ところで、水からのトリチウムの除去は、種々の水素分離法、例えば、水蒸留、水素の低温蒸留などによって行われているが、これらの方法は分離係数が小さい。トリチウムの分離係数が小さいと、大量のトリチウム汚染水が排出された場合、廃棄濃度に達するレベルのトリチウム除去水を生成処理するには設備規模を大きくしなければならない。特許文献1および2に記載の装置では、電解によってトリチウムを除去しようとするものである。しかし、電解は、分離係数が大きい反面、気体から液体へ水素ガスの形態に改質する際のエネルギーが膨大であるため、大量のトリチウム汚染水を処理する場合に、ランニングコストが嵩み現実的でない。
本発明は上述した課題を解決するものであり、トリチウム汚染水が大量であっても、設備規模の増大を抑制し、かつランニングコストを低減しつつトリチウムの回収効率を向上することのできるトリチウム回収装置および方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、第1の発明のトリチウム回収装置は、トリチウム汚染水を低濃度で濃縮して第一トリチウム濃縮水および第一トリチウム除去水を生成する第一濃縮モジュールと、前記第一濃縮モジュールにて濃縮された前記第一トリチウム濃縮水を高濃度で再濃縮して第二トリチウム濃縮水および第二トリチウム除去水を生成する第二濃縮モジュールと、を備えることを特徴とする。
このトリチウム回収装置によれば、始めに第一濃縮モジュールでトリチウム汚染水を低濃度で濃縮しておくことで、第二濃縮モジュールにおける高濃度の濃縮での処理量を減少させることができる。このため、処理するトリチウム汚染水が大量であっても、例えば、第一濃縮モジュールで分離係数が小さくてもランニングコストの小さい処理法を適用してトリチウム汚染水を低濃度で濃縮し、第二濃縮モジュールでランニングコストが大きくても分離係数の大きい処理法を適用して高濃度の濃縮を行えば、設備規模の増大を抑制し、かつランニングコストを低減しつつトリチウムの回収効率を向上することができる。
また、第2の発明のトリチウム回収装置は、第1の発明において、前記第二濃縮モジュールは、前記第一トリチウム濃縮水を電気分解して前記第二トリチウム濃縮水および前記第二トリチウム除去水を生成する電解モジュールを構成すること特徴とする。
このトリチウム回収装置によれば、分離係数の大きい処理法を適用した高濃度の濃縮処理が実現でき、第一濃縮モジュールの低濃度の濃縮処理の後に適宜高濃度の濃縮処理を行うことができる。
また、第3の発明のトリチウム回収装置は、第1または第2の発明において、前記第一濃縮モジュールは、前記トリチウム汚染水に蒸気を接触させて前記第一トリチウム濃縮水および前記第一トリチウム除去水を生成する水蒸留モジュールを構成することを特徴とする。
このトリチウム回収装置によれば、ランニングコストの小さい処理法を適用して低濃度の濃縮処理が実現でき、第二濃縮モジュールの高濃度の濃縮処理の前に適宜低濃度の濃縮処理を行うことができる。
また、第4の発明のトリチウム回収装置は、第3の発明において、前記水蒸留モジュールは、前記トリチウム汚染水に蒸気を接触させるケーシング内を減圧する減圧手段を備えることを特徴とする。
このトリチウム回収装置によれば、ケーシングに導入される蒸気の沸点が下がり、低温で沸騰させることができ、低エネルギーで処理効率を向上することができる。
また、第5の発明のトリチウム回収装置は、第1または第2の発明において、前記第一濃縮モジュールは、吸着平衡により、蒸気化した前記トリチウム汚染水のトリチウムを吸着剤に吸着させる一方、当該吸着剤からトリチウムを取り出すことで前記第一トリチウム濃縮水および前記第一トリチウム除去水を生成する吸着モジュールを構成することを特徴とする。
このトリチウム回収装置によれば、ランニングコストの小さい処理法を適用して低濃度の濃縮処理が実現でき、第二濃縮モジュールの高濃度の濃縮処理の前に適宜低濃度の濃縮処理を行うことができる。
また、第6の発明のトリチウム回収装置は、第1〜第5のいずれか一つの発明において、前記第一濃縮モジュールを少なくとも2つ連続して配置し、前段の前記第一濃縮モジュールで生成された前記第一トリチウム除去水を後段の前記第一濃縮モジュールに前記トリチウム汚染水として導入する一方、初段の前記第一濃縮モジュールで生成された前記第一トリチウム濃縮水を前記第二濃縮モジュールに導入することを特徴とする。
このトリチウム回収装置によれば、第一トリチウム除去水を濃縮処理して生成される第一トリチウム除去水について、後処理可能な濃度まで低下させることができる。
また、第7の発明のトリチウム回収装置は、第6の発明において、後段の前記第一濃縮モジュールで生成された前記第一トリチウム濃縮水を初段の前記第一濃縮モジュールに前記トリチウム汚染水として導入することを特徴とする。
このトリチウム回収装置によれば、第一トリチウム濃縮水を初段の第一濃縮モジュールにより再濃縮して減量処理して第二濃縮モジュールで濃縮することができる。
また、第8の発明のトリチウム回収装置は、第6または第7の発明において、終段の前記第一濃縮モジュールで生成された前記第一トリチウム除去水、および前記第二濃縮モジュールで生成された前記第二トリチウム除去水におけるトリチウム濃度を測定する濃度測定手段を有し、測定されたトリチウム濃度が所定濃度以上である場合、当該各トリチウム除去水を、同等濃度の前記トリチウム汚染水を導入する前記第一濃縮モジュールに導入することを特徴とする。
このトリチウム回収装置によれば、第一トリチウム除去水および第二トリチウム除去水を所定濃度に希釈させ後処理可能にすることができる。
また、第9の発明のトリチウム回収装置は、第1〜第8のいずれか一つの発明において、前記第二濃縮モジュールに導入する前記第一トリチウム濃縮水の温度を調整する温度調整手段を備えることを特徴とする。
このトリチウム回収装置によれば、第二濃縮モジュールでの処理効率を向上することができる。
また、第10の発明のトリチウム回収方法は、トリチウム汚染水を低濃度で濃縮して第一トリチウム濃縮水および第一トリチウム除去水を生成する第一濃縮工程と、前記第一濃縮工程にて濃縮された前記第一トリチウム濃縮水を高濃度で再濃縮して第二トリチウム濃縮水および第二トリチウム除去水を生成する第二濃縮工程と、を含むことを特徴とする。
このトリチウム回収方法によれば、始めに第一濃縮工程でトリチウム汚染水を低濃度で濃縮しておくことで、第二濃縮工程における高濃度の濃縮での処理量を減少させることができる。このため、処理するトリチウム汚染水が大量であっても、例えば、第一濃縮工程で分離係数が小さくてもランニングコストの小さい処理法を適用してトリチウム汚染水を低濃度で濃縮し、第二濃縮工程でランニングコストが大きくても分離係数の大きい処理法を適用して高濃度の濃縮を行えば、設備規模の増大を抑制し、かつランニングコストを低減しつつトリチウムの回収効率を向上することができる。
また、第11の発明のトリチウム回収方法は、第10の発明において、前記第二濃縮工程は、前記第一トリチウム濃縮水を電気分解して前記第二トリチウム濃縮水および前記第二トリチウム除去水を生成することを特徴とする。
このトリチウム回収方法によれば、分離係数の大きい処理法を適用した高濃度の濃縮処理が実現でき、第一濃縮工程の低濃度の濃縮処理の後に適宜高濃度の濃縮処理を行うことができる。
また、第12の発明のトリチウム回収方法は、第10または第11の発明において、前記第一濃縮工程は、前記トリチウム汚染水に蒸気を接触させて前記第一トリチウム濃縮水および前記第一トリチウム除去水を生成することを特徴とする。
このトリチウム回収方法によれば、ランニングコストの小さい処理法を適用して低濃度の濃縮処理が実現でき、第二濃縮工程の高濃度の濃縮処理の前に適宜低濃度の濃縮処理を行うことができる。
また、第13の発明のトリチウム回収方法は、第12の発明において、前記第一濃縮工程は、前記トリチウム汚染水に蒸気を接触させつつ減圧することを特徴とする。
このトリチウム回収方法によれば、第一濃縮工程に導入される蒸気の沸点が下がり、低温で沸騰させることができ、低エネルギーで処理効率を向上することができる。
また、第14の発明のトリチウム回収方法は、第10または第11の発明において、前記第一濃縮工程は、吸着平衡により、蒸気化した前記トリチウム汚染水のトリチウムを吸着剤に吸着させる一方、当該吸着剤からトリチウムを取り出すことで前記第一トリチウム濃縮水および前記第一トリチウム除去水を生成することを特徴とする。
このトリチウム回収方法によれば、ランニングコストの小さい処理法を適用して低濃度の濃縮処理が実現でき、第二濃縮工程の高濃度の濃縮処理の前に適宜低濃度の濃縮処理を行うことができる。
また、第15の発明のトリチウム回収方法は、第10〜第14のいずれか一つの発明において、前記第一濃縮工程を少なくとも2回連続し、前段の前記第一濃縮工程で生成された前記第一トリチウム除去水を後段の前記第一濃縮工程に前記トリチウム汚染水として導入する一方、初段の前記第一濃縮工程で生成された前記第一トリチウム濃縮水を前記第二濃縮工程に導入することを特徴とする。
このトリチウム回収方法によれば、第一トリチウム除去水を濃縮処理して生成される第一トリチウム除去水について、後処理可能な濃度まで低下させることができる。
また、第16の発明のトリチウム回収方法は、第15の発明において、後段の前記第一濃縮工程で生成された前記第一トリチウム濃縮水を初段の前記第一濃縮工程に前記トリチウム汚染水として導入することを特徴とする。
このトリチウム回収方法によれば、第一トリチウム濃縮水を初段の第一濃縮工程により再濃縮して減量処理して第二濃縮工程で濃縮することができる。
また、第17の発明のトリチウム回収方法は、第15また第16の発明において、終段の前記第一濃縮工程で生成された前記第一トリチウム除去水、および前記第二濃縮工程で生成された前記第二トリチウム除去水におけるトリチウム濃度が所定濃度以上である場合、当該各トリチウム除去水を、同等濃度の前記トリチウム汚染水を導入する前記第一濃縮工程に導入することを特徴とする。
このトリチウム回収方法によれば、第一トリチウム除去水および第二トリチウム除去水を所定濃度に希釈させ後処理可能にすることができる。
また、第18の発明のトリチウム回収方法は、第10〜第17のいずれか一つの発明において、前記第二濃縮工程に導入する前記第一トリチウム濃縮水を保温することを特徴とする。
このトリチウム回収方法によれば、第二濃縮工程での処理効率を向上することができる。
本発明によれば、トリチウム汚染水が大量であっても、設備規模の増大を抑制し、かつランニングコストを低減しつつトリチウムの回収効率を向上することができる。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係るトリチウム回収装置の構成図である。図2は、本実施形態に係るトリチウム回収装置における第一濃縮モジュールの構成図である。図3は、本実施形態に係るトリチウム回収装置における第一濃縮モジュール他の例の構成図である。図4は、本実施形態に係るトリチウム回収装置における第二濃縮モジュールの構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係るトリチウム回収装置10は、トリチウムを含むトリチウム汚染水からトリチウムを回収して、トリチウム濃縮水とトリチウム除去水とに分離するものである。本実施形態におけるトリチウム回収装置10は、トリチウム以外多核種除去設備11により放射性汚染水からトリチウム以外の放射性物質が除去されたトリチウム汚染水が導入される。このトリチウム回収装置10は、第一濃縮モジュール1(第一濃縮工程)と、第二濃縮モジュール2(第二濃縮工程)とを有する。
第一濃縮モジュール1は、トリチウム汚染水を低濃度で濃縮して第一トリチウム濃縮水CW1および第一トリチウム除去水RW1を生成する。
図1において、第一濃縮モジュール1は、前段(初段)の第一濃縮モジュール1において、トリチウム以外多核種除去設備11からトリチウム汚染水が導入され、このトリチウム汚染水から第一トリチウム濃縮水CW1および第一トリチウム除去水RW1を生成する。また後段(終段)の第一濃縮モジュール1において、前段の第一濃縮モジュール1で生成された第一トリチウム除去水RW1がトリチウム汚染水として導入され、このトリチウム汚染水から第一トリチウム濃縮水CW1’および第一トリチウム除去水RW1’を生成する。この第一濃縮モジュール1の数は、トリチウム汚染水のトリチウム濃度に応じて適宜設定されるもので、生成する第一トリチウム除去水RW1(RW1’)を後処理可能な所定濃度(例えば、60Bq/cm3)まで低下させるようにすればよく、この基準を満たせば1つであってもよい。従って、トリチウム回収装置10は、終段(1つの場合は初段)の第一濃縮モジュール1で生成された第一トリチウム除去水RW1’(RW1)のトリチウム濃度を計測する濃度測定手段3を有して、トリチウム濃度を監視するように構成されている。また、トリチウム回収装置10は、第一濃縮モジュール1から第二濃縮モジュール2に導入される第一トリチウム濃縮水CW1の温度を調整する温度調整手段4が設けられている。
図1に示すように、第一濃縮モジュール1において、例えば、流量4.9m3/h・トリチウム濃度1760Bq/cm3のトリチウム汚染水を、初段(1段目)にて生成した第一トリチウム濃縮水CW1が流量0.45m3/h・トリチウム濃度3520Bq/cm3まで濃縮される。一方、終段(2段目)にて生成した第一トリチウム除去水RW1’が流量4.45m3/h・トリチウム濃度60Bq/cm3まで希釈される。また、終段にて生成した第一トリチウム濃縮水CW1’(*1)は、初段へのトリチウム汚染水として導入する。
第一濃縮モジュール1は、図2および図3に示す構成がある。図2に示す第一濃縮モジュール1は、トリチウム汚染水に蒸気を接触させて第一トリチウム濃縮水CW1(CW1’)および第一トリチウム除去水RW1(RW1’)を生成する水蒸留モジュール50を構成する。
図2に示すように、水蒸留モジュール50は、蒸留ケーシング51aの内部に、上下方向に複数段(図2では7段)のトレイ51bが配置されている。トレイ51bは、多孔板として構成され、かつ上面に供給された水を上段から下段に流すように構成されている。
また、蒸留ケーシング51aは、その側部にトリチウム汚染水導入配管52が接続されている。トリチウム汚染水導入配管52は、トリチウム汚染水を蒸留ケーシング51a内に導入させる。トリチウム汚染水導入配管52を介して蒸留ケーシング51a内に導入されるトリチウム汚染水は、中段のトレイ51b上に供給される。このトリチウム汚染水は、トリチウム以外多核種除去設備11を経てトリチウム以外の放射性物質が除去されたトリチウム汚染水、または第一濃縮モジュール1が複数の場合に、前段の第一濃縮モジュール1で生成された第一トリチウム除去水RW1である。
また、蒸留ケーシング51aは、その下部に蒸気導入配管53が接続されている。蒸気導入配管53は、加熱器54で加熱された蒸気を、蒸留ケーシング51a内であって最下段のトレイ51bの下方より導入させる。加熱器54は、ヒータやボイラからなる。
また、蒸留ケーシング51aは、その下端部に、トリチウム濃縮水排出配管55が接続されている。トリチウム濃縮水排出配管55は、ポンプ56が設けられており、ポンプ56の作動により蒸留ケーシング51aの底に溜まった第一トリチウム濃縮水CW1(CW1’)を蒸留ケーシング51a外に排出する。このトリチウム濃縮水排出配管55は、二方に分岐して構成され、一方が加熱器54に至り、他方が第二濃縮モジュール2、または第一濃縮モジュール1が複数の場合に、前段の第一濃縮モジュール1のトリチウム汚染水導入配管52に至る。すなわち、開閉弁57aの開作動によりトリチウム濃縮水排出配管55を経て一方に排出される第一トリチウム濃縮水CW1(CW1’)は、加熱器54で加熱されて蒸気となって蒸気導入配管53を介して蒸留ケーシング51a内に導入される。また、開閉弁57bの開作動によりトリチウム濃縮水排出配管55を経て他方に排出される第一トリチウム濃縮水CW1(CW1’)は、第二濃縮モジュール2、または第一濃縮モジュール1が複数の場合に、前段の第一濃縮モジュール1のトリチウム汚染水導入配管52に至る。
また、蒸留ケーシング51aは、その上端部にトリチウム除去水排出配管58が接続されている。トリチウム除去水排出配管58は、蒸留ケーシング51a内で生成される第一トリチウム除去水RW1(RW1’)を蒸留ケーシング51a外に排出する。トリチウム除去水排出配管58は、途中で分岐して蒸留ケーシング51aの上部に接続された環流配管58aが設けられている。環流配管58aは、最上段のトレイ51bの上方に接続されている。
また、水蒸留モジュール50は、減圧手段59が設けられている。減圧手段59は、真空ポンプなどからなり、蒸留ケーシング51a内の圧を低下させる。なお、図2において、減圧手段59は、蒸留ケーシング51aの上部に配置されているが、トリチウム除去水排出配管58に配置されていてもよい。
このように構成された水蒸留モジュール50では、水蒸留法として、トリチウム汚染水導入配管52を介して蒸留ケーシング51a内に導入されたトリチウム汚染水は、中段のトレイ51b上を流れてトレイ51bの多孔板の孔に膜を形成しつつ下方に流れてゆき、やがて蒸留ケーシング51aの底に溜まる。蒸留ケーシング51aの底に溜まるトリチウム汚染水は、トリチウム濃縮水排出配管55、加熱器54、蒸気導入配管53を順に経て蒸気となって蒸留ケーシング51aの下部に導入される。この蒸気は、下からトレイ51bの多孔板の孔を通過し、トレイ51b上のトリチウム汚染水と接触することでトリチウムが除去され、さらに上側のトレイ51bを経てさらにトリチウムが除去される。トリチウムが除去された蒸気は、トリチウム除去水排出配管58から蒸留ケーシング51a外に排出される。また、環流配管58aにより最上段のトレイ51bの上方に導入された凝縮水が、最上段のトレイ51b上を流れてトレイ51bの多孔板の孔に膜を形成しつつ下方に流れてゆく。この凝縮水により、トレイ51bの多孔板の孔を通過する蒸気からトリチウムが除去される。そして、上から下にトレイ51bを流れるトリチウム汚染水や凝縮水は、トリチウム濃縮水として蒸留ケーシング51aの底に溜まる。この蒸留ケーシング51aの底に溜まったトリチウム濃縮水は、トリチウム濃縮水排出配管55、加熱器54、蒸気導入配管53を順に経て蒸気となって循環する一方、濃縮が飽和した場合に、トリチウム濃縮水排出配管55を経て他方に排出される。
なお、トリチウム汚染水導入配管52を介して蒸留ケーシング51a内に導入されたトリチウム汚染水は、中段のトレイ51b上を流れるが、この中段のトレイ51b以下のトレイ51bがトリチウムの濃いトリチウム濃縮系統になり、この中段のトレイ51bより上の凝縮水が流れるトレイ51bがトリチウムの薄いトリチウム希薄系になる。従って、トリチウム汚染水の濃度に応じてトリチウム汚染水導入配管52の位置を変えるようにすることが好ましい。
また、水蒸留モジュール50は、減圧手段59により蒸留ケーシング51a内の圧を低下させることで、蒸留ケーシング51aに導入される蒸気の沸点が下がり、低温で沸騰させることができる。
一方、図3に示す第一濃縮モジュール1は、吸着平衡により、蒸気化したトリチウム汚染水のトリチウムを吸着剤に吸着させる一方、当該吸着剤からトリチウムを取り出すことで第一トリチウム濃縮水CW1(CW1’)および第一トリチウム除去水RW1(RW1’)を生成する吸着モジュール60を構成する。
図3(a)に示すように、吸着モジュール60は、吸着ケーシング61aの内部に吸着剤61bが配置されている。吸着剤61bは、例えば、ゼオライトなどが用いられる。
また、吸着ケーシング61aは、その底部にトリチウム汚染水導入配管62が接続されている。トリチウム汚染水導入配管62は、トリチウム汚染水を吸着ケーシング61a内に導入させる。トリチウム汚染水導入配管62は、加熱器63が設けられている。加熱器63は、ヒータやボイラからなる。従って、トリチウム汚染水導入配管62は、加熱器63で加熱されて蒸気化したトリチウム汚染水を吸着ケーシング61a内に導入させる。また、トリチウム汚染水導入配管62は、開閉弁62aが設けられている。
また、吸着ケーシング61aは、その上端部に排出配管64が接続されている。排出配管64は、吸着ケーシング61a内で生成される第一トリチウム除去水RW1(RW1’)を吸着ケーシング61a外に排出する。排出配管64は、開閉弁64aが設けられている。
また、吸着ケーシング61aは、その底部に吸引配管65が接続されている。吸引配管65は、真空ポンプ66が設けられている。従って、吸引配管65は、真空ポンプ66の作動により吸着ケーシング61a内の空気を吸引し、吸着ケーシング61a内を減圧する。吸引配管65は、開閉弁65aが設けられている。
このように構成された吸着モジュール60は、圧力スイング吸着法(PSA)として、図3(a)に示すように、開閉弁65aを閉作動させて吸引配管65を閉じた状態で、開閉弁62aおよび開閉弁64aを開作動させ、トリチウム汚染水導入配管62から蒸気化したトリチウム汚染水を吸着ケーシング61a内に導入させる。トリチウム汚染水の蒸気は、吸着ケーシング61a内を上昇する過程で吸着剤61bにトリチウムが吸着されることで、トリチウムが除去された蒸気となって排出配管64から吸着ケーシング61a外に排出される。その後、図3(b)に示すように、開閉弁62aおよび開閉弁64aを閉作動させて、トリチウム汚染水導入配管62および排出配管64を閉じた状態で、開閉弁65aを開作動させて真空ポンプ66の作動により吸着ケーシング61a内の空気を吸引し、吸着ケーシング61a内を減圧する。これにより、吸着剤61bからトリチウムが離脱され、減圧により蒸気の状態で吸引配管65を介して吸着ケーシング61a外に排出される。
また、図1に戻り、第二濃縮モジュール2は、第一濃縮モジュール1にて濃縮された第一トリチウム濃縮水CW1を高濃度で再濃縮して第二トリチウム濃縮水CW2および第二トリチウム除去水RW2を生成する。図1に示すように、第二濃縮モジュール2で生成された第二トリチウム濃縮水CW2は、最終的な濃縮形態として処理される。また、第二濃縮モジュール2で生成された第二トリチウム除去水RW2(*3)は、第一濃縮モジュール1(終段)で生成された第一トリチウム除去水RW1’(*2)と共に最終的な濃縮形態として処理される。
図1に示すように、第二濃縮モジュール2において、第一濃縮モジュール1の初段(1段目)にて生成した流量0.45m3/h・トリチウム濃度3520Bq/cm3の第一トリチウム濃縮水CW1が、流量0.09m3/h・トリチウム濃度17600Bq/cm3まで濃縮される。また、第二濃縮モジュール2において生成した第二トリチウム除去水RW2は、流量0.36m3/h・トリチウム濃度60Bq/cm3まで希釈される。この第二トリチウム除去水RW2(*3)は、終段の第一濃縮モジュール1で生成された第一トリチウム除去水RW1’(*2)と合わせて流量4.81m3/h・トリチウム濃度60Bq/cm3となる。
第二濃縮モジュール2は、図4に示すように、第一トリチウム濃縮水CW1を電気分解して第二トリチウム濃縮水CW2および第二トリチウム除去水RW2を生成する電解モジュール70を構成する。
電解モジュール70は、第一トリチウム濃縮水貯留槽71、濃縮槽72、電解槽73、および液化手段74を有する。
第一トリチウム濃縮水貯留槽71は、第一濃縮モジュール1の第一トリチウム濃縮水CW1を排出する側であって、水蒸留モジュール50におけるトリチウム濃縮水排出配管55、または吸着モジュール60における吸引配管65に接続され、第一濃縮モジュール1から排出された第一トリチウム濃縮水CW1を貯留する。
濃縮槽72は、第一トリチウム濃縮水貯留槽71に第一導入配管75で接続され、第一トリチウム濃縮水貯留槽71に貯留される第一トリチウム濃縮水CW1が導入される。また、濃縮槽72は、排出配管76が設けられている。
電解槽73は、濃縮槽72に第二導入配管77で接続され、第一トリチウム濃縮水貯留槽71に貯留される第一トリチウム濃縮水CW1が導入される。電解槽73は、電極73aが設けられ、導入される第一トリチウム濃縮水CW1を電気分解する。また、電解槽73は、濃縮槽72に戻り配管78で接続されている。また、電解槽73は、第三導入配管79を介して液化手段74が接続されている。
液化手段74は、電解槽73で第一トリチウム濃縮水CW1が電気分解されることで生成される水素ガス(H2)およびトリチウム水素(HT)を第三導入配管79を介して導入し、これらを液化して第二トリチウム除去水RW2を生成する。このため、液化手段74は、添加物として酸素(O2)または水蒸気(H2O)を導入する。なお、液化手段74に導入する酸素は、電解槽73から発生するものを利用してもよい。これにより、水(H2O)で低濃度に希釈されたトリチウム水(HTO)からなる第二トリチウム除去水RW2が生成される。この第二トリチウム除去水RW2は、排出配管76に送って第二トリチウム濃縮水CW2に混合してもよい。
このように構成された電解モジュール70は、水電解法として、第一トリチウム濃縮水貯留槽71おいて第一トリチウム濃縮水CW1が定量的に貯留される。この第一トリチウム濃縮水貯留槽71に貯留される第一トリチウム濃縮水CW1は、必要に応じて濃縮槽72に導入される。濃縮槽72に導入された第一トリチウム濃縮水CW1は、電解槽73に導入されて電気分解される。上述したように、第一トリチウム濃縮水CW1が電気分解されることで生成される水素ガスおよびトリチウム水素は、液化手段74において第二トリチウム除去水RW2とされる。一方、第一トリチウム濃縮水CW1が電気分解されることで濃縮されるトリチウム水は、戻り配管78を介して濃縮槽72に導入される。この濃縮トリチウム水は、濃縮槽72と電解槽73を循環して高濃度の第二トリチウム濃縮水CW2となり、排出配管76から排出される。
以上説明したように、本実施形態のトリチウム回収装置10は、トリチウム汚染水を低濃度で濃縮して第一トリチウム濃縮水CW1および第一トリチウム除去水RW1を生成する第一濃縮モジュール1と、第一濃縮モジュール1にて濃縮された第一トリチウム濃縮水CW1を高濃度で再濃縮して第二トリチウム濃縮水CW2および第二トリチウム除去水RW2を生成する第二濃縮モジュール2と、を備える。
このトリチウム回収装置10によれば、始めに第一濃縮モジュール1でトリチウム汚染水を低濃度で濃縮しておくことで、第二濃縮モジュール2における高濃度の濃縮での処理量を減少させることができる。このため、処理するトリチウム汚染水が大量であっても、例えば、第一濃縮モジュール1で分離係数が小さくてもランニングコストの小さい処理法を適用してトリチウム汚染水を低濃度で濃縮し、第二濃縮モジュール2でランニングコストが大きくても分離係数の大きい処理法を適用して高濃度の濃縮を行えば、設備規模の増大を抑制し、かつランニングコストを低減しつつトリチウムの回収効率を向上することができる。
また、本実施形態のトリチウム回収装置10では、第二濃縮モジュール2は、第一トリチウム濃縮水CW1を電気分解して第二トリチウム濃縮水CW2および第二トリチウム除去水RW2を生成する電解モジュール70を構成する。
このトリチウム回収装置10によれば、第二濃縮モジュール2を電解モジュール70で構成することにより、分離係数の大きい処理法を適用した高濃度の濃縮処理が実現でき、第一濃縮モジュール1の低濃度の濃縮処理の後に適宜高濃度の濃縮処理を行うことができる。
また、本実施形態のトリチウム回収装置10では、第一濃縮モジュール1は、トリチウム汚染水に蒸気を接触させて第一トリチウム濃縮水CW1および第一トリチウム除去水RW1を生成する水蒸留モジュール50を構成する。
このトリチウム回収装置10によれば、第一濃縮モジュール1を水蒸留モジュール50で構成することにより、ランニングコストの小さい処理法を適用して低濃度の濃縮処理が実現でき、第二濃縮モジュール2の高濃度の濃縮処理の前に適宜低濃度の濃縮処理を行うことができる。
また、本実施形態のトリチウム回収装置10では、水蒸留モジュール50は、トリチウム汚染水に蒸気を接触させる蒸留ケーシング51a内を減圧する減圧手段59を備える。
このトリチウム回収装置10によれば、減圧手段59で蒸留ケーシング51a内を減圧することにより、蒸留ケーシング51aに導入される蒸気の沸点が下がり、低温で沸騰させることができ、低エネルギーで処理効率を向上することができる。
また、本実施形態のトリチウム回収装置10では、第一濃縮モジュール1は、吸着平衡により、蒸気化したトリチウム汚染水のトリチウムを吸着剤61bに吸着させる一方、当該吸着剤61bからトリチウムを取り出すことで第一トリチウム濃縮水CW1および第一トリチウム除去水RW1を生成する吸着モジュール60を構成する。
このトリチウム回収装置10によれば、第一濃縮モジュール1を吸着モジュール60で構成することにより、ランニングコストの小さい処理法を適用して低濃度の濃縮処理が実現でき、第二濃縮モジュール2の高濃度の濃縮処理の前に適宜低濃度の濃縮処理を行うことができる。
また、本実施形態のトリチウム回収装置10では、第一濃縮モジュール1を少なくとも2つ連続して配置し、前段の第一濃縮モジュール1で生成された第一トリチウム除去水RW1を後段の第一濃縮モジュール1にトリチウム汚染水として導入する一方、初段の第一濃縮モジュール1で生成された第一トリチウム濃縮水CW1を第二濃縮モジュール2に導入する。
このトリチウム回収装置10によれば、前段の第一濃縮モジュール1で生成された第一トリチウム除去水RW1を後段の第一濃縮モジュール1にトリチウム汚染水として導入することで、第一トリチウム除去水RW1を濃縮処理して生成される第一トリチウム除去水RW1’について、後処理可能な濃度まで低下させることができる。
また、本実施形態のトリチウム回収装置10では、後段の第一濃縮モジュール1で生成された第一トリチウム濃縮水CW1’(図1の*1)を初段の第一濃縮モジュール1にトリチウム汚染水として導入する。
このトリチウム回収装置10によれば、後段の第一濃縮モジュール1で生成された第一トリチウム濃縮水CW1’を初段の第一濃縮モジュール1にトリチウム汚染水として導入することで、第一トリチウム濃縮水CW1’を初段の第一濃縮モジュール1により再濃縮して減量処理して第二濃縮モジュール2で濃縮することができる。
また、本実施形態のトリチウム回収装置10では、終段の第一濃縮モジュール1で生成された第一トリチウム除去水RW1’(図1の*2)、および第二濃縮モジュール2で生成された第二トリチウム除去水RW2(図1の*3)におけるトリチウム濃度を測定する濃度測定手段3を有し、測定されたトリチウム濃度が所定濃度(例えば、60Bq/cm3)以上である場合、当該各トリチウム除去水RW1’,RW2を、同等濃度のトリチウム汚染水を導入する第一濃縮モジュール1(図1では初段)に導入する。
このトリチウム回収装置10によれば、濃度測定手段3で測定されたトリチウム濃度に基づいて、所定濃度以上は、同等濃度のトリチウム汚染水を導入する第一濃縮モジュール1に戻すことにより、第一トリチウム除去水RW1’および第二トリチウム除去水RW2を所定濃度に希釈させ後処理可能にすることができる。
また、本実施形態のトリチウム回収装置10では、第二濃縮モジュール2に導入する第一トリチウム濃縮水CW1の温度を調整する温度調整手段4を備える。
このトリチウム回収装置10によれば、温度調整手段4により第二濃縮モジュール2に導入する第一トリチウム濃縮水CW1の温度を調整(例えば、第一トリチウム濃縮水CW1を保温)することで、第二濃縮モジュール2での処理効率を向上することができる。特に、第二濃縮モジュール2を電解モジュール70で構成する場合に効果的である。
また、本実施形態のトリチウム回収方法は、トリチウム汚染水を低濃度で濃縮して第一トリチウム濃縮水CW1および第一トリチウム除去水RW1を生成する第一濃縮工程と、第一濃縮工程にて濃縮された第一トリチウム濃縮水CW1を高濃度で再濃縮して第二トリチウム濃縮水CW2および第二トリチウム除去水RW2を生成する第二濃縮工程と、を含む。
このトリチウム回収方法によれば、始めに第一濃縮工程でトリチウム汚染水を低濃度で濃縮しておくことで、第二濃縮工程における高濃度の濃縮での処理量を減少させることができる。このため、処理するトリチウム汚染水が大量であっても、例えば、第一濃縮工程で分離係数が小さくてもランニングコストの小さい処理法を適用してトリチウム汚染水を低濃度で濃縮し、第二濃縮工程でランニングコストが大きくても分離係数の大きい処理法を適用して高濃度の濃縮を行えば、設備規模の増大を抑制し、かつランニングコストを低減しつつトリチウムの回収効率を向上することができる。
また、本実施形態のトリチウム回収方法では、第二濃縮工程は、第一トリチウム濃縮水CW1を電気分解して第二トリチウム濃縮水CW2を生成する。
このトリチウム回収方法によれば、分離係数の大きい処理法を適用した高濃度の濃縮処理が実現でき、第一濃縮工程の低濃度の濃縮処理の後に適宜高濃度の濃縮処理を行うことができる。
また、本実施形態のトリチウム回収方法では、第一濃縮工程は、トリチウム汚染水に蒸気を接触させて第一トリチウム濃縮水CW1および第一トリチウム除去水RW1を生成する。
このトリチウム回収方法によれば、ランニングコストの小さい処理法を適用して低濃度の濃縮処理が実現でき、第二濃縮工程の高濃度の濃縮処理の前に適宜低濃度の濃縮処理を行うことができる。
また、本実施形態のトリチウム回収方法では、第一濃縮工程は、トリチウム汚染水に蒸気を接触させつつ減圧する。
このトリチウム回収方法によれば、第一濃縮工程に導入される蒸気の沸点が下がり、低温で沸騰させることができ、低エネルギーで処理効率を向上することができる。
また、本実施形態のトリチウム回収方法では、第一濃縮工程は、吸着平衡により、蒸気化したトリチウム汚染水のトリチウムを吸着剤61bに吸着させる一方、当該吸着剤61bからトリチウムを取り出すことで第一トリチウム濃縮水CW1および第一トリチウム除去水RW1を生成する。
このトリチウム回収方法によれば、ランニングコストの小さい処理法を適用して低濃度の濃縮処理が実現でき、第二濃縮モジュール2の高濃度の濃縮処理の前に適宜低濃度の濃縮処理を行うことができる。
また、本実施形態のトリチウム回収方法では、第一濃縮工程を少なくとも2回連続し、前段の第一濃縮工程で生成された第一トリチウム除去水RW1を後段の第一濃縮工程にトリチウム汚染水として導入する一方、初段の第一濃縮工程で生成された第一トリチウム濃縮水CW1を第二濃縮工程に導入する。
このトリチウム回収方法によれば、前段の第一濃縮工程で生成された第一トリチウム除去水RW1を後段の第一濃縮工程にトリチウム汚染水として導入することで、第一トリチウム除去水RW1を濃縮処理して生成される第一トリチウム除去水RW1’について、後処理可能な濃度まで低下させることができる。
また、本実施形態のトリチウム回収方法では、後段の第一濃縮工程で生成された第一トリチウム濃縮水CW1’を初段の第一濃縮工程にトリチウム汚染水として導入する。
このトリチウム回収方法によれば、後段の第一濃縮工程で生成された第一トリチウム濃縮水CW1’を初段の第一濃縮工程にトリチウム汚染水として導入することで、第一トリチウム濃縮水CW1’を初段の第一濃縮工程により再濃縮して減量処理して第二濃縮工程で濃縮することができる。
また、本実施形態のトリチウム回収方法では、終段の第一濃縮工程で生成された第一トリチウム除去水RW1’、および第二濃縮工程で生成された第二トリチウム除去水RW2におけるトリチウム濃度が所定濃度以上である場合、当該各トリチウム除去水RW1’RW2を、同等濃度の前記トリチウム汚染水を導入する前記第一濃縮工程に導入する。
このトリチウム回収方法によれば、トリチウム濃度に基づいて、所定濃度以上は、同等濃度のトリチウム汚染水を導入する第一濃縮工程に戻すことにより、第一トリチウム除去水RW1’および第二トリチウム除去水RW2を所定濃度に希釈させ後処理可能にすることができる。
また、本実施形態のトリチウム回収方法では、第二濃縮工程に導入する第一トリチウム濃縮水CW1を保温する。
このトリチウム回収方法によれば、第二濃縮工程での処理効率を向上することができる。特に、第二濃縮工程に電解分解を適用する場合に効果的である。