JP5158982B2 - 画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は左右の視差画像等の異なる2画像を交互に液晶パネルに表示して表示を行う時分割方式の画像表示装置に関する。
液晶パネルは、薄型且つ軽量であるため、テレビ、コンピュータのディスプレイ装置、携帯情報端末の表示部等の表示装置として広く用いられている。しかし、液晶は駆動電圧を印加してから所定の透過率に到達するまでに一定の時間を要するため、変化の早い動画に対応できないという欠点がある。こうした問題を解決するため、フレーム間で階調値が変化する場合、1フレーム以内に液晶が所定の透過率に到達するよう、液晶に過電圧を印加するオーバードライブと呼ばれる駆動方法が採用されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、1フレーム前の画像データをフレームメモリに保存し、1フレーム前の画像データと現フレームの画像データとを画素毎に比較し、階調値が変化している場合はその変化量に対応する補正量を現フレームの画像データに加算する。これにより、1フレーム前よりも階調値が増加した場合は液晶パネルにおいて通常よりも高い駆動電圧が印加され、減少した場合は通常よりも低い電圧が印加される。
また、液晶パネルを用いた画像表示装置として出願人自らが出願している特許文献2の図1に示されるような、時分割方式の画像表示装置は、観察者の右眼と左眼にそれぞれ集光する2つの光源を備え、液晶表示パネルが右眼用の視差画像を表示する時にはそれに同期して右眼用の光源を点灯し、左眼用の視差画像を表示する時にはそれに同期して左眼用の光源を点灯して、左右の視差像を交互に表示して立体像を表示する構成である。この装置において、左右の視差画像の代わりに、異なる2画像を使用すれば、見る方向により異なる2つの画像を表示することができる。
特許第2616652号公報(図4) 特開2009−128878号公報(図1)
従来の時分割方式の画像表示装置において、液晶の応答速度(駆動電圧を印加してから所定の透過率に到達するまでの時間)を改善するためにオーバードライブを用いた場合には以下のような問題点を有していた。
時分割方式の画像表示装置においてフリッカを発生しない表示を行うためには、異なる2画像を、それぞれを毎秒60回以上のレートで表示することが望ましく、画像の合計で120回/秒以上のレートで画像を表示することが望ましい。このような高速の表示を行う場合には、オーバードライブを用いても液晶の温度条件や、1フレーム前の画像データと現フレームの画像データの値による液晶の応答速度の違い等に起因し、1フレームの表示時間(例えば1/120秒)の終了時点で液晶の透過率が応答しきらない応答不足や過応答する場合がある。
さらに、時分割方式の画像表示装置においては、例えば静止立体画像などのように、同一の右眼用の視差画像と左眼用の視差画像(一般化して画像ペアと呼ぶ)が交互に表示されている状態が一定時間継続する場合があり、液晶の応答不足がマイナスのオフセットとして、過応答がプラスのオフセットとしてその後の画像データに対する液晶の透過率をシフトさせる現象を生じる。
以下、液晶の透過率がシフトする現象について図1を用いて説明する。液晶パネルの表示面は対向する透明電極で液晶を挟む複数の画素から構成されており、画像データが入力された場合、それは最終的に電圧として液晶パネルのそれぞれの画素の透明電極に印加され、それぞれの画素は印加された電圧に応じて透過率が変化し、それにより画像が液晶パネルに表示される。以下液晶パネルの特定の画素に着目する。
図1において、実線101で示されるのはオーバードライブがない場合の時分割式の画像表示装置の特定の画素へ入力される画像データである。ここでは簡略化のために、透過率が特定の値となるような画像データが入力されているように表現する。つまり、時刻TからTにおいては画素に液晶の透過率がLとなるような画像データが入力されており、時刻TからTにおいては画素には液晶の透過率がLとなるような画像データが入力されており、1フレームの時間T(=T−T)ごとに画像ペアの画像データが交互に入力されているということである。
点線105で示されるのは、実線101の画像データの変化に対しオーバードライブを適用した後の特定の画素へ入力される画像データである。つまり、時刻TからTまでは画素に液晶の透過率がLとなる画像データとLとなる画像データが繰り返し入力されているが、液晶の透過率の応答が速いため、オーバードライブによる画像データの加算は行われていない。時刻Tにおいて画素の透過率がLからLとなる画像データが入力され、それにオーバードライブによる加算が行われ、L22という画像データが時刻TからTの間に画素に入力される。(L22−L)がオーバードライブによる加算となる。以下同様に時刻TからTの間はL11という画像データが画素に入力され、時刻TからTの間はL21という画像データが画素に入力される。
実線102で示されるのは画素の透過率である。時刻Tで画像データがLからLに変化したのに応じて、画素の透過率が時刻TではLであったものが変化し始め、時刻TまでにLに応答を完了している。
時刻TからTまで同一の画像ペア(左眼用の視差画像、右眼用の視差画像を図1では左眼画像、右眼画像と表現する)の画像データLとLが交互に入力され、画素の透過率がそれに応じて応答し、時刻Tで画像ペアが切り替わり(以下、シーンチェンジとも呼ぶ)、時刻T以降は画像データLとLが交互に入力され、画素の透過率がそれに応じて応答する。実線102においては、画素の透過率は画像ペアの切り替わりに対して、時間内に応答を完了している。つまり時刻Tで画像データがLからLに変化したのに応じて、画素の透過率が時刻TではLであったものが変化し始め、時刻TまでにLに応答を完了している。
しかしながら、液晶の温度条件などにより、オーバードライブの効果が強すぎて、点線104に示すように時刻Tで画像データがLからLに変化したのに応じて画素の透過率が時刻TではLであったものが変化し、時刻Tにおいて画素の透過率がLを超えて過応答する場合や、オーバードライブの効果が不足して、点線103に示すように時刻Tで画像データがLからLに変化したのに応じて画素の透過率が時刻TではLであったものが変化し、時刻Tにおいて画素の透過率がLに達しないで応答不足する場合がある。このような過応答や応答不足が画像ペアの切り替わり後などに発生した場合、以降の画像データがL、Lのような中間データであって、画素の透過率が1フレーム時間T内に丁度応答完了する、もしくは応答が間に合わない状況では、その過応答分や応答不足分が、そのまま以降の画像データに対する画素の透過率をシフトさせる現象を生じる。つまり、点線104の画素の透過率の時刻T以降の推移は、実線102の推移に対して透過率が高めにシフト(平行移動)し、点線103の画素の透過率の時刻T以降の推移は、実線102の推移に対して透過率が低めにシフト(平行移動)する。
本発明は、時分割方式の画像表示装置にオーバードライブを適用した場合に生じる液晶の透過率のシフトを解消することを特徴とする。
本発明の画像表示装置は第1の画像と第2の画像で構成される異なる2画像が入力され、それを交互に液晶パネル(表示デバイスに相当する)に表示する画像表示装置において、
液晶パネルの応答速度を改善するため液晶パネルに与える画像データを補正するオーバードライブ処理部を有し、特定の条件下において同一の画像を連続してオーバードライブ処理部に出力し液晶パネルに表示することを特徴とする画像表示装置である。
本発明の画像表示装置はさらに、入力された異なる2画像をそれぞれ保持するためのフレームメモリを有し、同一の画像とはフレームメモリに保持された異なる2画像のいずれかであることを特徴とする画像表示装置である。
本発明の画像表示装置はさらに、特定の条件下とは一定周期であることを特徴とする画像表示装置である。
本発明の画像表示装置はさらに、特定の条件下とは異なる2画像のうちの第1の画像もしくは第2の画像に変化があったことを検出した後であることを特徴とする画像表示装置である。
本発明の画像表示装置はさらに、異なる2画像のうちの第1の画像は視差を有する立体画像のうちの右眼画像であり、第2の画像は左眼画像であることを特徴とする立体画像表示装置である。
本発明の画像表示装置はさらに、異なる2画像のうちの第1の画像は表示装置前面右側の観察者用の画像であり、第2の画像は表示装置前面左側の観察者用の画像であることを特徴とするデュアルビュー画像表示装置である。
本発明の画像装置はいずれの構成においても異なる2画像を交互に液晶パネルに表示する時分割方式の画像表示装置にオーバードライブを適用した場合に生じる液晶の透過率のシフトをオーバードライブ処理部に同一の画像を連続して出力することにより解消することができる。
液晶の透過率がシフトする現象の発生原理を説明した図 本発明の画像表示装置のブロック図 同一の画像データにより液晶の透過率が収束する図 本発明の別の画像表示装置のブロック図 1フレームごとに極性反転した場合の原理を説明した図
液晶の透過率のシフトが発生した場合に、同一の画像データを連続して液晶に出力することにより透過率のシフトを解消する。
図2は、本発明の画像表示装置のブロック図である。画像表示装置200は画像信号入力部210、画像信号変換部220、オーバードライブ処理部230、光源制御部240、液晶パネル250、バックライト光源260から構成される。
画像信号入力部210には異なる2画像からなる画像ペアの画像信号が入力される。この画像ペアの画像信号のフォーマットはどのようなものでもよいが、例えば、異なる2画像を左右に並べ1枚の画像にしたフォーマット、異なる2画像を上下に並べ1枚の画像にしたフォーマット、異なる2画像をそれぞれ複数行に分割し1行ごとに第1の画像、第2の画像を繰り返して並べ1枚の画像にしたフォーマット、異なる2画像をそれぞれ複数の列に分割し1列ごとに第1の画像、第2の画像を繰り返して並べ1枚の画像にしたフォーマット、異なる2画像を時分割で最初に第1の画像、次に第2の画像というように送信するフォーマット等により送信することができ、通常一定の周期(1/60秒等)ごとに繰り返して入力される。
画像信号変換部220は画像分離部221、シーンチェンジ検出部222、出力信号切替部223、フレームメモリ225より構成される。画像信号入力部210に入力された画像信号は画像分離部221に入力される。画像分離部221では入力された画像ペアの画像信号を異なる2画像に分離する。画像信号が1枚の画像に異なる2画像が混合し入力されるフォーマットの場合は、それを分離し異なる2画像を構成し、それぞれをフレームメモリ225に蓄積する。異なる2画像が時分割で入力されるフォーマットの場合は、現在入力されている第1の画像の画像信号で構成される画像と1つ前の第2の画像の画像信号で構成される画像をそれぞれフレームメモリ225に蓄積する。
シーンチェンジ検出部222は入力された画像ペアの画像信号に変化があったかを検出し、その結果を出力信号切替部223に出力する。シーンチェンジ検出部は、フレームメモリに蓄積されている今回入力された異なる2画像と前回入力された異なる2画像を比較し、画像ペアに変化があったかを検出する。このとき、異なる2画像を構成する第1の画像と第2の画像のいずれか一方の変化を検出してもよいし、両方の変化を検出してもよい。比較に当たっては、フレームメモリにそれぞれを蓄積し、蓄積された画像の差分をとって比較してもよいし、フレームメモリに蓄積された画像の特徴量(チェックサムやハッシュ値)を計算し記憶しておき、今回画像の特徴量と前回画像の特徴量を比較してもよい。
出力信号切替部223は、フレームメモリ225に蓄積された画像ペア(それぞれを第1の画像、第2の画像)をオーバードライブ処理部230に出力する。この出力信号切替部223の出力は、必要に応じてフレームレートの変換及び解像度変換も行って出力する。画像信号入力部210に入力される画像信号は、1フレームが1/60秒というフレームレートで入力されることが通常であるが、時分割方式の画像表示装置においてフリッカを発生しない表示を行うためには、液晶パネル250は異なる2画像を、それぞれを毎秒60回以上のレートで表示することが望ましく、1フレームが1/120秒以上というフレームレートで画像を表示することができるデバイスを利用することが多い。そこで出力信号切替部223では、フレームメモリ225から第1の画像、第2の画像をそれぞれ1/120秒以上の周期で順次読み込みオーバードライブ処理部230へ出力することで、フレームレートの変換を行う。さらに画像信号入力部210は、フレームメモリ225に蓄積された画像ペアの解像度が、液晶パネル250と異なる解像度である場合には液晶パネル250の解像度となるように解像度の変換を行う。加えて、出力信号切替部223は、オーバードライブ処理部230に現在第1の画像、第2の画像のいずれを出力しているのかを示す出力画像種別信号を光源制御部240に出力する。また、出力信号切替部223は、シーンチェンジ検出部222の検出結果に応じてオーバードライブ処理部230へ出力する画像を選択するが、その部分の詳細は後述する。
オーバードライブ処理部230は、フレームメモリ231、オーバードライブ部232により構成される。オーバードライブ処理部は、入力される画像データにオーバードライブ処理を行い、液晶パネル250に出力する。入力される画像データは、フレームメモリ231に蓄積されると同時にオーバードライブ部232に入力される。オーバードライブ部232では、フレームメモリ231に蓄積された1つ前の画像データと現在の画像データを画素ごとに比較し、階調値が変化している場合はその変化量に対応する補正量を現フレームの画像データに加算し液晶パネル250に出力する。補正量は一般的に階調値が増加している場合は、より増加させる方向の補正量で、階調値が減少している場合はより減少させる方向の補正量であるが、階調値の変化量から算出したり、階調値の変化量に対する補正量テーブルを用いたりして決定する。
光源制御部240は、出力信号切替部223からの出力画像種別信号に基づいてバックライト光源260を制御し、第1の画像が液晶パネル250に出力されているときには第1の光源261を点灯させ、第2の画像が液晶パネル250に出力されているときには第2の光源262を点灯させる。第1の光源261と第2の光源262は異なる方向に光を出光する。オーバードライブ処理部230におけるオーバードライブ処理に起因して画像信号変換部220の画像出力から液晶パネル250の画像入力までに遅延時間を生じる場合には、光源制御部240で遅延時間を考慮したタイミングで第1の光源261と第2の光源262の点灯を行う。
液晶パネル250は、入力される画像データに応じて液晶を構成する各画素の透過率を変化させることで、バックライト光源260の光の透過率を制御し画像を表示する。
出力信号切替部223でシーンチェンジ検出部222の検出結果に応じてオーバードライブ処理部230へ出力する画像を選択することにより、液晶の透過率のシフトを改善する方法について、以下詳細を説明する。
出力信号切替部223は、液晶の透過率のシフトが生じたときに、オーバードライブ処理部230へ出力する画像データを通常、第1の画像と第2の画像とを繰り返し出力しているものを、第1の画像もしくは第2の画像を連続して2回以上出力することで、液晶の透過率のシフトを解消する。
図3は、同一の画像データにより液晶の透過率が収束する原理を説明するための、オーバードライブ部230に入力される画像データと液晶パネル250の画素の透過率の推移を示す図である。実線301はオーバードライブ部230へ入力される画像データであり、点線305は液晶の画素に入力されるオーバードライブ適用後の画像データである。実線302で示されるのは画素の透過率である。点線304で示されるのは透過率が高めにシフトしたときの画素の透過率であり、点線303で示されるのは透過率が低めにシフトしたときの透過率である。
時刻T30から時刻T34まで第1の画像と第2の画像(図3においては右眼画像と左眼画像と表現している)が繰り返し、画像データがLからL、LからLと繰り返し変化し、オーバードライブ部230へ入力され、オーバードライブ部で画像データに加算が行われ、画素にはL11からL21、L21からL11という画像データが入力され、画素の透過率がそれに応答している。
時刻T35においては、時刻T34で入力された第1の画像を繰り返しオーバードライブ部230へ入力している。このとき、時刻T34で入力された画像データと時刻T35で入力された画像データとが同一であるため、時刻T35の画像データにはオーバードライブによる補正量は加算されず、時刻T35からT36の間に画素に入力される画像データはLとなる。そのことにより、シフトしていた透過率はLに向かって応答開始し、応答を完了することで時刻T36以降では透過率のシフトは解消される。
図3においては1画素に着目して説明したが、それぞれの透過率が高めにシフトしている画素、低めにシフトしている画素が混在している液晶パネル全体についても同様で、同一の第1の画像データが繰り返しオーバードライブ処理部に入力されることにより、液晶パネルの画素全体の透過率のシフトが解消の方向に向かう。なお、図3では第1の画像を繰り返し入力したが、第2の画像を繰り返し入力してもよいことや、図3では繰り返し回数は2回であるが、3回以上繰り返したほうが画像シフトの解消効果が高いことは明らかである。ただし、繰り返し回数が多い場合は観察者が観察画像に違和感を生じる可能性があるため、繰り返し回数は適切に設定する必要がある。
画素の透過率のシフトはシーンチェンジの後に生じるため、出力信号切替部223は、シーンチェンジ検出部222からシーンチェンジ検出結果を受信した場合、オーバードライブ処理部230へ出力する画像データを、通常フレームメモリ225から、第1の画像、第2の画像を順次読み取り、繰り返して出力していたものを、第1の画像もしくは第2の画像を連続して2回以上フレームメモリ225から読み取り出力する。またこのとき、第1の画像と第2の画像のいずれが出力されたかは、出力画像種別として光源制御部240に出力されるため、第1の画像もしくは第2の画像が複数回出力されても、それが液晶パネルに表示されている間は第1の光源261もしくは第2の光源262の適切な光源が点灯される。
以上説明してきたように、本発明の画像表示装置においては液晶の透過率のシフトが発生した場合に、同一の画像データを連続して液晶に出力することにより透過率のシフトを解消できる。
図2の実施例では、シーンチェンジ検出部222にてシーンチェンジを検出して、第1の画像もしくは第2の画像を複数回連続してオーバードライブ処理部230へ出力する構成としていたが、シーンチェンジ検出部222によるシーンチェンジの検出を廃止し、出力信号切替部223が一定周期で第1の画像もしくは第2の画像を複数回連続してオーバードライブ処理部230へ出力する構成としてもよい。一定周期とは、例えば1秒ごとなどが考えられる。シーンチェンジ検出部がないため、装置構成を簡略化することができる。
図4は本発明の別の実施例に関する画像表示装置のブロック図である。画像表示装置400は、画像信号入力部410、画像信号変換部420、オーバードライブ処理部430、眼鏡制御部440、液晶パネル450、シャッター眼鏡460から構成される。眼鏡制御部440とシャッター眼鏡460以外は実施例1と同一であり説明を省略する。
眼鏡制御部440は、出力信号切替部423からの出力画像種別信号に基づいてシャッター眼鏡460を制御し、第1の画像が液晶パネル450に出力されているときには第1のシャッター461を透過させ、第2の画像が液晶パネル450に出力されているときには第2のシャッター462を透過させる。オーバードライブ処理部430におけるオーバードライブ処理に起因して画像信号変換部420の画像出力から液晶パネル450の画像入力までに遅延時間を生じる場合には、眼鏡制御部440で遅延時間を考慮したタイミングで第1のシャッター461と第2のシャッター462の制御を行う。
液晶パネル450には常時点灯しているバックライト(図示せず)が存在し、入力される画像データに応じて液晶を構成する各画素の透過率を変化させることで、バックライトの光の透過率を制御して画像を表示し、シャッター眼鏡を装着した観察者には右眼に第1の画像、左眼に第2の画像が観察される。
液晶の透過率のシフトが発生する理由や、同一の画像データを連続して液晶に出力することにより透過率のシフトが解消できることは実施例1と同様であり、実施例2のようにシーンチェンジ検出部422を廃止し、出力信号切替部423が一定周期で第1の画像もしくは第2の画像を複数回連続してオーバードライブ処理部430へ出力する構成としてもよい。
以上の実施例では液晶パネルを表示デバイスとして例示したが、透過型MEMSなどの他の透過型表示デバイスを用いてもよく、また、バックライト光源は透過型表示デバイスの背面から照射するものを例示したが、正面側から照射するフロントライトによる応用も可能である。第1の画像と第2の画像は、立体画像表示装置を構成する場合は右眼用の視差画像、左眼用の視差画像であり、異なる2画像を使用すれば、見る方向により異なる2つの画像を表示するデュアルビュー画像表示装置を構成できる。本発明は異なる2画像を時分割で表示する画像表示装置であれば広く応用可能であることはいうまでもない。
液晶パネルでは表示画像の焼き付きを回避する目的で画素に印加する電圧の極性を1フレームごとに反転する極性反転技術が用いられる場合がある。1フレームごとに極性を反転する技術が用いられた液晶パネルに異なる2画像を交互に表示した場合には極性反転による表示画像の焼き付き防止効果が機能しない場合がある。図5を用いてこの現象について説明する
図5(a)は1フレームごとに極性を反転する技術(以下、極性反転技術)を用いた液晶パネルによる表示画像(特定の画素の入力画像)とドライブ極性(特定の画素に印加される電圧の極性)、液晶印加電圧(実際に特定の画素に印加される電圧)の関係を示すものである。この液晶はノーマリーブラックで、表示画像としては静止画であり白画像が表示されている状態を想定している。その状態では極性反転技術によりドライブ極性は1フレームごと“+”と“−”が反転し、実際に液晶画素に印加される液晶印加電圧は“+”と“−”が交互に繰り返され直流成分がキャンセルされ表示画像の焼き付きが防止される。
図5(b)は極性反転技術を用いた液晶パネルに異なる2画像を交互に表示した場合の表示画像、ドライブ極性、液晶印加電圧の関係を示すものである。この液晶はノーマリーブラックで、異なる2画像を交互に表示することにより白画像と黒画像が交互に表示されている状態を想定している。その状態では極性反転技術によりドライブ極性は1フレームごと“+”と“−”が反転し、実際に液晶画素に印加される液晶印加電圧は奇数フレームでは白画像を表示するために“+”となるのに対し偶数フレームでは黒画像を表示するために液晶への電圧印加が不要であるため“+極性の直流成分が発生し表示画像の焼き付きが防止されない。
実施例2で示した定期的に第1の画像もしくは第2の画像を複数回連続して出力する技術を応用することで、異なる2画像を交互に表示する場合でも極性反転を有効に機能させ、表示画像の焼き付きを防止することができる。この場合は定期的に第1の画像もしくは第2の画像を偶数回連続で、オーバードライブ処理部230もしくは、液晶パネルに出力する。図5(c)は4フレームに2回一方の画像を連続して液晶パネル出力した場合の例である。定期的に一方の画像が2回表示されることにより白画像の表示が奇数フレームから偶数フレームへ、黒画像の表示が偶数フレームから奇数フレームへ入れ替わり、液晶印加電圧の直流成分がキャンセルされ表示画像の焼き付きが防止される。
実施例4では4フレームに2回一方の画像を表示させる例で説明したが、定期的に偶数回一方の画像を表示させることで第1の画像が奇数フレーム、第2の画像が偶数フレームに表示される状態から第1の画像が偶数フレーム、第2の画像が奇数フレームに表示される状態もしくはその逆に入れ替わりが発生する。それにより、液晶印加電圧の直流成分がキャンセルされ表示画像の焼き付きが防止されるという同様の効果が得られる。
異なる2画像の第1の画像と第2の画像は、立体画像表示装置を構成する場合は右眼用の視差画像、左眼用の視差画像であってもよいし、まったく異なる2画像を使用し、見る方向により異なる2つの画像を表示するデュアルビュー画像表示装置を構成してもよい。さらに一方の画像は全画面黒画像として、液晶の動画応答性能を改善するためのいわゆる黒挿入技術に利用することも可能である。異なる2画像を時分割で表示する画像表示装置であれば広く応用可能であることはいうまでもない。
200 画像表示装置
210 画像信号入力部
220 画像信号変換部
221 画像分離部
222 シーンチェンジ検出部
223 出力信号切替部
225 フレームメモリ
230 オーバードライブ処理部
231 フレームメモリ
232 オーバードライブ部
240 光源制御部
250 液晶パネル
260 バックライト光源
261 第1の光源
262 第2の光源
400 画像表示装置
410 画像信号入力部
420 画像信号変換部
421 画像分離部
422 シーンチェンジ検出部
423 出力信号切替部
424 フレームメモリ
430 オーバードライブ処理部
431 フレームメモリ
432 オーバードライブ部
440 眼鏡制御部
450 液晶パネル
460 シャッター眼鏡
461 第1のシャッター
462 第2のシャッター

Claims (5)

  1. 第1の画像と第2の画像で構成される異なる2画像が入力され、それを交互に表示デバイスに表示する画像表示装置において、
    表示デバイスの応答速度を改善するため表示デバイスに与える画像データを補正するオーバードライブ処理部を有し、異なる2画像のうちの第1の画像もしくは第2の画像に変化があったことを検出した後、同一の画像を連続してオーバードライブ処理部に出力し表示デバイスに表示することを特徴とする画像表示装置。
  2. 第1の画像と第2の画像で構成される異なる2画像が入力され、それを交互に表示デバイスに表示する画像表示装置において、
    表示デバイスの応答速度を改善するため表示デバイスに与える画像データを補正するオーバードライブ処理部を有し、一定周期で同一の画像を連続してオーバードライブ処理部に出力し表示デバイスに表示することを特徴とする画像表示装置。
  3. 画像表示装置は入力された異なる2画像をそれぞれ保持するためのフレームメモリを有し、同一の画像とはフレームメモリに保持された異なる2画像のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれか1つに記載の画像表示装置。
  4. 異なる2画像のうちの第1の画像は視差を有する立体画像のうちの右眼画像であり、第2の画像は左眼画像であることを特徴とする立体画像が表示可能な請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の画像表示装置。
  5. 異なる2画像のうちの第1の画像は表示装置前面右側の観察者用の画像であり、第2の画像は表示装置前面左側の観察者用の画像であることを特徴とするデュアルビューが可能な請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の画像表示装置。
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