JP6284307B2 - 電動リールのモータ制御装置 - Google Patents
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Description
<電動リールの全体構成>
図1、図2、図3、図4及び図5において、本発明の第1実施形態による電動リール100は、外部電源から供給された電力により駆動されるとともに、手巻きの両軸受リールとしても使用可能な小型の電動リールである。また、電動リール100は糸繰り出し長さ又は糸巻取長さに応じて仕掛けの水深を表示する水深表示機能を有するリールである。なお、電動リール100は、外部電源なしに、手巻きの両軸受リールとして使用する場合に、水深表示機能を駆動するための内部電源を有している。
リール本体1は、フレーム7と、第1側カバー8aと、第2側カバー8bと、前カバー9(図7参照)と、前述した水深表示部4と、を備える。フレーム7は、例えば合成樹脂又は金属製の一体形成された部材である。フレーム7は、第1側板7aと、第2側板7bと、第1側板7aと第2側板7bとを連結する第1連結部材7c、第2連結部材7d及び第3連結部材7eと、を有する。第2側板7bは、第1側板7aと左右方向(図2左右方向)に間隔を隔てて配置される。第1側カバー8aは、フレーム7のハンドル2装着側を覆う。第2側カバー8bは、フレーム7のハンドル2装着側と逆側を覆う。前カバー9は、フレーム7の前部を覆う。
スプール10は、スプール軸14に一体回転可能に装着されている。スプール10は、図3に示すように、筒状の糸巻胴部10aと、糸巻胴部10aの両側に一体形成された大径の第1フランジ部10b及び第2フランジ部10cと、を有している。第1フランジ部10bは、第1側板7a側に設けられ、第2フランジ部10cは第2側板7b側に設けられる。スプール軸14は、糸巻胴部10aの内周部に圧入等の適宜の固定手段により固定されている。
クラッチ機構16は、図3に示すように、クラッチピン16aと、ピニオンギア32の図3左側端面に径方向に沿って十字に凹んで形成されたクラッチ凹部16bと、を有している。ピニオンギア32は、クラッチ機構16を構成するとともに、スプール駆動機構13の後述する第1回転伝達機構24を構成している。ピニオンギア32は、スプール軸14方向に沿って、図3に示すクラッチオン位置とクラッチオン位置より右側のクラッチオフ位置との間で移動する。クラッチオン位置では、クラッチピン16aがクラッチ凹部16bに係合してピニオンギア32の回転がスプール軸14に伝達され、クラッチ機構16は、クラッチオン状態になる。このクラッチオン状態では、ピニオンギア32とスプール軸14とが一体回転可能になる。また、クラッチオフ位置では、クラッチ凹部16bがクラッチピン16aから離反してピニオンギア32の回転がスプール軸14に伝達されない。このため、クラッチ機構16は、クラッチオフ状態になり、スプール10は自由回転可能になる。
クラッチ制御機構20は、クラッチ操作部材11の図7に実線で示すクラッチオン位置と図7に二点鎖線で示すクラッチオフ位置との間の揺動によりクラッチ機構16をクラッチオン状態とクラッチオフ状態とに切り換えるために設けられる。クラッチ制御機構20は、図5に示すように、スプール軸14回りに第1位置と第2位置とに回動するクラッチカム40と、クラッチカム40に係合するクラッチヨーク41と、クラッチカム40とクラッチ操作部材11とを連結するクラッチプレート42と、を有する。クラッチプレート42は、クラッチカム40と一体的に回動する。クラッチカム40は、機構装着板19bに回動自在に支持される。クラッチカム40は、回動によってクラッチヨーク41を移動させるための一対のカム部40aを有する。
クラッチ操作部材11は、クラッチ機構16をクラッチオン状態とクラッチオフ状態とに切り換え操作するためのものである。クラッチ操作部材11は、図1に示すように、第1側板7aと第2側板7bとの間でリール本体1の後部に釣り竿装着部7gに対して接近及び離反する方向に移動可能に設けられる。この実施形態では、クラッチ操作部材11は、スプール10の軸回りに揺動可能に設けられる。クラッチ操作部材11は、図7に実線で示すクラッチオン位置と、二点鎖線で示すクラッチオフ位置と、の間で揺動する。第1側板7aの後部及び第2側板7bの後部の内側面には、図5に示すように、第1接触板43a及び第2接触板43bが各別に装着される。第1接触板43a及び第2接触板43bは、ポリアセタール等の摺動性が高い合成樹脂製の部材である。第1接触板43a及び第2接触板43bは、第1側板7a及び第2側板7bに各別に着脱可能に嵌め込まれている。
スプール駆動機構13は、スプール10を糸巻取方向に駆動する。また、巻取時にスプール10にドラグ力を発生させて釣り糸の切断を防止する。スプール駆動機構13は、図8に示すように、図示しないローラクラッチの形態の逆転防止部によって糸巻取方向の回転が禁止されたモータ12と、第1回転伝達機構24と、第2回転伝達機構25と、を備えている。第1回転伝達機構24は、モータ12の回転を減速してスプール10に伝達する。第2回転伝達機構25は、ハンドル2の回転を、第1回転伝達機構24を介して増速してスプール10に伝達する。
出力調整部材5は、モータ12の出力を複数段階に調整するためにリール本体1に設けられる。図12にグラフによって出力調整部材5の移動位置(回動角度)とモータ出力との関係を示す。図12では、縦軸にモータ出力を、横軸に移動位置をとっている。また、各段階の数値を丸付き数字によって示している。
検出子34は、図4、図6及び図9に示すように、出力調整部材5に装着される。具体的には、前述したように出力調整部材5の一対の検出子収容部5dに接着等の適宜の固定手段によって固定される。検出子34は、一対の検出子収容部5dに各別に固定される第1磁石34aと第2磁石34bとを有する。第1磁石34a及び第2磁石34bは、それぞれ出力調整部材5の軸方向に沿って着磁される。第2磁石34bは、第1磁石34aと逆方向に着磁される。この実施形態では、第1磁石34aは、ケース部材36に対向する側がN極に着磁され、検出子収容部5dの底面側がS極に着磁される。反対に第2磁石は、ケース部材36に対向する側がS極に着磁され、検出子収容部5dの底面側がN極に着磁される。このように軸方向着磁の第1磁石34aと第2磁石34bを磁束方向が逆になるように配置することによって、径方向着磁の磁石と同じに反応する検出子34を、軸方向着磁の簡素な第1磁石34a及び第2磁石34bによって得ることができる。
位相検出部35は、前述したように水深表示部4のケース部材36の内部に配置された副回路基板74bに搭載されるホール素子35aである。ホール素子35aは、図10に示すように、出力調整部材5の回転中心Cに合わせて配置される。このようにホール素子35aを配置することによって、第1磁石34aと第2磁石34bとによって生じる磁束方向の変化をホール素子35aが検出可能になる。この結果、ホール素子35aを用いて、出力調整部材5の回動によって変化する磁束方向を検出して出力調整部材5の回転位相を検出できる。ホール素子35aは、図7に示すように、径方向着磁の検出子34のN極がホール素子35aに例えば半円形で表示されたマーク35b側にあるときを0°とすると、検出子34が0°の位置において、図11に示すように出力電圧が最小になる。検出子34が0°から反時計回りにホール素子35aに対して相対回転すると、出力電圧が徐々に上昇し、360°に近づくと出力電圧が最大になり、0°に戻るとまた最小にもどる。これにより、0°から360°までの範囲で出力調整部材5の回転位相をホール素子35aによって検出できる。この実施形態では、例えば、50°から150°程度の範囲でホール素子35aの出力電圧を用いている。ただし、ホール素子35aの出力電圧の角度範囲は、これに限定されない。例えば、230°から330°の範囲等、ホール素子の出力特性に応じて適宜選択可能である。
図13に示すように、制御システム27のリール制御部70は、モータ12及び表示器72を制御する。リール制御部70は、CPU(中央演算ユニット)を含むマイクロコンピュータによって構成される。リール制御部70には、位相検出部35としてのホール素子35aと、スイッチ操作部6の各スイッチと、スプールセンサ78とが接続されている。また、リール制御部70には制御対象としての表示器72と、モータ駆動回路76と、ブザー80と、他の入出力部82と、が接続されている。スプールセンサ78は、スプール10の回転に連動して回転する図示しない磁石を検出する一対のリードスイッチ(又はホール素子)を有する。一対のリードスイッチはスプール10の回転方向に並べて配置されている。この実施形態では、一対のリードスイッチは、リール本体1のスプール支持部17に設けられる。スプールセンサ78によって、スプール10の回転数(回転位置)及び回転方向を検出できる。モータ駆動回路76は、モータ12をPWM(パルス幅変調)駆動する。すなわち、デューティ比を変化させてモータ12を駆動する。ブザー80は、ケース部材36の内部に収納される。ブザー80は仕掛けが棚位置に到達したり、海底に到達したりすると鳴動する。他の入出力部82は、例えば無線通信部などから構成される。
このように構成された電動リール100では、釣りを行うときは、釣り人は釣り竿を持つ手の親指によってクラッチ操作部材11を押し下げ操作する。これにより、クラッチ機構16がクラッチオン状態からクラッチオフ状態に切り換わり、スプール10が自由回転状態になり、仕掛けの自重によって釣り糸が海中に繰り出される。
図14において、第1実施形態の変形例では第1操作範囲RO1が1段階ではなく2段階の第1移動範囲RM1を有している。従って低出力側での微調整をさらに行いやすくなる。
図15において、第2実施形態では、出力調整部材5の操作範囲ROは、第1実施形態と同様に、停止範囲RSと、少なくとも1つの第3移動範囲RM3を有する第3操作範囲(第1実施形態の第1操作範囲RO1に相当する)RO3と、少なくとも1つの第4移動範囲RM4を有する第4操作範囲(第1実施形態の第2操作範囲RO2に相当する)RO4と、を有する。第3操作範囲RO3は、第4操作範囲RO4よりも回転停止位置である停止範囲RS側に設けられる。したがって、第3操作範囲RO3は、モータ12の低出力での操作に用いられる。第3移動範囲RM3と第4移動範囲RM4では、移動量は同じである。第3移動範囲RM3の第2変化量C2は、第4移動範囲RM4の第3変化量C3よりも小さい。第2実施形態では、第2変化量C2は、第3変化量C3の実質的に半分である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
上記実施形態は、下記のように表現可能である。
5,105 出力調整部材
10 スプール
12 モータ
27 制御システム(電動リールのモータ制御装置の一例)
34 検出子
35 位相検出部
35a ホール素子
84a 出力調整部(第1出力調整部及び第2出力調整部の一例)
100,200 電動リール
RO 操作範囲
RM1 第1移動範囲
RM2 第2移動範囲
RM3 第3移動範囲
RM4 第4移動範囲
RO1 第1操作範囲
RO2 第2操作範囲
RO3 第3操作範囲
RO4 第4操作範囲
RS 停止範囲(モータの回転停止位置の一例)
C1 第1変化量
C2 第2変化量
C3 第3変化量
Claims (9)
- リール本体に回転自在に装着されたスプールをモータによって駆動する電動リールの前記モータを制御する電動リールのモータ制御装置であって、
前記リール本体に移動可能に設けられ、前記モータの回転が停止する回転停止範囲と、前記回転停止範囲に隣接する第1移動範囲と、前記第1移動範囲とは移動量が異なる第2移動範囲と、を含む操作範囲で操作可能な出力調整部材と、
前記出力調整部材が、前記第1移動範囲及び前記第2移動範囲で操作されたとき、それぞれ、前記モータの出力を第1変化量で変化させる第1出力調整部と、
を備え、
前記出力調整部材の前記操作範囲は、前記モータの回転停止位置から前記モータの最大出力位置までであり、
前記回転停止範囲は、前記第2移動範囲よりも移動量が大きく、
前記第1移動範囲は、前記第2移動範囲よりも移動量が大きく、前記第2移動範囲よりも前記回転停止位置側に設けられている、電動リールのモータ制御装置。 - 前記第1移動範囲は、前記第2移動範囲の実質的に2倍の移動量である、請求項1に記載の電動リールのモータ制御装置。
- 前記操作範囲は、少なくとも一つの前記第1移動範囲を有する第1操作範囲と、少なくとも一つの前記第2移動範囲を有する第2操作範囲と、を有する、請求項1又は2に記載の電動リールのモータ制御装置。
- 前記第2操作範囲は、前記第1操作範囲と同じ、もしくは、前記第1操作範囲よりも移動量が大きい、請求項3に記載の電動リールのモータ制御装置。
- 前記出力調整部材は、前記リール本体に対して、回転可能に支持され、回転操作で前記モータ出力を調整可能である、請求項1から4のいずれか1項に記載の電動リールのモータ制御装置。
- 前記出力調整部材の回転操作角度を検出するポテンショメータを、さらに備える、請求項5に記載の電動リールのモータ制御装置。
- 前記リール本体及び前記出力調整部材の一方に設けられる検出子と、
前記リール本体及び前記出力調整部材の他方に設けられ、前記検出子との相対的な回転位相を検出可能な位相検出部と、をさらに備える、請求項6に記載の電動リールのモータ制御装置。 - 前記位相検出部は、前記検出子の回転位相を検出可能なホール素子である、請求項7に記載の電動リールのモータ制御装置。
- 前記位相検出部は、前記リール本体に設けられる、請求項7又は8に記載の電動リールのモータ制御装置。
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