JP6280801B2 - 顕微鏡装置 - Google Patents

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Description

本発明は、上ステージと下ステージとクレンメルとから構成されるステージ上でプレパラートの観察を行う顕微鏡装置に関する。
従来、標本としてプレパラートを用いる観察では、クレンメルによりプレパラートをステージ上に挟持する顕微鏡装置が一般的に使用されている。ステージ上に載置されたプレパラートは、クレンメルで挟まれた状態で観察光学系により観察されるが、プレパラートの観察場所を変更したい場合には、クレンメルを上ステージに対して左右方向に移動、または上ステージを下ステージに対して前後方向に移動させることにより、観察場所を変更している。上ステージ上でのクレンメルの移動に際し、プレパラートの設置安定性や、プレパラートの滑らかな移動のために、上ステージ上面は高い面精度が要求される。
高い面精度と、耐摩耗性を備えたステージとして、少なくともプレパラートの載置領域全面にわたり、球面状の凹面に加工したステージ母材に、セラミックス粒子溶射被膜を形成したものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2993790号公報
しかしながら、特許文献1等のように、上ステージ上面をわずかに凹面状をなすように高精度に加工するには、高度な切削加工技術が必要とされ、コストも高いものであった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、上ステージに要求される上面の面精度を、簡易かつ安価に確保できる顕微鏡装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の顕微鏡装置は、ステージ上に置かれた標本の像を光学系により拡大して観察する顕微鏡装置において、前記ステージは、顕微鏡本体に固定される下ステージと、前記標本を載置し、前記下ステージに対し1つの方向に移動可能に配置される上ステージと、前記上ステージに支持されるとともに、前記上ステージの移動方向と直交する方向に移動可能であって、前記標本を前記上ステージ上で移動可能に保持するクレンメルと、を備え、前記上ステージは、周縁部が中心部より上部に反りあがり、なだらかな凹形状をなす上面部材と、前記上面部材を固定する下面部材とを、前記上面部材と前記下面部材とにそれぞれ複数設けられた基準接触部が対向して接触するように押圧固定されてなることを特徴とする。
また、本発明の顕微鏡装置は、上記発明において、前記上ステージの上面の中心部からの端部の反り量は、前記下面部材に押圧固定されていない状態の前記上面部材の中心部からの端部の反り量よりも小さいことを特徴とする。
また、本発明の顕微鏡装置は、上記発明において、前記上面部材は、押圧により変形可能な樹脂材料で形成されることを特徴とする。
また、本発明の顕微鏡装置は、上記発明において、前記上面部材は、前記下面部材に対して脱着自在であることを特徴とする。
また、本発明の顕微鏡装置は、上記発明において、前記上面部材と前記下面部材には、互いに他との位置決めを行う位置決め部がそれぞれ設けられることを特徴とする。
本発明にかかる顕微鏡装置は、上ステージが、なだらかな中凹形状をなす上面部材を、平板状の下面部材に、基準接触部が対向して接触するように押圧固定されてなるため、簡易かつ安価に上面の面精度を担保することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置の概略構成を示す側面図である。 図2は、図1の顕微鏡装置で使用するステージの斜視図である。 図3は、図2のステージの光軸を含む左右方向の断面図である。 図4は、上ステージを構成する下面部材の斜視図である。 図5は、上ステージを構成する上面部材の下面部材と対向する側の斜視図である。 図6は、下面部材への上面部材の押圧固定を説明する概念図である。 図7は、本発明の実施の形態2にかかるステージの下面図である。 図8は、図7のステージにおいて、上面部材の取り付けを説明する図である。
以下に、本発明の実施の形態にかかる顕微鏡装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。さらにまた、図面は、模式的なものであり、各部材の厚みと幅との関係、各部材の比率等は、現実と異なることに留意する必要がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法や比率が異なる部分が含まれている。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置の概略構成を示す側面図である。なお、本明細書において、検鏡者が観察のために位置する側を顕微鏡装置の前面側、前面と対向する側を顕微鏡装置の背面側として説明する。
顕微鏡装置100は、顕微鏡本体1に、ステージ2、光源3、レボルバ6および鏡筒7が設けられている。顕微鏡本体1は、顕微鏡装置100の各構成部材を支持する筐体であり、アルミ合金等や、プラスチック材料から形成されたパーツの組み合わせにより構成されている。顕微鏡本体1は、図示しない照明光学系を内設するベース部1aと、ベース部1aから顕微鏡装置100の前面側に延出させて設けられ、レボルバ6および鏡筒7を保持するアーム部1bと、ステージ2を保持する保持部1cと、を有する。
鏡筒7は、アーム部1bの上面に着脱自在に取り付けられており、2つの接眼レンズ8を有している。
レボルバ6は、アーム部1bの下面に取り付けられ、倍率の異なる複数の対物レンズ5が着脱自在に取り付けられている。レボルバ6を回転操作することにより、選択した対物レンズ5を光軸上に位置させる。
焦準ハンドル9の操作により、保持部1cに保持されるステージ2は光軸に沿って上下動され、これにより、ステージ2上の標本と対物レンズ5との相対距離が変化し、ピント調整が行われる。
顕微鏡本体1の背面側下部に設けられた光源3から照射された照明光は、ベース部1a内に内蔵される図示しないリレー光学系、反射ミラーおよびコンデンサ4を介して標本に照射される。標本を透過し、対物レンズ5、鏡筒7内の図示しない結像レンズで観察像が形成され、検鏡者は接眼レンズ8越しにその観察像を目視観察する。
上記のように、顕微鏡装置100は、ステージ2に標本を載置し、レボルバ6を操作して対物レンズ5を標本と対向させ、焦準ハンドル10を回動操作しながら接眼レンズ8の焦点を合わせ、標本の像を観察するものである。
次に、本実施の形態1にかかるステージ2について、図面を参照して説明する。図2は、図1の顕微鏡装置100で使用するステージ2の斜視図である。図3は、図2のステージ2の光軸を含む左右方向の断面図である。図4は、上ステージを構成する下面部材の斜視図である。図5は、上ステージを構成する上面部材の下面部材と対向する側の斜視図である。
ステージ2は、顕微鏡本体1に保持部1cを介して固定される下ステージ20と、標本であるプレパラート40を載置し、下ステージ20に対し1つの方向、ここでは、図2にAの矢印で示す、顕微鏡装置100の前後方向に直線的に移動可能に配置される上ステージ30と、上ステージ30に支持されるとともに、上ステージ30の移動方向と直交する方向、ここでは、図2にBの矢印で示す、顕微鏡装置100の左右方向に直線的に移動可能であって、プレパラート40を上ステージ30上で移動可能に保持するクレンメル41と、を備える。
また、上ステージ30は、周縁部が中心部より上部に反りあがり、なだらかな凹形状をなす上面部材32と、上面部材32を固定する板状の下面部材31とを、有し、上面部材32と下面部材31とにそれぞれ複数設けられた基準接触部32dおよび31dが、対向して接触するように押圧固定されてなる。
下ステージ20は、図3に示すように、顕微鏡本体1の保持部1cに装着する取付け部20aが底面に設けられている。また、下ステージ20の中央には、穴部20eが設けられている。穴部20eにはプレパラート40を照明するコンデンサ4が配置される。さらに下ステージ20の左右両側面には、上ステージ30の前後方向への移動の縦ガイドとして機能するスライド溝20bが形成されている。後述する上ステージ30の下面部材31には、下ステージ20上に上ステージ30を配置した際、スライド溝20bと対向する側面部31h−2にスライド溝31bが形成され(図3および4参照)、スライド溝20b、31b、およびスライド溝20b、31bに挟み込まれたボール11により縦ガイドが構成される。縦ガイドにより、上ステージ30は下ステージ20に対し縦方向(前後方向、図2の矢印A方向)に移動可能となる。
また、図2に示すように、上ステージ30の背面側には、移動部材42と嵌合し、移動部材42上に取り付けられたクレンメル41の、左右方向への移動の横ガイドとして機能するスライド溝31aが形成されている。移動部材42の両側にはスライド溝42aが形成され、スライド溝31a、42a、およびスライド溝31a、42aに挟み込まれた図示しないボールにより横ガイドが構成される。横ガイドにより、クレンメル41は上ステージ30に対し横方向(左右方向、図2の矢印B方向)に移動可能となる。
下ステージ20の底面には、プレパラート40を前後、左右に移動させる操作ハンドル10が組み付けられている(図2および図3参照)。操作ハンドル10は、上ステージ30を前後方向に移動させる縦送りハンドル10aと、移動部材42を左右方向に移動させる横送りハンドル10bで構成される。操作ハンドル10の回転力を上ステージ30および移動部材42の駆動力として伝達する伝達機構(図示しない)は、操作ハンドル10内に組み込まれている。
クレンメル41は、プレパラート40を保持する保持部材41aと、プレパラート40を保持部材41aに対し押え付ける押え部材41bで構成される。押え部材41bは、保持部材41aに形成された回転軸41cに回転可能に嵌め込まれている。回転軸41cには、図示しないバネ部材が組み込まれている。バネ部材の弾性力により、図2のCの矢印で示す反時計回りの回転力が押え部材41bに付勢され、プレパラート40を保持部材41aと押え部材41bとにより保持している。また、押え部材41bの一端には操作レバー41dが設けられ、操作レバー41dを操作することにより、押え部材41bを時計回りに回転させる。
保持部材41aおよび押え部材41bのプレパラート40との接触面は、上部がプレパラート40側に傾斜するように形成される。保持部材41aおよび押え部材41bによりプレパラート40を挟み込む際、プレパラート40は、保持部材41aおよび押え部材41bの傾斜面と当接し、斜め下方向に付勢されるため、プレパラート40の浮き上がりを防止することができる。
上記の構成により、実施の形態1にかかる顕微鏡装置100では、ステージ2は、取り付け部20aにより保持部1cに固定されるとともに、上ステージ30は縦ガイドにより下ステージ20に保持され、クレンメル41は横ガイドにより上ステージ30に保持される。また、操作ハンドル10の縦送りハンドル10aを操作すると、図示しない伝達機構部により回転力が上ステージ30に伝達され、上ステージ30は下ステージ20に対して縦方向(前後方向)に移動し、操作ハンドル10の横送りハンドル10bを操作すると、図示しない伝達機構部により回転力が移動部材42に伝達され、クレンメル41は上ステージ30に対して横方向(左右方向)に移動する。なお、上記の操作ハンドル10およびクレンメル41は、上記の形状や配置に限定されるものではなく、左右反転して配置されていてもよい。
クレンメル41の押え部材41bは、図示しないバネ部材が組み込まれた回転軸41cに回転可能に嵌め込まれているため、バネ部材の弾性力によって発生する反時計回りの回転力によって、プレパラート40を保持部材41a側へ付勢し、保持する。プレパラート40の上面の角部および辺部は、保持部材41aおよび押え部材41bの傾斜面と当接し、下方向に押し付けられるため、底面が上ステージ30の上面30bと接触する。この状態で操作ハンドル10bの操作によりクレンメル41を横方向に移動させると、プレパラート40の底面が上ステージ30の上面30bと滑合しながら移動することになる。プレパラート40の載置の際の安定性や、プレパラート40の滑らかな移動のために、図2に斜線部として示すプレパラート載置範囲30b1は、平面状(反り量0)、もしくは端部が中心部より上部に反りあがり、なだらかな凹形状をなすことが好ましい。
さらに、上ステージ30の構成について詳細に説明する。図2〜5に示すように、上ステージ30は、上面部材32と下面部材31とにより構成されている。下面部材31は、構造部材としての役割を担い、アルミダイカスト等の金属材料で形成されることが好ましい。上述した縦ガイドのスライド溝31bは、下面部材31の左右両側、横ガイドのスライド溝31aは、下面部材31の背面側上部に設けられている。
下面部材31には、固定部31c、基準接触部31d、および長穴31eが設けられる。長穴31eは、下面部材31の中央に設けられ、長穴31eにはプレパラート40を照明するコンデンサ4が配置される。
固定部31cは、上面部材32を配置する上面31g側に、長穴31eを挟んで対称に複数設けられることが好ましい。固定部31cと後述する上面部材32に設けられる固定部32cとをビス33で固定することにより、上面部材32と下面部材31とが固定される。固定部31c内には、ビス33がねじ込まれるネジ穴31fが形成されている。
基準接触部31dは、固定部31cと同様、上面31g上に、長穴31eを挟んで対称に複数設けられることが好ましい。基準接触部31dと後述する上面部材32に設けられる基準接触部32dとが、固定部31cおよび固定部32cをビス33により固定することにより、対向して押圧接触されている。基準接触部31dは、下面部材31の上面方向に凸形状に形成されている。
上面部材32は、表面硬度が高く、低反りで精密成形に適した樹脂材料で構成されることが好ましい。上面部材32は、例えば、ポリアミド樹脂系のエンジニアリングプラスチックなどの樹脂を好適に使用することができる。耐溶剤性を考慮すると、結晶性樹脂であることが好ましい。上面部材32は、プレパラート載置位置30b1(図2で斜線部で示す範囲)の端部が中心部よりわずかに、上部に反りあがり、なだらかな凹形状をなしている。
上面部材32には、固定部32c、基準接触部32d、および長穴32eが設けられる。長穴32eは、下面部材32の中央部の中央に設けられ、長穴32eを介し、プレパラート40に照明光が入射される。
固定部32cは、上面部材32の下面部材31と接する下面側に、光軸を中心として対称に複数設けられることが好ましい。固定部32cと下面部材31の固定部31cとをビス33で固定することにより、上面部材32と下面部材31とが固定される。固定部32c内には、ビス33が挿入されるザグリ穴32aが形成されている。
基準接触部32dは、固定部32cと同様、上面部材32の下面部材31と接する下面側に、光軸を中心として対称に複数設けられることが好ましい。基準接触部32dと下面部材31の基準接触部31dとが、固定部31cおよび固定部32cをビス33により固定することにより、対向して押圧接触されている。基準接触部32dは、上面部材32の下面方向に凸形状、かつ先端が球状に形成されている。
上面部材32と下面部材31とを、基準接触部32d、基準接触部31dが対向して接触した状態で、固定部32cと固定部31cとをビス33により押圧固定する。実施の形態1では、ビス33による固定により、上ステージ30のプレパラート載置範囲30b1の反り状態が、平面、もしくは端部が中心部よりわずかに上部に反りあがり、なだらかな凹形状に補正されるように、基準接触部32dおよび基準接触部31dの位置と高さが設定されている。
図6は、下面部材31への上面部材32の押圧固定を説明する概念図である。図6では、理解を容易にするために、下面部材31および上面部材32の対向する面、基準接触部32dおよび基準接触部31d、固定部32cおよび固定部31cのみを簡略して示している。
下面部材31に押圧固定される前の上面部材32は、周縁部が中心部よりRだけ上部に反りあがり、なだらかな凹形状をなしており、反り量はRとなっている。この上面部材32を下面部材31上に配置し、基準接触部32dおよび基準接触部31dがそれぞれ対向して接触した状態で、固定部32cおよび固定部31cをビス33により押圧固定することにより、上ステージ30のプレパラート載置範囲30b1の端部の中心部からの反り量をRより小さいRに補正することができる。上面部材32を樹脂材料の射出成形により成形する場合、上面部材32の反り量Rを、上ステージ30のプレパラート載置範囲30b1の所望の反り量Rに管理することは成形精度上、非常に困難である。本実施の形態1では、上面部材32のプレパラート載置範囲30b1について、成形が容易な反り量Rの範囲として一端成形した後、下面部材31に押圧固定することにより所望の反り量Rとするため、簡易かつ安価に、面精度に優れる上ステージ30を製造することができる。
また、射出成形後の上面部材32のプレパラート載置範囲30b1の面形状の出来栄えに合わせて、基準接触部32dの高さを切削加工等で精密に管理することにより、上面部材32と下面部材31とを押圧固定した上ステージ30のプレパラート載置範囲30b1を、精度よく所望の反り量R以下に補正することができる。
本実施の形態1では、上面部材32と下面部材31とは、基準接触部32dおよび基準接触部31dが対向して接触し、固定部32cおよび固定部31cにビス33を捻じ込むことにより、位置合わせされて固定される。基準接触部32dおよび基準接触部31dの対向接触と、ビス33の捻じ込みにより、上面部材32の固定部32c周辺、すなわち上面部材32の両端側が押し下げられるとともに、中心部が押し上げられる押圧力が発生する。この押圧力により、上面部材32と下面部材31とが固定された上ステージ30のプレパラート載置範囲30b1を所定の形状である、平面もしくはなだらかな凹形状に補正することができる。また、下面部材31をアルミダイカスト等の金属材料で構成するため、必要な剛性を確保することができる。さらに、ステージ2の一部である上面部材32を樹脂等により形成すれば、軽量化も可能となる。さらにまた、上面部材32を樹脂の射出成形品とし、下面部材31と押圧固定して上ステージ30を形成した場合、上ステージ30の上面30bの面形状を、切削加工することなく高精度に所定の形状とできるため、加工時間の短縮が可能となり、安価に製作することができる。
本実施の形態1では、固定部31cおよび固定部32c、ならびに基準接触部31dおよび基準接触部32dは、各4ケ所に設けられているが、これに限定されるものではなく、少なくとも2ケ所以上設けられていればよい。また、上面部材32と下面部材31の固定は、ビス33を上面部材32側から挿入して固定しているが、下面部材31側からビス33を挿入固定してもよい。
また、上面部材32および下面部材31に設けられる基準接触部32dおよび基準接触部31dは、実施の形態1に示すような形状が丸型のボスに限定されるものではなく、長方形や異形のボスであってもよい。
さらに、上面部材32は、製造コスト等の観点から樹脂材料の射出成形品とすることが好ましいが、樹脂の切削加工品も使用可能であり、押圧固定によりプレパラート載置位置30b1を所望の形状に補正可能であれば、金属材料で形成してもよい。
さらにまた、実施の形態1にかかる上面部材32は、側面部32h−1および側面部32h−2を備えているが、上面部材を上面30bおよび側面部32h−2のみで構成してもよく、あるいは、上面部材を側面部を設けることなく上面30bのみで構成してもよい。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2にかかるステージ2Aの下面図である。図8は、図7のステージ2Aにおいて、上面部材32Aの下面部材31Aへの取り付けを説明する図である。図中、実施の形態1のステージ2と同一の構成には、同一の符号を付し、説明を省略する。
実施の形態2にかかるステージ2Aにおいて、上ステージ30Aは、上面部材32Aと下面部材31Aとから構成される。
下面部材31Aには、位置決め部34bおよび位置決め部34dが設けられる。2箇所の位置決め部34bは、スライド溝31aの外壁面、位置決め部34dは、右側の側面部31h−2の外壁面にそれぞれ設けられている。上面部材32Aには、2箇所の位置決め部34aおよび位置決め部34cが設けられる。位置決め部34aは、側面部32h−2の背面側端部であり、位置決め部34cは、右側の側面部32h−2の内壁面であって、位置決め部34dと対向する位置に設けられている。
実施の形態2において、上ステージ30Aは、図8に示すように、クレンメル41が取付けられた下面部材31Aに、上面部材32Aがクレンメル41と下面部材31Aとの間に差し込まれた状態で押圧固定されてなる。上面部材32Aと下面部材31Aとの位置合わせは、上面部材32Aを、位置決め部34aが位置決め部34bに当て付くまで差し込んだ後、左側にわずかに移動させることにより、位置決め部34cが位置決め部34dに当て付き、行われる。
上面部材32Aと下面部材31Aとを、位置決め部34a〜位置決め部34dにより位置決めした後、実施の形態1と同様に、ビス33により上面部材32Aと下面部材31Aとを押圧固定する。これにより、実施の形態1と同様に、プレパラート載置位置30b1を、簡易かつ安価に、所定の凹形状とすることが可能となる。また、上面部材32Aと下面部材31Aとに、互いに他との位置決めを行う位置決め部34a〜位置決め部34dを設けることにより、上面部材32Aと下面部材31Aとを再現よく押圧固定することができる。これは、たとえば、観察する標本に応じて着色された複数の上面部材が用意され、観察対象に応じて上面部材を取り換え可能な場合等であって、上面部材を取り換える際、取り付け位置の再現性に優れるため、上面30bの形状を精度よく再現することができる。また、上面部材がプレパラート40の滑合により摩耗し、交換する場合にも、取り付け位置の再現性が確保されて交換作業も容易となるため、保守性に優れる。
本実施の形態2では、クレンメル41を取り付けた下面部材31Aに上面部材32Aを側方から挿し入れて装着するが、クレンメル41が取り外された下面部材31Aと上面部材32Aとを、上下方向から着脱してもよい。なお、位置決め部34a〜位置決め部34dは、本実施の形態2の形状、および位置に限定されるものではない。
本実施の形態1および2では、観察対象としてプレパラート40を使用するステージを例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、観察対象としてディッシュ等を使用する場合にも、上面部材を観察対象に合わせて成形し、下面部材に押圧固定すれば、上ステージの形状をディッシュ等の観察対象に合わせて簡易に補正することができる。
以上のように、本発明にかかる顕微鏡装置は、運搬可能な小型の顕微鏡装置に有用である。
1 顕微鏡本体
1a ベース部
1b アーム部
1c 保持部
2、2A ステージ
3 光源
4 コンデンサ
5 対物レンズ
6 レボルバ
7 鏡筒
8 接眼レンズ
9 焦準ハンドル
10 操作ハンドル
11 ボール
20 下ステージ
30 上ステージ
31 下面部材
32 上面部材
40 プレパラート
41 クレンメル
42 移動部材
100 顕微鏡装置

Claims (5)

  1. ステージ上に置かれた標本の像を光学系により拡大して観察する顕微鏡装置において、
    前記ステージは、
    顕微鏡本体に固定される下ステージと、
    前記標本を載置し、前記下ステージに対し1つの方向に移動可能に配置される上ステージと、
    前記上ステージに支持されるとともに、前記上ステージの移動方向と直交する方向に移動可能であって、前記標本を前記上ステージ上で移動可能に保持するクレンメルと、
    を備え、
    前記上ステージは、周縁部が中心部より上部に反りあがり、なだらかな凹形状をなす上面部材と、前記上面部材を固定する下面部材とを、前記上面部材と前記下面部材とにそれぞれ複数設けられた基準接触部が対向して接触するように押圧固定され、前記上ステージの上面の中心部からの端部の反り量は、前記下面部材に押圧固定されていない状態の前記上面部材の中心部からの端部の反り量よりも小さいことを特徴とする顕微鏡装置。
  2. ステージ上に置かれた標本の像を光学系により拡大して観察する顕微鏡装置において、
    前記ステージは、
    顕微鏡本体に固定される下ステージと、
    前記標本を載置し、前記下ステージに対し1つの方向に移動可能に配置される上ステージと、
    前記上ステージに支持されるとともに、前記上ステージの移動方向と直交する方向に移動可能であって、前記標本を前記上ステージ上で移動可能に保持するクレンメルと、
    を備え、
    前記上ステージは、周縁部が中心部より上部に反りあがり、なだらかな凹形状をなす上面部材と、前記上面部材を固定する下面部材とを、前記上面部材と前記下面部材とにそれぞれ複数設けられた基準接触部が対向して接触するように押圧固定され、前記上面部材は、押圧により変形可能な樹脂材料で形成されることを特徴とする顕微鏡装置。
  3. 前記上面部材は、押圧により変形可能な樹脂材料で形成されることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
  4. 前記上面部材は、前記下面部材に対して脱着自在であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の顕微鏡装置。
  5. 前記上面部材と前記下面部材には、互いに他との位置決めを行う位置決め部がそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の顕微鏡装置。
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