JP6292783B2 - 光硬化性樹脂組成物及びシール材 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物及びシール材 Download PDF

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本発明は、光硬化性樹脂組成物及びシール材に関する。
近年、シール材や接着材用に種々の光硬化性樹脂が開発されている。
例えば、低透湿性、接着性及びセット性に優れる硬化物を得ることを目的として、(A)末端に(メタ)アクリロイル基を有する反応性ポリマーと、(B)(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、(C)光ラジカル重合開始剤と、(D)無機充填剤及び/又は有機増粘剤とを所定量含む光硬化性シール材用組成物を硬化することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、水蒸気バリア性が高く、耐熱性に優れ、かつゴム弾性材料として適度な硬度を有するシール材に好適な材料を得るために、(A)ジリチウム開始剤により共役ジエン系単量体、又は共役ジエン系単量体及び芳香族ビニル系単量体を重合して所定の分子量及び分子量分布を有する(共)重合体を製造する段階と、(B)前記(共)重合体とアルキレンオキシドとを反応させて、(共)重合体ポリオールを製造する段階と、(C)前記(共)重合体ポリオールに水素添加反応し、水添(共)重合体ポリオールを製造する段階と、(D)前記水添(共)重合体ポリオールと光硬化性不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させる段階とを含む方法により、光硬化性液状樹脂を製造することが報告されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−298964号公報 特開2007−145949号公報
ところで、シール材が、ハードディスクのガスケット等の電子製品の部品として用いられる場合、検査において不良品が発見されると、ガスケット等によりシールされた部品をはずして不良部品を交換(「リワーク」ともいう)することがある。
特許文献1に記載の光硬化性シール材用組成物から得られる硬化物及び特許文献2に記載の方法で得られる硬化物は、水蒸気の透過度(透湿度)を抑えることができても、必ずしもリワークが容易でなく、改善の余地があった。
本発明の課題は、以下の目的を達成することを課題とする。
すなわち、本発明は、透湿度が低く、リワークが容易で、圧縮破壊強度が大きく、かつ、柔軟性に優れる硬化物が得られる光硬化性樹脂組成物、及び、透湿度が低く、リワークが容易で、圧縮破壊強度が大きく、かつ、柔軟性に優れるシール材を提供することを目的とする。
本発明は、光硬化性樹脂組成物が、ジエン化合物由来の構成単位を有する光硬化性樹脂と共に、嵩高い分子構造を有する2種の光硬化性モノマーを含有することで、低透湿度と、低粘着性と、高柔軟性とを有する硬化物が得られることが見出され、完成された。
前記課題を解決するための具体的手段は以下のとおりである。
[1](A)ジエン化合物由来の構成単位を有し、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性樹脂と、
(B)非共役系環状炭化水素基及び(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性モノマーと、
(C)下記一般式(1)で表される光硬化性モノマーと、
(D)光重合開始剤と
を含む光硬化性樹脂組成物。
〔一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Aは、少なくとも1つの分岐構造を有し、かつ、炭素数10〜22の非環状炭化水素基を表す。〕
[2]前記ジエン化合物由来の構成単位が、ブタジエン及びイソプレンの少なくとも一方に由来する構成単位である、[1]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[3]前記ジエン化合物由来の構成単位が水素添加されている、[1]又は[2]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[4]前記(A)光硬化性樹脂の含有量が、前記(B)光硬化性モノマーの含有量よりも多い、[3]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[5]前記非共役系環状炭化水素基の環が橋かけ環である、[1]〜[4]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[6]前記(C)光硬化性モノマーの含有量が、前記(A)光硬化性樹脂と、前記(B)光硬化性モノマーと、前記(C)光硬化性モノマーとの合計100質量部に対し、5質量部〜40質量部である、[1]〜[5]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[7]前記(A)光硬化性樹脂と、前記(B)光硬化性モノマーと、前記(C)光硬化性モノマーとの合計100質量部に対する含有量が、前記(A)光硬化性樹脂は30質量部〜60質量部であり、前記(B)光硬化性モノマーは10質量部〜55質量部であり、前記(C)光硬化性モノマーは5質量部〜40質量部である、[1]〜[6]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物に光線照射してなるシール材。
本発明によれば、透湿度が低く、リワークが容易で、圧縮破壊強度が大きく、かつ、柔軟性に優れる硬化物が得られる光硬化性樹脂組成物を提供することができる。さらに、本発明によれば、透湿度が低く、リワークが容易で、圧縮破壊強度が大きく、かつ、柔軟性に優れる硬化物が得られるシール材を提供することができる。
実施例及び比較例の圧縮破壊強度の測定方法を模式的に示した図である。
<光硬化性樹脂組成物>
本発明の光硬化性樹脂組成物は、(A)ジエン化合物由来の構成単位を有し、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性樹脂と、(B)非共役系環状炭化水素基及び(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性モノマーと、(C)一般式(1)で表される光硬化性モノマーと、(D)光重合開始剤とを含む。
なお、以下、(A)ジエン化合物由来の構成単位を有し、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性樹脂を、「ジエン系ポリマー」とも称する。(B)非共役系環状炭化水素基及び(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性モノマーを、「環状モノマー」とも称する。(C)一般式(1)で表される光硬化性モノマーを、「特定モノマー」とも称する。
また、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
非共役系の環状炭化水素基を有する環状モノマーは、例えば、芳香族系の環状炭化水素基に比べ、嵩高い分子構造を有している。分子構造が嵩高くなることで、透湿度を抑制し、圧縮破壊強度を大きくすることができると考えられる。従って、環状モノマーと、ゴム弾性に富むジエン系ポリマーとを含む組成物を硬化することで、外的負荷に強く、透湿度が低く、ゴム弾性のある硬化物を得ることができる。しかし、環状モノマーは、その嵩高さのために硬化物の粘着性が高まり、硬化物をシール材として用いた場合、シール材がリワークし難かった。一方、粘着性を抑えるために、組成物中の環状モノマーの含有量を抑制すると、硬化物の透湿度が上がってしまった。
これに対し、光硬化性樹脂組成物が、さらに特定モノマーを含むことで、本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化物は、透湿度が低く、リワークが容易で、圧縮破壊強度が大きく、さらに、柔軟性に優れる硬化物が得られる。かかる理由は定かではないが、次の理由によるものと推察される。
特定モノマーは、分子内に、分岐構造を有しており、環状モノマーと同様に嵩高い分子構造を有している。従って、特定モノマーも、硬化物の低透湿度に寄与すると考えられる。また、特定モノマーの分岐構造部分は、炭素数が10〜22であり、疎水性を有するために、硬化物の透湿度が低下し易いと考えられる。一方、特定モノマーは、環状モノマーよりも嵩張らないために、硬化物の粘着性を高めにくいと考えられる。
従って、組成物が特定モノマーを含有することで、環状モノマーの含有率を抑制しつつ、硬化物の透湿度を低くすることができると考えられる。また、環状モノマーの含有率が抑制されるために、硬化物の粘着性が抑制されて、シール材のリワークが容易になると考えられる。
その結果、本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化物は、透湿度が低く、リワークが容易で、圧縮破壊強度が大きく、かつ、柔軟性に優れると推察される。
以下、本発明の光硬化性樹脂組成物が含む(A)〜(D)の各成分及び本発明の光硬化性樹脂組成物が含み得る種々の成分について詳細に説明する。
〔(A)ジエン化合物由来の構成単位を有し、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性樹脂(ジエン系ポリマー)〕
本発明の光硬化性樹脂組成物は、(A)ジエン化合物由来の構成単位を有し、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性樹脂(ジエン系ポリマー)を含む。
本発明の光硬化性樹脂組成物が、(A)成分であるジエン系ポリマーを含むことで、本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化物が柔軟性を有する。
ジエン系ポリマーは、分子内にジエン系化合物由来の構成単位を有し、分子鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有すれば特に制限されず、本発明の効果を損なわない限度において、水素添加されていてもよいし、他の構成単位を有していてもよい。分子鎖の「両末端」に(メタ)アクリロイル基を有することで低い粘着性が得られるが、(A)成分中に分子鎖の「片末端」に(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性樹脂が含まれていてもよく、その含有量は、(A)成分中、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
[ジエン化合物由来の構成単位]
「ジエン化合物由来の構成単位」とは、分子内に2つの二重結合を有する化合物、いわゆるジエン化合物を付加重合して形成された構成単位のことをいう。また、ジエン化合物由来の構成単位は、水素添加(単に、水添ともいう)されていてもよい。
ジエン化合物由来の構成単位を構成するジエン化合物は特に制限されず、イソプレン、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。ジエン化合物由来の構成単位は、上記ジエン化合物のうちの1種のみに由来してもよいし、2種以上のジエン化合物に由来していてもよい。中でも、光硬化性樹脂組成物の硬化物の柔軟性を得易くする観点等から、ジエン化合物は、ブタジエン及びイソプレンの少なくとも一方であることが好ましく、1,3−ブタジエンであることがより好ましい。
ジエン化合物由来の構成単位が水素添加されているとき、水添率は、耐候性等の観点から、70モル%以上であることが好ましい。水添率は大きいほどよく、具体的には、80モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましく、95モル%以上であることが特に好ましい。ジエン化合物由来の構成単位の水添率は、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMRスペクトル)を用いて算出すればよい。
ジエン化合物が1,3−ブタジエンであるとき、1,3−ブタジエンに由来の構成単位として、例えば、下記式(i)又は式(ii)に示される構成単位が挙げられる。
〔式(i)中のm1及びn1、並びに、式(ii)中のm2及びn2は、それぞれ、平均繰り返し単位数であり、各々独立に0以上を表し、かつ、1≦m1+n1であり、1≦m2+n2である。〕
式(i)のm1又は式(ii)のm2でくくられる構造は、ブタジエンの1,2−付加単位を表し、式(i)のn1又は式(ii)のn2でくくられる構造は、ブタジエンの1,4−付加単位を表す。
また、式(i)は、ブタジエン由来の構成単位が水素添加されていないこと(非水添状態)を表し、式(ii)は、ブタジエン由来の構成単位が水素添加されていること(水添状態)を表す。式(ii)では、1,2−付加単位及び1,4−付加単位の両方が水添状態である。ただし、硬化物の圧縮破壊強度を高くする観点からは、ジエン化合物由来の構成単位は、水素添加されていることが好ましく、ジエン化合物が1,3−ブタジエンであるときは、ジエン系ポリマーは、式(ii)を有していることが好ましい。
また、m1:n1、及び、m2:n2は、透湿度及びリワーク容易性の観点から、各々15:85〜95:5であることが好ましく、65:35〜95:5であることがより好ましい。
ジエン系ポリマーは、ジエン化合物由来の構成単位と、(メタ)アクリロイル基との間に、2価の炭化水素基、エステル結合、アミド結合、エーエル結合、ウレタン結合等の種々の連結基を有していてもよい。また、ジエン化合物由来の構成単位以外の構成単位を有していてもよい。
ジエン系ポリマーを合成により得る場合の合成のし易さの観点からは、ジエン系ポリマーは、ジエン化合物由来の構成単位と、(メタ)アクリロイル基との間に、ウレタン結合を有していることが好ましい。
ジエン系ポリマーは、合成してもよいし、市販品を用いてもよい。
ジエン系ポリマーを合成する場合、例えば、次のようにして製造することができる。
例えば、ジエン化合物として、両末端がヒドロキシ基であるジエンポリマー(例えば、ポリブタジエン;特開2007−145949号公報の重合製造例1参照)に、アクリル酸低級エステル(アクリル酸メチル等)を反応させて、両末端をアクリレート化すればよい。このとき、両末端がヒドロキシ基であるジエンポリマーは、水素添加していない非水添ジエンポリマーであってもよいし、水素添加した水添ジエンポリマーであってもよい。ただし、硬化物の透湿度をより低くする観点からは、水添ジエンポリマーであることが好ましい。
また、両末端がイソシアネート基であるジエンポリマーに、ヒドロキシ基を有するアクリル酸エステルモノマー(2−ヒドロキシエチルアクリレート等)を反応させて、両末端をアクリレート化してもよい。
ジエン系ポリマーを市販品として入手する場合は、例えば、大阪有機化学工業(株)製のSPBDA−S30、BAC−45等を用いればよい。なお、SPBDA−S30は水添されたブタジエン由来の構成単位を有し、BAC−45は非水添のブタジエン由来の構成単位を有する。
ジエン系ポリマーの重量平均分子量は、1,000〜100,000であることが好ましく、2,000〜50,000であることがより好ましい。ジエン系ポリマーの重量平均分子量が1,000〜100,000であると、硬化物の硬度を抑制することができ、柔軟性に優れる。
本発明の光硬化性樹脂組成物中のジエン系ポリマーの含有量は、硬化物の圧縮破壊強度及び柔軟性の観点から、ジエン系ポリマー〔(A)光硬化性樹脂〕と、環状モノマー〔(B)光硬化性モノマー〕と、特定モノマー〔(C)光硬化性モノマー〕との合計100質量部に対し、30質量部〜60質量部であることが好ましく、35質量部〜55質量部であることがより好ましく、40質量部〜50質量部であることがさらに好ましい。
また、ジエン化合物由来の構成単位が水素添加されている水添ジエン系ポリマーは、非水添ジエン系ポリマーよりも圧縮破壊強度が高いため、光硬化性樹脂組成物中の環状モノマーの割合を小さくすることができる。
すなわち、水添ジエン系ポリマーを用いる場合は、ジエン系ポリマー〔(A)光硬化性樹脂〕の含有量が、環状モノマー〔(B)光硬化性モノマー〕の含有量よりも多いこと(A>B)が好ましい。具体的には、水添ジエン系ポリマー100質量部に対し、環状モノマーが20質量部〜70質量部であることが好ましく、30質量部〜65質量部であることがより好ましい。
〔(B)非共役系環状炭化水素基及び(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性モノマー(環状モノマー)〕
本発明の光硬化性樹脂組成物は、(B)非共役系環状炭化水素基及び(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性モノマー(環状モノマー)を含む。
本発明の光硬化性樹脂組成物が、(B)成分である環状モノマーを含むことで、本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化物の透湿度が低くなる。すなわち、耐水蒸気透過性が高くなる。
環状モノマーは、非共役系環状炭化水素基及び(メタ)アクリロイル基を有すれば、特に制限されない。
非共役系環状炭化水素基としては、シクロアルキル基(飽和脂環基)、非共役系シクロアルケニル基(不飽和脂環基)等が挙げられる。非共役系環状炭化水素基の炭素数は、5〜20であることが好ましく、6〜15であることがより好ましく、7〜10であることがさらに好ましい。
シクロアルキル基としては、具体的には、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
非共役系シクロアルケニル基としては、具体的には、シクロブテニル基、シクロヘキセニル基、1,5−シクロオクタジエニル基、ジシクロペンテニル基、ノルボルネニル基等が挙げられる。
非共役系環状炭化水素基は、光硬化性樹脂組成物の硬化物の透湿度の観点から、嵩高い分子構造であることが好ましい。すなわち、非共役系環状炭化水素基の環は、ビシクロ構造、トリシクロ構造等の橋かけ環が好ましい。上記の例示の中では、ボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基、ジシクロペンテニル基、及びノルボルネニル基が好ましく、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、及びイソボルニル基がより好ましい。
環状モノマーの具体例としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
以上の中でも、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート及びイソボニル(メタ)アクリレートが好ましく、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート及びイソボニルアクリレートがより好ましい。
環状モノマーは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物中の環状モノマーの含有量は、透湿度の観点から、ジエン系ポリマー〔(A)光硬化性樹脂〕と、環状モノマー〔(B)光硬化性モノマー〕と、特定モノマー〔(C)光硬化性モノマー〕との合計100質量部に対し、10質量部〜55質量部であることが好ましく、15質量部〜50質量部であることがより好ましく、20質量部〜40質量部であることがさらに好ましい。
〔(C)一般式(1)で表される光硬化性モノマー(特定モノマー)〕
本発明の光硬化性樹脂組成物は、(C)一般式(1)で表される光硬化性モノマー(特定モノマー)を含む。
〔一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Aは、少なくとも1つの分岐構造を有し、かつ、炭素数10〜22の非環状炭化水素基を表す。〕
本発明の光硬化性樹脂組成物が、(C)成分である特定モノマーを含むことで、環状モノマーの含有率を抑制しても、硬化物の透湿度を低くすることができると考えられる。また、環状モノマーの含有率が抑制されるために、硬化物の粘着性が抑制されて、シール材のリワークが容易になると考えられる。
一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。すなわち、特定モノマーは、(メタ)アクリロイル基が、酸素原子を介してAと結合している。
一般式(1)中、Aは、少なくとも1つの分岐構造を有し、かつ、炭素数10〜22の非環状炭化水素基を表す。Aが少なくとも1つの分岐構造を有しないと、本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化物の透湿度を小さくすることができない。また、Aが少なくとも1つの分岐構造を有することで、Aが直鎖状である場合に比べ、硬化物の粘着性を小さくすることができ、Aがエチレンオキシド鎖を有する場合に比べ、圧縮破壊強度の大きな丈夫な硬化物を得ることができる。
また、Aの炭素数が10未満であると、特定モノマーが疎水性となりにくく、本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化物の透湿度を小さくすることができない。Aの炭素数が22を超える化合物の合成は困難である。
なお、Aの分岐構造の数は、炭素数が最も大きい分子鎖(主鎖)からの枝分かれ鎖の数である。参考に、式(iii−1)〜(iii−3)で示されるアルキル基の分岐構造数について説明する。
式(iii−1)で表されるデシル基は、主鎖となるヘプチル基から、3つのメチル基が枝分かれしているため、分岐構造数は3である。
式(iii−2)で表されるウンデシル基は、主鎖となるヘプチル基から、4つのメチル基が枝分かれしているため、分岐構造数は4である。
式(iii−3)で表されるテトラデシル基は、主鎖となるヘプチル基から、3つのメチル基と、1つのtert−ブチル基が枝分かれしているため、分岐構造数は4である。
Aで表される炭化水素基の炭素数は、10〜22であり、10〜18であることが好ましい。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物中の特定モノマーの含有量は、硬化物の透湿度、粘着性及び圧縮破壊強度の観点から、ジエン系ポリマー〔(A)光硬化性樹脂〕と、環状モノマー〔(B)光硬化性モノマー〕と、特定モノマー〔(C)光硬化性モノマー〕との合計100質量部に対し、5質量部〜40質量部であることが好ましく、10質量部〜35質量部であることがより好ましく、15質量部〜30質量部であることがさらに好ましい。
〔(D)光重合開始剤〕
本発明の光硬化性樹脂組成物は、(D)光重合開始剤を含む。
(D)成分である光重合開始剤は、(A)、(B)、及び(C)成分の硬化反応が進み、本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化物を得ることができるものであれば、特に制限されず、公知のものを用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、分子内開裂型として、ベンゾイン誘導体類、ベンジルケタール類[例えば、BASFジャパン(株)製、商品名:イルガキュア651]、α−ヒドロキシアセトフェノン類[例えば、BASFジャパン(株)製、商品名:ダロキュア1173、イルガキュア184、イルガキュア127]、α−アミノアセトフェノン類[例えば、BASFジャパン(株)製、商品名:イルガキュア907、イルガキュア369]、α−アミノアセトフェノン類とチオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)との併用、アシルホスフィンオキサイド類[例えば、BASFジャパン(株)製、商品名:イルガキュア819]などが挙げられ、水素引き抜き型として、ベンゾフェノン類とアミンの併用、チオキサントンとアミンの併用などが挙げられる。また、分子内開裂型と水素引き抜き型を併用してもよい。中でもα−ヒドロキシアセトフェノン及びベンゾフェノン類が好ましい。
光重合開始剤としては、上記の他に、特開2006−298964号公報の段落〔0036〕に記載の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量は、光硬化性樹脂組成物の硬化性の観点から、ジエン系ポリマー〔(A)光硬化性樹脂〕と、環状モノマー〔(B)光硬化性モノマー〕と、特定モノマー〔(C)光硬化性モノマー〕との合計100質量部に対し、0.1質量部〜5質量部であることが好ましく、0.5質量部〜5質量部であることがより好ましく、0.8質量部〜3質量部であることがさらに好ましい。
〔(E)添加剤〕
本発明の光硬化性樹脂組成物は、さらに各種の(E)添加剤を含んでいてもよい。
(E)添加剤としては特に制限は無く、例えば、安定化剤、光増感剤、無機充填材、増粘剤、粘着付与樹脂、チタンブラック等の着色剤、1,4−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−エチルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物、ポリチオールなどが挙げられる。
安定化剤としては、特開2006−298964号公報の段落〔0041〕に記載の安定化剤が挙げられる。また、光増感剤、増粘剤、及び粘着付与樹脂については、特開2013−028681号公報の段落〔0033〕及び〔0034〕に記載の光増感剤、増粘剤、及び粘着付与樹脂が挙げられる。
本発明の光硬化性樹脂組成物の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を適用することができる。例えば、(A)、(B)、(C)、及び(D)の各成分、並びに、必要に応じて(E)添加剤を温度調節可能な混練機、例えば、一軸押出機,二軸押出機,プラネリーミキサー、二軸ミキサー、高剪断型ミキサーなどを用いて混練することにより、製造することができる。
このようにして得られた光硬化性樹脂組成物に光線を照射することで、光硬化性樹脂組成物を硬化し、硬化物を得ることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化に用い得る光線とは、具体的には、活性エネルギー線であり、例えば、粒子線、電磁波及びこれらの組み合わせが挙げられる。
粒子線としては、電子線(electron beam;EB)及びα線が挙げられる。電磁波としては、紫外線(ultraviolet;UV)、可視光線、赤外線、γ線、X線等が挙げられる。これらの中でも、活性エネルギー線としては、紫外線を使用することが好ましい。
紫外線源としては、キセノンランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、マイクロ波方式エキシマランプ等を挙げることができる。活性エネルギー線は、窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気又は酸素濃度を低下させた雰囲気下にて照射することが好ましいが、通常の空気雰囲気でも十分に硬化させることができる。活性エネルギー線の照射温度は、通常、好ましくは10℃〜200℃であり、照射時間は、通常、好ましくは10秒〜60分である。活性エネルギー線の積算光量は、通常、好ましくは1,000mJ/cm2〜20,000mJ/cm2である。
<シール材>
本発明のシール材は、本発明の光硬化性樹脂組成物に光線照射してなる。
例えば、本発明の光硬化性樹脂組成物を、被着体に塗布し、所望の形状の塗布層を形成して、光線照射することにより、硬化物としてシール材を製造すればよい。
被着体としては、例えば、硬質樹脂からなるものも使用することができるが、加工性等から金属製のものが好ましい。金属としては特に制限はなく、例えば、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム/亜鉛合金めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、マグネシウム板、マグネシウム合金板などの中から、適宜選択して用いればよい。また、マグネシウムを射出成形したものを用いてもよい。耐食性の点から、無電解ニッケルめっき処理を施した金属が好適である。
光硬化性樹脂組成物の被着体への塗布は、光硬化性樹脂組成物を必要に応じて温度調節し、一定粘度に調整した塗布液を用いて任意の方法で行えばよい。
例えば、グラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフコート、ディッピング、ディスペンシングなどの方法が挙げられる。このようにして塗布液を塗布し、塗布層を形成した後、光線照射することにより塗布層を硬化させて、シール材とすればよい。
本発明のシール材は、ハードディスクドライブ(HDD)などの電子製品のガスケット、インクタンク用シール、液晶シール等として有用である。
シール材は、良好なシール性とHDD内のスペースを効率良く使用する観点から、光硬化性樹脂組成物の塗布層の断面アスペクト比(幅:高さ)が1:0.5〜1:2.0となるように、光硬化性樹脂組成物を被着体に塗布することが好ましい。塗布層の断面アスペクト比(幅:高さ)は、1:0.8〜1:2.0がより好ましい。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
後述する実施例及び比較例で作成した光硬化性樹脂組成物の硬化物について、次の方法により評価し、評価結果を表1に示した。
なお、光硬化性樹脂組成物の硬化物は、硬度、透湿度及び圧縮破壊強度の測定の場合には、25℃、空気雰囲気下で、ガラス基板上に光硬化性樹脂組成物を塗布してシート状にし、下記UV照射条件でUV照射して得た。
〔UV照射条件〕
・照射装置:センエンジニアリング(株)製紫外線照射機SE−UV1501BA−LT
・照射源:メタルハライドランプ
・照射温度:25℃
・照射時間:60秒
・光線波長:320nm〜390nmの範囲
・積算光量:2,000mJ/cm2
・照射状況:空気雰囲気下
1.硬度(ショアA)の測定方法
実施例又は比較例で光硬化性樹脂組成物を、シート状にしてUV照射して硬化物(シール材)とした後、厚さが約6mmとなるまでシートを重ねた。得られた積層体について、JIS K6253(タイプAデュロメータ)に準拠して硬度を測定した。測定値については、荷重保持時間を4秒とした。
なお、目標値は、65以下である。
2.透湿度の測定方法
実施例又は比較例で得られた光硬化性樹脂組成物を、シート状にしてUV照射して硬化物(シール材)とし、厚さが1mmのシートを得た。これを試験体として用い、試験体の透湿度を、JIS L1099に記載のA法の透湿カップを使用し、JIS Z0208に準拠して50℃、相対湿度90%の条件で測定した。透湿度の値が小さいほど、水蒸気の耐透過性に優れていることを示す。
なお、目標値は、10g/m2・24hr以下である。
3.粘着性の評価方法
実施例又は比較例で得られた光硬化性樹脂組成物を、高さ約1mm、幅約1mmにて、ステンレスプレート(1)の外周付近に製膜した。得られた膜に、積算光量を約4,000mJ/cm2としたこと以外は前記UV照射条件にてUV照射を行い、光硬化性樹脂組成物を硬化させ、表面に硬化膜を有する成形体を得た。この成形体をさらに、空気雰囲気下120℃で4時間加熱した。
次いで、成形体表面のうち硬化膜が形成された側に、硬化膜の両脇に0.6mm厚のスペーサーを置き、硬化膜及びスペーサー上に、穴部を有する別のステンレスプレート(2)を被せ、積層体とした。積層体をクランプにて固定し、硬化膜の厚さを0.6mmに固定した状態で85℃、20時間放置した。
積層体を室温に戻し、30分放置後、10mm/minの速度にて穴部を通じてステンレスプレート(1)を押し子にて押し当てて、ステンレスプレート(2)を剥がした。ステンレスプレート(1)表面の硬化膜からステンレスプレート(2)が剥がれるのに要する力を測定した。測定値を基に、光硬化性樹脂組成物の硬化物の粘着性を評価し、リワーク容易性の指標とした。
なお、目標値は、30N以下である。
4.圧縮破壊強度の測定方法
幅1mm、奥行き10mm、かつ深さ0.72mmの型を3つ有する金型に、実施例又は比較例で得られた光硬化性樹脂組成物を流し込み、既述の照射条件にて硬化物を得た。次いで、硬化物を、高さの異なる階段状の治具に載せて、硬化物を治具と板とで挟み、硬化物を圧縮した。具体的には、次のように行った。
図1に、3つの硬化物2を、高さの異なる階段状の治具4に載せた状態を示す。治具4は、両端の段の高さが同じで、端段の高さよりも低い段と、さらに低い段を有する階段を、両段の間に有する。治具4の両段に、それぞれ、スペーサー6を置いた。次いで、硬化物2の上に板8を載せ、板8がスペーサー6と接するまで板8を硬化物2に押し当てた。硬化物2は、段差毎に、「治具4の各窪みの深さ」+「スペーサー6の厚み」、又は、「スペーサー6の厚み」の厚さまで圧縮される。例えば、板8と、スペーサー6と、治具4との積層体の隙間が、高さ0.36mmである段に置かれた硬化物は、圧縮率が50%(100×0.36mm/0.72mm)となる。硬化物2は、板8と治具4とで挟んだまま、80℃で20時間静置した。その後、各圧縮率で挟まれた3つの硬化物2の破損状態を目視で観察した。
かかる手法により、圧縮率の異なる複数種の硬化物の圧縮破壊状態を調べ、観察した硬化物のうち、破損していない硬化物で、圧縮率が最も大きなものの圧縮率を、その硬化物の圧縮破壊強度〔%〕とした。例えば、圧縮破壊強度が50%であるとは、硬化物を圧縮して80℃で20時間置いても破損しない限界が圧縮率50%の条件であったことを表す。
目標値は、50%以上である。
<光硬化性樹脂組成物の作成>
実施例1〜10及び比較例1〜12
表1に示される(A)、(B)、(C)、及び(D)の各成分を、表1に示す組成にて混合し、実施例又は比較例の光硬化性樹脂組成物を作成した。
表1に示される各成分の詳細を以下に示す。
(A)ポリマーA
・ポリマーA−1・・・大阪有機化学工業(株)製、SPBDA−S30
(水添されたポリブタジエン由来の構成単位を有する。)
・ポリマーA−2・・・大阪有機化学工業(株)製、BAC−45
(非水添のブタジエン由来の構成単位を有し、式(i)中のm1:n1=20:80)
・ポリマーA−3・・・日本合成化学工業(株)製、紫光UV3700B
(比較用ポリマー、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂)
(B)環状モノマーB
・環状モノマーB−1・・・大阪有機化学工業(株)製、IBXA
・環状モノマーB−2・・・日立化成(株)製、ファンクリルFA−511AS
なお、環状モノマーB−1と、環状モノマーB−2の化学構造は、次のとおりである。
(C)モノマーC
(特定モノマー)
・モノマーC−1・・・・共栄社化学(株)製、ライトエステルID
・モノマーC−2・・・・大阪有機化学工業(株)製、ISTA
・モノマーC−3・・・・サートマー・ジャパン(株)製、SR395
・モノマーC−4・・・・共栄社化学(株)製、ライトアクリレートDTD−A
(比較モノマー)
・モノマーC−5・・・・共栄社化学(株)製、ライトエステルL
・モノマーC−6・・・・共栄社化学(株)製、ライトアクリレートS−A
・モノマーC−7・・・・共栄社化学(株)製、ライトアクリレートIAA
・モノマーC−8・・・・大阪有機化学工業(株)製、IOAA
・モノマーC−9・・・・大阪有機化学工業(株)製、INAA
・モノマーC−10・・・共栄社化学(株)製、ライトアクリレートEHDG−AT
・モノマーC−11・・・東亜合成(株)製、M−110
なお、モノマーC−1〜モノマーC−4及びモノマーC−7〜モノマーC−9は、一般式(1)におけるAが、表1に示す炭素数の分岐状アルキル基となっている。モノマーC−5及びモノマーC−6は、一般式(1)におけるAが、表1に示す炭素数の直鎖状アルキル基である。モノマーC−10及びC−11は、以下に示される構造である。
(D)光重合開始剤
・BASFジャパン(株)製、イルガキュア184
表1中、「備考」欄には、(A)〜(D)の各成分の特徴を示した。
(A)成分において、「水添」とは、ポリマーA−1が、水添ポリブタジエン由来の構成単位を有することを表す。「非水添」とは、ポリマーA−2のポリブタジエン由来の構成単位が水素添加されていないことを表す。
(B)成分における「飽和脂環」及び「不飽和脂環」は、各環状モノマーが有する非共役系環状炭化水素基の環の構造を表す。
(C)成分における「分岐アルキル基」及び「直鎖アルキル基」は、一般式(1)におけるA部分の炭化水素基の特徴を現す。モノマーC−10及びモノマーC−11は、エチレンオキシド鎖を含む構造であるため、「非炭化水素基」とした。
表1に示すように、(C)成分として特定モノマーを含んでいない比較例1、2、及び10の硬化物は、低透湿度を示すものの、粘着性が高かったり、柔軟性が不十分であった。(C)成分の代わりに、一般式(1)におけるAが分岐状構造を有していても炭素数が短いモノマー(比較例5〜7)や、Aが直鎖状のモノマー(比較例3及び4)を用いた硬化物は、粘着性が高まり、また、透湿度を低くすることができなかった。比較例8及び9に示すように、一般式(1)におけるAがエチレンオキシド基〔−(C24O)−〕を有するモノマーを用いた硬化物は、圧縮破壊強度が小さくなった。(C)成分として特定モノマーを含んでいても、環状モノマーを含まずに得られた硬化物(比較例11)は透湿度が高く、ジエン系ポリマーを含まずに得られた硬化物(比較例12)は透湿度が高い上に粘着性も高くなった。
これに対し、実施例1〜実施例10の光硬化性組成物は、いずれも、低硬度(柔軟性)と、低透湿度と、低粘着性と、高圧縮破壊強度を示した。
特に、実施例1〜3からわかるように、環状モノマーと特定モノマーとの量比に着目すると、環状モノマーが多い方が、透湿度が低く、圧縮破壊強度が大きくなり、特定モノマーが多い方が、柔軟性に優れる硬化物が得られた。
実施例1と7との対比からわかるように、環状モノマーの種類に着目すると、不飽和脂環よりも飽和脂環を有する構造の方が、硬化物を柔軟にし易いことがわかる。量は異なるが、不飽和脂環を有する環状モノマーと飽和脂環を有する環状モノマーを併用すると、硬化物の柔軟性に優れる硬化物が得られた(実施例8)。
実施例10に示されるように、ジエン系ポリマーとして、非水添ジエン化合物由来の構成単位を有するポリマーを用いても、環状モノマーをジエン系ポリマーよりも多くすることで、柔軟性と、低湿度と、低粘着性と、高圧縮破壊強度を有する硬化物が得られた。なお、実施例9と実施例10とを比較すると、ジエン化合物由来の構成単位が水素添加されている(A)成分を用いた実施例9では、圧縮破壊強度が高くなることが分かる。
本発明の光硬化性樹脂組成物に光線照射して得られる硬化物は、透湿度を低く維持しつつも、粘着性が低く、かつ、柔軟性も優れるため、シール材(封止材)として有用である。特に、低粘着性と柔軟性とを有するため、リワークし易い。
シール材は、特に電子製品シール材(封止材)として有用である。より具体的には、ハードディスクドライブ(HDD)用ガスケット、有機エレクトロルミネッセンス素子及び無機エレクトロルミネッセンス素子等の電子ディスプレイの封止材用途や、LEDが用いられる携帯電話、デジタルビデオカメラ、PDA等の電子機器のバックライト、大型ディスプレイ、道路表示器等の表示部、及び一般照明等の発光素子の封止材などとして有用である。
2 硬化物
4 治具
6 スペーサー
8 板

Claims (7)

  1. (A)ジエン化合物由来の構成単位を有し、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性樹脂と、
    (B)非共役系環状炭化水素基及び(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性モノマーと、
    (C)下記一般式(1)で表される光硬化性モノマーと、
    (D)光重合開始剤と
    を含む光硬化性樹脂組成物に光線照射してなるシール材。

    〔一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Aは、少なくとも1つの分岐構造を有し、かつ、炭素数10〜22の非環状炭化水素基を表す。〕
  2. 前記ジエン化合物由来の構成単位が、ブタジエン及びイソプレンの少なくとも一方に由来する構成単位である、請求項1に記載のシール材
  3. 前記ジエン化合物由来の構成単位が水素添加されている、請求項1又は2に記載のシール材
  4. 前記(A)光硬化性樹脂の含有量が、前記(B)光硬化性モノマーの含有量よりも多い、請求項3に記載のシール材
  5. 前記非共役系環状炭化水素基の環が橋かけ環である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシール材
  6. 前記(C)光硬化性モノマーの含有量が、前記(A)光硬化性樹脂と、前記(B)光硬化性モノマーと、前記(C)光硬化性モノマーとの合計100質量部に対し、5質量部〜40質量部である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシール材
  7. 前記(A)光硬化性樹脂と、前記(B)光硬化性モノマーと、前記(C)光硬化性モノマーとの合計100質量部に対する含有量が、前記(A)光硬化性樹脂は30質量部〜60質量部であり、前記(B)光硬化性モノマーは10質量部〜55質量部であり、前記(C)光硬化性モノマーは5質量部〜40質量部である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシール材
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