JP6132894B2 - 電動リール - Google Patents
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Description
図1、図2、図3、図4及び図5において、本発明の一実施形態を採用した電動リール100は、外部電源から供給された電力により駆動されるとともに、手巻きの両軸受リールとして使用するときの電源を内部に有する小型の電動リールである。また、電動リール100は糸繰り出し長さ又は糸巻取長さに応じて仕掛けの水深を表示する水深表示機能を有するリールである。
リール本体1は、フレーム7と、第1側カバー8aと、第2側カバー8bと、前カバー9と、前述した水深表示部4と、を備える。フレーム7は、例えば合成樹脂又は金属製の一体形成された部材である。フレーム7は、第1側板7aと、第2側板7bと、第1側板7aと第2側板7bとを連結する第1連結部材7c、第2連結部材7d及び第3連結部材7eと、を有する。第2側板7bは、第1側板7aと左右方向(図4左右方向)に間隔を隔てて配置される。第1側カバー8aは、フレーム7のハンドル2装着側を覆う。第2側カバー8bは、フレーム7のハンドル2装着側と逆側を覆う。前カバー9は、フレーム7の前部を覆う。
スプール10は、スプール軸14に一体回転可能に装着されている。スプール10は、図4に示すように、筒状の糸巻胴部10aと、糸巻胴部10aの両側に一体形成された大径の第1フランジ部10b及び第2フランジ部10cと、を有している。第1フランジ部10bは、第1側板7a側に設けられ、第2フランジ部10cは第2側板7b側に設けられる。スプール軸14は、糸巻胴部10aの内周部に圧入等の適宜の固定手段により固定されている。
クラッチ機構16は、図4に示すように、クラッチピン16aと、ピニオンギア32の図3左側端面に径方向に沿って十字に凹んで形成されたクラッチ凹部16bと、を有している。ピニオンギア32は、クラッチ機構16を構成するとともに、スプール駆動機構13の後述する第1回転伝達機構24を構成している。ピニオンギア32は、スプール軸14方向に沿って、図4に示すクラッチオン位置とクラッチオン位置より図4右側のクラッチオフ位置との間で移動する。クラッチオン位置では、クラッチピン16aがクラッチ凹部16bに係合してピニオンギア32の回転がスプール軸14に伝達され、クラッチ機構16は、クラッチオン状態になる。このクラッチオン状態では、ピニオンギア32とスプール軸14とが一体回転可能になる。また、クラッチオフ位置では、クラッチ凹部16bがクラッチピン16aから離反してピニオンギア32の回転がスプール軸14に伝達されない。このため、クラッチ機構16は、クラッチオフ状態になり、スプール10は自由回転可能になる。
クラッチ制御機構20は、クラッチ操作部材11の図10に実線で示すクラッチオン位置と図10に二点鎖線で示すクラッチオフ位置との間の揺動によりクラッチ機構16をクラッチオン状態とクラッチオフ状態とに切り換えるために設けられる。クラッチ制御機構20は、図5に示すように、スプール軸14回りに第1位置と第2位置とに回動するクラッチカム40と、クラッチカム40に係合するクラッチヨーク41と、クラッチカム40とクラッチ操作部材11とを連結するクラッチプレート42と、を有する。クラッチプレート42は、クラッチカム40と一体的に回動する。クラッチカム40は、機構装着板19bに回動自在に支持される。クラッチカム40は、回動によってクラッチヨーク41を移動させるための一対のカム部40aを有する。
クラッチ操作部材11は、クラッチ機構16をクラッチオン状態とクラッチオフ状態とに切り換え操作するためのものである。クラッチ操作部材11は、図3に示すように、第1側板7aと第2側板7bとの間でリール本体1の後部に釣り竿装着部7gに対して接近及び離反する方向に移動可能に設けられる。この実施形態では、クラッチ操作部材11は、スプール10の軸回りに揺動可能に設けられる。クラッチ操作部材11は、図10に実線で示すクラッチオン位置と、二点鎖線で示すクラッチオフ位置と、の間で揺動する。第1側板7aの後部及び第2側板7bの後部の内側面には、図5に示すように、第1接触板43a及び第2接触板43bが各別に装着される。第1接触板43a及び第2接触板43bは、クラッチプレート42の装着部42bが貫通かつ揺動可能な円弧状の通過孔43cをそれぞれ有する。第1接触板43a及び第2接触板43bは、ポリアセタール等の摺動性が高い合成樹脂製の部材である。第1接触板43a及び第2接触板43bは、第1側板7a及び第2側板7bに各別に着脱可能に嵌め込まれている。クラッチ操作部材11は、両端部が第1接触板43a及び第2接触板43bに接触可能な長さを有する。
スプール駆動機構13は、スプール10を糸巻取方向に駆動する。また、巻取時にスプール10にドラグ力を発生させて釣り糸の切断を防止する。スプール駆動機構13は、図11に示すように、図示しないローラクラッチの形態の逆転防止部によって糸巻取方向の回転が禁止されたモータ12と、第1回転伝達機構24と、第2回転伝達機構25と、を備えている。第1回転伝達機構24は、モータ12の回転を減速してスプール10に伝達する。第2回転伝達機構25は、ハンドル2の回転を、第1回転伝達機構24を介して増速してスプール10に伝達する。
調整部材5は、モータ12の出力を複数段階(例えば、10段階以上であり、この実施形態では、31段階)に調整するためにリール本体1に設けられる。調整部材5は、図2に示すように、第1側板7aの側板本体19aと第1側カバー8aとの間に設けられる。この実施形態では、図4及び図6に示すように、調整部材5は、水深表示部4のケース部材36の後部の外側面に立設された支持軸36aに回動自在に装着される。調整部材5は、支持軸36aに装着された状態で第1側板7aと第1側カバー8aの間に配置される。
検出子34は、図4、図6及び図12に示すように、調整部材5に装着される。具体的には、前述したように調整部材5の一対の検出子収容部5dに接着等の適宜の固定手段によって固定される。検出子34は、一対の検出子収容部5dに各別に固定される第1磁石34aと第2磁石34bとを有する。第1磁石34a及び第2磁石34bは、それぞれ調整部材5の軸方向に沿って着磁される。第2磁石34bは、第1磁石34aと逆方向に着磁される。この実施形態では、第1磁石34aは、ケース部材36に対向する側がN極に着磁され、検出子収容部5dの底面側がS極に着磁される。反対に第2磁石は、ケース部材36に対向する側がS極に着磁され、検出子収容部5dの底面側がN極に着磁される。このように軸方向着磁の第1磁石34aと第2磁石34bを磁束方向が逆になるように配置することによって、径方向着磁の磁石と同じに反応する検出子34を、軸方向着磁の簡素な第1磁石34a及び第2磁石34bによって得ることができる。
位相検出部35は、前述したように水深表示部4のケース部材36の内部に配置された副回路基板74bに搭載されるホール素子35aである。ホール素子35aは、図10に示すように、調整部材5の回転中心Cに合わせて配置される。このようにホール素子35aを配置することによって、第1磁石34aと第2磁石34bとによって生じる磁束方向の変化をホール素子35aが検出可能になる。この結果、ホール素子35aを用いて、調整部材5の回動によって変化する磁束方向を検出して調整部材5の回転位相を検出できる。ホール素子35aは、図13に示すように、径方向着磁の検出子34のN極がホール素子35aに例えば半円形で表示されたマーク35b側にあるときを0°とすると、検出子34が0°の位置において、図14に示すように出力電圧が最小になる。検出子34が0°から反時計回りにホール素子35aに対して相対回転すると、出力電圧が徐々に上昇し、360°に近づくと出力電圧が最大になり、0°に戻るとまた最小にもどる。これにより、0°から360°までの範囲で調整部材5の回転位相をホール素子35aによって検出できる。ただし、この実施形態では、例えば、50°から150°程度の範囲でホール素子35aの出力電圧を用いている。ただし、ホール素子35aの出力電圧の角度範囲は、これに限定されない。例えば、230°から330°の範囲等、ホール素子の出力特性に応じて適宜選択可能である。
電動リール100は、図15に示すように、モータ12及び表示器72を制御するリール制御部70を有する。リール制御部70は、CPU(中央演算ユニット)を含むマイクロコンピュータによって構成される。リール制御部70には、位相検出部35としてのホール素子35aと、スイッチ操作部6の各スイッチと、スプールセンサ78とが接続されている。また、リール制御部70には制御対象としての表示器72と、モータ駆動回路76と、ブザー80と、他の入出力部82と、が接続されている。スプールセンサ78は、スプール10に装着された図示しない磁石を検出する一対のリードスイッチを有する。一対のリードスイッチはスプール10の回転方向に並べて配置されている。この実施形態では、一対のリードスイッチは、リール本体1のスプール支持部17に設けられる。スプールセンサ78によって、スプール10の回転数(回転位置)及び回転方向を検出できる。モータ駆動回路76は、モータ12をPWM(パルス幅変調)駆動する。すなわち、デューティ比を変化させてモータ12を駆動する。ブザー80は、ケース部材36の内部に収納される。ブザー80は仕掛けが棚位置に到達したり、海底に到達したりすると鳴動する。他の入出力部82は、例えば無線通信部などから構成される。無線通信部は、外部の表示装置と水深データ等の各種のデータを双方向に通信可能である。
このように構成された電動リール100では、釣りを行うときは、釣り人は釣り竿を持つ手の親指によってクラッチ操作部材11の例えば第2操作部11bを押し下げ操作する。これにより、クラッチ機構16がクラッチオン状態からクラッチオフ状態に切り換わり、スプール10が自由回転状態になる。そして、仕掛けの自重によって釣り糸を繰り出し、仕掛けを魚が群れる棚位置まで下ろす。このとき、スプール10の第1フランジ部10bをクラッチ操作した親指の先でサミング操作する場合、第2操作部11bから第1操作部11aに向けて親指を伸ばす。すると、第1操作部11aに釣り竿装着部7gからの高さが徐々に高くなる傾斜面があり、かつ第1操作部11aの高さH1が第1フランジ部10bの高さに応じて設定されているため、親指の先が容易に第1フランジ部10bに到達する。このように、クラッチ操作部材11が第1フランジ部10bに対応する高さH1に配置された第1操作部11aを有するため、サミング操作を行いやすくなる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
上記実施形態は、下記のように表現可能である。
(E)電動リール100において、リール本体1は、フレーム7と、第1側カバー8aと、水深表示部4と、を含む。フレーム7は、第1側板7aと第1側板7aと左右方向に間隔を隔てて配置される第2側板7bを有する。第1側カバー8aは、スプール10を回転操作するためのハンドル2が装着され、第1側板7aの外側を覆う。水深表示部4は、フレーム7に載置可能なケース部材36を有し、釣り糸の先端に装着可能な仕掛けの水深を表示可能である。調整部材5は、ケース部材36に回動自在に支持される。この場合には、調整部材5が水深表示部4のケース部材36に支持されるので、調整部材5に装着された磁石の磁力をケース部材36内で検出可能になり、調整部材5の取付部分の体積の増加をさらに抑えることができる。
2 ハンドル
4 水深表示部
5 調整部材
7 フレーム
7a 第1側板
7b 第2側板
7g 釣り竿装着部
8a 第1側カバー
8b 第2側カバー
10 スプール
11 クラッチ操作部材
12 モータ
14 スプール軸
16 クラッチ機構
34 検出子
34a 第1磁石
34b 第2磁石
35 位相検出部
35a ホール素子
36 ケース部材
36a 支持軸
74a 主回路基板
74b 副回路基板
100 電動リール
Claims (5)
- 釣り糸を前方に繰り出す電動リールであって、
リール本体と、
前記リール本体に回転可能に設けられるスプールと、
前記リール本体に設けられ、前記スプールを回転駆動するモータと、
前記リール本体に回動可能に設けられ、回動位置に応じて前記モータの出力を調整するための調整部材と、
回動する前記調整部材の回転中心を挟んで異なる磁極が配置されるように前記調整部材に設けられる第1及び第2磁石と、
前記リール本体に設けられ、前記磁石の相対的な回転位相を検出可能な位相検出部と、備え、
前記位相検出部は、前記磁石の磁束方向の変化を検出可能なホール素子であり、
前記第1磁石は、前記調整部材の軸方向に沿って着磁され、
前記第2磁石は、前記調整部材の軸方向に沿って前記第1磁石と逆方向にS極とN極が着磁された、電動リール。 - 前記リール本体は、
第1側板と前記第1側板と左右方向に間隔を隔てて配置される第2側板を有するフレームと、
前記スプールを回転操作するためのハンドルが装着され、前記第1側板の外側を覆う第1側カバーと、
前記フレームに載置可能なケースを有し、前記釣り糸の先端に装着可能な仕掛けの水深を表示可能な水深表示部と、含み、
前記調整部材は、前記ケースに回動自在に支持される、請求項1に記載の電動リール。 - 前記位相検出部は、前記ケース内に配置される、請求項2に記載の電動リール。
- 前記ケース内に、前記モータ及び前記水深表示部を制御する制御部が搭載された回路基板が設けられ、
前記位相検出部が前記回路基板に搭載される、請求項3に記載の電動リール。 - 前記調整部材は、前記第1側カバーと前記第1側板との間に設けられる、請求項2から4のいずれか1項に記載の電動リール。
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