62のうち、固定されている第1固定台80と逆側の面を振動板30に備えられた第2電極63に目合わせして接合する際に、光学顕微鏡等を通して第1位置決め穴84と第2位置決め穴85を合わせるようにして接合することにより、二次元配列のアクチュエーター60を、振動板30上に一括して高精度に接合することができる。
また、第2位置決め穴85の構成に替えて第2固定板81に十字状の位置決めマーク(図示しない)を予め形成しておいても良い。第1固定板80に設けられた第1位置決め穴を通して、位置決めマークを光学顕微鏡等によって光学的に検知しつつ、二次元配列のアクチュエーター60を、振動板30上に一括して高精度に接合することができる。
上述したように第2電極63と第1電極62とを接着層Sを介して接合した後、第1固定板80及び第2固定板81を剥離するため、第1粘着固定シート82及び第2粘着固定シート83の接着力を低減させて離間させることによって、上述した第1電極62と第2電極63とが接合された積層体を得ることができる。
上述したように、アクチュエーター60に備えられる第1電極62の接着面と振動板30に設けられる第2電極63を接着層Sを介して接着する場合を示したが、例えば第2電極63に替えて導電性を備える振動板30とし、該振動板30を第1電極62の接着面と接着層Sを介して接着するようにしても良い。また、上述した実施態様では、第1電極62に溝を形成する例を示したが、第2電極62に溝を形成するようにしても良い。
図7(a)、(b)は、第2の実施態様として振動板30に設けられた第2電極63のうち、接着層Sと接する面に溝を設ける場合を示したものである。
図7(a)は振動板30にアクチュエーター60を接着層を介して接着した際の上面図である。図7(a)の通り、本実施態様では振動板30に設けられた第2電極層63のうち、第1電極62と対向する面は第1電極62よりも広い領域となっている。また、図7(b)は第2電極層63が形成された振動板30に第1電極62及びアクチュエーター60を積層させた時の概略斜視図である。図7(b)の通り、第2電極63が形成された振動板30とアクチュエーター60及び第1電極62を接着する際には、第1電極62と第2電極63との間に接着層Sを設けて接着する。なお、図7(b)は、第2電極63の接着面に形成されている溝について図示していない。本実施態様においては、第2電極層63に積層方向に対して直交する方向に溝Mが形成される。また該溝Mの両端部は、第1電極62と第2電極63とが接着層Sを介して接着する領域(接着領域)の外まで延在して設けられる。上述した構成を備えることにより、接着層Sを介してアクチュエーターに設けられた第1電極層62と振動板30に設けられた第2電極層63とを接着する際に、第2電極層63に設けられた溝Mが接着領域の外まで延在して設けられているので、溝Mに入り込む余分な接着剤を接着領域の外まで延在して設けられている溝Mの両端部を通じて排出することができる。従って、第2電極層63のうち、溝が形成されていない接着面と、第1電極層62の接着面との間の接着層Sの厚みを薄くすることができる。
本実施態様は、図8(a)のように第2電極層63に設けられた溝Mの両端部が接着領域の外まで延在して設けられている。図8(b)は第2電極層63、第2電極層63における接着領域、及び溝Mにおける上面図である。図8(b)に示されるように上述した溝Mが複数設けられているので、余分な接着剤が溝Mを通じて排出しやすく、より接着層の厚みを薄くすることができる。また溝Mは溝Mの両端部が接着領域の外まで延在して設けられていれば良く、図8(c)のように溝Mを配置しても良い。
第2電極層63の接着面に溝が形成されていない場合と比較して、接着層Sを形成する接着剤のうち、余分な接着剤を接着層Sの側面まで移動させて逃がす必要があるため、例えば接着層Sの中央部に存在する余分な接着剤に対しては、余分な接着剤を接着層Sの中央部から接着層Sの側面への長い距離を移動させて排出する必要がある。一方、図8(a)に示されるように、第2電極63に単数の溝を設ける場合、圧力を第2電極62にかけた際に余分な接着剤を溝に流入させることができるので、溝を形成しない場合と比較して、圧力をかけて余分な接着剤を移動させる距離を短くすることができる。また、溝Mは溝Mの両端部が接着領域の外まで延在して設けられているので、溝に流入した余分な接着剤が溝に通って溝Mの両端部から排出される。従って、より強い圧力をかけることや、第2電極62の中央部から端部に向かって圧力をかける等の圧力のかけ方を工夫することなく、接着層Sを薄くすることができる。上述した構成によって接着層Sの厚みを0<接着層Sの厚み(μm)<0.7とすることができ、各ノズルから吐出されるインク滴量及びインク滴の射出速度を安定化することができる。
次に、溝が設けられた第2電極63とアクチュエーターに備えられた第1電極層62とを接着する方法について、図13を参照して以下に詳述する。なお、第1の実施態様と共通する部分については、説明を省略する。
まず、圧力室基板20及び予め第2電極63をスパッタリング法等で形成しておいた振動板30を順次接合した積層体としておく。第2電極63としては、導電性のある層であり、支持層との密着性が良ければどの様な材料及び構成でも構わないが、例えばSiO2を150μm、Crを50μm、Auを300μmを順次スパッタリング法で形成したものを第2電極63として使用できる。
次に第2電極層63の接着面に対して溝Mを形成する方法について詳述する。上述したように、第2固定台81に熱剥離シート等の第2粘着固定シート83を介して固定されている第2電極層63に対し、溝Mの両端部が接着領域の外まで延在するように形成された第3のマスクをフォトリソグラフィー技術により形成する。そして第1の実施態様に示したブラスト加工及びダイシングにより第3のマスクが形成されていない領域を加工することによって溝Mを形成することができる。
溝Mが形成された第2電極層63と第1電極層62が形成されたアクチュエーター60との接着については、第1の実施態様と同様の方法を用いることができる。
次に第1の実施態様及び第2の実施態様において形成される溝について図9(a)、(b)を用いて詳述する。図9(a)は、第1電極62に接着面に対して直交し、かつ該溝に対して直交する断面図を示したものであり、図9(b)は図9(a)の第1電極62に形成された溝部分を拡大した図である。
第1の実施態様に示される第1電極層62に形成される溝は、0<溝の深さd(μm)≦1.0であることが好ましく、より好ましくは0<d≦0.7であり、最も好ましくは0<d≦0.5である。上述した溝を形成することにより、接着層Sを形成する接着剤のうち、余分な接着剤を流出させると共に、第1電極62からアクチュエーター60の方向に凹み量を小さくすることにより、第1電極62の厚みを薄くしても第1電極62の強度を維持することができる。
また、第1電極62の接着面に溝を設ける場合、第1電極62に接着面に対して直交し、かつ該溝に対して直交する断面において、第1電極62の接着面に形成されている1本の溝の幅をFとし、該溝に隣接する溝が形成されていない部分の幅をGとすると、アクチュエーター60と第1電極62の接着面が0<G/F<0.7となるように溝が形成されていることが好ましい。より好ましくは0.3<G/F<0.7である。さらに第1電極62の接着面に複数の溝を設ける場合、図9(b)に示す通り、上述したようにG及びFで規定した溝を第1電極62の接着面にわたって連続して形成すれば良く、単数の溝を設ける場合と比較してより接着層に残った余分な接着剤を流出させて薄くすることができるので好ましい。また、接着面の全面に亘って連続して溝を複数設けても良いが、第1電極62の接着面の60%以上の面積にわたって溝が形成されていれば良い。より好ましくは上述したG/Fの範囲を満たす溝が接着面の60%以上の面積にわたって形成されていることがより好ましい。上述した構成により、より多くの余分な接着剤を第1電極62の接着面に複数形成された溝を通じて流出させることができるので、第1電極62と振動板30の間の接着層Sを薄くする観点で好ましい。また、第2の実施形態に示した第2電極63に形成された溝についても同様である。なお、図9(b)においては第1電極62に複数形成される溝が平行である場合を示したが、例えば複数の溝が平行となっていない場合、第1電極62の接着面に対して直交する断面かつ、複数の溝のうち、ある溝(所定の溝)に対して直交する断面において該所定の溝がG/Fを満たすと共に、前記所定の溝が第1電極62の接着面の60%以上の面積にわたって複数形成されていれば良い。
なお、例えば第1電極62に複数の溝を形成する場合、図10に示す通り、第1電極62と振動板30、もしくは、第1電極62と第2電極63とが接着層Sを介して接着される接着面において2つの溝(M1、M2)が交わらないように複数の溝同士が間隔をおいて配置されていれば良い。余分な接着剤を溝の両端部から排出させることが容易であるという観点で複数の溝が平行となることがより好ましい。
図14(a)〜(c)は、振動板30とスペーサー基板40との接合例に係る説明図である。
図14(a)に示すように、スペーサー基板40が用意される。また、図14(b)に示すように、ヘッド基板Bが用意される。ここで、振動板30の上面には、アクチュエーター60が設けられている。
そして、図14(c)に示すように、スペーサー基板40の開口部42の位置にアクチュエーター60が位置するように、スペーサー基板40と振動板30とが接合されて、ヘッド基板Bとスペーサー基板40との接合体が形成される。
その後、図14(c)に示すヘッド基板Bとスペーサー基板40との接合体と、図4に示す接続部90が形成された配線基板50とが加熱接着されることで、積層体Aが形成されるとともに、接続部90を介してアクチュエーター60と配線基板50の配線52とが電気的に接続される。
ここで、スペーサー基板40の厚みは、アクチュエーター60及び接続部90のZ方向に沿った幅に対応する。具体的には、スペーサー基板40の厚みは、アクチュエーター60のZ方向の幅と、接続部90のZ方向の幅との和に対応する。より具体的には、スペーサー基板40の厚みは、例えば、50μm以上200μm以下である。このように、スペーサー基板40をより薄く設けることで、スペーサー基板40の熱膨張の度合いを最低限に抑えることができることから、基板どうしの熱膨張係数の差による基板の反りや基板間の剥離による問題の発生をより確実に防止することができる。
また、スペーサー基板40の厚みは、共通流路70と圧力室21との間の導通路41の長さに影響を与える。ここで、導通路41は、より短いほうが、導通路41内を通過するインクに対する流路抵抗を小さくすることができる。よって、アクチュエーター60及び接続部90のZ方向に沿った幅をより小さくすることで、スペーサー基板40の厚みをより薄くすることができることから、インクに対する流路抵抗をより小さくすることができる。
また、スペーサー基板40には、スペーサー基板40と配線基板50とを接着する接着剤が開口部42側に入り込まないようにするための構造(グルーガード)や、空気を逃がすための構造(エアー逃がし)が設けられている。
具体的には、スペーサー基板40は、例えば、図15(a)、(b)に示すように、Y方向に沿って設けられた開口部42により形成された開口部42の列の両端に、Y方向に沿う直線状のパターン43が形成されている。パターン43が、グルーガード及び空気逃がしとして機能する。
より具体的には、スペーサー基板40には、開口部42を形成するために、両面にフォトリソグラフィーが施される。ここで、片方の面(上面)にのみ、パターン43を形成することで、当該面に線上のザグリが形成される。
図15(a)、(b)に示すように、開口部42の列を形成する複数の開口部42のうち、Y方向に沿って隣接する開口部42どうしは連続している。そして、開口部42の列の両端に位置する開口部42から連続するように、パターン43が形成されている。これにより、図14(c)に示すヘッド基板Bとスペーサー基板40との接合体と、図4に示す接続部90が形成された配線基板50とが加熱接着される際に、加熱されることで体積が増加する開口部42内の空気をパターン43から逃がすことができる。即ち、パターン43は、エアー逃がしとして機能する。また、スペーサー基板40と配線基板50との間を接着するための接着剤は、図15(b)に示すスペーサー基板40の上板面の枠部分に当接することになるが、ここで、接着剤に余剰があると、余剰の接着剤は行き場を求めて上板面に沿って移動することとなる。ここで、パターン43が存在するので、余剰の接着剤はパターン43に入り込み、開口部42に進入することがない。即ち、パターン43は、グルーガードとして機能する。
なお、図15では、多数存する開口部42、パターン43及びアクチュエーター60のうち、一部について符号を付し、残りの同一構成の符号を省略している。
圧力室基板20、振動板30、配線基板50及びスペーサー基板40は、各々の熱膨張係数の差が所定値以下である。ここで、「各々の熱膨張係数の差が所定値以下である」とは、圧力室基板20、振動板30、配線基板50及びスペーサー基板40の各々の熱膨張係数の差が、各々の基板の反りによる問題が発生しない範囲であることをさす。
具体的には、圧力室基板20、振動板30、配線基板50の材料は、シリコン(Si)である。また、スペーサー基板40の材料は、42アロイである。
より具体的には、圧力室基板20及び振動板30は全体がシリコンで形成されている。配線基板50は、インターポーザー53がシリコンで形成されている。インターポーザー53は、配線基板50の構成の大部分を占める構成であることから、インターポーザー53がシリコンで形成されていることで、配線基板50の熱膨張係数を、圧力室基板20や振動板30と略同一とすることができる。
また、スペーサー基板40の材料である42アロイは、重量パーセントでニッケルが42%、鉄が57%で、残りが微量の添加物質(例えば、銅、マンガン等)からなる合金である。
ここで、シリコンの熱膨張係数は、2.5×10^−6/℃〜4×10^−6/℃である。また、42アロイの熱膨張係数は、4.5×10^−6/℃〜6×10^−6/℃である。このように、シリコンの熱膨張係数及び42アロイの熱膨張係数はともに、極めて小さい。また、シリコンの熱膨張係数と42アロイの熱膨張係数の差は、0.5×10^−6/℃〜3.5×10^−6/℃である。言い換えれば、シリコンの熱膨張係数と42アロイの熱膨張係数の差は、3.5×10^−6/℃以下であるので、所定値は、3.5×10^−6/℃である。このように、シリコンの熱膨張係数及び42アロイの熱膨張係数は、略同一である。このため、積層体Aの形成に際して行われる各基板に対する加熱等による温度変化や、インクジェットヘッド1の動作に伴う発熱による温度変化等、各種の要因による温度変化が各基板に生じたとしても、各基板の熱膨張の度合いが極めて小さく、また、略同一となることから、基板どうしの熱膨張係数の差による基板の反りや基板間の剥離による問題の発生を防止することができる。即ち、基板の反りによるノズルNからのインクの吐出角度の変化を防止することができる。また、基板間の剥離部分からインクが漏れ出すこともなくなる。このように、本実施形態のインクジェットヘッド1によれば、インクジェットヘッド1の信頼性をより向上させることができる。
また、圧力室基板20、振動板30、配線基板50及びスペーサー基板40の各々の材料は、例えば、各々の熱膨張係数の差によって生じうる基板の反りを原因とする基板間の剥離によって、インクジェットヘッド1内の電気的接続(例えば、接続部90等)が切断されてしまうことがない範囲で決定される。
一例として、スペーサー基板40が、本実施形態で想定される最大の厚み(200μm)を有する場合において、インクジェットヘッド1が常温(例えば、25℃前後)から80℃となるまで加熱された場合に、基板間の引き剥がしの度合いが0.16μm以下であれば問題ない。係る引き剥がしの度合いを実現するために基板の材料に求められる条件は、熱膨張係数10×10^−6/℃以下であることとなる。
なお、上記は、スペーサー基板40が、本実施形態で想定される最大の厚み(200μm)を有する場合の例であり、スペーサー基板40がより薄い場合には、当然、スペーサー基板40の熱膨張の度合いが小さくなることから、熱膨張係数の上限はより緩和されることとなる。このように、材料に求められる熱膨張係数は、具体的な構成に応じて適宜変更されうるが、10×10^−6/℃以下であればよいと考えられる。シリコン及び42アロイは、ともに、10×10^−6/℃を下回る熱膨張係数を示す材料である。
また、ノズル基板10の材料は、シリコンである。
ノズル基板10がシリコンであることで、ノズル基板10の熱膨張係数が、圧力室基板20、振動板30、配線基板50及びスペーサー基板40の熱膨張係数と略同一となる。よって、ノズル基板10と圧力室基板20との間の引き剥がしによる隙間からのインクの漏れ出しを防止することができる等、ノズル基板10の熱膨張係数と他の基板の熱膨張係数との差により生じうる反りによる問題の発生を防止することができる。
また、ノズルNは、例えば、ノズル基板10に対するドライエッチングにより形成される。
ドライエッチングによりノズルNを形成することで、ノズルNが形成される位置や径の精度をより高精度にすることができる。即ち、ノズルNから吐出されるインクの量や吐出位置をより高精度に調整されたものとすることができることから、より高精度なインクの吐出を行うことができるインクジェットヘッド1を提供することができる。
また、圧力室基板20、振動板30、配線基板50及びスペーサー基板40は、熱伝導率が10W・m−1・K−1以上の材料からなる。
具体的には、圧力室基板20、振動板30、配線基板50の材料であるシリコンの熱伝導率は、168[W・m−1・K−1]である。また、スペーサー基板40の材料である42アロイの熱伝導率は、15[W・m−1・K−1]である。
このように、圧力室基板20、振動板30、配線基板50及びスペーサー基板40の材料を、熱伝導率が10W・m−1・K−1以上のものとすることで、積層体A内の温度分布、特に、面方向の温度分布において、温度を均一にすることができることから、複数のノズルNの温度が均一となり、各ノズルNの温度条件を略同一にすることができる。また、インクジェットヘッド1の複数のノズルNは、各々のノズルNの射出率の差により各々で生じる熱量が異なるが、積層体Aが熱伝導率が10W・m−1・K−1以上の材料からなることから、各ノズル間での熱伝達が良好に行われ、各々のノズルNの射出率に関わらず、複数のノズルNの温度が均一となる。よって、各ノズルNの温度差により生じうるインクの射出特性のバラツキをより小さくすることができることから、より高精度なインクの吐出を行うことができる。
また、スペーサー基板40には、表面処理が施されている。
具体的には、スペーサー基板40には、表面処理として、例えば、ニッケル(Ni)によるメッキ処理が施されている。表面処理は、スペーサー基板40に導通路41や、開口部42等の形状加工が行われた後に施される。
スペーサー基板40は、表面処理により、防錆性や溶剤に対する耐性を得ることができることから、スペーサー基板40の耐久性をより向上させることができる。特に、スペーサー基板40には導通路41が設けられているので、インクに含まれている溶剤等に対する耐性を確保するため、表面処理は有効に機能する。
なお、表面処理は、ニッケル(Ni)によるメッキ処理に限らず、防錆性や溶剤に対する耐性を得られる表面処理であればよい。表面処理の他の具体例として、例えば、TEOS(Tetraethyl orthosilicate)のような珪酸エチルによる膜や、パリレン(登録商標)等のパラキシリレン系ポリマーによる膜をスペーサー基板40の表面に形成するための処理が挙げられる。当該膜を形成するための具体的な処理として、例えば、スパッタリング等の蒸着処理を用いることができる。表面処理に係るこれらの例示はあくまで一例であり、これに限られるものでない。
以上、本実施形態のインクジェットヘッド1によれば、圧力室基板20、振動板30、配線基板50及びスペーサー基板40は、各々の熱膨張係数の差が所定値以下であるので、基板の反りによるノズルNからのインクの吐出角度の変化や、基板間の剥離部分からのインクが漏れ出し等、基板どうしの熱膨張係数の差による基板の反りや基板間の剥離による問題の発生を防止することができる。
また、圧力室基板20、振動板30、配線基板50及びスペーサー基板40が、熱伝導率が10W・m−1・K−1以上の材料からなるので、インクジェットヘッド1を構成する各基板の温度分布、特に、面方向の温度分布において、温度を均一にすることができることから、複数のノズルNの温度が均一となり、各ノズルNの温度条件を略同一にすることができる。これによって、各ノズルNの温度差により生じうるインクの射出特性のバラツキをより小さくすることができることから、より高精度なインクの吐出を行うことができる。
また、圧力室基板20、振動板30、配線基板50の材料は、シリコンであり、スペーサー基板40の材料は、鉄に42%のニッケルが配合された合金であるので、一般的に入手可能な材料により、基板どうしの熱膨張係数の差による基板の反りや基板間の剥離による問題の発生を防止することができるより信頼性の高いインクジェットヘッド1を製造することができる。
また、スペーサー基板40の厚みが50μm以上200μm以下であるので、スペーサー基板40の薄さにより、スペーサー基板40の熱膨張の度合いを最低限に抑えることができることから、基板どうしの熱膨張係数の差による基板の反りや基板間の剥離による問題の発生をより確実に防止することができる。
さらに、本実施形態のように、スペーサー基板40に導通路41が形成されている場合、スペーサー基板40の薄さにより、導通路41をより短くすることができることから、インクに対する流路抵抗をより小さくすることができる。
また、スペーサー基板40に表面処理が施されているので、防錆性や溶剤に対する耐性を得ることができることから、スペーサー基板40の耐久性をより向上させることができる。
また、ノズル基板10の材料が、シリコンであるので、ノズル基板10の熱膨張係数と他の基板の熱膨張係数との差により生じうる反りによる問題の発生を防止することができる。
また、ノズルNが、ノズル基板10に対するドライエッチングにより形成されるので、ノズルNが形成される位置や径の精度をより高精度にすることができることから、ノズルNから吐出されるインクの量や吐出位置をより高精度に調整されたものとすることができ、より高精度なインクの吐出を行うことができるインクジェットヘッド1を提供することができる。
さらに、バンプ91が配線基板50に形成されるので、バンプ91の形成に伴う熱や振動によりアクチュエーター60が破損してしまうことがなくなり、インクジェットヘッド1の製造においてインクジェットヘッド1の歩留まりをより向上させることができる。
さらに、本実施形態のように、アクチュエーター60の場合、アクチュエーターの表面には凹凸があることから、仮に、アクチュエーター側にバンプ91が形成された場合、バンプ91と第1電極61との密着性に問題が生じる場合があるが、本実施形態のインクジェットヘッド1によれば、下面が平坦な面となるよう設けられた配線52の下面側にバンプ91が形成されるので、バンプ91と配線52との良好な密着性を確保することができる。
さらに、バンプ91に導電性材料92が塗布されるので、導電性材料92によりバンプ91とアクチュエーター60とを導電性材料92で接続することができることから、バンプ91と導電性材料92によりアクチュエーター60と配線基板50とをより良好に接続することができる。
さらに、導電性材料92は、導電性を有する接着剤であるので、バンプ91に対して容易に導電性材料92を塗布することができることに加えて、アクチュエーター60への導電性材料92の接着を容易に行うことができることから、アクチュエーター60と配線基板50との接続を含むインクジェットヘッド1の製造に係る工程をより容易なものとすることができる。
なお、本発明の実施の形態は、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記の実施形態では、導電性材料92として導電性接着剤が用いられているが、一例であってこれに限られるものでない。
例えば、導電性材料92は、はんだでもよい。具体的には、例えば、図4に示すようにバンプ91が形成された配線基板50に対して、スクリーン印刷機でクリームはんだを塗布することで、はんだを導電性材料92として用いることができる。この場合、複数のノズルNに対応する複数のバンプ91に対して導電性材料92の塗布を一括して行うことができる。
また、導電性材料92として、他に、銀が60%〜70%含まれたペースト等を用いることもできる。
また、上記の実施形態では、圧力室基板20、振動板30、スペーサー基板40及び配線基板50の各々の熱膨張係数の差が所定値以下であるという条件を満たす材料として、圧力室基板20、振動板30及び配線基板50にシリコンが用いられ、スペーサー基板40に42アロイが用いられているが、一例であってこれに限られるものでない。即ち、当該記載は、現在及び将来において、圧力室基板20、振動板30、スペーサー基板40及び配線基板50の各々の熱膨張係数の差が所定値以下である他の材料を採用することを何ら妨げるものでない。
また、上記の実施形態では、スペーサー基板40の全体に表面処理が施されているが、一例であってこれに限られるものでない。最低限、スペーサー基板40に設けられた導通路41に表面処理が施されていれば、インクとの接触に係る防錆性や溶剤に対する耐性を確保することができる。
また、上記の実施形態における積層体Aの構成はあくまで一例であって、これに限られるものでない。
例えば、図16に示すように、ノズル基板10と圧力室基板20との間に、さらに、別の基板(中間基板100)が設けられていてもよい。中間基板100は、例えば、導通路101をノズル基板10と圧力室基板20との間に設ける目的で設けられる。図16に示すように、中間基板100により導通路101を設けることで、インクが通過する経路の径を絞る形状とする等、ノズルNに至るインクの流路の形状をより容易に任意の形状とすることができることから、インクの吐出に係りインクに加えられる運動エネルギーを調整するためのインクの経路の形状の調整をより容易に行うことができる。
なお、図16に示す例の場合、中間基板100も、他の基板との熱膨張係数の差が所定値以下であることが望ましい。具体的には、中間基板100は、例えば、シリコンを材料とすることで、他の基板との熱膨張係数の差を所定値以下とすることができる。
また、上述した第1の実施態様及び第2の実施態様で示した第1電極62及び第2電極63としてSiO2、Cr、及びAuの順にスパッタリング法等でSiO2、Cr、及びAuの順に積層することで形成されることを示したが、例えばSiO2(150μm)、Ti(50μm)、Au(200μm)やSiO2(150μm)、TiW(50μm)、Au(200μm)等が積層されて形成される電極を用いても良い。またSiO2として、熱酸化膜を備えるSiO2を用いることもできる。
また、上記の実施形態では、圧力室基板20と振動板30とが個別に設けられて積層されているが、一例であってこれに限られるものでない。例えば、圧力室基板20と振動板30とが一体形成されていてもよい。
1 インクジェットヘッド
10 ノズル基板
20 圧力室基板
21 圧力室
30 振動板
40 スペーサー基板
41、51 導通路
50 配線基板
52 配線
53 インターポーザー
60 アクチュエーター
61 配線電極
62 第1電極(層)
63 第2電極(層)
70 共通流路
90 接続部
91 バンプ
92 導電性材料
A 積層体
B ヘッド基板
N ノズル
S 接着層

Claims (15)

  1. 液滴を吐出して画像を形成するノズルと、
    圧力室基板と、
    振動板と、
    前記圧力室基板と前記振動板とから形成され、前記ノズルと連通する圧力室と、
    前記振動板の側に第1電極層が設けられたアクチュエーターとを備え、
    前記振動板と前記第1電極層とが接着層を介して接着されて前記アクチュエーターが前記振動板を変形させて液滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、
    前記第1電極層の前記振動板との接着面を横断するように溝が設けられていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記溝を複数備えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記第1電極層の接着面に形成される前記複数の溝が平行に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記接着面は矩形であり、
    前記複数の溝の各々は、前記矩形の辺に対して傾斜した方向に沿って設けられており、
    前記複数の溝は、前記矩形の各辺に少なくとも一つの溝の端部が位置するように設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記溝が形成される第1電極層の接着面に対して直交する断面、かつ前記溝のうち、所定の溝に対して直交する断面において、
    前記溝の幅をG、前記溝が形成されていない部分の幅Fとすると、
    0.3<G/F<0.7
    となるように前記溝が形成され、該溝が前記第1電極の接着面の面積の60%以上にわたって形成されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記溝の深さdが0μm<d≦1.0μmであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記ノズルは複数備えられると共に、
    前記ノズルに対応して前記第1電極層を備える前記アクチュエーター及び前記振動板が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  8. 液滴を吐出して画像を形成するノズルと、
    圧力室基板と、
    前記圧力室基板と反対側に第2電極層が設けられた振動板と、
    前記圧力室基板と前記振動板とから形成され、前記ノズルと連通する圧力室と、
    前記振動板の側に第1電極層が設けられた前記アクチュエーターと、
    を備え、
    前記第1電極層と前記第2電極層とが接着層を介して接着されて前記アクチュエーターが前記振動板を変形させて液滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、
    前記第1電極層と前記第2電極層とが積層方向において接着層を介して重なる領域を接着面とし、
    前記第2電極層の接着面側に溝が前記積層方向と直交する方向に貫通するように前記接着面に設けられると共に、前記溝の端部が前記接着面の領域外の位置となるように設けられていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  9. 前記溝を複数備えることを特徴とする請求項に記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記第2電極層に形成される前記複数の溝が平行に設けられていることを特徴とする請求項に記載のインクジェットヘッド。
  11. 前記接着面は矩形であり、
    前記複数の溝の各々は、前記矩形の辺に対して傾斜した方向に沿って設けられており、
    前記複数の溝は、前記接着面に垂直な方向から見て前記矩形の各辺に対して少なくとも一つの溝が交差するように設けられていることを特徴とする請求項9又は10に記載のインクジェットヘッド。
  12. 前記溝が形成される第1電極層の接着面に対して直交する断面、かつ前記溝のうち、所定の溝に対して直交する断面において、
    前記溝の幅をG、前記溝が形成されていない部分の幅Fとすると、
    0.3<G/F<0.7
    となるように前記溝が形成され、該溝が前記第2電極の接着面の面積の60%以上にわたって形成されていることを特徴とする請求項9から11のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  13. 前記溝の深さdが0μm<d≦1.0μmであることを特徴とする請求項8から12のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  14. 前記ノズルは複数備えられると共に、
    前記ノズルに対応して前記第1電極層を備える前記アクチュエーター及び前記第2電極層を備える振動板が設けられていることを特徴とする請求項8から13のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドを搭載したことを特徴とするインクジェット記録装置。
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