JP6286381B2 - セルロースアシレートフィルム、itoフィルム、タッチパネル、及びセルロースアシレートフィルムの製造方法 - Google Patents

セルロースアシレートフィルム、itoフィルム、タッチパネル、及びセルロースアシレートフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セルロースアシレートフィルム、ITOフィルム、タッチパネル、及びセルロースアシレートフィルムの製造方法に関する。
ITO(酸化インジウムスズ)は、導電性に優れ、かつ全光線透過率が高いという性質を有するため、基板上にITOからなる層(ITO層)を積層したITOフィルムは、液晶パネルや有機ELなどのFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)向けの電極、抵抗膜方式や静電容量方式のタッチパネル、太陽電池、電子ペーパー、青色発光ダイオードの電極など様々な分野において利用されている。ITO層を形成するためのフレキシブル基板として、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムがよく用いられる。
近年、視認性向上の観点などからタッチパネル等に用いられる電極の細線化が進んでおり、ITO層からなる導電膜の低抵抗化が強く望まれている。ITO層は200℃以上の温度で加熱処理することにより抵抗値を下げることが可能であるが、PETフィルムに同温度の加熱処理を行うと大きな寸法変化が発生し、正常な電極構造を形成することができない。そのためITO層形成後の加熱処理温度が150℃までの温度領域に制限されている。
ITO層を形成するための基板として200℃以上で加熱処理を行っても熱寸法変化率が小さく、耐熱性に優れるものが強く望まれている。
高温度域での耐熱寸法安定性に優れたフィルムとしては、特許文献1に、アラミドペーパーなどの耐熱絶縁紙の両面に接着層を介して二軸配向ポリエステルフィルムが積層された耐熱性複合フィルムが開示されている。
更に、PES(ポリエーテルサルフォン)フィルムや透明PI(ポリイミド)フィルムも耐熱性に優れることが知られている。
特開2010−46898号公報
特許文献1に記載された複合フィルムは、製造工程が煩雑であることに加え、全光線透過率が低くなる。そのため高い全光線透過率が要求されるタッチパネル用ディスプレイ等の基板としては十分な特性を有していなかった。
また、PESフィルムや透明PIフィルムについても200℃以上で加熱処理を行うと、熱寸法変化率が小さいものの、全光線透過率が90%以下となり、タッチパネル用ディスプレイ等の基板として適用することが困難であった。
更に、セルロースアシレートフィルムは、PETフィルムと同様に150〜200℃での熱寸法変化率が大きいため、ITO層をセルロースアシレートフィルム上に製膜した後に、高温での加熱処理を施すことは難しい。
上記問題に鑑み、本発明の目的、すなわち本発明が解決しようとする課題は、容易に製造することができ、200℃以上の熱処理を行っても熱寸法変化率が小さく、全光線透過率が高く、かつ色味が小さいセルロースアシレートフィルム、上記セルロースアシレートフィルムとITO層とを有するITOフィルム、上記ITOフィルムを用いたタッチパネル、及び上記セルロースアシレートフィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、200℃以上の加熱処理を行っても熱寸法変化率が小さく、全光線透過率が高く、かつ色味が小さいセルロースアシレートフィルムをITOフィルムの基板として用いることを検討した。しかし従来のTAC(トリアセチルセルロース)フィルムは、PETフィルムと同様に200℃以上の加熱処理での熱寸法変化率が大きく、200℃以上の加熱処理を施すことは難しいことがわかった。
そこで、本発明者らがセルロースアシレートフィルムの200℃以上での加熱処理の寸法安定性の向上を目指して研究を行った結果、本発明のセルロースアシレートフィルムでは搬送方向(MD方向)及び幅手方向(TD方向)における200℃での加熱処理の熱寸法変化率の絶対値を0.3%以内に抑えることで、200℃以上の加熱処理を施しても、200℃での熱処理の熱寸法変化率、全光線透過率特性、色味特性を満足するフレキシルブル基板を実現することができた。
セルロースアシレートフィルムの加熱による収縮を抑制することができるメカニズムとして、高温でのセルロースアシレートフィルムの収縮は、高温により軟化したフィルムが製膜時のひずみや配向が緩和する過程で生じると考えられるため、事前にそれ以上の高温で熱処理を加えてひずみを取り除いておくことで、寸法安定性を向上させることができたと考えている。
具体的には、本発明者らは、セルロースアシレートがアセチル置換度2.70〜2.96であるTACである場合には、フィルムの作製時に特定の延伸倍率の範囲内での加熱(第一熱処理工程)を行う。
更に、上記第一熱処理工程の後、フィルムにテンションをかけない状態で特定の温度で熱処理(第二加熱処理)することにより、フィルムの200℃での加熱処理の熱寸法変化率をより低下させることができることを見出した。
一方、セルロースアシレートがアセチル置換度2.00以上2.70未満であるDAC(ジアセチルセルロース)である場合には、上記第一熱処理工程で熱処理することにより、熱寸法変化を抑えることができることを見出した。
すなわち、本発明は下記の構成の発明に関するものである。
[1]
セルロースアシレートを含有し、
搬送方向及び幅手方向における200℃での加熱処理の熱寸法変化率の絶対値が0.3%以下であり、
全光線透過率が90%以上であり、
b*値が4未満であるセルロースアシレートフィルム。
なお、上記b*値は、CIELABにおけるb*値である。
[2]
上記セルロースアシレートはアセチル置換度が2.70〜2.96のセルロースアセテートである[1]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[3]
上記セルロースアシレートはアセチル置換度が2.00以上2.70未満である、[1]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[4]
[1]〜[3]のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムと、ITO層と、を有するITOフィルム。
[5]
[4]に記載のITOフィルムを用いたタッチパネル。
[6]
セルロースアシレートを含有するセルロースアシレートフィルムに対して、
上記セルロースアシレートのガラス転移温度以上、分解温度以下であり、かつ200℃を超える温度で、長手方向及び幅手方向の延伸倍率を−10%〜+10%とし、かつ長手方向の延伸倍率と幅手方向の延伸倍率の差を0〜10%として延伸処理する第一熱処理工程を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
[7]
上記第一熱処理工程の後に、長手方向及び幅手方向にテンションをかけない状態で、200℃以上、上記第一熱処理工程の温度未満で熱処理する第二熱処理工程を有する[6]に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
本発明によれば、容易に製造することができ、搬送方向(MD方向)及び幅手方向(TD方向)における200℃での加熱処理の熱寸法変化率が小さく、全光線透過率が高く、色味が小さいセルロースアシレートフィルム、上記セルロースアシレートフィルムとITO層とを有するITOフィルム、上記ITOフィルムを用いたタッチパネル、及び上記セルロースアシレートフィルムの製造方法を提供することができる。
以下において、本発明のセルロースアシレートフィルム、ITOフィルム、タッチパネル及びセルロースアシレートフィルムの製造方法について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
《セルロースアシレートフィルム》
下記の計測方向により算出した値を本発明の200℃での熱処理の熱寸法変化率と定義する。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、搬送方向(MD方向)及び幅手方向(TD方向)における200℃での加熱処理の熱寸法変化率の絶対値が0.3%以下である。
セルロースアシレートフィルムの200℃での加熱処理の熱寸法変化率は、以下に示す方法で求めることができる。
セルロースアシレートフィルムから、フィルムの長手方向(MD方向)を長辺として切り出した長さ12cm(計測方向)、幅3cmのフィルム試料、及び幅手方向(TD方向)を長辺として切り出した長さ12cm(計測方向)、幅3cmのフィルム試料をそれぞれ用意し、上記試料に10cmの間隔でピン孔を空け、25℃、相対湿度60%の環境下に24時間放置した後、フィルム寸法L0をピンゲージで測定する。その後、このセルロースアシレートフィルムを200℃の環境下で30分間放置し、更に25℃、相対湿度60%の環境下に24時間放置して、フィルム寸法L1をピンゲージで測定する。このようにして得られたフィルム寸法L0及びL1から、下記式によりMD方向とTD方向の200℃での加熱処理の熱寸法変化率を求めることができる。
(L1−L0)/L0×100(%)
セルロースアシレートフィルムを200℃での加熱処理の熱寸法変化率の絶対値を0.3%以下とすることにより、セルロースアシレートフィルム上にITO層を積層した後に、この積層体を高温で加熱処理することができるので、低抵抗なITOフィルムを作製することができる。
セルロースアシレートフィルムの搬送方法及び幅手方向における200℃での加熱処理の熱寸法変化率の絶対値を0.25%以下とすることが好ましく、0.2%以下とすることがより好ましく、0.1%以下とすることが更に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、全光線透過率が90%以上であることが好ましく、91%以上であることがより好ましい。
なお、上記全光線透過率は、ASTM D1003に従って測定した値とする。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、色味が小さく、b*値が4未満であることが好ましい。
なお、上記b*値は、L*a*b*色空間(CIELAB)におけるb*値である。
本発明のセルロースアシレートフィルムのb*値は1未満であることが好ましく、0.5未満であることがより好ましい。なお、b*値はJIS Z8781−4:2013に従って測定した値とする。
[セルロースアシレート]
セルロースアシレートフィルムに含まれるセルロースアシレートとしては、セルロースとカルボン酸とのエステルであり、上記エステルを構成する酸としては、炭素原子数が2〜22の脂肪酸がより好ましく、炭素原子数が2〜4の低級脂肪酸がさらに好ましい。
上記セルロースアシレートは、セルロースを構成するグルコース単位の2位、3位および6位に存在するヒドロキシル基の水素原子の全部または一部が、アシル基で置換されている。上記アシル基の例としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、および、シンナモイル基が挙げられる。上記アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、ピバロイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基が好ましく、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基が最も好ましい。
セルロースアシレートは、セルロースと複数種類のカルボン酸とのエステルであってもよい。また、セルロースアシレートは、複数種類のアシル基で置換されていてもよい。
本発明のセルロースアシレートフィルムの構成要素であるセルロースアシレートは、セルロースの水酸基へのアセチル置換度が2.00〜2.96のセルロースアセテートであることが好ましい。
本発明のセルロースアシレートが炭素数3以上のアシル基を含むセルロースアシレートである場合、下記式(I)および(II)を満足することがより好ましく、
式(I): 2.00≦SA+SB≦2.96
式(II): 0<SB≦1.5
[式中、SAおよびSBは、それぞれセルロースの水酸基に置換されているアセチル基の置換度および炭素数3以上のアシル基の置換度を表す。]
下記式(Ia)および(IIa)を満足することがさらに好ましく、
式(Ia): 2.30≦SA+SB≦2.96
式(IIa): 0<SB≦0.5
下記式(Ib)および(IIb)を満足することが最も好ましい。
式(Ib): 2.35≦SA+SB≦2.96
式(IIb): 0<SB≦0.3
上記セルロースアシレートは、一般的な方法で合成することができ、例えば、特開2007−246618号公報等に記載の方法を用いることができる。
セルロースアシレートとしては、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(膜厚)
本発明のセルロースアシレートフィルムの膜厚は20μm〜180μmが好ましく、30μm〜160μmがより好ましく、40μm〜140μmがさらに好ましい。
[セルロースアシレートフィルムの作製]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレート、及び必要に応じて各種添加剤を含有するセルロースアシレート溶液から溶液流延製膜方法によって作製することができる。
また、本発明のセルロースアシレートフィルムは、200℃での加熱処理の寸熱法変化率の絶対値が0.3%以下であるが、フィルムの200℃での加熱処理の熱寸法変化率は、フィルムの製造条件により調整することができる。
〔セルロースアシレート溶液〕
(溶媒)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、例えば、セルロースアシレートや必要に応じて各種添加剤を含有するセルロースアシレート溶液を溶液流延製膜方法等によって製膜することで作製することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムの作製に用いられるセルロースアシレート溶液の主溶媒としては、上記ポリマーの良溶媒である有機溶媒を好ましく用いることができる。このような有機溶媒としては、沸点が80℃以下の有機溶媒が乾燥負荷低減の観点からより好ましい。上記有機溶媒の沸点は、10〜80℃であることがさらに好ましく、20〜60℃であることが特に好ましい。また、場合により沸点が30〜45℃である有機溶媒も上記主溶媒として好適に用いることができる。
このような主溶媒としては、ハロゲン化炭化水素、エステル、ケトン、エーテル、アルコールおよび炭化水素などが挙げられ、これらは分岐構造若しくは環状構造を有していてもよい。また、上記主溶媒は、エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールの官能基(即ち、−O−、−CO−、−COO−、−OH)のいずれかを二つ以上有していてもよい。さらに、上記エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールの炭化水素部分における水素原子は、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよい。なお、本発明のセルロースアシレートフィルムの作製に用いられるセルロースアシレート溶液の主溶媒とは、単一の溶媒からなる場合には、その溶媒のことを示し、複数の溶媒からなる場合には、構成する溶媒のうち、最も質量分率の高い溶媒のことを示す。
(溶液濃度)
調製する上記セルロースアシレート溶液中のポリマー濃度は、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がさらに好ましく、15〜30質量%が最も好ましい。
上記ポリマー濃度は、ポリマーを溶媒に溶解する段階で所定の濃度になるように調整することができる。また予め低濃度(例えば4〜20質量%)の溶液を調製した後に、溶媒を蒸発させる等によって濃縮してもよい。さらに、予め高濃度の溶液を調製後に、希釈してもよい。また、添加剤を添加することで、ポリマーの濃度を低下させることもできる。
(添加剤)
本発明のセルロースアシレートフィルムの作製に用いられる上記セルロースアシレート溶液は、各調製工程において用途に応じた各種の液体または固体の添加剤を含むことができる。
以下に添加剤の例を挙げる。
[可塑剤]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、可塑剤の少なくとも1種を加えることができる。本発明のセルロースアシレートフィルムは溶液製膜法等における製膜性と製品からの可塑剤の析出(ブリードアウト)の観点から、セルロースアシレートの合計質量に対してフィルム全体の平均として、可塑剤を1〜40質量%含有することが好ましく、5〜25質量%含有することがより好ましく、5〜15質量%含有することが特に好ましい。
可塑剤としては、セルロースアシレートに用いられる公知の可塑剤であればいずれも用いることはできるが、好ましくはリン酸エステル、ジカルボン酸とジオールからなるポリエステル化合物、糖エステル化合物(好ましくは、ピラノース環またはフラノース環にアシル基を導入した糖エステル化合物)より選択および組み合わせて用いることができる。
上記の各化合物の具体的な態様としては、特開2012−181516号公報の段落[0067]、[0033]〜[0066]の(重縮合エステル)、[0068]〜[0092]の(糖エステル化合物)のそれぞれ項の記載を参照にすることができる。
[酸化防止剤]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、酸化による解重合等の劣化を防ぐために酸化防止剤を用いることができる。使用可能な酸化防止剤としては、特開2012−181516号公報の段落[0120]に記載のフェノール系あるいはヒドロキノン系酸化防止剤やリン系酸化防止が挙げられる。酸化防止剤の添加量は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.05〜5.0質量部を添加することが好ましい。
[紫外線吸収剤]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、紫外線による偏光板又は液晶等の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。具体的な例としては特開2012−181516号公報の段落[0121]に記載の化合物が挙げられる。
これらの紫外線防止剤の添加量は、セルロースアシレートフィルム中に質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmがさらに好ましい。
[剥離促進剤]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、後述の溶液成膜時に金属製流延用支持体から剥離する際の剥離抵抗を小さくするために剥離促進剤を加えることができる。好ましい剥離促進剤としては燐酸エステル系の界面活性剤、カルボン酸あるいはカルボン酸塩系の界面活性剤、スルホン酸あるいはスルホン酸塩系の界面活性剤、硫酸エステル系の界面活性剤が効果的である。また上記界面活性剤の炭化水素鎖に結合している水素原子の一部をフッ素原子に置換したフッ素系界面活性剤も有効である。具体的な例としては特開2012−181516号公報の段落[0124]〜[0138]の(有機酸)の項に記載の化合物を参考することができる。
剥離促進剤の添加量はセルロースアシレートに対して0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%が更に好ましく、0.1〜0.5質量%が最も好ましい。
[微粒子]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、フィルムすべり性、および安定製造の観点から微粒子をさらに含んでいてもよい。これら微粒子は、無機化合物であっても、有機化合物であってもよい。
これら微粒子の好ましい例としては、具体的な例としては特開2012−177894号公報の段落[0024]〜[0027]の(マット剤微粒子)の項や、特開2012−181516号公報の段落[0122]〜[0123]の(マット剤)の項に記載の微粒子を参考することができる。
これらの微粒子は光の波長よりも小さいため、多量に添加しなければフィルムのヘイズが大きくならず、実際にLCDに使用した場合、コントラストの低下、輝点の発生等の不都合が生じにくい。また、少なすぎなければ上記のキシミ、耐擦傷性を実現することができる。これらの観点から、セルロースアシレートフィルム中、0.01〜5.0質量%の割合で含めることが好ましく、0.03〜3.0質量%の割合で含めることがより好ましく、0.05〜1.0質量%の割合で含めることが特に好ましい。
(ウェブの製膜)
本発明におけるウェブは、本発明におけるドープを用いて溶液流延製膜方法により形成することができる。溶液流延製膜方法の実施に際しては、従来の方法に従って、公知の装置を用いることができる。具体的には、溶解機(釜)で調製されたドープを、ろ過後、貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製する。ドープは30℃に保温し、ドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属製流延用支持体の上に均一に流延する(ドープ流延工程)。次いで、金属製流延用支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブ)を金属製流延用支持体から剥離し、続いて乾燥ゾーンへ搬送し、ロール群で搬送しながら乾燥を終了する。溶液流延製膜方法の流延工程、乾燥工程の詳細については、特開2005−104148号公報の120〜146頁にも記載があり、適宜本発明にも適用することができる。
本発明においては、ウェブの製膜の際に用いる金属製流延用支持体として金属バンド又金属ドラムを使用することができる。
[第一熱処理工程]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、含有されるセルロースアシレートのガラス転移温度以上、分解温度以下であり、かつ200℃を超える温度で熱処理を施す第一熱処理工程を経ることにより作製することができる。熱処理温度は205〜270℃が好ましく、205〜240℃がより好ましく、210〜230℃が最も好ましい。処理時間は15秒〜60分が好ましく、1〜30分がより好ましく、3〜10分が最も好ましい。なお、上記第一熱処理工程は、上記温度において、長手方向及び幅手方向の延伸倍率を−10%〜+10%とし、長手方向の延伸倍率と幅手方向の延伸倍率の差を0〜10%として延伸処理する工程である。
第一熱処理温度をセルロースアシレートのガラス転移温度以上、分解温度以下の範囲とすることで色味を小さくすることができる。
第一熱処理工程は溶液製膜したフィルムの湿潤状態(ウェブの状態)の乾燥工程で行っても良いし、乾燥工程を経た後の乾燥フィルムに対して行っても良いし、乾燥工程の後にロール状に巻き取った乾燥フィルムのロールを用いて別ラインで行っても良いが、残留揮発分が3.0質量%以下の状態で行うことが好ましい。また、乾燥後のフィルムをシート状に切り出し、バッチ処理を行っても良い。
具体的には、フィルムの長手方向(搬送方向)、及び幅手方向の両端を固定した状態で、長手方向及び幅手方向の延伸倍率が−10%〜+10%となると共に、長手方向の延伸倍率と幅手方向の延伸倍率の差が0〜10%となるように保持しつつ、上記特定の温度での熱処理を施す工程(第一熱処理工程)を経ることにより、本発明のセルロースアシレートフィルムを得ることができる。フィルムの固定方法は、ロールでインライン処理する場合には長手方向は熱処理工程の前後にニップロールを設けて搬送速度の差を制御することで、幅手方向はテンターで固定して所定の倍率に延伸することが好ましく、バッチ処理の場合は四辺をテンターで固定して所定の倍率に延伸することが好ましい。
なお、「延伸倍率(%)」とは、以下の式を用いて求めたものを意味する。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/延伸前の長さ
上記第一熱処理工程においては、フィルムの四辺を実質的に固定した状態で上記温度に加熱することで結晶化が進み、構造的な強度が向上するため、得られたフィルムに対して200℃での加熱処理の熱寸法変化率を0.3%以下に抑制でき、特に、使用するセルロースアシレートが置換度2.00以上2.70未満であるDACである場合には、上記第一熱処理工程を経ることにより、ひずみの緩和が進み、200℃での加熱処理の熱寸法変化を抑えることができると推定している。
[第二熱処理工程(緩和処理工程)]
使用するセルロースアシレートが、置換度2.70〜2.96のTACである場合には、第一熱処理工程の後に第二熱処理工程を設けることが好ましい。これは、フィルムにテンションをかけない状態で特定の温度で熱処理(第二加熱処理)することにより、残った歪みを取り除くことができ、フィルムの200℃での加熱処理の熱寸法変化率をより低下させることができるものと推定している。
上記第一熱処理工程の後、長手方向及び幅手方向にテンションをかけない状態で、200℃以上、上記第一熱処理工程の温度未満で熱処理する第二熱処理工程を経ることが好ましい。熱処理温度は200℃以上、第一熱処理温度−10℃以下がより好ましく、200℃以上、第一熱処理温度−20℃以下がさらに好ましい。熱処理時間は5秒〜30分が好ましく、10秒〜10分がより好ましく、30秒〜5分がさらに好ましい。なお、「テンションをかけない状態」とは、「実質的にフィルムにテンションがかかっていない状態」を意味する。即ち、第二熱処理工程において、フィルムの長手方向及び幅手方向に加えられる力は、10N/m未満が好ましく、5N/m未満がより好ましく、1N/m未満が最も好ましい。
上記第二処理工程を経ることにより、セルロースアシレートがTACである場合でも、第一熱処理工程で残存したひずみを取り除き、フィルムの200℃での加熱処理の熱寸法変化率をより低下させることができる。
具体的には、フィルムの固定方法は、ロールでインライン処理する場合には長手方向は熱処理工程の前後にニップロールを設けて搬送テンションの差を制御することで、幅手方向はテンターで固定して所定のテンションに制御することが好ましく、バッチ処理の場合は四辺をテンターで固定して所定のテンションに制御することが好ましい。
上記第一熱処理工程において、長手方向及び幅手方向の延伸倍率が−10%〜+10%となると共に、長手方向の延伸倍率と幅手方向の延伸倍率の差が0〜10%となるように保持して加熱することにより、フィルムの構造的な強度を向上させ、耐熱性を向上させることができる。延伸倍率を+10%以下にすることで熱寸法変化を小さくでき、−10%以上にすることでフィルムの平面性が優れたものとできる。長手方向及び幅手方向の延伸倍率は、−8%〜+8%とすることが好ましく、−5%〜+5%とすることがより好ましい。また、長手方向の延伸倍率と幅手方向の延伸倍率の差は、0〜8%とすることが好ましく、0〜5%とすることがより好ましい。
《ITOフィルム》
ITOフィルムとはITO層を有するフィルムを示し、本発明のITOフィルムは本発明の上記セルロースアシレートフィルムと、ITO層と、を有するものである。本発明のセルロースアシレートフィルムは、200℃以上の高温での寸法安定性が優れているので、フィルム上にITO層を形成した後に、高温での加熱処理を行うことができ、これによりITO層の導電性を高めることができる。
なお、本発明のITOフィルムは、セルロースアシレートフィルムとITO層との間には、他の層が含まれていてもよい。また、セルロースアシレートフィルム上にITO層を積層する方法としては、公知の方法を適用することができる。
《タッチパネル》
本発明のタッチパネルは、本発明のITOフィルムを用いたものであり、導電性の高いITO層と、全光線透過率が良好であるセルロースアシレートフィルムとを有しているので、優れた感度が得られると共に、明るさ及び鮮明さが良好となる。
《セルロースアシレートフィルムの製造方法》
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法は、前述したとおり、
セルロースアシレートを含有するセルロースアシレートフィルムに対して、
セルロースアシレートのガラス転移温度以上、分解温度以下であり、かつ200℃を超える温度で、長手方向及び幅手方向の延伸倍率を−10%〜+10%とし、かつ長手方向の延伸倍率と幅手方向の延伸倍率の差を0〜10%として延伸処理する第一熱処理工程を有する。
また、セルロースアシレートがアセチル置換度2.70〜2.96であるTACの場合、第一熱処理工程の後に、長手方向及び幅手方向にテンションをかけない状態で、200℃以上、第一熱処理工程の温度未満で熱処理する第二熱処理工程を有することが好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1〜17、比較例1〜17]
(ポリマー溶液の調製)
1)ポリマー
各実施例および比較例において、表1に記載されたポリマーを用いた。各ポリマーは120℃に加熱して乾燥し、含水率を0.5質量%以下とした後、15質量部を使用した。用いたポリマーがセルロースアセテートである試料については、アセチル置換度についても表1に併せて記載した。
なお、セルロースアセテートのアセチル置換度は、Carbohydr.Res.273(1995)83-91(手塚他)に記載の方法で13C−NMRにより求めた。
2)溶媒
各実施例および比較例において、ジクロロメタン/メタノール/ブタノール(82/17/1質量部)の混合溶媒を使用した。なお、溶媒の含水率は、いずれも0.2質量%以下であった。
3)添加剤
各実施例および比較例において、表1に記載された添加剤を使用した。添加量はポリマー100質量部に対して、表1に記載の量を添加した。糖エステルとしては下記化合物(1)を使用した。
化合物(1)
Figure 0006286381
エステルオリゴマーとしては、ジカルボン酸としてテレフタル酸とコハク酸を1:1、ジオールとしてエチレングリコールとプロピレングリコールを1:1のモル比率で含み、末端を酢酸で封止したものを使用した。なお、使用したエステルオリゴマーの数平均分子量Mnは1100である。
4)膨潤、溶解
各実施例および比較例において、攪拌羽根を有し外周を冷却水が循環する400リットルのステンレス製溶解タンクに、上記溶媒および添加剤を投入して撹拌、分散させながら、上記ポリマーを徐々に添加した。投入完了後、室温にて2時間撹拌し、3時間膨潤させた後に再度撹拌を実施し、ポリマー溶液を得た。
なお、攪拌には、15m/sec(剪断応力5×104kgf/m/sec2〔4.9×105N/m/sec2〕)の周速で攪拌するディゾルバータイプの偏芯攪拌軸および中心軸にアンカー翼を有して周速1m/sec(剪断応力1×104kgf/m/sec2〔9.8×104N/m/sec2〕)で攪拌する攪拌軸を用いた。膨潤は、高速攪拌軸を停止し、アンカー翼を有する攪拌軸の周速を0.5m/secとして実施した。
膨潤した溶液をタンクから、ジャケット付配管で50℃まで加熱し、さらに2MPaの加圧下で90℃まで加熱し、完全溶解した。加熱時間は15分であった。この際、高温にさらされるフィルター、ハウジング、および配管はハステロイ合金製で耐食性の優れたものを利用し保温加熱用の熱媒を流通させるジャケットを有する物を使用した。
次に36℃まで温度を下げ、ポリマー溶液を得た。
5)ろ過
得られたポリマー溶液を、絶対濾過精度10μmの濾紙(#63、東洋濾紙(株)製)で濾過し、さらに絶対濾過精度2.5μmの金属焼結フィルター(FH025、ポール社製)にて濾過した。
(フィルムの作製)
上記濾過後のポリマー溶液を30℃に加温し、流延ギーサーを通して直径3mのドラムである鏡面ステンレス支持体上に流延した。支持体の表面温度は−5℃に設定し、塗布幅は1470mmとした。流延部全体の空間温度は、15℃に設定した。そして、流延部の終点部から50cm手前で、流延して回転してきたセルロースアシレートフィルムをドラムから剥ぎ取った後、両端をピンテンターでクリップした。剥ぎ取り直後のセルロースアシレートウェブの残留溶媒量は270質量%、およびセルロースアシレートウェブの膜面温度は5℃であった。
ピンテンターで保持されたセルロースアシレートウェブは、乾燥ゾーンに搬送した。初めの乾燥では45℃の乾燥風を送風した。次に110℃で5分、さらに140℃で10分乾燥し、巻き取り直前に両端(全幅の各5%)を耳切りした後、両端に幅10mm、高さ50μmの厚みだし加工(ナーリング)をつけた後、3000mのロール状に巻き取った。
一部の試料に対しては、フィルムの長手方向(MD方向)、及び幅手方向(TD方向)の両端を固定した状態で、長手方向及び幅手方向の延伸倍率が−10%〜+10%となると共に、長手方向の延伸倍率と幅手方向の延伸倍率の差が0〜10%となるように保持しつつ、下記表1に示す温度及び時間で第一熱処理を実施した。
その後、第一熱処理工程を経た一部の試料に対して、長手方向及び幅手方向にテンションをかけない状態で、下記表1に示す温度及び時間で第二熱処理を実施した。これにより、実施例及び比較例のフィルムを作製した。
このうち、比較例9のフィルムは第一熱処理でセルロースアセテートの分解温度以上に加熱したため変色して黄色味が大きく、比較例11のフィルムは第一熱処理での収縮倍率が大きく、フィルムが大きく波打ったため、評価には供さなかった。
(分解温度)
セイコーインスツル(SII)社製示差熱熱重量同時測定装置EXSTAR TG/DTA6200を使用する。試料としてはポリマー試料を使用し、昇温速度を20℃/minとする。120℃での重量に対して0.3%重量減少した温度を熱分解温度と定義した。
(フィルムの評価)
得られた各セルロースアシレートフィルムについて、200℃での加熱処理の熱寸法変化率、全光線透過率及び色味の評価を行った。
<ガラス転移温度>
セルロースアシレートフィルム試料を示差走査型熱量計 セイコーインスツル(SII)社製示差走査熱量分析装置(6200R)を用いて、JIS K−7121に従ってガラス転移温度Tgを測定した。
<200℃での加熱処理の熱寸法変化率>
フィルム試料から、フィルムの長手方向(MD方向)を長辺として切り出した長さ12cm(計測方向)、幅3cmのフィルム試料、及び幅手方向(TD方向)を長辺として切り出した長さ12cm(計測方向)、幅3cmのフィルム試料をそれぞれ用意し、上記試料に10cmの間隔でピン孔を空け、25℃、相対湿度60%の環境下に24時間放置した後、フィルム寸法L0をピンゲージで測定した。その後、この試料を200℃の環境下で30分間放置し、更に25℃、相対湿度60%の環境下に24時間放置して、フィルム寸法L1をピンゲージで測定した。このようにして得られたフィルム寸法L0及びL1から、下記式によりMD方向とTD方向の熱寸法変化率を求めた。
(L1−L0)/L0×100(%)
<全光線透過率>
各フィルム試料に対し、ASTM D1003に従って測定した。
<色味>
各フィルム試料に対し、熱分解による色味を評価した。評価方法は、分光光度計(島津製作所製 紫外可視分光光度計UV−3150)で分光測定を行い、L*a*b*色空間におけるb*が0.5未満のものをA、0.5以上1未満をB、1以上4未満をC、4以上はDとした。Dの場合は黄色味が強く使用に適さないため、その他の評価を実施しなかった。
結果を下記表1及び表2に示す。
Figure 0006286381
Figure 0006286381
表1及び表2に示したように、実施例1〜17は、搬送方向(MD方向)及び幅手方向(TD方向)の200℃での加熱処理の熱寸法変化率が絶対値で0.3%以下であるので、耐熱性が優れ、ITOフィルムに好適なセルロースアシレートフィルムを得ることができた。また、色味が小さく、全光線透過率が92%以上であるので、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いることにより、タッチパネルに好適なフレキシブル基板を得ることができる。
さらに、実施例1〜2、4〜17は実施例3に比べて第一熱処理温度がより好適な範囲にあるため熱による色味がより小さく、実施例1、4〜6、13〜17は更に好適な範囲にあるためほとんど色味はなかった。また、実施例4〜8、10〜17は実施例9に比べて第二熱処理でのテンションがより好適な範囲にあるため200℃での加熱処理の熱寸法変化率が0.25%以下であった。

Claims (7)

  1. セルロースアシレートを含有し、
    搬送方向及び幅手方向における200℃での加熱処理の熱寸法変化率の絶対値が0.3%以下であり、
    全光線透過率が90%以上であり、
    b*値が4未満であるセルロースアシレートフィルム。
    なお、前記b*値は、CIELABにおけるb*値である。
  2. 前記セルロースアシレートはアセチル置換度が2.70〜2.96のセルロースアセテートである請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
  3. 前記セルロースアシレートはアセチル置換度が2.00以上2.70未満である、請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムと、ITO層と、を有するITOフィルム。
  5. 請求項4に記載のITOフィルムを用いたタッチパネル。
  6. セルロースアシレートを含有するセルロースアシレートフィルムに対して、
    前記セルロースアシレートのガラス転移温度以上、分解温度以下であり、かつ200℃を超える温度で、長手方向及び幅手方向の延伸倍率を−10%〜+10%とし、かつ長手方向の延伸倍率と幅手方向の延伸倍率の差を0〜10%として延伸処理する第一熱処理工程を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  7. 前記第一熱処理工程の後に、長手方向及び幅手方向にテンションをかけない状態で、200℃以上、前記第一熱処理工程の温度未満で熱処理する第二熱処理工程を有する請求項6に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
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