JP6283467B2 - 空気ばね用ダイヤフラム及び空気ばね - Google Patents
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Description
例えば、空気ばねは懸架手段として鉄道車両に用いられる場合が多く、台車と車両の上下間に配備される。
しかしながら、空気ばねの周囲には、各種配線や配管、車両フレームの一部、或いは、高さ調節装置、台車−軸はり間連動機構といった種々の機構類や構造体などが配備されるので、ダイヤフラムの拡径量を考慮した設計が必ずしも行えるとは限らない。
このように、ダイヤフラムの外径が所定の値以上には拡径しないように規制する構成の採用により、ダイヤフラム周囲の空間部を他の目的に活用できるだけでなく、荷重増に対して、ダイヤフラムの内圧は上昇するが上下寸法が変化し難く、従って、車両位置が殆ど下がらないという利点も得られる。
即ち、側周壁(1b)を備える上支持部(1)が徒に大型化・重量化してしまうとともに、ゴム製のリングガイド(1c)を装備するなどコスト上も不利である。しかも、それらリングガイド(1c)や側周壁(1b)はダイヤフラムの径外側に配置構成されるものであるから、結局、その分は大径化してしまうものであり、周囲のスペースを設計時に考慮する必要がある、という従来の問題も依然として残っているものであった。
前記本体部3cの製造時における径が最大となる最大径部位に補強材6を周設して、前記本体部3cが所定の値以上に拡径しないように規制する拘束部kが、前記本体部3cの径内側に張出す状態で設けられ、
前記弾性材3Aは、外側の弾性材層14と内側の弾性材層15との間に補強コード層16を設けた複数層体に構成され、
前記補強材6は、前記補強コード層16に沿う形状となる状態で前記外側の弾性材層14に埋設されていることを特徴とする。
前記厚肉部分13が、前記外側の弾性材層14の厚さを径内側に張出して増大させることにより形成されていることを特徴とする。
前記補強材6の断面形状は、前記補強材6における前記補強コード層16に面する部分が前記補強コード層16に沿う形状となる状態に形成されていることを特徴とする。
前記弾性材3Aがゴムを有して形成されていることを特徴とする。
前記ダイヤフラム3の製造時における径が最大となる最大径部位に補強材6を周設して、前記ダイヤフラム3が所定の値以上に拡径しないように規制する拘束部kが、前記ダイヤフラム3の径内側に張出す状態で設けられ、
前記弾性材3Aは、外側の弾性材層14と内側の弾性材層15との間に補強コード層16を設けた複数層体に構成され、
前記補強材6は、前記補強コード層16に沿う形状となる状態で前記外側の弾性材層14に埋設されていることを特徴とする。
前記拘束部kは、前記ダイヤフラム3を形成する前記弾性材3Aの厚さを径内側に張出して増大させた厚肉部分13に前記補強材6を埋設することにより構成されていることを特徴とする。
前記厚肉部分13が、前記外側の弾性材層14の厚さを径内側に張出して増大させることにより形成されていることを特徴とする。
前記補強材6の断面形状は、前記補強材6における前記補強コード層16に面する部分が前記補強コード層16に沿う形状となる状態に形成されていることを特徴とする。
前記弾性材3Aがゴムを有して形成されていることを特徴とする。
その結果、ダイヤフラムの拡径規制を行う手段を、実質的にダイヤフラム外径を大きくすることがなく、かつ、上支持部の大型化や重量化を伴うことなく、しかも合理的設計が行えるようにしながら実現させることができるという改善された空気ばね用ダイヤフラムを提供することができる。
例えば、補強コード層の内側に補強材が配置されている場合では、内圧上昇により補強コード層と補強材とは互いに離反する方向に力が作用することになり、弾性材と補強材との接着部が剥離する等の不具合を起こす可能性が高く、また耐久性も期待できない。従って、本請求項3の構成には明確な優位性がある。
例えば、補強コード層の内側に補強材が配置されている場合では、内圧上昇により補強コード層と補強材とは互いに離反する方向に力が作用することになり、弾性材と補強材との接着部が剥離する等の不具合を起こす可能性が高く、また耐久性も期待できない。従って、本請求項5の構成には明確な優位性がある。
懸架装置Sは、空気ばねAと、弾性ストッパBと、ばね座Cとを備えて構成されており、ばね座Cは台車dに支持され、空気ばねAの上部は車両bに支持されている。
通常時の懸架は空気ばねAが受け持ち、空気が抜けるなど空気ばねAがエアレス状態になって下降した非常時には弾性ストッパBが弾性作用を発揮するように構成されている。
支持座1aの径外側部分が若干下方に折れ曲る下向き皿状に形成されており、その下方に折れ曲る外周部の上側に回り込み、かつ、台座部1bの外周面には薄膜状となるように設けられる上受座1dにより、上ビード部3a(後述)を嵌着する上ビード受部4が形成されている。また、台座部1bの下面には、ステンレス鋼板製で円形の摺動材7が一体的に装備されている。
本体部3cにおける径が最大となる最大径部位(又はその近傍の部位)に補強材6を周設して、本体部3cが所定の値以上に拡径しないように規制する拘束部kが、本体部3cの径内側に張出す状態で設けられている。
何らかの原因でダイヤフラム3の空気が抜けたエアレス状態になって上支持部1が下降すると、摺動材7と滑り部材11とが当接して弾性ストッパBで懸架する非常懸架状態になる。この非常懸架状態では、摺動材7と滑り部材11とが低摩擦で滑りが良いので、上支持部1と下支持部2とが円滑に相対横移動することが可能とされている。
次に、空気ばねA及びダイヤフラム3について詳述する。図1〜図3に示すように、空気ばねAにおける拘束部kは、本体部3cを形成する弾性材の厚さを径内側に張出して増大させた厚肉部分13に補強材6を埋設することにより構成されている。
ダイヤフラム3を形成する弾性材3Aは、外側のゴム層(弾性材層の一例)14と内側のゴム層(弾性材層の一例)15との間に補強コード層16を設けた複数層構造の弾性膜(ゴム膜)で構成されるとともに、厚肉部分13が、外側のゴム層14の厚さを径内側に張出して増大させることにより形成され、その外側のゴム層14による厚肉部分13に埋設される状態で補強材6が周設されている。
径内側に膨らむことで形成される厚肉部分13における補強コード層16は、上側の径最大部分から径内側かつ下方に傾く下窄まり部分16aと、下側の径最大部分から径内側かつ上方に傾く上窄まり部分16bと、これら下窄まり部分16aと上窄まり部分16bとを結ぶ極小径部分16cとを備えて構成されている。
厚肉部分13における外側のゴム層14は、補強材6の存在により、補強材6の径外側であるアウター部14aと補強材6の径内側であるインナー部14bとを有する構成となっている。従って、補強材6と補強コード層16とが直接に擦り付けられる状況は先ず生じないように工夫されている。
拘束部kを除くダイヤフラム3の最大径が互いに同じrmであり、かつ、ダイヤフラム3の有効径をri〔図4(a)〕及びru〔図4(b)〕とする。この場合、拘束部kが内側に入り込む図4(b)のものは、図4(a)に比べてダイヤフラム内容積が若干減るが、その差は極僅かでありri≒ru(厳密にはruはriより極僅かに小さいが、ほぼ同じと見てよい)と考える。なお、図4において、ダイヤフラム最大径rmと上支持部1の径とが同じに描いてあるが、この限りではない。
加えて、拘束部kが径外側に出っ張らないから、図2に示すダイヤフラム3を金型成型する場合において、拘束部kを加えたことに因る専用の金型も不要になる。金型で拘束部kの位置を定めないから、金型作製後において、金型の変更を伴うことなく拘束部kの位置をある程度調整、変更することが可能になる利点もある。
また、傾斜面である上下の窄まり部分16a,16bにより、補強コード層16との接面(対向面)が広がり、製造時にそれら両者6,16間にゴム(外側のゴム層14)を確保することができ、後述の実施形態2による拘束部kに比べて、品質の安定化が図れる利点もある。
実施形態2による空気ばね用ダイヤフラム及び空気ばねは、実施形態1のものと拘束部kが異なるのみであり、その要部を図5に示す。
図5に示すように、拘束部kは断面が矩形の補強材6を有するものである。補強材6の径内側における上下の角部6d、6eが、ダイヤフラム3の補強コード層16の径外側面に接触する又は非常に近接する位置関係になっている。それ以外は実施形態1によるダイヤフラム3(空気ばねA)と同じであり、図5において、対応する箇所には対応する符号を付してある。
2 下支持部
3 ダイヤフラム
3A 弾性材
3a 上ビード部
3b 下ビード部
3c 本体部
6 補強材
13 厚肉部分
14 外側の弾性材層
15 内側の弾性材層
16 補強コード層
A 空気ばね
k 拘束部
Claims (10)
- 車体側の上支持部に嵌着可能な上ビード部と、台車側の下支持部に嵌着される下ビード部と、前記上ビード部と前記下ビード部との間の本体部とを有する弾性材でなる空気ばね用ダイヤフラムであって、
前記本体部の製造時における径が最大となる最大径部位に補強材を周設して、前記本体部が所定の値以上に拡径しないように規制する拘束部が、前記本体部の径内側に張出す状態で設けられ、
前記弾性材は、外側の弾性材層と内側の弾性材層との間に補強コード層を設けた複数層体に構成され、
前記補強材は、前記補強コード層に沿う形状となる状態で前記外側の弾性材層に埋設されている空気ばね用ダイヤフラム。 - 前記拘束部は、前記本体部を形成する前記弾性材の厚さを径内側に張出して増大させた厚肉部分に前記補強材を埋設することにより構成されている請求項1に記載の空気ばね用ダイヤフラム。
- 前記厚肉部分が、前記外側の弾性材層の厚さを径内側に張出して増大させることにより形成されている請求項2に記載の空気ばね用ダイヤフラム。
- 前記補強材の断面形状は、前記補強材における前記補強コード層に面する部分が前記補強コード層に沿う形状となる状態に形成されている請求項3に記載の空気ばね用ダイヤフラム。
- 前記弾性材がゴムを有して形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の空気ばね用ダイヤフラム。
- 車体側の上支持部と、台車側の下支持部と、前記上支持部と前記下支持部とに亘って配備される弾性材製のダイヤフラムと、を有して構成される空気ばねであって、
前記ダイヤフラムの製造時における径が最大となる最大径部位に補強材を周設して、前記ダイヤフラムが所定の値以上に拡径しないように規制する拘束部が、前記ダイヤフラムの径内側に張出す状態で設けられ、
前記弾性材は、外側の弾性材層と内側の弾性材層との間に補強コード層を設けた複数層体に構成され、
前記補強材は、前記補強コード層に沿う形状となる状態で前記外側の弾性材層に埋設されている空気ばね。 - 前記拘束部は、前記ダイヤフラムを形成する前記弾性材の厚さを径内側に張出して増大させた厚肉部分に前記補強材を埋設することにより構成されている請求項6に記載の空気ばね。
- 前記厚肉部分が、前記外側の弾性材層の厚さを径内側に張出して増大させることにより形成されている請求項7に記載の空気ばね。
- 前記補強材の断面形状は、前記補強材における前記補強コード層に面する部分が前記補強コード層に沿う形状となる状態に形成されている請求項8に記載の空気ばね。
- 前記弾性材がゴムを有して形成されている請求項6〜9の何れか一項に記載の空気ばね。
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