以下に添付図面を参照して、この光伝送装置及び光伝送方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下の各実施例の説明においては、同様の構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
・光伝送装置の第1の例
図1は、実施の形態にかかる光伝送装置の第1の例を示す図である。図1に示すように、光伝送装置1は、合波部2、レベル制御部3、ダミー光出力部4、多重部5、光増幅部6、及び図示しない受信部を備える。受信部は、信号光を受信する。
ダミー光出力部4は、ダミー光を出力する。例えば、ダミー光出力部4は、信号光のうち光増幅部6に入力される光と同一波長の光を含むダミー光を出力してもよい。ダミー光出力部4は、受信した信号光の光レベルが所定レベルより低下した場合に、ダミー光を出力してもよい。
レベル制御部3は、ダミー光出力部4及び方路1入力端子8に接続されている。方路1入力端子8には、例えば図示しない受信部によって受信された方路1からの信号光が入力される。従って、レベル制御部3には、ダミー光出力部4から出力されたダミー光、及び方路1入力端子8に入力された方路1からの信号光が入力される。
レベル制御部3は、受信した信号光の光レベルとダミー光出力部4から出力されたダミー光の光レベルとの和が所定の目標値になるように、ダミー光の光レベルを制御する。例えば、レベル制御部3は、光伝送装置1が方路1からの信号光に障害ありと判定した場合に、障害と判定された方路1からの信号光の光レベルと、ダミー光出力部4から出力されたダミー光の光レベルとの和が所定の目標値になるように、ダミー光の光レベルを制御してもよい。所定の目標値は、方路1からの信号光に障害ありと判定される前、すなわち方路1からの信号光が正常であるときの光レベルであってもよい。
合波部2は、レベル制御部3及び方路1入力端子8に接続されている。合波部2は、受信した信号光とレベル制御部3によって光レベルが制御されたダミー光とを合波する。例えば、合波部2は、障害と判定された方路1からの信号光と、レベル制御部3によって光レベルが制御されたダミー光とを合波してもよい。
多重部5は、合波部2に接続されている。多重部5には、合波部2によって合波された光が入力される。また、多重部5には、方路2入力端子7に入力された方路2からの信号光が入力される。方路2からの信号光は、方路1からの信号光が伝送された方路とは異なる他方路から受信した光である。多重部5は、合波部2によって合波された光と方路2からの信号光とを多重する。
光増幅部6は、多重部5に接続されている。光増幅部6は、多重部5によって多重された多重光を増幅して出力端子9へ出力する。光伝送装置1に多重部5がない場合には、光増幅部6は、合波部2によって合波された光を増幅する。出力端子9は、例えば図示しない方路3の光伝送路に接続されていてもよい。光増幅部6から出力された多重光は、出力端子9から方路3へ送出される。方路1入力端子8及び方路2入力端子7は、それぞれの方路の信号光を伝送する図示しない光ファイバや光導波路などの光伝送路に接続されていてもよい。
・光伝送システムの一例
図2は、実施の形態にかかる光伝送システムの一例を示す図である。図2に示すように、光伝送システム11は、例えば図1に示す複数の光伝送装置1、及び光伝送装置1間を接続する光伝送路12を備える。光伝送装置1については、図1を参照しながら説明した通りであるため、重複する説明を省略する。光ファイバや光導波路は、光伝送路12の一例である。なお、光伝送装置1は、図2に示すように、信号光を通過(THRU、スルー)させるだけでなく、信号光の分岐(DROP、ドロップ)や挿入(ADD、アッド)を行えるようになっていてもよい。
・光伝送方法の第1の例
図3は、実施の形態にかかる光伝送方法の第1の例を示す図である。図3に示す光伝送方法は、例えば図1に示す光伝送装置1によって実施されてもよい。本実施例では、図1に示す光伝送装置1によって実施され、例えば光伝送装置1が、受信した信号光に障害があると判定するとダミー光を挿入する場合を例にして説明する。
図1に示す光伝送装置1において光伝送が開始されると、光伝送装置1は、方路1からの信号光の光レベルを取得する(ステップS1)。次いで、光伝送装置1は、取得した方路1からの信号光の光レベルに基づいて、方路1からの信号光に障害があるか否かを判定する(ステップS2)。
例えば、方路1からの信号光を伝送する光ファイバや光導波路などの光伝送路が切断されたり、光伝送路と光伝送装置との接続が外れたりして、方路1からの信号光の入力が遮断された場合、方路1からの信号光の光レベルが小さくなる。従って、光伝送装置1は、例えば方路1からの信号光の光レベルが予め設定された閾値よりも小さい場合に、方路1からの信号光に障害があると判定し、方路1からの信号光の光レベルが閾値よりも小さくない場合に、方路1からの信号光に障害がないと判定することができる。
光伝送装置1が方路1からの信号光に障害がないと判定した場合(ステップS2:No)、ステップS1に戻る。ダミー光出力部4は、光伝送装置1が方路1からの信号光に障害があるか否かを判定する前からダミー光を出力している。従って、光伝送装置1が方路1からの信号光に障害がないと判定した場合には、レベル制御部3は、ダミー光出力部4から出力されたダミー光のうち、方路1からの信号光と同一波長の光の光レベルを例えばゼロに減衰させる。それによって、方路1からの信号光に障害がない場合、合波部2には、方路1からの信号光と同一波長のダミー光は入力されない。
一方、光伝送装置1が方路1からの信号光に障害があると判定した場合(ステップS2:Yes)、レベル制御部3は、方路1からの信号光の光レベルと、ダミー光出力部4から出力されたダミー光の光レベルとの和を算出する(ステップS3)。そして、レベル制御部3は、ステップS3で算出した光レベルの和が所定の目標値に等しいか否かを判定する(ステップS4)。本実施例では、ステップS4の判定において、ステップS3で算出した光レベルの和が所定の目標値とほぼ等しい場合も、ステップS3で算出した光レベルの和が所定の目標値に等しい場合に含めるとする。
ステップS3で算出した光レベルの和が所定の目標値に等しくない場合(ステップS4:No)、レベル制御部3は、方路1からの信号光の光レベルとダミー光の光レベルとの和が所定の目標値になるように、ダミー光の光レベルを制御する(ステップS5)。そして、ステップS3に戻る。
方路1からの信号光と光レベルが制御されたダミー光とは、合波部2によって合波される。合波部2によって合波された光は、多重部5によって方路2からの信号光と多重されて光増幅部6に入力される。
一方、ステップS3で算出した光レベルの和が所定の目標値に等しい場合(ステップS4:Yes)、方路1からの信号光の代わりに、方路1からの信号光と同一波長のダミー光を挿入することが完了したため(ステップS6)、光伝送装置1は、一連の処理を終了する。
図1に示す光伝送装置1、図2に示す光伝送システム11または図3に示す光伝送方法によれば、レベル制御部3が、方路1からの信号光の光レベルとダミー光出力部4から出力されているダミー光の光レベルとの和が所定の目標値になるように、ダミー光の光レベルを制御する。それによって、方路1からの信号光に障害が発生しても、方路1からの信号光の波長と同じ波長の光が、瞬断なく、光増幅部6に供給されるため、光増幅部6に一定のパワーの光が入力される。従って、光増幅部6の入力レベルの急変によって引き起こされる光サージの発生を防ぐことができるため、方路1からの光に多重される方路2からの信号光の劣化を防ぐことができる。
・光伝送装置の第2の例
図4は、実施の形態にかかる光伝送装置の第2の例を示す図である。図4に示すように、光伝送装置21は、図示しない受信部、方路1〜方路kのそれぞれについてプリアンプ22、1×nSPL(Splitter)23、第1のPD(Photo Detector、光検出器)24及びCPL(Coupler、カプラ)25を有する。また、光伝送装置21は、M×1WSS(Wavelength Selective Switch、波長選択スイッチ)26及びポストアンプ27を有する。k、n及びMは、2以上の整数であり、光伝送システムによって決まる値である。
光伝送装置21は、例えばROADM装置であってもよい。本実施例では、光伝送装置21がROADM装置であるとして説明する。
各方路のプリアンプ22は、それぞれの光伝送路を介して図示しない受信部に接続されている。受信部は、光ネットワークの他の光伝送装置に接続されていてもよい。本実施例では、光伝送路は、光ファイバや光導波路などであってもよい。プリアンプ22は、各方路からの波長多重光を増幅し、光伝送装置間や光伝送装置21内の損失を補償して受光感度を改善する。
各方路の1×nSPL23は、それぞれの光伝送路を介してそれぞれの方路のプリアンプ22に接続されている。1×nSPL23は、プリアンプ22から出力された波長多重光をn分岐し、そのうちの一つの光を各方路の主信号系の光伝送路へ出力し(スルー)、残りの光を図示しない受信器側または複数の異なる方路へ出力する(ドロップ)。
各方路の第1のPD24は、それぞれの主信号系の光伝送路を介してそれぞれの方路の1×nSPL23に接続されている。第1のPD24は、1×nSPL23から主信号系の光伝送路に出力された信号光の光レベルを検出し、検出した光レベルに応じた電気信号を出力する。図4において、「PD1−1」は、方路1に設けられた第1のPD24であり、「PDk−1」は、方路kに設けられた第1のPD24である。
厳密には、各方路の1×nSPL23から伸びる主信号系の光伝送路には、それぞれ図示省略する1×2SPLが接続されている。この1×2SPLにおいて、1×nSPL23から主信号系の光伝送路に出力された信号光が2分岐され、一方の光がCPL25へ出力され、他方の光が第1のPD24へ出力される。第1のPD24は、1×2SPLから出力された信号光の光レベルを検出する。
各方路のCPL25は、それぞれの主信号系の光伝送路を介してそれぞれの方路の第1のPD24に接続されている。CPL25は、1×nSPL23から主信号系の光伝送路に出力された信号光と、後述する高速VOA(Variable Optical Attenuator、可変光減衰器)31から出力されたダミー光とを合波する。CPL25は、合波部2の一例である。
M×1WSS26は、それぞれの主信号系の光伝送路を介して各方路のCPL25に接続されている。また、M×1WSS26は、図示省略する送信器に接続されており、M×1WSS26には送信器から光が挿入される(アッド)。M×1WSS26は、各方路及び送信器からのM系統の光のスルーまたはブロックを波長ごとに行い、各方路のCPL25から主信号系の光伝送路に出力された光、及び送信器から挿入された光を合波した波長多重光を出力する。M×1WSS26は、多重部5の一例である。
各方路及び送信器のそれぞれからM×1WSS26に入力される光の波長数は、信号光とダミー光とを合わせて常に、光伝送システムごとに規定されている運用可能な最大波長数である。つまり、各方路及び送信器のそれぞれからM×1WSS26には、それぞれ信号光とダミー光とを合わせてシステムで運用可能な全波長の光が入力される。また、各方路及び送信器のそれぞれからM×1WSS26に入力される光の光レベルは、常に一定になるように制御されている。
ポストアンプ27は、光伝送路を介してM×1WSS26に接続されている。ポストアンプ27は、高出力及び高飽和出力特性を備えており、M×1WSS26から方路lの光伝送路に出力された波長多重光を遠距離まで伝送可能なように増幅する。ポストアンプ27の制御方式としては、利得一定制御が用いられてもよい。なお、ポストアンプ27は、出力パワー一定制御によって制御されてもよい。ポストアンプ27は、光増幅部6の一例である。
また、光伝送装置21は、モニタ回路28、制御回路29、第2のPD30、高速VOA31、1×kSPL32、光フィルタ33及びASE(Amplified Spontaneous Emission、自然放出光)光源34を有する。
図5は、図4に示すASE光源の出力光の光スペクトルを示す図である。図5に示すように、ASE光源34は、光伝送システムで運用可能な全波長を含む波長帯域に亘って光スペクトルが連続する自然放出光を出力する。
光フィルタ33は、光伝送路を介してASE光源34に接続されている。図6は、図4に示す光フィルタの出力光の光スペクトルを示す図である。図6に示すように、光フィルタ33は、ASE光源34から出力された自然放出光から、各信号光の波長において信号光と同程度の光スペクトル幅を有するダミー光を生成する。光フィルタ33は、例えばM×1WSS26と同様のフィルタ特性を有する。あるいは、M×1WSS26と同様のWSSを光フィルタ33として用いることもできる。ASE光源34及び光フィルタ33は、ダミー光出力部4の一例である。
1×kSPL32は、光伝送路を介して光フィルタ33に接続されている。1×kSPL32は、光フィルタ33から出力されたダミー光をk分岐して方路1〜方路kのそれぞれに向けて出力する。
高速VOA31は、方路1〜方路kのそれぞれに対して設けられており、それぞれ光伝送路を介して1×kSPL32に接続されている。また、各高速VOA31は、電気配線を介して制御回路29に接続されている。高速VOA31は、制御回路29からの制御信号に基づいて、1×kSPL32からのダミー光の光レベルを制御する。
信号光の光レベルが異常であると判定された場合には、高速VOA31は、異常であると判定された方路に対して、異常と判定された信号光の光レベルとダミー光の光レベルとの和、すなわちCPL25から出力される光の光レベルが所定の目標値になるように、ダミー光の光レベルを制御する。
所定の目標値は、信号光の光レベルが異常であると判定される前、すなわち異常と判定された方路の主信号系の光伝送路に正常な信号光が入力されていたときにCPL25から出力されていた光の光レベルであってもよい。所定の目標値は、各第1のPD24及び各第2のPD30のモニタ精度、並びに信号光パワーのゆらぎを考慮して予め設定される。高速VOA31は、レベル制御部3の一例である。
第2のPD30は、方路1〜方路kのそれぞれに対して設けられており、それぞれ光伝送路を介して対応する高速VOA31に接続されている。第2のPD30は、高速VOA31から出力されたダミー光の光レベルを検出し、検出した光レベルに応じた電気信号を出力する。図4において、「PD1−2」は、方路1に対応する第2のPD30であり、「PDk−2」は、方路kに対応する第2のPD30である。
厳密には、各方路に対応する高速VOA31から伸びる光伝送路には、それぞれ図示省略する1×2SPLが接続されている。この1×2SPLにおいて、第2のPD30から光伝送路に出力された信号光が2分岐され、一方の光がCPL25へ出力され、他方の光が第2のPD30へ出力される。第2のPD30は、1×2SPLから出力されたダミー光の光レベルを検出する。
モニタ回路28は、電気配線を介して各第1のPD24及び各第2のPD30に接続されている。モニタ回路28は、各第1のPD24から各方路の信号光の光レベルを収集する。また、モニタ回路28は、各第2のPD30から各方路に対応するダミー光の光レベルを収集する。モニタ回路28は、収集した結果に対して、例えばCPL25での損失や各第1のPD24及び各第2のPD30における図示省略する1×2SPLでの損失を考慮して補正を行い、補正した結果を制御回路29へ出力する。
CPL25での損失や1×2SPLでの損失は、予め取得されており、例えばモニタ回路28または制御回路29に保持されていてもよい。モニタ回路28は、第1のPD24から収集した信号光の光レベル、第2のPD30から収集したダミー光の光レベル、CPL25での損失及び図示省略する1×2SPLでの損失に基づいて、各CPL25から出力される光の光レベルを算出することができる。
制御回路29は、電気配線を介してモニタ回路28に接続されている。制御回路29は、モニタ回路28から、各第1のPD24によって検出された各方路の信号光の光レベルを受け取り、各方路の信号光の光レベルに基づいて、各方路からの信号光に障害があるか否かを判定する。制御回路29は、信号光に障害ありと判定すると、障害ありと判定した方路に対応する高速VOA31に対して、信号光の光レベルとダミー光の光レベルとの和が所定の目標値になるように、ダミー光の光レベルを制御する制御信号を出力する。
図7は、図4に示すモニタ回路及び制御回路のハードウェア構成の一例を示す図である。図7に示すように、モニタ回路28及び制御回路29は、例えばCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)41、メモリ42及びI/O43がバス44に接続された構成を有していてもよい。
CPU41は、メモリ42からブートプログラムやアプリケーションプログラムを読み出して実行する。メモリ42は、ブートプログラムやアプリケーションプログラムを記憶している。また、メモリ42は、CPU41の作業領域として用いられる。I/O43は、第1のPD24、第2のPD30及び高速VOA31に接続され、第1のPD24及び第2のPD30からの信号の入力、並びに高速VOA31への信号の出力を司る。
図8は、図4に示すモニタ回路及び制御回路の機能的構成の一例を示す図である。図8に示すように、モニタ回路28は、例えばモニタ結果収集・補正部51及びデータベース部52を有していてもよい。データベース部52は、例えばCPL25での損失や各第1のPD24及び各第2のPD30における1×2SPLでの損失のデータを有する。データベース部52は、各方路の信号光およびダミー光の波長のデータを有していてもよい。
モニタ結果収集・補正部51は、各第1のPD24から各方路の信号光の光レベルを収集し、各第2のPD30から各方路に対応するダミー光の光レベルを収集する。モニタ結果収集・補正部51は、データベース部52から、例えばCPL25での損失や各第1のPD24及び各第2のPD30における1×2SPLでの損失のデータを取得する。モニタ結果収集・補正部51は、データベース部52から取得した損失のデータを用いて、第1のPD24及び第2のPD30から収集した信号光及びダミー光の光レベルを補正する。
制御回路29は、入力断判定部53、モニタ結果差分比較部54、VOA設定値計算部55及びVOA駆動部56を有していてもよい。入力断判定部53は、モニタ結果収集・補正部51から、各第1のPD24によって検出された各方路の信号光の光レベルを受け取り、各方路の信号光の光レベルに基づいて、各方路からの信号光に障害があるか否か、つまり信号光の入力断があるか否かを判定する。例えば、入力断判定部53は、各方路の信号光の光レベルを、予め設定されている閾値と比較し、信号光の光レベルが閾値よりも小さい方路に対して、信号光の入力断があると判定してもよい。
モニタ結果差分比較部54は、モニタ結果収集・補正部51から各方路の信号光の光レベル及び各方路に対応するダミー光の光レベルを受け取り、入力断判定部53によって信号光に障害ありと判定された方路について、信号光の光レベルとダミー光の光レベルとの和を算出する。モニタ結果差分比較部54は、算出した信号光の光レベルとダミー光の光レベルとの和と、所定の目標値との差分を算出する。データベース部52は、所定の目標値を有していてもよい。
VOA設定値計算部55は、モニタ結果差分比較部54から、信号光の光レベルとダミー光の光レベルとの和と、所定の目標値との差分を受け取り、その差分に基づいて、入力断判定部53によって信号光に障害ありと判定された方路に対応する高速VOA31の減衰量を算出する。例えば、VOA設定値計算部55は、モニタ結果差分比較部54によって算出された差分がゼロになるように、高速VOA31の減衰量を算出する。
VOA駆動部56は、VOA設定値計算部55から、入力断判定部53によって信号光に障害ありと判定された方路に対応する高速VOA31の減衰量を受け取り、その減衰量に基づいて、障害ありと判定された方路に対応する高速VOA31に、その高速VOA31を駆動する制御信号を出力する。
モニタ結果収集・補正部51、入力断判定部53、モニタ結果差分比較部54、VOA設定値計算部55及びVOA駆動部56は、CPU41が、後述する光伝送方法を実現するプログラムを実行することによって実現されてもよい。あるいは、モニタ結果収集・補正部51、入力断判定部53、モニタ結果差分比較部54、VOA設定値計算部55及びVOA駆動部56は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、CPU41の代わりに、DSP(Digital Signal Processor、デジタルシグナルプロセッサ)やFPGA(Field Programmable Gate Array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)を用いてもよい。データベース部52は、メモリ42によって実現されてもよい。
・光伝送方法の第2の例
図9は、実施の形態にかかる光伝送方法の第2の例を示す図である。図9に示す光伝送方法は、例えば図4に示す光伝送装置によって実施されてもよい。本実施例では、図4に示す光伝送装置によって実施されるとして説明する。
図4に示す光伝送装置21において光伝送が開始されると、光伝送装置21は、各第1のPD24による信号光の光レベル、及び各第2のPD30によるダミー光の光レベルのモニタを開始する(ステップS11)。そして、モニタ結果収集・補正部51は、各第1のPD24から各方路の信号光の光レベル、すなわちPD1−1〜PDk−1の各出力パワーP(PD1−1)〜P(PDk−1)を取得する(ステップS12)。
次いで、入力断判定部53は、PD1−1〜PDk−1の各出力パワーP(PD1−1)〜P(PDk−1)が、予め設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS13)。データベース部52は、閾値を有していてもよい。各出力パワーP(PD1−1)〜P(PDk−1)が閾値以上である場合(ステップS13:Yes)、ステップS12に戻る。
いずれかの出力パワーP(PD1−1)〜P(PDk−1)が閾値以上でない場合(ステップS13:No)、ステップS14へ進む。本実施例では、例えば方路iのPDi−1の出力パワーP(PDi−1)が閾値以上でないとして説明する。iは、1以上k以下の整数である。
ステップS14では、モニタ結果収集・補正部51は、方路iに対応する第2のPD30から方路iに対応するダミー光の光レベル、すなわちPDi−2の出力パワーP(PDi−2)を取得する。また、モニタ結果収集・補正部51は、データベース部52から取得した損失のデータを用いて、PDi−2の出力パワーP(PDi−2)を補正する。そして、モニタ結果差分比較部54は、PDi−1の出力パワーP(PDi−1)と補正済みのPDi−2の出力パワーP(PDi−2)との合計値P(PDi−1+PDi−2)を算出する(ステップS14)。
次いで、モニタ結果差分比較部54は、ステップS14で算出した合計値P(PDi−1+PDi−2)と所定の目標値、すなわちターゲットパワーP(T)との差分を算出する(ステップS15)。次いで、VOA設定値計算部55は、ステップS15で算出された差分に基づいて、方路iに対応する高速VOA31の減衰量を算出する。そして、VOA駆動部56は、VOA設定値計算部55によって算出された減衰量に基づいて、方路iに対応する高速VOA31に制御信号を出力し、その高速VOA31の減衰量(ATT量)を設定する(ステップS16)。
次いで、モニタ結果収集・補正部51は、再びPDi−1の出力パワーP(PDi−1)と補正済みのPDi−2の出力パワーP(PDi−2)との合計値P(PDi−1+PDi−2)を算出する(ステップS17)。そして、モニタ結果差分比較部54は、ステップS17で算出した合計値P(PDi−1+PDi−2)がターゲットパワーP(T)レベルに相当するレベルであるか否かを判定する(ステップS18)。
ステップS17で算出した合計値P(PDi−1+PDi−2)がターゲットパワーP(T)レベルに相当するレベルでない場合(ステップS18:No)、ステップS14に戻る。一方、ステップS17で算出した合計値P(PDi−1+PDi−2)がターゲットパワーP(T)レベルに相当するレベルである場合(ステップS18:Yes)、方路iからの信号光の代わりに、方路iからの信号光と同一波長のダミー光を挿入することが完了したため(ステップS19)、光伝送装置21は、一連の処理を終了する。本実施例では、ステップS18の判定において、ステップS17で算出した合計値P(PDi−1+PDi−2)がターゲットパワーP(T)とほぼ等しければ、合計値P(PDi−1+PDi−2)がターゲットパワーP(T)レベルに相当するレベルであるとする。
・波長配置の第1の例
図10は、図4に示す光伝送装置の正常時の波長配置例を示す図である。図11は、図4に示す光伝送装置の障害時の波長配置例を示す図である。本実施例では、説明の簡略化のため、方路1からの光と方路2からの光とをM×1WSS26で多重して方路3へ出力する場合を例にして説明する。
図10に示すように、正常時には、方路1からM×1WSS26に、方路1の信号光と、方路2の信号光の波長と同じ波長のダミー光とが入力される。また、正常時には、方路2からM×1WSS26に、方路2の信号光と、方路1の信号光の波長と同じ波長のダミー光とが入力される。そして、正常時には、M×1WSS26において、方路1から入力された方路1のダミー光と、方路2から入力された方路2のダミー光とがブロックされて、M×1WSS26から方路3に、方路1の信号光と方路2の信号光とが出力される。
図11に示すように、方路2で起こった障害によって方路2から信号光が入力されなくなると、方路2に、方路2の信号光の波長と同じ波長のダミー光が挿入される。それによって、方路2からM×1WSS26に、方路2の信号光の波長と同じ波長のダミー光と、方路1の信号光の波長と同じ波長のダミー光とが入力される。また、方路1については正常時と同様に、M×1WSS26に、方路1の信号光と、方路2の信号光の波長と同じ波長のダミー光とが入力される。そして、方路2の障害時には、M×1WSS26において、方路1から入力された方路1のダミー光と、方路2から入力された、方路1の信号光の波長と同じ波長のダミー光とがブロックされて、M×1WSS26から方路3に、方路1の信号光と、方路2の信号光の波長と同じ波長のダミー光とが出力される。
・障害時のポストアンプ入力パワーの変化の一例
図12は、図4に示す光伝送装置における障害時のポストアンプ入力パワーの変化を示す図である。図12に示すように、ある方路で起こった障害によってその方路から信号光が入力されなくなると、その障害の起こった方路からの信号光のパワーが下がって来る。そして、信号光のパワーが閾値に達すると、その入力されなくなった信号光の代わりに、ダミー光の挿入が開始される。ダミー光の挿入後は、下がっていく信号光のパワーと上がっていくダミー光のパワーとが、例えば障害が起こる前のパワーになるように、ダミー光のパワーが制御される。それによって、障害発生後、直ちに、信号光のパワーとダミー光のパワーとの和が、例えば障害が起こる前のパワーに戻る。
一般に、入力断の発生から信号光のパワーがゼロになるまでには、例えば百μ秒〜数m秒程度の時間がかかる。それに対して、制御回路29が高速VOA31に、高速VOA31を駆動する制御信号を出力してから高速VOA31がダミー光を出力するまでにかかる時間は、例えば数n秒〜数μ秒程度である。つまり、信号光のパワーが著しく小さくなる前にダミー光の挿入が開始される。
図4に示す光伝送装置21または図9に示す光伝送方法によれば、障害の発生した方路からの信号光の光レベルと、高速VOA31から出力されるダミー光の光レベルとの和が所定の目標値になるように、制御回路29及び高速VOA31がダミー光の光レベルを制御する。それによって、信号光が入力断となっても、入力断となった信号光の波長と同じ波長のダミー光が、瞬断なく、ポストアンプ27に供給されるため、ポストアンプ27に一定のパワーの光が入力される。また、各方路からM×1WSS26にそれぞれシステムで運用可能な全波長の光が入力され、その入力される光の光レベルが常に一定になるように制御されるため、ポストアンプ27に一定のパワーの光が入力される。従って、ポストアンプ27の入力レベルの急変によって引き起こされる光サージの発生を防ぐことができるため、障害の発生した方路からの光に多重される他の方路からの信号光の劣化を防ぐことができる。
また、ポストアンプ27の利得波長特性にバラツキがある場合、障害等によりポストアンプ27への入力波長数が変化すると、障害等の発生前後で残留信号の利得、すなわち出力パワーが変化してしまうことがある。それに対して、図4に示す光伝送装置21によれば、常にシステムで運用可能な全波長の光がポストアンプ27に入力されるため、障害等の発生前後で出力パワーが変化するのを防ぐことができる。
また、図4に示す光伝送装置21によれば、高速VOA31を用いることによって、障害発生後、障害発生により入力断となった信号光の波長と同じ波長のダミー光を、瞬断なく、ポストアンプ27に入力させることができる。
・光伝送装置の第3の例
図13は、実施の形態にかかる光伝送装置の第3の例を示す図である。図13に示すように、光伝送装置21は、光フィルタ33のない構成であってもよい。
図14は、図13に示すM×1WSSの透過特性を示す図である。ASE光源34から出力された自然放出光は、全信号波長帯域に亘って光スペクトルが連続する光である(図5参照)。図14に示す透過特性を有するM×1WSS26によって信号光の波長間付近が遮断帯域となるため、M×1WSS26において、自然放出光から、各信号光の波長において信号光と同程度の光スペクトル幅を有する光が生成される。
図15は、信号光のみの場合のWSSへの入力光及びWSSの出力光の光スペクトルを示す図である。図16は、ダミー光を追加した場合のWSSへの入力光及びWSSの出力光の光スペクトルを示す図である。M×1WSS26のフィルタ特性によって信号光の波長間付近が遮断帯域となるため、ASE光源34から出力されたダミー光の一部が遮断される。そのため、図15及び図16に示すように、CPL25から出力される信号光とダミー光との合計パワーを所定のパワーに設定しても、M×1WSS26を透過した後の光のパワーが所定のパワーよりも小さくなる場合がある。
WSS透過後の光のパワーが所定のパワーよりも小さくなる場合には、M×1WSS26の透過特性を予め取得しておき、WSSによるダミー光の減少分を補償するように、ダミー光のパワーを調整すればよい。例えば、M×1WSS26の遮断帯域によるパワー減少の補正係数をKとする。Kは0よりも大きく、1よりも小さい値である。この場合、制御回路29において、PDi−2の出力パワーP(PDi−2)にKを乗じた値とPDi−1の出力パワーP(PDi−1)との合計値を算出し、この合計値とターゲットパワーP(T)との差分に基づいて、高速VOA31の減衰量を設定すればよい。
その他の構成は、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様である。従って、重複する説明を省略する。
図13に示す光伝送装置21によれば、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様に、信号光が入力断となっても、ポストアンプ27に一定のパワーの光が入力されるため、光サージの発生を防ぎ、障害の発生した方路からの光に多重される他の方路からの信号光の劣化を防ぐことができる。また、光フィルタ33がないため、部品点数の削減によるコストダウン及び組み立て工数の削減によるコストダウンを図ることができる。
・光伝送装置の第4の例
図17は、実施の形態にかかる光伝送装置の第4の例を示す図である。図17に示すように、光伝送装置21は、方路1〜方路kのそれぞれにおいて、第1のPD24及び第2のPD30をなくし、その代わりにCPL25の出力側にPD35を設けた構成であってもよい。PD35は、CPL25から出力された光の光レベルを検出し、検出した光レベルに応じた電気信号を出力する。CPL25は、信号光とダミー光とを合波した光を出力する。図17において、「PD1」は、方路1に設けられたPD35であり、「PDk」は、方路kに設けられたPD35である。
厳密には、各方路のCPL25から伸びる主信号系の光伝送路には、それぞれ図示省略する1×2SPLが接続されている。この1×2SPLにおいて、CPL25から主信号系の光伝送路に出力された光が2分岐され、一方の光がM×1WSS26へ出力され、他方の光がPD35へ出力される。PD35は、1×2SPLから出力された光の光レベルを検出する。
モニタ回路28は、電気配線を介して各PD35に接続されている。モニタ回路28は、各PD35から、各方路の信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを収集する。モニタ回路28は、収集した結果に対して、例えばCPL25での損失や各PD35における図示省略する1×2SPLでの損失を考慮して補正を行い、補正した結果を制御回路29へ出力する。各PD35における図示省略する1×2SPLでの損失のデータは、予め取得されており、例えばデータベース部52に保持されていてもよい。
制御回路29は、モニタ回路28から、各PD35によって検出された、各方路の信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを受け取り、各方路の光の光レベルに基づいて、各方路からの信号光に障害があるか否かを判定する。制御回路29は、信号光に障害ありと判定すると、障害ありと判定した方路に対応する高速VOA31に対して、信号光とダミー光とが合波された光の光レベルが所定の目標値になるように、ダミー光の光レベルを制御する制御信号を出力する。
その他の構成は、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様である。従って、重複する説明を省略する。なお、図13に示す光伝送装置の第3の例と同様に、光フィルタ33をなくしてもよい。また、各方路のPD35をCPL25の入力側に設けてもよい。
図17に示す光伝送装置21によれば、障害の発生した方路からの信号光と、高速VOA31から出力されるダミー光とがCPL25によって合波された光の光レベルが所定の目標値になるように、制御回路29及び高速VOA31がダミー光の光レベルを制御する。それによって、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様に、信号光が入力断となっても、ポストアンプ27に一定のパワーの光が入力されるため、光サージの発生を防ぎ、障害の発生した方路からの光に多重される他の方路からの信号光の劣化を防ぐことができる。
・光伝送装置の第5の例
図18は、実施の形態にかかる光伝送装置の第5の例を示す図である。図18に示すように、光伝送装置21は、図17に示す光伝送装置21において、M×1WSS26の出力側にPD36を設けた構成であってもよい。PD36は、M×1WSS26から出力された光の光レベルを検出し、検出した光レベルに応じた電気信号を出力する。図18において、「PDx」は、M×1WSS26の出力側に設けられたPD36である。
厳密には、M×1WSS26から伸びる光伝送路には、図示省略する1×2SPLが接続されている。この1×2SPLにおいて、M×1WSS26から光伝送路に出力された光が2分岐され、一方の光がポストアンプ27へ出力され、他方の光がPD36へ出力される。PD36は、1×2SPLから出力された光の光レベルを検出する。
モニタ回路28は、電気配線を介して各PD35及びPD36に接続されている。モニタ回路28は、各PD35から、各方路の信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを収集し、PD36から、M×1WSS26から出力された光の光レベルを収集する。モニタ回路28は、収集した結果に対して、例えばCPL25での損失や各PD35及びPD36における図示省略する1×2SPLでの損失を考慮して補正を行い、補正した結果を制御回路29へ出力する。PD36における図示省略する1×2SPLでの損失のデータは、予め取得されており、例えばデータベース部52に保持されていてもよい。
制御回路29は、モニタ回路28から、各PD35によって検出された、各方路の信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを受け取り、各方路の光の光レベルに基づいて、各方路からの信号光に障害があるか否かを判定する。制御回路29は、信号光に障害ありと判定すると、障害ありと判定した方路に対応する高速VOA31に対して、PD36によって検出された、M×1WSS26から出力された光の光レベルが所定の目標値になるように、ダミー光の光レベルを制御する制御信号を出力する。
その他の構成は、図17に示す光伝送装置の第4の例と同様である。従って、重複する説明を省略する。なお、図13に示す光伝送装置の第3の例と同様に、光フィルタ33をなくしてもよい。また、各方路のPD35をCPL25の入力側に設けてもよい。また、各方路のPD35の代わりに、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様に、信号光の光レベルを検出する第1のPD24と、ダミー光の光レベルを検出する第2のPD30とを設けてもよい。
図18に示す光伝送装置21によれば、ポストアンプ27へ入力される光の光レベルが所定の目標値になるように、制御回路29及び高速VOA31がダミー光の光レベルを制御する。それによって、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様に、信号光が入力断となっても、ポストアンプ27に一定のパワーの光が入力されるため、光サージの発生を防ぎ、障害の発生した方路からの光に多重される他の方路からの信号光の劣化を防ぐことができる。
・光伝送装置の第6の例
図19は、実施の形態にかかる光伝送装置の第6の例を示す図である。図19に示すように、光伝送装置21は、図18に示す光伝送装置21において、モニタ回路28及び制御回路29とは別に、PD36の出力に対して第2のモニタ回路37及び第2の制御回路38を設けた構成であってもよい。
モニタ回路28は、電気配線を介して各PD35に接続されている。モニタ回路28は、各PD35から、各方路の信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを収集する。モニタ回路28は、収集した結果に対して、例えばCPL25での損失や各PD35における図示省略する1×2SPLでの損失を考慮して補正を行い、補正した結果を制御回路29へ出力する。
制御回路29は、モニタ回路28から、各PD35によって検出された、各方路の信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを受け取り、各方路の光の光レベルに基づいて、各方路からの信号光に障害があるか否かを判定する。制御回路29は、信号光に障害ありと判定すると、障害ありと判定した方路に対応する高速VOA31に対して、PD35によって検出された、信号光とダミー光とが合波された光の光レベルが所定の目標値になるように、ダミー光の光レベルを制御する制御信号を出力する。また、制御回路29は、障害ありと判定した方路の情報を第2の制御回路38へ通知する。
第2のモニタ回路37は、電気配線を介してPD36に接続されている。第2のモニタ回路37は、PD36から、M×1WSS26から出力された光の光レベルを収集する。第2のモニタ回路37は、収集した結果に対して、例えばPD36における図示省略する1×2SPLでの損失を考慮して補正を行い、補正した結果を第2の制御回路38へ出力する。
第2の制御回路38は、電気配線を介して制御回路29、第2のモニタ回路37及びM×1WSS26に接続されている。第2の制御回路38は、制御回路29から障害ありと判定された方路の情報を受け取り、障害ありと判定された方路の信号光と、他の方路で伝送されている、障害ありと判定された方路の信号光の波長と同じ波長のダミー光とを選択する制御信号をM×1WSS26へ出力する。それによって、M×1WSS26において、障害ありと判定された方路の信号光と、他の方路で伝送されている、障害ありと判定された方路の信号光の波長と同じ波長のダミー光とが選択される。
また、第2の制御回路38は、第2のモニタ回路37から、PD36によって検出された、M×1WSS26から出力された光の光レベルを受け取る。第2の制御回路38は、第2のモニタ回路37から受け取った光レベルに基づいて、M×1WSS26から出力された光の光レベルが所定の目標値になるように、障害ありと判定された方路とは異なる方路に挿入されたダミー光をスルーするM×1WSS26の減衰量を制御する。それによって、M×1WSS26から出力された光の光レベルが所定の目標値になるように制御される。M×1WSS26は、レベル制御部3の一例である。
図20は、図19に示すモニタ回路及び制御回路の機能的構成の一例を示す図である。図20に示すように、モニタ回路28は、例えばモニタ結果収集・補正部51及びデータベース部52を有していてもよい。データベース部52は、例えばCPL25での損失や各PD35における1×2SPLでの損失のデータを有する。データベース部52は、各方路の信号光およびダミー光の波長のデータを有していてもよい。
モニタ結果収集・補正部51は、各PD35から、各方路の信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを収集する。モニタ結果収集・補正部51は、データベース部52から、例えばCPL25での損失や各PD35における1×2SPLでの損失のデータを取得する。モニタ結果収集・補正部51は、データベース部52から取得した損失のデータを用いて、PD35から収集した、信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを補正する。
制御回路29は、入力断判定部53、モニタ結果差分比較部54、VOA設定値計算部55及びVOA駆動部56を有していてもよい。入力断判定部53は、モニタ結果収集・補正部51から、各PD35によって検出された、信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを受け取り、受け取った光レベルに基づいて各方路からの信号光に障害があるか否か、つまり信号光の入力断があるか否かを判定する。
例えば、入力断判定部53は、各PD35によって検出された光の光レベルを、予め設定されている閾値と比較し、PD35によって検出された光の光レベルが閾値よりも小さい方路に対して、信号光の入力断があると判定してもよい。入力断判定部53は、障害ありと判定した方路の情報を第2の制御回路38へ通知する。
モニタ結果差分比較部54は、モニタ結果収集・補正部51から、各PD35によって検出された光の光レベルを受け取り、入力断判定部53によって信号光に障害ありと判定された方路について、PD35によって検出された光の光レベルと、所定の目標値との差分を算出する。データベース部52は、所定の目標値を有していてもよい。
VOA設定値計算部55は、モニタ結果差分比較部54から、PD35によって検出された光の光レベルと、所定の目標値との差分を受け取り、その差分に基づいて、入力断判定部53によって信号光に障害ありと判定された方路に対応する高速VOA31の減衰量を算出する。例えば、VOA設定値計算部55は、モニタ結果差分比較部54によって算出された差分がゼロになるように、高速VOA31の減衰量を算出する。
VOA駆動部56は、VOA設定値計算部55から、入力断判定部53によって信号光に障害ありと判定された方路に対応する高速VOA31の減衰量を受け取り、その減衰量に基づいて、障害ありと判定された方路に対応する高速VOA31に、その高速VOA31を駆動する制御信号を出力する。
モニタ結果収集・補正部51、入力断判定部53、モニタ結果差分比較部54、VOA設定値計算部55及びVOA駆動部56は、例えば図7に示すハードウェアにおいて、CPU41が、後述する光伝送方法を実現するプログラムを実行することによって実現されてもよい。あるいは、モニタ結果収集・補正部51、入力断判定部53、モニタ結果差分比較部54、VOA設定値計算部55及びVOA駆動部56は、ハードウェアによって実現されてもよい。データベース部52は、メモリ42によって実現されてもよい。
第2のモニタ回路37は、例えばモニタ結果収集・補正部61及びデータベース部62を有していてもよい。データベース部62は、例えばPD36における1×2SPLでの損失のデータを有する。データベース部62は、各方路の信号光およびダミー光の波長のデータを有していてもよい。
モニタ結果収集・補正部61は、PD36から、M×1WSS26から出力された光の光レベルを収集する。モニタ結果収集・補正部61は、データベース部62から、例えばPD36における1×2SPLでの損失のデータを取得する。モニタ結果収集・補正部61は、データベース部62から取得した損失のデータを用いて、PD36から収集した、信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを補正する。
第2の制御回路38は、ダミー光挿入方路・チャネル決定部63、モニタ結果差分比較部64、WSS設定値計算部65及びWSS駆動部66を有していてもよい。ダミー光挿入方路・チャネル決定部63は、入力断判定部53から、障害ありと判定された方路の情報を受け取り、データベース部62から各方路の信号光およびダミー光の波長のデータを取得して、ダミー光を挿入する方路・チャネルを決定する。
モニタ結果差分比較部64は、モニタ結果収集・補正部61から、PD36によって検出された光の光レベルを受け取り、PD36によって検出された光の光レベルと、所定の目標値との差分を算出する。データベース部62は、所定の目標値を有していてもよい。
WSS設定値計算部65は、ダミー光挿入方路・チャネル決定部63から、ダミー光を挿入する方路・チャネルの情報を受け取り、モニタ結果差分比較部64から、PD36によって検出された光の光レベルと、所定の目標値との差分を受け取る。そして、WSS設定値計算部65は、ダミー光を挿入する方路・チャネルの情報に基づいて、M×1WSS26の各チャネルのスルーまたはブロックを決定する。
また、WSS設定値計算部65は、PD36によって検出された光の光レベルと、所定の目標値との差分に基づいて、障害ありと判定された方路とは異なる方路に挿入されたダミー光をスルーするM×1WSS26の減衰量を算出する。例えば、WSS設定値計算部65は、モニタ結果差分比較部64によって算出された差分がゼロになるように、障害ありと判定された方路とは異なる方路に挿入されたダミー光をスルーするM×1WSS26の減衰量を算出する。
WSS駆動部66は、WSS設定値計算部65からM×1WSS26の減衰量を受け取り、その減衰量に基づいて、M×1WSS26にM×1WSS26を駆動する制御信号を出力する。
モニタ結果収集・補正部61、ダミー光挿入方路・チャネル決定部63、モニタ結果差分比較部64、WSS設定値計算部65及びWSS駆動部66は、例えば図7に示すハードウェアにおいて、CPU41が、後述する光伝送方法を実現するプログラムを実行することによって実現されてもよい。あるいは、モニタ結果収集・補正部61、ダミー光挿入方路・チャネル決定部63、モニタ結果差分比較部64、WSS設定値計算部65及びWSS駆動部66は、ハードウェアによって実現されてもよい。データベース部62は、メモリ42によって実現されてもよい。
・光伝送方法の第3の例
図21は、実施の形態にかかる光伝送方法の第3の例を示す図である。図21に示す光伝送方法は、例えば図19に示す光伝送装置によって実施されてもよい。本実施例では、図19に示す光伝送装置によって実施されるとして説明する。
図19に示す光伝送装置21において光伝送が開始されると、光伝送装置21は、各PD35及びPD36による光レベルのモニタを開始する(ステップS21)。そして、モニタ結果収集・補正部51は、各PD35から各方路の光の光レベル、すなわちPD1〜PDkの各出力パワーP(PD1)〜P(PDk)を取得する(ステップS22)。
次いで、入力断判定部53は、PD1〜PDkの各出力パワーP(PD1)〜P(PDk)が、予め設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS23)。データベース部52は、閾値を有していてもよい。各出力パワーP(PD1)〜P(PDk)が閾値以上である場合(ステップS23:Yes)、ステップS22に戻る。
いずれかの出力パワーP(PD1)〜P(PDk)が閾値以上でない場合(ステップS23:No)、入力断判定部53は、出力パワーが閾値以上でない方路からの信号光に障害があると判定する。入力断判定部53は、障害ありと判定した方路の情報を第2の制御回路38へ通知する。そして、ステップS24へ進む。
ダミー光挿入方路・チャネル決定部63は、入力断判定部53から、障害ありと判定された方路の情報を受け取ると、データベース部62から各方路の信号光およびダミー光の波長のデータを取得して、ダミー光を挿入する方路・チャネルを決定する(ステップS24)。ダミー光が挿入される方路・チャネルは、障害ありと判定された方路とは異なる方路であってもよい。
次いで、モニタ結果収集・補正部61は、M×1WSS26から出力された光の光レベル、すなわちPDxの出力パワーP(PDx)をモニタする(ステップS25)。例えば、モニタ結果収集・補正部61は、PD36からPDxの出力パワーP(PDx)を取得し、データベース部62から取得した損失のデータを用いて、PDxの出力パワーP(PDx)を補正することによって、モニタする。
次いで、モニタ結果差分比較部64は、PDxの出力パワーP(PDx)と所定の目標値、すなわちターゲットパワーP(T)との差分を算出する(ステップS26)。次いで、WSS設定値計算部65は、ステップS26で算出された差分に基づいて、ステップS24で決定された、ダミー光が挿入される方路・チャネルのM×1WSS26における減衰量を算出する。そして、WSS駆動部66は、WSS設定値計算部65によって算出された減衰量に基づいて、M×1WSS26に制御信号を出力し、M×1WSS26の減衰量(ATT量)を調整する(ステップS27)。
次いで、モニタ結果収集・補正部61は、再びPDxの出力パワーP(PDx)をモニタする(ステップS28)。次いで、モニタ結果差分比較部64は、PDxの出力パワーP(PDx)がターゲットパワーP(T)レベルに相当するレベルであるか否かを判定する(ステップS29)。
PDxの出力パワーP(PDx)がターゲットパワーP(T)レベルに相当するレベルでない場合(ステップS29:No)、ステップS26に戻る。一方、PDxの出力パワーP(PDx)がターゲットパワーP(T)レベルに相当するレベルである場合(ステップS29:Yes)、例えば、障害ありと判定された方路とは異なる方路から、障害ありと判定された方路からの信号光の波長と同じ波長のダミー光を挿入することが完了する(ステップS30)。従って、光伝送装置21は、一連の処理を終了する。
・WSSにおけるマッピング例
図22は、図19に示すWSSにおけるマッピング例を示す図である。図22に示すように、例えば、障害発生前の状態では、方路1については、チャネル01〜04はスルーであり、それ以外のチャネルはブロックであるとする。また、障害発生前の状態では、方路2については、チャネル05〜07はスルーであり、それ以外のチャネルはブロックであるとする。方路2に障害が発生すると、例えば、方路2のチャネル05〜07がスルーからブロックに変わり、方路1のチャネル05〜07がブロックからスルーに変わる。それによって、方路2からの信号光の代わりに、方路2からの信号光の波長と同じ波長のダミー光が方路1に挿入される。
・波長配置の第2の例
図23は、図19に示す光伝送装置の正常時の波長配置例を示す図である。図24は、図19に示す光伝送装置の障害時の波長配置例を示す図である。本実施例では、説明の簡略化のため、方路1からの光と方路2からの光とをM×1WSS26で多重して方路3へ出力する場合を例にして説明する。図23及び図24に示す波長配置例は、図22に示すマッピング例に対応している。
図23に示すように、正常時には、方路1からM×1WSS26に、方路1の信号光と、方路2の信号光の波長と同じ波長のダミー光とが入力される。また、正常時には、方路2からM×1WSS26に、方路2の信号光と、方路1の信号光の波長と同じ波長のダミー光とが入力される。そして、正常時には、M×1WSS26において、方路1から入力された方路1のダミー光と、方路2から入力された方路2のダミー光とがブロックされて、M×1WSS26から方路3に、方路1の信号光と方路2の信号光とが出力される。
図24に示すように、方路2で起こった障害によって方路2から信号光が入力されなくなると、方路2の信号光のチャネルがスルーからブロックに変更され、方路1のダミー光のチャネルがブロックからスルーに変更される。それによって、M×1WSS26から方路3に、方路1の信号光と、方路2の信号光の波長と同じ波長の方路1のダミー光とが出力される。
その他の構成は、図18に示す光伝送装置の第5の例と同様である。従って、重複する説明を省略する。なお、図13に示す光伝送装置の第3の例と同様に、光フィルタ33をなくしてもよい。また、各方路のPD35をCPL25の入力側に設けてもよい。また、各方路のPD35の代わりに、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様に、信号光の光レベルを検出する第1のPD24と、ダミー光の光レベルを検出する第2のPD30とを設けてもよい。
図19に示す光伝送装置21によれば、ポストアンプ27へ入力される光の光レベルが所定の目標値になるように、第2の制御回路38がM×1WSS26の減衰量を制御する。それによって、M×1WSS26から出力される光の光レベルが常に一定になるように制御されるため、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様に、信号光が入力断となっても、ポストアンプ27に一定のパワーの光が入力される。従って、光サージの発生を防ぎ、障害の発生した方路からの光に多重される他の方路からの信号光の劣化を防ぐことができる。
また、他の方路で伝送されている、障害ありと判定された信号光の波長と同じ波長のダミー光が挿入されることによって、M×1WSS26にシステムで運用可能な全波長の光が入力されるため、M×1WSS26から出力される光の光レベルを常に一定になるように制御することができる。
また、図19に示す光伝送装置21によれば、M×1WSS26によってM×1WSS26から出力される光の光レベルを調整することによって、ポストアンプ27へ入力される光の光レベルを所定の目標値に制御することができる。
・光伝送装置の第7の例
図25は、実施の形態にかかる光伝送装置の第7の例を示す図である。図25に示すように、光伝送装置21は、図19に示す光伝送装置21において、第2の制御回路38は、信号光に障害のある方路を判定し、その判定結果に基づいてダミー光を挿入する方路・チャネルを決定する構成であってもよい。従って、制御回路29は、制御回路29によって障害ありと判定した方路の情報を第2の制御回路38へ通知しない。
第2のモニタ回路37は、電気配線を介して各PD35及びPD36に接続されている。第2のモニタ回路37は、各PD35から、各方路の信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを収集する。第2のモニタ回路37は、収集した結果に対して、例えばCPL25での損失や各PD35における図示省略する1×2SPLでの損失を考慮して補正を行い、補正した結果を第2の制御回路38へ出力する。
また、第2のモニタ回路37は、PD36から、M×1WSS26から出力された光の光レベルを収集する。第2のモニタ回路37は、収集した結果に対して、例えばPD36における図示省略する1×2SPLでの損失を考慮して補正を行い、補正した結果を第2の制御回路38へ出力する。
第2の制御回路38は、電気配線を介して第2のモニタ回路37及びM×1WSS26に接続されている。第2の制御回路38は、第2のモニタ回路37から、各PD35によって検出された、各方路の信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを受け取り、各方路の光の光レベルに基づいて、各方路からの信号光に障害があるか否かを判定する。
第2の制御回路38は、障害ありと判定した方路の信号光と、他の方路で伝送されている、障害ありと判定した方路の信号光の波長と同じ波長のダミー光とを選択する制御信号をM×1WSS26へ出力する。それによって、M×1WSS26において、障害ありと判定された方路の信号光と、他の方路で伝送されている、障害ありと判定された方路の信号光の波長と同じ波長のダミー光とが選択される。
また、第2の制御回路38は、第2のモニタ回路37から、PD36によって検出された、M×1WSS26から出力された光の光レベルを受け取る。第2の制御回路38は、第2のモニタ回路37から受け取った光レベルに基づいて、M×1WSS26から出力された光の光レベルが所定の目標値になるように、障害ありと判定された方路とは異なる方路に挿入されたダミー光をスルーするM×1WSS26の減衰量を制御する。それによって、M×1WSS26から出力された光の光レベルが所定の目標値になるように制御される。
図26は、図25に示すモニタ回路及び制御回路の機能的構成の一例を示す図である。図26に示すように、モニタ回路28及び制御回路29は、図20に示す光伝送装置の第6の例におけるモニタ回路28及び制御回路29と同様である。ただし、入力断判定部53は、入力断判定部53によって障害ありと判定した方路の情報を第2の制御回路38のダミー光挿入方路・チャネル決定部63へ通知しない。
図27は、図25に示すモニタ回路及び制御回路の機能的構成の一例を示す図である。図27に示すように、第2のモニタ回路37は、図20に示す光伝送装置の第6の例における第2のモニタ回路37と同様である。ただし、データベース部62は、例えばCPL25での損失や各PD35及びPD36における1×2SPLでの損失のデータを有する。
また、モニタ結果収集・補正部61は、各PD35から、各方路の信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを収集する。モニタ結果収集・補正部61は、データベース部62から、例えばCPL25での損失や各PD35における1×2SPLでの損失のデータを取得する。モニタ結果収集・補正部51は、データベース部62から取得した損失のデータを用いて、PD35から収集した、信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを補正する。
第2の制御回路38は、図20に示す光伝送装置の第6の例における第2の制御回路38の他に、入力断判定部67を有していてもよい。入力断判定部67は、モニタ結果収集・補正部61から、各PD35によって検出された、信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを受け取り、受け取った光レベルに基づいて各方路からの信号光に障害があるか否か、つまり信号光の入力断があるか否かを判定する。
例えば、入力断判定部67は、各PD35によって検出された光の光レベルを、予め設定されている閾値と比較し、PD35によって検出された光の光レベルが閾値よりも小さい方路に対して、信号光の入力断があると判定してもよい。入力断判定部67は、障害ありと判定した方路の情報をダミー光挿入方路・チャネル決定部63へ通知する。
ダミー光挿入方路・チャネル決定部63は、入力断判定部67から、障害ありと判定された方路の情報を受け取り、データベース部62から各方路の信号光およびダミー光の波長のデータを取得して、ダミー光を挿入する方路・チャネルを決定する。
モニタ結果収集・補正部61、ダミー光挿入方路・チャネル決定部63、モニタ結果差分比較部64、WSS設定値計算部65、WSS駆動部66及び入力断判定部67は、例えば図7に示すハードウェアにおいて、CPU41が、後述する光伝送方法を実現するプログラムを実行することによって実現されてもよい。あるいは、モニタ結果収集・補正部61、ダミー光挿入方路・チャネル決定部63、モニタ結果差分比較部64、WSS設定値計算部65、WSS駆動部66及び入力断判定部67は、ハードウェアによって実現されてもよい。データベース部62は、メモリ42によって実現されてもよい。
その他の構成は、図19に示す光伝送装置の第6の例と同様である。従って、重複する説明を省略する。なお、図13に示す光伝送装置の第3の例と同様に、光フィルタ33をなくしてもよい。また、各方路のPD35をCPL25の入力側に設けてもよい。また、各方路のPD35の代わりに、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様に、信号光の光レベルを検出する第1のPD24と、ダミー光の光レベルを検出する第2のPD30とを設けてもよい。
図25に示す光伝送装置21によれば、ポストアンプ27へ入力される光の光レベルが所定の目標値になるように、第2の制御回路38がM×1WSS26の減衰量を制御する。それによって、M×1WSS26から出力される光の光レベルが常に一定になるように制御されるため、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様に、信号光が入力断となっても、ポストアンプ27に一定のパワーの光が入力される。従って、光サージの発生を防ぎ、障害の発生した方路からの光に多重される他の方路からの信号光の劣化を防ぐことができる。
・光伝送装置の第8の例
図28は、実施の形態にかかる光伝送装置の第8の例を示す図である。図28に示すように、光伝送装置21は、図19に示す光伝送装置21において、M×1WSS26の後段に、PD36の代わりに、OCM(Optical channel monitor、光チャネルモニタ)39を設けた構成であってもよい。
OCM39は、M×1WSS26から出力された光の光レベルをチャネルごとに検出し、検出した光レベルに応じた電気信号を出力する。厳密には、M×1WSS26から伸びる光伝送路には、図示省略する1×2SPLが接続されている。この1×2SPLにおいて、M×1WSS26から光伝送路に出力された光が2分岐され、一方の光がポストアンプ27へ出力され、他方の光がOCM39へ出力される。OCM39は、1×2SPLから出力された光の光レベルをチャネルごとに検出する。
第2のモニタ回路37は、電気配線を介してOCM39に接続されている。第2のモニタ回路37は、OCM39から、M×1WSS26から出力された光の光レベルをチャネルごとに収集する。第2のモニタ回路37は、収集した結果に対して、例えばOCM39における図示省略する1×2SPLでの損失を考慮して補正を行い、補正した結果を第2の制御回路38へ出力する。OCM39における図示省略する1×2SPLでの損失のデータは、予め取得されており、例えばデータベース部62に保持されていてもよい。
第2の制御回路38は、電気配線を介して制御回路29、第2のモニタ回路37及びM×1WSS26に接続されている。第2の制御回路38は、第2のモニタ回路37から、OCM39によって検出された、M×1WSS26から出力された光の光レベルをチャネルごとに受け取る。第2の制御回路38は、第2のモニタ回路37から受け取ったチャネルごとの光レベルに基づいて、M×1WSS26から出力された光のチャネルごとの光レベルの合計値が所定の目標値になるように、M×1WSS26の減衰量をチャネルごとに制御する。それによって、M×1WSS26から出力された光のチャネルごとの光レベルの合計値が所定の目標値になるように制御される。
図29は、図28に示すモニタ回路及び制御回路の機能的構成の一例を示す図である。図29に示すように、モニタ回路28及び制御回路29は、図20に示す光伝送装置の第6の例におけるモニタ回路28及び制御回路29と同様である。
第2のモニタ回路37は、図20に示す光伝送装置の第6の例における第2のモニタ回路37と同様である。ただし、モニタ結果収集・補正部61は、OCM39から、M×1WSS26から出力された光の光レベルをチャネルごとに収集する。
第2の制御回路38は、図20に示す光伝送装置の第6の例における第2の制御回路38と同様である。ただし、モニタ結果差分比較部64は、モニタ結果収集・補正部61から受け取ったチャネルごとの光レベルと、チャネルごとの所定の目標値との差分を算出する。データベース部62は、所定の目標値をチャネルごとに有していてもよい。
WSS設定値計算部65は、ダミー光挿入方路・チャネル決定部63から、ダミー光を挿入する方路・チャネルの情報を受け取り、モニタ結果差分比較部64から、第2のモニタ回路37から受け取ったチャネルごとの光レベルとチャネルごとの所定の目標値との差分を受け取る。そして、WSS設定値計算部65は、ダミー光を挿入する方路・チャネルの情報に基づいて、M×1WSS26の各チャネルのスルーまたはブロックを決定する。
WSS設定値計算部65は、モニタ結果差分比較部64から受け取ったチャネルごとの所定の目標値との差分に基づいて、障害ありと判定された方路とは異なる方路に挿入されたダミー光をスルーするチャネルのM×1WSS26における減衰量を算出する。例えば、WSS設定値計算部65は、モニタ結果差分比較部64によって算出された差分がゼロになるように、ダミー光をスルーするチャネルのM×1WSS26における減衰量を算出する。
また、WSS設定値計算部65は、M×1WSS26から出力された光のチャネルごとの光レベルの合計値が所定の目標値になるように、ダミー光をスルーするチャネルのM×1WSS26における減衰量を算出する。データベース部62は、M×1WSS26から出力される光の光レベルの合計値の目標値を有していてもよい。
WSS駆動部66は、WSS設定値計算部65からM×1WSS26のチャネルごとの減衰量を受け取り、その減衰量に基づいて、M×1WSS26にM×1WSS26を駆動する制御信号を出力する。
・光伝送方法の第4の例
図30は、実施の形態にかかる光伝送方法の第4の例を示す図である。図30に示す光伝送方法は、例えば図28に示す光伝送装置によって実施されてもよい。本実施例では、図28に示す光伝送装置によって実施されるとして説明する。
図28に示す光伝送装置21において光伝送が開始されると、光伝送装置21は、各PD35及びOCM39による光レベルのモニタを開始する(ステップS41)。そして、モニタ結果収集・補正部51は、各PD35から各方路の光の光レベル、すなわちPD1〜PDkの各出力パワーP(PD1)〜P(PDk)を取得する(ステップS42)。
次いで、入力断判定部53は、PD1〜PDkの各出力パワーP(PD1)〜P(PDk)が、予め設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS43)。データベース部52は、閾値を有していてもよい。各出力パワーP(PD1)〜P(PDk)が閾値以上である場合(ステップS43:Yes)、ステップS42に戻る。
いずれかの出力パワーP(PD1)〜P(PDk)が閾値以上でない場合(ステップS43:No)、入力断判定部53は、出力パワーが閾値以上でない方路からの信号光に障害があると判定する。入力断判定部53は、障害ありと判定した方路の情報を第2の制御回路38へ通知する。そして、ステップS44へ進む。
ダミー光挿入方路・チャネル決定部63は、入力断判定部53から、障害ありと判定された方路の情報を受け取ると、データベース部62から各方路の信号光およびダミー光の波長のデータを取得して、ダミー光を挿入する方路・チャネルを決定する(ステップS44)。ダミー光が挿入される方路・チャネルは、障害ありと判定された方路とは異なる方路であってもよい。
次いで、モニタ結果収集・補正部61は、M×1WSS26から出力された光のチャネルごとの光レベル、すなわちM×1WSS26のチャネルごとの出力パワーをモニタする(ステップS45)。例えば、モニタ結果収集・補正部61は、OCM39から、M×1WSS26のチャネルごとの出力パワーを取得し、データベース部62から取得した損失のデータを用いて、M×1WSS26のチャネルごとの出力パワーを補正することによって、モニタする。
次いで、モニタ結果差分比較部64は、チャネルごとに、M×1WSS26のチャネルごとの出力パワーとチャネルごとの所定の目標値、すなわちチャネルごとのターゲットパワーP(T)との差分を算出する(ステップS46)。次いで、WSS設定値計算部65は、ステップS46で算出された差分に基づいて、ステップS44で決定された、ダミー光が挿入される方路・チャネルのM×1WSS26における減衰量を算出する。そして、WSS駆動部66は、WSS設定値計算部65によって算出された減衰量に基づいて、M×1WSS26に制御信号を出力し、M×1WSS26の減衰量(ATT量)を調整する(ステップS47)。
次いで、モニタ結果収集・補正部61は、OCM39から、再びM×1WSS26のチャネルごとの出力パワーを取得し、M×1WSS26のチャネルごとの出力パワーをモニタする(ステップS48)。次いで、モニタ結果差分比較部64は、M×1WSS26のチャネルごとの出力パワーの合計値、すなわち出力の合計パワーが、その合計パワーの所定の目標値であるターゲットパワーP(Ttotal)レベルに相当するレベルであるか否かを判定する(ステップS49)。
M×1WSS26の出力の合計パワーがターゲットパワーP(Ttotal)レベルに相当するレベルでない場合(ステップS49:No)、ステップS46に戻る。一方、M×1WSS26の出力の合計パワーがターゲットパワーP(Ttotal)レベルに相当するレベルである場合(ステップS49:Yes)、例えば、障害ありと判定された方路とは異なる方路から、障害ありと判定された方路からの信号光の波長と同じ波長のダミー光を挿入することが完了する(ステップS50)。従って、光伝送装置21は、一連の処理を終了する。
その他の構成は、図19に示す光伝送装置の第6の例と同様である。従って、重複する説明を省略する。なお、図13に示す光伝送装置の第3の例と同様に、光フィルタ33をなくしてもよい。また、各方路のPD35をCPL25の入力側に設けてもよい。また、各方路のPD35の代わりに、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様に、信号光の光レベルを検出する第1のPD24と、ダミー光の光レベルを検出する第2のPD30とを設けてもよい。
図28に示す光伝送装置21によれば、M×1WSS26の各チャネルの出力の合計パワーが所定の目標値になるように、各チャネルの出力パワーが制御されるため、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様に、信号光が入力断となっても、ポストアンプ27に一定のパワーの光が入力される。従って、光サージの発生を防ぎ、障害の発生した方路からの光に多重される他の方路からの信号光の劣化を防ぐことができる。また、図28に示す光伝送装置21によれば、OCM39によってM×1WSS26のチャネルごとの出力パワーをモニタすることができるため、M×1WSS26のチャネルごとの出力パワーを調整することができる。
・光伝送装置の第9の例
図31は、実施の形態にかかる光伝送装置の第9の例を示す図である。図31に示すように、光伝送装置21は、図28に示す光伝送装置21において、第2の制御回路38は、信号光に障害のある方路を判定し、その判定結果に基づいてダミー光を挿入する方路・チャネルを決定する構成であってもよい。従って、制御回路29は、制御回路29によって障害ありと判定した方路の情報を第2の制御回路38へ通知しない。
第2のモニタ回路37は、電気配線を介して各PD35及びOCM39に接続されている。第2のモニタ回路37は、各PD35から、各方路の信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを収集する。第2のモニタ回路37は、収集した結果に対して、例えばCPL25での損失や各PD35における図示省略する1×2SPLでの損失を考慮して補正を行い、補正した結果を第2の制御回路38へ出力する。
第2の制御回路38は、電気配線を介して第2のモニタ回路37及びM×1WSS26に接続されている。第2の制御回路38は、第2のモニタ回路37から、各PD35によって検出された、各方路の信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを受け取り、各方路の光の光レベルに基づいて、各方路からの信号光に障害があるか否かを判定する。
第2の制御回路38は、障害ありと判定した方路の信号光と、他の方路で伝送されている、障害ありと判定した方路の信号光の波長と同じ波長のダミー光とを選択する制御信号をM×1WSS26へ出力する。それによって、M×1WSS26において、障害ありと判定された方路の信号光と、他の方路で伝送されている、障害ありと判定された方路の信号光の波長と同じ波長のダミー光とが選択される。
モニタ回路28及び制御回路29は、図29に示す光伝送装置の第8の例におけるモニタ回路28及び制御回路29と同様である。ただし、入力断判定部53は、入力断判定部53によって障害ありと判定した方路の情報を第2の制御回路38のダミー光挿入方路・チャネル決定部63へ通知しない。
図32は、図31に示すモニタ回路及び制御回路の機能的構成の一例を示す図である。図32に示すように、第2のモニタ回路37は、図29に示す光伝送装置の第8の例における第2のモニタ回路37と同様である。ただし、データベース部62は、例えばCPL25での損失や各PD35及びOCM39における1×2SPLでの損失のデータを有する。
また、モニタ結果収集・補正部61は、各PD35から、各方路の信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを収集する。モニタ結果収集・補正部61は、データベース部62から、例えばCPL25での損失や各PD35における1×2SPLでの損失のデータを取得する。モニタ結果収集・補正部51は、データベース部62から取得した損失のデータを用いて、PD35から収集した、信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを補正する。
第2の制御回路38は、図29に示す光伝送装置の第8の例における第2の制御回路38の他に、入力断判定部67を有していてもよい。入力断判定部67は、モニタ結果収集・補正部61から、各PD35によって検出された、信号光とダミー光とが合波された光の光レベルを受け取り、受け取った光レベルに基づいて各方路からの信号光に障害があるか否か、つまり信号光の入力断があるか否かを判定する。
例えば、入力断判定部67は、各PD35によって検出された光の光レベルを、予め設定されている閾値と比較し、PD35によって検出された光の光レベルが閾値よりも小さい方路に対して、信号光の入力断があると判定してもよい。入力断判定部67は、障害ありと判定した方路の情報をダミー光挿入方路・チャネル決定部63へ通知する。
ダミー光挿入方路・チャネル決定部63は、入力断判定部67から、障害ありと判定された方路の情報を受け取り、データベース部62から各方路の信号光およびダミー光の波長のデータを取得して、ダミー光を挿入する方路・チャネルを決定する。
モニタ結果収集・補正部61、ダミー光挿入方路・チャネル決定部63、モニタ結果差分比較部64、WSS設定値計算部65、WSS駆動部66及び入力断判定部67は、例えば図7に示すハードウェアにおいて、CPU41が、後述する光伝送方法を実現するプログラムを実行することによって実現されてもよい。あるいは、モニタ結果収集・補正部61、ダミー光挿入方路・チャネル決定部63、モニタ結果差分比較部64、WSS設定値計算部65、WSS駆動部66及び入力断判定部67は、ハードウェアによって実現されてもよい。データベース部62は、メモリ42によって実現されてもよい。
その他の構成は、図28に示す光伝送装置の第8の例と同様である。従って、重複する説明を省略する。なお、図13に示す光伝送装置の第3の例と同様に、光フィルタ33をなくしてもよい。また、各方路のPD35をCPL25の入力側に設けてもよい。また、各方路のPD35の代わりに、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様に、信号光の光レベルを検出する第1のPD24と、ダミー光の光レベルを検出する第2のPD30とを設けてもよい。
図31に示す光伝送装置21によれば、M×1WSS26の各チャネルの出力の合計パワーが所定の目標値になるように、各チャネルの出力パワーが制御されるため、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様に、信号光が入力断となっても、ポストアンプ27に一定のパワーの光が入力される。従って、光サージの発生を防ぎ、障害の発生した方路からの光に多重される他の方路からの信号光の劣化を防ぐことができる。また、図31に示す光伝送装置21によれば、OCM39によってM×1WSS26のチャネルごとの出力パワーをモニタすることができるため、M×1WSS26のチャネルごとの出力パワーを調整することができる。
・光伝送装置の第10の例
図33は、実施の形態にかかる光伝送装置の第10の例を示す図である。図33に示すように、光伝送装置21は、図28に示す光伝送装置21において、各方路に対応する高速VOA31及びPD35とは別に、送信側におけるダミー光挿入用に高速VOA71及びPD72を設けて、M×1WSS26に方路1〜方路kからとは別にダミー光を挿入する構成であってもよい。図33において、「PDl」は、送信側におけるダミー光挿入用のPD72である。
高速VOA71は、光伝送路を介して1×kSPL32に接続されている。また、高速VOA71は、電気配線を介して制御回路29に接続されている。高速VOA71は、制御回路29からの制御信号に基づいて、1×kSPL32からのダミー光の光レベルを制御する。
PD72は、光伝送路を介して高速VOA71に接続されている。PD72は、高速VOA71から出力された光の光レベルを検出し、検出した光レベルに応じた電気信号を出力する。厳密には、高速VOA71から伸びる光伝送路には、図示省略する1×2SPLが接続されている。この1×2SPLにおいて、高速VOA71から光伝送路に出力された光が2分岐され、一方の光がM×1WSS26へ出力され、他方の光がPD72へ出力される。PD72は、1×2SPLから出力された光の光レベルを検出する。
M×1WSS26は、ダミー光専用ポートを有しており、このダミー光専用ポートに、高速VOA71から出力されたシステムで運用可能な全波長のダミー光が入力される。例えば、M×1WSS26における波長パス切り替え時に、方路1からの波長λ1及び波長λ2の光のうち、波長λ1の光をドロップし、波長λ2の光をスルーする場合、M×1WSS26は、波長λ1の光をブロックし、波長λ2の光をスルーする。送信側から、波長λ1の光がアッドされない場合、M×1WSS26は、ダミー光専用ポートから入力されたダミー光のうち、波長λ1の光をスルーする。それによって、ポストアンプ27に入力される光の波長数及びパワーが一定に保たれる。
モニタ回路28は、電気配線を介してPD72に接続されている。モニタ回路28は、PD72から、高速VOA71から出力されたダミー光の光レベルを収集する。モニタ回路28は、収集した結果に対して、例えばPD72における図示省略する1×2SPLでの損失を考慮して補正を行い、補正した結果を制御回路29へ出力する。データベース部52は、例えばPD72における1×2SPLでの損失のデータを有する。
制御回路29は、モニタ回路28から、PD72によって検出された、高速VOA71から出力されたダミー光の光レベルを受け取る。制御回路29は、高速VOA71からのダミー光の光レベルに基づいて、M×1WSS26のダミー光専用ポートに入力されるダミー光の光レベルを制御する制御信号を出力する。
図34は、図33に示すモニタ回路及び制御回路の機能的構成の一例を示す図である。図34に示すように、モニタ回路28、制御回路29、第2のモニタ回路37及び第2の制御回路38は、図29に示す光伝送装置の第8の例におけるモニタ回路28、制御回路29、第2のモニタ回路37及び第2の制御回路38と同様である。ただし、モニタ結果収集・補正部51は、PD72から、高速VOA71から出力されたダミー光の光レベルを収集する。
モニタ結果差分比較部54は、モニタ結果収集・補正部51から、高速VOA71から出力されたダミー光の光レベルを受け取り、ダミー光の光レベルと所定の目標値との差分を算出する。データベース部52は、高速VOA71から出力されたダミー光の光レベルの所定の目標値を有していてもよい。
VOA設定値計算部55は、モニタ結果差分比較部54から、高速VOA71から出力されたダミー光の光レベルと所定の目標値との差分を受け取り、その差分に基づいて、高速VOA71の減衰量を算出する。例えば、VOA設定値計算部55は、モニタ結果差分比較部54によって算出された差分がゼロになるように、高速VOA71の減衰量を算出する。
VOA駆動部56は、VOA設定値計算部55から、高速VOA71の減衰量を受け取り、その減衰量に基づいて、高速VOA71に、その高速VOA71を駆動する制御信号を出力する。
その他の構成は、図28に示す光伝送装置の第8の例と同様である。従って、重複する説明を省略する。なお、図13に示す光伝送装置の第3の例と同様に、光フィルタ33をなくしてもよい。また、各方路のPD35をCPL25の入力側に設けてもよい。また、各方路のPD35の代わりに、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様に、信号光の光レベルを検出する第1のPD24と、ダミー光の光レベルを検出する第2のPD30とを設けてもよい。また、図31に示す光伝送装置の第9の例と同様に、第2の制御回路38が、信号光に障害のある方路を判定し、その判定結果に基づいてダミー光を挿入する方路・チャネルを決定する構成であってもよい。
図33に示す光伝送装置21によれば、M×1WSS26によって、M×1WSS26のダミー光専用ポートに入力されたダミー光のうち、全方路及び送信側から入力された光に含まれない波長のダミー光を、全方路及び送信側から入力される光に多重することができる。従って、例えば送信側からの光が入力断となっても、ポストアンプ27に入力される光の波長数及びパワーを一定に保つことができるため、光サージの発生を防ぎ、他の方路からの信号光の劣化を防ぐことができる。
なお、M×1WSS26のダミー光専用ポートにシステムで運用可能な全波長のダミー光を入力させる代わりに、図35に示すように、送信側からM×1WSS26にシステムで運用可能な全波長のダミー光を入力させるようにしてもよい。
図35は、M×1WSS26にダミー光を入力させる送信側の構成の一例を示す図である。図35に示すように、送信側において、ASE光源78から出力された自然放出光と、送信部77から出力された信号光とを合波部76によって合波してM×1WSS26に入力させてもよい。また、図示しない光フィルタによって、自然放出光から、各信号光の波長において信号光と同程度の光スペクトル幅を有するダミー光を生成して、送信部77から出力された信号光と合波させてもよい。
・光伝送装置の第11の例
図36は、実施の形態にかかる光伝送装置の第11の例を示す図である。図36に示すように、光伝送装置21は、図33に示す光伝送装置21において、OCM39によって検出されたM×1WSS26のチャネルごとの出力パワーに基づいて、第2の制御回路38が、ダミー光を挿入する方路・チャネルを決定する構成であってもよい。制御回路29は、制御回路29によって障害ありと判定した方路の情報を第2の制御回路38へ通知しない。
また、M×1WSS26のダミー光専用ポートへダミー光を出力する高速VOA71から出力された光の光レベルを検出するPD72は、モニタ回路28へ、検出した光レベルに応じた電気信号を出力しない。すなわち、モニタ回路28は、PD72から、高速VOA71から出力されたダミー光の光レベルを収集しない。また、高速VOA71は、制御回路29による制御からは独立している。すなわち、制御回路29は、高速VOA71の光レベルを制御していない。
モニタ回路28及び制御回路29は、図34に示す光伝送装置の第10の例におけるモニタ回路28及び制御回路29と同様である。ただし、モニタ結果収集・補正部51には、PD72から、高速VOA71から出力されたダミー光の光レベルが入力されない。また、入力断判定部53は、入力断判定部53によって障害ありと判定した方路の情報を第2の制御回路38のダミー光挿入方路・チャネル決定部63へ通知しない。
図37は、図36に示すモニタ回路及び制御回路の機能的構成の一例を示す図である。図37に示すように、第2のモニタ回路37及び第2の制御回路38は、図34に示す光伝送装置の第10の例における第2のモニタ回路37及び第2の制御回路38と同様である。ただし、ダミー光挿入方路・チャネル決定部63には、制御回路29の入力断判定部53から、入力断判定部53によって障害ありと判定された方路の情報が通知されない。
ダミー光挿入方路・チャネル決定部63は、モニタ結果収集・補正部61から、OCM39によって検出されたM×1WSS26のチャネルごとの出力パワーを受け取り、M×1WSS26のチャネルごとの出力パワーに基づいて、ダミー光を挿入する方路・チャネルを決定する。
・光伝送方法の第5の例
図38は、実施の形態にかかる光伝送方法の第5の例を示す図である。図38に示す光伝送方法は、例えば図36に示す光伝送装置によって実施されてもよい。本実施例では、図36に示す光伝送装置によって実施されるとして説明する。
図36に示す光伝送装置21において光伝送が開始されると、光伝送装置21は、各PD35、PD72及びOCM39による光レベルのモニタを開始する(ステップS61)。そして、モニタ結果収集・補正部61は、OCM39から、M×1WSS26から出力された光のチャネルごとの光レベルを取得し、M×1WSS26の各チャネルの出力パワーをモニタする(ステップS62)。
次いで、ダミー光挿入方路・チャネル決定部63は、各チャネルの出力パワーが、予め設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS63)。データベース部62は、閾値を有していてもよい。各チャネルの出力パワーが閾値以上である場合(ステップS63:Yes)、ステップS62に戻る。
いずれかのチャネルの出力パワーが閾値以上でない場合(ステップS63:No)、ダミー光挿入方路・チャネル決定部63は、データベース部62から各方路の信号光およびダミー光の波長のデータを取得して、ダミー光を挿入する方路・チャネルを決定する(ステップS64)。ダミー光が挿入される方路・チャネルは、障害ありと判定された方路とは異なる方路であってもよい。
次いで、モニタ結果収集・補正部61は、OCM39から、M×1WSS26から出力された光のチャネルごとの光レベルを取得し、M×1WSS26の各チャネルの出力パワーをモニタする(ステップS65)。例えば、モニタ結果収集・補正部61は、OCM39から、M×1WSS26のチャネルごとの出力パワーを取得し、データベース部62から取得した損失のデータを用いて、M×1WSS26のチャネルごとの出力パワーを補正することによって、モニタする。
次いで、モニタ結果差分比較部64は、チャネルごとに、M×1WSS26のチャネルごとの出力パワーとチャネルごとの所定の目標値、すなわちチャネルごとのターゲットパワーP(T)との差分を算出する(ステップS66)。次いで、WSS設定値計算部65は、ステップS66で算出された差分に基づいて、ステップS64で決定された、ダミー光が挿入される方路・チャネルのM×1WSS26における減衰量を算出する。そして、WSS駆動部66は、WSS設定値計算部65によって算出された減衰量に基づいて、M×1WSS26に制御信号を出力し、M×1WSS26の減衰量(ATT量)を調整する(ステップS67)。
次いで、モニタ結果収集・補正部61は、OCM39から、再びM×1WSS26から出力された光のチャネルごとの光レベルを取得し、M×1WSS26の各チャネルの出力パワーをモニタする(ステップS68)。次いで、モニタ結果差分比較部64は、M×1WSS26のチャネルごとの出力パワーの合計値、すなわち出力の合計パワーが、その合計パワーの所定の目標値であるターゲットパワーP(Ttotal)レベルに相当するレベルであるか否かを判定する(ステップS69)。
M×1WSS26の出力の合計パワーがターゲットパワーP(Ttotal)レベルに相当するレベルでない場合(ステップS69:No)、ステップS66に戻る。一方、M×1WSS26の出力の合計パワーがターゲットパワーP(Ttotal)レベルに相当するレベルである場合(ステップS69:Yes)、例えば、障害ありと判定された方路とは異なる方路から、障害ありと判定された方路からの信号光の波長と同じ波長のダミー光を挿入することが完了する(ステップS70)。従って、光伝送装置21は、一連の処理を終了する。
その他の構成は、図33に示す光伝送装置の第10の例と同様である。従って、重複する説明を省略する。なお、図13に示す光伝送装置の第3の例と同様に、光フィルタ33をなくしてもよい。また、各方路のPD35をCPL25の入力側に設けてもよい。また、各方路のPD35の代わりに、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様に、信号光の光レベルを検出する第1のPD24と、ダミー光の光レベルを検出する第2のPD30とを設けてもよい。
図36に示す光伝送装置21によれば、M×1WSS26の各チャネルの出力の合計パワーが所定の目標値になるように、各チャネルの出力パワーが制御されるため、図4に示す光伝送装置の第2の例と同様に、信号光が入力断となっても、ポストアンプ27に一定のパワーの光が入力される。従って、光サージの発生を防ぎ、障害の発生した方路からの光に多重される他の方路からの信号光の劣化を防ぐことができる。また、図36に示す光伝送装置21によれば、OCM39によってM×1WSS26のチャネルごとの出力パワーをモニタすることができるため、M×1WSS26のチャネルごとの出力パワーを調整することができる。
図4、図13、図17〜図19、図25、図28、図31、図33及び図36にそれぞれ示す光伝送装置21を用いた光伝送システムの一例として、図2に示す光伝送システム11が挙げられる。