JP2004258622A - ラマンアンプ及びそれを含む光通信システム - Google Patents

ラマンアンプ及びそれを含む光通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】 増減設される信号チャネルに依存することなく容易に過渡応答特性の改善が可能な構造を有するラマンアンプ等を提供する。
【解決手段】 励起光源(132)は、波長λp0の前方励起光を光ファイバ(110)に供給する。励起光源(133)は、波長λp1〜λpNのNチャネル後方励起光を光ファイバ(110)に供給する。前方励起光の波長λp0は、後方励起光のチャネル波長λp1〜λpNのうちの最短波長以下である。特に、後方励起光のパワー及び前方励起光のパワーは、実際の長さLよりも後方励起光のチャネル波長λp1〜λpNに対する光ファイバ(110)の実効長Leffが長くなるよう設定される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、互いに波長の異なる複数信号チャネルの信号光(多重化信号光)をラマン増幅するラマンアンプ、及び、該ラマンアンプを含む光通信システムに関するものである。
ラマンアンプは、複数信号チャネルが多重化された多重化信号光を伝送する波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)光通信システムに適用される光学部品であって、光増幅媒体である光ファイバに励起光を供給することで、該光ファイバを伝搬する多重化信号光をラマン増幅することができる。そのため、ラマンアンプは、WDM光通信システムにおいて多重化信号光が光ファイバ伝送路を伝搬する間に被った損失を補償するのに広く利用されている。また、WDM光通信システムにOADMやOXCが導入されていると、光ファイバ伝送路を伝搬する信号光のチャネル数が変動する場合があり、そのため、ラマンアンプに入力される信号光のチャネル数が変動する場合がある。
このようにラマンアンプへ入力される信号光のチャネル数が変動する場合、ラマンアンプの過渡応答特性が問題となる(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。すなわち、チャネル増減設(add/drop)時に、その前後で継続してラマンアンプに入力される信号光に対するラマン増幅の利得は、変動するだけでなく、アンダーシュート又はオーバーシュートする場合がある。
非特許文献1に記載された技術は、このようなラマンアンプの過渡応答特性の問題を解決することを意図している。この非特許文献1に記載された技術では、光増幅媒体である光ファイバの後方から励起光(後方励起光)が該光ファイバに供給されるだけでなく、該光ファイバの前方からも励起光(前方励起光)が供給される。そして、ラマンアンプに入力される信号光のチャネル数変動に応じて前方励起光のパワーが調整されることで、過渡応答特性の改善が図られる(フィードフォワード制御)。
Y. Sugaya, et al., "Suppression method of transient power response of Raman amplifier caused by channel add-drop", ECOC2002 28thEuropean Conference on Optical Communication, Vol. 1, Sep. 9, 2002 Stuart Gray, "Transient gain dynamics in wide bandwidth discrete Raman amplifiers", OFC2002 OPTICAL FIBER COMMUNICATION CONFERENCE AN EXHIBIT, Mar. 17-22, 2002, ThR2
発明者らは、上述の従来技術について検討した結果、以下のような課題を発見した。すなわち、上記非特許文献1に記載された技術では、増減設される信号チャネルによっては、過渡応答特性の改善が不充分である場合がある。換言すれば、上記非特許文献1に記載された技術のように、前方励起光に対するフィードフォワード制御だけでは、ラマンアンプ内の光学部品や励起光源であるLDの経時変化に対応できず、各信号チャネルの出力パワーレベルを精度よく制御することができない。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、増減設される信号チャネルに依存することなく容易に過渡応答特性の改善が可能な構造を有するラマンアンプ、及び、該ラマンアンプを含む光通信システムを提供することを目的としている。
この発明に係るラマンアンプは、ラマン増幅用光ファイバと、第1励起光源と、第2励起光源を備える。上記ラマン増幅用光ファイバは、互いに異なる波長の複数信号チャネルが多重化された信号光が入力される入力端と、ラマン増幅された該信号光が出力される出力端を有する。上記第1励起光源は、ラマン増幅用光ファイバの出力端から該ラマン増幅用光ファイバ内に、互いに異なる波長の複数励起チャネルが多重化された後方励起光を供給する。上記第2励起光源は、ラマン増幅用光ファイバの入力端から該ラマン増幅用光ファイバ内に、1又はそれ以上の励起チャネルが多重化された前方励起光を供給する。なお、この前方励起光のチャネル数は、上記後方励起光のチャネル数よりも少ない。前方励起光のチャネル数を多くすると、該前方励起光の持つ強度雑音(強度揺らぎ)がラマン増幅用光ファイバ内を伝搬している信号光に影響してしまうためである。また、前方励起光に含まれる各励起チャネルは、上記後方励起光の最短励起チャネル波長以下の波長を有する。
特に、この発明に係るラマンアンプにおいて、上記第1及び第2励起光源から出力される後方励起光及び前方励起光の各パワーは、実際の長さよりも該後方励起光の各励起チャネルに対するラマン増幅用光ファイバ実効長が長くなるよう、設定されている。一般に、この発明に係るラマンアンプに適用されるラマン増幅用光ファイバは、高い非線形性を有する。このラマン増幅用光ファイバに高パワーの光が入力されると、誘導ラマン散乱(SRS: Stimulated Raman Scattering)に起因して該入力光の波長よりも長波長側にストークス光が発生する。このストークス光により後方励起光に含まれる励起チャネルにゲインを与えることができる。このとき、後方励起光に含まれる各励起チャネルの伝送損失よりも与えられるゲインの方が大きければ、該後方励起光に含まれる各励起チャネルに対するラマン増幅用光ファイバの実効長を延ばすことが可能になる。このため、前方励起光に含まれる励起チャネルの波長は、後方励起光の最短励起チャネル波長以下に設定されている。
以上のように構成されたラマンアンプによれば、OADMやOXCが導入されたフォトニックネットワークを含む光通信システムにおいて、増減設(add/drop)される信号チャネルに依存することなく容易に過渡応答特性を改善することができる。
この発明に係るラマンアンプは、フィードフォワード制御を可能にするため、入力モニタ装置と、制御部とをさらに備えてもよい。この場合、上記入力モニタ装置は、ラマン増幅用光ファイバの入力端側に配置され、信号光に含まれる各信号チャネルの入力パワーレベルをモニタする。上記制御部は、入力モニタ装置によりモニタされた各信号チャネルの入力パワーレベルに基づいて、各信号チャネルの出力パワーレベルが所定値になるよう、少なくとも上記第2励起光源を制御する。
ここで、上記制御部は、入力される信号光のチャネル数が変動すること無く信号チャネルの入力パワーレベルが所定パターンで変動したとき、上記第2励起光源からラマン増幅用光ファイバに供給される後方励起光のパワーのみをフィードフォワード制御してもよい。ここで、所定パターンとは、1又はそれ以上の信号チャネルが所定値以上変動する状態を意味する。ただし、組合せにより、所定値は異なる。また、上記制御部は、入力される信号光のチャネル数が変動したとき、信号チャネルのうち入力パワーレベルが所定値以上に変動していない信号チャネルのラマン増幅に関与する励起チャネルのパワーをそれぞれフィードフォワード制御してもよい。さらに、上記制御部は、信号光に含まれる複数信号チャネルの入力パワーレベルに基づいて、これら信号チャネルの出力パワーレベルが所定値となるよう、後方励起光のパワー及び前方励起光のパワーをフィードフォワード制御してもよい。
また、この発明に係るラマンアンプは、ラマン増幅用光ファイバの入力端における各信号チャネルのラマン増幅利得が、同じ励起光パワーで得られる小信号利得の50%以上、好ましくは80%以上となるよう、ラマン増幅用光ファイバのラマン増幅特性に対する第1及び第2励起光源それぞれの励起光パワーが所定関係に設定されるのが好ましい。ここで、ラマン増幅用光ファイバの入力端における各信号チャネルの入力パワーレベルは、当該ラマンアンプが適用される光通信システムにおいて通常使用されるパワーレベルである。また、小信号利得とは、小さい入力パワーレベルの信号チャネルが入力されたときに、同じ励起光パワーで得られる不飽和利得であり、ラマン利得が一定である小信号利得領域における一定利得を言いう。
上述のように各信号チャネルのラマン増幅利得を小信号利得の50%以上、好ましくは80%以上に設定するのは、飽和状態での利用は過渡応答のオーバーシュートを引き起こすからである。また、上記第1及び第2励起光源それぞれの励起光パワーの具体的な設定は、相対的に、長波長側(後方励起光に含まれる励起チャネル側)の励起光パワーを抑える一方、短波長側(前方励起光に含まれる励起チャネル側)の励起光パワーを大きくすることにより行われる。
この発明に係るラマンアンプは、入力モニタ装置とラマン増幅用光ファイバとの間に配置された光伝送路(信号遅延手段)を備えてもよい。この光伝送路は、信号光の伝搬時間が制御部による第2励起光源の制御に要する最短時間以上になる程度の長さを有する。ここで、制御部は、この第2励起光源の制御に要する時間を調整する機能を有するのが好ましい。また、この光伝送路は、信号光をラマン増幅するのが好ましい。例えば、この光伝送路は希土類元素添加光ファイバを含んでもよい。
この発明に係るラマンアンプは、上記入力モニタ装置によりモニタされた複数信号チャネルの入力パワーレベルが所定値以下になる信号チャネルと同じ波長の模擬信号光をラマン増幅用光ファイバに供給する模擬信号光供給システムを備えてもよい。この場合、上記制御部が模擬信号光供給システムの一部を構成する。
なお、ラマンアンプでは、ラマン増幅用光ファイバの長さや励起方向によって決まる応答速度よりも速いフィードバック制御を行うと、出力応答よりも速くフィードバックがかかるため、原理的に出力が発振してしまう。そこで、この発明に係るラマンアンプは、上述のような速いフィードフォワード制御を行うことで過渡応答のオーバーシュート又はアンダーシュートを抑制するとともに、遅い周期でフィードバック制御を行うことで高精度の出力制御を行う構成を備えてもよい。このように、2段階の制御が行われることにより、ラマンアンプにおける過渡応答のオーバーシュート又はアンダーシュートの効果的な抑制と、高精度の出力制御が同時に可能にする。
すなわち、フィードフォワード制御及びフィードバック制御を可能にするため、この発明に係るラマンアンプは、上述のようにラマン増幅用光ファイバ、第1励起光源、第2励起光源、入力モニタ装置、制御部とともに、ラマン増幅用光ファイバの出力端側に配置された出力モニタ装置を備え、上記制御部は、上記入力モニタ装置及び出力モニタ装置の検出結果に基づいて、上記第1及び第2励起光源の少なくとも何れかに対して制御を行う。
具体的に、上記制御部は、ラマン増幅用光ファイバの入力端における信号光のパワー変動を検出した時点で第1励起光源に対してフィードフォワード制御を行った後、信号光がラマン増幅用光ファイバを伝播するのに要する時間よりも遅い周期で第1励起光源に対してフィードバック制御を行ってもよい。また、上記制御部は、ラマン増幅用光ファイバの出力端における信号光のパワー変動を検出した時点で第2励起光源に対してフィードフォワード制御を行った後、信号光がラマン増幅用光ファイバを伝播するのに要する時間よりも遅い周期で第2励起光源に対してフィードバック制御を行ってもよい。さらに、上記制御部は、ラマン増幅用光ファイバの入力端における信号光のパワー変動を検出した時点で第1励起光源に対してフィードフォワード制御を行うとともに、ラマン増幅用光ファイバの出力端における信号光のパワー変動を検出した時点で第2励起光源に対してフィードフォワード制御を行い、その後、信号光がラマン増幅用光ファイバを伝播するのに要する時間よりも遅い周期で第1及び第2励起光源それぞれに対してフィードバック制御を行ってもよい。上記制御部は、ラマン増幅用光ファイバの入力端における信号光のパワー変動を検出した時点で第1励起光源に対してフィードフォワード制御を行った後、信号光がラマン増幅用光ファイバを伝播するのに要する時間よりも遅い周期で第1及び第2励起光源それぞれに対してフィードバック制御を行うことも可能である。
なお、このようにフィードフォワード制御とともにフィードバック制御を行うラマンアンプは、入力モニタ装置とラマン増幅用光ファイバの入力端との間に配置されるとともに、信号光の伝搬時間が入力パワー変動を検出してから実際に出力パワー変動に反映されるまでの時間に相当する程度の長さを有する光伝送路(遅延手段)をさらに備えてもよい。
この発明に係る光通信システムは、上述のような構造を有するラマンアンプ(この発明に係るラマンアンプ)を含む。このラマンアンプは、複数信号チャネルが多重化された信号光が伝搬する光ファイバ伝送路上に配置され、該信号光がラマンアンプにより増幅される。この光通信システムは、上述のような構造を有するラマンアンプを利用して信号光を増幅するため、例えば該ラマンアンプに入力された信号光のチャネル数がOADMやOXCにより変動する場合であっても、増減設される信号チャネルに依存することなく容易にラマン増幅時の過渡応答特性を改善することができる。したがって、この光通信システムによれば、優れた信号伝送品質が得られる。
以上のようにこの発明によれば、ラマン増幅用光ファイバに対して第1励起光源から複数励起チャネルの後方励起光が供給される一方、第2励起光源から前方励起光が供給される。そして、前方励起光に含まれる励起チャネルの波長は、後方励起光に含まれる各励起チャネルの波長のうち最短波長以下に設定されている。また、実際の長さよりも後方励起光の各励起チャネルに対するラマン増幅用光ファイバの実効長は、長い。このように構成されたラマンアンプは、増減設される信号チャネルに依存することなく容易に過渡応答特性を改善することができる。
以下、この発明に係るラマンアンプ及びそれを含む光通信システムの各実施形態について、図1〜図20を用いて詳細に説明する。なお、図面の説明において同一要素、同一部位には同一番号を付して重複する説明を省略する。
(ラマンアンプの第1実施形態)
まず、この発明に係るラマンアンプの第1実施形態について説明する。図1は、この発明に係るラマンアンプの第1実施形態の構成を示す図である。この図1に示されたラマンアンプ100は、光入力端101から光出力端102に向かって順に配置された、光カプラ111、光カプラ112、ラマン増幅用光ファイバ110及び光カプラ113を備える。また、ラマンアンプ100は、光カプラ111に接続された入力モニタ装置の一部を構成するモニタ部121、光カプラ112に接続された励起光源132(前方励起光を供給する第2励起光源)、光カプラ113に接続された励起光源133(後方励起光を供給する第1励起光源)、及び制御部140を備える。
光カプラ111は、光入力端101を介して入力された波長λs1〜λsM(Mは2以上の整数)の信号チャネルが多重化された信号光の一部を分岐する。分岐された一部はモニタ部121へ出力され、残りの信号光は光カプラ112へ出力される。モニタ部121は、光カプラ111により分岐された波長λs1〜λsMの信号チャネルを入力し、各信号チャネルの入力パワーレベルをモニタする。
励起光源132は、波長λp0の励起チャネルを含む前方励起光を出力する励起LDを含み、該前方励起光を光カプラ112へ出力する。光カプラ112は、光カプラ111より到達した信号チャネルλs1〜λsMを含む信号光を光ファイバ110へ出力するとともに、励起光源132から出力された波長λp0の前方励起光をラマン増幅用光ファイバ110に供給する。
励起光源133は、波長λp1〜λpN(Nは2以上の整数)の光を出力する励起LDと、これら波長の異なる出力光を合波する合波器を含み、各励起LDの出力波長に対応するN励起チャネルが多重化された後方励起光を光カプラ113へ出力する。光カプラ113は、ラマン増幅用光ファイバ110から到達した信号チャネルλs1〜λsMの信号光を出力端102へ出力するとともに、励起光源133から出力されたN励起チャネルλp1〜λpNの後方励起光をラマン増幅用光ファイバ110に供給する。
ここで、ラマン増幅用光ファイバ110へ供給される励起光に含まれる励起チャネルの波長は、以下の式(1)で表される関係を有する。
Λp0<λp1<λp2<…<λpN …(1)
すなわち、前方励起光に含まれる励起チャネルの波長λp0は、後方励起光に含まれるN励起チャネルの波長λp1〜λpNのうちの最短波長以下である。
また、ラマン増幅用光ファイバ110の実際の長さLよりも、後方励起光に含まれるN励起チャネルλp1〜λpNに対する該ラマン増幅用光ファイバ110の実効長Leffが長くなるよう、励起光源132、133からラマン増幅用光ファイバ110に供給される励起光(波長λp0〜λpNの励起チャネルを含む)のパワーが設定されている。ここで、実効長Leffは、以下の式(2)で表される。
eff=[1−exp(αL)]/α …(2)
ここで、αはラマン増幅用光ファイバ110の増幅損失であり、増幅している場合にはα値は1より大きい。
制御部140は、モニタ部121によりモニタされた各信号チャネルの入力パワーレベルに基づいて、光入力端101を介して入力された信号光に含まれる各信号チャネルのパワー変動やチャネル増減設を検出する。そして、制御部140は、その検出結果に基づいて、各信号チャネルの出力パワーレベルが所定値となるよう、少なくとも励起光源132からラマン増幅用光ファイバ110に供給される前方励起光に含まれる励起チャネルλp0のパワーを所定値に制御する。また、制御部140は、励起光源133からラマン増幅用光ファイバ110に供給される後方励起光に含まれる励起チャネルλp1〜λpNそれぞれのパワーをも所定値に制御する。このように構成されたラマンアンプ100は、増減設される信号チャネルに依存することなく容易に過渡応答特性を改善することができる。
制御部140は、入力された信号光のチャネル数が変動すること無く何れかの信号チャネルの入力パワーレベルが所定パターンで変動したとき、励起光源133から光ファイバ110に供給される後方励起光のパワーのみをフィードフォワード制御するのが好ましい。ここで、所定パターンとは、1又はそれ以上の励起チャネルが所定値以上変動する状態を意味する。ただし、組合せにより、所定値は異なる。制御部140は、入力された信号光のチャネル数が変動したとき、信号チャネルのうち入力パワーレベルが所定値以上に変動していない信号チャネルのラマン増幅に関与する励起チャネルのパワーをそれぞれ所定値になるようフィードフォワード制御してもよい。制御部140は、入力された信号光に含まれる各信号チャネルの入力パワーレベルに基づいて、これら信号チャネルの出力パワーレベルが所定値となるよう、励起光源132からラマン増幅用から光ファイバ110に供給される前方励起光のパワー及び励起光源133からラマン増幅用光ファイバ110に供給される後方励起光のパワーをフィードフォワード制御してもよい。
また、ラマン増幅用光ファイバ110の入力端における各信号チャネルに対するラマン増幅利得は、同じ励起光パワーで得られる小信号利得の50%以上、好ましくは80%以上となるよう、ラマン増幅用光ファイバ110のラマン増幅特性と励起光源132、133からそれぞれ出力される前方励起光のパワー及び後方励起光のパワーとの関係が所定関係に設定されている。ここで、ラマン増幅用光ファイバの入力端における各信号チャネルの入力パワーレベルは、当該ラマンアンプ100が適用される光通信システムにおいて通常使用されるパワーレベルを意味する。また、小信号利得とは、小さい入力パワーレベルの信号チャネルが入力されたときに、同じ励起光パワーで得られる不飽和利得であって、信号チャネルの入力パワーレベルが小さくラマン利得が一定である小信号利得領域における一定利得を言う。
次に、この第1実施形態に係るラマンアンプ100の作用、効果について、第1及び第2比較例と対比しつつ説明する。なお、図2は、第1比較例に係るラマンアンプ100Aの構成を示す図である。また、図3は、第2比較例に係るラマンアンプ100Bの構成を示す図である。
第1比較例に係るラマンアンプ100Aでは、励起光源132から出力された励起光は、光カプラ112を経てラマン増幅用光ファイバ100の前方(入力端)のみから該ラマン増幅用光ファイバ100に供給される(前方励起)。一方、第2比較例に係るラマンアンプ100Bでは、励起光源133から出力された励起光は、光カプラ113を経てラマン増幅用光ファイバ100の後方(出力端)のみから該ラマン増幅用光ファイバ100に供給される。
図4は、第1実施形態に係るラマンアンプ100のラマン増幅用光ファイバ110における信号光パワー分布である。図5は、第1比較例に係るラマンアンプ100Aの光ファイバ110における信号光パワー分布である。図6は、第2比較例に係るラマンアンプ100Bの光ファイバ110における信号光パワー分布である。なお、これらの図4〜図6において、横軸はラマン増幅用光ファイバ110のファイバ長を示す。また、図4〜図6において、グラフG410、G510、G610はそれぞれ波長1530nmの信号チャネルのパワー分布を示し、グラフG420、G520、G620はそれぞれ波長1570nmの信号チャネルのパワー分布を示し、グラフG430、G530、G630はそれぞれ波長1610nmの信号チャネルのパワー分布を示す。
これら図4〜図6を比較すれば、後方励起(図3、図6)の場合と比較して、前方励起(図2、図5)及び双方向励起(図1、図4)の場合の方が、ラマン増幅用光ファイバ110における信号光パワー分布の波長依存性が小さいことが分かる。
図7は、第1実施形態に係るラマンアンプ100の光ファイバ110における励起光パワー分布である。図8は、第2比較例に係るラマンアンプ100Bの光ファイバ110における励起光パワー分布である。図9は、第2比較例に係るラマンアンプ100Bにおいて幾つかの信号チャネルの入力をステップ状にon-offした場合に、残った信号チャネルの出力パワーレベルの応答特性を示すグラフである。なお、図7において、グラフG710は波長1430nmの励起光を双方向からラマン増幅用光ファイバ110に供給したときの励起光パワー分布であり、グラフG720は波長1510nmの励起光を前方からラマン増幅用光ファイバ110に供給したときの励起光パワー分布である。図8において、グラフG810は波長1430nmの励起光を後方からラマン増幅用光ファイバ110に供給したときの励起光パワー分布であり、グラフG820は波長1510nmの励起光を前方からラマン増幅用光ファイバ110に供給したときの励起光パワー分布である。また、図9において、グラフG910は波長1530nmの信号の応答特性であり、グラフG920は波長1610nmの信号光の応答特性である。後方励起(図3、図8)の場合には、短波長側(1430nm)の励起光と比べて、長波長側(1510nm)の励起光は、光ファイバ110の長手方向に亘ってパワーが存在しており、ラマン増幅用光ファイバ110の全長に亘って直接信号光のラマン増幅に寄与していることが判る。この増幅に直接寄与する長さは、上記式(2)で表される実効長Leffで近似される。後方励起の場合、波長が短いほど、実効長Leffが短いので、図9に示されたように、応答速度が速くなる。そこで、この実施形態では、短波長の励起光を前方からラマン増幅用光ファイバ110に供給することで、波長による実効長の差を抑圧し、応答速度の波長依存性を低減することにより制御を簡略化している。
図10は、第2比較例に係るラマンアンプ100Bの利得スペクトル変動を示すグラフである。この利得スペクトル変動は、励起チャネル波長を1430nm、1445nm、1460nm、1475nm、1490nm及び1510nmとし、信号波長域を1530nm〜1610nmとし、各信号チャネルの平均利得を18dBとして計算された。そして、この図10において、グラフs+は最短波長1430nmの励起光のパワーを1dB増加させた場合、グラフs−は最短波長1430nmの励起光のパワーを1dB減少させた場合、グラフl+は最長波長1510nmの励起光のパワーを1dB増加させた場合、及び、グラフl−は最長波長1510nmの励起光のパワーを1dB減少させた場合それぞれにおける利得スペクトル変動ΔGを示している。この図10から分かるように、複数励起チャネルでラマン増幅する場合、励起チャネル波長が短いほど、全体の利得に与える影響が大きい。そこで、信号光に含まれる各信号チャネルの出力パワーレベルを所定値に制御する際、特定波長の信号チャネルの増幅に直接寄与する励起チャネルのパワーを調整するのでは無く、短波長側の励起チャネルのパワーを制御することにより、利得偏差を過大に大きくすることなく、制御の簡略化が可能になる。
入力信号光のパワーレベル変動がチャネル数の変動に起因する場合、特定波長の信号チャネルの増幅に直接寄与する励起チャネルのパワーのみを所定値に制御することにより、消費電力を抑えることができる。
また、ラマンアンプの動作状態を同じ励起光パワーで得られる小信号利得に近い状態に設定することにより、入力信号光のチャネル数変動に起因した出力信号光のパワーレベル変動を抑圧することができる。
さらに、ラマンアンプの動作状態を同じ励起光パワーで得られる小信号利得に遠い状態に設定することにより、励起光パワーを制御すること無く、入力信号光のパワーレベル変動に起因した出力信号光のパワーレベル変動に対して、該出力信号光のパワーレベルを一定に保つ方向に動作させることも可能である。
図11は、第1比較例に係るラマンアンプ110Aにおける励起光パワーレベル変動に対する出力信号光パワーレベル変動の応答を示すグラフである。図12は、第2比較例に係るラマンアンプ110Bにおける励起光パワーレベル変動に対する出力信号光パワーレベル変動の応答を示すグラフである。なお、図11において、グラフG1110は供給される励起光のパワーレベルを示し、グラフG1120は出力信号光のパワーレベルを示す。また、図12において、グラフG1210は供給される励起光のパワーレベルを示し、グラフG1220は出力信号光のパワーレベルを示す。これら図11及び図12から分かるように、前方励起が行われる第1比較例に係るラマンアンプ110Aと、後方励起が行われる第1比較例に係るラマンアンプ110Bとでは、応答速度が相違しており、出力信号光のパワーレベルが所定値になるまでに要する時間は、後方励起の場合の方が遅い。そこで、以下に説明する第2実施形態のように、光カプラ111と光ファイバ110との間に遅延手段としての光伝送路(遅延ファイバ)を挿入するのが好ましい。
(ラマンアンプの第2実施形態)
図13は、この発明に係るラマンアンプの第2実施形態の構成を示す図である。この図13に示されたラマンアンプ200は、光入力端201から光出力端202向かって順に配置された、光カプラ211、遅延ファイバ(光伝送路)250、光カプラ212、ラマン増幅用光ファイバ210及び光カプラ213を備える。さらに、ラマンアンプ200は、光カプラ211に接続された入力モニタ装置の一部を構成するモニタ部221、光カプラ212に接続された励起光源232(前方励起光を供給する第2励起光源)、光カプラ213に接続された励起光源233(後方励起光を供給する第1励起光源)、及び、制御部240を備える。
光カプラ211は、光入力端201を介して入力された波長λs1〜λsM(Mは2以上の整数)の信号チャネルが多重化された信号光の一部を分岐する。分岐された一部はモニタ部221に向けて出力され、残りの信号光は遅延ファイバ250へ出力される。モニタ部221は、光カプラ211により分岐された信号チャネルλs1〜λsMを含む信号光を入力し、各信号チャネルの入力パワーレベルをモニタする。
遅延ファイバ250は、光カプラ211と光カプラ212との間に配置されており、光カプラ211から出力された信号光を入力して、この信号光を光カプラ212まで伝送する。
励起光源232は、第1実施形態における励起光源132と同様の構造を有し、波長λp0の励起チャネルを含む前方励起光を光カプラ212へ出力する。光カプラ212は、遅延ファイバ250から到達した信号チャネルλs1〜λsMを含む信号光をラマン増幅用光ファイバ210へ出力するとともに、励起光源232から出力された励起チャネルλp0を含む前方励起光をラマン増幅用光ファイバ210に供給する。
励起光源233は、第1実施形態における励起光源133と同様の構造を有し、波長λp1〜λpN(Nは2以上の整数)のN励起チャネルが多重化された後方励起光を光カプラ213へ出力する。光カプラ213は、ラマン増幅用光ファイバ210から到達した信号チャネルλs1〜λsMを含む信号光を光出力端202へ出力するとともに、励起光源233から出力されたN励起チャネルλp1〜λpNを含む後方励起光をラマン増幅用光ファイバ210に供給する。
ここで、前方励起光及び後方励起光に含まれる各励起チャネルの波長は、上記式(1)の関係がある。すなわち、前方励起光に含まれる励起チャネルλp0は、後方励起光に含まれうるN励起チャネルλp1〜λpNのうち最短波長以下である。
また、後方励起光に含まれるN励起チャネルλp1〜λpNに対するラマン増幅用光ファイバ210の実効長Leffは、該ラマン増幅用光ファイバ210の実際の長さLより長くなるように、励起光源232、233からラマン増幅用光ファイバ210に供給される励起光(波長λp0〜λpNの励起チャネルを含む)のパワーが設定されている。
制御部240は、モニタ部221によりモニタされた各信号チャネルの入力パワーレベルに基づいて、光入力端201を介して入力された信号光に含まれる各信号チャネルのパワー変動やチャネル増減設を検出する。そして、制御部240は、その検出結果に基づいて、各信号チャネルの出力パワーレベルが所定値となるように、少なくとも励起光源232からラマン増幅用光ファイバ210に供給される前方励起光に含まれる励起チャネルλp0のパワーを所定値に制御する。また、制御部240は、励起光源233からラマン増幅用光ファイバ210に供給される後方励起光に含まれる励起チャネルλp1〜λpNそれぞれのパワーをも所定値に制御する。以上のように構成されたラマンアンプ200は、増減設される信号チャネルに依存することなく容易に過渡応答特性を改善することができる。
特に、この第2実施形態に係るラマンアンプ200は、ラマン増幅用光ファイバ210の信号入力端側に遅延ファイバ250を備えており、この遅延ファイバ250は、信号光が遅延ファイバ250を伝搬するのに要する時間が、制御部240による励起光源232の制御に要する最短時間以上になる程度の長さを有する。このような長さの遅延ファイバ250が挿入されることにより、ラマンアンプ特有の制御遅れに起因した問題を解消することができる。また、制御部240は、励起光源232の制御に要する時間を調整する機能を有するのが好ましい。
遅延ファイバ250も、ラマン増幅用励起光が供給されることにより、信号光をラマン増幅するのが好ましい。また、遅延ファイバ250は、信号光を増幅するよう希土類元素添加光ファイバを含んでもよい。これらの場合、ラマンアンプ200は、高利得を達成することができる。
(ラマンアンプの第3実施形態)
次に、図14は、この発明に係るラマンアンプの第3実施形態の構成を示す図である。この図14に示されたラマンアンプ300は、光入力端301から光出力端302に向かって順に配置された、光カプラ311、遅延ファイバ(光伝送路)350、光カプラ314、光カプラ312、ラマン増幅用光ファイバ310及び光カプラ313を備える。また、ラマンアンプ300は、光カプラ311に接続された入力モニタ装置の一部を構成するモニタ部321、光カプラ312に接続された励起光源332(前方励起光を供給する第2励起光源)、光カプラ313に接続された励起光源333(後方励起光を供給する第1励起光源)、光カプラ314に接続された模擬信号光源334、及び、制御部340を備える。
光カプラ311は、光入力端301を介して入力された長λs1〜λsM(Mは2以上の整数)の信号チャネルが多重化された信号光の一部を分岐する。分岐された一部はモニタ部321へ出力され、残りの信号光は遅延ファイバ350へ出力される。モニタ部321は、光カプラ311により分岐された信号チャネルλs1〜λsMを含む信号光を入力し、各信号チャネルの入力パワーレベルをモニタする。
遅延ファイバ350は、光カプラ311と光カプラ314との間に配置された光導波路であり、光カプラ311から出力された信号光を入力して、この信号光を光カプラ314まで伝送する。
模擬信号光源334は、波長λs1〜λsMの模擬信号チャネルそれぞれをパワー調整し、これら模擬信号チャネルが多重化された模擬信号光を出力する。光カプラ314は、遅延ファイバ350から到達した信号光を光カプラ312へ出力するとともに、模擬信号光源334から到達した模擬信号光を光カプラ312へ出力する。
励起光源332は、第1実施形態における励起光源132と同様の構造を有し、波長λp0の励起チャネルを含む前方励起光を光カプラ312へ出力する。光カプラ312は、光カプラ314から到達した信号光及び模擬信号光をラマン増幅用光ファイバ310へ出力するとともに、励起光源332から出力された励起チャネルλp0を含む前方励起光をラマン増幅用光ファイバ310に供給する。
励起光源333は、第1実施形態における励起光源133と同様の構造を有し、波長λp1〜λpN(Nは2以上の整数)のN励起チャネルが多重化された後方励起光を光カプラ313へ出力する。光カプラ313は、光ファイバ310から到達した信号光及び模擬信号光を光出力端302へ出力するとともに、励起光源333から出力されたN励起チャネルλp1〜λpNを含む後方励起光をラマン増幅用光ファイバ310に供給する。
ここで、前方励起光及び後方励起光の各励起チャネルの波長は、上記式(1)の関係がある。すなわち、前方励起光に含まれる励起チャネルλp0は、後方励起光に含まれるN励起チャネルλp1〜λpNのうちの最短波長以下である。
また、後方励起光に含まれるN励起チャネルλp1〜λpNに対するラマン増幅用光ファイバ310の実効長Leffは、当該ラマン増幅用光ファイバ310の実際の長さLより長くなるよう、励起光源332、333からラマン増幅用光ファイバ310に供給される励起光(波長λp0〜λpNの励起チャネルを含む)のパワーが設定されている。
制御部340は、モニタ部321による各信号チャネルの入力パワーレベルに基づいて、光入力端301を介して入力された信号光に含まれる各信号チャネルのパワー変動やチャネル増減設を検出する。そして、制御部340は、その検出結果に基づいて、各信号チャネルの出力パワーレベルが所定値となるように、少なくとも励起光源332からラマン増幅用光ファイバ310に供給される励起チャネルλp0を含む前方励起光のパワーを所定値に制御する。また、制御部340は、励起光源333からラマン増幅用光ファイバ310に供給される励起チャネルλp1〜λpNを含む後方励起光のパワーをも所定値に制御するのが好ましい。このように構成されたラマンアンプ300は、増減設される信号チャネルに依存することなく容易に過渡応答特性を改善することができる。
特に、この第3実施形態に係るラマンアンプ300は、モニタ部321によりモニタされた各信号チャネルの入力パワーレベルに基づいて、該モニタされた入力パワーレベルが所定値以下の信号チャネルと同じ波長の模擬信号光をラマン増幅用光ファイバ310に供給する。これにより、過渡応答特性を更に改善することができる。
(ラマンアンプの第4実施形態)
図15は、この発明に係るラマンアンプの第4実施形態の構成を示す図である。この図15に示されたラマンアンプ400は、フィードフォワード制御のみならずフィードバック制御も可能な構造を有する。すなわち、ラマンアンプ400は、光入力端401から光出力端402向かって順に配置された、光カプラ411、光カプラ412、ラマン増幅用光ファイバ410、光カプラ413及び光カプラ414を備える。さらに、ラマンアンプ400は、光カプラ411に接続された入力モニタ装置の一部を構成するモニタ部421、光カプラ412に接続された励起光源432(前方励起光を供給する第2励起光源)、光カプラ413に接続された励起光源433(後方励起光を供給する第1励起光源)、光カプラ414に接続された出力モニタ装置の一部を構成するモニタ部422、及び、制御部440を備える。
光カプラ411は、光入力端401を介して入力された波長λs1〜λsM(Mは2以上の整数)の信号チャネルが多重化された信号光の一部を分岐する。分岐された一部はモニタ部421に向けて出力され、残りの信号光は光カプラ412へ出力される。モニタ部421は、光カプラ411により分岐された信号チャネルλs1〜λsMを含む信号光を入力し、各信号チャネルの入力パワーレベルをモニタする。
励起光源432は、第1実施形態における励起光源132と同様の構造を有し、波長λp0の励起チャネルを含む前方励起光を光カプラ412へ出力する。光カプラ412は、光カプラ411から到達した信号チャネルλs1〜λsMを含む信号光をラマン増幅用光ファイバ410へ出力するとともに、励起光源432から出力された励起チャネルλp0を含む前方励起光をラマン増幅用光ファイバ410に供給する。
励起光源433は、第1実施形態における励起光源133と同様の構造を有し、波長λp1〜λpN(Nは2以上の整数)のN励起チャネルが多重化された後方励起光を光カプラ413へ出力する。光カプラ413は、ラマン増幅用光ファイバ410から到達した信号チャネルλs1〜λsMを含む信号光を光カプラ414へ出力するとともに、励起光源433から出力されたN励起チャネルλp1〜λpNを含む後方励起光をラマン増幅用光ファイバ410に供給する。
光カプラ414は、光カプラ413から到達した信号光の一部を分岐する。分岐された一部はモニタ部422に向けて出力され、残りの信号光は光出力端402へ出力される。モニタ部422は、光カプラ414により分岐された信号チャネルλs1〜λsMを含む信号光を入力し、各信号チャネルの出力パワーレベルをモニタする。
ここで、前方励起光及び後方励起光に含まれる各励起チャネルの波長は、上記式(1)の関係がある。すなわち、前方励起光に含まれる励起チャネルλp0は、後方励起光に含まれうるN励起チャネルλp1〜λpNのうち最短波長以下である。
また、後方励起光に含まれるN励起チャネルλp1〜λpNに対するラマン増幅用光ファイバ410の実効長Leffは、該ラマン増幅用光ファイバ410の実際の長さLより長くなるように、励起光源432、433からラマン増幅用光ファイバ410に供給される励起光(波長λp0〜λpNの励起チャネルを含む)のパワーが設定されている。
制御部440は、モニタ部421によりモニタされた各信号チャネルの入力パワーレベル及びモニタ部422によりモニタされた各信号チャネルの出力パワーレベルに基づいて、フィードフォワード制御及び/又はフィードバック制御を行う。
ここで、一般的に広く用いられるEDFAにおいては、信号光の入出力パワーをモニタし、励起光のパワー制御を高速に行うことで当該EDFAにおける過渡応答のオーバーシュートやアンダーシュートの抑制している。しかしながら、ラマン増幅においては、励起光源である励起LDの出力制御を行ってから、この制御結果が信号光出力に反映されるまでの時間は、図16のように信号光が伝搬するラマン増幅用光ファイバのファイバ長及び励起方向によって異なる。なお、図16(a)は、長さ3kmのラマン増幅用光ファイバに対する前方励起時における励起光変動に対する出力信号の応答を示すグラフであり、図16(b)は、長さ3kmのラマン増幅用光ファイバに対する後方励起時における励起光変動に対する出力信号の応答を示すグラフである。これら図16(a)及び図16(b)において、グラフG1610a、G1610bは励起光パワーの時間応答を示し、グラフG1620a、G1620bは信号光パワーの時間応答を示す。これら図16(a)から分かるように、前方励起の場合、信号光のパワー変動が入力モニタ装置で検出されてから出力モニタ装置で検知するまでに当該ラマン増幅用光ファイバの長さ(3km)に相当する約15μsの遅延が生じる。一方、図16(b)から分かるように、後方励起の場合、信号光の出力変動は当該ラマン増幅用光ファイバの実効長のRTT時間をかけて応答し、約30μsと前方励起の場合よりも遅くなる。
したがって、ラマンアンプの出力制御を精度よく行うには、フィードバック制御は必須であるがOADM等により信号チャネル数が増減する際に生じる過渡応答のオーバーシュートやアンダーシュートは、励起光の出力変動に対する信号光の出力応答に要する遅延時間の間に起こるので、OADMやOXCが導入されるフォトニックネットワークに対応したラマンアンプを得るためには、係る過渡応答のオーバーシュートやアンダーシュートを抑えるため、10μsオーダーでの出力制御が必要となる。ところが、ラマンアンプでは、ラマン増幅用光ファイバのファイバ長や励起方向によって決まる応答速度より早い通常のフィードバック制御が行われると、出力応答より早くフィードバックがかかるため、原理的に出力が発振してしまう。そこで、この第4実施形態では、早いフィードフォワード制御を行うことで当該ラマンアンプにおける過渡応答のオーバーシュートやアンダーシュートを抑え、遅い周期でフィーバック制御を行うことで精度よく出力制御を行う2段階制御が行われる。
上述の2段階制御方式の有効性について、発明者は図15に示されたラマンアンプと同じ構成の実験系を用意し、検証した。すなわち、この実験系において、入力信号チャネルの波長を1520nm、1525nmとし、波長1520nmの信号チャネルを残して1525nmの信号チャネルをon−offしたときの応答特性について検証した。
図17(a)は、前方励起時における応答特性であって、グラフG1710aは励起光のパワー制御が行われていない状態での信号光の出力パワーレベルを示し、グラフG1720aは信号光の出力パワーレベルを一定に維持するよう励起光のパワー制御が行われた状態の該信号光の出力パワーレベルを示す。また、図17(b)は、後方励起時における応答特性であって、グラフG1710bは励起光のパワー制御が行われていない状態での信号光の出力パワーレベルを示し、グラフG1720bは信号光の出力パワーレベルを一定に維持するよう励起光のパワー制御が行われた状態の該信号光の出力パワーレベルを示す。これら図17(a)及び図17(b)から分かるように、励起光パワーを一定にした状態で信号チャネルの一部をon−offしたとき(励起光のパワー制御を行わない)の応答特性は、前方励起の場合(図17(a))、信号光の出力パワーレベルはステップ上に変化するのに対し、後方励起の場合(図17(b))、信号光の出力パワーレベルはラマン増幅用光ファイバの実効長のRTT時間をかけて変化する。また、図18(a)は、前方励起の場合、この過渡応答時における信号光と励起光制御信号の時間変動を示すグラフであり、図18(b)は、後方励起の場合、この過渡応答時における信号光と励起光制御信号の時間変動を示すグラフである。なお、図18(a)及び図18(b)において、グラフG1810a、G1810bは信号光の時間変動を示し、グラフ1820a、G1820bは励起光変調の時間変動を示す。
これら図17(a)〜図18(b)から分かるように、信号光のステップ状のパワー変動に対して前方励起の場合、信号光のパワー変動と同時に励起光パワーをステップ状に制御することで信号光の出力パワーレベルは一定になる。また、信号光のステップ状のパワー変動に対して後方励起の場合、ラマン増幅用光ファイバの出力端(後方励起光が入力されるファイバ端)に信号光のパワー変動が達するタイミングで励起光パワーをステップ状に制御することで信号光の出力パワーレベルが一定になるよう制御可能であることが分かる。
以上のことから、モニタ部421によりラマン増幅用光ファイバ410の入力端における信号光のパワー変動が検出された時点で、制御部440がフィードフォワード制御を行う一方、モニタ部422によりラマン増幅用光ファイバ410の出力端における信号光のパワー変動が検出された時点で、制御部440がフィードフォワード制御を行うことで、ラマンアンプ400における過渡応答のオーバーシュートやアンダーシュートが効果的に抑制できることが分かる。さらに、制御部400が励起光源432、433に対して、信号光がラマン増幅用光ファイバ410を伝搬するのに要する時間(伝搬時間)よりも遅い周期でフィードバック制御を行うことにより、より高精度の出力制御が可能になる。
なお、この第4実施形態において、上記制御部440は、ラマン増幅用光ファイバ410の入力端における信号光のパワー変動を検出した時点(モニタ部421で検出)で励起光源433に対してフィードフォワード制御を行った後、信号光がラマン増幅用光ファイバ410を伝播するのに要する時間よりも遅い周期で励起光源433に対してフィードバック制御を行ってもよい。また、上記制御部440は、ラマン増幅用光ファイバ410の出力端における信号光のパワー変動を検出した時点(モニタ部422で検出)で励起光源432に対してフィードフォワード制御を行った後、信号光がラマン増幅用光ファイバ410を伝播するのに要する時間よりも遅い周期で励起光源432に対してフィードバック制御を行ってもよい。さらに、上記制御部440は、ラマン増幅用光ファイバ410の入力端における信号光のパワー変動を検出した時点(モニタ部421で検出)で励起光源432に対してフィードフォワード制御を行うとともに、ラマン増幅用光ファイバ410の出力端における信号光のパワー変動を検出した時点(モニタ歩22で検出)で励起光源433に対してフィードフォワード制御を行い、その後、信号光がラマン増幅用光ファイバ410を伝播するのに要する時間よりも遅い周期で励起光源432、433それぞれに対してフィードバック制御を行ってもよい。上記制御部440は、ラマン増幅用光ファイバ410の入力端における信号光のパワー変動を検出した時点(モニタ部21で検出)で励起光源432に対してフィードフォワード制御を行った後、信号光がラマン増幅用光ファイバ410を伝播するのに要する時間よりも遅い周期で励起光源432、433それぞれに対してフィードバック制御を行うことも可能である。以上のように構成されたラマンアンプ400は、増減設される信号チャネルに依存することなく容易に過渡応答特性を改善することができる。
なお、上述の第4実施形態のようにフィードフォワード制御とともにフィードバック制御を行うラマンアンプは、入力モニタ装置とラマン増幅用光ファイバの入力端との間に配置されるとともに、信号光の伝搬時間が入力パワー変動を検出してから実際に出力パワー変動に反映されるまでの時間に相当する程度の長さを有する光伝送路(遅延手段)をさらに備えてもよい。
(ラマンアンプの第5実施形態)
図19は、この発明に係るラマンアンプの第5実施形態の構成を示す図であり、この第5実施形態は、ラマン増幅用光ファイバの入力端側に配置された遅延ファイバを除き、上述の第4実施形態を同様の構造を有する。すなわち、この図19に示されたラマンアンプ500は、光入力端501から光出力端502向かって順に配置された、光カプラ211、遅延ファイバ(光伝送路)550、光カプラ512、ラマン増幅用光ファイバ510、光カプラ513及び光カプラ514を備える。さらに、ラマンアンプ500は、光カプラ511に接続された入力モニタ装置の一部を構成するモニタ部521、光カプラ512に接続された励起光源532(前方励起光を供給する第2励起光源)、光カプラ513に接続された励起光源533(後方励起光を供給する第1励起光源)、光カプラ514に接続された出力モニタ装置の一部を構成するモニタ部522、及び、制御部240を備える。この制御部540は、第4実施形態の制御部440と同様に、励起光源532、533それぞれに対してフィードフォワード制御及びフィードバック制御を行う。
上述のような構成を備えた第5実施形態では、前方向励起中においてラマン増幅用光ファイバファイバ510の入力端に信号光のパワー変動が生じた瞬間に行われるフィードフォワード制御は、図19中の遅延ファイバ550を光カプラ512(入力モニタ装置の一部を構成する)とラマン増幅用光ファイバ510との間に挿入し、モニタ部521が入力信号光のパワー変動を検知してから実際にラマン増幅用光ファイバ510に励起光出力の変動が反映されるまでの時間に相当する遅延時間を与えることにより可能となる。一方、後方向励起中においてラマン増幅用光ファイバ510の出力端に信号光のパワー変動が生じた瞬間に行われるフィードフォワード制御は、当該ラマン増幅用光ファイバ510のファイバ長によって決まる遅延時間を与える遅延回路等を利用することにより励起光パワー制御のタイミングを制御することが可能である。なお、フィードフォワート制御における励起パワーの制御量は、例えばテーブルとして事前に用意するか、計算により算出することが可能である。
光カプラ511は、光入力端501を介して入力された波長λs1〜λsM(Mは2以上の整数)の信号チャネルが多重化された信号光の一部を分岐する。分岐された一部はモニタ部521に向けて出力され、残りの信号光は遅延ファイバ550へ出力される。モニタ部521は、光カプラ511により分岐された信号チャネルλs1〜λsMを含む信号光を入力し、各信号チャネルの入力パワーレベルをモニタする。
遅延ファイバ550は、光カプラ511と光カプラ512との間に配置されており、光カプラ511から出力された信号光を入力して、この信号光を光カプラ512まで伝送する。
励起光源532は、第1実施形態における励起光源132と同様の構造を有し、波長λp0の励起チャネルを含む前方励起光を光カプラ512へ出力する。光カプラ512は、遅延ファイバ550から到達した信号チャネルλs1〜λsMを含む信号光をラマン増幅用光ファイバ510へ出力するとともに、励起光源532から出力された励起チャネルλp0を含む前方励起光をラマン増幅用光ファイバ510に供給する。
励起光源533は、第1実施形態における励起光源133と同様の構造を有し、波長λp1〜λpN(Nは2以上の整数)のN励起チャネルが多重化された後方励起光を光カプラ513へ出力する。光カプラ513は、ラマン増幅用光ファイバ510から到達した信号チャネルλs1〜λsMを含む信号光を光カプラ514へ出力するとともに、励起光源533から出力されたN励起チャネルλp1〜λpNを含む後方励起光をラマン増幅用光ファイバ510に供給する。
光カプラ511は、光カプラ513から到達した信号光の一部を分岐する。分岐された一部はモニタ部522に向けて出力され、残りの信号光は光出力端502へ出力される。モニタ部522は、光カプラ513により分岐された信号チャネルλs1〜λsMを含む信号光を入力し、各信号チャネルの出力パワーレベルをモニタする。
ここで、前方励起光及び後方励起光に含まれる各励起チャネルの波長は、上記式(1)の関係がある。すなわち、前方励起光に含まれる励起チャネルλp0は、後方励起光に含まれうるN励起チャネルλp1〜λpNのうち最短波長以下である。
また、後方励起光に含まれるN励起チャネルλp1〜λpNに対するラマン増幅用光ファイバ510の実効長Leffは、該ラマン増幅用光ファイバ510の実際の長さLより長くなるように、励起光源532、533からラマン増幅用光ファイバ510に供給される励起光(波長λp0〜λpNの励起チャネルを含む)のパワーが設定されている。
制御部540は、第4実施形態における制御部440と同様に動作する。特に、この第5実施形態に係るラマンアンプ500は、ラマン増幅用光ファイバ510の信号入力端側に遅延ファイバ550を備えており、この遅延ファイバ550は、信号光が遅延ファイバ550を伝搬するのに要する時間が、制御部540による励起光源532の制御に要する最短時間以上になる程度の長さを有する。このような長さの遅延ファイバ550が挿入されることにより、ラマンアンプ特有の制御遅れに起因した問題を解消することができる。また、制御部540も、励起光源532の制御に要する時間を調整する機能を有するのが好ましい。
遅延ファイバ550も、ラマン増幅用励起光が供給されることにより、信号光をラマン増幅してもよい。また、遅延ファイバ550は、信号光を増幅するよう希土類元素添加光ファイバを含んでもよい。これらの場合、ラマンアンプ500は、高利得を達成することができる。
(光通信システムの実施形態)
図20は、個の発明に係る光通信システムの一実施形態の構成を示す図である。この図20に示された光通信システム1は、光送信装置10、光中継装置20、光受信装置30及び光ファイバ伝送路41〜44を備える。光中継装置20は、OADM21を含む。光受信装置30は、ラマンアンプ31及び受信器32を含む。ラマンアンプ31は、上述の第1〜第5実施形態に係るラマンアンプ100、200、300、400及び500の何れかと同一構成のものである。
光送信装置10は、互いに異なる波長の複数信号チャネルが多重化された信号光を合波し、この合波光を光ファイバ伝送路41に出力する。光中継装置20内のOADM21は、光ファイバ伝送路41を伝搬してきた信号光を入力し、該信号光に含まれる信号チャネルのうち何れかの信号チャネルを光ファイバ伝送路44に出力するとともに、残りの信号チャネルを、光ファイバ伝送路43を伝搬してきた信号チャネルとともに、光ファイバ伝送路42に出力する。光受信装置30は、光ファイバ伝送路42を伝搬してきた信号光を入力し、該入力された信号光をラマンアンプ31によりラマン増幅する。このラマン増幅された信号光が、信号チャネルごとに受信器32により受信される。
この光通信システム1において、光ファイバ伝送路41〜43を伝搬し光受信装置30に到達した信号光は、ラマンアンプ31にラマン増幅されるので、受信器32により高感度で受信され得る。なお、光中継装置20内にはOADM21が設けられていることから、光受信装置30に到達する信号光のチャネル数が変動する場合がある。しかしながら、ラマンアンプ31が上述の第1〜第5実施形態に係るラマンアンプ100〜500の何れかと同一構成のものであることにより、増減設される信号チャネルに依存することなく容易にラマン増幅の際の過渡応答特性を改善することができる。したがって、この光通信システム1の信号伝送品質は優れたものとなる。
この発明に係るラマンアンプは、増減設される信号チャネルに依存することなく容易に過渡応答のオーバーシュート及びアンダーシュートを効果的に抑制するとともに、高精度の出力制御を可能にする構造を有し、キーデバイスとしてOAMDやOXCが導入されたフォトニックネットワーク(信号チャネル数の変動や出力が変動するネットワーク)への適用が可能である。
この発明に係るラマンアンプの第1実施形態の構成を示す図である。 第1比較例に係るラマンアンプの構成を示す図である。 第2比較例に係るラマンアンプの構成を示す図である。 第1実施形態に係るラマンアンプのラマン増幅用光ファイバにおける信号光パワー分布である。 第1比較例に係るラマンアンプのラマン増幅用光ファイバにおける信号光パワー分布である。 第2比較例に係るラマンアンプの光ファイバにおける信号光パワー分布である。 第1実施形態に係るラマンアンプのラマン増幅用光ファイバにおける励起光パワー分布である。 第2比較例に係るラマンアンプのラマン増幅用光ファイバにおける励起光パワー分布である。 第2比較例に係るラマンアンプにおいて幾つかの信号チャネル入力をステップ状にon-offした場合において、残りの信号チャネルの出力パワーレベルに対する応答特性を示すグラフである。 第2比較例に係るラマンアンプの利得スペクトル変動を示すグラフである。 第1比較例に係るラマンアンプにおける励起パワーレベル変動に対する出力信号パワーレベル変動の応答を示すグラフである。 第2比較例に係るラマンアンプにおける励起パワーレベル変動に対する出力信号パワーレベル変動の応答を示すグラフである。 この発明に係るラマンアンプの第2実施形態の構成を示す図である。 この発明に係るラマンアンプの第3実施形態の構成を示す図である。 この発明に係るラマンアンプの第4実施形態の構成を示す図である。 前方励起と後方励起のそれぞれについて、励起光変動に対する出力信号の応答を示すグラフである。 前方励起と後方励起のそれぞれについて、信号チャネル数の変動時における励起光制御の有無によるラマンアンプの応答特性の違いを示すグラフである。 前方励起と後方励起のそれぞれについて、信号光と励起光制御信号の時間変動を示すグラフである。 この発明に係るラマンアンプの第5実施形態の構成を示す図である。 この発明に係る光通信システムの構成を示す図である。
符号の説明
1…光通信システム
10…光送信装置
20…光中継装置
30…光受信装置
41〜44…光ファイバ伝送路
100、200、300、400、500…ラマンアンプ
111〜113、211〜213、311〜313、411〜414、511〜514…光カプラ
121、221、321、421、422、521、522…モニタ部
132、133、232、233、332、333、432、433、532、533…励起光源
140、240、340、440、540…制御部
250、350、550…遅延ファイバ(光伝送路)
334…模擬信号光源。

Claims (19)

  1. 互いに異なる波長の複数信号チャネルを含む信号光が入力される入力端と、ラマン増幅された該信号光が出力される出力端とを有するラマン増幅用光ファイバと、
    前記ラマン増幅用光ファイバの出力端から該ラマン増幅用光ファイバ内に、互いに波長の異なる複数励起チャネルを含む後方励起光を供給する第1励起光源と、
    前記ラマン増幅用光ファイバの入力端から該ラマン増幅用光ファイバ内に、1以上かつ前記後方励起光よりも少ない数の励起チャネルを含みいずれの励起チャネルも前記後方励起光の最短チャネル波長以下の波長を有する前方励起光を供給する第2励起光源とを備え、
    前記後方励起光に含まれる各励起チャネルに対する前記ラマン増幅用光ファイバの実効長が当該ラマン増幅用光ファイバの実際の長さより長くなるよう、前記後方励起光のパワー及び前記前方励起光のパワーが設定されているラマンアンプ。
  2. 前記ラマン増幅用光ファイバの入力端側に配置され、前記信号光に含まれる各信号チャネルの入力パワーレベルをモニタする入力モニタ装置と、
    前記入力モニタ装置によりモニタされた前記信号光に含まれる各信号チャネルの入力パワーレベルに基づいて、各信号チャネルの出力パワーレベルが所定値になるよう、少なくとも前記第2励起光源を制御する制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のラマンアンプ。
  3. 前記ラマン増幅用光ファイバの入力端側に配置され、前記信号光に含まれる各信号チャネルの入力パワーレベルをモニタする入力モニタ装置と、
    前記ラマン増幅用光ファイバの出力端側に配置され、ラマン増幅された前記信号光に含まれる各信号チャネルの出力パワーレベルをモニタする出力モニタ装置と、
    前記入力モニタ装置及び前記出力モニタ装置から得られる検出結果に基づいて、前記第1及び第2励起光源を制御する制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のラマンアンプ。
  4. 前記制御部は、入力される信号光のチャネル数が変動すること無く前記信号チャネルの入力パワーレベルが所定パターンで変動したとき、前記第2励起光源から前記ラマン増幅用光ファイバに供給される後方励起光のパワーのみをフィードフォワード制御することを特徴とする請求項2記載のラマンアンプ。
  5. 前記制御部は、入力される信号光のチャネル数が変動したとき、前記信号チャネルのうち入力パワーレベルが所定値以上に変動していない信号チャネルのラマン増幅に関与する励起チャネルのパワーをそれぞれフィードフォワード制御することを特徴とする請求項2記載のラマンアンプ。
  6. 前記制御部は、前記信号光に含まれる複数信号チャネルの入力パワーレベルに基づいて、これら信号チャネルの出力パワーレベルが所定値となるよう、前記後方励起光のパワー及び前記前方励起光のパワーをフィードフォワード制御することを特徴とする請求項2記載のラマンアンプ。
  7. 前記制御部は、前記ラマン増幅用光ファイバに前記信号光が入力されたときのラマン増幅利得を小信号利得の50%以上にするため、前記ラマン増幅用光ファイバのラマン増幅特性に対する前記後方励起光のパワー及び前記前方励起光のパワーを調節することを特徴とする請求項2又は6記載のラマンアンプ。
  8. 前記ラマン増幅用光ファイバに前記信号光が入力されたときのラマン増幅利得は、小信号利得の80%以上であることを特徴とする請求項7記載のラマンアンプ。
  9. 前記入力モニタ装置と前記ラマン増幅用光ファイバの入力端との間に配置されるとともに、前記信号光の伝搬時間が前記制御部による前記第2励起光源の制御に要する最短時間以上になる程度の長さを有する光伝送路をさらに備えたことを特徴とする請求項2又は3記載のラマンアンプ。
  10. 前記制御部は、前記第2励起光源の制御に要する時間を調整する機能を有することを特徴とする請求項9記載のラマンアンプ。
  11. 前記光伝送路は、前記信号光をラマン増幅する伝送媒体として機能することを特徴とする請求項9記載のラマンアンプ。
  12. 前記遅延光伝送路は、希土類元素添加光ファイバを含むことを特徴とする請求項9記載のラマンアンプ。
  13. 前記ラマン増幅用光ファイバの入力端側に配置され、前記信号光に含まれる各信号チャネルの入力パワーレベルをモニタする入力モニタ装置と、
    前記入力モニタ装置によりモニタされた入力パワーレベルが所定値以下となる信号チャネルと同じ波長の模擬信号光を前記ラマン増幅用光ファイバに供給する模擬信号光供給システムをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のラマンアンプ。
  14. 前記制御部は、前記ラマン増幅用光ファイバの入力端における前記信号光のパワー変動を検出した時点で前記第1励起光源に対してフィードフォワード制御を行った後、前記信号光が前記ラマン増幅用光ファイバを伝播するのに要する時間よりも遅い周期で前記第1励起光源に対してフィードバック制御を行うことを特徴とする請求項3記載のラマンアンプ。
  15. 前記制御部は、前記ラマン増幅用光ファイバの出力端における前記信号光のパワー変動を検出した時点で前記第2励起光源に対してフィードフォワード制御を行った後、前記信号光が前記ラマン増幅用光ファイバを伝播するのに要する時間よりも遅い周期で前記第2励起光源に対してフィードバック制御を行うことを特徴とする請求項3記載のラマンアンプ。
  16. 前記制御部は、前記ラマン増幅用光ファイバの入力端における前記信号光のパワー変動を検出した時点で前記第1励起光源に対してフィードフォワード制御を行うとともに、前記ラマン増幅用光ファイバの出力端における前記信号光のパワー変動を検出した時点で前記第2励起光源に対してフィードフォワード制御を行い、その後、前記信号光が前記ラマン増幅用光ファイバを伝播するのに要する時間よりも遅い周期で前記第1及び第2励起光源それぞれに対してフィードバック制御を行うことを特徴とする請求項3記載のラマンアンプ。
  17. 前記制御部は、前記ラマン増幅用光ファイバの入力端における前記信号光のパワー変動を検出した時点で前記第1励起光源に対してフィードフォワード制御を行った後、前記信号光が前記ラマン増幅用光ファイバを伝播するのに要する時間よりも遅い周期で前記第1及び第2励起光源それぞれに対してフィードバック制御を行うことを特徴とする請求項3記載のラマンアンプ。
  18. 前記入力モニタ装置と前記ラマン増幅用光ファイバの入力端との間に配置されるとともに、前記信号光の伝搬時間が入力パワー変動を検出してから実際に出力パワー変動に反映されるまでの時間に相当する程度の長さを有する光伝送路をさらに備えたことを特徴とする請求項14又は16記載のラマンアンプ。
  19. 請求項1記載のラマンアンプを含む光通信システム。
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