各図に示すXYZ軸座標系において、Z軸方向は、上下方向Zとする。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であり、光源装置30が射出する光の射出方向Xとする。Y軸方向は、Z軸方向およびX軸方向の両方と直交する方向とする。上下方向Zの正の側を「上側」と呼び、負の側を「下側」と呼ぶ。Y軸方向と平行な方向を幅方向Yと呼ぶ。なお、上側、下側および上下方向とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等を限定しない。
図1から図4に示すように、本実施形態の三次元形状測定装置10は、筐体10aと、光源装置30と、撮像装置40と、第1コンバージョンレンズ51と、第2コンバージョンレンズ52と、第3コンバージョンレンズ53と、第4コンバージョンレンズ54と、光照射装置60と、駆動装置70a,70bと、図示しない演算処理装置と、を備える。
図2から図4に示すように、三次元形状測定装置10は、光を射出する光源装置30によって対象物Os,Om,Obに光を照射し、光が照射された対象物Os,Om,Obを撮像装置40によって撮像する。そして、三次元形状測定装置10は、図示しない演算処理装置によって、撮像装置40が撮像した画像情報に基づいた演算処理を行い、対象物Os,Om,Obの形状を測定する。
対象物Osと対象物Omと対象物Obとは、互いに大きさが異なる。対象物Omの大きさは、対象物Osの大きさよりも大きい。対象物Obの大きさは、対象物Omの大きさよりも大きい。図2は、対象物Omの形状を測定する場合を示している。図3は、対象物Osの形状を測定する場合を示している。図1および図4は、対象物Obの形状を測定する場合を示している。
図1に示すように、光源装置30は、後述する筐体本体11の底板部11aの上面に固定されている。すなわち、筐体本体11は、光源装置30を支持する。光源装置30は、例えば、格子状のパターンの光を射出するプロジェクタである。光源装置30が射出する光の射出方向Xは、光源装置30から射出される光の中心である光軸J1と平行な方向である。
本実施形態の三次元形状測定装置10においては、撮像装置40は、光源装置30が光を射出する射出方向Xと直交する方向において、光源装置30を挟んで撮像装置40aと撮像装置40bとの一対設けられている。そのため、2つの撮像装置40a,40bを用いて三角測量を行うことで、対象物Os,Om,Obの形状をより精度よく測定することができる。本実施形態において、撮像装置40aと撮像装置40bとは、幅方向Yにおいて、光源装置30を挟んでいる。
撮像装置40aの撮像レンズの光軸J2aおよび撮像装置40bの撮像レンズの光軸J2bは、上下方向Zと直交し、かつ、光源装置30の光軸J1に対して傾いている。光軸J2a,J2bは、各撮像装置40から対象物Os,Om,Obに向かうに従って光軸J1に近づく向きに傾いている。光軸J2aと光軸J2bとは、光軸J1上で交わる。なお、撮像装置40aと撮像装置40bとは、平面視において光源装置30の光軸J1に対して線対称に配置されている点を除いて同様である。そのため、以下の説明においては、代表して、撮像装置40aについてのみ説明する場合がある。
光軸J2aと平行な方向を光軸方向D2aとし、光軸J2bと平行な方向を光軸方向D2bとする。光軸方向D2a,D2bは、射出方向Xと交差する方向である。各光軸J1,J2a,J2bと平行な方向において、三次元形状測定装置10を基準として、対象物Os,Om,Ob側を「前側」と呼び、対象物Os,Om,Obと逆側を「後側」と呼ぶ。すなわち、射出方向Xの正の側は、前側である。射出方向Xの負の側は、後側である。なお、前側および後側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等を限定しない。
図1に示す筐体10aは、光源装置30および撮像装置40aを支持する。筐体10aは、筐体本体11と、支持部材20と、を有する。筐体本体11は、三次元形状測定装置10の各部を内部に収容する。図1では、筐体本体11のうち一部の図示を省略している。図1では、筐体本体11のうち三次元形状測定装置10の各部を下側から支持する底板部11aおよび三次元形状測定装置10の各部の後側を覆う後板部11bを示している。
支持部材20は、撮像装置40、第1コンバージョンレンズ51、第2コンバージョンレンズ52、光照射装置60および駆動装置70a,70bを支持する部材である。本実施形態において支持部材20は、幅方向Yにおいて光源装置30を挟んで2つ設けられている。2つの支持部材20は、底板部11a上に固定されている。2つの支持部材20は、平面視において光源装置30の光軸J1に対して線対称に配置されている点を除いて同様である。そのため、以下の説明においては、代表して、図1における右側に配置された支持部材20、すなわち撮像装置40aを支持する支持部材20についてのみ説明する場合がある。
支持部材20は、第1レンズ支持部21と、撮像装置支持部22と、を有する。すなわち、筐体10aは、第1レンズ支持部21と、撮像装置支持部22と、を有する。第1レンズ支持部21は、図1に示す移動方向D3aに延びる矩形板状である。移動方向D3aは、撮像装置40aが移動する方向である。移動方向D3aは、射出方向Xおよび光軸方向D2aの両方と平行な平面(XY平面)と平行で、かつ、光軸方向D2aと直交する方向である。第1レンズ支持部21の板面は、上下方向Zと平行であり、かつ、光軸方向D2aと直交する。図2に示すように、第1レンズ支持部21は、撮像装置40aの撮像レンズの光軸方向D2aにおいて撮像装置40aの前側に位置する。
第1レンズ支持部21は、第1レンズ支持部21を光軸方向D2aに貫通する貫通孔21aを有する。貫通孔21aは、第1レンズ支持部21における移動方向D3aの中央に配置されている。図1に示すように、貫通孔21aの形状は、円形状である。貫通孔21aは、撮像装置40aが後述する第3位置P3に位置する場合に撮像装置40aの撮像レンズと光軸方向D2aに対向する。
第1レンズ支持部21は、第1コンバージョンレンズ51および第2コンバージョンレンズ52を支持する。より詳細には、第1コンバージョンレンズ51および第2コンバージョンレンズ52は、第1レンズ支持部21を光軸方向D2aに貫通する2つの孔にそれぞれ嵌め合わされて、第1レンズ支持部21に固定されている。これにより、第1コンバージョンレンズ51および第2コンバージョンレンズ52は、筐体10aに固定されている。第1コンバージョンレンズ51と第2コンバージョンレンズ52と貫通孔21aとは、移動方向D3aに沿って配置されている。第1コンバージョンレンズ51と第2コンバージョンレンズ52とは、移動方向D3aにおいて貫通孔21aを挟んで配置されている。第1コンバージョンレンズ51は、第2コンバージョンレンズ52よりも、移動方向D3aにおいて光源装置30に近い位置に配置されている。
撮像装置支持部22は、第1レンズ支持部21の上端部から光軸方向D2aの後側に延びる矩形板状である。撮像装置支持部22の平面視形状は、移動方向D3aに長い略長方形状である。撮像装置支持部22の板面は、上下方向と直交する。図示は省略するが、撮像装置支持部22の下面には、移動方向D3aに沿って延びるレールが設けられている。
第1コンバージョンレンズ51および第2コンバージョンレンズ52は、撮像装置40の焦点距離を変更するレンズである。第1コンバージョンレンズ51および第2コンバージョンレンズ52は、各支持部材20の第1レンズ支持部21に1つずつ設けられている。本実施形態において第1コンバージョンレンズ51は、撮像装置40の焦点距離を長くするレンズである。第1コンバージョンレンズ51は、例えば、テレコンバージョンレンズである。本実施形態において第2コンバージョンレンズ52は、撮像装置40の焦点距離を短くするレンズである。すなわち、第2コンバージョンレンズ52は、撮像装置40の焦点距離を第1コンバージョンレンズ51が変更する焦点距離と異なる焦点距離に変更する。第2コンバージョンレンズ52は、例えば、ワイドコンバージョンレンズである。
第1コンバージョンレンズ51は、撮像装置40が後述する第1位置P1に位置する場合に撮像装置40の撮像レンズと光軸方向D2a,D2bに対向する。第2コンバージョンレンズ52は、撮像装置40が後述する第2位置P2に位置する場合に撮像装置40の撮像レンズと光軸方向D2a,D2bに対向する。
撮像装置40aは、所定の焦点距離に設定された光学系を有する。図2から図4に示すように、撮像装置40aは、光源装置30から射出された光が照射される対象物Os,Om,Obを撮像する。撮像装置40aは、第1位置P1と、第2位置P2と、第3位置P3と、の間で移動方向D3aに沿って移動可能に筐体10aに支持されている。より詳細には、撮像装置40aは、撮像装置支持部22の下側において、撮像装置支持部22の下面に設けられたレールに取り付けられている。撮像装置40aは、このレールに沿って移動方向D3aに移動可能である。
第1位置P1は、第1コンバージョンレンズ51を介して対象物Osを撮像可能な位置である。第2位置P2は、撮像装置40aが第1コンバージョンレンズ51を介さずに対象物を撮像可能な位置である。本実施形態において第2位置P2は、撮像装置40aが第2コンバージョンレンズ52を介して対象物Obを撮像可能な位置である。第3位置P3は、撮像装置40aが対象物Omを直接的に撮像可能な位置である。第1位置P1は、第2位置P2よりも、移動方向D3aにおいて光源装置30に近い位置である。第3位置P3は、移動方向D3aにおいて第1位置P1と第2位置P2との間の位置である。
なお、本明細書において「対象物を直接的に撮像可能である」とは、撮像装置が有する光学系以外の光学部材を介することなく、対象物を撮像可能なことを含む。
図3に示すように、本実施形態において第1位置P1は、対象物Osの形状を測定する場合に撮像装置40aが配置される位置である。図4に示すように、本実施形態において第2位置P2は、対象物Obの形状を測定する場合に撮像装置40aが配置される位置である。図2に示すように、本実施形態において第3位置P3は、対象物Omの形状を測定する場合に撮像装置40aが配置される位置である。
本実施形態において撮像装置40bは、第1位置P1と、第2位置P2と、第3位置P3と、の間で移動方向D3bに沿って移動可能に筐体10aに支持されている。移動方向D3bは、射出方向Xおよび光軸方向D2bの両方と平行な平面(XY平面)と平行で、かつ、光軸方向D2bと直交する方向である。移動方向D3aと移動方向D3bとは、互いに交差する。
例えば、図2に示す第3位置P3に撮像装置40が配置された状態を基準として考えると、対象物Omよりも小さい対象物Osの形状を測定する場合には、図3に示すように撮像装置40を第3位置P3から第1位置P1に移動させる。第1位置P1に移動した撮像装置40の撮像レンズの前側には、第1コンバージョンレンズ51が配置される。これにより、第1コンバージョンレンズ51を介して対象物Osを撮像する撮像装置40の焦点距離が長くなると共に、撮像装置40の画角θ1が狭くなる。したがって、第1コンバージョンレンズ51が設けられていない場合に比べて、比較的小さい対象物Osを、三次元形状測定装置10から前側に比較的離れた位置に配置しつつ、対象物Osに焦点を合わせることができる。すなわち、三次元形状測定装置10と対象物Osとの間の射出方向Xの距離L3を比較的大きくできる。これにより、比較的小さい対象物Osが三次元形状測定装置10に近づき過ぎることを抑制でき、三次元形状測定装置10に対して対象物Osを配置しやすい。したがって、対象物Osの形状を測定しやすい。
一方、対象物Omよりも大きい対象物Obの形状を測定する場合には、図4に示すように撮像装置40を第3位置P3から第2位置P2に移動させる。第2位置P2に移動した撮像装置40の撮像レンズの前側には、第2コンバージョンレンズ52が配置される。これにより、第2コンバージョンレンズ52を介して対象物Obを撮像する撮像装置40の焦点距離が短くなると共に、撮像装置40の画角θ1が広くなる。したがって、第2コンバージョンレンズ52が設けられていない場合に比べて、比較的大きい対象物Obを、三次元形状測定装置10に近い位置に配置しつつ、対象物Obに焦点を合わせることができる。
以上のように、各コンバージョンレンズが設けられていない場合に比べて、比較的小さい対象物Osを三次元形状測定装置10から離して配置できると共に、比較的大きい対象物Obを三次元形状測定装置10に近づけて配置できる。これにより、図2に示す対象物Os,Om,Obが設置される領域の射出方向Xの寸法L2を小さくすることができる。そのため、大きさが異なる複数の対象物Os,Om,Obの形状を測定する際に必要な空間を小さくできる。また、大きさが異なる対象物Os,Om,Obの形状を測定する際に、大きさによって対象物Os,Om,Obの位置を大きく変える必要がないため、対象物Os,Om,Obの配置が容易である。
また、対象物Os,Om,Obが設置される領域の射出方向Xの寸法L2を小さくすることができるため、各対象物Os,Om,Obに応じて撮像装置40を移動させる距離を短くできる。すなわち、第1位置P1と第3位置P3との間の移動方向D3a,D3bの距離、および第2位置P2と第3位置P3との間の移動方向D3a,D3bの距離を小さくできる。これにより、三次元形状測定装置10の幅方向Yの寸法L1を小さくすることができる。
以上のようにして、本実施形態によれば、形状を測定する対象物の大きさが変わっても、撮像装置40を移動させて、第1コンバージョンレンズ51および第2コンバージョンレンズ52の有無を切り換えることで、撮像装置40の焦点距離および画角θ1を変更し、撮像装置40を対象物の大きさの変化に合わせることができる。そして、これにより、対象物を設置する範囲が広くなることを抑制しつつ、三次元形状測定装置10全体が大型化することを抑制できる。したがって、本実施形態によれば、小型で、かつ、大きさが互いに異なる複数の対象物の形状を対象物の大きさに合わせて容易に測定することができる三次元形状測定装置10が得られる。
また、第1コンバージョンレンズ51と第2コンバージョンレンズ52とは筐体10aに固定されているため、撮像装置40に対して手動でコンバージョンレンズを付け替える手間がない。また、撮像装置40を移動させた後に、撮像装置40の焦点を合わせる必要もない。
また、例えば、撮像装置40にオートフォーカス機能を搭載して、撮像装置40を移動させずに、撮像装置40の焦点距離および画角θ1を変更する方法が考えられる。しかし、この場合、オートフォーカス機能を搭載することで、三次元形状測定装置が複雑化し、三次元形状測定装置の製造コストが増大する。また、オートフォーカス機能を搭載した場合、焦点距離および画角θ1を調整して対象物を測定する際には、撮像装置40の撮像レンズを強固に固定する必要がある。これは、撮像レンズを固定しない場合には、微振動によって撮像レンズの位置が変化して形状測定の精度が低下する虞があるためである。そのため、撮像レンズを強固に固定する固定機構も必要となり、三次元形状測定装置がより複雑化し、三次元形状測定装置の製造コストがより増大する。また、三次元形状測定装置の重量が大きくなり、取扱い性が低下する。
これに対して、本実施形態によれば、撮像装置40を移動させて、筐体10aに固定された第1コンバージョンレンズ51および第2コンバージョンレンズ52の有無を切り換える構成である。そのため、オートフォーカス機能を搭載する場合に比べて、三次元形状測定装置10の構成を簡単化でき、かつ、軽量化できる。これにより、三次元形状測定装置10の製造コストを安価にできると共に、取扱い性を向上できる。また、撮像装置40の撮像レンズ自体は固定焦点としたまま、撮像装置40の焦点距離および画角θ1を変更することができるため、撮像レンズの固定機構を設ける必要がなく、三次元形状測定装置10の構成をより簡単化でき、かつ、より軽量化できる。したがって、三次元形状測定装置10の製造コストをより安価にできると共に、より取扱い性を向上できる。また、微振動によって、形状測定の精度が低下することもない。
また、例えば、オートフォーカス機能を設ける場合、大きさによらず対象物を同じ位置に配置して対象物の形状を測定することが可能となるが、比較的大きい対象物Obを配置する位置に合わせた場合、比較的小さい対象物Osを配置する位置が三次元形状測定装置から比較的離れた位置となる。そのため、対象物Osの大きさの割に、対象物Osを配置する位置が三次元形状測定装置から遠くなり、対象物Osを取扱いにくい。これに対して、本実施形態によれば、対象物Os,Om,Obの大きさに応じて、対象物Os,Om,Obが配置される射出方向Xの位置がある程度異なる。そのため、対象物Os,Om,Obを取り扱いやすい。
また、本実施形態によれば、撮像装置40が第1コンバージョンレンズ51を介して対象物Osを撮像する第1位置P1、撮像装置40が直接的に対象物Omを撮像する第3位置P3、および撮像装置40が第2コンバージョンレンズ52を介して対象物Obを撮像する第2位置P2が、光源装置30から離れる向きに沿って、この順に配置されている。第1コンバージョンレンズ51は、撮像装置40の焦点距離を長くするレンズである。第2コンバージョンレンズ52は、撮像装置40の焦点距離を短くするレンズである。したがって、第1位置P1から第3位置P3の間で撮像装置40を移動させた場合に、撮像装置40の位置に応じて適切に焦点距離を変化させることができる。
また、本実施形態によれば、撮像装置40の撮像レンズは、第3位置P3において、貫通孔21aと光軸方向D2aと対向する。そのため、第3位置P3において撮像装置40は、貫通孔21aを介して、直接的に対象物Omを撮像する。そのため、第1レンズ支持部21に第1コンバージョンレンズ51と第2コンバージョンレンズ52とを支持させた状態で、第1位置P1と第2位置P2との移動方向D3aの間にある第3位置P3において、撮像装置40によって直接的に対象物Omを撮像することが容易である。
図1に示す駆動装置70aは、撮像装置40aを移動方向D3aに移動させる。駆動装置70bは、撮像装置40bを移動方向D3bに移動させる。駆動装置70aと駆動装置70bとは、平面視において光源装置30の光軸J1に対して線対称に配置されている点を除いて同様である。そのため、以下の説明においては、代表して、駆動装置70aについてのみ説明する場合がある。
駆動装置70aは、撮像装置支持部22に設けられている。駆動装置70aは、モータ71と、ねじシャフト71aと、撮像装置固定部72と、を有する。モータ71は、移動方向D3aにおいて、撮像装置支持部22の上面の光源装置30側の端部に固定されている。モータ71の出力軸は、モータ本体から移動方向D3aにおける光源装置30から離れる向きに延びている。モータ71の出力軸には、ねじシャフト71aがカップリングによって取り付けられている。ねじシャフト71aは、移動方向D3aに沿って、ほぼ撮像装置固定部72の一端から他端まで延びている。図示は省略するが、ねじシャフト71aの外周面には、雄ネジ部が設けられている。
撮像装置固定部72は、光軸方向D2aに延びる角柱状である。撮像装置固定部72は、撮像装置支持部22の上側に配置されている。撮像装置固定部72には、撮像装置40aが固定されている。撮像装置固定部72は、ねじシャフト71aが通される孔を有する。この孔の内周面には、ねじシャフト71aの外周面の雄ネジ部と噛み合わされる雌ネジ部が設けられている。これにより、モータ71の出力軸の回転に伴って、ねじシャフト71aが回転すると、撮像装置固定部72が移動方向D3aに沿って移動する。撮像装置固定部72が移動することで、撮像装置固定部72に固定された撮像装置40aも移動する。このようにして、駆動装置70aは、撮像装置40aを移動方向D3aに移動させる。
駆動装置70a,70bは、使用者の入力等に応じて、撮像装置40a,40bの位置を移動させる。駆動装置70aと駆動装置70bとは、連動している。そのため、例えば、駆動装置70aが撮像装置40aを第3位置P3から第1位置P1に移動させると同時に、駆動装置70bは、撮像装置40bを第3位置P3から第1位置P1に移動させる。なお、駆動装置70a,70bは、例えば、センサ等によって対象物の大きさを検出して、対象物の大きさに合わせて自動で撮像装置40a,40bの位置を移動させる構成であってもよい。
第3コンバージョンレンズ53および第4コンバージョンレンズ54は、光源装置30に着脱可能なレンズである。本実施形態において第3コンバージョンレンズ53は、光源装置30の焦点距離を第1コンバージョンレンズ51と同様に変更するレンズである。すなわち、第3コンバージョンレンズ53は、光源装置30の焦点距離を長くする。本実施形態において第4コンバージョンレンズ54は、光源装置30の焦点距離を第2コンバージョンレンズ52と同様に変更するレンズである。すなわち、第4コンバージョンレンズ54は、光源装置30の焦点距離を短くする。
ここで、本明細書において、「光源装置の焦点距離を第1コンバージョンレンズと同様に変更するレンズ」とは、焦点距離を変更する向きが第1コンバージョンレンズと同様であればよく、焦点距離を変更する度合いについては同じであってもよいし、異なっていてもよい。具体的には、第1コンバージョンレンズが本実施形態のように撮像装置の焦点距離を長くするレンズである場合、「光源装置の焦点距離を第1コンバージョンレンズと同様に変更するレンズ」とは、光源装置の焦点距離を長くするレンズであればよく、焦点距離を長くする度合いについては、第1コンバージョンレンズと同じであってもよいし、異なっていてもよい。なお、これは、第1コンバージョンレンズを第2コンバージョンレンズに置き換えても同様である。
本実施形態においては、第1コンバージョンレンズ51と第3コンバージョンレンズ53とは、例えば、同一のレンズであり、焦点距離を長くする度合いも同じである。本実施形態においては、第2コンバージョンレンズ52と第4コンバージョンレンズ54とは、例えば、同一のレンズであり、焦点距離を短くする度合いも同じである。
図3に示すように、第3コンバージョンレンズ53は、撮像装置40が第1位置P1に位置するときに、光源装置30に装着される。これにより、光源装置30の焦点距離が長くなり、光源装置30の画角θ2は狭くなる。図4に示すように、第4コンバージョンレンズ54は、撮像装置40が第2位置P2に位置するときに、光源装置30に装着される。これにより、光源装置30の焦点距離が短くなり、光源装置30の画角θ2が広くなる。図2に示すように、撮像装置40が第3位置P3に位置するときには、光源装置30には、第3コンバージョンレンズ53および第4コンバージョンレンズ54のいずれも装着されない。
このように、撮像装置40の位置の変化に合わせて、第3コンバージョンレンズ53および第4コンバージョンレンズ54を着脱することで、第1コンバージョンレンズ51および第2コンバージョンレンズ52による撮像装置40の焦点距離および画角θ1の変更に合わせて光源装置30の焦点距離および画角θ2を変更することができる。これにより、対象物Os,Om,Obに対して、適切に焦点を合わせて光を照射することができる。したがって、三次元形状測定装置10による形状の測定精度を向上することができる。
本実施形態において第3コンバージョンレンズ53および第4コンバージョンレンズ54は、使用者によって手動で着脱される。第3コンバージョンレンズ53および第4コンバージョンレンズ54は、光源装置30に装着されていない際には、例えば、筐体10aに保持されていてもよいし、三次元形状測定装置10の本体とは別に保管されていてもよい。
図1に示すように、光照射装置60は、各駆動装置70a,70bの撮像装置固定部72にそれぞれ固定されている。これにより、光照射装置60は、筐体10aに撮像装置40a,40bと共に移動可能に支持されている。光照射装置60は、撮像装置固定部72の光軸方向D2a,D2bの前端から前側に延びている。光照射装置60は、対象物Os,Om,Obの設置位置を示す光を照射する。本実施形態において光照射装置60は、例えば、レーザーポインタである。図2から図4に示すように、本実施形態において各光照射装置60から射出される光の光軸は、平面視において、撮像装置40a,40bの光軸J2a,J2bとそれぞれ一致する。
一方の光照射装置60から射出される光と他方の光照射装置60から射出される光とは、一点で交わる。撮像装置40a,40bが移動することで各光照射装置60も移動するため、2つの光照射装置60から射出された光の交点は、撮像装置40a,40bの位置に応じて変化する。2つの光照射装置60から射出された光の交点は、平面視において、光軸J2aと光軸J2bとの交点と一致する。本実施形態では、2つの光照射装置60から射出された光の交点が、対象物Os,Om,Obの設置位置を示している。
すなわち、図2においては、2つの光照射装置60から射出された光が交わる交点AP3に、対象物Omの後端における幅方向Yの中心を合わせて対象物Omを配置することで、対象物Omの形状を測定する適切な位置に対象物Omを配置することができる。図3においては、2つの光照射装置60から射出された光が交わる交点AP1に、対象物Osの後端における幅方向Yの中心を合わせて対象物Osを配置することで、対象物Osの形状を測定する適切な位置に対象物Osを配置することができる。図4においては、2つの光照射装置60から射出された光が交わる交点AP2に、対象物Obの後端における幅方向Yの中心を合わせて対象物Obを配置することで、対象物Obの形状を測定する適切な位置に対象物Obを配置することができる。
以上のように、対象物Os,Om,Obの設置位置を示す光を照射する光照射装置60が設けられているため、使用者は、対象物Os,Om,Obを容易に適切な位置に設置することができる。また、本実施形態において光照射装置60は、撮像装置40の位置が変化するのに伴って、自動的に適切な設置位置を示す交点を作る位置に移動する。そのため、光照射装置60を移動させる駆動装置を別途設ける必要がなく、光照射装置60の移動を制御する必要もない。したがって、三次元形状測定装置10の部品点数が多くなることを抑制でき、かつ、三次元形状測定装置10の構造が複雑化することを抑制できる。
本発明は上述の実施形態に限られず、他の構成を採用することもできる。以下の説明において上記説明と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
上述の実施形態では、撮像装置40の焦点距離を変更するコンバージョンレンズが、1つの撮像装置40に対して2つずつ設けられた構成としたが、これに限られない。撮像装置40の焦点距離を変更する第1コンバージョンレンズが、1つの撮像装置40に対して1つのみ設けられてもよい。この場合、第1コンバージョンレンズは、撮像装置40の焦点距離を長くするレンズであってもよいし、撮像装置40の焦点距離を短くするレンズであってもよい。また、この場合、第1コンバージョンレンズを介さずに対象物を撮像可能な第2位置は、撮像装置40が直接的に対象物を撮像可能な位置である。これらのように、1つの撮像装置40に対して第1コンバージョンレンズが1つのみ設けられている場合であっても、対象物の大きさに合わせて撮像装置40の焦点距離および画角θ1を変更することができるため、上述したのと同様に、小型で、かつ、大きさが互いに異なる複数の対象物の形状を対象物の大きさに合わせて容易に測定することができる三次元形状測定装置が得られる。
また、撮像装置40は、第1コンバージョンレンズ51あるいは第2コンバージョンレンズ52を介してのみ対象物を撮像可能な構成であってもよい。すなわち、撮像装置40の位置は、第1位置P1と第2位置P2との間のみで切り換え可能であってもよい。この場合、第1レンズ支持部21には、貫通孔21aが設けられない。このような場合であっても、第1コンバージョンレンズ51と第2コンバージョンレンズ52とを切り換えることができるため、対象物の大きさに合わせて撮像装置40の焦点距離および画角θ1を変更することができる。これにより、上述したのと同様に、小型で、かつ、大きさが互いに異なる複数の対象物の形状を対象物の大きさに合わせて容易に測定することができる三次元形状測定装置が得られる。
また、1つの撮像装置40に対して、撮像装置40の焦点距離を変更するコンバージョンレンズが3つ以上設けられていてもよい。この場合、撮像装置40は、異なる3つ以上のコンバージョンレンズが前側に配置される3つ以上の位置、およびコンバージョンレンズを介さない位置との間で移動可能に配置されていてもよい。また、この場合、光源装置30の焦点距離を変更するコンバージョンレンズも3つ以上設けられていてもよい。
また、第1コンバージョンレンズと第2コンバージョンレンズとは、共に焦点距離を長くするレンズであってもよいし、共に焦点距離を短くするレンズであってもよい。この場合、第1コンバージョンレンズと第2コンバージョンレンズとは、焦点距離を変更させる度合いが、互いに異なる。また、第3コンバージョンレンズと第4コンバージョンレンズとは、共に焦点距離を長くするレンズであってもよいし、共に焦点距離を短くするレンズであってもよい。この場合、第3コンバージョンレンズと第4コンバージョンレンズとは、焦点距離を変更させる度合いが、互いに異なる。また、第1コンバージョンレンズ、第2コンバージョンレンズ、第3コンバージョンレンズおよび第4コンバージョンレンズは、クローズアップレンズであってもよい。
また、図5に示す三次元形状測定装置110のように、筐体110aが、第2レンズ支持部123を有してもよい。第2レンズ支持部123は、上下方向Zに延びる矩形板状である。第2レンズ支持部123の板面は、射出方向Xと直交する。第2レンズ支持部123は、第2レンズ支持部123を射出方向Xに貫通する孔部123aを有する。孔部123aの形状は、円形状である。
第2レンズ支持部123は、第3コンバージョンレンズ53および第4コンバージョンレンズ54を支持する。より詳細には、第3コンバージョンレンズ53および第4コンバージョンレンズ54は、第2レンズ支持部123を射出方向Xに貫通する2つの孔にそれぞれ嵌め合わされて、第2レンズ支持部123に固定されている。これにより、第3コンバージョンレンズ53および第4コンバージョンレンズ54は、筐体110aに固定されている。第3コンバージョンレンズ53と孔部123aと第4コンバージョンレンズ54とは、上下方向Zに沿って上側から下側に向かって、この順に配置されている。
第2レンズ支持部123は、上下方向Zに移動可能に筐体本体11に支持されている。より詳細には、第2レンズ支持部123は、光源装置30が第3コンバージョンレンズ53を介して対象物に光を照射可能な位置と、光源装置30が第4コンバージョンレンズ54を介して対象物に光を照射可能な位置と、光源装置30が直接的に対象物に光を照射可能な位置と、の間で移動可能に筐体本体11に支持されている。図5では、光源装置30が直接的に対象物に光を照射可能な位置に第2レンズ支持部123が配置されている状態を示している。光源装置30が直接的に対象物に光を照射可能な位置とは、光源装置30の光軸J1が孔部123aを通る位置、すなわち光源装置30から射出される光が孔部123aを通過して対象物に照射される位置である。
上記構成によれば、第2レンズ支持部123を移動させることで、光源装置30に対して、第3コンバージョンレンズ53および第4コンバージョンレンズ54の切り換えを行うことができる。そのため、第3コンバージョンレンズ53および第4コンバージョンレンズ54を、使用者が手動で交換する場合に比べて、簡便である。
図5において図示は省略するが、三次元形状測定装置110は、第2レンズ支持部123を上下方向Zに移動させる第2駆動装置を備える。第2駆動装置は、駆動装置70a,70bと連動している。すなわち、例えば、第2駆動装置は、駆動装置70a,70bが撮像装置40を第3位置P3から第1位置P1に移動させるのと同時に、第2レンズ支持部123を図5に示す位置から下側に移動させる。これにより、図3に示すように、光源装置30が第3コンバージョンレンズ53を介して対象物Osに光を照射可能になると共に、撮像装置40が第1コンバージョンレンズ51を介して対象物Osを撮像可能となる。
第3コンバージョンレンズ53と第4コンバージョンレンズ54とを筐体本体11に対して固定する方法は、図5に示す方法に限られず、光源装置30の前側に配置されるコンバージョンレンズの有無を切り換え可能であれば、特に限定されない。
また、第3コンバージョンレンズ53および第4コンバージョンレンズ54は、設けられてなくてもよい。この場合、例えば、光源装置30の焦点距離は、オートフォーカス機能によって調整可能な構成であってもよい。また、撮像装置40は、1つのみ設けられてもよい。
上記の各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。