JP6291462B2 - 車両用会話補助システム - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、振動装置を車両の内装材に取り付け、内装材を振動板として振動させて音を発生させることが記載されている。
また、特許文献2に記載された技術では、内装材が柔らかいために高品質な音を発生することができず、また、内装材の変形等によって、発生する音の品質がさらに低下するおそれがある。
また、かかる構成によると、振動子がルーフパネル及びルーフアーチからなる車体フレームすなわちルーフフレームに取り付けられているので、乗員の耳に近い位置で音を発生し、音の聞こえを良くすることができる。
また、かかる構成によると、前席である運転席及び助手席の乗員の声を集音しやすくすることができるとともに、乗員空間後部の音を集音しにくくして、雑音の混入、エコー、ハウリング等を好適に防止し、乗員空間前部の乗員の声を乗員空間中間部及び後部の乗員に好適に伝えることができる。
前記車両は、前記ルーフパネルの前後方向中間部の車幅方向両端部に配置される一対のセンターピラーと、前記一対のセンターピラーよりも後方において前記ルーフパネルの車幅方向両端部に配置される一対のリヤピラーと、を備えており、前記車両用スピーカ装置は、前記ルーフアーチとして、一対の前記センターピラー間で車幅方向に延設されるセンタールーフアーチと、一対の前記リヤピラー間で車幅方向に延設されるリヤルーフアーチと、を備えており、前記振動子は、前記センタールーフアーチ及び前記リヤルーフアーチにそれぞれ取り付けられている構成であってもよい。
かかる構成によると、振動子がセンタールーフアーチ及びリヤルーフアーチのそれぞれに取り付けられているので、ミニバン等といった車体の前後長が長い車両であっても、乗員空間内全体(特に、中席及び後席付近)に音を好適に拡散することができる。
図1及び図2に示すように、本発明の第一の実施形態に係る車両用会話補助システム1Aが適用される車両Cは、乗員空間4である車室を構成する金属製(例えば、鉄製)の車体3として、左右一対のフロントピラー11、センターピラー12、リヤピラー13及びルーフサイドレール14と、ルーフパネル20と、複数(本実施形態では、6本)のルーフアーチ30(30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6)と、を備える。ルーフパネル20及びルーフアーチ30は、互いに組み付けられることによって、鉄製の車体フレームの一種であるルーフフレーム40を構成している。なお、図1において、ルーフパネル20は省略されている。
フロントピラー11は、軸線視で閉断面形状を呈する車体フレームであって、乗員空間4の前端部(すなわち、前席5よりも前方)の左右両端において、上に向かうにつれて後方に延びるように延設されている。左右一対のフロントピラー11間には、図示しないフロントウインドガラスが設けられている。
ルーフパネル20は、前後方向に延設される左右一対のルーフサイドレール14及びその前後端に設けられるルーフアーチ30(30−1,30−6)によって構成される矩形枠を塞ぐように設けられることによって、乗員空間4の屋根を構成する板状部材である。
ルーフアーチ30(30−1〜30−6)は、ルーフパネル20の下面に接合されるとともに、左右一対のルーフサイドレール14間に架設されている。前から1本目のルーフアーチ30−1は、左右一対のフロントピラー11の上端部の間に架設された、いわゆるフロントルーフアーチである。前から3本目のルーフアーチ30−3は、左右一対のセンターピラー12の上端部の間に架設された、いわゆるセンタールーフアーチである。前から6本目(最後尾)のルーフアーチ30−6は、左右一対のリヤピラー13の上端部の間に架設された、いわゆるリヤルーフアーチである。
図3(b)に示すように、ルーフアーチ30は、フランジ部34,35がルーフパネル20の下面に溶接等で接合されることによってルーフパネル20を補強し、当該ルーフパネル20と協働して車両Cの乗員空間4を構成する車体フレームの一種であるルーフフレーム40(40−1,40−2,40−3,40−4,40−5,40−6)を構成する。ルーフフレーム40は、ルーフアーチ30の底壁部31からなる第一面と、ルーフパネル20の一部からなる第二面と、ルーフアーチ30の前壁部32からなる第三面と、ルーフアーチの後壁部33からなる第四面と、によって側面視で矩形状の閉断面を構成している。
図1及び図2に示すように、本発明の第一の実施形態に係る車両用会話補助システム1Aは、車両Cの前席5(運転席及び助手席)に座っている乗員の声を中席6及び後席7に座っている乗員へと好適に伝えることによって乗員間の会話を補助するシステムである。車両用会話補助システム1Aは、車両用スピーカ装置2Aと、集音装置60と、集音装置60によって集音された音を車両用スピーカ装置2Aに発生させる図示しない制御装置と、を備える。
車両用スピーカ装置2Aは、センタールーフフレーム40−3及びリヤルーフフレーム40−6と、振動子50(50−1,50−2)と、を備える。
振動子50は、ルーフフレーム40に取り付けられており、振動を発生することによってルーフフレーム40を振動板として振動させて当該ルーフフレーム40に音を発生させる振動源である。振動子50としては、超磁歪エキサイタ等が利用可能である。振動子50は、ルーフフレーム40の取付面に対して直交する方向を振動方向とするように設定されている。
図1及び図2に示すように、集音装置60は、ルーフパネル20の前端部の車幅方向中間部に設けられており、前席5に座っている乗員の発話を集音する。本実施形態において、集音装置60は、ルーフパネル20の下面を覆うルーフライニング8(図3(b)参照)の下面に取り付けられている。集音装置60は、後方かつ車幅方向一端側となる斜め下方と後方かつ車幅方向他端側となる斜め下方との二方向を指向して集音するように構成されている。すなわち、集音装置60は、図示しない2つのマイクを備えており、一方のマイクの集音範囲X1は、一方の前席(運転席)5をカバーしており、他方のマイクの集音範囲X2は、他方の前席(助手席)5をカバーしている。
すなわち、車両用スピーカ装置2Aにおいて、ルーフフレーム40−3,40−6は、ルーフライニング8と比較して硬くて薄いので、車両用スピーカ装置2Aの振動板として好適に振動して高品質な音を発生することができる。
また、車両用スピーカ装置2Aにおいて、ルーフフレーム40−3,40−6は、乗員空間4の車幅方向全体にわたって延設されているので、乗員空間4に広がりのある音を発生することができる。
また、車両用会話補助システム1Aは、振動板を別途用意する必要がなく、小型で薄い振動子50を用いるので、レイアウトの自由度が高く、軽量化を実現することができる。
さらに、車両用会話補助システム1Aは、振動子50が集音装置60の集音範囲X1,X2から外れた位置に設けられているので、エコー及びハウリングをより好適に防止することができる。
さらに、車両用会話補助システム1Aは、他のスピーカ装置で音楽を流している場合やロードノイズが大きい場合であっても、乗員空間4前部の乗員の声を乗員空間4中間部及び後部の乗員に好適に伝えることができる。
続いて、本発明の第二の実施形態に係る車両用会話補助システムについて、第一の実施形態に係る車両用会話補助システム1Aとの相違点を中心に説明する。
また、本発明の車両用スピーカ装置2A,2Bは、ルーフパネル20以外の車体フレーム(センターピラー12、リヤピラー13、ルーフサイドレール14等)にも適用可能である。
また、本発明の車両用会話補助システム1A,1Bは、後席7が省略されて中席6よりも後方の空間が物品等を収納可能な収納空間となっている車両にも適用可能である。
また、本発明の車両用スピーカ装置2A,2Bは、会話補助用ではなく音楽等用のスピーカ装置としても利用可能である。この場合には、コンサートホールのような臨場感を実現することができる。
また、本発明の車両用会話補助システム1A,1Bにおいて、集音装置60は、2つのマイクを別体として備える構成であってもよい。この場合には、2つのマイクは、車幅方向中心線Yに対して線対称となるように設けられる。
2A,2B 車両用スピーカ装置
3 車体
4 乗員空間(車室)
5 前席
6 中席
7 後席
8 ルーフライニング
12 センターピラー
13 リヤピラー
14 ルーフサイドレール
20 ルーフパネル(第二面)
30(30−1〜30−6) ルーフアーチ
30−3 センタールーフアーチ
30−6 リヤルーフアーチ
31 底壁部(第一面)
32 前壁部(第三面)
33 後壁部(第四面)
40(40−1〜40−6) ルーフフレーム(車体フレーム)
50(50−1〜50−6) 振動子
60 集音装置
C 車両
X1,X2 集音範囲
Claims (7)
- 車両用スピーカ装置と、
車体上部のルーフパネルの前端部の車幅方向中間部に設けられている集音装置と、
を備え、
前記車両用スピーカ装置は、
車両の乗員空間である車室を構成する車体フレームと、
前記車体フレームに取り付けられており、振動を発生することによって前記車体フレームを振動させて当該車体フレームに音を発生させる振動子と、
を備え、
前記車体フレームは、車室内側の第一面と、車室外側の第二面と、前記第一面及び前記第二面の端部同士を繋ぐ第三面及び第四面と、によって閉断面を構成しており、
前記振動子は、前記第一面、前記第二面、前記第三面及び前記第四面のいずれかに取り付けられており、
前記車体フレームは、
前記第二面を構成する前記ルーフパネルと、
前記第一面、前記第三面及び前記第四面を構成するルーフアーチと、
を組み合わせることによって構成されており、
前記集音装置は、後方かつ車幅方向一端側と後方かつ車幅方向他端側との二方向を指向して集音するように構成されており、
前記振動子は、前記集音装置と前後方向に重なる位置に配置されており、前記集音装置によって集音された音を前記車体フレームに発生させる
ことを特徴とする車両用会話補助システム。 - 前記車両は、
前記ルーフパネルの前後方向中間部の車幅方向両端部に配置される一対のセンターピラーと、
前記一対のセンターピラーよりも後方において前記ルーフパネルの車幅方向両端部に配置される一対のリヤピラーと、
を備えており、
前記車両用スピーカ装置は、前記ルーフアーチとして、
一対の前記センターピラー間で車幅方向に延設されるセンタールーフアーチと、
一対の前記リヤピラー間で車幅方向に延設されるリヤルーフアーチと、
を備えており、
前記振動子は、前記センタールーフアーチ及び前記リヤルーフアーチにそれぞれ取り付けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用会話補助システム。 - 前記振動子は、前記第一面に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用会話補助システム。 - 前記振動子は、前記第一面、前記第三面及び前記第四面のうち、最も広い面に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用会話補助システム。 - 前記第一面は、前記第三面及び前記第四面よりも広く、
前記振動子は、前記第一面に取り付けられている
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用会話補助システム。 - 前記第三面及び前記第四面は、前記第一面から前記第二面に向かうにつれて互いに離隔する傾斜面に構成されている
ことを特徴とする請求項3又は請求項5に記載の車両用会話補助システム。 - 前記振動子は、前記車体フレームの前記閉断面外に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の車両用会話補助システム。
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