以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明の通信システムをコードレス電話装置に適用した場合について説明する。
図1は、本発明に係るコードレス電話システムの全体構成図を示す機能ブロック図である。
このコードレス電話装置1は、外部の電話網(外線)と接続された親機10と、親機10と無線で通話可能な1又は複数の子機30とを備えている。ただし、図示の例では、子機30を1台としている。
親機10は、制御部11、記憶部12、回線I/F(インターフェース)部13、着信検出部14、DTMF(Dual Tone Multi Frequency)信号検出部15、DTMF信号生成部16、モデム部17、クロスポイントスイッチ部18、ハンドセット19、無線通信部21、表示部22、操作部23、およびスピーカ24を備えている。
制御部11は、親機10内の各種構成要素を統括的に制御するものである。制御部11の機能は、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの記憶部12に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することによって実現される。なお、制御部11による制御の詳細は後述する。
記憶部12は、各種データおよびプログラムを記憶するものである。記憶部12の例としては、制御部11が動作するときに必要なプログラムや、通信制御データなどの固定データを記憶する読出し専用の半導体メモリであるROM(Read Only Memory)と、通信に関するデータ、演算に使用するデータ、および演算結果などを一時的に記憶する、いわゆるワーキングメモリとしてのRAMと、各種の設定データ、留守番電話の録音データなどを記憶する書換え可能な不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ)とが挙げられる。
回線I/F部13は、外線と親機10とのインターフェースとして機能するものである。すなわち、回線I/F部13は、外線からの信号を、親機10での処理に適した形式に変換して、親機10内の各部に送信すると共に、親機10の各部からの信号を、外線での送信に適した形式に変換して、外線に送信するものである。なお、外部の電話回線の例としては、公衆交換回線網、専用回線などが挙げられる。
着信検出部14は、外線から回線I/F部13を介して受信した通信信号のうち、着信を示す信号である着信信号を検出するものである。着信検出部14は、着信信号を検出した場合、その旨を制御部11に通知する。
DTMF信号検出部15は、外線から回線I/F部13を介して受信した通信信号のうち、DTMF信号を検出するものである。DTMF信号は、0〜9の数字と、*・#・A・B・C・Dの記号とを含む16種類の文字を、低域および高域の音声周波数帯域の信号音に変換したものである。DTMF信号は、プッシュ式回線での電話番号入力など、音声回線での数字入力などで用いられる。DTMF信号検出部15は、検出したDTMF信号を元の文字に復号化して制御部11に送信する。
DTMF信号生成部16は、制御部11から受信した記号に基づいてDTMF信号を生成するものである。DTMF信号生成部16は、生成したDTMF信号を、回線I/F部13を介して外線に送信する。
モデム部17は、制御部11から受信したデジタルデータをアナログ信号に変調して回線I/F部13に送信すると共に、回線I/F部13から受信したアナログ信号をデジタルデータに復調して制御部11に送信するものである。
クロスポイントスイッチ部18は、制御部11からの指示に基づき、回線I/F部13、ハンドセット19、および無線通信部21の何れか1つから受信した音声信号を、様々な出力先に送信するように切り換えるものである。
ハンドセット19は、親機10にて通話を行うためのものであり、マイクなどの音声入力デバイスと、イヤホンなどの音声出力デバイスとを備えるものである。音声入力デバイスを介して入力された音声信号は、クロスポイントスイッチ部18に送信される一方、クロスポイントスイッチ部18から受信した音声信号は、音声出力デバイスを介して出力される。
無線通信部21は、子機30との間で無線通信を行うためのものである。すなわち、無線通信部21は、制御部11およびクロスポイントスイッチ部18から受信した信号を無線送信に適した形式に変換し、変換した無線信号を、アンテナを介して子機30に送信すると共に、子機30からアンテナを介して受信した無線信号を元の形式に変換し、変換したデータを制御部11およびクロスポイントスイッチ部18に送信するものである。具体的には、無線通信部21では、データの変復調処理が行われる。
表示部22は、制御部11から画像データを受信し、受信した画像データに基づいて表示画面に画像を表示するものである。具体的には、表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示素子と、受信した画像データに基づいて表示素子を駆動するドライバ回路とを備えている。
操作部23は、親機10の表面に設けられたダイヤルキーなどの入力デバイスをユーザが操作することにより、操作データを作成して制御部11に送信するものである。入力デバイスとしては、ボタンスイッチの他にタッチパネルなどが挙げられる。
スピーカ24は、制御部11からの電気信号を音波に変換して、各種の情報を外部に音声出力するものである。特に、スピーカ24は、外線呼出し、内線呼出しなどの報知を行うものである。
子機30は、制御部31、記憶部32、無線通信部33、イヤピース34、マイク35、操作部36、表示部37、充電制御部38、タイマー回路部39、およびスピーカ40を備えている。
制御部31は、親機10との間で相互通信を行って、子機30内の各種構成要素を統括的に制御するものである。制御部31の機能は、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの記憶部32に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することによって実現される。なお、制御部31による制御の詳細は後述する。
記憶部32は、各種データおよびプログラムを記憶するものである。記憶部32の例としては、制御部31が動作するときに必要なプログラムや、通信制御データなどの固定データを記憶する読出し専用の半導体メモリであるROM(Read Only Memory)と、通信に関するデータ、演算に使用するデータ、および演算結果などを一時的に記憶する、いわゆるワーキングメモリとしてのRAMと、各種の設定データを記憶する書換え可能な不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ)とが挙げられる。
無線通信部33は、親機10との間で無線通信を行うためのものである。すなわち、無線通信部33は、制御部31から受信した信号を無線送信に適した形式に変換し、変換した無線信号を、アンテナを介して親機10に送信すると共に、親機10からアンテナを介して受信した無線信号を元の形式に変換し、変換したデータを制御部31に送信するものである。具体的には、無線通信部33では、データの変復調処理が行われる。
スピーカ34は、例えば音を出力するためのイヤピースであり、マイク35は、例えば音を入力するためのマイクロフォンである。
操作部36は、子機30の表面に設けられたダイヤルキーなどの入力デバイスをユーザが操作することにより、操作データを作成して制御部31に送信するものである。入力デバイスとしては、ボタンスイッチの他にタッチパネルなどが挙げられる。なお、電源ボタンは、オンフック/オフフックボタンを兼ねている。
表示部37は、制御部31から画像データを受信し、受信した画像データに基づいて表示画面に画像を表示するものである。具体的には、表示部37は、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示素子と、受信した画像データに基づいて表示素子を駆動するドライバ回路とを備えている。
充電制御部38は、充電検知部38aと内蔵電池38bとを備えており、内蔵電池38bの充電制御を行っている。充電検知部38aは、充電端子381の電圧を監視している。ただし、最近では充電端子を必要とせずに無接点で充電制御できる機能を搭載したものも提供されている。そして、図示しない充電器(クレードル)に子機1を置く等してオンフックされ、充電端子381に充電器から充電電圧が印加されると、内蔵電池38bの充電を開始する。また、充電検知部38aは、上記電源ボタンとは別に、子機30のオンフック、オフフックを検出するフック検出部としての機能も備えている。
タイマー回路部39は、オフフック後の操作部36が操作されない時間を計測する無操作タイマーであり、オフフック後の一定時間(例えば、30秒等)を計測する。
スピーカ40は、制御部31からの電気信号を音波に変換して、各種の情報を外部に音声出力するものである。特に、スピーカ40は、外線呼出し、内線呼出しなどの報知を行うものである。
以上が、本発明に係るコードレス電話装置1の全体構成の説明である。
上記構成のコードレス電話装置1において、着信状態かスタンバイ状態かの判断は子機30よりも回線制御を実施している親機10の方が正確に把握している。従って、親機10と子機30とで状態に差が生じたときは、親機10から子機30に対し正しい状態を通知することで子機30の状態を補正することが可能である。
そこで、本発明では、自動的にスタンバイ状態から通話モードに移行するとき、状態を正しく把握している親機10から子機30に対して、所定時間以内のキー操作を監視する無操作タイマーを起動するか否かを指示することで、子機30の状態を親機10の状態に一致させるように制御する構成としている。以下、子機30がオフフックされたとき、親機10と子機30との通信状態が異なる場合に、親機10からの通知により子機30の通信状態を親機10の通信状態に一致させる制御の実施の形態について具体的に説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1は、親機から子機に現在の状態を通知する構成とした実施の形態である。以下、図2に示す親機と子機のそれぞれの流れを示すフローチャートを参照して、子機の通信状態を親機の通信状態に一致させる制御について説明する。
子機30は、オンフックされているスタンバイ状態において、自機が充電器から持ち上げられたか否か(オフフックされたか否か)を常に監視している(ステップS11)。そして、自機が充電器から持ち上げられてオフフックされると(ステップS11でYesと判断されると)、次に、親機10に対して、回線を捕捉して良いかどうか、すなわち通話モードに移行可能かどうかを問い合わせる(ステップS12)。これは、複数の子機が親機と無線接続されている場合において、他の子機もしくは親機が先に回線を捕捉している場合があるからである。
一方、親機10では、この問い合わせ(通話開始要求)に対し、回線捕捉可能であるか否か(すなわち、通話モードに移行可能であるか否か)を確認し(ステップS21)、回線捕捉可能であれば、通話開始OKを送信し、回線捕捉不可であれば、通話開始NOを送信する。さらに、親機10では、自機の現在の状態を子機30に送信する。なお、フロー図では、通話開始OK/NOの通知と状態の通知とを個別に行う構成として図示しているが、これらの通知は一度に行うことが可能である。
子機30では、まず、通話開始がOKかNOかを判断し(ステップS13)、通話開始NOの通知を受けた場合(ステップS13でNoと判断された場合)には、オフフック状態であっても、スタンバイ状態を維持して(ステップS14)、処理を終了する。
一方、親機10から通話開始OKの通知を受けた場合(ステップS13でYesと判断された場合)には、その時点で回線を捕捉して通話モードに移行する(ステップS15)。次に、親機10からの状態通知を受けて、親機10の状態が着信中状態であるか否かを判断する(ステップS16)。
その結果、親機10の状態が着信中状態である場合(ステップS16でYesと判断された場合)には、通話モードを継続する。
一方、親機がスタンバイ状態であった場合(ステップS16でNoと判断された場合)には、子機30はタイマー回路部39を起動して一定時間の計測を開始する(ステップS17)。
そして、一定時間の計測中に操作部36が操作されたか否か(ステップS18)、及び、無操作タイマーがタイムアップしたか否か(ステップS19)、を監視する。
その結果、一定時間の計測中に操作部36が操作された場合(ステップS18でYesと判断された場合)には、子機30からの発信操作等であると判断して、通話モードに移行する(ステップS16)。
一方、操作部36が操作されることなくタイムアップした場合(ステップS19でYesと判断された場合)には、子機30が不測の事態によって充電器から外れたと判断して、スタンバイ状態に移行する(ステップS14)。
実施の形態1によれば、親機10と子機30とで状態に差が生じた場合に、親機10の通信状態を子機30に送信することで、子機30は、親機10からの通信状態に合わせて子機30の通信状態を規定することができる。すなわち、親機10の通信状態が着信状態である場合には子機30も通話モードを維持し、親機10の通信状態がスタンバイ状態である場合には、無操作タイマーを起動して、子機30も一定時間後にスタンバイ状態に移行することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2は、親機10から無操作タイマーの開始指示情報を子機30に送る構成とした実施の形態である。以下、図3に示す親機と子機のそれぞれの流れを示すフローチャートを参照して、子機の通信状態を親機の通信状態に一致させる制御について説明する。
子機30は、オンフックされているスタンバイ状態において、自機が充電器から持ち上げられたか否か(オフフックされたか否か)を常に監視している(ステップS31)。そして、自機が充電器から持ち上げられてオフフックされると(ステップS31でYesと判断されると)、次に、親機10に対して、回線を捕捉して良いかどうか、すなわち通話モードに移行可能かどうかを問い合わせる(ステップS32)。これは、複数の子機が親機と無線接続されている場合において、他の子機もしくは親機が先に回線を捕捉している場合があるからである。
一方、親機10では、この問い合わせ(通話開始要求)に対し、回線捕捉可能であるか否か(すなわち、通話モードに移行可能であるか否か)を確認し(ステップS41)、回線捕捉可能であれば、通話開始OKを送信し、回線捕捉不可であれば、通話開始NOを送信する。次に、親機10では、自機の現在の状態が着信中であるか否かを判断し(ステップS42)、着信中でない場合(すなわち、スタンバイ状態である場合)には、子機30に対して何もせずに処理を終了する。一方、自機の現在の状態が着信中である場合(ステップS42でYesと判断された場合)には、無操作タイマーの開始指示を子機30に送信する(ステップS43)。
子機30では、まず、通話開始がOKかNOかを判断し(ステップS33)、通話開始NOの通知を受けた場合(ステップS33でNoと判断された場合)には、オフフック状態であっても、スタンバイ状態を維持して(ステップS34)、処理を終了する。
一方、親機10から通話開始OKの通知を受けた場合(ステップS33でYesと判断された場合)には、直ちに通話モードへ移行する(ステップS35)。
次に、子機30は、親機10から無操作タイマーの開始指示が送信されてきたか否かを監視する(ステップS36)。そして、親機10から無操作タイマーの開始指示が送信されてこない場合(ステップS36でNoと判断された場合)には、現状の通話モードを維持する。
一方、親機10から無操作タイマーの開始指示が送信されてきた場合(ステップS36でYesと判断された場合)には、タイマー回路部39を起動して無操作タイマーによる一定時間の計測を開始する(ステップS37)。そして、一定時間の計測中に操作部36が操作されたか否か(ステップS38)、及び、無操作タイマーがタイムアップしたか否か(ステップS39)、を監視する。
その結果、一定時間の計測中に操作部36が操作された場合(ステップS38でYesと判断された場合)には、子機30からの発信操作等であると判断して、現在の通話モードを維持する。
一方、操作部36が操作されることなくタイムアップした場合(ステップS39でYesと判断された場合)には、子機30が不測の事態によって充電器から外れたと判断して、スタンバイ状態に移行する(ステップS34)。
実施の形態2によれば、親機10が回線を切断したスタンバイ状態で、子機30が通話モードのとき(図7のタイムラグtb)に、子機30がオフフック状態になった場合には、子機30の無操作タイマーを起動する構成となっている。従って、この場合には、無操作タイマーによる一定時間の計測後に回線を切断することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3は、子機30のタイマー起動中に親機10の情報が更新されたらタイマーを停止する構成とした実施の形態である。以下、図4に示す親機と子機のそれぞれの流れを示すフローチャートを参照して、子機の通信状態を親機の通信状態に一致させる制御について説明する。
子機30は、オンフックされているスタンバイ状態において、自機が充電器から持ち上げられたか否か(オフフックされたか否か)を常に監視している(ステップS51)。そして、自機が充電器から持ち上げられてオフフックされると(ステップS51でYesと判断されると)、その時点で無操作タイマーであるタイマー回路部39を起動する(ステップS52)。そして後、親機10に対して、回線を捕捉して良いかどうか、すなわち通話モードに移行可能かどうかを問い合わせる(ステップS53)。これは、複数の子機が親機と無線接続されている場合において、他の子機もしくは親機が先に回線を捕捉している場合があるからである。
一方、親機10では、この問い合わせ(通話開始要求)に対し、回線捕捉可能であるか否か(すなわち、通話モードに移行可能であるか否か)を確認し(ステップS61)、回線捕捉可能であれば、通話開始OKを送信し、回線捕捉不可であれば、通話開始NOを送信する。次に、親機10では、自機の現在の状態が着信中であるか否かを判断し(ステップS62)、着信中でない場合(すなわち、スタンバイ状態である場合)には、子機30に対して何もせずに処理を終了する。一方、自機の現在の状態が着信中である場合(ステップS62でYesと判断された場合)には、無操作タイマーの停止指示を子機30に送信する(ステップS63)。
一方、子機30では、まず、通話開始がOKかNOかを判断し(ステップS54)、通話開始NOの通知を受けた場合(ステップS54でNoと判断された場合)には、オフフック状態であっても、スタンバイ状態を維持して(ステップS55)、処理を終了する。
一方、親機10から通話開始OKの通知を受けた場合(ステップS54でYesと判断された場合)には、直ちに通話モードへ移行する(ステップS56)。
次に、子機30は、親機10から無操作タイマーの停止指示が送信されてきたか否かを監視する(ステップS57)。そして、親機10から無操作タイマーの停止指示が送信されてきた場合(ステップS57でYesと判断された場合)には、無操作タイマーを停止する(ステップS58)。すなわち、タイマー回路部39による一定時間の計測を停止する。これにより、一定時間が経過しても回線が自動的に切断されることはなく、子機30のユーザは引き続き会話等の通信を行うことができる。
実施の形態3によれば、親機10が着信中(リング音鳴動中)で、子機30が着信状態になっていないスタンバイ状態のとき(図7のタイムラグta)に、子機30がオフフック状態になった場合には、子機30の無操作タイマーの起動を止めることができる。すなわち、この場合には、回線は切断されず、通話モードを維持することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4は、子機から現在の通信状態を送り、親機は、自機の通信状態と子機の通信状態とが不一致であれば、親機の通信状態を子機に通知する構成とした実施の形態である。以下、図5に示す親機と子機のそれぞれの流れを示すフローチャートを参照して、子機の通信状態を親機の通信状態に一致させる制御について説明する。
子機30は、オンフックされているスタンバイ状態において、自機が充電器から持ち上げられたか否か(オフフックされたか否か)を常に監視している(ステップS71)。そして、自機が充電器から持ち上げられてオフフックされると(ステップS71でYesと判断されると)、次に、自機の現状の通信状態と、回線を捕捉して良いかどうか、すなわち通話モードに移行可能かどうかの問い合わせとを、親機10に対して送信する(ステップS72)。通話モードに移行可能かどうかの問い合わせは、複数の子機が親機と無線接続されている場合において、他の子機もしくは親機が先に回線を捕捉している場合があるからである。
一方、親機10では、子機からの問い合わせに対し、回線捕捉可能であるか否か(すなわち、通話モードに移行可能であるか否か)を確認し(ステップS81)、回線捕捉可能であれば、通話開始OKを送信し、回線捕捉不可であれば、通話開始NOを送信する。
次に、親機10は、現在の自機の通信状態と、送信されてきた子機の通信状態とが一致するか否かを判断する(ステップS82)。その結果、通信状態が一致する場合には、何もせずに処理を終了する。一方、通信状態が一致しない場合(例えば、図7に示すタイムラグta中に子機がオフフックされた場合には、自機が着信状態、子機がスタンバイ状態となっている)には、ステップS82でNoと判断されるので、親機10は、現在の自機の通信状態を子機30に通知する。
一方、子機30では、まず、通話開始がOKかNOかを判断し(ステップS73)、通話開始NOの通知を受けた場合(ステップS73でNoと判断された場合)には、オフフック状態であっても、スタンバイ状態を維持して(ステップS74)、処理を終了する。
一方、親機10から通話開始OKの通知を受けた場合(ステップS73でYesと判断された場合)には、その時点で回線を捕捉して通話モードに移行する(ステップS75)。次に、親機10からの状態通知を受けて、親機10の通信状態が着信状態であるか否かを判断する(ステップS76)。
その結果、親機10の通信状態が着信状態である場合(ステップS76でYesと判断された場合)には、通話モードを継続する。
一方、親機がスタンバイ状態であった場合(ステップS76でNoと判断された場合)には、子機30はタイマー回路部39を起動して無操作タイマーによる一定時間の計測を開始する(ステップS77)。
そして、一定時間の計測中に操作部36が操作されたか否か(ステップS78)、及び、無操作タイマーがタイムアップしたか否か(ステップS79)、を監視する。
その結果、一定時間の計測中に操作部36が操作された場合(ステップS78でYesと判断された場合)には、子機30からの発信操作等であると判断して、通話モードに移行する(ステップS76)。
一方、操作部36が操作されることなくタイムアップした場合(ステップS79でYesと判断された場合)には、子機30が不測の事態によって充電器から外れたと判断して、スタンバイ状態に移行する(ステップS74)。
実施の形態4によれば、親機10の通信状態と子機30の通信状態とを比較し、親機10と子機30とで状態に差が生じている場合(図7のタイムラグta,tbの場合)には、親機10の通信状態を子機30に送信することで、子機30は、この情報を自機の通信状態を規定する命令として受け止め、親機10の通信状態に合わせて子機30の通信状態を規定する。従って親機10の通信状態が着信状態である場合には子機30も通話モードを維持し、親機10の通信状態がスタンバイ状態である場合には、無操作タイマーを起動して、子機30も一定時間後にスタンバイ状態に移行することができる。
(実施の形態5)
実施の形態5は、子機30のタイマーアップ時に親機10の通信状態を再確認する構成とした実施の形態である。以下、図6に示す親機と子機のそれぞれの流れを示すフローチャートを参照して、子機の通信状態を親機の通信状態に一致させる制御について説明する。
子機30は、オンフックされているスタンバイ状態において、自機が充電器から持ち上げられたか否か(オフフックされたか否か)を常に監視している(ステップS101)。そして、自機が充電器から持ち上げられてオフフックされると(ステップS101でYesと判断されると)、その時点で無操作タイマーであるタイマー回路部39を起動する(ステップS102)。そして後、親機10に対して、回線を捕捉して良いかどうか、すなわち通話モードに移行可能かどうかを問い合わせる(ステップS103)。これは、複数の子機が親機と無線接続されている場合において、他の子機もしくは親機が先に回線を捕捉している場合があるからである。
一方、親機10では、この問い合わせ(通話開始要求)に対し、その時点での自機の状態を保存し(ステップS201)、次に、回線捕捉可能であるか否か(すなわち、通話モードに移行可能であるか否か)を確認する(ステップS202)。その結果、回線捕捉可能であれば、通話開始OKを子機30に送信し、回線捕捉不可であれば、通話開始NOを子機30に送信する。
一方、子機30では、まず、通話開始がOKかNOかを判断し(ステップS104)、通話開始NOの通知を受けた場合(ステップS104でNoと判断された場合)には、オフフック状態であっても、スタンバイ状態を維持して(ステップS110)、処理を終了する。
一方、親機10から通話開始OKの通知を受けた場合(ステップS104でYesと判断された場合)には、直ちに通話モードへ移行する(ステップS105)。そして、一定時間の計測中に操作部36が操作されたか否か(ステップS106)、及び、無操作タイマーがタイムアップしたか否か(ステップS107)、を監視する。
その結果、一定時間の計測中に操作部36が操作された場合(ステップS106でYesと判断された場合)には、子機30からの発信操作等であると判断して、現在の通話モードを維持する(ステップS109)。
一方、操作部36が操作されることなくタイムアップした場合(ステップS107でYesと判断された場合)には、子機30は、親機10に対して、通話開始要求前の親機の状態を問い合わせる。
この問い合わせを受けた親機10は、ステップS201で保存した自機の通話開始要求の状態を子機30に送信する(ステップS203)。
子機30は、送信されてきた親機の状態に基づき、通話開始要求前の親機の状態が着信中であったか否かを確認する(ステップS108)。その結果、通話開始要求前の親機の状態が着信中であった場合(ステップS108でYesと判断された場合)には、図7に示すタイムラグta中に子機30がオフフックされたと判断できるので、そのまま通話モードを維持する(ステップS109)。これにより、一定時間が経過しても回線が自動的に切断されることはなく、子機30のユーザは引き続き会話を行うことができる。
一方、通話開始要求前の親機の状態が着信中でなかった場合(ステップS108でNoと判断された場合)には、スタンバイ状態に移行して(ステップS110)、処理を終了する。
実施の形態5によれば、子機30では、無操作タイマーのタイムアップ時に親機10に対してその時点での通信状態を要求し、親機10から送信されてきた通信状態に基づいて自機の通信状態を規定できる。従って、親機10の状態が着信状態である場合には、無操作タイマーのタイムアップであっても子機30は通話モードを維持することができ、親機10の状態がスタンバイ状態である場合には、無操作タイマーがタイムアップしているので、直ぐにスタンバイ状態に移行することができる。
なお、今回開示した実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。