(第1実施形態)
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は第1実施形態の表示装置100の構成の一例を示すブロック図である。表示装置100は、表示データ生成部10、電極駆動部30、フレームメモリ40、40、垂直表示周期検出部50、表示タイミング生成部60、液晶パネル70などを備える。表示装置100は、入力映像信号を取得して、液晶パネル70で構成される表示画面に映像(画像)を表示する。
垂直表示周期検出部50は、周期取得部としての機能を有し、表示装置100に入力される入力映像信号に含まれる各フレームの垂直表示周期を抽出して取得し、取得した垂直表示周期を表示データ生成部10及び表示タイミング生成部60へ出力する。垂直表示周期は、表示周期、垂直同期周期又は書込周期とも称する。本実施の形態では、垂直表示周期という用語を用いることにする。また、フレームは、垂直表示周期毎に液晶パネル70に表示する映像データの単位である。すなわち、1フレーム毎の映像データが液晶パネル70に書き込まれることにより、フレーム単位で映像(画像)が液晶パネル70に表示される。液晶パネルは液晶表示パネルとも称する。
入力映像信号に含まれるフレーム毎の垂直表示周期は、例えば、連続的に変動し得るが、本実施の形態では、代表的な垂直表示周期として、T1(8.3ms)、T2(16.6ms)、T3(24.9ms)を用いる。なお、垂直表示周期は、これらに限定されるものではない。また、垂直表示周期が変動する場合とは、例えば、ゲームなどのコンピュータグラフィック処理を行うときに、フレーム毎の画像処理に要する時間が異なる場合、画像処理時間の長短に応じて、垂直表示周期を長短にして表示装置へ出力する画像処理装置がある。
フレームメモリ40には、垂直表示周期の都度、2フレーム前の映像データx2(一のフレーム)と、1フレーム前の映像データx1(次フレーム)とが書き込まれるとともに読み出される。なお、図1では、フレームメモリ40を2つ具備する構成であるが、1つのフレームメモリ40に2フレーム分の映像データを記憶するようにしてもよい。
表示データ生成部10は、画素値特定部としての機能を有し、2フレーム前の映像データx2の各画素の画素値(例えば、階調値)と、1フレーム前の映像データx1の当該各画素それぞれに対応する各画素の画素値とを特定する。例えば、2フレーム前の映像データのある画素の階調値が64であり、1フレーム前の対応する画素の階調値が128であるとすると、当該画素の階調値の差分は64(=128−64)となる。
表示データ生成部10は、オーバードライブ補正を行う機能を有し、特定した各画素の階調値の差分に対して、垂直表示周期検出部50が出力した1フレーム前の垂直表示周期の長/短に応じて、小/大の補正を加えて1フレーム前の表示データを生成する。なお、表示データは画像データとも称する。なお、表示データ生成部10の詳細は後述する。
電極駆動部30は、表示データ生成部10が生成したフレーム単位の表示データの書き込み走査を、各フレームの垂直表示周期で行うことにより、液晶パネル70を駆動する。
表示タイミング生成部60は、垂直表示周期検出部50が出力した1フレーム前の垂直表示周期を使用して液晶パネル70の表示タイミングを決定するとともに、同じタイミングで電極駆動部30を制御する。
次に、従来のオーバードライブ方式と本実施の形態の表示装置100によるオーバードライブ方式との差異について説明する。オーバードライブ方式とは、前回のフレームの映像の階調値と現フレームの映像の階調値との差を強調した階調値で映像を表示するものである。まず、垂直表示周期が一定である場合の従来のオーバードライブ方式について説明する。
図2は垂直表示周期が一定である場合のオーバードライブの有無に応じた液晶パネルの透過率の変遷の一例を示すタイムチャートである。図2Aはオーバードライブを行わない場合を示し、図2Bはオーバードライブを行う場合を示す。図2において、横軸は時間を示し、縦軸は複数の画素で構成されるフレームの任意の画素の画素値(例えば、階調値)が時間とともにどのように変化するかを示す。
図2Aに示すように、従来のオーバードライブを行わない場合には、入力映像で液晶パネルを駆動するが、液晶の応答(応答時間)が遅いため、現フレームの階調値と前回のフレームの階調値との差が大きい場合、実際の液晶パネルの透過率は、入力映像の階調値に対応する透過率に達しない(図2A中、破線で示す部分)。
一方、図2Bに示すように、従来のオーバードライブを行う場合には、現フレームの階調値と前回のフレームの階調値との差を強調する(差をさらに大きくする)ことにより、液晶パネルの応答時間の遅延を補って所要の透過率(入力映像の階調値に対応する透過率)に到達させることができる。
次に、垂直表示周期が変動する場合の従来のオーバードライブ方式について説明する。図3は垂直表示周期が変動する場合のオーバードライブの有無に応じた液晶パネルの透過率の変遷の一例を示すタイムチャートである。図3Aはオーバードライブを行わない場合を示し、図3Bはオーバードライブを行う場合を示す。図3Aに示すように、垂直表示周期が変動する場合は、実際の液晶パネルの透過率は、図2Aの場合と比べて変動している(図3A中、破線で示す部分)。
そして、図3Bに示すように、図2Bと同様の従来のオーバードライブ方式を行うと、実際の液晶パネルの透過率は、強調が強すぎて入力映像の階調値を越える場合、あるいは協調が弱すぎて入力映像の階調値に到達しない場合が生じる(図3B中、破線で示す部分)。より具体的には、垂直表示周期が長くなると、液晶パネルの透過率の応答時間が長くなるので、実際の液晶パネルの透過率は変わりやすくなり、強調が強くなり過ぎて入力映像の階調値を越えてしまう。また、垂直表示周期が短くなると、液晶パネルの透過率の応答時間が短くなるので、実際の液晶パネルの透過率は変わり難くなり、強調が弱くなり入力映像の階調値に到達しなくなる。
次に、垂直表示周期が変動する場合の本実施の形態のオーバードライブ方式について説明する。図4は垂直表示周期が変動する場合の本実施の形態の表示装置100のオーバードライブによる液晶パネルの透過率の変遷の一例を示すタイムチャートである。図4Aはオーバードライブを行わない場合を示し、図3Aと同様である。図4Bは本実施の形態の表示装置100のオーバードライブを行う場合を示す。
図4Bに示すように、垂直表示周期の長短に応じて、強調の度合いを変化させることにより、実際の液晶パネル70の透過率を、入力映像の階調値に対応する透過率に近づける又は同等にすることができる。より具体的には、垂直表示周期が長くなると、液晶パネルの透過率は変わりやすくなるので、強調の度合いを弱めることにより、入力映像の階調値に近づけることができる。また、垂直表示周期が短くなると、液晶パネルの透過率は変わり難くなるので、強調の度合いを強めることにより、入力映像の階調値に近づけることができる。
例えば、垂直表示周期をT1、T2、T3(T1<T2<T3)とする。1フレーム前の垂直表示周期がT2である場合に、2フレーム前のある画素の階調値が64であり、1フレーム前の対応する画素の階調値が128であるとする(階調値の差分は64となる)。表示データ生成部10は、垂直表示周期がT2(例えば、16.6msなど)である場合、差分64に対して中程度の補正α2(例えば、+8など)を加えた値を表示データとして生成する。また、表示データ生成部10は、垂直表示周期がT2よりも短いT1(例えば、8.3msなど)である場合、差分64に対して補正α2より大きい補正α1(>α2、例えば、+16など)を加えた値を表示データとして生成する。すなわち、強調の度合いを強める。また、表示データ生成部10は、垂直表示周期がT2よりも長いT3(例えば、24.9msなど)である場合、差分64に対して補正α2より小さい補正α3(<α2、例えば、+4など)を加えた値を表示データとして生成する。すなわち、強調の度合いを弱める。
上述の構成により、垂直表示周期(表示周期)が短くなると、フレーム間の各画素の差分に対して大きな補正を加える(オーバードライブ補正を強くする)ことにより、垂直表示周期が短くなることによる従来のオーバードライブ不足を補うことができ、映像(移動物体など)がぼやけることを防止することができる。また、垂直表示周期(表示周期)が長くなると、フレーム間の各画素の差分に対して小さな補正を加える(オーバードライブ補正を弱くする)ことにより、垂直表示周期が長くなることによる従来の過剰なオーバードライブを抑制することができ、映像(移動物体など)に不自然な影が現れることを防止することができ、垂直表示周期(書込周期)が変動する場合でも、適切に液晶パネル70を駆動して入力された映像を忠実に表示することができる。
(第2実施形態)
図5は第2実施形態の表示装置100の構成の一例を示すブロック図である。第1実施形態との相違点は、温度検出部としての温度センサ80を具備する点である。温度センサ80は、液晶パネル70の温度を検出する。表示データ生成部10は、特定した各画素値の差分に対して、温度センサ80で検出した温度の高/低に応じて、小/大の補正を加えて次フレームの画像データを生成する。
図6は液晶パネル70の温度とオーバードライブ補正の強弱との関係を示す説明図である。一般的に液晶パネル70の温度が高くなると液晶パネル70の応答時間は短くなり(反応しやすくなり)、温度が低くなると液晶パネル70の応答時間は長くなる(反応しにくくなる)。そこで、例えば、温度センサ80で検出した液晶パネル70の温度が高い場合には、差分に対して小さい補正を加えることにより、オーバードライブ補正(強調の度合)を弱くする。また、温度センサ80で検出した液晶パネル70の温度が低い場合には、差分に対して大きい補正を加えることにより、オーバードライブ補正(強調の度合)を強くする。これにより、液晶パネル70の温度が高い場合に映像中の移動物体に不自然な影が現れることを抑制することができる。また、液晶パネル70の温度が低い場合に映像中の移動物体がぼやけることを軽減することができる。このように、液晶パネル70の温度が変動して液晶パネル70の応答時間が変動しても、適切に液晶パネル70を駆動して入力された映像を忠実に表示することができる。
(第3実施形態)
図7は第3実施形態の表示装置100の表示データ生成部10の構成の一例を示すブロック図であり、図8はオーバードライブ補正値テーブル11の一例を示す説明図である。図7に示すように、表示データ生成部10は、オーバードライブ補正値テーブル11、補正値補間部12、加算部13などを備える。
オーバードライブ補正値テーブル11は、1フレーム前の映像データx1と2フレーム前の映像データx2との差分に基づいて、当該差分を強調するような補正値を生成して出力する。図8に示すように、オーバードライブ補正値テーブル11は、複数の異なる垂直表示周期(図8の例では、8.3ms、16.6ms、24.9ms)それぞれに対応している。なお、オーバードライブ補正値テーブル11の例は、図8に例示するものに限定されるものではない。
図8に示す、垂直表示周期が16.6msの場合のオーバードライブ補正値テーブル11を用いた場合、例えば、2フレーム前の任意の画素の階調値が64であり、1フレーム前の任意の画素の階調値が128であるときは、補正値は+8となる。同様に、2フレーム前の任意の画素の階調値が128であり、1フレーム前の任意の画素の階調値が64であるときは、補正値は−8となる。他の階調値、または垂直表示周期についても同様にして補正値を求めることができる。
なお、図8の例では、階調値が、0、64、128、192、255の値の場合を例示しているが、階調値がこれらの値と異なる場合には、例示した2の階調値で線形補間することにより、例示した階調値以外の階調値に対する補正値を算出することができる。
補正値補間部12は、垂直表示周期検出部50が出力した垂直表示周期に応じて、オーバードライブ補正値テーブル11の補正値を補間し、補間した補正値(表示補正値d)を出力する。なお、垂直表示周期に応じて補間する必要が無い場合には、オーバードライブ補正値テーブル11が生成する補正値を表示補正値dとして出力することもできる。
加算部13は、1フレーム前の映像データの各画素の階調値に、補正値補間部12で補間した補正値を加算することにより、1フレーム前の映像データに対応する表示データを生成する。なお、加算部13は、垂直表示周期に応じて補間する必要が無い場合には、1フレーム前の映像データの各画素の階調値に、オーバードライブ補正値テーブル11が生成した補正値を加算して表示データを生成することもできる。
次に、表示データの生成方法の具体例について説明する。図9は垂直表示周期が16.6msである場合の表示データの生成の一例を示す説明図である。図9に示すように、入力映像データは、例えば、一のフレーム(例えば、2フレーム前の映像データx2)の横方向に並んだ画素の階調値がそれぞれ、64、128、192、128、64、128であるとする。そして、次フレーム(例えば、1フレーム前の映像データx1)でそれぞれの画素の階調値が、128、192、128、64、128、192になったとする。
入力映像データの階調値が64(2フレーム前の値))から128(1フレーム前の値)に変化する画素に対しては、図8から補正値は+8となる。そうすると、図9の破線部示すように、1フレーム前の映像データに対応する表示データ(オーバドライブ補正後)は、階調値128に補正値+8を加算して136となる。仮に入力映像データをそのまま書き込んだ場合の実際の液晶パネル70の値(透過率に対応する階調値)が120であったとすると、表示データを書き込んだ場合の液晶パネル70の値は、値120に補正値+8が加算されることと等価になるので、128(=120+8)となり、入力映像データの階調値に等しくなる。
また、入力映像データの階調値が128(2フレーム前の値))から64(1フレーム前の値)に変化する画素に対しては、図8から補正値は−8となる。そうすると、図9の破線部示すように、1フレーム前の映像データに対応する表示データ(オーバドライブ補正後)は、階調値64に補正値−8を加算して56となる。仮に入力映像データをそのまま書き込んだ場合の実際の液晶パネル70の値(透過率に対応する階調値)が72であったとすると、表示データを書き込んだ場合の液晶パネル70の値は、値72に補正値−8が加算されることと等価になるので、64(=72−8)となり、入力映像データの階調値に等しくなる。
図10は垂直表示周期が8.3msである場合の表示データの生成の一例を示す説明図である。入力映像データの階調値が64(2フレーム前の値))から128(1フレーム前の値)に変化する画素に対しては、図8から補正値は+16となる(補正値の絶対値は大きくなる)。そうすると、図10の破線部示すように、1フレーム前の映像データに対応する表示データ(オーバドライブ補正後)は、階調値128に補正値+16を加算して144となる。仮に入力映像データをそのまま書き込んだ場合の実際の液晶パネル70の値(透過率に対応する階調値)が112であったとする。なお、図9に例示する垂直表示周期が16.6msである場合には、120であったのに対して、垂直表示周期が8.3msと短いため、透過率が変化しにくくなるので、120より小さい112となる。表示データを書き込んだ場合の液晶パネル70の値は、値112に補正値+16が加算されることと等価になるので、128(=112+16)となり、入力映像データの階調値に等しくなる。
また、入力映像データの階調値が128(2フレーム前の値))から64(1フレーム前の値)に変化する画素に対しては、図8から補正値は−16となる(補正値の絶対値は大きくなる)。そうすると、図10の破線部示すように、1フレーム前の映像データに対応する表示データ(オーバドライブ補正後)は、階調値64に補正値−16を加算して48となる。仮に入力映像データをそのまま書き込んだ場合の実際の液晶パネル70の値(透過率に対応する階調値)が80であったとする。なお、図9に例示する垂直表示周期が16.6msである場合には、72であったのに対して、垂直表示周期が8.3msと短いため、透過率が変化しにくくなるので、72より大きい80となる。表示データを書き込んだ場合の液晶パネル70の値は、値80に補正値−16が加算されることと等価になるので、64(=80−16)となり、入力映像データの階調値に等しくなる。
図11は垂直表示周期が24.9msである場合の表示データの生成の一例を示す説明図である。入力映像データの階調値が64(2フレーム前の値)から128(1フレーム前の値)に変化する画素に対しては、図8から補正値は+4となる(補正値の絶対値は小さくなる)。そうすると、図11の破線部示すように、1フレーム前の映像データに対応する表示データ(オーバドライブ補正後)は、階調値128に補正値+4を加算して132となる。仮に入力映像データをそのまま書き込んだ場合の実際の液晶パネル70の値(透過率に対応する階調値)が124であったとする。なお、図9に例示する垂直表示周期が16.6msである場合には、120であったのに対して、垂直表示周期が24.9msと長いため、透過率が変化しやすくなるので、120より大きい124となる。表示データを書き込んだ場合の液晶パネル70の値は、値124に補正値+8が加算されることと等価になるので、128(=124+8)となり、入力映像データの階調値に等しくなる。
また、入力映像データの階調値が128(2フレーム前の値)から64(1フレーム前の値)に変化する画素に対しては、図8から補正値は−4となる(補正値の絶対値は小さくなる)。そうすると、図11の破線部示すように、1フレーム前の映像データに対応する表示データ(オーバドライブ補正後)は、階調値64に補正値−4を加算して60となる。仮に入力映像データをそのまま書き込んだ場合の実際の液晶パネル70の値(透過率に対応する階調値)が68であったとする。なお、図9に例示する垂直表示周期が16.6msである場合には、72であったのに対して、垂直表示周期が24.9msと長いため、透過率が変化しやすくなるので、72より小さい68となる。表示データを書き込んだ場合の液晶パネル70の値は、値68に補正値−4が加算されることと等価になるので、64(=68−4)となり、入力映像データの階調値に等しくなる。
上述のように、補正値生成部及び画素値特定部としてのオーバードライブ補正値テーブル11は、垂直表示周期検出部50が取得した垂直表示周期に応じて、特定した一のフレーム(例えば、2フレーム前の映像データ)及び次フレーム(例えば、1フレーム前の映像データ)それぞれの各画素の画素値に基づいて一のフレームの各画素に対する補正値を生成する。例えば、2フレーム前のある画素の階調値が64であり、1フレーム前の対応する画素の階調値が128である場合に、オーバードライブ補正値テーブル11は、補正値+8を生成する。
そして、画像データ生成部としての加算部13は、次フレームの各画素の画素値に、生成された補正値を加算して次フレームの画像データを生成する。例えば、補正値が+8であり、1フレーム前の画素の階調値が128である場合、加算部13は、階調値が136(=128+8)の画像データ(表示データ)を生成する。これにより、仮に、階調値が128の画像データを液晶パネル70に書き込んだ場合に、例えば、液晶パネル70の階調値が実際には120であるときでも、オーバードライブ補正を強めることにより(例えば、階調値を+8だけ強めることにより)、液晶パネル70の階調値を128(=120+8)とすることができ、1フレーム前の画素の階調値と同じ階調値とすることができる。
また、オーバードライブ補正値テーブル11は、複数の所定の垂直表示周期毎に、補正値を生成する。例えば、2フレーム前のある画素の階調値が64であり、1フレーム前の対応する画素の階調値が128である場合に、オーバードライブ補正値テーブル11は、垂直表示周期がT2(例えば、16.6msなど)のときは、補正値+8を生成する。また、オーバードライブ補正値テーブル11は、垂直表示周期がT1(例えば、8.3msなど)のときは、補正値+16を生成する。また、オーバードライブ補正値テーブル11は、垂直表示周期がT3(例えば、24.9msなど)のときは、補正値+4を生成する。
そして、補正値補間部12は、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期が所定の垂直表示周期と異なる場合、取得した垂直表示周期及び所定の垂直表示周期に基づいて、補間処理を行うことにより、取得した垂直表示周期に対応する補正値を生成する。例えば、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期が、垂直表示周期T1とT2との中間値である場合、補正値は、+16と+8との中間値である+12に補間される。
加算部13は、次フレームの各画素の画素値に、補正値補間部12で補間処理により生成された補正値を加算して次フレームの画像データを生成する。これにより、垂直表示周期が、連続的に任意の値に変動した場合でも、適切な表示データを生成することができ、適切に液晶パネル70を駆動して入力された映像を忠実に表示することができる。
(第4実施形態)
図12は第4実施形態の表示装置100の表示データ生成部10の構成の一例を示すブロック図であり、図13はオーバードライブ補正値テーブル14の一例を示す説明図であり、図14は周期補正値テーブル16の一例を示す説明図である。図12に示すように、第4実施形態の表示データ生成部10は、オーバードライブ補正値テーブル14、乗算部15、加算部13、周期補正値テーブル16などを備える。図13に例示するオーバードライブ補正値テーブル14は、図8に例示した垂直表示周期が16.6msの場合のオーバードライブ補正値テーブルと同じである。すなわち、オーバードライブ補正値テーブル14は、一の垂直表示周期に対応する暫定補正値eを生成する。
図14に示すように、周期補正値テーブル16は、複数の異なる垂直表示周期(図14の例では、0ms、8.3ms、16.6ms、24.9ms、33.2ms)それぞれに周期補正係数4.00、2.00、1.00、0.5、0.25が対応付けられている。すなわち、垂直表示周期が長くなるに応じて周期補正係数は小さくなる。なお、垂直表示周期及び周期補正係数の例は、図14に例示した値に限定されるものではない。
乗算部15は、オーバードライブ補正値テーブル14が出力した暫定補正値eに、周期補正値テーブル16からの周期補正係数(補正係数、周期補正値とも称する)nを乗算して表示補正値dを算出し、算出した表示補正値dを加算部13へ出力する。例えば、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期が16.6msである場合には、乗算部15は、周期補正値テーブル16から周期補正係数1.00を読み出し、読み出した周期補正係数1.00と暫定補正値eとを乗算する。また、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期が8.3msである場合には、乗算部15は、周期補正値テーブル16から周期補正係数2.00を読み出し、読み出した周期補正係数2.00と暫定補正値eとを乗算する。他の垂直表示周期についても同様である。
加算部13は、1フレーム前の映像データの各画素の階調値に、乗算部15で算出した補正値(表示補正値d)を加算することにより、1フレーム前の映像データに対応する表示データを生成する。
図9に例示したように、垂直表示周期が16.6msである場合に、入力映像データの階調値が64(2フレーム前の値))から128(1フレーム前の値)に変化する画素に対しては、図13から補正値は+8となる。図13に示す補正値は、図8の場合と同一である。仮に、垂直表示周期が8.3msへと短くなった場合、図14に示すように、周期補正係数は、2.00であるから、補正値は、+16(=8×2.00)となり、図8の垂直表示周期が8.3msの場合と一致する。また、垂直表示周期が24.9msへと長くなった場合、図14に示すように、周期補正係数は、0.5であるから、補正値は、+4(=8×0.5)となり、図8の垂直表示周期が24.9msの場合と一致する。したがって、第4実施形態の場合も第3実施形態で示した図9から図11と同様の表示データを生成することができる。
上述のように、複数の所定の垂直表示周期に対応した周期補正係数を記憶する記憶部としての周期補正値テーブル16を備える。周期補正係数は、例えば、垂直表示周期がT1(例えば、8.3msなど)、T2(例えば、16.6msなど)、T3(例えば、24.9msなど)それぞれに対応して、2.0、1.0、0.5などとすることができる。
補正値生成部としてのオーバードライブ補正値テーブル14は、複数の所定の垂直表示周期のうち一の垂直表示周期(図12の例では、16.6ms)に対応して、一のフレーム(例えば、2フレーム前の映像データ)及び次フレーム(例えば、1フレーム前の映像データ)それぞれの各画素の画素値に基づいて次フレームの各画素に対する暫定補正値を生成する。一の垂直表示周期を、例えば、T2(16.6ms)とし、2フレーム前のある画素の階調値が64であり、1フレーム前の対応する画素の階調値が128であるとし、暫定補正値eは+8とすることができる。
そして、補正値生成部としての乗算部15は、生成された暫定補正値eに、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期に応じた周期補正係数を乗算して補正値(表示補正値d)を生成する。例えば、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期がT1(8.3ms)である場合、垂直表示周期T1に対応する周期補正係数は2.0であるから、補正値は、暫定補正値である+8に周期補正係数である2.0を乗算して得られた+16となる。これにより、垂直表示周期が変動した場合でも、適切な表示データを生成することができ、適切に液晶パネル70を駆動して入力された映像を忠実に表示することができる。
また、補正係数補間部としての表示データ生成部10は、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期が複数の所定の垂直表示周期と異なる場合、補間処理により、取得した垂直表示周期に対応する周期補正係数を生成する。例えば、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期が、垂直表示周期T1とT2との中間値である場合、周期補正係数は、2.0と1.0との中間値である1.5に補間される。乗算部15は、生成された暫定補正値eに、補間処理により生成された周期補正係数を乗算して補正値(表示補正値d)を生成する。これにより、垂直表示周期が、連続的に任意の値に変動した場合でも、適切な補正値を生成することができ、適切に液晶パネル70を駆動して入力された映像を忠実に表示することができる。
次に、前述の第3実施形態及び第4実施形態をさらに改善する実施形態について説明する。図15は垂直表示周期が16.6msである場合の表示データの生成の他の例を示す説明図である。図15に示すように、フレーム中のある画素の階調値が、垂直表示周期毎に192、255、192と変化したとする。また、液晶パネル70の階調値の最小値を0、最大値を255とする。
入力映像データの階調値が255(2フレーム前の値))から192(1フレーム前の値)に変化する画素に対しては、図8に例示したオーバードライブ補正値テーブルから補正値は−8となる。そうすると、1フレーム前の映像データに対応する表示データ(オーバードライブ補正後)は、階調値192に補正値−8を加算して184となる。
表示データが、階調値の最大値(255)または最大値の近傍である場合、これ以上オーバードライブすることができないので、表示データが255であるにも関わらず、実際に表示データ255を書き込んだ場合の液晶パネル70の階調値は、例えば、247までしか上がらない。
そうすると、本来であれば、階調値が247から192に変化する程度の補正(強調)を行えばよいところ、実際には、階調値が255から192に変化する補正となり、補正が強くなりすぎる。このため、例えば、液晶パネル70の階調値が、192ではなく191になってしまう。結果としては、図15に示すように、表示データを書き込んだ場合の実パネルの値は、192、247、191のように変化することになる。後述の第5実施形態は、かかる点を改善することができる。
(第5実施形態)
図16は第5実施形態の表示装置100の表示データ生成部10の構成の一例を示すブロック図であり、図17はオーバードライブ到達値テーブル17の一例を示す説明図である。なお、オーバードライブ補正値テーブル11は、図8の例と同様であるとする。図7に示す第3実施形態の表示データ生成部10との相違点は、オーバードライブ到達値テーブル17、到達値補間部18、置換部19を備える点である。
オーバードライブ到達値テーブル17は、1フレーム前の映像データx1と2フレーム前の映像データx2との差分に基づいて、液晶パネル70の階調値の到達値(限界値とも称する)を生成して出力する。図17に示すように、オーバードライブ到達値テーブル17は、複数の異なる垂直表示周期(図17の例では、8.3ms、16.6ms、24.9ms)それぞれに対応して、階調値の目標値と到達値との差分(目標値−到達値)を表す。
例えば、オーバードライブ到達値テーブル17の値が0であれば、液晶パネル70の実際の階調値は目標値に到達することを示す。すなわち、差分(目標値−到達値)が0である場合には、1フレーム前の映像データの各画素の階調値がそのまま表示データの階調値として用いられる。また、オーバードライブ到達値テーブル17の値が−8であれば、目標値255に対して、液晶パネル70の実際の階調値は247(=255−8)であることを示す。また、オーバードライブ到達値テーブル17の値が+8であれば、目標値0に対して、液晶パネル70の実際の階調値は8(=0+8)であることを示す。なお、オーバードライブ到達値テーブル17の例は、図17に例示するものに限定されるものではない。
図17に示す、垂直表示周期が16.6msの場合のオーバードライブ到達値テーブル17を用いた場合、例えば、2フレーム前の任意の画素の階調値が192であり、1フレーム前の任意の画素の階調値が255であるときは、目標値と到達値との差分が−8であるから、到達値は、247(=255−8)となる。同様に、2フレーム前の任意の画素の階調値が64であり、1フレーム前の任意の画素の階調値が0であるときは、目標値と到達値との差分が+8であるから、到達値は、8(=0+8)となる。他の階調値、または垂直表示周期についても同様にして補正値を求めることができる。
なお、図17の例では、階調値が、0、64、128、192、255の値の場合を例示しているが、階調値がこれらの値と異なる場合には、例示した2の階調値で線形補間することにより、例示した階調値以外の階調値に対する差分(目標値−到達値)を算出することができる。
到達値補間部18は、垂直表示周期検出部50が出力した垂直表示周期に応じて、オーバードライブ到達値テーブル17の差分を補間し、補間した差分に基づく到達値aを出力する。なお、垂直表示周期に応じて補間する必要が無い場合には、オーバードライブ到達値テーブル17が生成する到達値を到達値aとして出力することもできる。
置換部19は、1フレーム前の映像データの各画素の階調値を、到達値補間部18で補間した到達値に置き換えることにより、1フレーム前の映像データに対応するフレームデータyを生成し、生成したフレームデータyをフレームメモリ40に記憶する。なお、置換部19は、垂直表示周期に応じて到達値を補間する必要が無い場合には、1フレーム前の映像データの各画素の階調値を、オーバードライブ到達値テーブル17が生成した到達値に置き換えることによりフレームデータyを生成することもできる。
次に、表示データの生成方法の具体例について説明する。図18は垂直表示周期が16.6msである場合の到達値を用いた表示データの生成の一例を示す説明図である。図18に示すように、入力映像データは、例えば、一のフレーム(例えば、2フレーム前の映像データx2)の横方向に並んだ画素の階調値がそれぞれ、128、192、255、192、128、64であるとする。そして、次フレーム(例えば、1フレーム前の映像データx1)でそれぞれの画素の階調値が、192、255、192、128、64、0になったとする。また、次々フレーム(例えば、現フレームの映像データ)でそれぞれの画素の階調値が、255、192、128、64、0、64になったとする。
入力映像データの画素の階調値が192(2フレーム前の値)から255(1フレーム前の値)に変化する場合、階調値255は最大値であるため、これ以上オーバードライブすることができない。そのため、映像データの画素の階調値は255であるが、液晶パネル70の実際の階調値は、255に到達せずに、例えば、247までしか上がらない。すなわち、目標値255に対して到達値は247となる。これを、オーバードライブ到達値テーブル17を用いて、液晶パネル70の実際の階調値を求める。すなわち、入力映像データの画素の階調値が192(2フレーム前の値)から255(1フレーム前の値)に変化する場合、図17から差分(目標値−到達値)は−8となる。そうすると、図18の破線部示すように、1フレーム前の画素の階調値255(目標値)に対して、到達値は247となる。置換部19は、1フレーム前の映像データの各画素の階調値を、オーバードライブ到達値テーブル17が生成した到達値に置き換えることにより前フレームデータyを生成する。
次のフレームでは、同じ画素は、入力映像データの階調値が255(1フレーム前の値)から192(現フレームの値)に変化している。この場合、2フレーム前の映像データは、上述の前フレームデータyを使用し、当該画素の階調値が、255から192に変化するのではなく、247から192に変化すると想定して、オーバードライブ補正値テーブル11を用いて補正値を求める。
例えば、図8の垂直表示周期が16.6msのオーバードライブ補正値テーブル11を参照すると、画素の階調値が、247から192に変化するときの補正値は、補間処理を行うことにより−7となる。これは、画素の階調値が192から192となる場合は、補正値が0であり、255から192に変化する場合は補正値が−8であるから、階調値が247から192に変化する場合は、−8×(247−192)/(255−192)の式により補間して求めることができる。
そして、同じ画素の現フレームの階調値192に補正値−7を加算することにより、表示データの階調値185(=192−7)を求めることができる。すなわち、図18の破線で示すように、到達値で置換しオーバードライブ補正後の表示データの2フレーム前、1フレーム前、現フレームの画素の階調値は、192、255、185と変化する。
これにより、表示データを書き込んだ場合の液晶パネル70の階調値は、192、255、185と変化する。特に、現フレームの階調値は、図15の例では、入力映像データの階調値と異なる191であったが、本実施の形態によれば入力映像データと同じ192となる。
同様に、入力映像データの画素の階調値が64(2フレーム前の値)から0(1フレーム前の値)に変化する場合、階調値0は最小値であるため、これ以上オーバードライブすることができない。そのため、映像データの画素の階調値は0であるが、液晶パネル70の実際の階調値は、0に到達せずに、例えば、8までしか下がらない。すなわち、目標値0に対して到達値は8となる。これを、オーバードライブ到達値テーブル17を用いて、液晶パネル70の実際の階調値を求める。すなわち、入力映像データの画素の階調値が64(2フレーム前の値)から0(1フレーム前の値)に変化する場合、図17から差分(目標値−到達値)は+8となる。そうすると、図18の破線部示すように、1フレーム前の画素の階調値0(目標値)に対して、到達値は8となる。置換部19は、1フレーム前の映像データの各画素の階調値を、オーバードライブ到達値テーブル17が生成した到達値に置き換えることにより前フレームデータyを生成する。
次のフレームでは、同じ画素は、入力映像データの階調値が0(1フレーム前の値)から64(現フレームの値)に変化している。この場合、2フレーム前の映像データは、上述の前フレームデータyを使用し、当該画素の階調値が、0から64に変化するのではなく、8から64に変化すると想定して、オーバードライブ補正値テーブル11を用いて補正値を求める。
例えば、図8の垂直表示周期が16.6msのオーバードライブ補正値テーブル11を参照すると、画素の階調値が、8から64に変化するときの補正値は、補間処理を行うことにより+7となる。これは、画素の階調値が64から64となる場合は、補正値が0であり、0から64に変化する場合は補正値が+8であるから、階調値が8から64に変化する場合は、+8×(64−8)/(64−0)の式により補間して求めることができる。
そして、同じ画素の現フレームの階調値64に補正値+7を加算することにより、表示データの階調値71(=64+7)を求めることができる。すなわち、図18の破線で示すように、到達値で置換しオーバードライブ補正後の表示データの2フレーム前、1フレーム前、現フレームの画素の階調値は、64、0、71と変化する。
これにより、表示データを書き込んだ場合の液晶パネル70の階調値は、64、8、64と変化する。特に、現フレームの階調値は、入力映像データと同じ64となる。
上述のように、到達値を用いることにより、液晶パネル70の実際の階調値が、目標値(例えば、階調値の最大値若しくは最小値、又は最小値若しくは最大値の近傍)に到達しない場合でも、到達値(又は目標値と到達値との差分)に基づいて補正値を生成することにより、適切に補正することができる。
図19は垂直表示周期が8.3msである場合の到達値を用いた表示データの生成の一例を示す説明図であり、図20は垂直表示周期が24.9msである場合の到達値を用いた表示データの生成の一例を示す説明図である。図19及び図20は、図18の場合と同様に表示データが生成される。図19に示すように、垂直表示周期が短くなると(16.6msから8.3ms)、到達値のずれ、すなわち目標値と到達値との差分が大きくなる。このため、垂直表示周期が短くなる場合には、図17に示すように、差分を大きくすればよい。また、図19に示すように、垂直表示周期が長くなると(16.6msから24.9ms)、到達値のずれ、すなわち目標値と到達値との差分が小さくなる。このため、垂直表示周期が長くなる場合には、図17に示すように、差分を小さくすればよい。
上述のとおり、限界値置換部としてのオーバードライブ到達値テーブル17、到達値補間部18及び置換部19は、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期に応じて、一のフレーム(例えば、2フレーム前の映像データ)及び次フレーム(例えば、1フレーム前の映像データ)それぞれの各画素の画素値に基づいて次フレームの各画素の画素値のうち、所要の画素値を液晶パネル70で表示可能な到達値(限界値)に置換する。到達値は、限界値とも称し、垂直表示周期に応じた値とする。到達値は、例えば、2フレーム前のある画素の階調値が任意の階調値であり、1フレーム前の当該画素の階調値が、例えば、所要の画素値(目標値とも称する)である最大値(例えば、階調値255)へ変化した場合、画像データの階調値は255であるにも関わらず、実際の液晶パネル70では、階調値が247までしか至らないとする。この場合、到達値は247となり、階調値255が階調値247に置き換えられる。また、垂直表示周期が短くなる場合には、到達値は247よりも小さくし(目標値とのずれを大きくする)、垂直表示周期が長くなる場合には、到達値は247よりも大きくする(目標値とのずれを小さくする)。
また、2フレーム前のある画素の階調値が任意の階調値であり、1フレーム前の当該画素の階調値が、例えば、所要の画素値(目標値とも称する)である最小値(例えば、階調値0)へ変化した場合、画像データの階調値は0であるにも関わらず、実際の液晶パネル70では、階調値が8までしか至らないとする。この場合、到達値は8となり、階調値0が階調値8に置き換えられる。また、垂直表示周期が短くなる場合には、到達値は8よりも大きく(目標値とのずれを大きくする)、垂直表示周期が長くなる場合には、到達値は8よりも小さくする(目標値とのずれを小さくする)。
オーバードライブ補正値テーブル11及び補正値補間部12は、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期に応じて、オーバードライブ到達値テーブル17、到達値補間部18及び置換部19で置換した次フレームの各画素の画素値及び次々フレーム(次フレームの次のフレーム)の各画素の画素値に基づいて次々フレームの各画素に対する補正値を生成する。例えば、次フレーム(例えば、1フレーム前の映像データ)のある画素の階調値が255であり、置換した次フレームの当該画素の階調値が247であり、次々フレーム(現フレーム)の当該画素の階調値が192である場合、オーバードライブ補正値テーブル11及び補正値補間部12は、次フレームの元の階調値255と次々フレームの階調値192との差分ではなく、次フレームの到達値で置換された場合の階調値247と次々フレームの階調値192との差分に応じて補正値を生成する。加算部13は、次々フレームの各画素の画素値に、生成された補正値を加算して次々フレームの表示データzを生成する。
上述の構成により、画像データの階調値が、目標値である、最大値若しくは最大値(例えば、255階調)の近傍(例えば、数階調程度)又は最小値若しくは最小値の近傍である場合に、オーバードライブにより液晶パネル70に書き込まれる値が目標値に達しないときでも、当該目標値を到達値に置換するとともに、垂直表示周期に応じて到達値を変化させることにより、各フレーム間の画素値の差分に対する補正の誤差を小さくすることができ、例えば、映像中の移動する物体のエッジに現れるノイズを抑制して適切な映像を表示させることができる。
また、オーバードライブ到達値テーブル17、到達値補間部18及び置換部19は、複数の所定の垂直表示周期毎に到達値に置換する。例えば、2フレーム前のある画素の階調値が192であり、1フレーム前の対応する画素の階調値が255である場合に、オーバードライブ到達値テーブル17、到達値補間部18及び置換部19は、垂直表示周期がT2(例えば、16.6msなど)のときは、階調値255を到達値247に置換する。また、オーバードライブ到達値テーブル17、到達値補間部18及び置換部19は、垂直表示周期がT1(例えば、8.3msなど)のときは、階調値255を階調値239に置換する。また、オーバードライブ到達値テーブル17、到達値補間部18及び置換部19は、垂直表示周期がT3(例えば、24.9msなど)のときは、階調値255を到達値251に置換する。
そして、限界値補間部としての到達値補間部18は、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期が、所定の垂直表示周期と異なる場合、取得した垂直表示周期及び所定の表示周期に基づいて、補間により、取得した垂直表示周期に対応する到達値aを生成する。例えば、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期が、垂直表示周期T1とT2との中間値である場合、到達値は、239と247との中間値である243に補間される。これにより、垂直表示周期が、連続的に任意の値に変動した場合でも、各フレーム間の画素値の差分に対する補正の誤差を小さくすることができ、例えば、映像中の移動する物体のエッジに現れるノイズを抑制して適切な映像を表示させることができる。
(第6実施形態)
図21は第6実施形態の表示装置100の表示データ生成部10の構成の一例を示すブロック図である。図16に示す第5実施形態との相違点は、オーバードライブ到達値テーブル17、到達値補間部18、オーバードライブ補正値テーブル11及び補正値補間部12に代えて、周期補正値テーブル16、オーバードライブ到達値テーブル20、到達値乗算部21、オーバードライブ補正値テーブル14及び乗算部15を備える点である。なお、オーバードライブ到達値テーブル20は、例えば、オーバードライブ到達値テーブル17の垂直表示周期が16.6msに対応するテーブルであり、オーバードライブ補正値テーブル14は、例えば、オーバードライブ補正値テーブル11の垂直表示周期が16.6msに対応するテーブルである。また、周期補正値テーブル16は、図14に例示したものと同様である。
オーバードライブ到達値テーブル20は、映像データの階調値(目標値)と液晶パネル70の実際の階調値(到達値)との差分を有し、映像データの階調値に対する到達値aを到達値乗算部21へ出力する。
到達値乗算部21は、周期補正値テーブル16から周期補正値nを読み出し、読み出した周期補正値nに到達値aを乗算して到達補正値bを算出し、算出した到達補正値bを置換部19へ出力する。
置換部19は、映像データの階調値を到達値に置換し、前フレームデータyを生成し、生成した前フレームデータyを2フレーム前の映像データとしてフレームメモリ40に記憶する。
オーバードライブ補正値テーブル14は、1フレーム前の映像データと2フレーム前の映像データ(すなわち、前フレームデータy)との階調値の差分を元に、当該差分を強調するような暫定補正値eを生成し、生成した暫定補正値eを乗算部15へ出力する。
乗算部15は、周期補正値テーブル16から周期補正値nを読み出し、読み出した周期補正値nに暫定補正値eを乗算して表示補正値d(補正値)を算出し、算出した表示補正値dを加算部13へ出力する。
加算部13は、1フレーム前の映像データに表示補正値dを加算して表示データzを生成し、生成した表示データzを電極駆動部30へ出力する。なお、周期補正値テーブル16、オーバードライブ補正値テーブル14、乗算部15及び加算部13は、図12に例示した第4実施形態と同様である。
図14からわかるように、垂直表示周期が、16.6msである場合、周期補正値nは、1.00である。一方、垂直表示周期が、例えば、8.3msと短くなった場合には、到達値補正値b及び表示補正値dを大きくする必要があるので、周期補正値nは、2.0とすることにより、前フレームデータと表示データを、垂直表示周期が16.6msの場合の強調の度合いよりも強くすることができる。
また、垂直表示周期が、16.6msよりも、例えば、24.9msと長くなった場合には、到達値補正値b及び表示補正値dを小さくする必要があるので、周期補正値nは、0.5とすることにより、前フレームデータと表示データを、垂直表示周期が16.6msの場合の強調の度合いよりも弱くすることができる。
(第7実施形態)
図22は第7実施形態の表示装置100の表示データ生成部10の構成の一例を示すブロック図であり、図23は到達値用の周期補正値テーブル22の一例を示す説明図である。図21に示す第6実施形態との相違点は、周期補正値テーブル16に加えて周期補正値テーブル22を備える点である。第7実施形態では、周期補正値テーブル22から到達値の周期補正値m(周期到達係数、限界係数とも称する)を読み出し、周期補正値テーブル16から表示補正値の周期補正値nを読み出す。
図23に示すように、周期補正値テーブル22は、複数の異なる垂直表示周期(図23の例では、0ms、8.3ms、16.6ms、24.9ms、33.2ms)それぞれに周期到達係数(到達値の周期補正値m)2.00、1.5、1.00、0、0が対応付けられている。すなわち、垂直表示周期が長くなるに応じて周期到達係数は小さくなる。なお、垂直表示周期及び周期到達係数の例は、図23に例示した値に限定されるものではない。
第7実施形態にあっては、垂直表示周期が、16.6msである場合、到達値の周期補正値mは、1.00であり、表示補正値の周期補正値nは、1.00である。一方、垂直表示周期が、例えば、8.3msと短くなった場合には、到達値補正値b及び表示補正値dを大きくする必要があるので、到達値の周期補正値mは、1.5であり、表示補正値の周期補正値nは、2.0とすることにより、前フレームデータと表示データを、垂直表示周期が16.6msの場合の強調の度合いよりも強くすることができる。
また、垂直表示周期が、16.6msよりも、例えば、24.9msと長くなった場合には、到達値補正値b及び表示補正値dを小さくする必要があるので、到達値の周期補正値mは、0であり、表示補正値の周期補正値nは、0.5とすることにより、前フレームデータと表示データを、垂直表示周期が16.6msの場合の強調の度合いよりも弱くすることができる。
第7実施形態にあっては、第6実施形態と比較して、垂直表示周期による到達値と表示補正値との補正を別々に行うことができるので、到達値及び表示補正値の誤差をさらに小さくすることができる。
上述のように、複数の所定の垂直表示周期に対応した到達値用の周期補正値m(限界係数、周期限界係数とも称する)を記憶する記憶部としての周期補正値テーブル22を備える。到達値用の周期補正値mは、例えば、垂直表示周期がT1(例えば、8.3msなど)、T2(例えば、16.6msなど)、T3(例えば、24.9msなど)それぞれに対応して、1.5、1.0、0などとすることができる。
限界値差分生成部としてのオーバードライブ到達値テーブル20は、複数の所定の垂直表示周期のうち一の垂直表示周期に対応して、一のフレーム及び次フレームそれぞれの各画素の画素値に基づいて次フレームの各画素の画素値のうち、所要の画素値と液晶パネル70で表示可能な到達値との差分を生成する。例えば、一の垂直表示周期を、T2(16.6ms)とし、2フレーム前のある画素の階調値が192であり、1フレーム前の対応する画素の階調値(目標値)が255であるとし、到達値を247とする。差分を目標値−限界値とすると、垂直表示周期T2の場合の、差分は+8となる。
限界値生成部としての到達値乗算部21は、オーバードライブ到達値テーブル20で生成した差分に、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期に応じた周期補正値mを乗算して到達補正値bを生成する。例えば、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期がT1(8.3ms)である場合、垂直表示周期T1に対応する周期補正値mは1.5であるから、1.5に差分+8を乗算することにより、垂直表示周期T1の差分は、+12となる。(差分=目標値−限界値)の式から、垂直表示周期T1における到達値は、239(=255−16)となる。これにより、垂直表示周期が変動した場合でも、適切な到達値を生成することができる。
また、限界係数補間部としての到達値乗算部21は、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期が複数の所定の垂直表示周期と異なる場合、補間により、取得した垂直表示周期に対応する、到達値用の周期補正値n、mを生成する。例えば、垂直表示周期検出部50で取得した垂直表示周期が、垂直表示周期T1とT2との中間値である場合、到達値用の周期補正値n、mは、1.5と1.0との中間値である1.25に補間される。
到達値乗算部21は、オーバードライブ到達値テーブル20で生成した差分に、補間により生成した到達値用の周期補正値n、mを乗算して到達補正値b(到達値)を生成する。これにより、垂直表示周期が、連続的に任意の値に変動した場合でも、適切な到達値を生成することができ、適切に液晶パネル70を駆動して入力された映像を忠実に表示することができる。
図24は表示装置100の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の説明では、便宜上、処理の主体を表示データ生成部10とする。表示データ生成部10は、各フレームの映像データを取得し(S11)、取得した各フレームの映像データをフレームメモリ40に記憶する(S12)。
表示データ生成部10は、各フレームの垂直表示周期を取得し(S13)、1フレーム前の映像データと2フレーム前の映像データとの対応する各画素の画素値(例えば、階調値)を特定する(S14)。
表示データ生成部10は、1フレーム前の映像データと2フレーム前の映像データとの対応する各画素の画素値(例えば、階調値)の差分を算出し(S15)、1フレーム前の垂直表示周期の長/短に応じて、算出した差分を小/大に補正する(S16)。差分を小に補正するとは、差分の強調度合を弱くすることであり、差分を大に補正するとは、差分の強調度合を強くすることである。
表示データ生成部10は、差分を補正した映像データを用いて表示データを生成し(S17)、映像を表示して(S18)、処理を終了する。
各実施形態の表示装置100、120は、CPU、RAMなどを備えた汎用コンピュータを用いて実現することもできる。すなわち、図24に例示する処理手順を定めたコンピュータプログラムを記録した記録媒体を、コンピュータに備えられた記録媒体読取装置で読み取ることにより、当該コンピュータプログラムをRAMにロードし、コンピュータプログラムをCPUで実行することにより、コンピュータ上で表示装置100を実現することができる。
本発明の上述の各実施形態で記載されている技術特徴は、お互いに組み合わせて新しい技術方案を形成することができる。
本実施の形態の表示装置は、複数の画素で構成されたフレーム単位の画像を所要の表示周期毎に液晶表示パネルに表示する表示装置であって、各フレームの表示周期を取得する周期取得部と、一のフレームの各画素の画素値及び該一のフレームの次の次フレームの前記各画素それぞれに対応する各画素の画素値を特定する画素値特定部と、該画素値特定部で特定した各画素値の差分に対して、前記周期取得部で取得した前記次フレームの表示周期の長/短に応じて、小/大の補正を加えて前記次フレームの画像データを生成する画像データ生成部とを備え、該画像データ生成部で生成した画像データに基づいて前記液晶表示パネルに画像を表示するようにしてあることを特徴とする。
本実施の形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに複数の画素で構成されたフレーム単位の画像を所要の表示周期毎に液晶表示パネルに表示させるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、一のフレームの各画素の画素値及び該一のフレームの次の次フレームの前記各画素それぞれに対応する各画素の画素値を特定するステップと、特定した各画素値の差分に対して、取得した前記次フレームの表示周期の長/短に応じて、小/大の補正を加えて前記次フレームの画像データを生成するステップとを実行させることを特徴とする。
本実施の形態の表示方法は、複数の画素で構成されたフレーム単位の画像を所要の表示周期毎に液晶表示パネルに表示する表示装置による表示方法であって、各フレームの表示周期を取得するステップと、一のフレームの各画素の画素値及び該一のフレームの次の次フレームの前記各画素それぞれに対応する各画素の画素値を特定するステップと、特定された各画素値の差分に対して、取得された前記次フレームの表示周期の長/短に応じて、小/大の補正を加えて前記次フレームの画像データを生成するステップと、生成された画像データに基づいて前記液晶表示パネルに画像を表示するステップとを含むことを特徴とする。
本実施の形態にあっては、周期取得部(50)は、各フレームの表示周期を取得する。表示周期は、垂直表示周期、垂直同期周期又は書込周期とも称する。周期取得部は、入力される入力映像信号に含まれる表示周期を抽出して取得する。フレームは、表示周期毎に液晶表示パネル(70)に表示する映像データの単位である。すなわち、1フレーム毎の映像データが液晶表示パネルに書き込まれることにより、フレーム単位で映像(画像)が液晶表示パネルに表示される。液晶表示パネルは、液晶パネルとも称する。
画素値特定部(10)は、一のフレーム(例えば、2フレーム前の映像データ)の各画素の画素値(例えば、階調値)と、該一のフレームの次の次フレーム(例えば、1フレーム前の映像データ)の当該各画素それぞれに対応する各画素の画素値とを特定する。例えば、2フレーム前の映像データのある画素の階調値が64であり、1フレーム前の対応する画素の階調値が128であるとすると、当該画素の階調値の差分は64(=128−64)となる。
画像データ生成部(10)は、特定した各画素値の差分に対して、取得した次フレームの表示周期の長/短に応じて、小/大の補正を加えて次フレームの画像データを生成する。画像データ生成部(10)で生成する画像データは、表示データとも称する。そして、画像データ生成部(10)で生成した画像データに基づいて液晶表示パネルに画像を表示する。例えば、表示周期をT1、T2、T3(T1<T2<T3)とする。1フレーム前の表示周期がT2である場合に、2フレーム前のある画素の階調値が64であり、1フレーム前の対応する画素の階調値が128であるとする(階調値の差分は64となる)。画像データ生成部は、表示周期がT2(例えば、16.6msなど)である場合、差分64に対して中程度の補正α2(例えば、+8など)を加えた値を表示データとして生成する。また、画像データ生成部は、表示周期がT2よりも短いT1(例えば、8.3msなど)である場合、差分64に対して補正α2より大きい補正α1(>α2、例えば、+16など)を加えた値を表示データとして生成する。また、画像データ生成部は、表示周期がT2よりも長いT3(例えば、24.9msなど)である場合、差分64に対して補正α2より小さい補正α3(<α2、例えば、+4など)を加えた値を表示データとして生成する。
上述の構成により、垂直表示周期(表示周期)が短くなると、フレーム間の各画素の差分に対して大きな補正を加える(オーバードライブ補正を強くする)ことにより、垂直表示周期が短くなることによる従来のオーバードライブ不足を補うことができ、映像がぼやけることを防止することができる。また、垂直表示周期(表示周期)が長くなると、フレーム間の各画素の差分に対して小さな補正を加える(オーバードライブ補正を弱くする)ことにより、垂直表示周期が長くなることによる従来の過剰なオーバードライブを抑制することができ、映像に不自然な影が現れることを防止することができ、垂直表示周期(書込周期)が変動する場合でも、適切に液晶パネルを駆動して入力された映像を忠実に表示することができる。
本実施の形態の表示装置は、前記液晶表示パネルの温度を検出する温度検出部を備え、前記画像データ生成部は、前記画素値特定部で特定した各画素値の差分に対して、前記温度検出部で検出した温度の高/低に応じて、小/大の補正を加えて前記次のフレームの画像データを生成するようにしてあることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、温度検出部(80)は、液晶表示パネル(70)の温度を検出する。画像データ生成部(10)は、特定した各画素値の差分に対して、温度検出部で検出した温度の高/低に応じて、小/大の補正を加えて次フレームの画像データを生成する。一般的に液晶パネルの温度が高くなると液晶パネルの応答時間は短くなり(反応しやすくなり)、温度が低くなると液晶パネルの応答時間は長くなる(反応しにくくなる)。そこで、例えば、検出した温度が高い場合には、差分に対して小さい補正を加えることにより、オーバードライブ補正を弱くする。また、検出した温度が低い場合には、差分に対して大きい補正を加えることにより、オーバードライブ補正を強くする。これにより、液晶パネルの温度が変動して液晶パネルの応答時間が変動しても、適切に液晶パネルを駆動して入力された映像を忠実に表示することができる。
本実施の形態の表示装置は、前記周期取得部で取得した表示周期に応じて、前記画素値特定部で特定した前記一のフレーム及び前記次フレームそれぞれの各画素の画素値に基づいて前記一のフレームの各画素に対する補正値を生成する補正値生成部を備え、前記画像データ生成部は、前記次フレームの各画素の画素値に前記補正値生成部で生成した補正値を加算して前記次フレームの画像データを生成するようにしてあることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、補正値生成部(11、12、14、15)は、周期取得部(50)で取得した表示周期に応じて、画素値特定部(11、14)で特定した一のフレーム(例えば、2フレーム前の映像データ)及び次フレーム(例えば、1フレーム前の映像データ)それぞれの各画素の画素値に基づいて一のフレームの各画素に対する補正値を生成する。例えば、2フレーム前のある画素の階調値が64であり、1フレーム前の対応する画素の階調値が128である場合に、補正値生成部は、補正値+8を生成する。
そして、画像データ生成部(13)は、次フレームの各画素の画素値に補正値生成部で生成した補正値を加算して次フレームの画像データを生成する。例えば、補正値が+8であり、1フレーム前の画素の階調値が128である場合、画像データ生成部(13)は、階調値が136(=128+8)の画像データ(表示データ)を生成する。これにより、仮に、階調値が128の画像データを液晶パネルに書き込んだ場合に、例えば、液晶パネルの階調値が実際には120であるときでも、オーバードライブ補正を強めることにより(例えば、階調値を+8だけ強めることにより)、液晶パネルの階調値を128(=120+8)とすることができ、1フレーム前の画素の階調値と同じ階調値とすることができる。
本実施の形態の表示装置は、前記補正値生成部は、複数の所定の表示周期毎に、前記補正値を生成するようにしてあり、前記周期取得部で取得した表示周期が前記所定の表示周期と異なる場合、前記取得した表示周期及び前記所定の表示周期に基づいて、補間により前記取得した表示周期に対応する補正値を生成するようにしてあり、前記画像データ生成部は、前記次フレームの各画素の画素値に、補間により生成した前記補正値を加算して前記次フレームの画像データを生成するようにしてあることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、補正値生成部(11、12)は、複数の所定の表示周期毎に、補正値を生成する。例えば、2フレーム前のある画素の階調値が64であり、1フレーム前の対応する画素の階調値が128である場合に、補正値生成部は、表示周期がT2(例えば、16.6msなど)のときは、補正値+8を生成する。また、補正値生成部は、表示周期がT1(例えば、8.3msなど)のときは、補正値+16を生成する。また、補正値生成部は、表示周期がT3(例えば、24.9msなど)のときは、補正値+4を生成する。そして、補正値生成部は、周期取得部(50)で取得した表示周期が所定の表示周期と異なる場合、取得した表示周期及び所定の表示周期に基づいて、補間により、取得した表示周期に対応する補正値を生成する。例えば、周期取得部で取得した表示周期が、表示周期T1とT2との中間値である場合、補正値は、+16と+8との中間値である+12に補間される。画像データ生成部(13)は、次フレームの各画素の画素値に、補間により生成された補正値を加算して次フレームの画像データを生成する。これにより、表示周期(垂直表示周期)が、連続的に任意の値に変動した場合でも、適切な画像データ(表示データ)を生成することができ、適切に液晶パネルを駆動して入力された映像を忠実に表示することができる。
本実施の形態の表示装置は、複数の所定の表示周期に対応した補正係数を記憶する記憶部を備え、前記補正値生成部は、前記複数の所定の表示周期のうち一の表示周期に対応して、前記一のフレーム及び前記次フレームそれぞれの各画素の画素値に基づいて前記次フレームの各画素に対する暫定補正値を生成するようにしてあり、さらに、生成した暫定補正値に前記周期取得部で取得した表示周期に応じた補正係数を乗算して前記補正値を生成するようにしてあることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、複数の所定の表示周期に対応した補正係数(周期補正係数とも称する)を記憶する記憶部(16)を備える。補正係数は、例えば、表示周期がT1(例えば、8.3msなど)、T2(例えば、16.6msなど)、T3(例えば、24.9msなど)それぞれに対応して、2.0、1.0、0.5などとすることができる。補正値生成部(14、15)は、当該複数の所定の表示周期のうち一の表示周期に対応して、一のフレーム(例えば、2フレーム前の映像データ)及び次フレーム(例えば、1フレーム前の映像データ)それぞれの各画素の画素値に基づいて次フレームの各画素に対する暫定補正値を生成する。一の表示周期を、例えば、T2(16.6ms)とし、2フレーム前のある画素の階調値が64であり、1フレーム前の対応する画素の階調値が128であるとし、暫定補正値を+8とする。
そして、補正値生成部(14、15)は、生成した暫定補正値に周期取得部(50)で取得した表示周期に応じた補正係数を乗算して補正値を生成する。例えば、周期取得部で取得した表示周期がT1(8.3ms)である場合、表示周期T1に対応する補正係数は2.0であるから、補正値は、暫定補正値である+8に補正係数である2.0を乗算して得られた+16となる。これにより、表示周期(垂直表示周期)が変動した場合でも、適切な画像データ(表示データ)を生成することができ、適切に液晶パネルを駆動して入力された映像を忠実に表示することができる。
本実施の形態の表示装置は、前記周期取得部で取得した表示周期が前記複数の所定の表示周期と異なる場合、補間により前記取得した表示周期に対応する補正係数を生成する補正係数補間部を備え、前記補正値生成部は、生成した前記暫定補正値に前記補正係数補間部で生成した補正係数を乗算して前記補正値を生成するようにしてあることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、補正係数補間部(10)は、周期取得部(50)で取得した表示周期が複数の所定の表示周期と異なる場合、補間により、取得した表示周期に対応する補正係数を生成する。例えば、周期取得部で取得した表示周期が、表示周期T1とT2との中間値である場合、補正係数は、2.0と1.0との中間値である1.5に補間される。補正値生成部(15)は、生成された暫定補正値に補間により生成された補正係数を乗算して補正値を生成する。これにより、表示周期(垂直表示周期)が、連続的に任意の値に変動した場合でも、適切な補正値を生成することができ、適切に液晶パネルを駆動して入力された映像を忠実に表示することができる。
本実施の形態の表示装置は、前記周期取得部で取得した表示周期に応じて、前記一のフレーム及び前記次フレームそれぞれの各画素の画素値に基づいて前記次フレームの各画素の画素値のうち、所要の画素値を前記液晶表示パネルで表示可能な限界値に置換する限界値置換部を備え、前記補正値生成部は、前記周期取得部で取得した表示周期に応じて、前記限界値置換部で置換した前記次フレームの各画素の画素値及び次々フレームの各画素の画素値に基づいて前記次々フレームの各画素に対する補正値を生成するようにしてあり、前記画像データ生成部は、前記次々フレームの各画素の画素値に前記補正値生成部で生成した補正値を加算して前記次々フレームの画像データを生成するようにしてあることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、限界値置換部(17、18、19、20、21、22)は、周期取得部(50)で取得した表示周期に応じて、一のフレーム(例えば、2フレーム前の映像データ)及び次フレーム(例えば、1フレーム前の映像データ)それぞれの各画素の画素値に基づいて次フレームの各画素の画素値のうち、所要の画素値を液晶表示パネルで表示可能な限界値に置換する。限界値は、到達値とも称し、表示周期に応じた値とする。限界値(到達値)は、例えば、2フレーム前のある画素の階調値が任意の階調値であり、1フレーム前の当該画素の階調値が、例えば、所要の画素値(目標値とも称する)である最大値(例えば、階調値255)へ変化した場合、画像データの階調値は255であるにも関わらず、実際の液晶パネルでは、階調値が247までしか至らないとする。この場合、到達値は247となり、階調値255が階調値247に置き換えられる。また、表示周期が短くなる場合には、到達値は247よりも小さくし(目標値とのずれを大きくする)、表示周期が長くなる場合には、到達値は247よりも大きくする(目標値とのずれを小さくする)。
また、2フレーム前のある画素の階調値が任意の階調値であり、1フレーム前の当該画素の階調値が、例えば、所要の画素値(目標値とも称する)である最小値(例えば、階調値0)へ変化した場合、画像データの階調値は0であるにも関わらず、実際の液晶パネルでは、階調値が8までしか至らないとする。この場合、到達値は8となり、階調値0が階調値8に置き換えられる。また、表示周期が短くなる場合には、到達値は8よりも大きく(目標値とのずれを大きくする)、表示周期が長くなる場合には、到達値は8よりも小さくする(目標値とのずれを小さくする)。
補正値生成部(11、12、14、15)は、周期取得部で取得した表示周期に応じて、限界値置換部で置換した次フレームの各画素の画素値及び次々フレーム(次フレームの次のフレーム)の各画素の画素値に基づいて次々フレームの各画素に対する補正値を生成する。例えば、次フレーム(例えば、1フレーム前の映像データ)のある画素の階調値が255であり、限界値置換部で置換した次フレームの当該画素の階調値が247であり、次々フレーム(現フレーム)の当該画素の階調値が192である場合、補正値生成部は、次フレームの元の階調値255と次々フレームの階調値192との差分ではなく、次フレームの到達値で置換された場合の階調値247と次々フレームの階調値192との差分に応じて補正値を生成する。画像データ生成部(13)は、次々フレームの各画素の画素値に補正値生成部で生成した補正値を加算して次々フレームの画像データを生成する。
上述の構成により、画像データの階調値が、目標値である、最大値若しくは最大値(例えば、255階調)の近傍(例えば、数階調程度)又は最小値若しくは最小値の近傍である場合に、オーバードライブにより液晶パネルに書き込まれる値が目標値に達しないときでも、当該目標値を到達値に置換するとともに、表示周期に応じて到達値を変化させることにより、各フレーム間の画素値の差分に対する補正の誤差を小さくすることができ、例えば、映像中の移動する物体のエッジに現れるノイズを抑制して適切な映像を表示させることができる。
本実施の形態の表示装置は、前記限界値置換部は、複数の所定の表示周期毎に、前記限界値で置換するようにしてあり、前記周期取得部で取得した表示周期が前記所定の表示周期と異なる場合、前記取得した表示周期及び前記所定の表示周期に基づいて、補間により前記取得した表示周期に対応する限界値を生成する限界値補間部を備えることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、限界値置換部(17、18、19)は、複数の所定の表示周期毎に限界値に置換する。例えば、2フレーム前のある画素の階調値が192であり、1フレーム前の対応する画素の階調値が255である場合に、限界値置換部は、表示周期がT2(例えば、16.6msなど)のときは、階調値255を限界値247に置換する。また、限界値置換部は、表示周期がT1(例えば、8.3msなど)のときは、階調値255を階調値239に置換する。また、限界値置換部は、表示周期がT3(例えば、24.9msなど)のときは、階調値255を限界値251に置換する。そして、限界値補間部(18)は、周期取得部で取得した表示周期が所定の表示周期と異なる場合、取得した表示周期及び所定の表示周期に基づいて、補間により、取得した表示周期に対応する限界値を生成する。例えば、周期取得部で取得した表示周期が、表示周期T1とT2との中間値である場合、限界値は、239と247との中間値である243に補間される。これにより、表示周期(垂直表示周期)が、連続的に任意の値に変動した場合でも、各フレーム間の画素値の差分に対する補正の誤差を小さくすることができ、例えば、映像中の移動する物体のエッジに現れるノイズを抑制して適切な映像を表示させることができる。
本実施の形態の表示装置は、複数の所定の表示周期に対応した限界係数を記憶する記憶部を備え、前記複数の所定の表示周期のうち一の表示周期に対応して、前記一のフレーム及び前記次フレームそれぞれの各画素の画素値に基づいて前記次フレームの各画素の画素値のうち、所要の画素値と前記液晶表示パネルで表示可能な限界値との差分を生成する限界値差分生成部と、該限界値差分生成部で生成した差分に前記周期取得部で取得した表示周期に応じた限界係数を乗算して前記限界値を生成する限界値生成部とを備えることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、複数の所定の表示周期に対応した限界係数(周期限界係数とも称する)を記憶する記憶部(22)を備える。限界係数は、例えば、表示周期がT1(例えば、8.3msなど)、T2(例えば、16.6msなど)、T3(例えば、24.9msなど)それぞれに対応して、1.5、1.0、0などとすることができる。限界値差分生成部(20)は、複数の所定の表示周期のうち一の表示周期に対応して、一のフレーム及び次フレームそれぞれの各画素の画素値に基づいて次フレームの各画素の画素値のうち、所要の画素値と液晶表示パネルで表示可能な限界値との差分を生成する。例えば、一の表示周期を、T2(16.6ms)とし、2フレーム前のある画素の階調値が192であり、1フレーム前の対応する画素の階調値(目標値)が255であるとし、限界値を247とする。差分を目標値−限界値とすると、表示周期T2の場合の、差分は+8となる。
限界値生成部(21)は、限界値差分生成部で生成した差分に周期取得部で取得した表示周期に応じた限界係数を乗算して限界値を生成する。例えば、周期取得部で取得した表示周期がT1(8.3ms)である場合、表示周期T1に対応する限界係数は1.5であるから、1.5に差分+8を乗算することにより、表示周期T1の差分は、+12となる。(差分=目標値−限界値)の式から、表示周期T1における限界値は、239(=255−16)となる。これにより、表示周期(垂直表示周期)が変動した場合でも、適切な限界値を生成することができる。
本実施の形態の表示装置は、前記周期取得部で取得した表示周期が前記複数の所定の表示周期と異なる場合、補間により前記取得した表示周期に対応する限界係数を生成する限界係数補間部を備え、前記限界値生成部は、前記限界値差分生成部で生成した差分に前記限界係数補間部で生成した限界係数を乗算して前記限界値を生成するようにしてあることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、限界係数補間部(21)は、周期取得部で取得した表示周期が複数の所定の表示周期と異なる場合、補間により、取得した表示周期に対応する限界係数を生成する。例えば、周期取得部で取得した表示周期が、表示周期T1とT2との中間値である場合、限界係数は、1.5と1.0との中間値である1.25に補間される。限界値生成部(21)は、限界値差分生成部(20)で生成した差分に限界係数補間部で補間により生成した限界係数を乗算して限界値を生成する。これにより、表示周期(垂直表示周期)が、連続的に任意の値に変動した場合でも、適切な限界値を生成することができ、適切に液晶パネルを駆動して入力された映像を忠実に表示することができる。