JP6287623B2 - 高強度熱延鋼板とその製造方法 - Google Patents
高強度熱延鋼板とその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6287623B2 JP6287623B2 JP2014129083A JP2014129083A JP6287623B2 JP 6287623 B2 JP6287623 B2 JP 6287623B2 JP 2014129083 A JP2014129083 A JP 2014129083A JP 2014129083 A JP2014129083 A JP 2014129083A JP 6287623 B2 JP6287623 B2 JP 6287623B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel sheet
- rolled steel
- less
- strength
- strength hot
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
C :0.04〜0.06%、
Si:0.02〜0.15%、
Mn:1.6〜2.0%、
Al:0.20〜0.50%、
Nb:0.02〜0.05%、
Ti:0.10〜0.15%、
P :0.02%以下、
S :0.005%以下、
N :0.005%以下、
残部:Fe及び不可避的不純物からなり、Mn、Si、及び、Alの含有量を、それぞれ、[Mn]、[Si]、及び、[Al]としたとき、
[Mn]/([Si]+[Al」)が、3.4〜6.7であり、
組織が、ベイナイトを主とし、フェライト分率が5〜30%のフェライト・ベイナイトの複合組織である
ことを特徴とする高強度熱延鋼板。
成分組成が、質量%で、
C :0.04〜0.06%、
Si:0.02〜0.15%、
Mn:1.6〜2.0%、
Al:0.20〜0.50%、
Nb:0.02〜0.05%、
Ti:0.10〜0.15%、
P :0.02%以下、
S :0.005%以下、
N :0.005%以下、
残部:Fe及び不可避的不純物からなり、Mn、Si、及び、Alの含有量を、それぞれ、[Mn]、[Si]、及び、[Al]としたとき、
[Mn]/([Si]+[Al」)が、3.4〜6.7であり
組織が、ベイナイトを主とし、フェライト分率が5〜30%のフェライト・ベイナイトの複合組織である
ことを特徴とする。
Cは、鋼板の強度を高め、せん断加工や打抜き加工時、鋼板端面での「はがれ」(破断面割れ)の発生を抑制する元素である。また、Cは、Nb、Ti等と炭化物を形成し、強度の向上に寄与する元素である。
Siは、固溶強化で、鋼板の強度を高める元素である。0.02%未満であると、添加効果が十分に発現しないので、0.02%以上とする。好ましくは0.05%以上である。一方、0.15%を超えると、鋼板表面にSi系スケールが残存して表面性状が悪化するので、0.15%以下とする。好ましくは0.10%以下である。
Mnは、焼入れ性を高め、また、固溶強化で、鋼板の強度を高める元素である。1.6%未満では、添加効果が十分に発現しないので、1.6%以上とする。好ましくは1.7%以上である。一方、2.0%を超えると、靱性や延性が低下するので、2.0%以下とする。好ましくは1.9%以下である。
Alは、鋼板のスラグ被包性を改善する元素であり、本発明鋼板において重要な元素である。Alは、Si:0.02〜0.15%、及び、Mn:1.6〜2.0%のもとで、0.20〜0.50%添加する。
Nbは、結晶粒微細化効果を発揮して強度向上に寄与するとともに、炭化物を形成してCを固定し、穴拡げ性に有害なセメンタイトの生成を抑制する元素である。また、Nb炭化物は鋼板の強度向上に寄与する(析出強化)。0.02%未満では、添加効果が十分に発現しないので、0.02%以上とする。好ましくは0.025%以上である。
Tiは、Nbと同様に、炭化物を形成してCを固定し、穴拡げ性に有害なセメンタイトの生成を抑制する元素である。また、Ti炭化物は、鋼板の強度向上に寄与する(析出強化)。0.10%未満では、添加効果が十分に発現しないので、0.10%以上とする。好ましくは0.12%以上である。
Pは、鋼中に不可避的に存在する不純物元素である。0.02%を超えると、粒界に偏析し、靭性、穴拡げ性、溶接性等を阻害するので、0.02%以下とする。好ましくは0.015%以下である。Pは、少ないほど好ましいが、0.001%以下に低減することは、製造コストの上昇を招くので、0.001%が実用上の下限である。
Sは、鋼中に不可避的に存在する不純物元素である。0.005%を超えると、熱間圧延時に割れが生じたり、A系介在物が生成して穴拡げ性が阻害されたりするので、0.005%以下とする。好ましくは0.0035%以下である。Sは、少ないほど好ましいが、0.001%以下に低減することは、製造コストの上昇を招くので、0.001%が実用上の下限である。
Nは、鋼の精錬時に不可避的に混入する不純物であり、Ti、Nb等と結合して窒化物を形成する元素である。0.005%を超えると、窒化物が比較的高温で析出して粗大化し、穴拡げ割れの起点となるので、0.005%以下とする。好ましくは0.0035%以下である。
Mnはオーステナイト形成元素であり、SiとAlはフェライト形成元素であるので、フェライト分率5〜30%を確保するうえで、[Mn]/([Si]+[Al])は重要な指標である。
熱間圧延に先立ち、鋼中のTi炭化物及びNb炭化物を溶体化するため、スラブを十分に加熱する必要がある。スラブ加熱温度が1220℃未満であると、加熱が不十分となり、Ti炭化物及びNb炭化物が十分に容体化しない。その結果、析出強化に必要なTi及びNbが不足するため、析出強化能が低減し強度が不足する。
1220〜1260℃に加熱したスラブを粗圧延に供し、880〜950℃で仕上げ圧延を行う。これら熱間圧延自体は、通常の熱間圧延でよいが、仕上げ温度が880℃未満であると、圧下荷重が増大し圧延機の負荷が増大するうえ、鋼板の集合組織が発達し、組織異方性が増大して穴拡げ率が低下するので、仕上げ温度は880℃以上とする。好ましくは900℃以上である。
仕上げ圧延終了後3秒以内に平均冷却速度70℃/秒以上で冷却を開始し、前段冷却停止温度の660〜740℃まで冷却する。この工程を前段冷却工程という。仕上げ圧延終了後の高温域ではγ粒が粗大化し易いこと、スケールが生成し易いことから、速やかに冷却を開始することが好ましく、平均冷却速度も速い方が好ましい。よって、仕上げ圧延終了後2秒以内に冷却を開始することが好ましい。
次に、前段冷却停止温度(660〜740℃)から、平均冷却速度5℃/秒以下で3〜10秒間保持する。この工程を中間冷却工程という。この温度域で数秒間保持することにより、Ti及びにNbの炭化物によって析出強化されたフェライトが生成し、かつ、必要なフェライト分率(5〜30%)を確保することができる。この保持時間を中間冷却時間という。なお、析出強化フェライトは、主組織であるベイナイトとの硬度差の低減に寄与し、穴拡げ率を向上させるうえ、鋼板の強度確保に寄与する。
続いて、平均冷却速度20℃/秒以上で400〜550℃の温度域まで冷却し、その後、同温度域にて鋼板を巻き取る。巻き取るまでのこの工程を後段冷却工程という。巻取り温度(CT:℃)を400〜550℃としたのは、中間冷却工程にて必要なフェライト分率を確保した後、残部をベイナイト組織とし、鋼板強度を確保するためである。よって、巻取り温度までは速やかに冷却する必要がある。このときの平均冷却速度は、前段冷却工程での冷却速度ほど速い必要はないが、冷却中のフェライト生成を抑制するため20℃/秒以上とする。
表1に示す成分組成の鋼No.A〜Pの鋼を、転炉にて溶製して、連続鋳造し、その後、スラブを再加熱し、粗圧延に供し、続く仕上げ圧延で2.3〜3.6mmの板厚に圧下し、ランナウトテーブルで冷却後、巻き取り、熱延鋼板を製造した。表2に、熱延鋼板の製造条件を示す。なお、表1に示す成分組成において、残部は、Fe及び不可避的不純物である。
Claims (5)
- 成分組成が、質量%で、
C :0.04〜0.06%、
Si:0.02〜0.15%、
Mn:1.6〜2.0%、
Al:0.20〜0.50%、
Nb:0.02〜0.05%、
Ti:0.10〜0.15%、
P :0.02%以下、
S :0.005%以下、
N :0.005%以下、
残部:Fe及び不可避的不純物からなり、Mn、Si、及び、Alの含有量を、それぞれ、[Mn]、[Si]、及び、[Al]としたとき、
[Mn]/([Si]+[Al」)が、3.4〜6.7であり、
組織が、ベイナイトを主とし、フェライト分率が5〜30%のフェライト・ベイナイトの複合組織である
ことを特徴とする高強度熱延鋼板。 - 前記高強度熱延鋼板の引張強度が780MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の高強度熱延鋼板。
- JFS T 1001−1996に記載の穴拡げ試験方法で測定した前記高強度熱延鋼板の穴拡げ率が60%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高強度熱延鋼板。
- 前記高強度熱延鋼板の板厚が2〜4mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高強度熱延鋼板。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の高強度熱延鋼板の製造方法において、請求項1に記載の成分組成のスラブを、1220〜1260℃の温度域に加熱し、その後、粗圧延に供し、880〜950℃の温度域で仕上げ圧延を終了し、その後、3秒以内に、平均冷却速度70℃/秒以上で冷却を開始し、660〜740℃の温度域まで冷却し、その後、平均冷却速度5℃/秒以下で3〜10秒間保持し、その後、平均冷却速度20℃/秒以上で400〜550℃の温度域に冷却し、次いで、巻き取ることを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014129083A JP6287623B2 (ja) | 2013-06-25 | 2014-06-24 | 高強度熱延鋼板とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013132553 | 2013-06-25 | ||
JP2013132553 | 2013-06-25 | ||
JP2014129083A JP6287623B2 (ja) | 2013-06-25 | 2014-06-24 | 高強度熱延鋼板とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015028207A JP2015028207A (ja) | 2015-02-12 |
JP6287623B2 true JP6287623B2 (ja) | 2018-03-07 |
Family
ID=52492052
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014129083A Active JP6287623B2 (ja) | 2013-06-25 | 2014-06-24 | 高強度熱延鋼板とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6287623B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110656292A (zh) * | 2018-06-28 | 2020-01-07 | 上海梅山钢铁股份有限公司 | 一种抗拉强度440MPa级低屈强比高扩孔性热轧钢板 |
WO2021057899A1 (zh) * | 2019-09-27 | 2021-04-01 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种高扩孔复相钢及其制造方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114214559B (zh) * | 2021-11-18 | 2022-06-24 | 湖南华菱涟源钢铁有限公司 | 热轧钢板材料及其制造方法和制品 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1036939A (ja) * | 1996-05-24 | 1998-02-10 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱間圧延鋼材および熱延鋼板の製造方法 |
US6364968B1 (en) * | 2000-06-02 | 2002-04-02 | Kawasaki Steel Corporation | High-strength hot-rolled steel sheet having excellent stretch flangeability, and method of producing the same |
JP4205892B2 (ja) * | 2002-05-23 | 2009-01-07 | 新日本製鐵株式会社 | プレス成形性と打抜き加工性に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法 |
JP4109609B2 (ja) * | 2003-11-18 | 2008-07-02 | 新日本製鐵株式会社 | 伸びと穴拡げ性と2次加工割れ性に優れた高強度熱延鋼板 |
JP4438614B2 (ja) * | 2004-11-26 | 2010-03-24 | 住友金属工業株式会社 | 高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
JP4644075B2 (ja) * | 2005-09-02 | 2011-03-02 | 新日本製鐵株式会社 | 穴拡げ性に優れた高強度薄鋼板およびその製造方法 |
JP5037415B2 (ja) * | 2007-06-12 | 2012-09-26 | 新日本製鐵株式会社 | 穴広げ性に優れた高ヤング率鋼板及びその製造方法 |
JP2009275256A (ja) * | 2008-05-14 | 2009-11-26 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱間圧延鋼板およびその製造方法 |
JP5304435B2 (ja) * | 2008-06-16 | 2013-10-02 | 新日鐵住金株式会社 | 穴広げ性に優れた熱延鋼板及びその製造方法 |
-
2014
- 2014-06-24 JP JP2014129083A patent/JP6287623B2/ja active Active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110656292A (zh) * | 2018-06-28 | 2020-01-07 | 上海梅山钢铁股份有限公司 | 一种抗拉强度440MPa级低屈强比高扩孔性热轧钢板 |
WO2021057899A1 (zh) * | 2019-09-27 | 2021-04-01 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种高扩孔复相钢及其制造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015028207A (ja) | 2015-02-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101758003B1 (ko) | 열연 강판 | |
JP4917186B2 (ja) | 打抜き加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、およびそれらの製造方法 | |
JP5136182B2 (ja) | 切断後の特性劣化の少ない高強度鋼板及びその製造方法 | |
US10597748B2 (en) | Steel wire rod for wire drawing | |
JPWO2011093490A1 (ja) | 鋼板及び鋼板製造方法 | |
KR20140002740A (ko) | 용융 Zn-Al-Mg계 도금 강판 및 제조방법 | |
JP6383368B2 (ja) | 深絞りを適用するための冷間圧延された平鋼製品及びそれを製造するための方法 | |
JP6701954B2 (ja) | 穴拡げ性と溶接部疲労特性に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法 | |
JP2014510838A (ja) | 複合相鋼から製造される熱間圧延平鋼製品及びその製造方法 | |
JP6201571B2 (ja) | 穴拡げ性と伸びと溶接特性に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法 | |
JP2015004081A (ja) | コイル幅方向の強度ばらつきが少なく靭性に優れた高降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
JPWO2014175122A1 (ja) | H形鋼及びその製造方法 | |
JP6287623B2 (ja) | 高強度熱延鋼板とその製造方法 | |
JP2018503740A (ja) | 表面品質の優れた高強度亜鉛メッキ鋼板用熱延鋼板及びその製造方法 | |
JP2020509173A (ja) | 表面品質に優れた高炭素熱延鋼板及びその製造方法 | |
JP5929556B2 (ja) | 連続鋳造スラブの製造方法および高強度冷延鋼板の製造方法 | |
JP2018502987A (ja) | 表面品質の優れた高強度亜鉛メッキ鋼板用熱延鋼板及びその製造方法 | |
CN107109601B (zh) | 成型性优异的复合组织钢板及其制造方法 | |
JP2017057483A (ja) | H形鋼及びその製造方法 | |
JP6684905B2 (ja) | 剪断加工性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法 | |
JP3549483B2 (ja) | 加工性に優れたハイドロフォーム成形用鋼管および製造方法 | |
JP6213098B2 (ja) | 疲労特性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
KR102020387B1 (ko) | 표면품질이 우수한 고탄소 열연강판 및 이의 제조방법 | |
JP2023504150A (ja) | 耐久性に優れた厚物複合組織鋼及びその製造方法 | |
KR101746994B1 (ko) | 굽힘성 및 용접성이 우수한 열연도금강판 및 그 제조방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170203 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20171212 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180109 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180122 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6287623 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |