JP5393288B2 - 伝送システムと伝送システムのチルト補正方法 - Google Patents

伝送システムと伝送システムのチルト補正方法 Download PDF

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Description

本発明は、適切なチルト補正をする伝送システムと伝送システムのチルト補正方法とに関する。
光波長多重(Optical Wavelength Division Multiplex)システムは、C−band帯(1530〜1570nm)と、L−band帯(1570〜1610nm)とに複数の光信号を波長多重して伝送を行う。光波長多重システムにおいて伝送する距離が長距離である場合には、伝送時に光ファイバーの波長特性や非線形効果の影響を受けることから、各波長間の光強度レベルに差が生ずる。光強度レベルの差が大きくなると、光波長多重システムとしてエラー(例えば、受信エラー)を引き起こす原因となり正確な通信を阻害することとなる。
光強度レベル差の発生を抑制するために、例えば中継アンプにおいてあらかじめ定められたパラメータをもとに、ポンプLDの増幅量を適宜調整してチルト補正する方法がある。また、受信ノードにスペクトラムアナライザーを配置し、スペクトラムアナライザーで測定した各チャンネル(ch)毎の光強度レベル差情報をもとに、送信ノードにおいて各チャンネル毎の送出レベルを適宜調整してチルト補正する方法が知られている。
また、伝送する信号光の短波長側の光強度レベルと、長波長側の光強度レベルとを受信側OADM(Optical Add Drop Multiplexer)ノードのDMUX(Demultiplexer:デマルチプレクサ)部のモニタPD(Photo Diode)にて検出し、モニタPDから得られた短波長側の光強度レベルと長波長側の光強度レベルとからチルト補正パラメータを計算して、各中継ノードのAMPに補正パラメータを割り当ててチルト補正を実現することが、例えば下記特許文献1に記載されている。
この文献開示によれば、光伝送装置で受信された波長多重信号のチルト量が適正な範囲内ではない場合に、その波長多重信号の伝送路上に位置する各光増幅器(例えばILA(In−Line Amplifier))に対して、チルト補正量がフィードバックされ、各光増幅器にてチルト補正量に基づくチルト補正が実行される。これにより、光伝送装置は、適正なチルト補正が行われた(チルト量が適正範囲に収まる)波長多重信号、即ち適正なOSNR(Optical Signal Noise Ratio:信号対雑音比)を有する波長多重信号を受信することができることとなる。
特開2009−17451号公報
中継アンプにて予め定められたパラメータをもとにポンプLDの増幅量を適宜調整するチルト補正方法は、比較的簡易単純な補正方法である。しかし、設計上で最適とされる伝送距離と現実の伝送路距離とが異なる場合や、現実に敷設するファイバーの種類が設計時の想定と異なる場合などは、予め定められたパラメータでは適切なチルト補正ができないこととなり各チャンネル間での光強度レベル差が解消されない。
また、中継段数が増えると、光強度レベル差が重畳的に大きくなる。このため、光強度レベル差が重畳されない程度に中継段数が少ないメトロ領域での光波長多重システム構築に、実質的に利用制限されることとなる。また、受信ノードにスペクトラムアナライザーを配置すれば構成が複雑となるだけではなく、比較的高価な光波長多重システムとなる。
短波長側と長波長側との光強度レベルの差からチルト補正量を計算して各中継アンプに分配する方法においては、信号光を使ってチルト補正制御をすることになる。このため、短波長側だけまたは長波長側だけで少ない波長チャンネル数が使用されている場合などは、短波長側と長波長側との光強度レベル差を得られないことから、チルト補正が適性に実施できないことが懸念される。このため、例えばメッシュトポロジーでのルート切替など、波長増設に高速性を求められるケースでは切替時間の保証が難しいこととなる。
本発明は、上述の問題点に鑑み為されたものであり、安価かつ簡易に適正なチルト補正をすることが可能な伝送システム等を提供することを目的とする。
この発明にかかる伝送システムは、送信光アンプ部のASE光を出力する送信装置と、受信したASE光から波長の異なる少なくとも二つのプローブ光の光強度レベルを各々検出するチルト検出部と、チルト検出部が検出した二つのプローブ光の光強度レベルの差を低減させるように、出力する光を線形的に一次チルト補正する受信光アンプ部とを備える受信装置とを備えることを特徴とする。
また、この発明にかかる伝送システムは、好ましくは送信光アンプ部が通信光を出力しない場合に、受信光アンプ部が送信光アンプ部が出力したASE光に基いて一次チルト補正をするように、送信光アンプ部は、通信光を遮断する遮断部を備えてもよい。
また、この発明にかかる伝送システムは、さらに好ましくはチルト検出部が、受信したASE光から二つのプローブ光を抽出する二台の固定狭帯域光フィルタを備えてもよい。
また、この発明にかかる伝送システムは、さらに好ましくはチルト検出部が、受信したASE光から二つのプローブ光を抽出する一つの可変光フィルタを備えてもよい。
また、この発明にかかる伝送システムは、さらに好ましくは送信装置が、波長の異なる複数のチャンネルに対応するASE光を出力し、受信装置は、受信したASE光の光強度レベルを複数のチャンネル毎に検出するチャンネル毎光強度レベル検出部と、チャンネル毎光強度レベル検出部が検出した光強度レベルの平均値を算出する平均値算出部と、平均値算出部が算出した平均値とチャンネル毎光強度レベル検出部が検出した光強度レベルとの差分を各チャンネル毎に演算するチャンネル毎差分演算部と、チャンネル毎差分演算部が演算した差分を送信装置にフィードバック送信するフィードバック送信部と、を備え、送信装置は、フィードバック送信部がフィードバック送信した差分を低減させるように波長多重部のVOAを各チャンネル毎に調整して二次チルト補正してもよい。
また、この発明にかかる伝送システムは、さらに好ましくはチャンネル毎光強度レベル検出部に替えて、チルト検出部が、一つの可変光フィルタを備え、受信したASE光の光強度レベルを複数のチャンネル毎に検出してもよい。
また、この発明にかかる伝送システムは、さらに好ましくはフィードバック送信部が、チャンネル毎差分演算部が演算した差分を送信装置にフィードバック送信する場合に、監視制御チャンネルを用いてもよい。
また、この発明にかかる伝送システムのチルト補正方法は、送信装置が送信光アンプ部からASE光を出力する工程と、受信装置が、受信したASE光から波長の異なる少なくとも二つのプローブ光の光強度レベルを各々検出するチルト検出工程と、受信装置が、光強度レベルの差を低減させるように受信光アンプ部が出力する光を線形的に一次チルト補正する一次チルト補正工程とを有することを特徴とする。
また、この発明にかかる伝送システムのチルト補正方法は、好ましくは送信光アンプ部が通信光を出力しない場合に、受信光アンプ部が送信光アンプ部が出力したASE光に基いて一次チルト補正をするように、送信光アンプ部が、通信光の入力を遮断する遮断工程を有してもよい。
また、この発明にかかる伝送システムのチルト補正方法は、さらに好ましくはチルト検出工程が、二台の固定狭帯域光フィルタを用いて受信したASE光から二つのプローブ光を抽出する工程であってもよい。
また、この発明にかかる伝送システムのチルト補正方法は、さらに好ましくはチルト検出工程が、一つの可変光フィルタを用いて受信したASE光から二つのプローブ光を抽出する工程であってもよい。
また、この発明にかかる伝送システムのチルト補正方法は、さらに好ましくは送信装置が、波長の異なる複数のチャンネルに対応するASE光を出力する工程を有し、受信装置は、受信したASE光の光強度レベルを複数のチャンネル毎に検出するチャンネル毎光強度レベル検出工程と、チャンネル毎光強度レベル検出工程で検出した光強度レベルの平均値を算出する平均値算出工程と、平均値算出工程で算出した平均値とチャンネル毎光強度レベル検出工程で検出した光強度レベルとの差分を各チャンネル毎に演算するチャンネル毎差分演算工程と、チャンネル毎差分演算工程で演算した差分を送信装置にフィードバック送信するフィードバック送信工程と、を有し、送信装置は、フィードバック送信工程でフィードバック送信された差分を低減させるように波長多重部のVOAを各チャンネル毎に調整して二次チルト補正する工程を有してもよい。
また、この発明にかかる伝送システムのチルト補正方法は、さらに好ましくはチャンネル毎光強度レベル検出工程が、一つの可変光フィルタを用いて受信したASE光の光強度レベルを複数のチャンネル毎に検出する工程であってもよい。
また、この発明にかかる伝送システムのチルト補正方法は、さらに好ましくはフィードバック送信工程が、監視制御チャンネルを用いてチャンネル毎差分演算工程で演算した差分を送信装置にフィードバック送信する工程であってもよい。
安価かつ簡易に適正なチルト補正をすることが可能な伝送システム等を提供できる。
中継ノードが増大するごとに、長波長側のチャンネルの光強度が、短波長側のチャンネルの光強度を吸収するかのように増大する状況を説明する図である。 チルト自動補正機能を備えた光波長多重伝送システム構成を概念的に説明するブロック図である。 高次の二次チルト補正概念を説明する模式図である。 送信装置の波長多重部の構成を模式的に説明する図である。 受信装置の波長分離部の構成を模式的に説明する図である。 短波長(λ1)側のプローブ光と長波長(λ2)側のプローブ光とを説明する図である。 各チャンネルの光強度レベル差が線形な特性を有するチルトを説明する概念図である。 各チャンネルの光強度レベルが個々ばらついた特性を有するチルトを説明する概念図である。 光波長多重伝送システムの動作と処理とを説明するフロー図である。 光波長多重伝送システムの各機能をブロック構成で概念的に説明した図である。
本実施形態では、光伝送を行う際に生じる各チャンネル間の光強度レベル差を適正にチルト補正制御する光波長多重(WDM:Wave Division Multiplex)伝送システムについて説明する。実施形態で説明する光波長多重伝送システムは、ASE光を利用した自動チルト補正をする。
また、実施形態で説明する光波長多重伝送システムは、信号光やスペクトラムアナライザ等を用いずに、送信AMPのASE(Amplified Spontaneous Emission)光を使ってシステム構築時またはシステム立ち上げ時等にチルト補正量を算出する。
また、この光波長多重伝送システムは、いわゆる荒補正となる線形的な一次補正と、チャンネル毎に個々にする二次補正とをする。一次補正は、典型的には光波長多重システムの中継装置において、中継装置が備えるチルト検出部が検出した長波長側と短波長側とのASE光の光強度レベルの差分を低減するように、中継装置のポンプLDの増幅量を線形的にチルト補正する。
また、一次補正は、典型的には光波長多重伝送システムの受信装置において、受信装置が備えるチルト検出部が検出した長波長側と短波長側とのASE光の光強度レベルの差分を低減するように、受信装置のポンプLDの増幅量を線形的にチルト補正する。
また、二次補正では、受信装置の波長分離部(DMUXを含む)が備える各チャンネル毎のモニタPDの受信光強度レベルが均一となるように、送信装置から出力される送信AMPのASE光を用いてチャンネル毎にチルト補正量を決定する。具体的には、受信装置がASE光をモニタPDで検出し、その受信光強度レベルの全チャンネル平均値と各チャンネルの受信光強度レベルとの差分を、送信装置にフィードバックする。
また、送信装置は、フィードバックされた差分が低減されるように、波長多重部(MUXを含む)のVOA(Variable Optical Attenuator)でのチルト補正量を各チャンネル毎に決定する。これにより、実施形態で説明する光波長多重伝送システムは、チャンネル毎により正確かつより精緻なチルト補正が安価・簡便に実現可能となる。
また、この光波長多重伝送システムは、仮にVOAでの調整範囲を逸脱するような大きな補正が必要な場合でも、予め一次補正により荒調整をしてからVOAでの二次補正をするので、二次補正はVOAの調整可能範囲内の微調整で十分に対応可能となる。さらに、線形一次補正のための波長幅が十分に得られないような狭帯域の通信光の場合であっても、実施形態で説明する光波長多重伝送システムは、ASE光を用いて装置立ち上げ起動時等にチルト補正量を算出し記憶する。従って、例えば短波長側のみまたは長波長側のみの狭帯域通信光である場合等でも、この光波長多重伝送システムは、予め算出し記憶したチルト補正量に基づいて、比較的正確なチルト補正をすることが可能である。
そこで、光波長多重伝送システム2000が一次のチルト補正をする構成について、図2を用いて概要を説明する。図2は、チルト自動補正機能を備えた光波長多重伝送システム2000の構成を概念的に説明するブロック図である。
図2に示すように、光波長多重伝送システム2000は、送信装置(送信OADM(Optical Add Drop Multiplex:光分岐挿入装置)ノードとも称する)2100と、中継装置(中継ノードとも称する)2200と、受信装置(受信OADMノードとも称する)2300とを備える。
送信装置2100と中継装置2200との間と、中継装置2200と受信装置2300との間とは、各々光ファイバーによる光伝送路2400,2500により光通信可能に接続される。
送信装置2100は、波長多重数に対応する任意の数nの送信トランスポンダ2110を備える。送信装置2100が備える任意の数nの送信トランスポンダ2110は、例えば40波を合成する場合であればn=40であり、例えば80波を合成する場合であればn=80となる。送信トランスポンダ2110は、SONET,GbE信号など、波長多重して伝送する信号を、波長多重用の狭帯域の波長多重用光信号に変換する。
また、送信装置2100は、送信トランスポンダ2110から出力されたn波長の光を多重化する波長多重部2120を備える。波長多重部2120は、送信トランスポンダ2110からの信号レベルを調整し、モニタし、光波長多重する機能を有する。
また、送信装置2100は、光伝送路2400を介して中継装置2200に送信する通信光を増幅する送信AMP部2130を備える。送信AMP部2130は、光波長多重伝送システム2000がチルト補正量を決定するためのASE光を送出する。
また、送信装置2100は、中継装置2200に対して監視制御チャンネルを用いて種々の監視制御信号を送信する送信OSC(Optical Supervisory Channel)2140を備える。監視制御チャンネルは、通信光とは異なる波長を用いて光伝送路2400を介して監視制御情報を伝送するために設けられた専用のチャンネルである。また、送信装置2100は、波長多重部2120や送信AMP部2130等を監視制御する制御回路2150を備える。
中継装置2200は、光伝送路2400を介して伝送された通信光を受信して増幅する受信AMP部2270を備える。受信AMP部2270は、増幅する光を供給するポンプLD2271を備える。また、中継装置2200は、光伝送路2500を介して受信装置2300に伝送する通信光を増幅する送信AMP部2230を備える。
また、中継装置2200は、送信OSC2140が中継装置2200に対して監視制御チャンネルを用いて送信した種々の監視制御信号を受信する受信OSC2260を備える。また、中継装置2200は、受信装置2300に対して監視制御チャンネルを用いて種々の監視制御信号を送信する送信OSC2240を備える。
また、中継装置2200は、線形一次補正量を決定するために、ASE光の長波長側と短波長側との光強度レベル差を検出するチルト検出部2280を備える。また、中継装置2200は、チルト検出部2280や送信AMP部2230等を監視制御する制御回路2250を備える。
制御回路2250は、チルト検出部2280で検出したASE光の長波長側と短波長側との光強度レベル差を低減するように、ポンプLD2271による増幅量を適宜調整して通信光の一次チルト補正をする。
受信装置2300は、光伝送路2500を介して伝送された通信光を受信して増幅する受信AMP部2370を備える。受信AMP部2370は、増幅する光を供給するポンプLD2371を備える。
また、受信装置2300は、送信OSC2240が受信装置2300に対して監視制御チャンネルを用いて送信した種々の監視制御信号を受信する受信OSC2360を備える。ここで、監視制御チャンネルは双方向の伝送が可能であり、受信装置2300から送信装置2100へのフィードバック伝送も伝送経路上の各OSCを介して可能である。
また、受信装置2300は、受信した光をn波長に分離して受信トランスポンダ2310へ出力する波長分離部2320を備える。受信装置2300は、波長分離数に対応する任意の数nの受信トランスポンダ2310を備える。受信装置2300が備える任意の数nの受信トランスポンダ2310は、例えば40波に分離する場合であればn=40であり、例えば80波に分離する場合であればn=80となる。
また、受信装置2300は、線形一次補正量を決定するために、ASE光の長波長側と短波長側との光強度レベル差を検出するチルト検出部2380を備える。また、受信装置2300は、チルト検出部2380や受信AMP部2370等を監視制御する制御回路2350を備える。
制御回路2350は、チルト検出部2380で検出したASE光の長波長側と短波長側との光強度レベル差を低減するように、ポンプLD2371による増幅量を適宜調整して通信光の一次チルト補正する。
次に、光波長多重伝送システム2000が二次のチルト補正をする構成について、図4と図5とを用いて以下詳細に説明する。図2等に示したように、光波長多重伝送システム2000は、線形一次補正がされたASE光に対して重畳的に処理する二次補正量を算出し決定する。
図4は、送信装置2100の波長多重部2120の構成を模式的に説明する図である。図4においては、図2と対応する部位には対応する符号を付して、説明の重複を避けるためにここではその説明を省略する。図4に示すように、波長多重部2120は、チャンネルごとに対応してn個設けられたVOA2121と、チャンネルごとに対応してn個設けられたモニタPD2122と、nチャンネルのn波長の光を多重化するMUX(合波器)2123とを備える。
VOA2121は、受信装置2300からフィードバック伝送されたASE光の各チャンネルの光強度レベルとASE光の全チャンネルの平均光強度レベルとの差が低減されるように、各チャンネルごとにVOA2121(1),2121(2),・・2121(n)を調整して通信光を二次チルト補正する。
なお、各チャンネルごとのVOA2121の二次チルト補正量は、予めASE光を用いて二次補正量を決定した時に制御回路2150の記憶部等に設定し記憶しておいてもよい。制御回路2150は、通信光の伝送をする場合に、予め設定記憶した各チャンネルごとのVOA2121の二次チルト補正量に基づいて、各チャンネルごとにVOA2121を補正制御してもよい。
また、送信AMP部2130は、通信光を遮断したり伝送したり切換えする遮断部2131を備える。また、送信AMP部2130は、光増幅作用を行うEDF(Erbium Doped Fiber)2132を備える。また、送信AMP部2130は、EDF2132にポンプLD2134からの励起光を結合する光合分器2133を備える。
図5は、受信装置2300の波長分離部2320の構成を模式的に説明する図である。図5においては、図2と対応する部位には対応する符号を付して、説明の重複を避けるためにここではその説明を省略する。図5に示すように、波長分離部2320は、受信した通信光をn波長のnチャンネルに分離するDMUX2321と、分離するチャンネル数nに対応してn個設けられたモニタPD2322とを備える。
モニタPD2322は、二次チルト補正量を決定するためにASE光の各チャンネルの光強度レベルを検出して制御回路2350へ出力する。制御回路2350は、ASE光の全チャンネルの平均光強度レベルと、ASE光の各チャンネルの光強度レベルとの差をチャンネル毎に算出し、受信OSC2360を介した監視制御チャンネルの伝送により送信装置2100へとフィードバックする。送信装置2100は、フィードバックされた差分を低減するように、VOA2121(1),2121(2),・・2121(n)の二次チルト補正量を各チャンネルごとに決定し、決定した二次チルト補正量に基づいて通信光を適宜調整して二次チルト補正をする。
また、受信AMP部2370は、光増幅作用を行うEDF2372を備える。また、受信AMP部2370では、ポンプLD2371からの増幅用励起光をEDF2372に結合して入力する。チルト検出部2380は、受信AMP部2370を介したASE光から二つのプローブ光を抽出する固定狭帯域フィルタ2381を備える。
固定狭帯域フィルタ(バンドパスフィルタ)2381は、例えば短波長(λ1)側のプローブ光を抽出する第一の狭帯域フィルタ2381(1)と、長波長(λ2)側のプローブ光を抽出する第二の狭帯域フィルタ2381(2)とすることができる。第一の狭帯域フィルタ2381(1)と第二の狭帯域フィルタ2381(2)とで抽出されたプローブ光は、第一のモニタPD(O/E)2382(1)と第二のモニタPD(O/E)2382(2)とで各々光電変換されて制御回路2350に入力される。図6は、短波長(λ1)側のプローブ光と長波長(λ2)側のプローブ光とを説明する図である。
なお、上述した受信装置2300が備える受信AMP部2370とチルト検出部2380との構成と動作とは、中継装置2200が備える受信AMP部2270とチルト検出部2280との構成と動作と同一であるので、説明の重複を避けるために中継装置2200についてはその説明を省略する。
換言すれば、一次チルト補正に関しては受信装置2300と中継装置2200とは同一の補正処理をするものであって、受信したASE光を用いて一次チルト補正量を決定して受信した通信光を一次チルト補正するという機能の限りにおいて、中継装置2200を受信装置2300と見なすことができる。
次に、光波長多重伝送システム2000の一次補正処理と二次補正処理との概要を説明する。図2と図4と図5とにおいて、送信装置2100は、送信AMP部2130から信号光(通信光)ではない広帯域で光強度レベルがフラットな特性をもつASE光を送出させる。送信AMP部2130から送出されたASE光は、光伝送路2400を伝播して中継装置2200の受信AMP部2270に入力される。
受信AMP部2270に入力されたASE光は、チルト検出部2280で不図示の狭帯域フィルタ(狭帯域フィルタ2381に対応する)を用いて短波長λ1と長波長λ2とがプローブ光として抽出される。抽出された二つのプローブ光(λ1,λ2)の光強度レベルは、チルト検出部2280が備える不図示のモニタPD(モニタPD2382に対応)で光電変換されて制御回路2250に入力される。
制御回路2250は、短波長λ1と長波長λ2との二つのプローブ光の光強度レベル差分を線形一次チルト補正量として算出する。また、制御回路2250は、二つのプローブ光の光強度レベル差分の演算結果をもとに、二つのプローブ光の光強度レベル差分を低減させるように、受信AMP2270内のポンプLD2271を調整制御するための線形的なチルト補正量を決定する。
また、受信装置2300でも中継装置2200と同様の線形的一次補正制御をする。すなわち、送信装置2100は、送信AMP部2130から信号光ではない広帯域で光強度レベルがフラットな特性をもつASE光を送出させる。送信AMP部2130から送出されたASE光は、光伝送路2400,2500を伝播して受信装置2300の受信AMP部2370に入力される。
受信AMP部2370に入力されたASE光は、チルト検出部2380が備える狭帯域フィルタ2381を介することにより、短波長λ1と長波長λ2との二つのプローブ光がASE光から抽出される。抽出された二つのプローブ光(λ1,λ2)の光強度レベルは、チルト検出部2380が備えるモニタPD2382で光電変換されて制御回路2350に入力される。
制御回路2350は、短波長λ1と長波長λ2との二つのプローブ光の光強度レベル差分を線形一次チルト補正量として演算する。すなわち、制御回路2350は、二つのプローブ光の光強度レベル差分の演算結果をもとに、二つのプローブ光の光強度レベル差分を低減させるように、受信AMP2370内のポンプLD2371を調整制御するための線形的なチルト補正量を決定する。
図2下段には、一次チルト補正の概要を説明するために、線形的な一次チルト補正の概念図をグラフで示している。一般には、図7に示すように、長波長側のチャンネルの光強度が、短波長側のチャンネルの光強度を吸収するかのように増大することが知られている。
図7は、各チャンネルの光強度レベル差が線形な特性を有するチルトを説明する概念図である。図7の特性を示す通信光に対して上述した線形的な一次補正は比較的有効である。また、図1は、中継ノードが増大するごとに、長波長側のチャンネルの光強度が、短波長側のチャンネルの光強度を吸収するかのように増大する状況を説明する図である。
この場合には、制御回路2250,2350は、一次チルト補正として線形的に長波長側のGainを短波長側に比較して小さくした補正調整を各々ポンプLD2271,2371にさせることとなる。これにより、光波長多重伝送システム2000は、図2のスペクトル2600,2700に示すように、一次のチルト補正がされたスペクトルが得られる。図8は、各チャンネルの光強度レベルが個々ばらついた光強度特性を有するチルトを説明する概念図である。一次チルト補正をした後は、図8に示すように高次のチルトが残留した光強度特性となる。
ここで、図1において送信ノードの波長多重部20では、各チャンネルの光強度レベルをフラットにして送出する。このため、送信AMP30から出力される光強度レベルはスペクトル40に示すように、各チャンネル間でフラットな信号で送出される。しかし、伝送路長が設計当初想定された長さと異なる場合やファイバ種が異なる場合などはチルト補正が適正に行われず、スペクトル41,42に示すような傾きが生じ、各チャンネル毎の光強度レベル差を生じる。
また、受信側ノードにてスペクトラムアナライザ(測定器)を使用する方法においては、精度よく各チャンネル間の光強度レベル差をモニターしてチルト補正をすることが可能である。しかし、構成が複雑となりかつスペクトラムアナライザも高価なため、波長多重数が比較的多くかつ長距離伝送が必要となるロングホール(Long Haul)領域のWDM製品向けの方法である。
次に、図2,図3を用いて高次のチルトを補正する二次チルト補正の処理について詳述する。一次のチルト補正後のスペクトルは、図3右上に信号伝送後の各チャンネルの受信レベルとして示すスペクトルのように、各チャンネルの光強度レベルが均一状態ではない。図3は、高次の二次チルト補正概念を説明する模式図である。
この為、波長分離部2320では、入力されたASE光強度レベルをモニタPD2322で検出し、モニタPD2322から各チャンネルの光強度レベルを制御回路2350へ送信する。制御回路2350は、受信した各チャンネル毎の光強度レベルのデータをもとに全チャンネルに対する平均値を求める。
また、制御回路2350は、各チャンネル毎に算出した全チャンネルの平均値との差分を算出する。そして、制御回路2350は、算出した差分を、送信装置2100へOSC回線、すなわち監視制御チャンネルを用いて伝送する。送信装置2100は、受信したチャンネル毎の差分値をもとに、光強度レベルが低いチャンネルについては送信光強度レベルを上げ、光強度レベルが高いチャンネルについては送信光強度レベルを下げるように波長多重部2120の中のVOA2121を二次チルト補正調整する。
この補正調整値は、制御回路2350の中に備えた記憶部に格納しておき、通信光の伝送時に読み出して適用してもよい。これにより、受信装置2300は、高次のチルト成分までチャンネル毎に補正されたフラットな光強度特性を有する信号を受信することが可能となる。
図10は、上述した光波長多重伝送システム2000の各機能をブロック構成で概念的に説明した光波長多重伝送システム2000(2)である。図10において、図2,図4,図5等と対応する部位には対応する符号を付して、説明の重複を避けるためにここではその説明を省略する。
図10に示す光波長多重伝送システム2000(2)において、フィードバック送信部2360(2)は、受信装置2300が備える受信OSC2360に対応する。また、光波長多重伝送システム2000(2)において、チャンネル毎光強度検出部2322Bは、受信装置2300が備えるモニタPD2322に対応する。
また、図10に示すように、受信装置2300の制御回路2350は、チャンネル毎光強度検出部2322Bが各チャンネルごとに検出したASE光の光強度レベルの全チャンネルの平均値を求める平均値算出部2352を備える。
また、受信装置2300の制御回路2350は、平均値算出部2352が算出したASE光の光強度レベルの全チャンネルの平均値と、チャンネル毎光強度検出部2322Bが各チャンネルごとに検出したASE光の光強度レベルと、の差分を演算するチャンネル毎差分演算部2351を備える。
送信AMP部2130が送出するASE光は、送信AMP部2130の増幅帯域に対応する広い波長範囲に光エネルギが分布するASE光となる。また、一次チルト補正のための線形的なチルトを検出するチルト検出部2380は、可変フィルタ2381Bを備えてもよい。可変フィルタ2381Bは、波長長短の二つのプローブ光を各々抽出する。
また、図9は、光波長多重伝送システム2000および光波長多重伝送システム2000(2)の動作と処理とを説明するフロー図である。
(ステップS910)
送信OADM局(送信装置2100に対応する)の送信AMP部2130にてASE光の送出を開始する。このステップS910の処理において、遮断部2131が通信光を遮断するものとする。遮断部2131は、通信光を導通と否導通とに切換えるスイッチであってもよい。
(ステップS920)
光波長多重伝送システム2000は、一次チルト補正の対象となる受信AMP2270,2370の調整・補正は全て完了したか否かを判断する。一次チルト補正の対象となる受信AMP2270,2370の調整・補正が全て完了した場合は、ステップS930へと進む。一次チルト補正の対象となる受信AMP2270,2370の調整・補正は全て完了していない場合は、ステップS980へと進む。
(ステップS930)
光波長多重伝送システム2000は、受信OADM局(受信装置2300に対応する)の波長分離部2320にて全チャンネルの光強度レベルを検出する。
(ステップS940)
制御回路2350は、光強度レベルのモニタ結果から平均値および各チャンネル毎に平均値からの差を演算する。
(ステップS950)
送信OADMノードにステップS940で演算した差分情報を転送する。
(ステップS960)
送信装置2100は、受信した各チャンネルの光強度レベル差分情報をもとに、波長多重部2120内のVOA2121に対して二次チルト補正の再設定をする。
(ステップS970)
光波長多重伝送システム2000は、送信OADM局において、送信AMP部2130からASE光の送出を停止する。
(ステップS980)
受信装置2300のチルト検出部2380は、ASE光から二つのプローブ光λ1・λ2を抽出する。
(ステップS990)
制御回路2350は、二つのプローブ光λ1・λ2の光強度レベル差が0dBであるか否かを判断する。二つのプローブ光λ1・λ2の光強度レベル差が0dBである場合には、ステップS920へと戻る。また、二つのプローブ光λ1・λ2の光強度レベル差が0dBでない場合には、ステップS900へと進む。
(ステップS900)
制御回路2350は、受信AMP2370のポンプLD2371の増幅量を、ステップS990で判断した光強度レベル差が0dBとなるように調整して一次補正する。
ここで、上述した光波長多重伝送システム2000の説明において、プローブ光λ1のモニタ値(dBm):PRmon1とし、プローブ光λ2のモニタ値(dBm):PRmon2とすれば、一次チルト検出量(dBm)=(PRmon1)−(PRmon2)となる。
一方、送信装置2100側では、送信AMP部2130に遮断部2131として光スイッチが設けられていてもよい。ASE光によりチルト補正制御を行う場合は、制御回路2150が、光スイッチを例えばオープン側に選択して波長多重部2120からの信号をドロップさせる。この結果、送信信号は送信AMP部2130の増幅帯域に対応する広帯域の光スペクトルを送信する。
以上の構成と動作とのもと、中継装置2200側と受信装置2300側とのチルト検出部2280,2380で検出するプローブ光λ1とプローブ光λ2との光強度レベル差が最小になるように、制御回路2250,2350が、各々受信AMP部2270,2370内のポンプLD2271,2371を調整してやれば、一次のチルト成分を補正することができる。
また、二次補正では、モニタPD部2322にて、チルト補正制御(送信部1)で生成されたASE光強度レベルを測定する。測定した結果は、制御回路2350に送信され全チャンネルの平均光パワーと各チャンネル毎に平均光パワーからの光強度レベルの差分とを算出する。
(手順1:全チャンネルの平均光強度レベルを算出)
全チャンネルの平均光強度レベル(CHtyp)(dBm)=((CH1モニタ値)+(CH2モニタ値)+(CH3モニタ値)・・・(CHnモニタ値))/nとなる。
(手順2:CH毎に平均光強度レベルからの差分を算出)
CH1の平均レベルからの差分(CHdif1)(dB)=(CH1モニタ値)−(CHtyp)、
CH2の平均レベルからの差分(CHdif2)(dB)=(CH2モニタ値)−(CHtyp)、
CH3の平均レベルからの差分(CHdif3)(dB)=(CH3モニタ値)−(CHtyp)、・・・、
CHnの平均レベルからの差分(CHdifn)(dB)=(CHnモニタ値)−(CHtyp)。
また、上述の計算結果をOSC回線を使い送信OADMノードに送り、VOA2121に予め設定された初期(デフォルト)VOA調整値からチルト補正分を差し引き調整等してVOAを二次補正するように再調整する。
初期VOA調整値(VOAdef)(dB):
VOA再調整レベル(VOAreaj)(dB)は、
CH1の再調整レベル(VOAreaj1)(dB)=(VOAdef)−(CHdif1)、
CH2の再調整レベル(VOAreaj2)(dB)=(VOAdef)−(CHdif2)、
CH3の再調整レベル(VOAreaj3)(dB)=(VOAdef)−(CHdif3)、・・・、
CHnの再調整レベル(VOAreajn)(dB)=(VOAdef)−(CHdifn)。
以上の制御演算処理を実施することで、光波長多重伝送システム2000は、高次のチルトを補正することができる。
上述した光波長多重伝送システム2000は、自動的にチルトを補正するシステムであって、特別にチルトを補正するために波長を設けることなく、送信光AMPのASE光を利用する。この結果、光通信システムを構成する装置規模の増大が無く、自動でのチルト制御機能を付加した光通信システムを経済的に実現することが出来る。
また、本発明を適用することで光波長多重伝送システム2000はWDMシステムとしての性能が向上し、従来、途中の中継局において一旦電気信号に変換して再生中継する必要があった箇所を光アンプのみで中継できるようになるなど、システム全体としての大幅なコストダウンが期待できる。
また、ASE光を利用して全チャンネル分のチルトを測定できるため、精度の高いチルト補正が可能である。又、ASE光を利用することでシステム構築時にチルト補正ができ、波長の増波等で再びチルト補正を行う必要がない。この為、メッシュトポロジーでのルート切替など、波長増設に高速性を求められるケースでは非常に有効的な方法である。
光波長多重伝送システム2000等は、上述した構成と動作処理と演算処理とに限定されることはなく、自明な範囲でその構成を適宜変更し、その動作処理を適宜変更し、その演算処理を適宜変更して用いることができる。
本発明は、複数の波長チャンネルの通信光を多重化して順次伝送する光波長多重伝送システム等に利用できる。
2000・・光波長多重伝送システム、2100・・送信装置、2110・・送信トランスポンダ、2120・・波長多重部、2130・・送信AMP部、2131・・遮断部、2132・・EDF、2133・・光合分器、2150・・制御回路、2200・・中継装置、2230・・送信AMP部、2250・・制御回路、2280・・チルト検出部、2300・・受信装置、2310・・受信トランスポンダ、2320・・波長分離部、2321・・DMUX。

Claims (12)

  1. 送信光アンプ部のASE光を出力する送信装置と、
    受信した前記ASE光から波長の異なる少なくとも二つのプローブ光の光強度レベルを各々検出するチルト検出部と、前記送信装置の出力した前記ASE光を増幅して出力する受信光アンプ部であって、前記チルト検出部が検出した前記二つのプローブ光の光強度レベルの差を低減させるように、出力する光を線形的に一次チルト補正する受信光アンプ部とを備える受信装置と、
    を備え
    前記送信装置は、波長の異なる複数のチャンネルに対応するASE光を出力し、
    前記受信装置は、受信した前記ASE光の光強度レベルを前記複数のチャンネル毎に検出するチャンネル毎光強度レベル検出部と、前記チャンネル毎光強度レベル検出部が検出した光強度レベルの平均値を算出する平均値算出部と、前記平均値算出部が算出した前記平均値と前記チャンネル毎光強度レベル検出部が検出した光強度レベルとの差分を各チャンネル毎に演算するチャンネル毎差分演算部と、前記チャンネル毎差分演算部が演算した差分を前記送信装置にフィードバック送信するフィードバック送信部と、を備え、
    前記送信装置は、前記フィードバック送信部がフィードバック送信した前記差分を低減させるように波長多重部のVOAを各チャンネル毎に調整して二次チルト補正する
    ことを特徴とする伝送システム。
  2. 請求項1に記載の伝送システムにおいて、
    前記送信光アンプ部が通信光を出力しない場合に、前記受信光アンプ部が前記送信光アンプ部が出力した前記ASE光に基いて前記一次チルト補正をするように、前記送信光アンプ部は、前記通信光を遮断する遮断部を備える
    ことを特徴とする伝送システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の伝送システムにおいて、
    前記チルト検出部は、受信した前記ASE光から前記二つのプローブ光を抽出する二台の固定狭帯域光フィルタを備える
    ことを特徴とする伝送システム。
  4. 請求項1または請求項2に記載の伝送システムにおいて、
    前記チルト検出部は、受信した前記ASE光から前記二つのプローブ光を抽出する一つの可変光フィルタを備える
    ことを特徴とする伝送システム。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の伝送システムにおいて、
    前記チャンネル毎光強度レベル検出部に替えて、前記チルト検出部が、一つの可変光フィルタを備え、前記受信した前記ASE光の光強度レベルを前記複数のチャンネル毎に検出する
    ことを特徴とする伝送システム。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の伝送システムにおいて、
    前記フィードバック送信部は、前記チャンネル毎差分演算部が演算した差分を前記送信装置にフィードバック送信する場合に、監視制御チャンネルを用いる
    ことを特徴とする伝送システム。
  7. 送信装置が送信光アンプ部からASE光を出力する工程と、
    受信装置が、受信した前記ASE光から波長の異なる少なくとも二つのプローブ光の光強度レベルを各々検出するチルト検出工程と、
    受信装置が、前記光強度レベルの差を低減させるように、前記送信装置の出力した前記ASE光を増幅して出力する受信光アンプ部が出力する光を線形的に一次チルト補正する一次チルト補正工程と
    を有し、
    前記送信装置は、波長の異なる複数のチャンネルに対応するASE光を出力する工程を有し、
    前記受信装置は、受信した前記ASE光の光強度レベルを前記複数のチャンネル毎に検出するチャンネル毎光強度レベル検出工程と、前記チャンネル毎光強度レベル検出工程で検出した光強度レベルの平均値を算出する平均値算出工程と、前記平均値算出工程で算出した前記平均値と前記チャンネル毎光強度レベル検出工程で検出した光強度レベルとの差分を各チャンネル毎に演算するチャンネル毎差分演算工程と、前記チャンネル毎差分演算工程で演算した差分を前記送信装置にフィードバック送信するフィードバック送信工程と、を有し、
    前記送信装置は、前記フィードバック送信工程でフィードバック送信された前記差分を低減させるように波長多重部のVOAを各チャンネル毎に調整して二次チルト補正する工程を有する
    ことを特徴とする伝送システムのチルト補正方法。
  8. 請求項に記載の伝送システムのチルト補正方法において、
    前記送信光アンプ部が通信光を出力しない場合に、前記受信光アンプ部が前記送信光アンプ部が出力した前記ASE光に基いて前記一次チルト補正をするように、前記送信光アンプ部が、前記通信光を遮断する遮断工程を有する
    ことを特徴とする伝送システムのチルト補正方法。
  9. 請求項または請求項に記載の伝送システムのチルト補正方法において、
    前記チルト検出工程は、二台の固定狭帯域光フィルタを用いて受信した前記ASE光から前記二つのプローブ光を抽出する工程である
    ことを特徴とする伝送システムのチルト補正方法。
  10. 請求項または請求項に記載の伝送システムのチルト補正方法において、
    前記チルト検出工程は、一つの可変光フィルタを用いて受信した前記ASE光から前記二つのプローブ光を抽出する工程である
    ことを特徴とする伝送システムのチルト補正方法。
  11. 請求項7乃至請求項10のいずれか一項に記載の伝送システムのチルト補正方法において、
    前記チャンネル毎光強度レベル検出工程は、一つの可変光フィルタを用いて前記受信した前記ASE光の光強度レベルを前記複数のチャンネル毎に検出する工程である
    ことを特徴とする伝送システムのチルト補正方法。
  12. 請求項7乃至請求項11のいずれか一項に記載の伝送システムのチルト補正方法において、
    前記フィードバック送信工程は、監視制御チャンネルを用いて前記チャンネル毎差分演算工程で演算した差分を前記送信装置にフィードバック送信する工程である
    ことを特徴とする伝送システムのチルト補正方法。
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