JP6285748B2 - 連続式二軸混練機による電極ペーストの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連続式二軸混練機を使用して電極ペースト、特にリチウムイオン二次電池用の電極ペーストの製造に好適に使用される連続式二軸混練機による電極ペーストの製造方法に関するものである。
リチウムイオン二次電池の製造工程は、大きく分けて電極製造工程と、電池組立工程に大別され、電極製造工程は、粉体樹脂である結着剤(バインダー)を溶解する工程、得られた液状バインダー(溶解バインダー)を活物質、導電助材、分散助剤、溶媒等と混練し電極ペーストにする電極ペースト化工程、集電体への電極ペーストの塗布工程、及び集電体のプレススリット工程等を含んでいる。上記溶解工程で溶解する結着剤(バインダー)は、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の粉体樹脂であり、これに1−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤を加えて各種ミキサーのタンクに投入し、撹拌ブレードを回転して溶解させている。しかし、粉体樹脂であるので、完全に溶剤に溶解させるためには、ミキサーで高速撹拌しても2〜3時間の溶解時間が必要である。この時の溶解が不十分で膨潤状態の結着剤が含まれていると、仕上げ処理の際に十分に溶解していない結着剤がフィルターを通り抜けて電極ペースト中に混入し、塗布工程でスジを発生する原因となる。そのようなスジが発生すると、電池としての機能が劣化するから、結着剤が完全に溶解するまでミキサーで長時間をかけて撹拌処理しているのが現状である。
電極ペースト化工程での、固体/固体系及び固体/微量液体系の油性、水性に限定されない処理材料を混合、溶解、混練、分散処理する工程では、従来はバッチ式で処理していることが多い。この処理に使用する装置としては、二軸ミキサー(例えばプラネタリーミキサーなど)、三軸ミキサー(例えば低速ブレードを3本有するミキサー、低速ブレード2本と高速ブレードを1本有するミキサーなど)、四軸ミキサー(例えば低速及び高速ブレードをそれぞれ2本有するミキサーなど)、ニーダー等の装置がある。
上記のようにバッチ式で処理する方法は、タンク内で回転するブレードとタンクの内壁面において処理材料にズリ応力(せん断応力)を与えて処理しているが、このズリ応力を作用させる機会は、ブレードがタンク内壁に接近する一瞬であって非連続式である。枠型のブレードを用いて自転、公転させる遊星運動式混練機の場合でも、ブレードが一回自転する際に2回作用させているにすぎない。その上、下記するような問題があった。
1 仕込み時の粉体や混練時の処理材料が、容器(タンク)やブレード(羽根)に付着(固着)し、混練作業を中断して掻き落とす作業が必要である。
2 容器(タンク)などに飛散付着した材料が、混練中に処理材料に混入して、品質不良を起こす。
3 硬練り後の希釈工程では、徐々に希釈しないとブツやダマ(粉体の部分凝集)ができやすい。
4 混練能力は、ブレード(羽根)とタンク(容器)の近接(ズリ)回数に依存するが、近接回数が少なく、材料の持ち上がり現象もみられ、混練時間が長くかかる。
5 生産量の増大に対処するためには、機械を大型化する方法しかなく、設備費、設置スペースの拡大を余儀なくされる。
上記のようにバッチ式で処理する場合には種々問題があるので、二軸混練押出機を用いて連続的にリチウムイオン電池用正極塗料(電極ペースト)を製造する方法も提案されている(例えば特許文献1参照)。しかし、特許文献1に記載の方法では、活物質等の粉体成分を粉体供給ユニットから押出機に加え、混練の途中で結着剤溶液(樹脂溶液、溶液バインダー)を結着剤供給ユニットから加え、押出機内の混練部を通過した後に溶媒供給ユニットから溶媒を供給し、塗料排出口から塗料(電極ペースト)を得ている。この方法では、押出機に投入する前に、粉体樹脂である結着剤を溶剤とともにミキサーで撹拌して溶解させ樹脂溶液を作成し、この樹脂溶液を押出機に供給しているが、上述したように粉体樹脂を完全に溶解をさせるにはかなりの時間がかかり、効率的に作業することができない。
また、特許文献1に記載の方法では、押出機の粉体供給ユニットから最初に活物質等の粉体を押出機に投入し、混練の途中で結着剤溶液を押出機に供給しているが、このような操作では、所要の構成成分で正しく計量された電極ペーストが得にくい。すなわち、活物質等の粉体は、粉体、微粉体、超微粉体(ナノ粒子)といわれるような粒径が100μm以下の粉体であり、予め計量した粉体を押出機の供給ユニットのホッパーに供給する際、ホッパーの表面や隅部に付着しやすい。特に、ナノ粒子等の微粒子は、軽密度になるほどホッパーや機械の内部の壁面等に付着する傾向があるから、一層成分に狂いを生じるおそれがある。また、混練の途中で結着剤溶液を加える方法では、結着剤溶液を混入する時までに混練されている粉体が常に同じ粒子径、同じ密度、同じ湿潤状態になっているとは言えず、種々の状態のものが混在しており、その上、軽密度のために内部で淀みを生じることがあるから、押出機から吐出される初期の段階のペーストと後期の段階のペーストでは成分に誤差が生じ、測定誤差(計量誤差)が発生して、正確な均一吐出が不可能になることがある。すなわち、吐出後のペーストの濃度、比重、組成、粘度等に部分的に違いが生じるおそれが強く、このような電極ペーストを使用したリチウムイオン二次電池の特性が劣化する原因となる。
特許第4448704号公報(段落0011、0026,0051)
本発明の解決課題は、上記のように、リチウムイオン二次電池用の電極ペーストを製造するとき、粉体樹脂状の結着剤を予め溶剤に溶解する工程を省き、短時間に効率よく製造でき、かつブツやダマの発生を防止し、混練装置を密閉型として作業環境上の問題もなく、各部に付着する材料の掻き取り作業をなくし、材料成分の測定誤差が生じにくく、均一混練を可能にした連続式二軸混練機による電極ペーストの製造方法を提供することである。
本発明によれば、電極ペーストを構成する活物質、導電助材、結着剤、分散助剤の粉体に溶剤を加えてミキサーでペンデュラー状態若しくはフェニキュラー状態に粉体混合する前処理工程、このペンデュラー状態若しくはフェニキュラー状態の粉体混合物を連続式二軸混練機に供給して加熱しながら混練する工程、連続式二軸混練機から吐出された混練物に溶剤を加えてミキサーで希釈する工程を含む連続式二軸混練機による電極ペーストの製造方法が提供され、上記課題が解決される。
また、本発明によれば、上記ペンデュラー状態若しくはフェニキュラー状態に粉体混合するための溶剤の含液率は5〜20質量%であり、連続式二軸混練機で混練中のジャケットの加温温度は50〜70℃である上記連続式二軸混練機による電極ペーストの製造方法が提供され、上記課題が解決される。
なお、混練における材料の性状を表す「アッテンベルグの表」で分類されているように上記ペンデュラー(Pendular)状態とは、溶剤(液体)は含まれているが、量が少なく、粉体表面のすべてが溶剤でコーティングされていないバサバサの状態であり、フェニキュラー(Funicular)状態とは、粉体表面が溶剤でコーティングされているが粉体間隙のところどころに気体が存在しているしっとりとした状態である。「バサバサ」とは、粉体混合物を握ると固まるが、触れると壊れる程度の状態であり、「しっとり」とは、粉体混合物を握ると固まり、その固まりは簡単に割ることができる程度の状態である。
本発明は上記のように構成され、電極ペーストを構成する活物質、導電助材、結着剤、分散助剤の粉体に溶剤を加えてミキサーでペンデュラー状態若しくはフェニキュラー状態に粉体混合する前処理工程、このペンデュラー状態若しくはフェニキュラー状態の粉体混合物を連続式二軸混練機に供給して加熱しながら混練する工程、連続式二軸混練機から吐出された混練物に溶剤を加えてミキサーで希釈する工程を含んでいる。本発明によれば、前処理工程で活物質、導電助材、結着剤、分散助剤等の粉体材料に少量の溶剤を添加して混合しペンデュラー状態若しくはフェニキュラー状態の粉体混合物を作成するが、この作業は従来のように粉体樹脂状の結着剤を溶剤とともにミキサーで撹拌混合して完全に溶解して結着剤溶液(液状バインダー)を作るのではなく、単に粉体材料に少量の溶剤を加えて上述したようにバサバサした状態やしっとりした状態にするだけであるから、従来のように結着剤粉体を溶剤に完全溶解させる場合に比べてはるかに短時間の作業で前処理工程が終了する。この際、粉体混合物の計量はバッチ式であるため精度よく計量でき、所定の成分を有し、次工程で混練機に供給する際は、液体で少し湿った状態であるので、ホッパーの壁面等へ付着することも少なく、計量通りの成分を供給することができる。
そして、溶剤を加えずに加熱しながら連続式二軸混練機で混練する工程において、粉体混合物中の結着剤粉体は、混練機のバレルのジャケットに温水を通して加温することにより未溶解物がなく、きれいに溶解して均一に全体が混練され、ブツやダマの発生もなく、吐出口からは均質に混練された硬練り状態の混練物が吐出される。その後にこの混練物を溶剤とともにミキサーで撹拌して希釈するので、計量された通りの所望の成分を有する電極ペーストを従来のような長時間を必要とせずに得ることができる。
本発明に使用する連続式二軸混練機の一実施例を示し、バレル等を断面した正面図。 図1に示す二軸混練機の平面図。 送りブレードを示し、(A)は斜視図、(B)は側面からみた説明図。 戻しブレードを示し、(A)は斜視図、(B)は側面からみた説明図。
本発明による製造方法は、リチウムイオン二次電池の電極ペーストの製造において、電極ペーストを構成する活物質、導電助材、結着剤、分散助剤の粉体を計量してミキサー(粉体混合機)のタンクに仕込み、少量の溶剤を加えて混合撹拌しペンデュラー状態若しくはフェニキュラー状態の粉体混合物を作成する前処理工程が行われる。このときの処理時間は、約10分程度である。得られた粉体混合物は、握ると固まり、触れると壊れたり、割れる程度のバサバサ状態若しくはしっとりした状態である。このとき加えられる溶剤は微量であり、その含液率は約5〜20%程度が好ましい。
次に上記粉体混合物は、連続式二軸混練機のホッパーから密閉された混練機のバレル内に供給され、内部を移動中にブレードの作用で混合、溶解、混練、分散処理され、硬練り状態の混練物として吐出される。
本発明に使用する連続式二軸混練機としては、高粘性ペーストを製造することができる装置が好ましい。図1、図2に示す連続式二軸混練機は、上下方向に開閉可能に構成したバレル(槽)1内に2本の混練軸2が並列状態で回転可能に収納されており、該混練軸2の一方に連結したモーター3及び回転を他方の混練軸に伝達する歯車機構4等を介して2本の混練軸は異方向に回転する。該バレルの一端側には粉体混合物(処理材料)をバレル内に投入するためのホッパー5及びホッパー5に通じる供給口6が形成され、他方側には処理された材料の吐出口7が形成されている。
上記混練軸2には、粉体混合物を前進方向に送る供給スクリュー8と、混練しながら前進させる送りブレード9と、混練しながら後退させる戻しブレード10が設けられている。該供給スクリュー8は、供給口6から投入された粉体混合物を吐出口7側へ前進させるよう螺旋状に形成され、材料供給部ゾーン11に配置されており、該供給スクリュー8が回転した際の送り量により粉体混合物の前進方向への移動量が調整される。なお、上記二軸式ブレードの回転形態は、二軸ブレードの重なりがなく、異なる方向に同じ速度で回転する非オーバーラップ型の異方向等速回転ブレードや、異なる方向に異なる速度(例えば1:2)で回転する異方向異速度回転ブレード(ディファレンシャル若しくはタンジェンシャル方式)がよい。
上記送りブレード9は材料を混練しながら前進方向に送り、戻しブレード10は材料を混練しながら後退方向に送る機能を有し、一組にして軸方向に向かい合わせに組み合わせ、上記材料供給ゾーン11に続く材料混練部ゾーン12に配置されている。該送りブレード9と戻しブレード10は種々に構成することができる。図3、図4に示すブレード部材13、14は、捩れフィン型のブレードを有し、上記混練軸2に装着される略円筒状のボス部15の外周に右ねじれに形成した送りブレード部9a(図3)と、左ねじれに形成した戻しブレード部10a(図4)の形態を有している。このブレード部9a、10aのねじれ角度(α)は約30°〜90°であり、断面形状は略六角形に形成されている。そして、該ブレード部の先端部分のエッジ角度(θ)は、約30°〜60°程度であり、好ましくは約45°がよい。このような角度にすると、接線円運動において、30°以下、60°以上では運転動力が低く、約30°〜60°程度にすると、材料が食い込みやすくなるからである。
また、該ブレード部9a、10aの先端部分のエッジ幅(b)は、約2mm〜10mm程度が好ましく、ブレード径(d)の約5%〜20%程度がよい。2mmより小さいと、バレル内壁では処理材料を介して線接触状態に近くなり、ズリ(せん断)応力が不足気味になる。10mmより大きいと、面接触状態となり、運転するために強力な動力が必要となるし、材料の温度コントロールも困難になるからである。
上記各ブレード部は、ブレードの高さが低くなるようボス部の径が太く形成されている。すなわち、ブレード径(d)とブレード部の最大高さ(H)の比率は、H/d=約0.15〜0.25程度に形成されている。0.15より小さいとブレード部の高さが低すぎ、材料をとらえて左右方向(前進、後退方向)へ材料を送る機能が弱くなって流れが少なくなり、0.25より大きいと、材料がボス部近くに滞留し、不安定な状態でブレード部に固着し始めるからであり、好ましい実施例では0.2程度に形成してある。
上記各ブレード部の先端はバレル1の内壁に近接しており、その間の間隙は、混練時間を短縮させ、連続してズリ応力を与えることができるようブレードの円周方向に一定のクリアランス(c)を保つように狭い間隙をあけて近接して配置される。このクリアランス(c)は、約1mm〜10mm程度に形成されている。1mmより小さいと、ブレードと混練材料が共回りしてしまい混練不足を招来する。また、10mmより大きいと、大型機であっても、バレル内壁とブレード部の先端間で速度差がゆるくなり、壁部に材料が固着し易く、材料の固着により温度コントロールがむずかしくなって、全体として均一混練ができなくなるからである。好ましい実施例では、クリアランスは2.0mm程度に設けてある。
上記ブレード部材は送りブレード9と戻しブレード10を軸方向に向かい合わせになるように組み合わせているが、ブレード部の位相が90°ずらして位置するように向かい合わせに組み合わせることもできる。詳しくは、吐出口に向かって材料を混練しながら送り出す形状のものと、供給口側に戻す形状のものを一組にして配置して材料に圧縮・せん断・膨張、衝突、衝撃作用を与えて解砕し、混練している。
上記ブレード部材に設けるブレード部(羽根)の数は、適宜とすることができるが、好ましくは、2枚〜8枚程度設けるとよい。ブレード部が1枚では軸回転時、材料分布のバランスが悪く、偏荷重により軸に負荷を与え、かつ混練度も短絡し易いので、好ましくない。また、ブレード部が8枚より多くなると、ブレード部とバレル内壁間により材料へせん断応力を与える機会が連続的に近づきすぎ、材料に与える圧縮・膨張の繰り返し頻度が減少して充分に解砕作用を奏することができなくなるからである。
上記のように材料混練部ゾーン12では、供給スクリュー8の送り作用で送り込まれた材料は、このゾーンを通過する際に、バレル内壁とブレード部先端間の狭い間隙で連続的にズリ応力(剪断力)を受け、圧縮・膨張、衝突、衝撃作用により混練される。材料供給部ゾーン11に近いゾーンでは、該材料供給部ゾーン11から供給された材料が向い合せに組み合わされた上記ブレード間を行き来し、材料に左右方向(前進、後退方向)の流動を与え、粉体混合で活性化された粉体を不活性化し、材料の凝集が解砕される。引き続いて設けられたブレードとブレード間でも、材料はせん断作用を受け、少ない液状成分で、高粘度での高せん断応力により強い混練作用を受ける結果、最終的に硬練りの高粘度ペースト状態の混練物として吐出口から吐出される。
さらに、上記材料混練部ゾーン12は、ゾーン内を流動する材料に抵抗を与えるための開口部付き仕切り板(セパレーター)16で仕切られている。該仕切り板16は、上記ブレードの外径とほぼ同じ外径の円板状に形成され、材料を部分的に通過させることができるよう周辺部に開口部(図示略)が形成されている。材料は、仕切り板を介して戻りが防止されるとともに上記開口部を材料が通過するとき、圧縮・膨張、衝突・衝撃作用が材料に作用することにより粉体の部分凝集が解消され、ブツやダマの発生が低減されるとともに粉体の濡れが一層促進され、効率よく溶解混練される。
上記材料混練部ゾーン12のバレル1の外周には、ジャケット17が設けられている。このジャケット17の給水口、排出口を通して温水等の調温媒体を循環させ、バレル内を加温し、結着剤粉体が十分に溶解、溶融するようにしている。このときの温度は50〜70℃が好ましく、温水をジャケットに通すことで、上記のように前処理により粉体状態でバレルに供給された電極ペースト用粉体樹脂、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂を未溶解物がない状態に、きれいに連続して溶解させて混練することができる。
次に、上記連続式二軸混練機の吐出口7から吐出された混練物は、溶剤を加えて所望の粘度のペーストになるようミキサー(希釈ミキサー)で希釈され、スラリー状の電極ペーストのコーティング液となる。この際、上記のように吐出口から吐出された混練物の形状は、吐出口の形状に対応してパイプ状若しくは円筒形をしているので、ミキサーで効率よく希釈するため、好ましくは上記混練機の吐出口7に適宜の分割網18を設けておき、バラバラ状に分割してからミキサーに供給することが好ましい。この分割網としては、押出成形機のブレーカープレートやスクリーンのような構成が選択される。なお、分割網は吐出口に固定的に設けてもよいし、分割する必要があるとき装着できるよう着脱可能に設けてもよい。
三元系正極活物質(粒子径5〜10μm) ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(NMC)と導電助材(一次粒子径48nm)及び結着剤粉体樹脂 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を固体含有量が86.3重量%となるよう溶剤 1−メチル−2−ピロリドン(NMP)を13.7重量%加えてミキサー(粉体混合機)で撹拌混合した。このとき撹拌混合された状態の粉体混合物は、ペンデュラー(パサパサ)状態、若しくはフェニキュラー(しっとり)状態で、握ると固まるが触れると壊れるような湿った状態である。このとき、撹拌混合に要する時間は約30分であった。
この前処理された粉体混合物を、ブレード径φ68mmで容量1リットルの図1に示す連続式二軸混練機の供給口に供給し、3パス処理を行ったところ、下記のような結果が得られた。
Figure 0006285748
上記の結果から分かるように、本発明によれば1パスさせたときには、吐出量が少なく、滞留時間もかかったが、2パス、3パスのときには、吐出量が安定し、滞留時間も短く、ほぼ同じような結果となり、十分に混練されていることが確認できた。このように、粉体計量混合により活物質と結着剤粉体等の粉体を前処理で少し湿った状態に混合してから連続式二軸混練機で処理することにより滞留時間約15〜20分(2〜3パス)で完全溶解でき、従来のような溶解ミキサー設備や設備設置場所が不要になった。
一方、従来のように活物質にPVDF粉体を加える前に、予めPVDF粉体をNMPに完全溶解させるために、高速ミキサーを付設した攪拌機で撹拌混合したところ、溶解時間として2〜3時間要した。したがって、この溶解時間を考慮しただけでも本発明の製造方法により処理時間が著しく短縮化されることが確かめられた。なお、本発明では二軸混練機の吐出口から吐出された混練物は、硬練り状態で高粘度であるためその後に別のミキサー(希釈ミキサー)で溶剤を加えて希釈してスラリー化する工程が必要であるが、このミキサーによる処理時間は約60分程度であり、全体としての処理時間が短縮できることに変わりはない。
上記のようにして得られた電極ペーストは、PVDFの未溶解物もなく、完全溶解であり、集電体箔への均一なコーティングが可能である。その上、接着強度も十分あり、ブツやダマの発生が見当たらず、活物質粒子の破壊も見られなかった。なお、本発明はリチウムイオン電池の電極ペーストの製造の他、複数の粉体に結着剤の粉体樹脂を加えて混合撹拌してペースト化することが要求される化学、医薬、電子、セラミックス、食品、飼料その他の分野の処理にも適用することができる。
1 バレル
2 混練軸
6 供給口
7 吐出口
8 供給スクリュー
9 送りブレード
10 戻しブレード
11 材料供給部ゾーン
12 材料混練部ゾーン
13,14 ブレード部材
16 仕切り板
17 ジャケット
18 分割網

Claims (4)

  1. 電極ペーストを構成する活物質、導電助材、結着剤、分散助剤の粉体に溶剤を加えてミキサーでペンデュラー状態若しくはフェニキュラー状態に粉体混合する前処理工程、このペンデュラー状態若しくはフェニキュラー状態の粉体混合物を連続式二軸混練機に供給して加熱しながら混練する工程、連続式二軸混練機から混練物を分割された状態で吐出し溶剤を加えてミキサーで希釈する工程を含む連続式二軸混練機による電極ペーストの製造方法。
  2. 上記ペンデュラー状態若しくはフェニキュラー状態に粉体混合するための溶剤の含液率は5〜20質量%である請求項1に記載の連続式二軸混練機による電極ペーストの製造方法。
  3. 連続式二軸混練機を混練中に加温するジャケットの加温温度は50〜70℃である請求項1又は2に記載の連続式二軸混練機による電極ペーストの製造方法。
  4. 上記連続式二軸混練機は、バレルに供給した粉体混合物を前進させる供給スクリューを設けた材料供給部ゾーンと粉体混合物を混練する材料混練部ゾーンを有し、材料混練部ゾーンには、材料を混練しながら前進させる送りブレードと後退させる戻しブレードが設けられ、各ブレードのブレード部の先端はバレルの内壁に近接し、かつ材料混練部ゾーン内を仕切る開口部付き仕切り板が設けられ、粉体混合物は上記送りブレードと戻しブレードによりバレルの内壁との間の狭い間隙を通って前進、後退しつつ仕切り板の開口部を通過して前進する間に圧縮・膨張、衝突、衝撃作用を受けて混練される請求項1〜3のいずれかに記載の連続式二軸混練機による電極ペーストの製造方法。
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