JP6294724B2 - ガス分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、混合ガスから被分離ガスを分離するガス分離装置に関する。
近年、地球温暖化をはじめとする環境問題がクローズアップされている。このような情勢下、水素等のガスをエネルギー源とするために、高純度のガスを分離するガス分離装置の開発が行なわれている。従来のガス分離装置としては、水素を含む混合ガスから水素を選択的に分離するガス分離装置が知られている(例えば、特許文献1)。
国際公開第WO2011/152408号
ここで、上述したガス分離装置にあっては、水素濃度の低い混合ガスから水素を分離する場合は、水素濃度の高い混合ガスから水素を分離する場合と比べ、水素の回収率が低下するおそれがあった。また、水素に限らず、被分離ガスの濃度の低い混合ガスから被分離ガスを分離する場合は、被分離ガスの濃度の高い混合ガスから被分離ガスを分離する場合と比べ、被分離ガスの回収率が低下するおそれがあった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、混合ガスから高い回収率で被分離ガスを回収するガス分離装置を提供することを目的とする。
本発明に係るガス分離装置は、被分離ガスを選択的に透過させるガス分離膜によって、混合ガスに含まれる被分離ガスを混合ガスから分離するガス分離部と、ガス分離部で分離された被分離ガスの流路に配置され、駆動流体によってガス分離膜の透過側を減圧する減圧部と、を備える。
このガス分離装置は、駆動流体によってガス分離膜の透過側を減圧する減圧部を備えている。これにより、ガス分離膜の透過側が減圧されることで透過側と非透過側の圧力差が大きくなり、被分離ガスの透過が促進される。これによって、被分離ガスを含む混合ガスから被分離ガスを高い回収率で回収することができる。特に、混合ガス中の被分離ガスの濃度が低い場合であっても、本発明によれば、高い回収率で被分離ガスを回収することができる。
本発明に係るガス分離装置において、ガス分離膜は、水素を選択的に透過させる水素分離膜であってよい。これにより、多種のガスの中でも、エネルギー源として多く用いられる水素を高純度で回収することができる。
本発明に係るガス分離装置において、駆動流体は、水蒸気であってよい。これにより、製油プラント等で排出され、不要となった大量の水蒸気を利用する場合等は、被分離ガスを低コストで大量に回収することができる。
本発明に係るガス分離装置において、駆動流体は、水素であってよい。これにより、被分離ガスと駆動流体とが同種類であるため、減圧部から排出されるガスの後処理等を省くことができる。
本発明に係るガス分離装置において、被分離ガスと駆動流体とが混合され減圧部から排出されるガスを冷却するコンデンサーを更に備え、コンデンサーは、駆動流体を凝縮することによってガスから被分離ガスを分離してもよい。これにより、被分離ガスを気体のまま保つ一方で駆動流体を液体に凝縮させることができるため、被分離ガスと駆動流体とを容易に分離することができる。
本発明によれば、混合ガスから高い回収率で被分離ガスを回収することができる。
第一実施形態に係るガス分離装置の構成を示す模式図である。 ガス分離部の構成を示す模式図である。 第二実施形態に係るガス分離装置の構成の一例を示す模式図である。 第三実施形態に係るガス分離装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施例における、透過側圧力と水素回収率との関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
[第一実施形態]
まず、図1,2を参照して、第一実施形態に係るガス分離装置の構成を説明する。図1は、第一実施形態に係るガス分離装置1の構成を示す模式図である。図2は、ガス分離部10の構成を示す模式図である。
本実施形態に係るガス分離装置1は、混合ガスに含まれる水素(被分離ガス)を混合ガスから分離し回収する装置である。混合ガスは、水素製造装置(不図示)からガス分離装置1へ供給される。ガス分離装置1は、99%以上の純度の水素を回収することができる。燃料電池等で用いる水素を回収する場合は、99.99%以上の高純度の水素を回収することが好ましい。このように、ガス分離装置1は、高い回収率で水素を回収する装置である。水素の回収率とは、当初混合ガスに含まれていた水素のうち、分離された水素の割合と定義する。
水素製造装置は、少なくとも水素(H)を含む混合ガスを供給する。混合ガスは、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)、及び一酸化炭素(CO)等を含んでいてもよい。混合ガスに含まれる水素濃度は、約20〜80%の範囲にある。水素製造装置は、水蒸気改質によって水素を生成する装置等が挙げられるが、水素を含む混合ガスを供給することができるものであれば、特に限定されない。ガス分離膜の面積X(cm)と、単位時間当たりの被処理ガスに含まれる水素の量Y(Nm/時)との比X/Yは、十分に高い回収率を達成する観点から、好ましくは0.05以上であり、より好ましくは0.09〜0.11である。水素製造装置からガス分離装置1へ供給される混合ガスの圧力は、ガス分離膜が十分な耐久性を発揮するために0.1〜5MPaGであることが好ましい。
ガス分離装置1は、図1に示すように、ガス分離部10と、減圧部20と、コンデンサー30とを備えている。
ガス分離部10は、図2に示されるように、水素を選択的に透過させる水素分離膜11(ガス分離膜)によって、混合ガスに含まれる水素を混合ガスから分離する。具体的にガス分離部10は、筒体15の内部に円筒状の水素分離膜11を配置することによって構成されている。外周側の空間(水素分離膜11と筒体15との間の空間)が、水素分離膜11を透過した水素を回収する回収室RCを構成している。水素分離膜11の内側の空間が、混合ガスが供給される供給室SPを構成している。筒体15の一方の端面は、混合ガスを供給室SPへ供給する流路L1と、透過されなかった混合ガスを供給室SPから排出する流路L2とに連通している。筒体15の他方の端面は、回収室RCへ透過された水素の流路L3に連通している。このように、水素分離膜11は、混合ガスに含まれる水素を選択的に透過させ、水素分離膜11の透過側にある回収室RC内に水素を回収させる。水素の透過は、供給室SP内へ供給された混合ガスの供給圧力と回収室RC内の圧力との圧力差、及び水素分離膜11の化学吸着能によって生じる。
なお、ガス分離部10の構成は、図2に示されるものに限定されず、あらゆる構成を採用してよい。例えば、複数の円筒状の水素分離膜を筒体15内に有していてもよい。また、円筒状ではなく平面状の水素分離膜を用いてもよい。つまり、ガス分離部10は、少なくとも、混合ガスが供給される供給部と、水素分離膜を透過した水素を回収する回収部と、供給部と回収部とを隔て水素を選択的に透過させる水素分離膜と、を備えていればよい。この条件を満足する限り、ガス分離装置の構成は限定されない。
水素分離膜11は、水素を選択的に透過させることができれば、特に限定されず、あらゆる種類の水素分離膜を適用できる。例えば、水素分離膜11として、多孔質膜(分子流によって分離するもの、表面拡散流によって分離するもの、毛管凝縮作用によって分離するもの、分子ふるい作用によって分離するもの等)や、非多孔質膜を適用することができる。水素分離膜11は、例えば、Pd−Cu合金を含む。好ましくは、水素分離膜11は、Pd−Cu合金からなる。Pd−Cu合金製の水素分離膜11の使用温度は、ガス分離膜が十分な透過性能および耐久性を発揮するために150〜450℃が好ましく、150〜300℃以下であることがより好ましい。また、Pd−Ag合金を含む水素分離膜11を適用してもよく、このときの使用温度は400〜600℃が好ましい。さらに、Nbを含む水素分離膜11を適用してもよく、このときの使用温度は200〜400℃が好ましい。ゼオライト膜、無機膜(シリカ膜、カーボン膜など)、及び高分子膜(ポリイミド膜など)を適用してもよく、このときの使用温度は、ガス分離膜が十分な透過性能および分離性能を発揮するために常温〜200℃が好ましい。水素分離膜11の温度を調整するために、ヒーターなどの加熱機構を設けてもよい。
減圧部20は、ガス分離部10で分離された水素の流路L3に配置され、駆動流体によって水素分離膜11の透過側(回収室RC内)を減圧する。駆動流体には、例えば、製油プラント等で排出され、不要となった水蒸気を用いるとするが、これに限らず後述するように水素等を用いてもよい。減圧部20は、図1に示されるように、負圧室23と、駆動流体パイプ22と、排出パイプ24と、水素パイプ21とを備えている。駆動流体パイプ22、排出パイプ24、及び水素パイプ21は、負圧室23に対して、それぞれ異なる方向から挿入されている。
負圧室23は、駆動流体によって負圧を発生させる内部空間Aを備えている。負圧室23の形状は特に限定されず、六面体形状であってもよく円柱状であってもよい。負圧室23の一の壁部23aには外部から内部空間Aへ向かって駆動流体パイプ22が挿入され、壁部23aと対向する壁部23cには外部から内部空間Aへ向かって排出パイプ24が挿入され、壁部23a,23cと直交する位置に設けられる壁部23eには、外部から内部空間Aへ向かって水素パイプ21が挿入されている。なお、負圧室23の内部空間Aは、各パイプ21,22,24の挿入部を除き、密閉されている。
駆動流体パイプ22は、外部から供給された駆動流体を負圧室23の内部空間Aへ供給する。なお、図において駆動流体には梨地模様が付されている。駆動流体パイプ22は、内部空間Aを壁部23aから反対側の壁部23c側へ延びるノズル部22aを備えている。ノズル部22aの内径は、長さ方向の中途位置に形成される最小径部22bにおいて最小となると共に、先端側へ向かうに従って大きくなる。これによって、ノズル部22aは、高圧で供給された駆動流体の圧力エネルギーを速度エネルギーに変換することができる。
排出パイプ24は、駆動流体パイプ22から噴出された駆動流体及び水素パイプ21から吸引された水素を下流側へ排出する。排出パイプ24の内部空間A側の端部は、駆動流体パイプ22のノズル部22aの先端と対向するように配置されている。また、排出パイプ24は、排出パイプ24の中心軸線と駆動流体パイプ22の中心軸線とが同一直線上に位置するように配置されている。ノズル部22aの先端は、排出パイプ24における内部空間A側の端部の開口部との間で隙間Bを形成するように配置されている。なお、排出パイプ24は、駆動流体パイプ22及び水素パイプ21に比べて十分に長い寸法で、負圧室23の外部へ延びている。排出パイプ24は、長さ方向における中央付近から負圧室23の外側に位置する端部までの区間において、徐々に内径が大きくなる末広部24bを有する。言い換えると、排出パイプ24の内部形状は、低圧ガスの速度エネルギーを圧力エネルギーに変換するディフューザー形状として構成されている。
減圧部20では、以下のように水素分離膜11の透過側(回収室RC内)を減圧する。まず、高圧状態の水蒸気(駆動流体)が、負圧室23の外側に位置する駆動流体パイプ22の端部から駆動流体パイプ22内へ流入する。水蒸気が、駆動流体パイプ22内の最小径部22bに到達すると、流速が最大となり、負圧室23内に負圧が発生する。その後、水蒸気は、駆動流体パイプ22の端部から負圧室23に排出され、駆動流体パイプ22のノズル部22aの先端部と対向する排出パイプ24の端部から排出パイプ24内へ流入する。負圧室23に負圧が発生したことによって、ガス分離部10で分離された水素が、負圧室23の外側に位置する水素パイプ21の端部から水素パイプ21内に流入する。水素は、水素パイプ21の端部から負圧室23に流入し、内部空間A内に位置する排出パイプ24の端部から排出パイプ24内へ水蒸気と共に流入する。排出パイプ24内へ流入した水素と水蒸気とは、排出パイプ24内で十分に混合される。水素と水蒸気とが混合されたガスは、排出パイプ24の末広部24bに達すると、流速が小さくなると共に大気圧に近づく。水素と水蒸気とが混合されたガスは、負圧室23の外側に位置する排出パイプ24の端部付近でおよそ大気圧となり、排出パイプ24から排出される。
コンデンサー30は、水素と水蒸気とが混合され減圧部20から排出されるガスを冷却する。コンデンサー30には、当該ガスを冷却する冷媒(不図示)が供給されている。冷媒には、例えば水が用いられる。冷媒の温度は、駆動流体である水蒸気を凝縮させることができる温度に調整されている。水蒸気の凝縮点は約0℃である一方、水素の凝縮点は約−250℃であるため、当該ガスを冷却し、水蒸気を凝縮することによって当該ガスから水素を分離できる。
なお、製油プラント等で排出された水蒸気の温度は約100℃程度である。そのため、水素と水蒸気とが混合されたガスを冷却した際にコンデンサー30が回収した熱を、水素製造装置から供給される混合ガスの予熱として用いてもよい。
以上の構成によってガス分離装置1は、以下のように水素を回収する。まず、水素製造装置から供給された混合ガスが、流路L1を通じてガス分離部10の供給室SPに供給される。混合ガスが供給されることで、供給室SPの圧力は混合ガスの供給圧力と同程度になる。一方、水素分離膜11の透過側である回収室RCの圧力は、減圧部20によって減圧される。これにより、供給室SPと回収室RCとの間に圧力差が生じる。混合ガスに含まれる水素は、供給室SPと回収室RCとの圧力差及び水素分離膜11の化学吸着能によって回収室RC内へ選択的に透過される。透過された水素は、流路L3を通じて減圧部20へ吸引される。減圧部20に吸引された水素は、水蒸気と混合された状態で、コンデンサー30に排出される。コンデンサー30は、水蒸気を凝縮することによって、水素と水蒸気とが混合されたガスから水素を分離する。このような工程によって、水素が回収される。
次に、本実施形態に係るガス分離装置1の作用効果について説明する。本実施形態に係るガス分離装置1は、駆動流体である水蒸気によって水素分離膜11の透過側を減圧する減圧部20を備えている。これにより、水素分離膜11の透過側が減圧されることで回収室RC側と供給室SP側との圧力差が大きくなり、水素の透過が促進される。よって、水素を含む混合ガスから水素を高い回収率で回収することができる。特に、従来のガス分離装置にあっては、水素濃度の低い混合ガスから水素を回収する際に回収率が低下していたが、本実施形態によれば、このような回収率の低下を抑制することができる。
また、本実施形態に係るガス分離装置1において、ガス分離膜は、水素を選択的に透過させる水素分離膜11である。これにより、多種のガスの中でも、エネルギー源として多く用いられる水素を高純度で回収することができる。
また、本実施形態に係るガス分離装置1において、駆動流体は、水蒸気である。駆動流体を水蒸気とすることで、製油プラント等で排出され、不要となった大量の水蒸気を利用することができ、水素を低コストで大量に回収することができる。なお、減圧手段として代表的な真空ポンプは、ポンプの性能面やコスト面から大型化が難しいといえるため、ガス分離装置を大型化させる場合には、駆動流体として水蒸気を用いる本実施形態の構成が特に好ましい。
また、本実施形態に係るガス分離装置1において、水素と水蒸気とが混合され減圧部20から排出されるガスを冷却するコンデンサー30を更に備え、コンデンサー30は、水蒸気を凝縮することによって当該ガスから水素を分離する。これにより、水素を気体のまま保つ一方で水蒸気を液体に凝縮させることができるため、水素と水蒸気とを容易に分離することができる。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態に係るガス分離装置の構成を説明する。第二実施形態に係るガス分離装置は、駆動流体として水素を用いる点で、上述した第一実施形態とは相違する。以下、図3を参照して、第二実施形態に係るガス分離装置の一例であるガス分離装置100を示す。図3は、第二実施形態に係るガス分離装置の一例を示す模式図である。ガス分離装置100は、ガス分離部110を更に備える点で、第一実施形態とは相違する。また、コンデンサー30を備えていない点でも、第一実施形態とは相違する。
ガス分離部110は、混合ガスを供給する流路L11と、透過されなかった混合ガスを排出する流路L1と、透過された水素の流路L12とに連通している。減圧部20の駆動流体パイプ22は、流路L12と連通している。これにより、駆動流体として水素を用いることができる。
なお、本実施形態に係るガス分離装置100では、ガス分離部110を更に備える構成を示したが一例にすぎない。例えば、第一実施形態に係るガス分離装置と同様に、ガス分離部10のみを備え、別に用意した水素を駆動流体としてもよい。すなわち、駆動流体として水素を用いるガス分離装置であれば、どのような構成であってもよい。
本実施形態に係るガス分離装置では、上述した第一実施形態の作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。本実施形態に係るガス分離装置100において、駆動流体は水素である。被分離ガスと駆動流体とが共に水素であるため、混合された場合の後処理を必要としない。
[第三実施形態]
次に、図4を参照して、第三実施形態に係るガス分離装置の構成を説明する。図4は、第三実施形態に係るガス分離装置200の構成を示す模式図である。第三実施形態に係るガス分離装置200は、駆動流体の流量等の制御を行う点で、上述した第一実施形態とは相違する。なお、図4では、制御方法を説明するため、制御部201と、駆動流体の流量を調整する流量調整弁202と、ガス分離部10で分離された水素の流量を検出する水素流量計203と、供給ガスの供給圧力を検出する圧力計204と、供給ガスの水素濃度を検出する水素濃度計205と、コンデンサー30から排出された水素の濃度を検出する水素濃度計206とを備えているが、上述した第一実施形態又は第二実施形態において、これらが備えられていてもよい。
制御部201には、水素流量計203と、圧力計204と、水素濃度計205と、水素濃度計206とで検出された検出データが入力される。制御部201には、それぞれの検出データに応じて駆動流体の流量を決定するテーブルが予め記憶されていてよい。従って、制御部201は、テーブルを参照し、検出データに基づいて駆動流体の流量を決定することができる。または、制御部201は、検出データに基づいて演算を行うことによって、駆動流体の流量を決定してよい。制御部201は、決定された駆動流体の流量に対応する信号を流量調整弁202に出力する。
なお、水素流量計203、圧力計204、及び水素濃度計205,206をすべて設ける必要は無く、少なくともいずれかを設けて流量調整弁202を制御してもよい。また、コンデンサー30から排出された水素濃度を検出する手段は、水素濃度計206に限られない。例えば、コンデンサー30から排出された水素を凝縮点よりもやや高い温度で冷却した後に、凝縮していないことを確認する計測手段であってもよい。また制御部201は、テーブルを用いずに、演算等によって駆動流体の流量を算出してもよい。
本実施形態に係るガス分離装置200では、上述した第一実施形態の作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。本実施形態に係るガス分離装置200は、駆動流体の流量を制御する制御部201を備えている。これにより、ガス分離部10で分離された水素の流量、供給ガスの水素濃度、又は供給ガスの供給圧力に応じて駆動流体の流量を制御することができる。これによって、水素分離膜11の非透過側と透過側との圧力差を維持し、水素回収率の低減を抑制することができる。例えば、制御部201は、水素分離膜の劣化に伴ってガス分離部10で分離された水素の量が減少したことを水素流量計203が検出した場合、駆動流体を増加させることで、減圧部20で吸引する水素の量を増加させてよい。また、制御部201は、供給される混合ガスに含まれる水素濃度が低下したことを水素濃度計205が検出した場合、駆動流体を増加させてよい。また、制御部201は、混合ガスの供給圧力が低下したことを圧力計204が検出した場合、駆動流体を増加させてよい。さらに、コンデンサー30から排出される水素の濃度に応じて、駆動流体の流量を制御することができる。例えば、制御部201は、コンデンサー30の性能低下によって排出される水素の濃度が低下したことを水素濃度計206が検出した場合、駆動流体を減少させてよい。あるいは、水素の露点を計測することによって、水素中に不要な水分が混入していないか検出してもよい。これにより、回収された水素に駆動流体が混ざっている場合には、駆動流体の流量を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。上述した実施形態では被分離ガスとして水素を分離する構成について説明したが、水素以外の被分離ガスであってもよい。例えば、被分離ガスとして二酸化炭素を用いる装置であってもよい。この場合、二酸化炭素を選択的に透過させる二酸化炭素分離膜によって、混合ガスに含まれる二酸化炭素を混合ガスから分離する構成とする。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実験例]
実施例として、図1に示した第一実施形態に係るガス分離装置に対応した実験装置を用いて、水素を回収する実験を行った。図5に実験結果を示す。図5において、横軸は透過側圧力を示し、縦軸は水素回収率を示す。実験条件は、以下である。
水素分離膜の膜面積:80cm、水素分離膜の温度:約300℃、混合ガスの流量:50NL/h、混合ガスの組成:「H:CO=70:30、50:50、30:70」、混合ガスの供給圧力:0.50MPaG、透過側圧力:0MPaG〜−0.02MPaG、駆動流体の仕様:「0.2MPaG、120℃、11kg/h」である。なお、本実施例は、比較例として真空ポンプを用いた場合のデータを含むが、エゼクター(本発明の減圧部に対応する装置)を用いた場合の条件と略同様(ただし、透過側圧力は異なる条件で行った)な条件で実験を行った。
図5に示されるように、透過側の圧力が0MPaGの場合、H:CO=70:30の混合ガスは、水素回収率が約80%と高い回収率を示す。しかし、混合ガスに含まれる水素濃度が低下するにつれて、水素回収率も低下する。一方で、エゼクターによって透過側圧力を約−0.02MPaまで減圧すると、水素回収率が上昇した。特に、混合ガスに含まれる水素濃度が低い場合に、このような水素回収率の効果は顕著にみられた。本実施例と比較例とを比較しても、エゼクターを用いて減圧することによって、真空ポンプを用いた場合と略同等の結果を得ることができた。すなわち、装置が大掛かりであって電力の消費量が多くなる真空ポンプを用いなくとも、エゼクターを用いることで真空ポンプを用いた場合と略同等の効果を得られることが理解できる。
このように、透過側圧力を減圧部で減圧することで、従来よりも水素回収率を上昇させることができる。特に、水素濃度の低い混合ガスから水素を回収する場合には顕著な効果がある。
1,100,200…ガス分離装置、10,110…ガス分離部、11…水素分離膜(ガス分離膜)、L3…流路、20…減圧部、30…コンデンサー。

Claims (2)

  1. 被分離ガスを選択的に透過させる第1のガス分離膜によって、第1の混合ガスに含まれる前記被分離ガスを前記第1の混合ガスから分離する第1のガス分離部と、
    前記被分離ガスを選択的に透過させる第2のガス分離膜によって、前記第1のガス分離膜にて透過されなかった第2の混合ガスに含まれる前記被分離ガスを前記第2の混合ガスから分離する第2のガス分離部と、
    前記第2のガス分離部で分離された前記被分離ガスの流路に配置され、駆動流体によって前記第2のガス分離膜の透過側を減圧する減圧部と、を備え
    前記第1のガス分離部は、前記第1のガス分離膜にて透過された前記被分離ガスを前記駆動流体として前記減圧部に供給する、ガス分離装置。
  2. 前記第1のガス分離膜、及び前記第2のガス分離膜は、水素を選択的に透過させる水素分離膜であり、前記駆動流体は、水素である、請求項1に記載のガス分離装置。
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