JP6285857B2 - 電池用正極ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、電池用正極ペーストに関する。
非水電解質電池用の正極は、正極活物質と導電剤と結着剤とを溶媒中に分散した正極ペーストを作製し、これをアルミニウム箔等の集電体に連続塗工し、乾燥炉内を通過させて溶媒を揮発除去する方法にて製造されている。この極板塗工工程のライン速度を高くすると、極板が乾燥炉内に滞留する時間が短くなるため、乾燥不足が生じる。
これを避けるために、乾燥炉内の温度や風量を上げて乾燥速度を高くする方法が考えられるが、急激な乾燥は正極合材層の密着性を低下させる、あるいは、有機溶媒を使用している場合には乾燥炉内の可燃性ガス濃度が高くなりすぎるという問題が生じる。
あるいは、乾燥炉を増設して長くすることで、乾燥炉内の滞留時間を確保する方法が考えられるが、高額な設備投資が必要になるという問題が生じる。
上記以外の方法として、正極ペースト中に占める固形物の質量比率(以降、ペースト固形分)を高くすることで、すなわち、溶媒の含有量を減らすことで、乾燥時間を短縮することが可能と考えられる。しかしながら、この場合、ペーストの粘度が増加するために、かすれが生じるなど、塗工性が低下するという問題がある。
特許文献1には、導電剤の表面にモノマーを化学結合させ、その後に加熱重合し、これを正極ペーストに用いることで、正極ペーストの分散性が改善され、正極ペーストの粘度を低減できることが示されている。しかしながら、導電剤の表面にポリマーを化学結合するためには、一般に微粉末でハンドリングが悪い導電剤に対して、数段階の化学反応のプロセスが必要となる等、煩雑であり、製造コストが高くなると考えられる。
特許文献2には、界面活性剤を添加することで、正極ペースト中の導電剤の分散性を改善できることが示されている。しかしながら、導電剤を投入する前に分散剤を加えて攪拌することが必須となっており、これにより、複数回の混練作業を行うこととなり、生産効率の低下が懸念される。
特許文献3には、比表面積の大きな導電剤を大量に含む正極ペーストの流動性を改善するために、分散剤を用いるとの記載がある。しかしながら、これによる粘度低減効果を明らかとした比較データは示されていない。また、ここで使用されている分散剤は1種のみであり、全ての分散剤において粘度低減効果が得られるかは不明である。
日本国特開2002−100360号公報 日本国特開2002−151057号公報 日本国特開2005−197073号公報
本発明は、正極ペーストの塗工性や、塗工後の正極合材の密着性を損なうことなく、正極合材の乾燥時間の短縮が可能となる、固形分が高い、電池用正極ペーストを提供することを目的とする。
本発明者らは、各種検討の結果、分散剤として特定の構造を有する共重合体を用いた場合、その構造の違いにより、正極ペーストの粘度低減効果や、正極ペーストを塗工して得られる正極の合材層の密着性に大きな差があることを見出した。
本発明の構成及び作用効果について、技術思想を交えて説明する。但し、作用機構については推定を含んでおり、その正否は、本発明を制限するものではない。なお、本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、後述の実施の形態若しくは実験例は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
第一発明は、正極活物質、導電剤、溶媒、及び、共重合体を含む電池用正極ペーストであって、前記共重合体は、下記一般式(1)で示される構成単位(a)及び下記一般式(2)で示される構成単位(b)を含む共重合体である、電池用正極ペーストである。
Figure 0006285857
(式中、R、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なり、水素原子、メチル基又はエチル基を示し、Rは炭素数8〜30の炭化水素基を示し、Rは炭素数2〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、X、Xは酸素原子又はNHを示し、pは1〜50の数を示す。)
本発明によれば、正極ペーストの塗工性や、塗工後の正極合材の密着性を損なうことなく、正極合材の乾燥時間の短縮が可能となる、固形分が高い、電池用正極ペーストを提供することができる。
共重合体の添加量とペースト粘度との関係を示すグラフである。
本発明は、正極活物質、導電剤、溶媒、及び、前記一般式(1)で示される構成単位(a)及び前記一般式(2)で示される構成単位(b)を含む共重合体を含むペーストを、電池用正極の製造に用いることにより、正極ペーストの塗工性や、塗工後の正極合材の密着性を損なうことなく、正極合材の乾燥時間の短縮が可能となる、固形分が高い、電池用正極ペーストを提供することができるという知見に基づく。
本発明の効果発現のメカニズムの詳細は明らかではないが、出願人は、以下のように推定している。正極ペーストの固形分を高くすると、ペースト中の正極活物質や導電剤粒子が凝集して三次元的にネットワークを形成し、増粘するものと考えられる。本発明の電池用正極ペーストに含まれる共重合体は、疎水基を有する構成単位(a)がペースト中の正極活物質や導電剤の粒子表面に強固に吸着し、ポリオキシアルキレン基を有する構成単位(b)が粒子間に強い立体的斥力をもたらすことにより、ペースト中における粒子の凝集抑制効果を生み出し、ペーストの粘度を低下させていると考えられる。
一方、正極を作成するためには、正極ペーストは正極集電体であるアルミニウム箔等と良好な密着性を保つ必要があるが、通常分散剤は正極集電体と正極合材の界面に作用するため、密着性を低下させる。しかしながら、本発明では、共重合体は構成単位(a)によってペースト中の正極活物質や導電剤の粒子表面に強固に吸着し、溶媒への共重合体の溶解性が制御されるため、分散性を有する共重合体が正極集電体界面へブリードアウトすることを抑制し、密着性が良好となり正極合材剥離強度も良好となる。但し、これらは推定であって、本発明はこれらのメカニズムに限定されない。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
[共重合体]
本発明に用いられる共重合体は、前記一般式(1)で示される構成単位(a)及び前記一般式(2)で示される構成単位(b)を含む。
前記一般式(1)において、正極ペーストの粘度低減効果の観点及び共重合体への構成単位(a)の導入の容易性の観点から、R及びRは水素原子が好ましく、Rは水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。正極ペーストの粘度低減効果と正極合材剥離強度の維持の観点から、Rはアルキル基又はアルケニル基が好ましく、同様の観点から、Rの炭素数は、8以上であり、10以上が好ましく、12以上がより好ましく、また同様の観点から、26以下が好ましく、22以下がより好ましく、20以下がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、Rの炭素数は、8〜26が好ましく、10〜22がより好ましく、12〜20がさらに好ましい。Rとしては、具体的にはオクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基、ベヘニル基等が挙げられる。共重合体への構成単位(a)の導入の容易性の観点から、Xは酸素原子が好ましい。
本発明に用いる共重合体を合成するにあたり、前記構成単位(a)を与えるモノマー(以下、モノマー(a)ともいう)の具体例としては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等のエステル化合物;2−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、オクチル(メタ)アクリルアミド、ラウリル(メタ)アクリルアミド、ステアリル(メタ)アクリルアミド、ベヘニル(メタ)アクリルアミド等のアミド化合物が挙げられる。なかでも、正極ペーストの粘度低減効果及び共重合体への構成単位(a)の導入の容易性の観点から、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート及びベヘニル(メタ)アクリレートが好ましい。これらのモノマーのうち、1種又は2種以上を用いることができる。
本発明に用いる共重合体に占める構成単位(a)の割合は、正極ペーストの粘度低減効果及び正極合材剥離強度の維持の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。また同様の観点から、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましく、72質量%以下がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、本発明に用いる共重合体に占める構成単位(a)の割合は、5〜90質量%が好ましく、10〜85質量%がより好ましく、15〜80質量%がさらに好ましく、15〜72質量%がよりさらに好ましい。
前記一般式(2)において、正極ペースト中の正極活物質及び導電剤の分散性向上並びに共重合体への構成単位(b)の導入の容易性の観点から、R及びRは水素原子が好ましく、R及びRは水素原子またはメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。同様の観点から、Rはエチレン基又はプロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。正極ペーストの粘度低減効果及び共重合体への構成単位(b)の導入の容易性の観点から、pは1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましい。また同様の観点から、50以下が好ましく、35以下がより好ましく、20以下がさらに好ましい。以上の観点を総合すると、pは1〜50が好ましく、2〜35がより好ましく、3〜20がさらに好ましい。共重合体への構成単位(b)の導入の容易性の観点から、Xは酸素原子が好ましい。
構成単位(b)としては、非イオン性モノマー由来の構造、重合後に非イオン性基を導入した構造等が挙げられる。
本発明に用いる共重合体を合成するにあたり、前記構成単位(b)を与えるモノマー(以下、モノマー(b)ともいう)としては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、エトキシポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、3−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
構成単位(b)としては、正極ペースト中の正極活物質及び導電剤の分散性向上の観点から、下記一般式(3)で表されるモノマーが好ましい。
Figure 0006285857
(式中、R、R、R及びRは、同一又は異なり、水素原子、メチル基又はエチル基を示し、Rは炭素数2〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、Xは酸素原子又はNHを示し、pは1〜50の数を示す。)
上記一般式(3)において、正極ペースト中の正極活物質及び導電剤の分散性向上並びに共重合体への構成単位(b)の導入の容易性の観点から、R及びRは水素原子が好ましく、R及びRは水素原子またはメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。同様の観点から、R8はエチレン基又はプロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。正極ペーストの粘度低減効果及び共重合体への構成単位(b)の導入の容易性の観点から、pは1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましい。また同様の観点から、50以下が好ましく、35以下がより好ましく、20以下がさらに好ましい。以上の観点を総合すると、pは1〜50が好ましく、2〜35がより好ましく、3〜20がさらに好ましい。共重合体への構成単位(b)の導入の容易性の観点から、Xは酸素原子が好ましい。
これらのモノマーのうち、1種又は2種以上を用いることができる。
本発明に用いる共重合体に占める構成単位(b)の割合は、正極ペーストの粘度低減効果及び正極合材剥離強度の維持の観点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、23質量%以上がさらに好ましい。また同様の観点から、85質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、75質量%以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、本発明に用いる共重合体に占める構成単位(b)の割合は、10〜85質量%が好ましく、15〜80質量%がより好ましく、20〜75質量%がさらに好ましく、23〜75質量%がさらに好ましい。
本発明の共重合体が含む構成単位(a)と構成単位(b)の質量比(構成単位(a)/構成単位(b))は、正極ペーストの粘度低減効果及び正極合材剥離強度の維持の観点から、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましい。また、同様の観点から10.0以下が好ましく、5.4以下がより好ましく、4.0以下がさらに好ましく、3.2以下がよりさらに好ましい。以上の観点を総合すると、本発明の共重合体が含む構成単位(a)と構成単位(b)の質量比(構成単位(a)/構成単位(b))は、0.1〜10.0が好ましく、0.2〜5.33がより好ましく、0.2〜4.0がさらに好ましく、0.2〜3.2がよりさらに好ましい。
本発明に用いる共重合体は、前記構成単位(a)及び前記構成単位(b)以外の構成単位(c)を有することができる。本発明に用いる共重合体を合成するにあたり、構成単位(c)を与えるモノマー(以下、モノマー(c)ともいう)は、モノマー(a)やモノマー(b)と共重合可能であれば特に制限はなく、1種又は2種以上を用いることができる。
モノマー(c)としては、(メタ)アクリル酸等の酸モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、tert−ブチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;スチレン、p−メチルスチレン等のスチレン類、酢酸ビニル等のビニルエステル類;2−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルピロリドン等のビニルピロリドン類等が挙げられる。
本発明の共重合体中の、構成単位(a)と構成単位(b)の含有量の合計は、正極ペーストの粘度低減効果及び正極合材剥離強度の維持の観点から、40質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上がよりさらに好ましく、95質量%以上がよりさらに好ましい。
本発明に用いる共重合体に占める構成単位(c)の割合は、正極ペーストの粘度低減効果及び正極合材剥離強度の維持の観点から0〜60質量%が好ましく、0〜40質量%がより好ましく、0〜30質量%がさらに好ましく、0〜20質量%がよりさらに好ましく、0〜10質量%がよりさらに好ましく、0〜5質量%がよりさらに好ましい。構成単位(c)の割合が60質量%以下であることにより、構成単位(a)及び構成単位(b)のペースト中での含有量が確保され、正極ペーストの粘度低減効果がより高くなる。
本発明の電池用正極ペースト中の、前記共重合体の含有量は、正極ペーストの粘度低減効果の観点から、0.02質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、0.2質量%以上がよりさらに好ましい。また、電池出力を維持する観点から、1質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.6質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がよりさらに好ましい。以上の観点を総合すると、本発明の電池用正極ペースト中の、前記共重合体の含有量は、0.02〜1質量%が好ましく、0.05〜0.8質量%がより好ましく、0.1〜0.6質量%がさらに好ましく、0.2〜0.5質量%がよりさらに好ましい。
本発明の電池用正極ペーストにおける、前記共重合体の含有量は、正極ペーストの粘度低減効果の観点から、前記導電剤100質量部に対し0.5質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましく、6質量部以上がよりさらに好ましい。また、電池出力を維持する観点から、前記導電剤100質量部に対し35質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、25質量部以下がさらに好ましく、20質量部以下がよりさらに好ましい。以上の観点を総合すると、本発明の電池用正極ペーストにおける、前記共重合体の含有量は、0.5〜35質量部が好ましく、1.5〜30質量部がより好ましく、3〜25質量部がさらに好ましく、6〜20質量部がよりさらに好ましい。
本発明の電池用正極ペーストにおいて、前記導電剤100質量部に対する、前記共重合体が含む構成単位(a)と構成単位(b)の含有量の合計は、正極ペーストの粘度低減効果の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、2質量部以上がさらに好ましく、5質量部以上がよりさらに好ましい。また、電池出力を維持する観点から、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましく、15質量部以下がよりさらに好ましい。以上の観点を総合すると、本発明の電池用正極ペースト中において、前記導電剤100質量部に対する、前記共重合体が含む構成単位(a)と構成単位(b)との含有量の合計は、0.5〜30質量部が好ましく、1〜25質量部がより好ましく、2〜20質量部がさらに好ましく、5〜15質量部がよりさらに好ましい。
本発明の共重合体の合成方法は特に限定されず、通常の(メタ)アクリル酸エステル類の重合に使用される方法が用いられる。例えば、フリーラジカル重合法、リビングラジカル重合法、アニオン重合法、リビングアニオン重合法である。例えば、フリーラジカル重合法を用いる場合は、モノマー(a)及びモノマー(b)を含むモノマー成分を溶液重合法で重合させるなど、公知の方法で得ることができる。
溶液重合に用いられる溶媒としては、例えば炭化水素(ヘキサン、ヘプタン)、芳香族系炭化水素(トルエン、キシレン等)、低級アルコール(エタノール、イソプロパノール等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル)、N−メチルピロリドン等の有機溶媒を使用することができる。溶媒量は、モノマー全量に対する質量比で、0.5〜10倍量が好ましい。
重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤を用いることができ、例えばアゾ系重合開始剤、ヒドロ過酸化物類、過酸化ジアルキル類、過酸化ジアシル類、ケトンぺルオキシド類等が挙げられる。重合開始剤量は、モノマー成分全量に対し0.01〜5モル%が好ましく、0.01〜3モル%がより好ましく、0.01〜1モル%が特に好ましい。重合反応は、窒素気流下、60〜180℃の温度範囲で行うのが好ましく、反応時間は0.5〜20時間が好ましい。
また、分子量を調整するための、公知の連鎖移動剤を用いることができる。例えば、イソプロピルアルコールや、メルカプトエタノール等のメルカプト化合物が挙げられる。
本発明の共重合体において、構成単位(a)、構成単位(b)、の配列は、ランダム、ブロック、又はグラフトのいずれでも良い。また、これら構成単位以外の構成単位を含んでいてもよい。
共重合体の重量平均分子量は、正極合材剥離強度の維持観点から、9000以上が好ましく、1.5万以上がより好ましく、3万以上がさらに好ましく、5万以上がよりさらに好ましい。また、正極ペーストの粘度低減効果の観点から、100万以下が好ましく、80万以下がより好ましく、60万以下がさらに好ましく、50万以下がよりさらに好ましい。以上の観点を総合すると、共重合体の重量平均分子量は、9000〜100万が好ましく、1.5万〜80万がより好ましく、3万〜60万がさらに好ましく、4.5万〜50万がよりさらに好ましい。なお、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した値であり、測定条件の詳細は実施例に示す通りである。
本発明の正極ペーストにおいて、前記共重合体以外の分散剤を含有してもよい。本発明の正極ペーストにおいて、前記共重合体及び前記共重合体以外の分散剤の合計に対する、前記共重合体の含有量は、40質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、100質量%がさらに好ましい。
[正極活物質]
正極活物質としては、無機化合物であれば特に制限はなく、例えば、オリビン構造を有する化合物やリチウム遷移金属複合酸化物を用いることができる。オリビン構造を有する化合物としては、一般式LiM1PO(但し、M1は3d遷移金属、0≦x≦2、0.8≦s≦1.2)で表される化合物を例示できる。オリビン構造を有する化合物には、非晶質炭素等を被覆して用いてもよい。リチウム遷移金属複合酸化物としては、スピネル構造を有するリチウムマンガン酸化物、層状構造を有し一般式LiMO2−δ(但し、Mは遷移金属、0.4≦x≦1.2、0≦δ≦0.5)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物等が挙げられる。前記遷移金属Mとしては、Co、Ni又はMnを含むものとすることができる。前記リチウム遷移金属複合酸化物は、さらに、Al、Mn、Fe、Ni、Co、Cr、Ti、Zn、P、Bから選ばれる一種又は二種以上の元素を含有していてもよい。
[導電剤]
導電剤としては、炭素系導電剤を使用することが好ましい。炭素系導電剤としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックや、グラファイト等を使用することができる。ポリアニリン等の炭素系以外の導電性ポリマー等を用いてもよい。
[結着剤]
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ポリアクリロニトリル等を単独で、あるいは混合して用いることができる。
[正極ペースト]
正極ペーストは、前述した共重合体、正極活物質、導電剤、結着剤、固形分調整等のための溶媒等を混合、攪拌して、作製する。このほかの分散剤や機能性材料等を添加しても良い。上記溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非水系溶媒あるいは水等が使用できる。また、本発明の正極ペーストにおいては、非水系溶媒を使用することが好ましく、なかでも、NMPを使用することがより好ましい。
混合や攪拌にはプラネタリミキサー、ビーズミル、ジェットミル等を用いることができる。また、これらを併用することもできる。
材料投入時には、攪拌羽根を回転させながら投入しても良い。これにより、攪拌装置の機械的負荷を抑える、攪拌容器内の材料の嵩を抑える、各材料の予備的な混合を行うことができる。また、全量を投入せずに、複数回に分けて投入しても良い。これにより、攪拌装置の機械的な負荷を抑えることができる。
本発明の共重合体は、固形物として用いても、あらかじめ非水系溶媒あるいは水等の溶媒に溶解させて使用することもできる。特許文献2によれば、分散剤は、フッ素系結着剤どうしの繊維化による凝集を避けるために、結着剤を投入する前に添加することが必須とされているが、本発明に係る共重合体においては、正極ペースト中の溶媒および結着剤成分との親和性が極めて高いため、混練工程の、どの段階で投入してもよく、共重合体投入の前後で複数回の混練を行うことも可能である。例えば、混練工程の早期に共重合体を投入することにより、ペーストの粘度が下がり、混練装置の機械的負荷および必要なエネルギーが軽減されるとともに、ペーストの固形分をより高くできるため好ましい。混練工程の後期あるいはペースト完成直前に共重合体を投入すると、共重合体を混合するまでの混練工程において、ペースト粘度が高く保たれ、強い剪断応力がペーストに加わることで、ペーストの分散状態が向上するため好ましい。このように本発明の共重合体は、目的とするペーストを得るために、混練工程の任意の段階で投入することが可能である。また、正極活物質や導電剤等の粉末成分のみと同時に混合するとダマになる恐れがあるため、各材料がペースト状になった段階で投入してもよい。例えば、粉末状の材料を入れる前に結着剤あるいは溶媒と一緒に投入する、あるいは、結着剤あるいは溶媒と、粉末状材料の一部あるいは全てとの混合の後に投入してもよい。あるいは、あらかじめ、結着剤の溶液に混合しておくこともできる。
[正極]
正極は、上記の正極ペーストをアルミニウム箔等の集電体に塗工し、これを乾燥して作製する。正極の密度を上げるために、プレス機により圧密化を行うこともできる。
正極ペーストの塗工には、ダイヘッド、コンマリバースロール、ダイレクトロール、グラビアロール等を用いることができる。塗工後の乾燥は、加温、エアフロー、赤外線照射等を単独あるいは組み合わせて行うことができる。
正極のプレスは、ロールプレス機等により、行うことができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、「実施例16」、「実施例22」、「実施例23」、「実施例25」、「実施例34」、「実施例35」、「実施例36」、「実施例37」及び「実施例38」は、それぞれ、「比較例16」、「参考例22」、「参考例23」、「参考例25」、「参考例34」、「参考例35」、「参考例36」、「参考例37」及び「参考例38」と読み替えるものとする。
以下の実施例及び比較例に用いた共重合体及び単独重合体の詳細を表1〜6に示す。ここで、表1〜6及び以下の実施例に用いた原料の略号は次の通りである。
・LMA:メタクリル酸ラウリル(三菱ガス化学社製、品番:GE−410)(R:C1225
・SMA:メタクリル酸ステアリル(新中村化学工業社製、品番:NK−エステルS)(R:C1837
・BHMA:メタクリル酸ベヘニル(新中村化学工業社製、品番:NK−エステルBH)(R:C2245
・PEG(2)MA:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業社製、品番:NK−エステルM−20G、エチレンオキサイドの平均付加モル数p:2)
・PEG(9)MA:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業社製、品番:NK−エステルM−90G、エチレンオキサイドの平均付加モル数p:9)
・PEG(23)MA:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業社製、品番:NK−エステルTM−230G、エチレンオキサイドの平均付加モル数p:23)
・MAA:メタクリル酸(和光純薬工業社製)
・MPD:3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(和光純薬工業社製)
・n−DM:ドデシルメルカプタン(東京化成工業社製)
・NMP:N−メチル−2−ピロリドン(和光純薬工業社製)
・ヘキサン:n−ヘキサン(和光純薬工業社製)
・V−65B:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製)
Figure 0006285857
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[共重合体の合成例1]
「初期仕込み用モノマー液」として、3gのSMA、14gのPEG(23)MA、3gのMAA及び17gのNMPからなる混合溶液を作製した。「滴下用モノマー液」として、27gのSMA、126gのPEG(23)MA、27gのMAA及び153gのNMP混合液からなる混合溶液を作製した。「開始剤液」として、0.6gのV−65Bと3gのNMPからなる混合溶液を作製した。「滴下用開始剤液」として、5.4gのV−65Bと27gのNMPからなる混合溶液を作製した。
還流管、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコ(反応槽)に、前記「初期仕込み用モノマー液」を全量投入し、反応槽内を窒素置換し、槽内温度(仕込原料の温度)65℃に加熱した。槽内温度が65℃に到達した後、槽内を撹拌しながら、前記「開始剤液」を槽内に全量添加した。次に、前記「滴下用モノマー液」及び前記「滴下用開始剤液」を同時に3時間かけて槽内に滴下した。滴下終了後、さらに65℃で1時間攪拌した。次に、撹拌を続けながら約30分かけて槽内温度を75℃まで昇温し、昇温後、槽内をさらに2時間攪拌した。次いで水浴にて槽内温度を40℃以下まで冷却した。濃度調製のため、槽内にNMPを添加して混合し、共重合体AのNMP溶液を得た。共重合体A溶液の不揮発分は40質量%で、共重合体Aの重量平均分子量は55000であった。
[共重合体の合成例2]
「初期仕込み用モノマー液」、「滴下用モノマー液」、「開始剤液」及び「滴下開始剤液」の組成をそれぞれ表1の記載に従って変更したことを除いては、上記の共重合体の合成例1と同様の方法により、共重合体B〜AEを合成した。なお、共重合体H,J,K及びAEの合成では全モノマー及び全開始剤を初期に仕込む一括重合法を採用した。
[単独重合体の合成例]
還流管、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコ(反応槽)に、200gのSMA及び180gのヘキサンからなる混合溶液(初期仕込み用モノマー液)を全量投入し、反応槽内を窒素置換し、槽内温度(仕込原料の温度)を65℃に加熱した。槽内温度が65℃に到達した後、槽内を撹拌しながら、2.2gのV−65B及び20gのヘキサンからなる混合溶液(開始剤液)を添加した。さらに、槽内を65℃で5時間攪拌後、水浴にて槽内温度を40℃以下まで冷却した。得られた単独重合体Qのヘキサン溶液に対し体積比10倍量のエタノール(和光純薬工業製)をビーカーに入れ、ビーカー内を攪拌しながら、得られた単独重合体Qの溶液をビーカー内に滴下した。析出した固体を濾別し、減圧乾燥器にて10kPa、80℃で12時間乾燥させ、単独重合体Qを得た。単独重合体Qの重量平均分子量は69000であった。得られた10gの単独重合体Qに90gのNMPを加え、80℃で30分攪拌したが、溶解しなかったため、単独重合体Qを用いた正極ペーストを作製することはできなかった。
[不揮発分の測定]
共重合体溶液の不揮発分は、以下のようにして測定した。シャーレに乾燥無水硫酸ナトリウム10gとガラス棒を入れ、その全体の質量を測定し、W(g)とする。さらに、このシャーレ内に、上記共重合体の合成例1及び2で得られた共重合体のNMP溶液を試料として2gを入れ、その全体の質量を測定し、W(g)とする。シャーレ内で、乾燥無水硫酸ナトリウムと試料を前記ガラス棒で混合し、シャーレ内に、ガラス棒で混合した乾燥無水硫酸ナトリウムと試料及びガラス棒を入れたまま、140℃の減圧乾燥機(窒素気流下、圧力40kPa)でシャーレ全体を12時間乾燥する。乾燥後のシャーレ全体の質量を測定し、W(g)とする。次式より得られた値を不揮発分とした。
不揮発分(質量%)=100−(W−W)/(W−W)×100
[共重合体及び単独重合体の重量平均分子量の測定]
共重合体の重量平均分子量は、GPC法により測定した。詳細な条件は以下の通りである。
測定装置:HLC−8320GPC(東ソー社製)
カラム :α−M + α−M(東ソー社製)
カラム温度 :40℃
検出器 :示差屈折率
溶離液 :60mmol/LのHPO及び50mmol/LのLiBrのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液
流速 :1mL/min
検量線に用いる標準試料 :東ソー社製単分散ポリスチレン 5.26×10、1.02×10、8.42×10;西尾工業社製単分散ポリスチレン 4.0×10、3.0×10、9.0×10(数字はそれぞれ分子量)
試料溶液:共重合体の固形分を0.5wt%含有するDMF溶液
試料溶液の注入量 :100μL
但し、共重合体O、P、AB、AC、AD,AE及び単独重合体Qについては、DMFに溶解しなかったので、以下の条件を採用した。
測定装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)
カラム:GMHXL + GMHXL(東ソー社製)
カラム温度 :40℃
検出器:示唆屈折率
溶離液:50mmolのLCHCOOHのテトラヒドロフラン(THF)溶液
流速 :1mL/min
検量線に用いる標準試料 :東ソー社製単分散ポリスチレン 5.26×10、1.02×10、8.42×10;西尾工業社製単分散ポリスチレン 4.0×10、3.0×10、9.0×10(数字はそれぞれ分子量)
試料溶液 :共重合体又は単独重合体の固形分を0.2wt%含有するTHF溶液
試料溶液の注入量 :100μL
[正極ペースト及び正極の作製及び評価]
以下の実施例及び比較例に係る正極ペーストに用いた材料の略号は次の通りである。
・LiMO:リチウム遷移金属複合酸化物、組成:LiNi1/3Mn1/3Co1/3(D50:6.5μm、BET比表面積:0.7m/g)
・LiMn:リチウムマンガン酸化物、組成:LiMn(D50:18μm、BET比表面積:0.2m/g)
・LiFePO:リン酸鉄リチウム、組成:LiFePO(D50:10μm、BET比表面積:10.5m/g)
・粉状品:アセチレンブラック(電気化学工業社製、品名:デンカブラック粉状品)
・FX35:アセチレンブラック(電気化学工業社製、品名:デンカブラックFX−35)
・HS100:アセチレンブラック(電気化学工業社製、品名:デンカブラックHS−100)
[正極ペーストの作製]
表2〜5に示す共重合体、正極活物質及び導電剤、並びに、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)及び非水系溶媒としてのNMPを用いて正極ペーストを作製した。ここで、表7〜9及び11においては、前記PVDFとしてクレハ社製#1100の12%NMP溶液を、表10においては、前記PVDFとしてアルケマ社製カイナーHSV900の8%NMP溶液を用いた。なお、正極活物質、結着剤及び導電剤の質量比率は90:5:5(固形分換算)とした。正極ペーストは、前記非水系溶媒の量を調整することにより、固形分(質量%)を調整し、マルチブレンダーミルを用いた混練工程を経て作製した。ここで、正極ペーストの固形分(質量%)とは、正極ペーストが含有する、共重合体、正極活物質、導電剤及び結着剤からなる材料の固形分の質量%である。
[正極ペーストの粘度の測定]
正極ペーストの粘度はレオメーターを用いて測定した。レオメーターの測定装置にはHAAKE社製のReo Stress 6000を、測定用のローターには直径35mmのParallel Plateを用いた。測定温度を25℃とし、シェアレート0.0001s−1から1000s−1までの往路と同1000s−1から0.0001s−1までの復路とを連続して各200秒かけて測定するシーケンスを実施した。粘度の代表値として、往路のシェアレート10s−1における値を、ペースト粘度とした。
それぞれの実施例に対して、本発明の共重合体を添加していないこと以外は同じ組成である対応する比較例に係る正極ペーストの粘度を「ペースト粘度R」とし、次式にて、共重合体添加による粘度低減率を算出し、その効果を比較した。
粘度低減率(%)={([ペースト粘度R]−[ペースト粘度])/(ペースト粘度R)} ×100
粘度、及び、粘度低減率の結果を表7〜10に示す。
Figure 0006285857
Figure 0006285857
Figure 0006285857
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[正極ペーストの塗工性試験]
この試験は、厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に、乾燥後の正極合材の質量が17mg/cmとなるようにドクターブレードのギャップを適切に調整して、正極ペーストを塗工した。
この結果、正極ペーストの伸びが悪く、端部を除く塗工面上にアルミニウム箔の露出(かすれ)が見られたものについて、塗工性不良「あり」とした。塗工性試験の結果を表7〜10に併せて示す。
[正極ペーストの乾燥所要時間の測定]
上記塗工直後の正極のうち、いくつかの実施例及び比較例に係る正極について、乾燥前の質量、及び、60℃のホットプレートに載置後一定時間ごとの質量を測定した。質量変化が見られなくなった時点を乾燥終了とみなし、乾燥所要時間とした。乾燥所要時間の測定結果を表11に示す。
Figure 0006285857
[正極の剥離強度の測定]
上記の切断済み正極を用いて、正極合材層の表面に、メンディングテープ(Scotch社製、品番:MP−18S)を貼り、このテープの面と正極との角度が180°となるように約2.3cm/sの速度で引っ張り、その際の応力をプッシュプルゲージ(IMADA社製、DIGITAL FORCE GAUGE DPS−2)を用いて測定した。剥がし始めと剥がし終わりの値が不安定な部分を除いて、測定値の平均値を算出し、剥離強度とした。剥離強度の測定結果を表7〜10に示す。
[試験結果と考察]
[ペースト固形分と乾燥速度と乾燥所要時間]
実施例4及び比較例1、2から、共重合体の有無にかかわらず、固形分が高い正極ペーストは、塗工後の乾燥所要時間が短いことがわかる。
このことから、ペースト中のNMPの含有率を下げること、すなわち、正極ペーストの固形分を高くすることによって、乾燥に要する時間を短縮できることがわかる。
[ペースト固形分とペースト粘度]
比較例1、2を比べてわかるように、ペースト固形分を高くすると、塗工時にかすれが生じることがわかる。この正極のかすれは、ペーストの流動性の不足によるもの、すなわち、粘度が高いためであると、説明できる。
実施例4の正極ペーストは、比較例2と同様にペースト固形分が高いが、共重合体Aを添加することにより、ペースト粘度を比較例1と同等にまで下げることができ、また、これにより、正極の塗工時のかすれを解消できることがわかる。
[ペースト粘度低減効果の確認]
実施例4及び7〜10と、それぞれに対応する比較例2〜6から、さまざまな正極活物質や導電剤を用いた場合においても、共重合体Aによるペースト粘度低減効果が確認できる。ペースト粘度の絶対値は、正極材料の種類やペースト固形分によって変わることから、共重合体Aの添加の効果を確認するためには、粘度の絶対値ではなく、粘度低減率を比較することが妥当である。粘度低減率の結果から、いずれのペーストにおいても、共重合体Aの添加によるペースト粘度低減効果が認められる。
[共重合体の添加量]
図1は、実施例1〜6及び比較例2について、正極ペースト粘度をプロットしたものである。図1からわかるように、共重合体の添加量が多くなるほど、ペースト粘度が低下することがわかる。ただし、共重合体の添加量が多くなるほど、添加量に見合った粘度低減効果が得られにくくなることから、共重合体の添加量は導電剤の質量比で1〜16%が好ましい。
[構成単位(a)と構成単位(b)の質量比]
実施例35〜37及び参考例3から、構成単位(a)と構成単位(b)の質量比(a)/(b)が大きい値の場合、ペースト低減効果が得られにくい共重合体が存在することがわかる。これは、共重合体において、構成単位(b)の割合が少なすぎるため、構成単位(b)がもたらす粒子間の強い立体的斥力による、ペースト中の粒子の凝集抑制効果が小さいことに起因するものと考えられる。このことから、構成単位(a)と構成単位(b)の質量比(a)/(b)は大きすぎない方が良い。
なお、ペースト低減効果が得られにくい共重合体であっても、ペースト中の共重合体の含有量を増加させることでペースト低減効果は奏されるようになる。
[結着剤の種類]
表4に示す実施例及び比較例は、ペースト中の結着剤をより高分子量タイプのPVDFに変更した結果である。結着剤を高分子量化することにより、正極合材剥離強度を高めることができるので好ましい。特に、嵩高い正極活物質、微粒子化された正極活物質、炭素被覆された正極活物質等を用いて正極を作製する場合に好ましい。
表4から結着剤の種類を変えた場合においても、共重合体の添加によるペースト粘度低減効果が認められる。
また、実施例3と実施例50との比較、及び、実施例24と実施例51との比較から、ペースト中の結着剤としては、低分子量タイプの方がより優れたペースト粘度低減効果が得られることがわかる。よって、正極合材剥離強度に問題を生じない範囲であれば、ペースト中の結着剤は低分子量タイプの方が好ましい。
また、比較例7、8から、ペースト粘度低減効果が得られない共重合体が存在することがわかる。
これらから、ペースト粘度低減効果と、正極合材の剥離強度の確保のためには、共重合体の構造が極めて重要であることがわかる。その詳細は、次のように考えられる。
比較例7、8は、構成単位(a)を含まない共重合体であるために、正極活物質あるいは導電剤への吸着作用が十分でないものと考えられる。また、同時に、未吸着の共重合体がPVDFに吸着するなどして、正極合材とアルミニウム箔との密着性が低下したものと考えられる。
また、ここには示していないが、本発明者らは、比較例7、8に用いられている共重合体を、多量に添加した場合であってもペースト粘度低減効果が発現しないことを確認している。
以上述べたように、本発明によれば、正極ペーストの塗工性や、塗工後の正極合材の密着性を損なうことなく、正極合材の乾燥時間の短縮が可能となる、固形分が高い、電池用正極ペーストを提供することができる。
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
なお、本出願は、2012年4月3日付で出願された日本国特許出願(特願2012−085003)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。

Claims (15)

  1. 正極活物質、導電剤、溶媒、及び、共重合体を含む電池用正極ペーストであって、前記共重合体は、下記一般式(1)で示される構成単位(a)及び下記一般式(2)で示される構成単位(b)を含む共重合体であり、前記共重合体は、重量平均分子量が、9000〜60万であり、前記共重合体において、構成単位(a)と構成単位(b)の質量比(構成単位(a)/構成単位(b))が、0.1〜3.2であり、前記共重合体の含有量が、前記導電剤100質量部に対して、0.5〜30質量部である電池用正極ペースト。
    Figure 0006285857

    (式中、R、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なり、水素原子、メチル基又はエチル基を示し、Rは炭素数8〜30の炭化水素基を示し、Rは炭素数2〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、X、Xは酸素原子又はNHを示し、pは1〜50の数を示す。)
  2. 前記電池用正極ペーストが、さらに、結着剤を含有している、請求項1記載の電池用正極ペースト。
  3. 前記共重合体中の、構成単位(a)と構成単位(b)の含有量の合計が、40質量%以上である、請求項1又は2に記載の電池用正極ペースト。
  4. 前記共重合体中の、構成単位(a)の含有量が、5質量%以上90質量%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用正極ペースト。
  5. 前記共重合体中の、構成単位(b)の含有量が、10質量%以上85質量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の電池用正極ペースト。
  6. 前記一般式(1)のRの炭素数が、8以上26以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の電池用正極ペースト。
  7. 前記一般式(2)のpが、1以上35以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の電池用正極ペースト。
  8. 前記一般式(1)のXが、酸素原子である、請求項1〜7のいずれかに記載の電池用正極ペースト。
  9. 前記一般式(1)のRが、水素原子又はメチル基である、請求項1〜8のいずれかに記載の電池用正極ペースト。
  10. 前記一般式(1)のR及びRが、水素原子である、請求項1〜9のいずれかに記載の電池用正極ペースト。
  11. 前記一般式(2)のXが、酸素原子である、請求項1〜10のいずれかに記載の電池用正極ペースト。
  12. 前記一般式(2)のRが、水素原子又はメチル基である、請求項1〜11のいずれかに記載の電池用正極ペースト。
  13. 前記一般式(2)のR及びRが、水素原子である、請求項1〜12のいずれかに記載の電池用正極ペースト。
  14. 前記一般式(2)のRが、エチレン基又はプロピレン基である、請求項1〜13のいずれかに記載の電池用正極ペースト。
  15. 前記電池用正極ペーストの粘度低減率が、0よりも大きい、請求項1〜14のいずれかに記載の電池用正極ペースト。
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