JP6282500B2 - 油面貼付用粘着シートおよび油面貼付用粘着シートの製造方法 - Google Patents

油面貼付用粘着シートおよび油面貼付用粘着シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、油面貼付用粘着シートおよび油面貼付用粘着シートの製造方法に関し、油が付着した被着体に対しても、良好な粘着特性が発揮できる油面貼付用粘着シートおよび油面貼付用粘着シートの製造方法に関する。
従来、工業的に用いられる金属類は、その表面に機械油等が付着している場合が多い。例えば、車両の各部位において、金属類の管理や表示のために、その表面に粘着シートが貼付される場合があるが、自動車に使用するエンジンオイル、ブレーキオイル等のオイル類が表面に付着していることが多く、金属面、塗装面の他、油が付着した被着体にも適用できる粘着シートが求められている。
そこで、金属表面に塗布された防錆油、機械油に対して、高い接着力を有し、かつ、クッション材、緩衝材等の低表面エネルギーのオレフィン系樹脂に対し、高い初期接着性を有する油面接着性粘着剤組成物およびそれを用いた油面接着性粘着テープの製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、末端ポリ芳香族ビニルブロック−ポリ共役ジエンブロック構造を有するブロック共重合体とタッキファイヤーを主成分とする油面接着性粘着剤組成物であって、所定の初期貯蔵弾性率と、所定の油面接着後貯蔵弾性率を有する油面接着性粘着剤組成物が開示されている。
また、錆止め等を目的に、油が塗布された金属表面に、油を除去することなく、油面に対する接着性に優れた粘着シートが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
より具体的には、表面基材、粘着剤層、および剥離紙を積層してなる粘着シートにおいて、該粘着剤層に吸油性顔料を所定量含有した粘着剤シートが開示されている。
一方、タイヤ表示ラベル等と呼ばれるタイヤ用粘着シートとして、タイヤのメーカー名やブランド名、サイズ(幅、偏平率、リム率)、使用上の注意事項等のタイヤ表示部を備えた粘着シート基材と、粘着剤層とを含むタイヤ用粘着シートが知られており、粘着剤層が、ホットメルトタイプ粘着剤組成物を含むとともに、所定の粘着特性を有するタイヤ用粘着シートが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
より具体的には、所定の配合割合で構成されるホットメルトタイプの粘着剤組成物を含むタイヤ用粘着シートであって、特に、粘着付与剤として異なる軟化点を有する2種類以上の粘着付与剤を有するタイヤ用粘着シートが開示されている。
特開2007−197629号公報(特許請求の範囲等) 特開平11−116904号公報(特許請求の範囲等) WO2005/037945(特許請求の範囲等)
しかしながら、特許文献1に記載の油面接着性粘着テープは、実質的に可塑剤を含んでおり、初期タックが高いため、油面以外の面や、複雑な形状の部品に貼付するときに、位置合わせをしにくいという問題が見られた。
また、タッキファイヤーとして、所定の石油系樹脂を含んでいることも、位置合わせをしにくい要因の一つとなっていた。
また、特許文献2に記載の粘着シートは、所定の吸油性顔料により、油分を吸収することによって、所定の粘着性を発揮することを意図しているが、当該吸油性顔料の存在により、油面以外への粘着力が不足するという問題が見られた。
また、特許文献3に記載のタイヤ用粘着シートは、それぞれ高温から低温まで良好なタイヤ粘着特性を示しているものの、実質的に可塑剤を含むことを必須としているため、タイヤ表面への粘着性には優れるものの、油面に対しては、タック性が高く、貼り付ける際に位置合わせをしにくいという問題が見られた。
そこで、本発明の発明者らは鋭意検討した結果、粘着剤層が特定の構成からなる粘着剤組成物を含み、実質的に可塑剤を含まないことによって、油が付着した被着体であっても、油が付着していない被着体であっても、良好な粘着特性が得られることを見出した。
すなわち、本発明は被着体表面が油面であっても、非油面であっても、良好な粘着特性が得られる油面貼付用粘着シートおよび油面貼付用粘着シートの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明によれば、基材と、粘着剤層と、を含む油面貼付用粘着シートであって、粘着剤層が、下記(A)〜(C)成分を含む粘着剤組成物から構成されており、下記(A)〜(C)成分の配合量が、粘着剤組成物の全体量を100重量%としたときに、
(A)ブロック共重合体:15〜85重量%
(B)粘着付与樹脂:15〜85重量%
(C)可塑剤:0または0よりは大きく、0.1重量%以下の値であり、
かつ、
(A)ブロック共重合体が、ABA型ブロック共重合体としてのスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)と、AB型ブロック共重合体としてのスチレン・イソプレンブロック共重合体(SI)と、の混合物であって、当該AB型ブロック共重合体の配合量が、ブロック共重合体の全体量に対して、30〜80重量%の値であり、
さらに、(B)粘着付与樹脂が、少なくとも重合ロジンエステルを含むことを特徴とする油面貼付用粘着シートが提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、可塑剤を実質的に含まないため、タックを比較的低く抑制することができ、粘着シートを、形状が複雑で凹凸がある機械部品等の表面に容易に貼付することができる。
また、粘着付与樹脂が重合ロジンエステルを含むことにより、被着体表面が油面であっても、非油面であっても、好適な粘着特性を示すことができる。
さらには、所定のABA型ブロック共重合体と、AB型ブロック共重合体とを、所定量の割合で配合することにより、被着体表面が油面であっても、非油面であっても、油面貼付用粘着シートの粘着力とボールタックとのバランスを容易に調整することができる。
また、本発明の油面貼付用粘着シートを構成するにあたり、23℃におけるJIS Z 0237に準じて測定されるボールタック(ボールナンバー)が3以下の値であることが好ましい。
このように構成することにより、粘着シートを被着体表面に貼付する際、容易に位置合わせをし、貼付することができる。
また、本発明の油面貼付用粘着シートを構成するにあたり、重合ロジンエステルの配合量が、粘着付与樹脂の全体量に対して、15〜100重量%の範囲内の値であることが好ましい。
このように構成することにより、油面貼付用粘着シートの粘着力とタックとのバランスを好適に調整することができる。
また、本発明の油面貼付用粘着シートを構成するにあたり、重合ロジンエステルの軟化点が、110〜175℃の範囲内の値であることが好ましい。
このように構成することにより、被着体表面が油面であっても、非油面であっても、油面貼付用粘着シートの粘着力とボールタックとのバランスを容易に調整することができる。
また、本発明の油面貼付用粘着シートを構成するにあたり、ブロック共重合体100重量%中のポリスチレン領域の含有量が20重量%以下の値であることが好ましい。
このように構成することにより、ブロック共重合体中のポリスチレン領域の含有量を最適化することにより、粘着剤組成物の粘着力や凝集力の調整をさらに容易とすることができる。
また、本発明の油面貼付用粘着シートを構成するにあたり、油面貼付用粘着シートのJIS Z 0237に準じて測定される23℃、50%RH環境下に24時間放置した後のエンジンオイルを塗布したメラミン塗装板に対する180°引き剥がし粘着力が10N/25mm以上の値であり、かつ、23℃、50%RH環境下に24時間放置した後のエンジンオイルを塗布したメラミン塗装板に対する180°引き剥がし粘着力Aと、23℃、50%RH環境下に24時間放置した後のメラミン塗装板に対する180°引き剥がし粘着力Bと、の比(A/B×100(%))が、60〜400%の範囲内の値であることが好ましい。
このように構成することにより、被着体表面が油面であっても、非油面であっても、良好な粘着特性を発揮する油面貼付用粘着シートを得ることができる。
また、本発明の別の態様は、基材と、粘着剤層と、を含む油面貼付用粘着シートの製造方法であって、下記工程(1)〜(2)を含むことを特徴とする油面貼付用粘着シートの製造方法である。
(1)基材、および下記(A)〜(C)成分を含む粘着剤組成物を準備する工程であって、
下記(A)〜(C)成分の配合量が、粘着剤組成物の全体量を100重量%としたときに、
(A)ブロック共重合体:15〜85重量%
(B)粘着付与樹脂:15〜85重量%
(C)可塑剤:0または0よりは大きく、0.1重量%以下の値であり、
かつ、
(A)ブロック共重合体が、ABA型ブロック共重合体としてのスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)と、AB型ブロック共重合体としてのスチレン・イソプレンブロック共重合体(SI)と、の混合物であって、当該AB型ブロック共重合体の配合量が、ブロック共重合体の全体量に対して、30〜80重量%の値であり、
さらに、(B)粘着付与樹脂が、少なくとも重合ロジンエステルを含んでなる粘着剤組成物を準備する工程
(2)基材の少なくとも片面に、粘着剤組成物を塗工し、粘着剤層を形成して油面貼付用粘着シートとする工程
このように実施することにより、ボールタックおよび粘着特性とのバランスに優れた油面貼付用粘着シートを効率的に製造することができる。
また、本発明を実施するにあたり、工程(2)において、粘着剤組成物を有機溶剤に溶解させた溶液を用い、基材の少なくとも片面に、塗工し、粘着剤層を形成して油面貼付用粘着シートとすることが好ましい。
このように製造することによって、配合材料を好適に溶解でき、粘着剤組成物を相分離させることなく均一に基材に塗布することができる。
また、本発明を実施するにあたり、工程(2)において、粘着剤組成物を加熱溶融させ、基材の少なくとも片面に、塗工し、粘着剤層を形成して油面貼付用粘着シートとすることが好ましい。
このように製造することによって、粘着剤層を積層する際に、溶剤を使用したり、乾燥させることが不要であって、製造装置を小型化したり、製造時間を短縮することができる。
図1(a)〜(d)は、それぞれ油面貼付用粘着シートの構成を説明するために供する図である。 図2は、重合ロジンエステルの配合量と、ボールタック評価および粘着特性との関係を説明するために供する図である。
[第1の実施形態]
本発明の実施形態は、基材と、粘着剤層と、を含む油面貼付用粘着シートであって、粘着剤層が、下記(A)〜(C)成分を含む粘着剤組成物から構成されており、下記(A)〜(C)成分の配合量が、粘着剤組成物の全体量を100重量%としたときに、
(A)ブロック共重合体:15〜85重量%
(B)粘着付与樹脂:15〜85重量%
(C)可塑剤:0または0よりは大きく、0.1重量%以下の値であり、
かつ、
(B)粘着付与樹脂が、少なくとも重合ロジンエステルを含むことを特徴とする油面貼付用粘着シートである。
より具体的には、(A)ブロック共重合体が、ABA型ブロック共重合体としてのスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)と、AB型ブロック共重合体としてのスチレン・イソプレンブロック共重合体(SI)と、の混合物であって、当該AB型ブロック共重合体の配合量が、ブロック共重合体の全体量に対して、30〜80重量%の値である。
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照して、具体的に説明する。
1.基材
(1)種類
図1(a)〜(d)に例示する油面貼付用粘着シートの一部を構成する基材10の種類や構成は、特に限定されるものではなく、公知のプラスチックフィルムや紙、あるいは内部に空洞を有する合成紙などが使用可能である。
ただし、機械的強度に優れ、剥離時における基材の破壊を有効に防止できることから、プラスチックフィルムや合成紙であることがより好ましい。
プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等のフィルムが挙げられる。また、合成紙としては、合成樹脂と充填剤および添加剤を溶融混合後、押出しして成膜された内部にボイドを有する単層又は複層の合成紙などが挙げられる。
また、基材の構成に関して、図1(b)に示すように、金属層13、例えば、アルミニウム蒸着層を備えた基材10であることが好ましい。この理由は、かかる基材10と、粘着剤層11との間に、金属層13を備えることにより、金属部品等の表面に機械油等が付着していた場合に、かかる機械油が基材表面に浸み出すことを有効に防止できるためである。
さらに、基材の構成に関して、図1(c)に示すように、印刷層15や、図1(d)に示すように、印刷層15を形成しやすくするための易接着層14や、図示しないものの、熱転写記録やインキジェット記録などの記録を可能にするための記録層や、あるいは磁気記録、バーコード、およびマイクロ半導体素子等の情報領域を基材10の一部に設けることも好ましい。
(2)厚さ
基材の厚さを10〜200μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる基材の厚さが10μm未満の値になると、取り扱いが困難になったり、貼り付け時にシワになったり、剥離時に基材が破壊されたりする場合があるためである。
一方、かかる基材の厚さが200μmを超えると、柔軟性が低下するのに伴い、被着体としての金属部品等への追従性が低下し、油面貼付用粘着シートが金属部品等の表面から剥がれやすくなる場合があるためである。さらに、基材の厚さを10〜150μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
2.粘着剤層
(1)構成
粘着剤層を構成する粘着剤組成物が、下記(A)〜(C)成分を含み、下記(A)〜(C)成分の配合量が、粘着剤組成物の全体量を100重量%としたときに、
(A)ブロック共重合体:15〜85重量%
(B)粘着付与樹脂:15〜85重量%
(C)可塑剤:0または0よりは大きく、0.1重量%以下の値であり、
かつ、(B)粘着付与樹脂が、少なくとも重合ロジンエステルを含むことを特徴とする。
(2)形態
本発明で用いられる粘着剤組成物の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、溶剤型粘着剤組成物、エマルジョン型粘着剤組成物、ホットメルト型粘着剤組成物等、いずれの形態であってもよい。
(3)(A)成分:ブロック共重合体
また、ブロック共重合体の例としては、スチレン、イソブチレン・スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)などのABA型ブロック共重合体が挙げられる。
ここで、ABA型ブロック共重合体とは、A成分とB成分の2種類の単一重合物をブロック化して重合させた共重合物であり、A成分が樹脂成分であり、B成分がゴム成分であるとすると、ゴム成分(B成分)の両端が樹脂成分(A成分)のドメインにより拘束されている構造となる。
かかるABA型ブロック共重合体としては、タック性付与が容易であって、被着体表面が油面であっても、非油面であっても、粘着力の調整がさらに容易であることから、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)を使用することがより好ましい。
これら合成ゴム系粘着剤には、粘着付与樹脂、可塑剤、添加剤などを配合して、粘着力や保持力を調整することができる。
また、ブロック共重合体の配合量を、粘着剤組成物の全体量に対して、15〜85重量%の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかるブロック共重合体の配合量が15重量%未満の値になると、粘着剤全体の凝集力が低下し、例えば、車両の金属部品等に貼付した場合に、外気温の高い夏場において、特性低下が著しくなったり、粘着シート断面からのしみ出し(以後、ウーズと呼ぶ)が生じたり、さらには、打ち抜き加工時の糊切れが悪化したりする場合があるためである。
一方、かかるブロック共重合体の配合量が85重量%を超えると、金属等の表面に対する粘着力が低下して、強固に接着できず、特に低温環境下での貼付けが困難となる場合があるためである。
したがって、ブロック共重合体の配合量を、粘着剤組成物の全体量に対して、25〜70重量%の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、ブロック共重合体にはABA型のトリブロック共重合体を用いるとともに、AB型ブロック共重合体であるジブロック共重合体を含むことが好ましい。すなわち、ブロック共重合体100重量%に対して、ジブロック共重合体の配合量を30〜80重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるジブロック共重合体の配合量が30重量%未満の値になると、低温時での金属等の表面に対する粘着力の値が不十分となり、被着体から浮きや剥がれが生じやすくなる場合があるためである。一方、かかるジブロック共重合体の配合量が80重量%を超えると、凝集力が低下して、ウーズやラベル剥離後の糊残りが発生しやすくなる場合があるためである。
なお、ABA型ブロック共重合体がスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)である場合には、AB型ブロック共重合体としては、同種のスチレン・イソプレンブロック共重合体(SI)を含むことが好ましい。
また、ブロック共重合体において、ブロック共重合体100重量%中のポリスチレン領域の含有量を20重量%以下の値とすることが好ましい。
この理由は、ポリスチレン領域の含有量が20重量%を超えると、相対的に粘着性発現に大きく寄与するイソプレンが不足するため、金属等の表面に対する粘着力が低下して、被着体に貼付けた際に、強固に接着できず、特に低温環境下での貼付けが困難となる場合があるためである。
ただし、ポリスチレン領域の含有量が過度に低下すると、凝集力が低下して、ウーズやラベル剥離後の糊残りが発生しやすくなる場合がある。したがって、ブロック共重合体100重量%中のポリスチレン領域の含有量を10〜20重量%の範囲内の値とすることがより好ましい。
(4)(B)成分:粘着付与樹脂
(i)種類
粘着剤組成物を構成するにあたり、粘着付与樹脂を添加することを特徴とする。
ここで、粘着付与樹脂の種類は特に限定されるものではなく、重合ロジン、重合ロジンエステル、ロジン誘導体などのロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂及びその水素化物、テルペンフェノール樹脂、クマロン・インデン樹脂、脂肪族系石油系樹脂、芳香族系石油樹脂及びその水素化物、脂肪族/芳香族共重合体石油樹脂、スチレン又は置換スチレンの低分子質量合体などの少なくとも一種類が例示される。
また、粘着付与樹脂の配合量を、粘着剤組成物の全体量に対して、15〜85重量%の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、粘着付与樹脂の配合量が15重量%未満の値となると、タック性および粘着性とのバランスを調整することが困難となる場合があるためである。
一方、粘着付与樹脂の配合量が85重量%を超えた値となると、ウーズやラベル打ち抜き加工時の糊切れが悪化する場合があるためである。
さらに、粘着付与樹脂の合計添加量を粘着剤組成物の全体量に対して、40〜75質量%の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、粘着付与樹脂が少なくとも重合ロジンエステルを含むことを特徴とする。
この理由は、粘着付与樹脂が、重合ロジンエステルを含むことにより、実質的に可塑剤を含まない場合であっても、タック性を容易に調整することができ、かつ、被着体表面が油面または非油面であっても、好適な粘着性を発揮することができるためである。
より具体的には、粘着付与樹脂として、重合ロジンエステルを含まない場合、タック性が過度に高くなり、油面粘着シートを被着体に貼り付ける際の位置合わせが困難となる場合があるためである。
なお、本発明において、重合ロジンエステルとは、ロジンを重合して得られる重合ロジンに対して、多価アルコールを反応させて得られるエステル化合物と定義される。また、重合ロジンを重合する際に、(メタ)アクリル酸化合物やフタル酸化合物等のカルボキシル基含有化合物を添加して得られる変性重合ロジンに対して、多価アルコールを反応させて得られるエステル化合物も含まれるものとする。
より具体的に、重合ロジンエステルとして、例えば、荒川化学工業製ペンセルD−160、ペンセルD−125、ペンセルD−135、またはハリマ化成製PCJ等が挙げられる。
(ii)配合量
また、重合ロジンエステルの配合量が、粘着付与樹脂の全体量に対して、15〜100重量%の範囲内の値であることが好ましい。
この理由は、重合ロジンエステルの配合量が15重量%未満の値となると、タック性や粘着力の調整が困難となる場合があるためである。
したがって、重合ロジンエステルの配合量を、粘着付与樹脂の全体量に対して、20〜100重量%の範囲内の値とすることがより好ましい。
ここで、図2を用いて、重合ロジンエステルの配合量がタック性および粘着特性に与える影響について説明する。
すなわち、図2の横軸に、粘着剤組成物の全体量に対する重合ロジンエステルの配合量を採り、右縦軸に、ボールタックのボールナンバーを採った特性曲線A、左縦軸に、油面に対する粘着力を採った特性曲線B、および非油面に対する粘着力を採った特性曲線Cが採って示してある。
図2より、重合ロジンエステルの配合量の増加に伴い、タック性が大きく低下し、12重量%付近からボールナンバーが2未満の値となり、低タック性を示していることが理解される。
一方、粘着力の点から、重合ロジンエステルの配合量の増加に伴い、油面に対しても、非油面に対しても、粘着力が低下する傾向が見られるものの、使用上問題ないレベルの粘着力を維持していることが確認されている。
すなわち、油面貼付用粘着シートのタック性および粘着特性を効果的に調整するために、重合ロジンエステルの配合量を上述の範囲内の値にすることが好ましいことが理解される。
なお、粘着力およびボールタックの測定方法は、実施例に記載するように、180°引張試験器およびボールタック試験器を用いて測定した。
(iii)軟化点
また、重合ロジンエステルのJIS K 2207(環球式)に準拠して測定した軟化点が、110〜175℃の範囲内の値であることが好ましく、120〜165°の範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、重合ロジンエステルの軟化点が110〜175℃の範囲内の値であれば、比較的幅広い温度領域において、粘着剤組成物の油面および非油面に対する粘着力やタック性、及び曲面貼付性の調整をさらに容易とすることができるためである。
(5)(C)成分:可塑剤
本発明の粘着剤組成物を構成するにあたり、(C)可塑剤の配合量を、粘着剤組成物の全体量に対して、0または0よりは大きく0.1重量%以下の値とすることを特徴とする。
すなわち、粘着剤組成物を構成するにあたり、可塑剤を所定量以下の配合量とし、実質的に含まないことがより好ましい。
この理由は、粘着剤組成物が可塑剤を含む場合、非油面の被着体に対しては、好適な粘着力が得られるものの、被着体表面が油面を含む場合、粘着シートを貼付する際の位置合わせが、容易ではない場合があるためである。
また、可塑剤を実質的に含まないため、油面調整粘着シートを非油面のみならず、油面に貼付した場合であっても、粘着剤層に由来する成分や機械油等に由来する成分が基材に移行することを好適に抑制することができる。
(6)添加剤
本発明の粘着剤組成物には必要に応じて、各種添加剤、例えば充填剤、無機粒子、有機粒子、軽量化剤、流動化剤、顔料、染料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤など従来公知の添加剤を添加することも好ましい。
3.剥離シート
また、本発明の油面貼付用粘着シートには、粘着剤層の保護等を目的として、剥離シート12を設けても良い。剥離シート12の種類としては、特に限定されることなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンなどの樹脂からなる樹脂フィルム、またはそれらをシリコーン樹脂系、フッ素樹脂系、長鎖アルキル基含有カルバメート等の剥離剤で剥離処理したもの;グラシン紙、クレーコート紙、ラミネート紙等の紙を上記剥離剤で剥離処理した剥離紙を使用することができる。
4.ボールタック
また、油面貼付用粘着シートの23℃におけるJIS Z 0237に準じて、傾斜角30°で測定されるボールタックが3以下の値であることが好ましい。
この理由は、油面貼付用粘着シートのボールタックが3を超えた値となると、粘着シートのべとつきが大きくなり、貼付の際の位置合わせが困難となる場合があるためである。
5.油面および非油面に対する粘着力
また、油面貼付用粘着シートのJIS Z 0237に準じて測定される23℃、50%RH環境下に24時間放置した後のエンジンオイルを塗布したメラミン塗装板に対する180°引き剥がし粘着力が10N/25mm以上の値であることが好ましい。
この理由は、油面表面に対する180°引き剥がし粘着力が10N/25mm未満の値であると、油面や、複雑な形状の被着体表面に貼付した際に、浮き剥がれ等が発生し易くなる場合があるためである。
また、同様の理由で、油面貼付用粘着シートのJIS Z 0237に準じて測定される23℃、50%RH環境下に24時間放置した後のメラミン塗装板に対する180°引き剥がし粘着力が8N/25mm以上の値であることが好ましい。
6.油面および非油面に対する粘着力の比
また、油面貼付用粘着シートのJIS Z 0237に準じて測定される23℃、50%RH環境下に24時間放置した後のエンジンオイルを塗布したメラミン塗装板に対する180°引き剥がし粘着力が10N/25mm以上の値であり、かつ、23℃、50%RH環境下に24時間放置した後のエンジンオイルを塗布したメラミン塗装板に対する180°引き剥がし粘着力Aと、23℃、50%RH環境下に24時間放置した後のメラミン塗装板に対する180°引き剥がし粘着力Bと、の比(A/B×100(%))が、60〜400%の範囲内の値であることが好ましい。
この理由は、油面に対する粘着力/非油面に対する粘着力がかかる範囲内の値であれば、被着体表面が油面であっても、非油面であっても、良好な粘着特性を発揮する油面貼付用粘着シートを得ることができるためである。
したがって、A/Bの比(%)を70〜350%の範囲内の値とすることがより好ましく、150〜300%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
7.被着体
また、油面貼付用粘着シートは、金属表面や塗装表面に貼付することができるほか、かかる表面が非油面であっても、油面であっても、好適に貼付することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は基材と、粘着剤層と、を含む油面貼付用粘着シートの製造方法であって、下記工程(1)〜(2)を含むことを特徴とする油面貼付用粘着シートの製造方法である。
(1)基材、および下記(A)〜(C)成分を含む粘着剤組成物を準備する工程であって、
下記(A)〜(C)成分の配合量が、粘着剤組成物の全体量を100重量%としたときに、
(A)ブロック共重合体:15〜85重量%
(B)粘着付与樹脂:15〜85重量%
(C)可塑剤:0または0よりは大きく、0.1重量%以下の値であり、
かつ、
(B)粘着付与樹脂が、少なくとも重合ロジンエステルを含んでなる粘着剤組成物を準備する工程
(2)基材の少なくとも片面に、粘着剤組成物を塗工し、粘着剤層を形成して油面貼付用粘着シートとする工程
より具体的には、(A)ブロック共重合体が、ABA型ブロック共重合体としてのスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)と、AB型ブロック共重合体としてのスチレン・イソプレンブロック共重合体(SI)と、の混合物であって、当該AB型ブロック共重合体の配合量が、ブロック共重合体の全体量に対して、30〜80重量%の値である。
以下、使用する基材および粘着剤層については、第1の実施形態と同様の内容とすることができるため、油面貼付用粘着シートの製造方法に関する事項を中心に説明する。

1.工程1:基材、および、粘着剤層の準備工程
工程(1)は、基材および下記(A)〜(C)成分を含む粘着剤組成物を準備する工程である。
(A)ブロック共重合体:15〜85重量%
(B)少なくとも重合ロジンエステルを含んでなる粘着付与樹脂:15〜85重量%
(C)可塑剤:0または0よりは大きく、0.1重量%以下の値
なお、基材および粘着剤等の構成については、既に記載した通りであるため、省略する。
2.工程2:油面貼付用粘着シート形成工程
工程(2)は、粘着剤層を基材上に形成して油面貼付用粘着シートとする工程である。
ここで、粘着剤層を基材上に形成する方法は、特に制限されるものではないが、例えば、剥離シートへ、粘着剤組成物を塗布し、必要に応じて乾燥して表面基材と貼り合わせる転写塗工法を採ることが好ましい。
また、先に表面基材へ粘着剤組成物を直接塗布し、必要に応じて乾燥させて、剥離シートと貼り合わせる直接塗工法を採用することも好ましい。
また、本発明で用いられる粘着剤組成物を基材上に塗布する形態は、特に限定されず、上述した粘着剤組成物を適当な溶剤に溶解し、あるいは分散させて、基材に塗布してもよいし、また、溶剤を用いずに、粘着剤組成物を加熱、溶融させて、基材に塗布してもよい。
なお、粘着剤組成物の塗布装置としては、特に限定されるものではなく、ロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダイコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、バリオグラビアコーター、カーテンコーターなど従来既知の塗工機を使用して塗布することが可能である。
そして、本発明の粘着剤組成物を、溶剤を用いずに、加熱溶融して塗工することが好ましい。その場合、粘着剤組成物の塗布量に関しては、単位面積当たりの重量で15〜120g/m2の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる塗布量が15g/m未満の値になると、被着体への粘着性が不十分となる場合があるためであり、一方、120g/m2を超えると、ウーズの原因となるばかりか、印刷・抜き加工時での不具合を引き起こす可能性が高くなる場合があるためである。
さらに、粘着剤組成物の塗布量を、20〜80g/m2の範囲内の値とすることがより好ましい。
すなわち、本発明の油面貼付用粘着剤組成物は、ブロック共重合体を主成分としており、その性質上、そのまま成形し、ホットメルトタイプ粘着剤組成物として使用することが可能である。したがって、所定形状に成形したホットメルトタイプ粘着剤組成物を公知な塗工機を用いて一旦熱溶融させた後、液体状態で塗布し、それを固化させることにより粘着剤層とすることができる。
この点、油面貼付用粘着シートは、通常、塗布量が、例えば、30g/m2などの厚さで使用されることが多く、溶剤型粘着剤では乾燥工程が生産速度の律速となってしまうおそれがある。これに対し、乾燥工程を必要としないホットメルトタイプ粘着剤組成物を用いて、塗工することにより、塗工速度が飛躍的に向上し、生産面でのコスト削減も可能となる。さらには、ホットメルトタイプ粘着剤組成物を用いることで、溶剤を一切使用せずに、あるいは可及的に少なくすることにより、経済的側面ばかりでなく、環境保護の観点からも大きなメリットがある。
また、本発明の粘着剤組成物を適当な希釈溶媒を用いて、溶解、または分散させて塗工することも好ましい。その場合、希釈溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンチルアルコール、エチルセロソルブ、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、プロピレンモノメチルエーテル及び水等が挙げられ、二種以上の溶剤を組み合わせても良い。
また、希釈溶媒を用いて粘着剤組成物を塗布する際の、乾燥条件としては、通常60〜120℃で、10秒〜5分の範囲内の値とすることが好ましい。
3.その他の工程
また、本発明の油面貼付用粘着シートは、粘着シートの一部あるいは全ての層をラベル形状に打ち抜き加工することにより、粘着ラベルとして使用することもできる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。但し、以下の説明は本発明を例示的に示すものであり、特に理由なく、本発明はこれらの記載に制限されるものではない。
[実施例1]
1.油面貼付用粘着シート作成工程
(1)粘着剤層準備工程
クインタック3520(SISブロック共重合体、ジブロック量:78重量%、スチレン領域の有含量:15重量%、日本ゼオン社製)を25.9重量%と、粘着付与樹脂としてクイントンN180(軟化点:80℃、脂肪族/芳香族共重合石油樹脂、日本ゼオン社製)を53.1重量%と、ペンセルD−160(軟化点:160℃、重合ロジンエステル、荒川化学工業製、以下D−160と称する場合がある。)を14.8重量%と、YSレジンLP(液状テルペン樹脂、ヤスハラケミカル社製)を4.94重量%と、酸化防止剤としてイルガノックスHP2251(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、BASF・ジャパン社製)を1.23重量%と、を配合し、均一に混合して、ホットメルトタイプ粘着剤組成物を調整した。
(2)基材準備工程
次いで、厚さ50μmの透明ポリエステルフィルム(東レ社製ルミラー、T−60)を基材として準備した。
(3)油面貼付用粘着シートの形成工程
次いで、ダイコーターを用いて、上述の粘着剤組成物を140℃の条件で溶融させ、剥離シート(シリコーン樹脂/ポリエチレンフィルム/上質紙、SP−8EAアイボリー、リンテック製)上へ、塗布量が30g/m2になるように塗工し、上述の基材と貼合わせ、剥離シート付の油面貼付用粘着シートを製造した。
2.評価
(1)非油面に対する粘着力
得られた油面貼付用粘着シートを、JIS Z0237に準じて、インストロン型引っ張り試験器にて300mm/minの引っ張り速度で180°の角度で剥離して、その荷重を測定した。23℃、50%RHの環境条件下で得られる引張荷重値を、粘着力(N/25mm)として測定した。
なお、粘着力を測定する際の被着体としては、厚さ0.5mmのメラミン塗装板を用いた。得られた結果を表1に示す。
(2)油面に対する粘着力
得られた油面貼付用粘着シートを、JIS Z0237に準じて、インストロン型引っ張り試験器にて300mm/minの引っ張り速度で180°の角度で剥離して、その荷重を測定した。23℃、50%RHの環境条件下で得られる引張荷重値を、粘着力(N/25mm)として測定した。
なお、粘着力を測定する際の被着体としては、厚さ0.5mmのメラミン塗装板に、エンジンオイル(本田技研工業社製ウルトラMILD)を4g/m2を均一に塗布したものを用いた。得られた結果を表1に示す。
(3)粘着力の比
また、上述の測定により得られた油面貼付用粘着シートの23℃、50%RH環境下に24時間放置した後のエンジンオイルを塗布したメラミン塗装板に対する180°引き剥がし粘着力Aとし、23℃、50%RH環境下に24時間放置した後のメラミン塗装板に対する180°引き剥がし粘着力Bとした際の比(A/B×100(%))を算出した。得られた結果を表1に示す。
(4)ボールタック評価
得られた油面貼付用粘着シートについて、JIS Z 0237に準じて、23℃において、傾斜角30°でボールタックを測定した。得られた結果を表1に示す。
[実施例2〜実施例4]
実施例2〜実施例4では、表1に示す配合の粘着剤組成物を、実施例1と同様にして、ダイコーターを用いて、上述した剥離シート上へ、塗布量が30g/m2となるように塗布した。次いで、厚さ50μmの透明ポリエステルフィルム(東レ社製ルミラー、T−60)と貼り合わせて剥離シート付の油面貼付用粘着シートを製造し、実施例1と同様に評価した。
なお、粘着剤組成物の配合には、実施例1で用いた材料に加え、粘着付与樹脂として、ペンセルD−125(軟化点:125℃、重合ロジンエステル、荒川化学工業製、以下「D−125」という)を用いた。得られた結果を表1に示す。
[比較例1〜比較例4]
比較例1〜比較例4では、表1に示す配合の粘着剤組成物を、実施例1と同様にして、ダイコーターを用いて、上述した剥離シート上へ、塗布量が30g/m2となるように塗布した。次いで、厚さ50μmの透明ポリエステルフィルム(東レ社製ルミラー、T−60)と貼り合わせて剥離シート付の油面貼付用粘着シートを製造し、実施例1と同様に評価した。
なお、粘着剤組成物の配合には実施例1で用いた材料に加え、可塑剤として、フッコールプロセスオイルP100(富士興産製、分子量85、以下「P100」という)、粘着付与樹脂として、YSレジンSX−100(軟化点:100℃、スチレン系樹脂、ヤスハラケミカル社製、以下「SX−100」という)、および、パインクリスタルKE−311(軟化点:95℃、水添ロジンエステル系樹脂、荒川化学工業社製、以下、「KE−311」という)を用いた。得られた結果を表1に示す。
Figure 0006282500
実施例1〜実施例4では、ブロック共重合体および重合ロジンエステルを所定割合で配合しているため、いずれも油面に対する粘着力が10N/25mm以上の値となり、かつ、低いタック性が得られ、粘着シートを被着体に貼付する際の位置合わせが容易であった。
一方、可塑剤を用いた比較例1は、ボールタックが過度に高くなり、粘着シートを被着体に貼付する際の位置合わせが容易ではなかった。
また、重合ロジンエステルを用いなかった比較例2〜比較例4は、油面または非油面に対する所定の粘着力が得られなかったり、ボールタックが過度に高くなり、粘着シートを被着体に貼付する際の位置合わせが困難であったりするという結果が得られた。
本発明の油面貼付用粘着シートおよび油面貼付用粘着シートの製造方法によれば、
粘着剤層に、ブロック共重合体と、少なくとも重合ロジンエステルを含む粘着付与樹脂を用い、実質的に可塑剤を含まない粘着剤組成物を使用することにより、ボールタックが低いため、被着体表面が非油面であっても、油面であっても、貼り付ける際の位置合わせが容易であり、かつ、強固に貼り付けることができるようになった。
したがって、本発明の油面貼付用粘着シートであれば、自動車等の車両用に用いられるマーキングフィルムやラベル等として各種部品に対し、表面が油面であっても、非油面であっても、好適に貼付することができる。
なお、本発明の油面貼付用粘着シートは、車両用以外の機械部品用、台所用品用としても好適に適用することができ、本発明と同様の効果を発揮することが期待される。
1,2,2´、2´´:油面貼付用粘着シート
10:基材
11:粘着剤層
12:剥離シート
13:金属層(アルミニウム蒸着層)
14:着色層
15:印刷層

Claims (9)

  1. 基材と、粘着剤層と、を含む油面貼付用粘着シートであって、
    前記粘着剤層が、下記(A)〜(C)成分を含む粘着剤組成物から構成されており、
    下記(A)〜(C)成分の配合量が、前記粘着剤組成物の全体量を100重量%としたときに、
    (A)ブロック共重合体:15〜85重量%
    (B)粘着付与樹脂:15〜85重量%
    (C)可塑剤:0または0よりは大きく、0.1重量%以下の値であり、
    かつ、
    前記(A)ブロック共重合体が、ABA型ブロック共重合体としてのスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)と、AB型ブロック共重合体としてのスチレン・イソプレンブロック共重合体(SI)と、の混合物であって、当該AB型ブロック共重合体の配合量が、ブロック共重合体の全体量に対して、30〜80重量%の値であり、
    さらに、前記(B)粘着付与樹脂が、少なくとも重合ロジンエステルを含むことを特徴とする油面貼付用粘着シート。
  2. 23℃におけるJIS Z 0237に準じて測定されるボールタックが3以下の値であることを特徴とする請求項1に記載の油面貼付用粘着シート。
  3. 前記重合ロジンエステルの配合量が、前記粘着付与樹脂の全体量に対して、15〜100重量%の範囲内の値であることを特徴とする請求項1または2に記載の油面貼付用粘着シート。
  4. 前記重合ロジンエステルの軟化点が、110〜175℃の範囲内の値であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の油面貼付用粘着シート。
  5. 前記ブロック共重合体100重量%中のポリスチレン領域の含有量が20重量%以下の値であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の油面貼付用粘着シート。
  6. 前記油面貼付用粘着シートのJIS Z 0237に準じて測定される23℃、50%RH環境下に24時間放置した後のエンジンオイルを塗布したメラミン塗装板に対する180°引き剥がし粘着力が10N/25mm以上の値であり、かつ、前記23℃、50%RH環境下に24時間放置した後のエンジンオイルを塗布したメラミン塗装板に対する180°引き剥がし粘着力Aと、23℃、50%RH環境下に24時間放置した後のメラミン塗装板に対する180°引き剥がし粘着力Bと、の比(A/B×100(%))が、60〜400%の範囲内の値であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の油面貼付用粘着シート。
  7. 基材と、粘着剤層と、を含む油面貼付用粘着シートの製造方法であって、下記工程(1)〜(2)を含むことを特徴とする油面貼付用粘着シートの製造方法。
    (1)基材、および下記(A)〜(C)成分を含む粘着剤組成物を準備する工程であって、
    下記(A)〜(C)成分の配合量が、前記粘着剤組成物の全体量を100重量%としたときに、
    (A)ブロック共重合体:15〜85重量%
    (B)粘着付与樹脂:15〜85重量%
    (C)可塑剤:0または0よりは大きく、0.1重量%以下の値であり、
    かつ、
    前記(A)ブロック共重合体が、ABA型ブロック共重合体としてのスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)と、AB型ブロック共重合体としてのスチレン・イソプレンブロック共重合体(SI)と、の混合物であって、当該AB型ブロック共重合体の配合量が、ブロック共重合体の全体量に対して、30〜80重量%の値であり、
    さらに、(B)粘着付与樹脂が、少なくとも重合ロジンエステルを含んでなる粘着剤組成物を準備する工程
    (2)前記基材の少なくとも片面に、前記粘着剤組成物を塗工し、前記粘着剤層を形成して油面貼付用粘着シートとする工程
  8. 前記工程(2)において、前記粘着剤組成物を有機溶剤に溶解させた溶液を用い、前記基材の少なくとも片面に、塗工し、前記粘着剤層を形成して油面貼付用粘着シートとすることを特徴とする請求項7に記載の油面貼付用粘着シートの製造方法。
  9. 前記工程(2)において、前記粘着剤組成物を加熱溶融させ、前記基材の少なくとも片面に、塗工し、前記粘着剤層を形成して油面貼付用粘着シートとすることを特徴とする請求項7に記載の油面貼付用粘着シートの製造方法。
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