JP6295489B2 - 板状粒子用造粒物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、板状粒子用造粒物の製造方法に関し、詳しくは不純物の混入や過度のバインダーを含有することなく、安定した品質を維持できる板状粒子用造粒物の製造方法関する。
近年、電子、通信機器がデジタル化され、高性能化、小型化に伴って、他の機器から発生する電磁波がノイズとして機器に誤作動を生じさせたり、人体に悪影響を及ぼすことが懸念されている。そのため、電磁波を発生源から漏らさない、もしくは外部からの電磁波を遮断する電磁波吸収材料や電磁シールド材料に対する要求が増加してきている。特に、データ転送速度や処理速度が高速化しているため信号も高速化され、周波数も高速化されるので、高周波領域での良好な電磁波吸収材料や電磁シールド材料が求められている
従来から、フェライト材料は透磁率が高いために、電磁波吸収材料や電磁シールド材料として用いられており、電磁波吸収特性はフェライトの自然共鳴周波数以上の周波数領域が電磁波吸収領域になることが知られている。
フェライトの形状は、電磁波吸収特性に多くの影響を与え、板状又は扁平状のフェライトは、配向させることで粒子間の隙間が埋まり、電磁波が漏れにくくなることが知られている。
このような板状又は扁平状フェライトを製造するには、種々の提案がなされている。
特許文献1(特開平10−233309号公報)には、軟磁性フェライトの原料を一定雰囲気下において溶解する溶解工程と、溶解工程において得られた溶湯を、一定雰囲気下で予熱された鋳型に注型したのち、特定条件で冷却し、軟磁性フェライトの鋳塊を製造する鋳造工程と、鋳造工程により得られた鋳塊を粉砕手段で鋳塊を粉砕する粉砕工程とを備える扁平フェライト粉末の製造方法が記載されている。この特許文献1の製造方法では、球状粉を粉砕するような困難な作業を伴わずに、設定した条件で鋳造したフェライトの鋳塊を粉砕するだけで、扁平フェライト粉末を容易に製造することができるので、シート状磁界シールド材用フェライト粉末の製造工程の簡略化に寄与し、その工業的価値は大であるとされている。
また、特許文献2(特開2001−284118号公報)には、フェライト用原料を用いてシートを成形し、このシートを焼成してフェライト化し、フェライト化されたシートを粉砕し、扁平状フェライト粒子を含むフェライト粒子を得る工程を含むフェライト粉の製造方法が記載されている。この特許文献2の製造方法によって、透磁率の高い、また高周波帯域において優れたノイズ吸収特性を示し、さらに絶縁性に関して信頼性の高い複合磁性成形物を得るのに適したフェライト粉を、容易に、かつ、安定に提供できると記載されている。
特許文献3(特開2000−252113号公報)には、形状が板状であり、組成がMgCuZnFe(但し、0.3≦a≦0.5、0≦b≦0.2、0.4≦c≦0.6、1.8≦d≦2.2)であることを特徴とする軟磁性フェライト粒子粉末が記載されている。この特許文献3の軟磁性フェライト粒子粉末をマトリックス中に混合させた軟磁性フェライト粒子複合体は、低周波帯において比透磁率の実数部が高く、高周波帯において広い帯域にわたる電磁波の吸収が可能であり、また加工性に優れ柔軟性に飛んでいるとされている。そして、特許文献3に記載の軟磁性フェライト粒子粉末は、Fe元素の供給源として板状のα−Feを用い、フェライト原料を1200℃以下の温度で焼成することにより得られるとされている。
しかし、これら特許文献1〜3に記載されているような製造方法では、所望特性を有する安定した品質を有する板状又は扁平状フェライト粉末は得られていない。
そこで、基材にフェライトの原料となる各種金属酸化物や仮焼粉を有機溶媒と共に塗布し、有機溶媒を除去したのち焼成を行うことが提案されている。
特許文献4(特開2001−15312号公報)には、微粉末フェライトとバインダーとを混合した混合液を、フィルムにコーティングしてフェライトシートを形成し、フィルムよりフェライトシートを剥がし、フェライトシートを粉砕した後に焼成して、フェライト粉末とし、フェライト粉末をペースト材と混合し、磁性電磁波吸収ペーストを製造する磁性電磁波吸収ペーストの製造方法が記載されている。特許文献4では、この製造方法によって、アスペクト比が10以上のフェライトの粒子を有する磁性電磁波吸収ペーストを作成することができ、広帯域、高周波の電磁波を高い吸収率で吸収できる磁性電磁波吸収ペーストを製造できるとしている。
しかし、特許文献4のように、フェライトシートをフィルムから剥離させてフェライトシートだけを取り出そうとするとフェライトシートが破壊され、安定な状態でフェライト粉末を得ることが難しかった。また、フェライトシートをフィルムから剥離時に破壊されないようにするためには、塗布する混合液に対してバインダー成分を多く添加する必要があるが、バインダー成分の増加は焼成時のフェライト中の空孔生成やグレイン成長の阻害要因となっていた。
特開平10−233309号公報 特開2001−284118号公報 特開2000−252113号公報 特開2001−15312号公報
上述したように、安定した品質を有する板状粒子用造粒物、特に板状フェライト造粒物(前駆体)の製造方法は見出されていない。
従って、本発明の目的は、不純物の混入や過度のバインダーを含有することなく、安定した品質を有する板状粒子用造粒物の製造方法提供することにある。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討した結果、造粒物である塗膜を液体中で回収する下記に示す製造方法を採用することによって、上記目的を満足することを知見し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、フィラーを含有するスラリーである親水性インクを疎水性基材上に塗工して凝固した塗膜を形成し、該塗膜が形成された基材ごと液体に浸漬させ、該塗膜を回収することを特徴とする板状粒子用造粒物の製造方法を提供するものである。
本発明に係る上記板状粒子用造粒物の製造方法において、上記凝固した塗膜は、水分を含んだ状態で、上記液体に浸漬させることが望ましい。
本発明に係る上記板状粒子用造粒物の製造方法において、上記凝固した塗膜から水分を除去した後、液体に浸漬させてもよい。
本発明に係る上記板状粒子用造粒物の製造方法において、上記フィラーは、金属酸化物、金属炭酸塩、金属水酸化物、及びそれらの混合物、複合酸化物から選ばれる1種類以上であり、上記親水性インク中に20〜95重量%含有することが望ましい。
本発明に係る上記板状粒子用造粒物の製造方法において、上記親水性インクは、寒天を含有することが望ましい。
本発明に係る上記板状粒子用造粒物の製造方法において、上記親水性インクの水分に対して、寒天を0.5〜3重量%含有することが望ましい。
本発明に係る上記板状粒子用造粒物の製造方法において、上記親水性インクを40〜98℃で上記疎水性基材上に塗工することが望ましい。
本発明に係る上記板状粒子用造粒物の製造方法において、上記塗工時の塗膜のウェット厚さは5〜100μmであることが望ましい。
本発明に係る上記板状粒子用造粒物の製造方法において、上記浸漬させる液体は、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールから選ばれる1種類以上であることが望ましい。
本発明の製造方法は、液体中で造粒物(凝固した塗膜)を疎水性基材から自発的に剥離させ回収することから、基材の成分が造粒物中に混入することがなく、また造粒物が破壊されることもない。また、バインダーを過度に含有させるものでもないため、焼成時に板状粒子の空孔生成やグレイン成長の阻害要因となることもない。このようにして安定した品質の板状粒子用造粒物及び板状粒子が得られる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
<本発明に係る板状粒子用造粒物の製造方法>
本発明の板状粒子用造粒物の製造方法では、予めフィラーを含有する親水性インクを調製する。フィラーとしては、金属酸化物、金属炭酸塩、金属水酸化物、及びそれらの混合物、複合酸化物から選ばれる1種類以上が挙げられ、フェライト原料が好ましく用いられる。
その具体例としては、所定割合で配合したフェライト原料を乾式混合し、次いで造粒(ペレット化)する。得られた造粒物を、例えば大気中、950℃にてロータリーキルンを用いて仮焼する。これを乾式粉砕した後、湿式粉砕し、スラリー粒径を3μm以下とし、その後水分量を調整し親水性インクとする。
なお、スラリー粒径は1.5μm以下であれば焼成を行った後の板状粒子の表面性がより平滑になるので好ましい。
このフィラーを含有する親水性インクには、フィラーを20〜95重量%を含有することに加えて、寒天を含有することが望ましい。寒天は、親水性インクの水分に対して0.5〜3重量%含有することが望ましい。寒天を含有することによって、フィラーの分散性を保持するだけでなく、塗工直後に塗膜を室温中でごく短時間で凝固させることができる。
寒天の添加量が0.5重量%より少ない場合、塗工後インクが凝固するのに時間がかかるので好ましくない。3重量%を超えると、高温で保持してもインクの粘度が高くなりすぎ、塗工ができなくなる恐れがある。
親水性インクに含有されるフィラーが20重量%を下回ると、塗工し、塗膜面のみを本特許記載の方法にて剥離させる際に破壊されてしまい、板状の造粒物(フェライト前駆体)を得ることができない。95重量%を超えるとインク中の水分が少なすぎるため塗工の際に十分広がらず塗膜を形成させることができない。
寒天は、テングサ、オゴノリ、オバクサ等から選ばれたものが用いられ、特に限定されない。また、寒天の形状は、粉末寒天、フレーク寒天、固形寒天、角寒天、糸寒天のいずれも使用できるが、生産性を考慮すると、吸水性能に優れる粉末寒天が好適に使用できる。
本発明では、このフィラーを含有する親水性インクを疎水性基材上に塗工して凝固した塗膜を形成する。親水性インクは、予め寒天やポリカルボン酸高分子界面活性剤等のバインダー成分や分散剤を添加し、固形分を調整し、寒天を溶解するために、95℃以上で加熱、分散し、次いで水分が蒸発しないように、親水性インクの温度を40〜95℃とする必要がある。
親水性インクの温度が40℃が下回ると凝固が始まるため塗工に使用できない。95℃より高い場合は親水性インクの粘度が下がりすぎるため、疎水性基材に塗工した場合、親水性インクの表面張力により塗膜が形成できないことがある。塗工する速度と塗工厚さ(ウェット厚さ)によって親水性インクの粘度を調整すればよく、そのためには親水性インクの温度を上記の範囲にすればよい。
疎水性基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材やガラス基材等が用いられる。また、塗工はワイヤーバーコーターやアプリケーター等によって行われる。
このようにして得られた塗膜は、塗工した後に急激に冷却されることで水分を含んだ状態で凝固する。この塗膜の厚さは、ウェット厚さとして5〜100μmであることが望ましい。
ウェット厚さが5μmよりも薄い場合は、液体中で塗膜を剥離する際に剥離しにくく、塗膜が破壊されやすいため所望の板状の造粒物(フェライト前駆体)を得ることができない。100μmよりも厚い場合、親水性インクの含有量にもよるが、塗工直後の乾燥に時間がかかり、乾燥中に塗膜が湾曲したり、ひびが入り、板状の造粒物(フェライト前駆体)を得ることができないことがある。
この塗膜は、水分を含んだまま、もしくは乾燥によって水分を除去した後に、疎水性基材と共に、液体中に浸漬させる。ここで用いられる液体としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が例示される。より好ましくは、塗膜に含有している水分を脱水することができるのでメチルアルコールとエチルアルコールが用いられる。
液体中に浸漬された塗膜は、自発的に疎水性基材から剥離するため、塗膜は濾過及び/又は沈降等によって板状粒子用造粒物(前駆体)として回収することができる。
この板状造粒物は、乾燥後、脱バインダー処理し、さらに焼成し、粗粉砕、粒度(板径)調整することによって、所望の粒径を有する板状粒子が得られる。板状粒子としてはフェライト粒子が好適に挙げられる。
上記製造方法により得られた板状粒子の平均板厚は5〜100μmであることが好ましい。平均板厚が5μmよりも小さい場合はフェライト粒子が割れやすく、樹脂に混合するフィラーとして使用すると粒子が割れた状態で分散されるため、割れたところから電磁波が漏れるため電磁波のシールド効果が劣る可能性がある。平均板厚が100μmを超えると、樹脂に混合するフィラーとしての配向性がなくなるため、粒子間の距離が広がりやすくなるため電磁波のシールド効果が劣る可能性がある。
上記製造方法により得られた板状粒子の平均板径は50〜3000μmであることが好ましい。平均板径が50μmよりも小さい場合、樹脂に混合するフィラーとして使用する場合、フィラーの配向性が弱くなるため粒子間の距離が広がりやすく、電磁波のシールド効果が劣る可能性がある。また、上記範囲よりも板径が小さい粒子は透磁率の周波数特性の立ち上がりを悪くする原因となるため、分級によって除去されることが好ましい。
本発明に係る製造方法では平均板径は3000μmよりも大きいものも作製可能であるが、樹脂と混合する際に分散しにくくなるので好ましくない。そのため、板径が上記よりも大きい粒子は所望の平均板径となるように粉砕される。
上記製造方法により得られた板状粒子のアスペクト比(平均板径/平均板厚)は2〜600であることが好ましい。アスペクト比が2より小さい場合、フィラーとして使用した場合、平均板径、及び/又は、平均板厚によらず十分な配向性が得られないため十分な電磁波シールド効果を得ることができない。アスペクト比が600よりも大きい場合は平均板径、及び/又は、平均板厚によらず樹脂に混合する際に分散しにくく、ハンドリング性に劣るため好ましくない。
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
〔実施例1〕
(インクの作製)
Fe:49モル、NiO:12モル、ZnO:33モル、CuO:6モルとなるように酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛を秤量し、ヘンシェルミキサーで混合後、混合物をローラーコンパクターでペレット化したのち、焼成温度1000℃、大気雰囲気のロータリーキルンにて仮焼を行った。
得られた仮焼成物をロッドミルにて粗粉砕を行った後、湿式ビーズミルにて微粉砕を行い、その後固形分が80重量%となるように水分量を調整したケーキ状の仮焼成物を得た。ケーキ状の仮焼成物に分散剤を添加し、ホモジナイザーを使用して分散することで、水系インクとした。さらに水系インクの水分量に対して1.5重量%となるように寒天を添加した。得られたインクを100℃まで混合・撹拌しながら加熱し、寒天を溶解させたのち、インクの温度が65℃となるように温度を保持した。
(塗工と塗工面からの剥離)
塗工直前に上記インクの固形分を再度80重量%となるように調製した後、塗工は市販のPETフィルム(厚さ100μm)にバーコーター(#6)により上述のインクを用いて行った。塗工後、水分を除去したのち、メタノールにPETフィルムごと浸漬することでインク部分のみを剥離させ、さらにメタノールを除去することで焼成前の板状粒子用造粒物(フェライト前駆体)を得た。
(焼成)
得られた焼成前の板状粒子用造粒物(フェライト前駆体)を650℃の大気中にて脱バインダー処理を行った後、1220℃の大気雰囲気で本焼成を4時間行った。得られた焼成物は板状となっており、粉砕することで厚さ12μm、平均板径477μmの板状フェライト粒子が得られた。
(厚さ方向の測定、平均板径の測定及びアスペクト比)
平均板径(長軸方向)は倍率35倍のSEMにて撮影し、得られた画像を1視野ごとにA4サイズでプリントアウトし、定規にて粒子の水平フェレ径を測定し、100粒子の算術平均を平均板径とした。
粒子の厚さは、下記の方法にて測定用サンプルを作製し、厚さを計測した。
得られたフェライト粒子を9gと粉末樹脂1gを50ccガラス瓶に入れ、ボールミルにて30min混合し、得られた混合物を直径13mmのダイスに入れて30MPaで加圧成型した。成型体の断面が見えるように垂直に立てた状態で樹脂に包埋し、研磨機で研磨することで厚さ測定用サンプルとした。準備した厚さ測定用サンプルを倍率50倍のSEMにて撮影し、得られた粒子の厚さ(短軸方向の長さ)を測定し、100粒子の算術平均を粒子の厚さとした。
アスペクト比は上記測定方法により算出された平均板径及び平均板厚から、アスペクト比=平均板径/平均板厚として算出した。
〔実施例2〕
インクの固形分を89重量%とし、塗工時のインク温度を70℃とした以外は実施例1と同様にして板状フェライト粒子を得た。
〔実施例3〕
インクの固形分を65重量%とし、塗工時のインク温度を55℃とした以外は実施例1と同様にして板状フェライト粒子を得た。
〔実施例4〕
インクの固形分を30重量%とし、塗工時のインク温度を45℃とした以外は実施例1と同様にして板状フェライト粒子を得た。
〔実施例5〕
バーコーターを#12とした以外は実施例1と同様にして板状フェライト粒子を得た。
〔実施例6〕
寒天の添加量を1重量%とし、塗工時のインク温度を50℃とした以外は実施例1と同様にして板状フェライト粒子を得た。
〔実施例7〕
寒天の添加量を2.5重量%とし、塗工時のインク温度を75℃とした以外は実施例1と同様にして板状フェライト粒子を得た。
〔実施例8〕
塗工物を浸漬させる液体を水とし、塗工直後に塗工したPETフィルムを浸漬させ、板状酸化物粒子(フェライト前駆体)を剥離したのち、水を除去し、メタノールにて洗浄、乾燥を行った以外は実施例1と同様にして板状フェライト粒子を得た。
〔実施例9〕
塗工方法をアプリケーター(2mil)とした以外は実施例1と同様にして板状フェライト粒子を得た。
〔実施例10〕
塗工方法をアプリケーター(3.5mil)とした以外は実施例1と同様にして板状フェライト粒子を得た。
実施例1〜10の原料仕込、仮焼条件(焼成温度及び焼成雰囲気)、微粉砕(スラリー粒径)及び親水性インク(固形分及び寒天含有量)を表1に示す。また、塗工条件(塗工方法、インク温度、粘度、乾燥の有無及び剥離用液体)、脱バインダー処理条件(処理温度及び焼成雰囲気)及び本焼成条件(焼成温度及び焼成雰囲気)を表2に示す。さらに、フェライト粒子の特性(板径、板厚、アスペクト比及び磁気特性)を表3に示す。なお、磁気特性は、5K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときのVSM測定による数値であり、下記により測定される。
(磁気特性)
磁気特性は、振動試料型磁気測定装置(型式:VSM−C7−10A(東英工業社製))を用いて測定した。測定試料(フェライト粒子)は、内径5mm、高さ2mmのセルに詰めて上記装置にセットした。測定は、印加磁場を加え、5K・1000/4π・A/mまで掃引した。次いで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作成した。このカーブのデータより印加磁場が5K・1000/4π・A/mにおける磁化を読み取った。また、残留磁化及び保磁力も同様に算出した。
Figure 0006295489
Figure 0006295489
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表2に示されるように、実施例1〜10の製造方法によって、いずれも所定の板径、板厚及びアスペクト比を有する板状フェライト粒子が得られた。
本発明の製造方法により、安定した品質を有する板状粒子用造粒物(前駆体)を製造することができる。この板状粒子用造粒物は、焼成して板状粒子とされる。
このため、本発明に係る板状粒子用造粒物の製造方法は、電磁波吸収材料や電磁シールド材料の用途に使用される板状フェライト粒子の製造方法として好適に用いられる。

Claims (9)

  1. フィラーを含有するスラリーである親水性インクを疎水性基材上に塗工して凝固した塗膜を形成し、該塗膜が形成された基材ごと液体に浸漬させ、該塗膜を回収することを特徴とする板状粒子用造粒物の製造方法。
  2. 上記凝固した塗膜は、水分を含んだ状態で、上記液体に浸漬させる請求項1に記載の板状粒子用造粒物の製造方法。
  3. 上記凝固した塗膜から水分を除去した後、上記液体に浸漬させる請求項1に記載の板状粒子用造粒物の製造方法。
  4. 上記フィラーは、金属酸化物、金属炭酸塩、金属水酸化物、及びそれらの混合物、複合酸化物から選ばれる1種類以上であり、上記親水性インク中に20〜95重量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載の板状粒子用造粒物の製造方法。
  5. 上記親水性インクは、寒天を含有する請求項1〜のいずれか記載の板状粒子用造粒物の製造方法。
  6. 上記親水性インクの水分に対して、寒天を0.5〜3重量%含有する請求項に記載の板状粒子用造粒物の製造方法。
  7. 上記親水性インクを40〜98℃で上記疎水性基材上に塗工する請求項1〜のいずれかに記載の板状粒子用造粒物の製造方法。
  8. 上記塗工時の塗膜のウェット厚さが5〜100μmである請求項1〜のいずれかに記載の板状粒子用造粒物の製造方法。
  9. 上記浸漬させる液体が、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールから選ばれる1種類以上である請求項1〜のいずれかに記載の板状粒子用造粒物の製造方法。
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