JP4820774B2 - 溶存酸素除去装置 - Google Patents

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Description

本発明は、原水に含有される溶存酸素を除去するための溶存酸素除去装置に関する。
ボイラ給水に溶存酸素が多く含有されていると、ボイラの配管やヘッダなどの腐蝕が早まるおそれがある。このため、従来のボイラでは、ボイラ給水として利用される原水に含有される溶存酸素を除去し、ボイラ給水の溶存酸素濃度が所定値(通常、1ppm、好ましくは0.5ppm)を超えないように管理することが行われている。
原水に含有される溶存酸素を除去するための溶存酸素除去装置としては、これまでに種々のものが提案されており、例えば、原水に窒素ガスを混合して原水に含有される溶存酸素を窒素ガスに含有される窒素で置換する窒素置換方式のもの(例えば、特許文献1)や、気体分離膜を用いて原水に含有される溶存酸素を除去する分離膜方式のもの(例えば、特許文献2)が知られている。
このうち、分離膜方式の溶存酸素除去装置は、原水の溶存酸素を低濃度まで除去することが困難であった。また、分離膜方式の溶存酸素除去装置では、原水の溶存酸素を安定して除去しようとすると、気体分離膜の洗浄や交換を定期的に行う必要があるなど、溶存酸素除去装置のメンテナンスに手間やコストがかかるという問題もあった。
このため、一般的なボイラでは、窒素置換方式の溶存酸素除去装置が好んで用いられる傾向にある。ところが、窒素置換方式の溶存酸素除去装置において、原水に含有される溶存酸素をより低濃度まで除去しようとすると、原水と窒素ガスとが接触する部分を長く確保しなければならず、溶存酸素除去装置が大型化するという問題があった。
このような実状に鑑みてか、従来の窒素置換方式の溶存酸素除去装置においては、原水と窒素ガスを混合するのに、スタティックミキサと呼ばれる、可動部を持たない小型の混合器を用いることも行われている(特許文献3)。これにより、原水中で窒素ガスを微細な気泡とすることができるだけでなく、溶存酸素除去装置の構造を簡素にして小型化することも可能になる。しかし、このスタティックミキサは、高価であったために、溶存酸素除去装置の製造コストが高くなるという問題があった。
特開2001−347102号公報 特開2002−119967号公報 特開2001−129304号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、原水に含有される溶存酸素を効率的に除去することのできる窒素置換方式の溶存酸素除去装置を提供するものである。
上記課題は、
加圧状態で供給される原水の溶存酸素を除去するための溶存酸素除去装置であって、
(a)窒素ガスを発生するための窒素ガス発生手段と、
(b)原水を加圧状態のまま窒素ガスと混合するための第一気液混合部と、
(c)第一気液混合部で得られた気液混合水を減圧して気液分離するための第一気液分離槽と、
(d)第一気液分離槽で気液分離された処理水を加圧して移送するための第一ポンプと、
(e)第一ポンプで移送される処理水を窒素ガス発生手段で発生した窒素ガスと混合するための第二気液混合部と、
(f)第二気液混合部で得られた気液混合水(後述するように、第二気液混合部と第二気液分離槽との間に第三気液分離槽を設ける場合には、「第三気液分離槽で気液分離された処理水」と読み替えるものとする。)を減圧して気液分離するための第二気液分離槽と
を備えたことを特徴とする溶存酸素除去装置
を提供することによって解決される。
このように、加圧状態で供給される原水の圧力をそのまま利用することによって、原水を加圧するための加圧手段を一つ省略することができる。このため、原水に含有される溶存酸素を効率的に除去することが可能になる。第一気液混合部と第二気液混合部は、配管をそのまま利用した形態のものであってもよいが、通常、槽状のものが使用される。以下においては、槽状の第一気液混合部を第一気液混合槽と呼び、槽状の第二気液混合部を第二気液混合槽と呼ぶことがある。
上記の溶存酸素除去装置において、第二気液混合部で得られた気液混合水を加圧状態のまま気液分離するための第三気液分離槽を、第二気液混合部と第二気液分離槽との間に介することも好ましい。これにより、第一気液分離槽と第二気液分離槽だけでなく、第三気液分離槽においても気液分離を行うことが可能となるために、原水に含有される溶存酸素をさらに低濃度まで除去することが可能になる。
また、上記の溶存酸素除去装置において、第一気液混合部と第三気液分離槽とを通気管Pによって接続(第一気液混合部と第三気液分離槽とを直接的に接続する態様に限定されず、後述する流量調節手段など、他の部品を介して接続する場合をも含むものとする。)し、第三気液分離槽における気液分離によって発生した窒素ガスを第一気液混合部で原水に混合する窒素ガスとして利用することができるようにすることも好ましい。第三気液分離槽における気液分離では、加圧状態にある窒素ガスが発生するが、このとき発生した窒素ガスを、第一気液混合部で原水に混合する窒素ガスとして利用することによって、窒素ガス単位流量当たりの溶存酸素除去効率を高くすることが可能となるからである。
さらに、上記の溶存酸素除去装置において、第三気液分離槽を落下式の気液分離槽とし、第三気液分離槽に貯留された処理水の水位を検知するための水位検知手段と、通気管Pを流れる窒素ガスの流量を調節するための流量調節手段と、水位検知手段の検知した水位に応じて流量調節手段に制御信号を出力する流量制御手段とを備えることも好ましい。これにより、原水に含有される溶存酸素をより効率的に除去することが可能になる。ここで、「落下式の気液分離槽」とは、下方に溜まっている処理水に対して気液混合水を落下させる形態の気液分離槽のことをいう。落下式の気液分離槽では、気液混合水が処理水に衝突した際に微細な気泡を発生させ、気液接触面積を増大させることができるので、原水に含有されていた溶存酸素と窒素ガスに含有されていた窒素との置換を促進することができる。
さらにまた、上記の溶存酸素除去装置において、第二気液分離槽から導出された処理水の溶存酸素濃度を検知するための酸素濃度検知手段を備え、酸素濃度検知手段が検知した溶存酸素濃度に応じて窒素ガス発生手段で発生する窒素ガスの流量を変更するようにすることも好ましい。
そしてまた、上記の溶存酸素除去装置において、原水、第一気液混合部で得られた気液混合水、第一気液分離槽で気液分離された処理水、第二気液混合部で得られた気液混合水、第二気液分離槽で気液分離された処理水又は第三気液分離槽で気液分離された処理水の温度を検知するための水温検知手段を設け、水温検知手段が検知した水温に応じて窒素ガス発生手段で発生する窒素ガスの流量を変更するようにすることも好ましい。これらの構成を採用することによっても、原水に含有される溶存酸素をより効率的に除去することが可能になる。
以上のように、本発明によって、原水に含有される溶存酸素を効率的に除去することのできる窒素置換方式の溶存酸素除去装置を提供することが可能になる。
以下、本発明の溶存酸素除去装置の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。図1は、本発明の溶存酸素除去装置の好適な実施態様を示したブロック図である。
1.溶存酸素除去装置の概要
本実施態様の溶存酸素除去装置は、図1に示すように、窒素ガスを発生するための窒素ガス発生手段と、原水を加圧状態のまま窒素ガスと混合するための第一気液混合槽(第一気液混合部)と、第一気液混合槽で得られた気液混合水を減圧して気液分離するための第一気液分離槽と、第一気液分離槽で気液分離された処理水を加圧して移送するための第一ポンプと、第一ポンプで移送される処理水を窒素ガス発生手段で発生した窒素ガスと混合するための第二気液混合槽(第二気液混合部)と、第二気液混合槽で得られた気液混合水を加圧状態のまま気液分離するための第三気液分離槽と、第三気液分離槽で気液分離された処理水の取出流量を調整するための水量調整弁と、第三気液分離槽で気液分離された処理水を減圧して気液分離するための第二気液分離槽と、第二気液分離槽で気液分離された処理水を加圧して移送するための第二ポンプとを備えたものとなっている。
溶存酸素除去装置で利用する原水の供給源は、原水を加圧状態で供給できるのであれば、その種類をとくに限定されない。本実施態様の溶存酸素除去装置は、水道水を原水として利用するものとなっている。水道水は、通常、0.2〜0.3MPaG程度の内圧を持った状態で事業所や家庭に供給される。原水における溶存酸素の飽和濃度は、20℃で約8.8ppmである。
2.窒素ガス発生手段
窒素ガス発生手段は、窒素が濃縮された窒素ガスを発生できるものであればとくに限定されない。
窒素ガス発生手段としては、原料ガス(通常、溶存酸素除去装置の周囲に存在する空気)に含有される酸素を選択的に吸着しうる吸着剤を収容した吸着筒の内部へ原料ガスを移送し、前記吸着筒の内部圧力を上昇させることにより、前記吸着剤に酸素を吸着させる吸着工程と、前記吸着筒の内部圧力を低下させて前記吸着剤に吸着されていた酸素を脱着させ、前記吸着筒の外部へ排出することにより、前記吸着剤の酸素吸着能を再生させる再生工程とを繰り返し行って窒素ガスを発生する圧力変動吸着方式の窒素ガス発生装置が例示される。
また、原料ガスに含有される窒素を選択的に遮蔽する(原料ガスに含有される酸素を選択的に透過させる)分離膜を用いて窒素ガスを発生させる分離膜方式の窒素ガス発生装置を窒素ガス発生手段として用いることもできるし、窒素ガスを予め圧入したボンベを窒素ガス発生手段として用いることもできる。なかでも、圧力変動吸着方式の窒素ガス発生装置は、窒素濃度の高い窒素ガスを効率的に発生することができるために好ましい。本実施態様の溶存酸素除去装置においても、圧力変動吸着方式の窒素ガス発生装置を窒素ガス発生手段として用いている。
3.第一気液混合槽(第一気液混合部)
第一気液混合槽は、原水を加圧状態のまま窒素ガスと混合し、原水に含有されていた溶存酸素を窒素ガスに含有されていた窒素と置換することにより、原水の溶存酸素濃度を低下させるための箇所となっている。
第一気液混合槽は、第一気液分離槽の外部へ設けてもよいが、本実施態様の溶存酸素除去装置においては、第一気液分離槽の内部に収容しており、溶存酸素除去装置の小型化を図っている。本実施態様の溶存酸素除去装置において、原水は約0.25MPaGに加圧された状態で第一気液混合槽へと導入され、窒素ガスは約0.3MPaGに加圧された状態で第一気液混合槽へと導入されるようになっている。原水と窒素ガスとの混合水(気液混合水)は、第一気液混合槽の内部において加圧されたままの状態で保たれるようになっている。
4.第一気液分離槽
第一気液分離槽は、第一気液混合槽で得られた気液混合水を減圧して気液分離するための箇所となっている。
本実施態様の溶存酸素除去装置において、第一気液混合槽で得られた気液混合水は、第一気液分離槽の内底部付近に配したオリフィスから第一気液分離槽の内部へと吐出され、大気圧(0MPaG)まで減圧されるようになっている。気液混合水に分散していた窒素ガスは、微細な気泡となって第一気液分離槽の内底部に溜まっていた処理水中を浮上する。このとき、第一気液分離槽の内底部に溜まっていた処理水と、該処理水を浮上する気泡(窒素ガス)との間で、溶存酸素と窒素との置換が行われ、該処理水の溶存酸素濃度がさらに低下する。溶存酸素の抽出に用いられた窒素ガスは、前記処理水の水面に達した後、図示省略のリリーフ弁などを通じて第一気液分離槽の上方から大気へと放出されるようになっている。
この第一気液分離槽において、当初、約8.8ppmであった原水の溶存酸素濃度は、4ppm以下と、当初の半分以下の水準まで低下する。本実施態様の溶存酸素除去装置においては、第一気液分離槽で原水の溶存酸素濃度が2〜3ppmまで低下しているのが確認できた。
第一気液分離槽の容積は、第一気液分離槽に導入される気液混合水の流量などによっても異なり、とくに限定されないが、第一気液分離槽に導入される気液混合水の流量が2m/hである場合には、通常、30〜50リットルとされる。本実施態様の溶存酸素除去装置において、第一気液分離槽は、高さが60cmの直方体となっており、その容積は約36.7リットルとなっている。第一気液分離槽の内部には、約30リットル(深さ50cm)の処理水が溜められる。
5.第一ポンプ
第一ポンプは、第一気液分離槽で気液分離された処理水を加圧して移送するためのものとなっている。本実施態様の溶存酸素除去装置においては、第一ポンプとして渦巻ポンプを使用している。第一ポンプによって処理水をどの程度まで加圧するのかは、とくに限定されないが、通常、0.3〜0.4MPaGまで加圧する。本実施態様の溶存酸素除去装置において、第一気液分離槽で気液分離された処理水は、第一ポンプによって約0.35MPaGまで加圧されるようになっている。
6.第二気液混合槽(第二気液混合部)
第二気液混合槽は、第一ポンプで加圧されて移送されてきた処理水を、窒素ガス発生手段で発生した窒素ガスと混合し、処理水に含有されていた溶存酸素を窒素ガスに含有されていた窒素と置換することにより、処理水の溶存酸素濃度を低下させるための箇所となっている。
本実施態様の溶存酸素除去装置において、処理水は第一ポンプによって約0.35MPaGに加圧された状態で第二気液混合槽へと導入され、窒素ガスは窒素ガス発生手段によって約0.4MPaGに加圧された状態で第二気液混合槽へと導入されるようになっている。処理水と窒素ガスとの混合水(気液混合水)は、第二気液混合槽の内部において加圧されたままの状態で保たれるようになっている。
7.第三気液分離槽
第三気液分離槽は、第二気液混合槽で得られた気液混合水を加圧状態のまま気液分離するためのものとなっている。
本実施態様の溶存酸素除去装置において、第三気液分離槽は、導入した気液混合水を上方から落下させて下方に溜まっている処理水に衝突させる落下式のものを採用している。したがって、気液混合水が処理水に衝突した際に微細な気泡を発生させることができるようになっている。このとき、第三気液分離槽に溜まっていた処理水と、該処理水中を浮上する気泡(窒素ガス)との間では、溶存酸素と窒素の置換が行われ、該処理水の溶存酸素濃度がさらに低下するようになっている。本実施態様の溶存酸素除去装置において、第三気液分離槽における処理水の溶存酸素濃度は、0.5ppm以下となっていた。
第三気液分離槽に溜まっている処理水の水位H(図1を参照)に対する第三気液分離槽で処理水を落下させる高さH(図1を参照)の比H/Hは、第三気液分離槽に導入される気液混合水の流量などによっても異なり、とくに限定されない。しかし、比H/Hを小さくしすぎると、第三気液分離槽に貯留された処理水の水面付近でしか気泡が発生しなくなり、処理水の溶存酸素濃度を速やかに低下させるという観点では非効率的である。このため、比H/Hは、通常、1以上とされる。比H/Hは、1.5以上であると好ましく、2以上であるとより好ましい。
一方、第三気液分離槽に貯留された処理水の水位H(図1を参照)に対する第三気液分離槽で処理水を落下させる高さH(図1を参照)の比H/Hを大きくしすぎると、第三気液分離槽で処理水が落下した際に発生した気泡が第三気液分離槽の底部に到達してしまい、第三気液分離槽の底部から導出される処理水に気泡が入り、処理水の溶存酸素濃度が低下しにくくなるおそれがある。このため、比H/Hは、通常、10以下とされる。比H/Hは、5以下であると好ましく、3以下であるとより好ましい。本実施態様の溶存酸素除去装置において、水位Hは30cmに設定され、高さHは70cmに設定されており、比H/Hは約2.3となっている。
ところで、本実施態様の溶存酸素除去装置においては、第三気液分離槽の上部が、通気管Pによって第一気液混合槽と接続されている。このため、気泡となって処理水中を浮上してきた窒素ガスを再び第一気液混合槽へと導入することができるようになっており、窒素ガス単位流量当たりの溶存酸素除去効率を高くすることが可能となっている。すなわち、原水に含有される溶存酸素をより効率的に除去することができるようになっている。
また、本実施態様の溶存酸素除去装置においては、通気管Pを流れる窒素ガスの流量を調節するための流量調節手段を通気管Pに設けている。さらに、第三気液分離槽の内部には、第三気液分離槽に溜まっている処理水の水位Hを検知するための水位検知手段を設けている。この水位検知手段によって検知された処理水の水位Hは、流量制御手段へ入力されるようになっている。
流量制御手段は、水位検知手段から処理水の水位Hを受け取ると、水位Hに応じた制御信号を流量調節手段へと出力するようになっている。その具体的な制御方法はとくに限定されないが、例えば、処理水の水位Hが所定水位(例えば20cm)よりも低くなった場合に、通気管Pを流れる窒素ガスの流量が少なくなるように流量調節手段を操作し、処理水の水位Hが所定水位(例えば50cm)よりも高くなった場合に通気管Pを流れる窒素ガスの流量が多くなるように流量調節手段を操作すると好ましい。これにより、第三気液分離槽に溜まっている処理水の水位Hを所定範囲に保ち、原水に含有される溶存酸素をより効率的に除去することが可能になる。
8.水量調整弁
水量調整弁は、第三気液分離槽から取り出す処理水の流量を調整するためのものとなっている。本実施態様の溶存酸素除去装置においては、水量調整弁としてボール弁を用いている。
9.第二気液分離槽
第二気液分離槽は、第三気液分離槽から送られてきた処理水を減圧することにより、第三気液分離槽で気液分離された処理水を再度気液分離するための箇所となっている。
本実施態様の溶存酸素除去装置において、第三気液分離槽で気液分離された処理水は、第三気液分離槽の内底部付近に配したオリフィスから第三気液分離槽の内部へと吐出され、大気圧(0MPaG)まで減圧されるようになっている。処理水に分散していたガスは、微細な気泡となって第三気液分離槽の内底部に溜まっていた処理水中を浮上する。このとき、処理水に含有されていた溶存酸素が気泡とともに取り出されるために、該処理水の溶存酸素濃度はさらに低下する。溶存酸素を抽出したガスは、前記処理水の水面に達した後、図示省略のリリーフ弁などを通じて第三気液分離槽の上方から大気へと放出されるようになっている。第二気液混合槽の内部は、仕切によって仕切られており、第二気液混合槽から導出される処理水に、オリフィスから吐出された気泡が混入しないようになっている。本実施態様の溶存酸素除去装置において、第二気液分離槽から導出される処理水の溶存酸素濃度は、0.4ppm(水温20℃)となっていた。
10.第二ポンプ
第二ポンプは、第二気液分離槽で気液分離された処理水を加圧して溶存酸素除去装置の外部へと移送するためのものとなっている。本実施態様の溶存酸素除去装置においては、第二ポンプとして渦巻ポンプを使用している。
11.その他
また、本実施態様の溶存酸素除去装置に、第二気液分離槽から導出される処理水の溶存酸素濃度を検知するための酸素濃度検知手段(図示省略)を設けると好ましい。酸素濃度検知手段を設けた場合には、酸素濃度検知手段が検知した処理水の溶存酸素濃度を窒素ガス発生手段へと入力し、窒素ガス発生手段の発生する窒素ガスの流量が処理水の溶存酸素濃度に応じて適宜変更されるようにしておくと好ましい。その具体的な制御方法は、とくに限定されないが、例えば、酸素濃度検知手段が検知した溶存酸素濃度が所定値を超えた場合に、発生する窒素ガスの流量が大きくなるように設定しておく。これにより、第二気液分離槽から導出される処理水の溶存酸素濃度を安定して低く保つことが可能になる。
さらに、本実施態様の溶存酸素除去装置に、原水、第一気液混合槽で得られた気液混合水、第一気液分離槽で気液分離された処理水、第二気液混合槽で得られた気液混合水、第二気液分離槽で気液分離された処理水、第三気液分離槽で気液分離された処理水のうち、少なくとも一つの温度を検知するための水温検知手段(図示省略)を設けることも好ましい。水温検知手段を設けた場合には、水温検知手段が検知した処理水の温度を窒素ガス発生手段へと入力し、窒素ガス発生手段の発生する窒素ガスの流量が前記温度に応じて適宜変更されるようにしておくと好ましい。その具体的な制御方法は、とくに限定されないが、例えば、水温検知手段が検知した温度が所定値よりも低くなった場合に、発生する窒素ガスの流量が大きくなるように設定しておくと好ましい。これにより、第二気液分離槽から導出される処理水の溶存酸素濃度をより安定して低く保つことが可能になる。
12.用途
本発明の溶存酸素除去装置は、各種用途に用いることができる。なかでも、溶存酸素濃度を1ppm以下、好ましくは0.5ppm以下まで低下させることが要求されるボイラ給水用の溶存酸素除去装置として好適に使用することができる。
本発明の溶存酸素除去装置の好適な実施態様を示したブロック図である。

Claims (5)

  1. 加圧状態で供給される原水の溶存酸素を除去するための溶存酸素除去装置であって、
    (a)窒素ガスを発生するための窒素ガス発生手段と、
    (b)原水を加圧状態のまま窒素ガスと混合するための第一気液混合部と、
    (c)第一気液混合部で得られた気液混合水を減圧して気液分離するための第一気液分離槽と、
    (d)第一気液分離槽で気液分離された処理水を加圧して移送するための第一ポンプと、
    (e)第一ポンプで移送される処理水を窒素ガス発生手段で発生した窒素ガスと混合するための第二気液混合部と、
    (f)第二気液混合部で得られた気液混合水を加圧状態のまま気液分離するための落下式の第三気液分離槽と、
    (g)第三気液分離槽で気液分離された処理水を減圧して気液分離するための第二気液分離槽と
    を備えたことを特徴とする溶存酸素除去装置。
  2. 第一気液混合部と第三気液分離槽とを通気管Pによって接続し、第三気液分離槽における気液分離によって発生した窒素ガスを第一気液混合部で原水に混合する窒素ガスとして利用することができるようにした請求項記載の溶存酸素除去装置。
  3. 三気液分離槽に貯留された処理水の水位を検知するための水位検知手段と、通気管Pを流れる窒素ガスの流量を調節するための流量調節手段と、水位検知手段の検知した水位に応じて流量調節手段に制御信号を出力する流量制御手段とを備えた請求項記載の溶存酸素除去装置。
  4. 第二気液分離槽から導出される処理水の溶存酸素濃度を検知するための酸素濃度検知手段を備え、酸素濃度検知手段が検知した溶存酸素濃度に応じて窒素ガス発生手段で発生する窒素ガスの流量を変更するようにした請求項1〜いずれか記載の溶存酸素除去装置。
  5. 原水、第一気液混合部で得られた気液混合水、第一気液分離槽で気液分離された処理水、第二気液混合部で得られた気液混合水、第二気液分離槽で気液分離された処理水又は第三気液分離槽で気液分離された処理水の温度を検知するための水温検知手段を設け、水温検知手段が検知した水温に応じて窒素ガス発生手段で発生する窒素ガスの流量を変更するようにした請求項1〜いずれか記載の溶存酸素除去装置。
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