JP6292828B2 - 編糸の解れ止め方法、および編地 - Google Patents

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Description

本発明は、横編機を用いて編地を編成する際、編地の編成途中で編糸を切り替えることで生じる編糸余端部を処理する編糸の解れ止め方法に関する。
ボーダー柄やインターシャ柄などを有する編地では、編地の編成途中で編糸の切り替えが行われる。この編糸が切り替わる部分には、切り替え前の編糸で編成された編地部に切り替え後の編糸を導入する糸入れ部と、切り替え前の編糸で編成された編地部の終端からその編糸を引き出す糸出し部とがあり、これら糸入れ部及び糸出し部で編糸が解れ出さないようにする必要がある。本出願人は、この解れ止めを横編機に行わせる編糸の解れ止め方法を提案している(例えば、特許文献1(図2〜図5)を参照)。
特許文献1に記載の解れ止め方法は、糸入れの場合で説明すると、図4に示すように、次のように行われる。
[S1]切り替え前の編糸(第一編糸1)で前針床(FB)に編成されたベース編地部10の特定編目12を後針床(BB)に目移しした後、その特定編目12が係止されていたFBの編針Cに切り替え後の編糸(第二編糸2)を例えば右行給糸して掛け目27(第一新規編目21)を形成する。
[S2]第二編糸2を給糸する第二給糸口4を左行して掛け目27を通過させて戻す。
[S3]掛け目27をBBの編針cに目移しし、特定編目12を掛け目27が係止されていたFBの編針Cに移し戻す。
[S4]第二編糸2を右行給糸し、BBに目移しした掛け目27に第二新規編目22を形成する。
[S5]第二新規編目22を特定編目12が係止されている編針Cに目移しすることで、重ね目を形成する。その後、この重ね目に第二編糸2で第三新規編目23を形成して、重ね目を固定する。続けて、ベース編地部10の編目列に繋がる編目列を第二編糸2で編成して柄編地部20を形成する。
上記のようにして編成された編地を編機から外した状態では、図2(B)に示すように、第二新規編目22の根元部に掛け目27によって結び目が形成される。第二編糸2の糸入れによって生じた編糸余端部29を編地から引き出す方向に引っ張り、結び目を引き締めた状態で編糸余端部29を編地の近傍個所で切断することで、解れ止めができる。
特許第3099304号公報
特許文献1の技術は、解れ止め処理を適切に行えるものの、結び目を引き締めるに連れて、結び目(掛け目27)に繋がる第二新規編目22、及び第二新規編目22と重ね目を形成する特定編目12も引き締められ、目面に影響を及ぼす場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、編糸が切り替わる部分で解れ止めを行うにあたり、解れ止めを行う編糸が他の編目に影響を及ぼさない編糸の解れ止め方法、および編地を提供することにある。
本発明の編糸の解れ止め方法は、少なくとも前後一対の針床と、針床に第一編糸と第二編糸の各々を給糸する第一給糸口及び第二給糸口とを有し、前後の針床間で編目の目移しが可能な横編機を用いて、編地の編成途中で、編糸を切り替えることで生じる編糸余端部を処理する方法であって、以下の工程α及び工程εを備える。
[工程α]…第一編糸又は第二編糸の一方の編糸で編成される既編成編地部のうち、一方の針床に係止される特定編目を他方の針床に目移しすると共に、編糸余端部が生じる第二編糸を特定編目から引出し、一方の針床に第一新規編目を形成する割増やしを行う。
[工程ε]…第一新規編目に対して第二編糸で第二新規編目を形成し、特定編目の一方のシンカーループに対して、第一新規編目の両シンカーループを交差させる。
本発明の編糸の解れ止め方法の一形態として、工程αと工程εの間に、以下の工程β〜工程δを備える形態が挙げられる。
[工程β]…他方の針床に目移しされた特定編目を一方の針床に目移しする。
[工程γ]…第一新規編目を形成する第二編糸の給糸口を、第一新規編目の形成時とは逆方向に移動させ、特定編目を通過させて戻す。
[工程δ]…工程βで一方の針床に目移しした特定編目を他方の針床に移し戻す。
本発明の編糸の解れ止め方法の一形態として、工程αの前に、工程αでの割増やし後に特定編目が所定の編針に係止されるように、特定編目を所定の編針の針床と対向する針床の編針に目移しする工程ωを備える形態が挙げられる。
本発明の編糸の解れ止め方法の一形態として、工程εの後に、第二新規編目を、第二編糸で既編成編地部の最終編目列に続いて編成された後続編目又は特定編目に重ねる工程ζを備える形態が挙げられる。
本発明の編糸の解れ止め方法の一形態として、工程εの後に、第二新規編目に対して第二編糸で第三新規編目を形成する工程ηを備える形態が挙げられる。
本発明の編糸の解れ止め方法の一形態として、工程εの後に、第二新規編目に対して第一編糸で第一切替編目を形成し、さらにこの第一切替編目に対して第一編糸で第二切替編目を形成する工程θを備える形態が挙げられる。
本発明の編地は、少なくとも前後一対の針床と、針床に第一編糸と第二編糸の各々を給糸する第一給糸口及び第二給糸口とを有し、前後の針床間で編目の目移しが可能な横編機を用いて、編糸の切り替えによって生じる編糸余端部が解れ止めされた編地に係る。この本発明の編地は、特定編目と新規編目と固定ループとを備える。特定編目は、第一編糸又は第二編糸の一方の編糸で形成される。新規編目は、編糸余端部が生じる第二編糸で形成される。固定ループは、新規編目の一方のシンカーループから延びる第二編糸が、特定編目の一方のシンカーループに引っ掛かり、新規編目の双方のシンカーループを周回し、この双方のシンカーループを近づく方向に引き締めて形成される。編糸余端部は、新規編目の他方のシンカーループまたは固定ループに繋がる第二編糸である。
本発明の編地の一形態として、新規編目に対して第一編糸で形成された第一切替編目と、この第一切替編目に対して第一編糸で続けて形成された第二切替編目とを備える形態が挙げられる。新規編目及び第一切替編目は、上記特定編目の一方のシンカーループに近づく方向に引き締められ、第一編糸による編糸余端部が、新規編目又は第一切替編目のループによって固定されている。
本発明の編糸の解れ止め方法によれば、第二新規編目の一方のシンカーループから延びる第二編糸が、特定編目の一方のシンカーループに引っ掛かり、第二新規編目の双方のシンカーループを周回し、この双方のシンカーループを近づく方向に引き締める。この状態で編糸余端部を編地から引き出す方向に引っ張っても、第一新規編目を編成する編糸が上記シンカーループを締めることになり、特定編目が絞られることがない。よって、編糸余端部に連れて他の編目の目面が崩れることがない。
工程αと工程εの間に、工程β〜工程δを行うことで、目移し用の羽根を有さない複合針の場合でも、特定編目の一方のシンカーループにのみ解れ止めを行うことができる。
工程αの前に特定編目を目移ししておくことで、割増やしによって、既編成編地部の編目を係止する元の編針に特定編目を係止することができ、割増やし後に、特定編目と第一新規編目との入れ替えが不要となり、後の工程を効率よく行うことができる。
工程εの後に第二新規編目をいずれかの編目に重ねることで、解れ止めを容易に確定することができる。
工程εの後に、第二新規編目に対してさらに第三の新規編目を形成することで、第一新規編目及び第二新規編目が縮まって結び目となり、この結び目が特定編目の一方のシンカーループに固定される。この状態で編糸余端部を編地から引き出す方向に引っ張っても、上記結び目により編糸余端部を引っ張った影響が第三新規編目には実質的には及ばない。また、結び目により解れ止めは強固に固定されているため、第三新規編目のループを切断したとしても、解れ止めは解けない。
第一編糸及び第二編糸を用いて糸入れ・糸出しを行う場合、糸入れ・糸出しのそれぞれの過程で生じる編糸余端部について解れ止めを行う必要がある。糸入れ及び糸出しで生じる各編糸余端部の解れ止めを別の箇所で行った場合、各編糸余端部が異なる方向に引かれると、各編糸余端部の解れ止めを行った各編目が異なる方向に引っ張られ、編地の品質が損なわれる虞がある。工程εの後に、第二新規編目に対して第一編糸で編目を形成することで、第二新規編目とこの第二新規編目に対して形成された編目とが、各編糸の編糸余端部を引っ張った際に、同じ特定編目の一方のシンカーループに集約される。よって、糸入れ・糸出しで生じる各編糸余端部の解れ止めを容易に同じ箇所で集約して行うことができる。各編糸余端部を上記シンカーループの同じ箇所に集約することで、各編糸余端部が異なる方向に引かれても、編地の品質が損なわれることを抑制できる。この方法であれば、滑りやすい編糸であっても、容易にかつ確実に解れ止めを行うことができる。
本発明の編地によれば、既編成編地部における特定編目の一方のシンカーループにのみ解れ止めが施されており、特定編目は引き締められていないため、目面に乱れがなく綺麗である。
第一編糸及び第二編糸を用いて糸入れ・糸出しを行う場合、糸入れ・糸出しのそれぞれの過程で生じる編糸余端部が上記シンカーループの同じ箇所に集約されるため、各編糸余端部が異なる方向に引かれても、目面に乱れが生じ難い。
実施形態1に係る編糸の解れ止め方法を示す編成工程図である。 (A)は、実施形態1に係る編糸の解れ止め方法によって編成された編目であり、(B)は、従来に編糸の解れ止め方法によって編成された編目である。 実施形態3に係る編糸の解れ止め方法を用いて編成された編糸余端部の解れ止め状態を示すループ図である。 従来の編糸の解れ止め方法を示す編成工程図である。
以下、ベース編地部の途中に柄編地部を有する編地を編成する際、ベース編地部から柄編地部に編糸が切り替わる部分を例にして、本発明の実施形態に係る編糸の解れ止め方法を説明する。
<実施形態1>
本発明の実施形態1に係る編糸の解れ止め方法を図1に基づいて説明する。本実施形態1に記載の編成には、左右方向に延び、かつ前後方向に互いに対向する一対の針床を備え、前後の針床間で編目の目移しが可能であると共に、少なくとも一方の針床がラッキング可能な2枚ベッド横編機を用いた。この横編機に備わる編針は、編針の側面に目移し用の羽根を備えず、フックを有する針本体とフックを開閉する2枚のブレードを有するスライダーとを備え、2枚のブレードの間で編目の受け渡しをすることができる複合針である。なお、使用する横編機は、4枚ベッド横編機であってもよい。
図1は、実施形態1に係る編糸の解れ止め方法を示す編成工程図である。図示しない第一給糸口から給糸される第一編糸1(細線)でベース編地部10を編成し、その編幅方向の途中で第二給糸口4から給糸される第二編糸2(太線)を糸入れして、ベース編地部10の内部に帯状の柄編地部20を有する編地を編成する。糸入れを行う場合、ベース編地部10が既編成編地部に相当する。第一編糸1と第二編糸2とは、色や種類の異なる編糸を利用することができる。この編糸1,2の切り替え時に生じる第二編糸2の編糸余端部29に対する解れ止めの編成手順を例として説明する。図1の左欄の『S+数字』は編成工程の番号を、中欄は各編成工程における針床の編成状態を示す。中欄において、FBは前針床を、BBは後針床を示し、A〜E、a〜eの黒点は編針を示す。右欄の左右方向の矢印は給糸口の移動方向(『K』が付く場合は編成方向)を示し、上下方向の矢印は目移しの方向を示す。なお、編目の移動の際に行われるFB,BBの相対的なラッキング動作の説明は省略し、使用する針数は実際の編成よりも少なくしている。
S1では、第一給糸口を用いて第一編糸1でFBにベース編地部10が編成され、FBの編針Cに係止された編目を特定編目12として選択し、この特定編目12をBBの編針cに目移しした状態を示している(工程ω)。この目移しは、次工程αの割増やし後に特定編目12を所定の編針(ここでは、FBの編針C)に係止するための予備手順であり、必須ではない。
S2では、図の右から左方向に向けて第二給糸口4を移動させて、特定編目12において割増やしを行う。具体的には、特定編目12をFBの編針Cに目移ししながら第二編糸2を特定編目12から引き出して、BBの編針cに第一新規編目21を形成する(工程α)。
S3では、FBの編針Cに目移しした特定編目12をBBの編針bに目移しし(工程β)、第二給糸口4を図の右側に蹴り返して、特定編目12の右側のシンカーループ12aに解れ止めを行うために、特定編目12よりも右側まで移動させる(工程γ)。工程βにおいて、特定編目12を目移しする編針は、FBに対向するBBの編針で第一新規編目21が係止される編針c以外であれば特に限定されず、例えばBBの編針aや編針dであっても構わない。但し、第一新規編目21が係止されたBBの編針cを挟んで左右にそれぞれ三針分の範囲が好ましい。
S4では、BBの編針bに目移しした特定編目12をFBの編針Cに移し戻す(工程δ)。このとき、第一新規編目21が特定編目12の一方(ここでは、図の右側)のシンカーループ12aに引っ掛かった状態で、紙面手前側から奥側に引き出される。ここでは、第一新規編目21を特定編目12の右側のシンカーループ12aに引っ掛かる状態としたが、特定編目12の左側のシンカーループ12bに引っ掛からせることもできる。この場合、S2において、図の左から右方向に向けて第二給糸口4を移動させて、割増やしを行えばよい。本実施形態では、特定編目の左右どちらのシンカーループにでも解れ止めを行うことができる。
S5では、第二給糸口4を図の左側に移動させながら、第一新規編目21に対して第二編糸2で第二新規編目22を形成する(工程ε)。このとき、特定編目12の右側のシンカーループ12aに対して、第一新規編目21の両シンカーループが交差した状態である。この状態で編糸余端部29(第二編糸2)を編地の外側に引き出すことで、第一新規編目21を編成する第二編糸2が引っ張られ、特定編目12の右側のシンカーループ12aを引き締めることになる。具体的には、図2(A)の極太線で示すように、第一新規編目21が、特定編目12の右側のシンカーループ12aに引っ掛かり、第二新規編目22の双方のシンカーループを周回する固定ループとなる。この固定ループによって、第二新規編目22の双方のシンカーループが近づく方向に引き締められる。以上より、特定編目12の右側のシンカーループ12aに、編糸余端部29から第二新規編目22に繋がる途中の第二編糸2(固定ループ)が引っ掛かることによって、解れ止めができる。
S6では、FBの編針B,Aに形成されたベース編地部10の最終編目列の編目に続いて、第二編糸2で後続編目25を形成し柄編地部20を編成する。BBの編針cに係止された第二新規編目22をFBの編針Bに係止された後続編目25に重ね合わせることで(工程ζ)、S5で形成した解れ止めを一時的に確定することができる。この重ね目に続いて新たな編目を形成することで、先に一時的に確定した解れ止めを永続的に確定することができる。ここでは、第二新規編目22を後続編目25に重ね合わせたが、特定編目12に重ね合わせることもできる。
以上の方法により編成された編地は、図2(A)に示すように、ベース編地部10の特定編目12の右側のシンカーループ12aにのみ柄編地部20を編成する第二編糸2が引っ掛かり、解れ止めがなされている。よって、解れ止めを行う編糸(ここでは、第一新規編目21)が上記シンカーループ12aを引き締めるのみで、引き締めた影響が特定編目12や、他の編目25に及ばない。
上述した編糸の解れ止め方法は、ベース編地部10に対して糸入れした第二編糸2により生じる編糸余端部29を処理する例を説明したが、編成し終えたベース編地部10の第一編糸1を引き出す(糸出しする)際に生じる編糸余端部に対しても行うこともできる。糸出しを行う場合、柄編地部を編成する第二編糸による編目に対して行う。この場合、柄編地部が既編成編地部に相当し、柄編地部の特定編目の一方のシンカーループにのみ第一編糸が引っ掛かって解れ止めがなされる。糸出しの場合、編針に係止される最終編目列の任意の編目に対して同様の編成を行えばよく、ベース編地部を編成する第一編糸による編目に対して行うこともできる。この場合、ベース編地部が既編成編地部に相当し、ベース編地部の特定編目の一方のシンカーループにのみ第一編糸が引っ掛かって解れ止めがなされる。
<実施形態2>
実施形態1では、第二新規編目22を後続編目25に重ね合わせることで解れ止めを確定した。これに対して、第二新規編目に対して同じ第二編糸でさらに第三新規編目を形成して、第三新規編目で特定編目の一方のシンカーループに対して結び目を形成することで解れ止めを行うことができる。実施形態2は、上記結び目を形成する工程ηを工程εの後に備える点のみが実施形態1と異なり、他の工程については実施形態1と同じである。以下、実施形態1との相違点を中心に説明する。
実施形態2では、図1のS5において、第一新規編目21に対して第二新規編目22を形成した後、第二給糸口4を図の右側に移動させながら、第二新規編目22に対してさらに第二編糸2で第三新規編目(図示せず)を形成する(工程η)。この状態で、第二編糸2の編糸余端部29を編地の外側に引き出すことで、第一新規編目及び第二新規編目が引き締められ、両新規編目の編目が縮まって結び目となる。この結び目は、特定編目の右側のシンカーループに対して形成されて、編糸を固定することができる。この状態で編糸余端部を編地から引き出す方向に引っ張っても、上記結び目により編糸余端部を引っ張った影響が第三新規編目には実質的には及ばない。また、編糸により解れ止めは強固に固定されているため、第三新規編目のループを切断したとしても、編糸は解けない。
実施形態2では、第三新規編目が特定編目のシンカーループに結び目を形成して固定されるため、この第三新規編目を他の編目(実施形態1では後続編目)に重ね合わせることによる解れ止めの確定を行う必要がない。重ね目を形成する場合、編糸の種類(素材や太さなど)や両編糸で編成される柄によっては、一方の編糸の編目が他方の編糸による編地側に飛び出したような滲みが生じることがあるが、実施形態2ではその滲みの虞はない。第三新規編目は、そのままループ状で置いてもよいし、ニードルループを切断してもよい。第三新規編目をその第三新規編目を形成した編針にそのまま係止させた状態で、ウエール方向に編地の編成を行うことで、係止された編針によって第三新規編目のニードルループを自然に破断させることもできる。ニードルループを切断しておくと、編地の使用時に第三新規編目を突起物などに引っ掛けることを防止できる。
さらに、第三新規編目に対して第二編糸で第四新規編目を形成してもよい。形成する編目を増やすほど、解れ止めを強固に固定できる。
<実施形態3>
実施形態1,2では、第一編糸1でベース編地部10を編成し、そのベース編地部10の編幅方向の途中で第二編糸2を糸入れして柄編地部20を編成する形態を説明した。つまり、第一編糸1と第二編糸2との切り替えを、第二編糸2の糸入れ→第一編糸1の糸出しの順序で行った。この場合、第二編糸2の糸入れ時に生じる第二編糸2の編糸余端部29の解れ止めは、第一編糸1による特定編目12のシンカーループ12aに対して行った。第一編糸と第二編糸との切り替えは、第一編糸の糸出し→第二編糸の糸入れの順序で行うこともできる。この場合、第一編糸の糸出し時に生じる第一編糸の編糸余端部は、第一編糸による特定編目の一方のシンカーループに対して解れ止めを行う。つまり、切り替えを行う二つの編糸の一方の編糸のみを用いて糸出し時の解れ止めを行う。また、実施形態1,2では、糸入れ・糸出し時に生じる各編糸余端部の解れ止めを同じ方法で行った。これに対して、糸入れ・糸出し時に生じる編糸余端部の解れ止めのうち、先に行う編糸余端部(ここでは、糸出し時に生じる編糸余端部)の解れ止めは、実施形態1,2に記載した方法を行うが、後に行う編糸余端部(ここでは、糸入れ時に生じる編糸余端部)の解れ止めは、実施形態1で記載した方法を用いずに容易に行うことができる。実施形態3では、この糸入れ・糸出しの順序と、後に生じる編糸余端部の解れ止め方法とが実施形態1とは異なり、他の工程については実施形態1と同じである。以下、実施形態1との相違点を中心に説明する。
図3は、実施形態3に係る編糸の解れ止め方法を用いて編成された編糸余端部の解れ止め状態を示すループ図である。まず、第二編糸2(太線)でベース編地部10を編成し、その編幅方向の途中で第二編糸2を糸出しする。このとき、ベース編地部10が既編成編地部に相当する。糸出し時に生じる第二編糸2の編糸余端部29に対する解れ止めは、実施形態1と同様の編成手順で行う。図3に示す編成では、工程αの割増やしを行う前に、一旦特定編目12を左向きでミスしている。特定編目12に対する右向きの割増やし編成で第一新規編目21(ここでは、表目)を形成し、この第一新規編目21に対して第二編糸2で第二新規編目22(ここでは、裏目)を形成している。ミス編成を行い、右向きに割増やし編成を行うことで、特定編目12の左側のシンカーループ12bに対して解れ止めを行うことができるが、このミス編成は必須ではない。
次に、第一編糸1(細線)を糸入れして、第二編糸2で編成したベース編地部10の最終編目列に続けて第一編糸1で柄編地部20を編成する。ベース編地部10の第二新規編目22に対して第一編糸1で第一切替編目111を形成する。続けて、この第一切替編目111に対して第一編糸1で第二切替編目112を形成する。図3に示す編成では、第一切替編目111(ここでは、表目)を左行給糸にて形成後、第一編糸1を給糸する給糸口(図示せず)を一旦右向きに蹴り返し、第一切替編目111を対向するBBに目移ししている。そして、この目移しした第一切替編目111に対して第二切替編目112(ここでは、裏目)を左行給糸にて形成している。第一切替編目111及び第二切替編目112は、表目と裏目のどちらでもよいが、第二新規編目112の形成前に蹴り返し・目移しを行い、異なる編目(表目か裏目)を形成することで、第一切替編目111に対して第二切替編目112を結ぶことができ、解れ止めをより強固に行うことができる。
第二編糸2及び第一編糸1の各編糸余端部29を編地の外側に引き出すことで、ベース編地部10の特定編目12の左側のシンカーループ12bに両編糸余端部29が集約されて解れ止めを行うことができる。第二編糸2の編糸余端部29を編地の外側に引き出すと、図3の極太線で示すように、第二新規編目22の左側のシンカーループから延びる第二編糸2が、特定編目12の左側のシンカーループに引っ掛かり、第二新規編目22の双方のシンカーループを周回する固定ループとなる。この固定ループによって、第二新規編目22の双方のシンカーループが近づく方向に引き締められる。特定編目12の左側のシンカーループ12bに引っ掛かる固定ループの中を、第二新規編目22の左側のシンカーループの第二編糸2が挿通することによって、第二新規編目22に続く第二編糸2の編糸余端部29の解れ止めができる。第二編糸2の編糸余端部29の引き出しと同時に、第一編糸1の編糸余端部29を編地の外側に引き出すと、第一切替編目111が、第二切替編目112の双方のシンカーループを近づく方向に引き締める。第一編糸1の編糸余端部29は、第二新規編目22のループの中を挿通しているため、ベース編地部10の特定編目12の左側のシンカーループ12bに対して、第二編糸2及び第一編糸1の各編糸余端部29が集約されて解れ止めがなされる。
最後に、第二切替編目112をベース編地部10の編目115に重ね合わせることで、第二編糸2及び第一編糸1の各編糸余端部29の解れ止めを一時的に確定することができる。この重ね目に続いて第一編糸1で新たな編目を形成することで、一時的に確定した解れ止めを永続的に確定することができる。ここでは、ベース編地部10の編目115に重ね合わせたが、特定編目12などの他のベース編地部10の編目に重ね合わせることもできる。また、第一編糸1で編成した柄編地部20の編目に重ね合わせることもできる。
ここでは、糸出し及び糸入れで生じる各編糸余端部の解れ止めを、同じ特定編目のシンカーループに集約して行った。これに対して、編糸の切り替えが糸出し→糸入れの順序のときでも、各編糸余端部の解れ止めを、それぞれ別の編目のシンカーループに対して行うこともできる。この場合、糸出し及び糸入れのそれぞれに対して、実施形態1,2と同様の編成手順で解れ止めを行えばよい。
また、糸入れ・糸出し時に生じる各編糸余端部の解れ止めのうち、後に行う編糸余端部の解れ止めは、糸入れ・糸出しの順序にかかわらず、一方の編糸で形成した第二新規編目に対して他方の編糸で編目を形成することで、両編糸の編糸余端部の解れ止めを同じ特定編目のシンカーループに集約して行うことができる。糸入れ→糸出しの順序で編糸の切り替えを行った場合、糸入れした編糸で形成した第二新規編目に対して、糸出しする編糸で編目を形成すればよい。
<実施形態4>
実施形態1〜3では、目移し用の羽根を有さない複合針(例えば、特許第5032822号公報などを参照)を備える横編機を用いた場合の解れ止め方法を説明した。これに対して、羽根針を備える横編機を用いても解れ止めを行うことができる。羽根針は、その一方の側面に目移し用の羽根を備えたべら針(例えば、特許第5032822号公報などを参照)や、複合針(例えば、特開平5−78962号公報などを参照)で、その羽根を介して対向する針床間で編目の目移しを行う構造を備える。そのため、対向する針床の羽根針のフック同士は針床の長手方向に若干ずれている。このずれによって、羽根針を備える横編機を用いて割増やしを行った場合、特定編目の一方の根元に第一新規編目の両シンカーループが巻き付く。つまり、割増やしを行うと特定編目の一方のシンカーループに第一新規編目が引っ掛かった状態となるため、実施形態1〜3で行った工程β〜工程δ(図1のS3及びS4)を省略することができる。
1 第一編糸 10 ベース編地部
12 特定編目 12a,12b シンカーループ
2 第二編糸 20 柄編地部
21 第一新規編目 22 第二新規編目
23 第三新規編目
25 後続編目
27 掛け目
29 編糸余端部
111 第一切替編目 112 第二切替編目
115 編目
4 第二給糸口

Claims (8)

  1. 少なくとも前後一対の針床と、針床に第一編糸と第二編糸の各々を給糸する第一給糸口及び第二給糸口とを有し、前後の針床間で編目の目移しが可能な横編機を用いて、編地の編成途中で、編糸を切り替えることで生じる編糸余端部を処理する編糸の解れ止め方法において、
    前記第一編糸又は前記第二編糸の一方の編糸で編成される既編成編地部のうち、一方の針床に係止される特定編目を他方の針床に目移しすると共に、前記編糸余端部が生じる前記第二編糸を前記特定編目から引出し、一方の針床に第一新規編目を形成する割増やしを行う工程αと、
    前記第一新規編目に対して前記第二編糸で第二新規編目を形成し、前記特定編目の一方のシンカーループに対して、前記第一新規編目の両シンカーループを交差させる工程εとを備えることを特徴とする編糸の解れ止め方法。
  2. 前記工程αと前記工程εの間に、
    他方の針床に目移しされた前記特定編目を一方の針床に目移しする工程βと、
    前記第一新規編目を形成する前記第二編糸の給糸口を、前記第一新規編目の形成時とは逆方向に移動させ、前記特定編目を通過させて戻す工程γと、
    前記工程βで一方の針床に目移しした前記特定編目を他方の針床に移し戻す工程δとを備えることを特徴とする請求項1に記載の編糸の解れ止め方法。
  3. 前記工程αの前に、
    前記工程αでの割増やし後に前記特定編目が所定の編針に係止されるように、前記特定編目を前記所定の編針の針床と対向する針床の編針に目移しする工程ωを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の編糸の解れ止め方法。
  4. 前記工程εの後に、
    前記第二新規編目を、前記第二編糸で前記既編成編地部の最終編目列に続いて編成された後続編目又は前記特定編目に重ねる工程ζを備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の編糸の解れ止め方法。
  5. 前記工程εの後に、
    前記第二新規編目に対して前記第二編糸で第三新規編目を形成する工程ηを備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の編糸の解れ止め方法。
  6. 前記工程εの後に、
    前記第二新規編目に対して前記第一編糸で第一切替編目を形成し、さらに前記第一切替編目に対して前記第一編糸で第二切替編目を形成する工程θを備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の編糸の解れ止め方法。
  7. 少なくとも前後一対の針床と、針床に第一編糸と第二編糸の各々を給糸する第一給糸口及び第二給糸口とを有し、前後の針床間で編目の目移しが可能な横編機を用いて、編糸の切り替えによって生じる編糸余端部が解れ止めされた編地において、
    前記第一編糸又は前記第二編糸の一方の編糸で形成された特定編目と、
    前記編糸余端部が生じる前記第二編糸で形成された新規編目と、
    前記新規編目の一方のシンカーループから延びる第二編糸が、前記特定編目の一方のシンカーループに引っ掛かり、前記新規編目の双方のシンカーループを周回し、この双方のシンカーループを近づく方向に引き締めて形成された固定ループとを備え、
    前記編糸余端部は、前記新規編目の他方のシンカーループまたは前記固定ループに繋がる第二編糸であることを特徴とする編地。
  8. 前記新規編目に対して前記第一編糸で形成された第一切替編目と、
    前記第一切替編目に対して前記第一編糸で続けて形成された第二切替編目とを備え、
    前記新規編目及び前記第一切替編目は、前記特定編目の一方のシンカーループに近づく方向に引き締められ、
    前記第一編糸による編糸余端部が、前記新規編目又は前記第一切替編目のループによって固定されていることを特徴とする請求項7に記載の編地。
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