JP4656546B2 - 映像信号処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、映像信号の実フレーム間に補間フレームを内挿してフレーム数を増大させ、フレームレート(フレーム周波数)を変換する映像信号処理装置に係り、特に、逆ガンマ補正及びガンマ補正双方の処理を施してフレームレートを変換する映像信号処理装置に関する。
液晶パネルを用いた画像表示装置で動画像を表示すると残像が生じやすい。そこで、残像を低減させるため、映像信号の実フレーム間に補間フレームを内挿してフレーム数を増大させ、例えば垂直周波数60Hzのフレームレートを2倍の120Hzまたはそれ以上の垂直周波数に変換して画像表示することが行われている。フレームレート変換を行う映像信号処理装置においては、画像の動きベクトルを検出し、動きベクトルを用いて各補間画素を生成し、実フレーム間に内挿する補間フレームを生成する。
ところで、一般的に画像表示装置は、入力信号の階調レベルと表示輝度との関係が図4に示すような下に凸の非線形の特性R1を有する。そこで、放送波信号として伝送されるテレビジョン信号の映像信号や光ディスク等の記録媒体に記録された映像信号は画像表示装置が図4に示す特性R1を有することを前提として作成されており、映像信号には予め図5に示すような上に凸の非線形の特性R2である、いわゆるガンマ補正が施されている。映像信号処理装置で映像信号に対して所定の処理を行う際には、映像信号は図6に示すような線形の特性R0を有していた方が都合がよい。そこで、画像表示装置は、ガンマ補正が施された映像信号を線形な特性とするための逆ガンマ補正部と、表示部の前段で再びガンマ補正を施すためのガンマ補正部とを備える。
一例として、特許文献1には、逆ガンマ補正部とガンマ補正部とフレームレート変換回路とを備える画像表示装置が記載されている。特許文献1に記載の画像表示装置においては、フレームレート変換回路に相当する映像変調部の前段であり映像信号処理装置の入力段に逆ガンマ補正部が備えられており、映像変調部の後段であり映像信号処理装置の出力段にガンマ補正部が備えられている。
特開2007−156412号公報(図15,図22)
ガンマ補正が施された映像信号に対して逆ガンマ補正を施したデータは高いビット精度を要する。これは、ガンマ補正が施された映像信号に対して逆ガンマ補正を施すと小数点を有するデータとなり、小数点以下を表現するために高いビット精度が必要となるためである。特許文献1に記載の映像信号処理装置のように入力段で逆ガンマ補正を行うと、映像信号処理装置内の各部それぞれで高いビット精度の信号処理を行わなければならない。従って、回路規模が増大し、コストが高くなってしまう。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、高いビット精度の信号処理を行う回路部分を極力少なくすることができ、回路規模の増大を極力抑えることができる映像信号処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、入力された映像信号における複数の実フレーム内の画素データを用いて、前記複数の実フレーム間に内挿する補間フレームを構成する補間画素データを生成する際に必要な動きベクトルを検出する動きベクトル検出部(2)と、前記動きベクトルに応じて、前記補間画素データを生成するための前記複数の実フレーム内の画素データを選択して出力する画素データ選択部(311,312,321,322,331,332)と、前記画素データ選択部により選択した前記複数の実フレーム内の画素データを用いて前記補間画素データを生成する補間画素生成部(318,328,338)と、前記画素データ選択部と前記補間画素生成部との間に配置され、前記画素データ選択部より出力された画素データに対して、前記入力された映像信号に予め施されているガンマ特性を補正するための逆ガンマ補正を施す逆ガンマ補正部(314,315,324,325,334,335)と、前記補間画素生成部の後段に配置され、前記補間画素生成部より出力された前記補間画素データに対してガンマ補正を施すガンマ補正部(319,329,339)とを備えることを特徴とする映像信号処理装置を提供する。
上記の構成において、前記逆ガンマ補正部と前記補間画素生成部との間に、実フレーム内の1ライン上で隣接する2つの画素間に位置する仮想的な補間画素データを生成する中間画素生成部(316,317,326,327,336,337)を備え、前記補間画素生成部は、前記仮想的な補間画素データを用いて前記補間画素データを生成するようにしてもよい。
また、前記動きベクトルを、前記複数の実フレーム内における前記補間画素データと同一の水平及び垂直位置上の画素データに対するシフト量に変換するシフト量変換部(313,323,333)を備え、前記画素データ選択部は、前記シフト量に基づいて前記複数の実フレーム内の画素データを選択して出力するようにしてもよい。
本発明の映像信号処理装置によれば、高いビット精度の信号処理を行う回路部分を極力少なくすることができる。従って、回路規模の増大を極力抑えることができ、コストを抑えることが可能となる。
本発明の映像信号処理装置の一実施形態を示すブロック図である。 図1における動きベクトル検出部2による動きベクトル検出動作の一例を示す図である。 図1におけるデータ保持・選択部311,312及びシフト量変換部313の動作を説明するための図である。 画像表示装置における入力信号の階調レベルと表示輝度との関係を示す図である。 映像信号に施されているガンマ補正の特性を示す図である。 階調レベルと出力階調との関係が線形な特性を示す図である。 図1における逆ガンマ補正部314,315で施す逆ガンマ補正の特性を示す図である。 図1における逆ガンマ補正部314,315及びガンマ補正部319による作用効果を説明するための図である。 本発明の映像信号処理装置の他の実施形態を示すブロック図である。
以下、本発明の映像信号処理装置について、添付図面を参照して説明する。図1において、60Hzのフレーム周波数を有する映像信号Sinの各画素データは、フレームメモリ1,動きベクトル検出部2,補間部31,時系列変換メモリ4に順次入力される。映像信号Sinには予め図5に示すようなガンマ補正が施されている。フレームメモリ1は入力された画素データを1フレーム遅延して出力する。入力された映像信号Sinの現在フレームをF0、フレームメモリ1より出力された現在フレームより1フレーム前のフレームをF1とする。
動きベクトル検出部2は、例えばマッチング法を用い、現在フレームF0とフレームF1の画素データを用いて、現在フレームF0とフレームF1との間に内挿する補間フレームの各補間画素データを生成するための動きベクトルを検出する。図2を用いて動きベクトル検出部2における動きベクトルの検出動作の一例について説明する。図2(A),(B)は、補間フレームFp0上の補間画素データPfp0を生成するための動きベクトルの検出動作を示している。ここでは簡略化のため、同一水平ライン上の画素データについて説明する。図2(A),(B)に示す実線の白丸は白色の画素データ、ハッチングを付した丸は黒色の画素データを示している。
図2(A)において、補間画素データPfp0と同一水平位置であるフレームF1上の画素データPf10を基準とする。そして、画素データPf10と、現在フレームF0上の画素データPf00及び画素データPf00の左右に位置する所定の範囲の複数の画素データとの差分を求める。差分が最も小さい方向を動きベクトルの方向とする。一方、図2(B)は補間画素データPfp0と同一水平位置であるフレームF0上の画素データPf00を基準とした場合を示している。画素データPf00と、フレームF1上の画素データPf10及び画素データPf10の左右に位置する所定の範囲の複数の画素データとの差分を求める。差分が最も小さい方向を動きベクトルの方向とする。
ここでは水平方向の画素データとの差分を求めることのみを示したが、実際には、基準となる画素データPf10または画素データPf00から水平方向及び垂直方向の所定の範囲の複数の画素データとの差分を求め、水平方向及び垂直方向の動きベクトルを検出する。動きベクトル検出部2は、図2(A)に示す検出方法で動きベクトルを検出してもよいし、図2(B)に示す検出方法で動きベクトルを検出してもよい。さらに、図2(A),(B)双方の検出方法で動きベクトルを検出し、いずれか一方を最終的な動きベクトルと決定したり、図2(A),(B)双方の検出方法で検出した2つの動きベクトルに基づいて最終的な動きベクトルを生成したりしてもよい。また、3フレーム以上の複数の画素データを用いて動きベクトルを検出してもよい。動きベクトル検出部2における動きベクトルの検出方法は以上説明したものに限定されず、任意である。
なお、動きベクトル検出部2に入力される画素データは図6に示すような線形な特性R0を有しておらず、図5に示すような非線形の特性R2を有しており、一対の画素データの信号レベルの差分とその一対の画素データによる実際の輝度の差分とは必ずしも一致しない。しかしながら、一対の画素データの差分の大小関係は特性R0でも特性R2でも変わらないので、動きベクトル検出部2に入力される画素データに対して逆ガンマ補正を施す必要はない。
図1に戻り、動きベクトル検出部2によって検出された動きベクトルMVは補間部31内のシフト量変換部313に入力される。補間部31は、データ保持・選択部(画素データ選択部)311,312と、シフト量変換部313と、逆ガンマ補正部314,315と、中間画素生成部316,317と、平均値化部318と、ガンマ補正部319とを備える。データ保持・選択部311は、図2(A),(B)に示す補間画素データPfp0を生成する際に必要となるフレームF0上の複数の画素データを保持している。データ保持・選択部312は、図2(A),(B)に示す補間画素データPfp0を生成する際に必要となるフレームF1上の複数の画素データを保持している。シフト量変換部313は、動きベクトル検出部2より供給された動きベクトルMVをシフト量SH0,SH1に変換して、データ保持・選択部311,312に供給する。
ここで、図3を用いてシフト量変換部313で生成するシフト量SH0,SH1について説明する。図3において、動きベクトル検出部2によって検出された動きベクトルMVが図示のようなベクトルである場合、シフト量変換部313は、フレームF1上の画素データPf10を左方向に0.5画素分だけシフトさせるためのシフト量SH1を生成し、フレームF0上の画素データPf00を右方向に0.5画素分だけシフトさせるためのシフト量SH0を生成する。図3の場合、補間画素データPfp0を生成するには、フレームF1上の二点鎖線で示す仮想的な画素データPf1p01とフレームF0上の二点鎖線で示す仮想的な画素データPf0p01とを平均すればよい。しかしながら、画素データPf1p01,Pf0p01は実際には存在していない。そこで、画素データPf10とこれの左隣の画素データPf11とを用いて補間素データPf1p01を生成し、画素データPf00とこれの右隣の画素データPf01とを用いて補間画素データPf0p01を生成すればよい。
図1において、データ保持・選択部311,312はそれぞれ、保持しておいた複数の画素データの内、入力されたシフト量SH0,SH1に応じて補間画素データPfp0を生成するのに必要な1つまたは2つの画素データを選択して出力する。図3の場合には、データ保持・選択部311は画素データPf10,Pf11を選択して出力し、データ保持・選択部312は画素データPf00,Pf01を出力する。例えば、動きベクトルMVが画素データPf11から画素データPf10へと向かうベクトルであれば、データ保持・選択部311,312はそれぞれ画素データPf11,Pf01を選択して出力すればよい。
データ保持・選択部311,312より出力された画素データは、逆ガンマ補正部314,315に入力される。逆ガンマ補正部314,315は入力された図5の特性R2を有する画素データに対して図7に示すような特性R1’の逆ガンマ補正を施す。図7の特性R1’は画像表示装置が有している図4に示す特性R1と同等または類似のものである。これにより、逆ガンマ補正部314,315より出力された画素データは、図6に示すような線形の特性R0となる。逆ガンマ補正部314,315より出力された画素データは、中間画素生成部316,317に入力される。
中間画素生成部316,317は、図3の場合のように、補間画素データPfp0を生成する際に画素データ間に位置する補間画素データを生成するためのものである。図3の例では、中間画素生成部316は補間画素データPf1p01を生成し、中間画素生成部317は補間画素データPf0p01を生成する。中間画素生成部316,317より出力された一対の補間画素データは平均値化部318に入力される。平均値化部318は入力された一対の補間画素データを平均することによって補間画素データPfp0を生成する。平均値化部318は補間画素生成部である。図3の例では、平均値化部318は補間画素データPf1p01,Pf0p01を平均して補間画素データPfp0を生成する。
図1に示す本実施形態においては、シフト量SH0,SH1が0.5画素という状態が発生するため中間画素生成部316,317が必要となる。動きベクトル検出部2における動きベクトルの検出精度を下げて、シフト量SH0,SH1を1画素単位とした場合には、中間画素生成部316,317は不要となる。従って、中間画素生成部316,317は必要に応じて設ければよい。
平均値化部318より出力された補間画素データPfp0はガンマ補正部319に入力される。ガンマ補正部319は、入力された補間画素データPfp0に対して図5に示す特性R2のガンマ補正を施して出力する。このように、補間部31は、特性R2のガンマ補正が施された映像信号Sinの画素データに対して特性R1’の逆ガンマ補正を施して一旦線形の特性R0とした状態で補間画素データPfp0を生成し、その後、特性R2のガンマ補正を施して元の状態に戻している。
時系列変換メモリ4にはフレームF0の画素データと補間部31より出力された補間画素データPfp0とが順次入力される。時系列変換メモリ4は、順次入力されるフレームF0の画素データに基づいて実フレームであるフレームF0の画像データと、順次入力される補間画素データPfp0に基づいて補間フレームである補間フレームFp0の画像データを生成する。そして、両者を120Hzで交互に出力して、120Hzのフレーム周波数を有する映像信号Soutを出力する。
図1に示す本実施形態においては、高いビット精度を要する部分は、中間画素生成部316,317と平均値化部318のみである。従って、高いビット精度の信号処理を行う回路部分が最小限となるので、回路規模の増大を極力抑えることができ、コストを抑えることが可能となる。
図8を用いて、逆ガンマ補正部314,315とガンマ補正部319とがある図1の構成の場合(図8(B))と、逆ガンマ補正部314,315とガンマ補正部319とを削除した構成の場合(図8(A))との画面上の視覚的な相違について説明する。図8(A),(B)において、F0,Fp0,F1は図2,図3と同じであり、F2はフレームF1より1フレーム過去の実フレーム、Fp1はフレームF1,F2間に内挿した補間フレームである。白の画素データを輝度100%、黒の画素データを輝度0%とし、視線が破線の矢印の方向に移動したとする。
図8(A)の場合、白の画素データと黒の画素データとで補間画素データを生成した場合、計算上の輝度は50%となるが、画像表示装置が図4に示すような特性を有しているので、実際に表示されて視認される輝度(視認輝度)は20%となる。そうすると、視線がフレームF2,F1,F0にあるときには輝度は50%で視認され、視線が補間フレームFp1,Fp0にあるときには輝度は20%で視認されて、フリッカが認識されることになる。一方、図8(B)の場合には、ガンマ補正部319の存在により計算上の輝度50%は実際に表示される場合にも視認輝度50%となる。そうすると、視線がフレームF2からフレームF0へと移動するとき輝度は全て50%で視認されるので、フリッカは認識されない。
図9は、60Hzのフレーム周波数を有する映像信号Sinを240Hzのフレーム周波数を有する映像信号Soutに変換して出力する他の実施形態を示している。図1と同一部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略する。図9において、補間部32は、データ保持・選択部321,322と、シフト量変換部323と、逆ガンマ補正部324,325と、中間画素生成部326,327と、平均値化部328と、ガンマ補正部329とを備える。補間部33は、データ保持・選択部331,332と、シフト量変換部333と、逆ガンマ補正部334,335と、中間画素生成部336,337と、平均値化部338と、ガンマ補正部339とを備える。
時系列変換メモリ40は、フレームF0の画像データと、補間部31〜33より出力された補間画素データに基づいて生成した3つの補間フレームを240Hzで順次出力して、240Hzのフレーム周波数を有する映像信号Soutを出力する。このフレームレートを4倍に変換する他の実施形態においても、高いビット精度を要する部分は、中間画素生成部316,317,326,327,336,37と平均値化部318,328,338のみである。従って、高いビット精度の信号処理を行う回路部分が最小限となるので、回路規模の増大を極力抑えることができ、コストを抑えることが可能となる。
本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
1 フレームメモリ
2 動きベクトル検出部
4,40 時系列変換メモリ
31,32,33 補間部
311,312,321,322,331,332 データ保持・選択部(画素データ選択部)
313,323,333 シフト量変換部
314,315,324,325,334,335 逆ガンマ補正部
316,317,326,327,336,337 中間画素生成部
318,328,338 平均値化部(補間画素生成部)
319,329,339 ガンマ補正部

Claims (3)

  1. 入力された映像信号における複数の実フレーム内の画素データを用いて、前記複数の実フレーム間に内挿する補間フレームを構成する補間画素データを生成する際に必要な動きベクトルを検出する動きベクトル検出部と、
    前記動きベクトルに応じて、前記補間画素データを生成するための前記複数の実フレーム内の画素データを選択して出力する画素データ選択部と、
    前記画素データ選択部により選択した前記複数の実フレーム内の画素データを用いて前記補間画素データを生成する補間画素生成部と、
    前記画素データ選択部と前記補間画素生成部との間に配置され、前記画素データ選択部より出力された画素データに対して、前記入力された映像信号に予め施されているガンマ特性を補正するための逆ガンマ補正を施す逆ガンマ補正部と、
    前記補間画素生成部の後段に配置され、前記補間画素生成部より出力された前記補間画素データに対してガンマ補正を施すガンマ補正部と
    を備えることを特徴とする映像信号処理装置。
  2. 前記逆ガンマ補正部と前記補間画素生成部との間に、実フレーム内の1ライン上で隣接する2つの画素間に位置する仮想的な補間画素データを生成する中間画素生成部を備え、
    前記補間画素生成部は、前記仮想的な補間画素データを用いて前記補間画素データを生成する
    ことを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
  3. 前記動きベクトルを、前記複数の実フレーム内における前記補間画素データと同一の水平及び垂直位置上の画素データに対するシフト量に変換するシフト量変換部を備え、
    前記画素データ選択部は、前記シフト量に基づいて前記複数の実フレーム内の画素データを選択して出力する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の映像信号処理装置。
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