JP6291477B2 - リソグラフィ装置用の汚染トラップ - Google Patents

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Description

関連出願への相互参照
[0001] 本願は、2012年4月23日に出願した米国仮出願第61/636,960号の優先権を主張し、その全体を本願に参考として組み込む。
[0002] 本発明は、リソグラフィ装置用の汚染トラップに関し、より詳細には、リソグラフィ装置用のEUV放射源のための汚染トラップに関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。その場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。
[0004] リソグラフィは、ICや他のデバイスおよび/または構造の製造における重要なステップの1つとして広く認識されている。しかしながら、リソグラフィを使用して作られるフィーチャの寸法が小さくなるにつれ、リソグラフィは、小型ICあるいは他のデバイスおよび/または構造を製造できるようにするためのより一層重要な要因になりつつある。パターン印刷の限界の理論推定値を、式(1)に示す解像度に関するレイリー基準によって得ることができる。
Figure 0006291477

上の式で、λは使用される放射の波長であり、NAはパターンを印刷するために使用される投影システムの開口数であり、kはレイリー定数とも呼ばれるプロセス依存調整係数であり、CDは印刷されたフィーチャのフィーチャサイズ(またはクリティカルディメンジョン)である。式(1)から、フィーチャの最小印刷可能サイズの縮小は、以下の3つの方法、露光波長λを短縮することによって、開口数NAを増加させることによって、あるいはkの値を低下させることによって達成することができる、と言える。
[0005] 露光波長を短縮するため、したがって、最小印刷可能サイズを縮小させるためには、極端紫外線(EUV)放射原を使用することが提案されている。EUV放射は、5〜20nmの範囲内、例えば13〜14nmの範囲内の波長を有する電磁放射である。さらに、10nmより小さい波長、例えば6.7nmまたは6.8nmといったような5〜10nmの範囲内の波長を有するEUV放射を使用できることが提案されている。そのような放射を極端紫外線または軟X線と呼ぶ。可能な放射源としては、例えば、レーザ生成プラズマ源、放電プラズマ源、または電子蓄積リングによって提供されるシンクロトロン放射に基づく放射源が挙げられる。
[0006] EUV放射は、プラズマを用いて生成することができる。EUV放射を生成するための放射システムは、プラズマを提供するために燃料を励起するレーザと、プラズマを収容する放射源コレクタ装置とを含んでよい。プラズマは、例えば、適切な材料(例えば、スズ)の粒子あるいはXeガスまたはLi蒸気などの適切なガスまたは蒸気の流れなどの燃料にレーザビームを向けることによって生成することができる。結果として生じるプラズマは、出力放射、例えばEUV放射を放出し、これは、放射コレクタを用いて集光される。放射コレクタは、放射を受けて放射をビームに合焦させるミラー法線入射放射コレクタであってよい。放射源コレクタ装置は、プラズマを支持するために真空環境を提供するように配置された閉鎖構造またはチャンバを含んでよい。そのような放射システムを、通常、レーザ生成プラズマ(LPP)源と呼ぶ。
[0007] プラズマ源を使用する場合、汚染粒子は、プラズマ生成の副産物として生成される。通常、そのような汚染粒子は、例えばリソグラフィ装置の反射面に付着するため望ましくない。リソグラフィ装置の反射面に汚染粒子が(直接または他の無反射面を介して)蓄積することは、その表面の反射率を低下させ、結果的に、リソグラフィ装置の達成可能なスループットを減少させる。
[0008] リソグラフィ装置の反射面上への汚染粒子の蓄積を減少させることが望ましい。本発明は、一態様において、極端紫外線を生成するように構成された放射源内のプラズマの形成と共に生成されるデブリ粒子を捕捉するように構成された汚染トラップ構成を提供する。汚染トラップ構成は、デブリ粒子を捕捉するように構成された複数の羽根と、複数の羽根を加熱するように構成された加熱構成であって、複数の羽根と熱伝達する加熱構成と、プラズマの形成の結果として生成される熱を複数の羽根から離れるように運ぶように構成された冷却構成と、加熱構成と冷却構成との間のギャップとを備え、冷却構成は、加熱構成およびギャップを介して複数の羽根と熱伝達し、汚染トラップ構成は、ギャップを画定する表面間に制御可能な相対運動を提供することによってギャップの中の流体の熱伝達特性を調整するように構成された熱伝達調整構成をさらに備える。
[0009] 本発明のさらなる特徴および利点、ならびに本発明の様々な実施形態の構造および動作を、添付の図面を参照しながら以下に詳細に説明する。本発明は、本明細書で説明する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、本明細書では例示のためにのみ提示されている。本明細書に含まれる教示に基づき、当業者には追加の実施形態が明白になるであろう。
[0010] 本明細書に組み込まれかつ本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明を図示し、さらに、記述とともに本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作成して使用できるように役立つ。本発明のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の概略図を参照して以下に説明する。
[0011] 図1は、反射投影光学系を有するリソグラフィ装置を概略的に示す。 [0012] 図2は、図1の装置のより詳細な図である。 [0013] 図3は、本発明の一実施形態による汚染トラップを概略的に示す。
[0014] 本発明の特徴および利点は、以下に述べる詳細な説明を図面と組み合わせて考慮することによりさらに明白になるであろう。ここで、同様の参照文字は全体を通して対応する要素を識別する。図面では、同様の参照番号は全体的に同一、機能的に類似する、および/または構造的に類似する要素を示す。
[0015] 図1は、本発明の一実施形態による放射源コレクタモジュールSOを含むリソグラフィ装置100を概略的に示している。この装置は、
- 放射ビームB(例えば、EUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
- パターニングデバイス(例えば、マスクまたはレチクル)MAを支持するように構築され、かつパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに連結されたサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、
- 基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、かつ基板を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに連結された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、
- パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、反射投影システム)PSとを備える。
[0016] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。
[0017] サポート構造MTは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスMAを保持する。サポート構造は、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。
[0018] 「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。放射ビームに付けたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定の機能層に対応することができる。
[0019] パターニングデバイスは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レべンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
[0020] 投影システムは、照明システムのように、使われている露光放射にとって、あるいは真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。他のガスは放射を吸収しすぎることがあるので、EUV放射に対しては真空を使用することが望ましい場合がある。したがって、真空壁および真空ポンプを用いてビームパス全体に真空環境を提供することができる。
[0021] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば、反射型マスクを採用しているもの)であってもよい。
[0022] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルは並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
[0023] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源コレクタモジュールSOから極端紫外線放射ビームを受ける。EUV光を生成する方法としては、材料を、EUV範囲内の1つ以上の輝線を有する、例えばキセノン、リチウムまたはスズなどの少なくとも1つの元素を有するプラズマ状態に変換することが挙げられるが必ずしもこれに限定されない。そのような一方法では、レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多い所要のプラズマを、所要の線発光元素を有する材料の小滴、流れまたはクラスタなどの燃料をレーザビームで照射することによって生成することができる。放射源コレクタモジュールSOは、燃料を励起させるレーザビームを提供するためのレーザ(図1に図示せず)を含むEUV放射システムの一部であってよい。結果として生じるプラズマは、放射源コレクタモジュール内に配置された放射コレクタを用いて集光される出力放射(例えば、EUV放射)を放出する。例えば、燃料励起のためのレーザビームを提供するためにCO2レーザを使用した場合、レーザおよび放射源コレクタモジュールは、別個の構成要素であってもよい。
[0024] そのような場合には、レーザは、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、レーザから放射源コレクタモジュールへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源がDPP源と称されることが多い放電生成プラズマEUVジェネレータである場合、放射源は、放射源コレクタモジュールの一体部分とすることもできる。
[0025] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、ファセット視野および瞳ミラーデバイスといったさまざまな他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせることができる。
[0026] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2ポジショナPWおよび位置センサPS2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサPS1を使い、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることもできる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。
[0027] 例示の装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
[0028] 1.ステップモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。
[0029] 2.スキャンモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。
[0030] 3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
[0031] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
[0032] 図2は、放射源コレクタモジュールSO、照明システムILおよび投影システムPSを含む装置100をより詳細に示している。放射源コレクタモジュールSOは、真空環境が放射源コレクタモジュールSOの閉鎖構造220内で維持できるように構築および配置される。システムILおよびPSも同様に、独自の真空環境内に収容される。EUV放射放出プラズマ2は、レーザ生成LPPプラズマ源によって形成することができる。放射源コレクタモジュールSOの機能は、EUV放射ビーム20が仮想光源点に合焦されるようにそのEUV放射ビーム20をプラズマ2から供給することである。仮想光源点を一般的に中間焦点(IF)と呼び、放射源コレクタモジュールは、中間焦点IFが閉鎖構造220内のアパーチャ221にまたはその近くに配置されるように構成される。仮想光源点IFは、放射放出プラズマ2のイメージである。
[0033] 放射は、中間焦点IFにおけるアパーチャ221から照明システムIL(この例では、ファセット視野ミラーデバイス22およびファセット瞳ミラーデバイス24を含む)を通り抜ける。これらのデバイスは、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21の所望の角度分布ならびにパターニングデバイスMAにおいて放射強度の所望の均一性を提供するように配置された、いわゆる「フライアイ」イルミネータを構成する。サポート構造(マスクテーブル)MTによって保持されたパターニングデバイスMAでビーム21が反射すると、パターン付きビーム26が形成され、このパターン付きビーム26は、投影システムPSによって反射要素28および30を介してウェーハステージまたは基板テーブルWTによって保持された基板W上に結像される。基板W上のターゲット部分Cを露光するために、放射パルスが基板テーブルWTに生成され、マスクテーブルMTは同期動作266,268を行ってパターニングデバイスMA上のパターンを照明スリットを介してスキャンする。
[0034] それぞれのシステムILおよびPSは、閉鎖構造220に類似している閉鎖構造によって画定された独自の真空またはほぼ真空環境内に配置される。通常、示されているものよりも多くの要素が照明システムILおよび投影システムPS内に存在してよい。さらに、図示されているものより多くのミラーがあってもよく、例えば、図2に示す照明システムILおよび/または投影システムPS内に存在する反射要素より1〜6個多くの反射要素が存在してもよい。
[0035] 放射源コレクタモジュールSOについてより詳細に考察すると、レーザ223を含むレーザエネルギー源は、キセノン(Xe)、スズ(Sn)またはリチウム(Li)などの燃料にレーザエネルギー224を堆積させるように配置され、それによって数十eVの電子温度を有する高電離プラズマ2を生成する。より高いエネルギーのEUV放射を、例えばTbおよびGdなどの他の燃料材料によって生成することもできる。これらのイオンの逆励起および再結合中に生成されるエネルギー放射はプラズマから放出され、近法線入射コレクタ3によって集光されてアパーチャ221に合焦される。プラズマ2およびアパーチャ221は、それぞれ、コレクタCOの第1焦点および第2焦点に配置される。
[0036] 図2に示すコレクタ3は単一の曲面ミラーであるが、コレクタは他の形態であってもよい。例えば、コレクタは、2つの放射集光面を有するシュワルツシルドコレクタであってもよい。一実施形態では、コレクタは、互いに入れ子化された複数の実質的に円筒形のリフレクタを含むかすめ入射コレクタであってもよい。かすめ入射コレクタは、DPP源での使用に適している場合もある。
[0037] 例えば液体スズである燃料を供給するために、小滴ジェネレータ226が閉鎖構造220内に配置され、高周波数の小滴の流れ228をプラズマ2の所望の配置に発射するように配置される。動作中、レーザエネルギー224は、放射の衝撃を与えて各燃料小滴をプラズマ2に変換するために小滴ジェネレータ226の動作と同期して供給される。小滴が供給される周波数は、数キロヘルツ、例えば50kHzであってよい。実際には、レーザエネルギー224は以下の少なくとも2つのパルスで供給される。限られたエネルギーを有するプレパルスは、燃料材料を小さな雲へと気化させるために、小滴がプラズマ配置に到達する前にその小滴に供給される。その後、レーザエネルギー224のメインパルスは、所望の配置における雲に供給されてプラズマ2を生成する。トラップ230が小滴ジェネレータ226の向かい側に提供され、何らかの理由によってプラズマに変換されない燃料を捕獲する。
[0038] 別の構成(図示せず)では、EUV放射は、放電の部分電離プラズマを光軸上で(例えば、ピンチ効果を介して)崩すことによって生成することができる。この放射源を放電生成プラズマ(DPP)源と呼ぶことができる。例えば、10PaのXe、Li、Sn蒸気あるいは他のあらゆる適切なガスまたは蒸気の分圧は、EUV放射放出プラズマを生成するために使用することができる。
[0039] 基準軸X、YおよびZを、装置、その様々な構成要素および放射ビーム20、21および26の形状および動作を測定および説明するために定義することができることが当業者に理解されるであろう。装置の各部分では、X、YおよびZ軸の局所的基準フレームを定義することができる。Z軸はシステム内の所定の点で光軸Oの方向と概ね一致し、パターニングデバイス(レチクル)MAの平面および基板Wの平面とほぼ垂直である。放射源コレクタモジュールでは、X軸が燃料流228の方向と概ね一致する一方、Y軸は図2を示すように紙面から外に向いた方向と直交する。その一方、レチクルMAを保持するサポート構造MTの付近では、X軸は、Y軸と一直線に並んだスキャン方向に対してほぼ直角である。便宜上、図2の概略図の領域では、X軸は、上記同様に印付けられるように、紙面から外に向いている。これらの記号は当該技術分野では通常であって本明細書中では便宜上のために採用される。原理上、あらゆる基準フレームを選択して装置およびその動作を説明することができる。
[0040] ここでは図示していないが、放射源コレクタモジュールおよびリソグラフィ装置全体の動作に不可欠である多数の追加の構成要素が一般的な装置に存在する。これらは、閉鎖された真空内の汚染の影響を減少または緩和させるための構成、例えば、燃料材料の堆積物がコレクタ3および他の光学系の性能を損傷または損なうことを防止するための構成を含む。詳細に説明していないが存在する他のフィーチャとは、リソグラフィ装置の様々な構成要素およびサブシステムの制御に関与する全てのセンサ、コントローラおよびアクチュエータである。
[0041] レーザ生成プラズマ(LPP)源または放電生成プラズマ(DPP)源を用いる場合、汚染は、高速イオンおよび/または中性粒子(例えば、Sn(スズ))などのデブリの形態で生成され得る。そのようなデブリは、コレクタ3の反射面上に形成され、それによってコレクタが反射率を失ってコレクタの効率を低下し得る。デブリによる汚染は、時間とともにリソグラフィ装置の他の反射部品(例えば、ミラー22、24、28、30またはパターニングデバイスMA)の反射率を失わし得る。リソグラフィ装置のスループットは、露光されている基板に入射するEUV放射の強度に依存する。リソグラフィ装置のコレクタまたは他の反射面にデブリが形成されることにより生じるあらゆる反射率の低下は、リソグラフィ装置のスループットを減少し得る。
[0042] 図3は、コレクタ3によって形成されたEUV放射円錐の外側の配置に設けることができる汚染トラップ300を示している。この構造は、羽根体320の内側に取り付けられた羽根310から成る。この羽根体320の外側には温度制御構成がある。この温度制御構成は、加熱層330および冷却層350を含む。加熱層330および冷却層350は、それぞれ、いずれの場合でも、熱勾配を抑制するために銅(またはあらゆる適切な導電性材料)層内に埋め込まれた加熱要素340または冷却パイプ360を含む。ギャップ370が加熱層330と冷却層350との間に設けられ、このギャップ370は、ガスなどの流体によって充填されるように構成することができる。熱伝達調整構成(図示せず)も、ギャップ370内のガスの熱伝達特性の調整のために提供される。冷却層350の外側には外壁380がある。
[0043] スズ蒸気および/または液体スズ残余物の捕捉に加えて、羽根310は、放射源2の全加熱力390を(ほぼ)吸収するように設計される。結果的に、放射源がオンの場合、羽根は冷却を必要とする。この冷却は冷却層350によって提供される。放射源がオフの場合、羽根は、スズを液相で保つことによって除去を容易にするために高温(例えば、250℃〜350℃)で維持されるべきである。この高温は、加熱層330によって維持することができる。熱伝達調整構成は、加熱層330から冷却層350へのギャップ370における熱伝達を減少させることによって所要の加熱力を減少するように動作可能である。結果的に、加熱層330は、羽根310を加熱するために少ない力を必要とする。当然ながら、冷却が必要とされる場合、ギャップ370内のガスの熱伝達特性は、最大熱伝達係数で調整される。
[0044] ギャップ370内のガスの熱伝達係数(htc)が、羽根の温度を所望の範囲内(250℃〜350℃)で維持するために正確に制御される必要があることが分かる。例えば、ガスが30W/mKの熱伝達係数(htc)を有する場合、羽根310は熱くなり過ぎる一方、100W/mKでは、冷たすぎる可能性が高く、スズを羽根310上で凝固させる。加えて、放射源から放射される熱は、時間および空間とともに変化する。羽根310にわたって空間勾配がある可能性も高い。結果的に、ギャップ370にわたる正確かつできる限りリアルタイムのhtcの制御が望ましい。
[0045] 1つの可能な解決策としては、熱伝達調整構成が、ギャップ370内のガスの圧力を調整するように動作可能となることである。これは、良好な熱伝導を得るために冷却が必要とされる場合にガス圧力を増加させ、加熱が必要とされる場合にガス圧力を低下(排気)させ、冷却パイプを加熱された羽根から離すことによって達成される。しかしながら、そのようなhtc調整の正確度および時間応答の両方は、十分な精度および/または応答性で制御することが難しくなる。
[0046] したがって、ギャップ370の両側に装置の制御された相対回転を提供することによって、スズ羽根捕獲器の羽根側と冷却側との間のギャップの熱伝達係数(htc)を変化させることが提案されている。相対運動の速度は、ギャップ370内の流体の流量特性に影響を与える。
[0047] ギャップにわたるヌッセルト数Nu(無次元化されたhtc)は、ギャップの中の媒体の流速によってかなり変化する。低い(またはゼロ)流速に対して、ギャップの流れは層流となり、結果的に一定のヌッセルト数Nuとなる。その結果として、熱伝達は主に伝導を介して行われ、これはかなり効率が悪い(Nuは約1〜10)。より速い流れに対しては、ギャップ内の流れは乱流となり、ヌッセルト数Nuはレイノルズ数Reの関数となり、回転速度に一次従属する。このように、Nuは10〜100の領域内にあり得る。結果として、装置の相対回転速度を用いてギャップ流体の熱伝達係数をリアルタイムで正確に制御することができ、1〜2桁のhtc増加を可能にする。
[0048] 主な実施形態では、熱伝達調整構成は、ギャップ370の両側の表面の相対回転速度を制御するように動作する。これは、羽根の温度を監視(羽根間にかなりの温度差がある可能性が高いのでできる限り多数の点において)およびフィードバックしてギャップにわたる熱伝達を正確にリアルタイムで制御することができることを意味する。これにより、羽根が所定の温度範囲内に確実に留まることを可能にする。端的に言うと、熱伝達調整構成は、放射源のスイッチがオフの場合、相対運動を非常に低く(またはゼロ)保って加熱エネルギーが直接冷却層に漏れることを防ぐ。その一方、放射源が作動中で冷却が必要とされる場合、ヌッセルト数Nu(したがって、熱伝達係数)は、相対回転速度を上げることによって増加させることができる。
[0049] 一実施形態では、ギャップ370の中の汚染トラップ300構造全体は、外側の外套層350,380に対して回転するように構成することができる。この利点は、相対運動が、液体に対する遠心力の作用によって構造の望ましい液体スズ除去に寄与することができる点であるが、他の実施形態では、外側の外套構造が回転するかあるいは両方の構造が回転してもよい。他の実施形態では、(加熱層330および/または冷却層350である)ギャップ370を画定する層(1層または両方)のみが回転する。
[0050] 汚染トラップ構成、特に羽根の形状は、あらゆる形を有してもよい。示されているものは、放射源の光軸に沿った(または平行)あるいは重力と平行の対称軸で配置された屈曲ブレードである。別の構成は、放射源の光軸に沿った(または平行)あるいは重力と平行のらせん軸を用いたらせん状羽根を有する。他の構成も可能である。
[0051] 本明細書中に開示された概念がLPP源と組み合わせて詳細に説明されたが、DPP源などの他の種類の放射源に適用することもできる。さらに、汚染トラップは、示されているもの以外の形態、例えば、フォイルの代わりに複数の先細りブロックを含むかまたは様々な構成のフォイルから成る形態を有してもよい。あらゆる場合においても、羽根は、第一焦点(プラズマ部位)に向かって位置合わせされることによって二次小滴の後方反射を最小限にするように配置することができる。羽根は、光路の周りに正確に配置される必要はなく、羽根の先端はEUV円錐の近くにある必要もない。
[0052] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者にとっては当然のことであるが、そのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツールおよびその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
[0053] 「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折、反射、磁気、電磁気、および静電型光コンポーネントを含む様々な種類の光コンポーネントのいずれか1つまたはこれらの組合せを指すことができる。
[0054] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。

Claims (9)

  1. 極端紫外線を生成する放射源内のプラズマの形成と共に生成されるデブリ粒子を捕捉する汚染トラップ構成であって
    記デブリ粒子を捕捉する複数の羽根と、
    前記複数の羽根を加熱し、前記複数の羽根と熱伝達する加熱構成と、
    前記プラズマの形成の結果として生成される熱を前記複数の羽根から離れるように運ぶ冷却構成と、
    前記加熱構成と前記冷却構成との間のギャップと
    前記ギャップを画定する表面間に制御可能な相対運動を提供することによって前記ギャップの中の流体の熱伝達特性を調整するように動作可能である熱伝達調整構成と、を備え、
    前記冷却構成は、前記加熱構成および前記ギャップを介して前記複数の羽根と熱伝達する、汚染トラップ構成。
  2. 前記複数の羽根は、実質的に円筒形の構造の中に取り付けられ、前記加熱構成、前記ギャップおよび前記冷却構成は、前記実質的に円筒形の構造の外側周囲に同心状に配置され、前記制御可能な相対運動は回転式である、請求項に記載の汚染トラップ構成。
  3. 前記加熱構成は、導電性シリンダの壁の中に埋め込まれた加熱要素を備える、請求項に記載の汚染トラップ構成。
  4. 前記冷却構成は、導電性シリンダの壁の中に埋め込まれた冷却要素を備える、請求項2又は3に記載の汚染トラップ構成。
  5. 前記ギャップの中の前記汚染トラップ構成の一部は、前記ギャップの外側の前記汚染トラップ構成の一部に対して回転可能となって回転運動を得るように配置される、請求項2〜4の何れか一項に記載の汚染トラップ構成。
  6. 前記熱伝達調整構成は、前記相対運動を、
    前記複数の羽根の加熱が必要な場合、前記相対運動の速度がゼロであるかまたは前記ギャップの中の前記流体の乱流を防ぐために十分に遅く、
    前記複数の羽根の冷却が必要な場合、前記相対運動の速度が前記ギャップの中の前記流体の乱流を引き起こすために十分に速く、
    なるように制御するように動作可能である、請求項1〜5の何れか一項に記載の汚染トラップ構成。
  7. 前記熱伝達調整構成は、前記複数の羽根の温度を所定の範囲内で維持するように前記相対運動の速度をリアルタイムで制御するように動作可能である、請求項1〜6の何れか一項に記載の汚染トラップ構成。
  8. 燃料が放射ビームと接触してプラズマを形成する位置に配置されたプラズマ形成部位と、
    請求項1〜の何れか一項に記載の汚染トラップ構成と
    を備える、放射源。
  9. EUV放射ビームを生成する、請求項に記載の放射源と、
    前記放射ビームを調整する照明システムと、
    放射ビームの断面にパターンを付与してパターン付き放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを支持するサポートと、
    基板を保持する基板テーブルと、
    前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影する投影システムと
    を備える、リソグラフィ装置。
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