JP6280496B2 - シート状物巻取り用のスプールロール及びその改造方法 - Google Patents

シート状物巻取り用のスプールロール及びその改造方法 Download PDF

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Description

本発明は,紙やフィルムなどのシート状物を巻き取るために用いられるスプールロールに関する。本発明のスプールロールは,例えば抄紙機や塗工機のリールパートにおいて用いられる。また,本発明は,このようなスプールロールを改造する方法に関する。
従来から,紙を自動的に製造する抄紙機などにおいて,スプールロールと呼ばれる巻取装置が用いられている。一般的な抄紙機は,ワイヤーパートと,プレスパートと,ドライヤパートと,カレンダパートと,リールパートとから構成されている。ワイヤーパートでは,射出されたパルプを脱水してシート化する。プレスパートでは,シート化したパルプに圧力を掛けてさらに脱水する。ドライヤパートでは,パルプのシートに対して熱を加えて完全に乾燥させる。カレンダパートでは,乾燥後のシートの表面を押圧しながら引き延ばして,シートの表面を滑らかにする。そして,リールパートでは,各工程を経て得られた長尺の紙を巻き取って,紙が多重に巻回したロール体を形成する。このようなリールパートにおいて,紙を巻き取る際の巻芯となる装置として,スプールロールが用いられている(特許文献1,特許文献2)。
また,従来から,紙などのシート状物を巻き取る場合に,スプールロールのたわみが原因となって,このシート状物に細かいシワが発生するという問題があることが知られている(特許文献3)。この点,特許文献3に開示された発明は,切り欠き部を有する筒状体と,この筒状体を内側から拡径するための拡径手段とを備えたスプールロールにおいて,この筒状体が軸方向全長に渡って拡径されることを特徴としている。このような構成によれば,巻取コアのたわみを最小限に抑え,最初から最後までシート状物にシワを発生させずに,綺麗なロール体を得ることができるとされている。
特開平5−186105号公報 特開2000−264511号公報 特開2007−210759号公報
上記特許文献3に開示されたスプールロールのように,筒状体の直径を拡張することにより,シート状物を内側から押圧することができる。このため,シート状物に生じるシワをある程度引き延ばすことができると考えられる。しかし,特許文献3のスプールロールでは,筒状体全体の直径を一様に拡張することとしている。そして,このことに鑑みれば,特許文献3に開示された技術では,シート状物のどの部分に細かいシワが発生し易くなっているのかを具体的に特定することができていないといえる。
すなわち,スプールロールは,回転軸方方向の長さが長くなればなる程,紙を巻き取って回転するときに,回転軸方向に一様ではないひずみが発生する。このため,スプールロールの回転時に生じる一様ではないひずみによって,紙などのシート状物にも,シワが発生し易い部分と発生し難い部分が存在すると考えられる。しかしながら,特許文献3の技術では,シート状物どの部分にシワが発生し易くなっているのかが具体的に考慮されていない。このため,特許文献3のスプールロールのように,筒状体の軸方向全体の直径を一様に拡張した場合であっても,スプールロールに大きなひずみが発生する箇所に生じる局所的なシワを十分に解消することはできなかった。このように,従来の技術では,シート状物に局所的に生じるシワを効果的に解消できないという問題があった。
また,特許文献3に開示されたスプールロールでは,筒状体に切り欠き部を形成する特殊な加工が必要であるとともに,筒状体の内部に拡径手段となる特殊な装置を設ける必要がある。このような特許文献3のスプールロールを抄紙機に導入しようとした場合,既存のスプールロールを改造して特許文献3のスプールロールを構築することはできないため,特殊な加工と特殊な装置を備える特許文献3のスプールロールを新たに製造する必要があった。このように,従来の技術では,シート状物に細かいシワが発生することを防止するために,新たな装置を購入しなければならず,多大なコストが発生するという問題があった。
従って,現在では,スプールロールのひずみに対応して局所的に発生するシート状物のシワを効果的に解消することのできるスプールロールが求められている。また,現在では,既存のスプールロールを利用して,簡単にシート状物のシワを解消することのできる,スプールロールの改造方法が求められている。
本発明の発明者らは,従来技術の問題を解決する手段について鋭意研究を重ねた結果,スプールロールは,中空筒状のロールセルとその両端に嵌め込まれたヘッダーとの繋ぎ目の近傍において,特に大きなひずみが生じていることを特定するに至った。そこで,このロールセルとヘッダーの繋ぎ目部分に,ロールセルを補強して回転時のひずみを緩和させるための補強手段を形成することで,スプールロールのひずみに対応して局所的に発生するシート状物のシワを効果的に解消できるという知見を得た。補強手段としては,例えば,スプールロールを補強するためのスリーブ(別部材)を取り付けることや,スプールロールの肉厚を厚くすること,スプールロールの剛性を高くすることが考えられる。さらに,上述したスリーブを取り付けるだけの簡単な構造であれば,一般的な既存のスプールロールを利用することができるため,周辺設備の改造が最小限あるいは不要になることを見出した。そして,本発明者らは,上記知見に基づけば,従来技術の問題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。具体的に説明すると,本発明は以下の構成を有する。
本発明の第1の側面は,シート状物を巻き取るためのスプールロールに関する。
スプールロールは,基本的に,ロールセル10と,一対のヘッダー20とを備える。
ロールセル10は,中空円筒状であり,その周面にシート状物が巻き付けられる。
一対のヘッダー20は,それぞれ,ロールセル10の回転軸方向の両端にはめ込んで固定されている。一対のヘッダー20は,中空円筒状であってもよいし,中実円柱状であってもよい。
ここで,本発明のスプールロールは,径方向においてヘッダー20と重なる重畳領域1と,当該重畳領域1から回転軸方向の内側に向かって一定量だけ延出する延出領域2において,ロールセル10を補強して回転時のひずみを緩和させる補強手段を有する。補強手段としては,例えば,スプールロールを補強するためのスリーブ(別部材)を取り付けることや,スプールロールの肉厚を厚くすること,スプールロールの剛性を高くすることが考えられるが,さらに別の補強手段を採用することも可能である。
上記構成のように,本発明に係るスプールロールは,ロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目に相当する位置に,補強手段を形成することとしている。この補強手段は,ヘッダー20と重なる重畳領域1と,この重畳領域1から延出した(すなわちヘッダー20と重ならない)延出部分2に亘って形成されている。詳しくは後述するが,スプールロールは,その回転時に,ロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目の近傍において特に大きなひずみが生じることが,本発明者らの研究により特定された。従って,上記のように,補強手段によって,ロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目部分を補強することで,そこに生じるひずみを緩和することができる。その結果,このスプールロールに紙などのシート状物を巻き付けた際に,このシート状物とスプールロールの表面との間に隙間が生じにくくなり,シート状物に生じるシワをなくす若しくは軽減することができる。特に,シート状物に最もシワが生じやすい箇所を補強手段で補強することで,スプールロールのひずみにより発生する局所的なシワを効果的に解消することができる。
本発明のスプールロールは,上記した補強手段として,一対のスリーブ30を備えることとしてもよい。
一対のスリーブ30は,それぞれ,中空円筒状であり,ロールセル10の回転軸方向の両端側に配置される。スリーブ30は,ロールセル10と一対のヘッダー20の固定部分の繋ぎ目を補強し,回転時のスプールロールに生じるひずみを抑制するための部材である。
ここで,一対のスリーブ30は,重畳部分31と延出部分32とを有する。スリーブ30の重畳部分31と延出部分32は,それぞれ,上記した重畳領域1と延出領域2に相当している。
まず,スリーブ30の重畳部分31は,径方向(厚み方向)において,ヘッダー20と重なる部分である。なお,本発明は,スリーブ30の重畳部分31がヘッダー20に直接接している形態に限定されず,スリーブ30の重畳部分31とヘッダー20の間には他の部材(例えばロールセル10)が介在してもよい。このような意味において,スリーブ30の重畳部分31は,径方向においてヘッダー20と重なっていればよい。
また,スリーブ30の延出部分32は,ロールセル10の回転軸方向の内側に向かって,重畳部分31から延出する部分である。なお,スリーブ30の重畳部分31と延出部分32の境界は,ロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目に相当する。
上記構成のように,本発明に係るスプールロールは,ロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目に相当する位置に,補強手段として機能するスリーブ30が取り付けることとしてもよい。このスリーブ30は,少なくともヘッダー20の端部を覆うようにして,ロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目部分を補強している。従って,スリーブ30によってロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目部分を補強することで,そこに生じるひずみを緩和することができる。その結果,このスプールロールに紙などのシート状物を巻き付けた際に,このシート状物とスプールロールの表面との間に隙間が生じにくくなり,シート状物に生じるシワをなくす若しくは軽減することができる。特に,シート状物に最もシワが生じやすい箇所をスリーブ30によって補強することで,スプールロールのひずみにより発生する局所的なシワを効果的に解消することができる。
また,ロールセル10とヘッダー20を備えるスプールロールは,一般的に用いられているスプールロールである。本発明は,このような既存のスプールロールに対しスリーブ30を取り付けることで,シート状物に生じるシワを効果的に解消できる。従って,本発明のスプールロールは,既存設備を有効活用して,低コストで実現することができる。さらに,本発明は,スリーブ30によってロールセル10の回転軸方向の両端側のみを補強するものであり,ロールセル10の全体を補強するものではない。このように,本発明は,スリーブ30によって,回転時に特にひずみの生じ易い箇所を局所的に補強するものであるため,スプールロール全体の重量の増加を最小限に留めることができる。従って,本発明の構成によれば,スプールロールによる回転性能に殆ど影響を与えなくて済む。
本発明に係るスプールロールにおいて,一対のスリーブ30は,それぞれ,ロールセル10の外面側に配置され,ロールセル10の外面に対して固定されているものであることが好ましい。
上記構成のように,ロールセル10の外面にスリーブ30を固定することで,より効果的にスプールロールに生じるひずみを解消することができる。また,ロールセル10の外面にスリーブ30を取り付ける作業は,比較的簡単に行うことができる。
本発明に係るスプールロールにおいて,一対のスリーブ30は,それぞれ,ロールセル10の内面側に配置されていてもよい。この場合,スリーブ30の重畳部分31が,ロールセル10とヘッダー20の間に固定される。
上記構成のように,ロールセル10の内面にスリーブ30を固定することとしてもよい。この場合,ロールセル10の外径に殆ど影響を与えることなく,ロールセル10を補強することができる。また,ロールセル10の内面にスリーブ30を固定する場合,スリーブ30の厚みによる凹凸がロールセル10の外面に形成されないというメリットがある。
本発明に係るスプールロールにおいて,スリーブ30は,二対以上設けられていてもよい。つまり,スプールロールには,一対の第1スリーブ30aと,一対の第2スリーブ30bとが含まれることとしてもよい。
この場合,一対の第1スリーブ30aは,それぞれ,ロールセル10の外面側に配置され,ロールセル10の外面に対して固定されていることが好ましい。
他方,一対の第2スリーブ30bは,それぞれ,ロールセル10の内面側に配置され,径方向においてヘッダー20と重なる重畳部分31bが,ロールセル10とヘッダー20の間に固定されていることが好ましい。
上記構成のように,ロールセル10の内面側と外面側のそれぞれに,スリーブ30a,30bを固定することも可能である。このような構成によれば,二対のスリーブ30a,30bによってスプールロールを補強することとなるため,さらに効果的にシート状物に生じるシワを解消することができる。
本発明に係るスプールロールは,さらに,ロールセル10の少なくとも一部を被覆するカバー材40を備えることが好ましい。
ここで,ロールセル10の外面にスリーブ30を固定する実施形態において,カバー材40は,ロールセル10の外面に接するセル被覆部分41と,スリーブ30の外面に接するスリーブ被覆部分42と,を有することが好ましい。
上記構成のように,カバー材40によってスリーブ30の外面をも被覆することで,このスリーブ30の外面にもシート状物を巻き付けることができる。従って,スプールロールの回転軸方向の全体を,シート状物の巻取面として有効に利用できる。
本発明に係るスプールロールにおいて,カバー材40のスリーブ被覆部分42は,セル被覆部分41と比較して肉薄に形成されていることが好ましい。特に,ロールセル10の外面にスリーブ30を固定する実施形態において,カバー材40のスリーブ被覆部分42の厚みとスリーブ30の厚みの合計値は,カバー材40のセル被覆部分41の厚みとほぼ等しいことが好ましい。例えば,カバー材40のスリーブ被覆部分42の厚みとスリーブ30の厚みの合計値は,カバー材40のセル被覆部分41の厚みに対して,±3mmとなることが特に好ましい。
上記構成のように,カバー材40によってスリーブ30の外面を被覆する場合であっても,このスリーブ被覆部分42の厚みを薄くすることで,スプールロールの外面をほぼ平坦にすることができる。スプールロールの外面が平坦になれば,そこに巻き付くシート状物にシワが生じにくくなる。
本発明に係るスプールロールにおいて,ロールセル10は,重畳領域1と延出領域2の肉厚が,他の領域の肉厚よりも厚く形成されていてもよい。この場合,肉厚に形成されたロールセル10の重畳領域1と延出領域2が,上記した補強手段として機能する。
上記構成のように,ロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目部分において,このロールセル10の肉厚を厚くすることで,そこに生じるひずみを緩和することができる。その結果,このスプールロールに紙などのシート状物を巻き付けた際に,このシート状物とスプールロールの表面との間に隙間が生じにくくなり,シート状物に生じるシワをなくす若しくは軽減することが可能である。ただし,補強手段として上記したスリーブ30を採用した場合と比較し,ロールセル10の肉厚を厚くする場合には,ロールセルを新しく製造する必要があるため,既存の設備をそのまま利用することは難しいといえる。
本発明の第2の側面は,シート状物を巻き取るためのスプールロールの改造方法に関する。本発明に係る改造方法は,既存のスプールロールに対し,シート状物に生じるシワを解消することを目的とした改造を施す。
既存のスプールロールは,周面にシート状物が巻き付けられる中空円筒状のロールセル10と,ロールセル10の回転軸方向の両端に嵌め込まれた一対のヘッダー20と,を備えるものである。
ここで,本発明に係る改造方法は,ロールセル10の回転軸方向の両端側に,少なくとも一対の中空円筒状のスリーブ30を取り付ける工程(取付工程)を含む。
この取付工程では,スリーブ30のそれぞれに,径方向においてヘッダー20と重なる重畳部分31と,ロールセル10の回転軸方向の内側に向かって重畳部分31から延出する延出部分32とが形成されるように,スリーブ30のそれぞれを,ロールセル10の回転軸方向の両端側に取り付ける。
上記のように,既存のスプールロールにスリーブ30を取り付ける改造を行うことで,既存のスプールロールを簡単に補強することができる。これにより,スプールロールの回転軸方向に生じる大きなひずみを抑制することができる。その結果,スプールロールに巻き付けられるシート状物のシワを解消することができる。
本発明によれば,スプールロールのひずみに対応して局所的に発生するシート状物のシワを効果的に解消することができる。また,本発明によれば,既存のスプールロールを改造して,シワ解消対策を施したスプールロールを製造するための方法を提供することができる。
図1は,抄紙機においてスプールロールが使用される形態の一例を示した概念図である。 図2は,従来のスプールロールの例を示した断面図である。 図3は,従来のスプールロールにおいてひずみが生じる箇所を測定した結果を示すグラフである 図4は,本発明に係るスプールロールが備える構成要素の概要を示した概念図である。 図5は,本発明に係るスプールロールの第1の実施形態を示した断面図である。 図6は,本発明に係るスプールロールの第2の実施形態を示した断面図である。 図7は,本発明に係るスプールロールの第3の実施形態を示した断面図である。 図8は,本発明に係るスプールロールの第4の実施形態を示した断面図である。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
なお,本願明細書において,「A〜B」とは,「A以上B以下」であることを意味する。
[1.抄紙機におけるスプールロール]
図1は,紙を自動的に製造する抄紙機において,スプールロール100が使用される形態の一例を示している。抄紙機は,印刷用紙や,包装用紙の他,ティッシュペーパやトイレットペーパなどの衛生薄葉紙を含む種々の紙製品を製造することができる。一般的な抄紙機は,ワイヤーパートと,プレスパートと,ドライヤパートと,カレンダパートと,リールパートとから構成されている。まず,ワイヤーパートでは,射出されたパルプを脱水してシート化する。プレスパートでは,シート化したパルプに圧力を掛けてさらに脱水する。ドライヤパートでは,公知の乾燥機の内部にパルプのシートを導入して,熱を加えることで完全に乾燥させる。カレンダパートでは,乾燥後のシートの表面を押圧しながら引き延ばして,シートの表面を滑らかにする。そして,リールパートでは,各工程を経て得られた長尺の紙を巻き取って,紙が多重に巻回したロール体を形成する。
図1は,ドライヤパート200以降のパートを図示している。図1に示されるように,ドライヤパート200は,例えば,シリンダドライヤ210と,このシリンダドライヤ210を包むドライヤフード220を備える。シリンダドライヤ210の内部には高温の蒸気が供給されており,その蒸気によってシリンダドライヤ210の表面が加熱されている。このシリンダドライヤ210の表面に,湿潤したシート状のパルプを当接させることにより,シート状のパルプを乾燥させることができる。ドライヤパート200を経て乾燥されたシートは,カレンダパート300に導入される。図1に示されるように,カレンダパート300は,上下方向に対向して並んだ複数のプレスローラ310と,対向する2つのプレスローラ310の間をシートが通過するようにシートの搬送経路を形成する複数の搬送ローラ320とを備える。このように,カレンダパート300において,シートは,対向するプレスローラ310の間に複数回導入されることで,圧力をかけて引き延ばされる。これにより,シートの表面が滑らかになる。
最後に,カレンダパート300を経て形成された紙は,リールパート400において巻き取られる。図1に示されるように,リールパート400は,スプールロール100と,このスプールロール100と対向するように配置されたリールドラム410を備える。また,リールパート400は,リールドラム410を回転させる回転装置(図示省略)を備えている。図1に示されるように,長尺の紙をリールドラム410の表面に接触させることにより,接触による摩擦伝動が発生し,スプールロール100の周面に長尺の紙が巻き付けられる。また,紙は,スプールロール100の周面に複数層に巻回している。スプールロール100によって巻き取られた紙が所望の巻径となった段階で,ジェットエア等の紙切装置(図示省略)により紙を切断し,スプールロール100への紙の巻き取りが完了する。その後,スプールロール100は回転装置から外れた位置にレール(図示省略)に沿って移動される。このようにして,スプールロール100の周面に紙を多重に巻き付けることで,所望の巻径のロール体が得られる。スプールロール100は,抄紙機のリールパート400において,紙を巻き取る際の巻芯となる装置として用いられる。
ただし,上記したスプールロール100の使用方法は一例である。すなわち,スプールロール100は,抄紙機において紙を巻き取るためのものに限定されない。例えば,スプールロール100は,塗工機にて表面塗工された紙が巻回したロール体を得る用途や,オフラインのカレンダー装置にて平滑化及び光沢付与された紙が巻回したロール体を得る用途にも用いることができる。また,スプールロール100により巻き取られるシート状物は紙製品に限られず,その他の合成樹脂製のフィルムや,金属製のシートであってもよい。
[2.従来のスプールロール]
図2は,従来のスプールロール100´の回転軸方向の断面図を示している。図2に示されるように,従来のスプールロール100´は,中空円筒状のロールセル10´と,一対のヘッダー20´とを有する。この一対のヘッダー20´は,円筒状のロールセル10´の回転軸方向の両端に嵌め込まれて固定されている。このヘッダー20´は,本体部分21´に対し,回転軸方向外側に向かって突出するジャーナル(回転支持軸)22´が挿入されている。また,ロールセル10´の外面は,ゴムなどの可撓性材料で形成されたカバー材40´によって被覆されている。このような従来の構造のスプールロール100´について,本発明者らは,図2に示した回転軸方向の各ポイントP1〜P14において,回転時に発生するひずみ[μST]の計測を行った。
図3は,図2に示した従来のスプールロール100´に,紙を所定径巻き付けた状態における,回転軸方向に生じたひずみの測定結果を示している。図3において,記号φは,紙が巻回したロール体の径を表している。当初,本発明者らは,従来公知の現象に基づき,スプールロール100´の重心位置に相当する,回転軸方向の中央部分(ポイントP5〜7付近)において,最大のたわみ点があると予想した。
しかし,本発明者らは,スプールロールを用いてシート状物の製造を日夜行っていたところ,スプールロールの中央部分よりも,スプールロールの回転軸方向の両端付近に,細かいミミズ状のシワが発生していることを発見した。そこで,図2及び図3に示されるように,スプールロール100´の回転軸方向の端部に相当するポイントP10とP11の間の区間に,細かいピッチでポイントP12〜P14を配置し,さらに詳細に回転時に発生するひずみを計測してみることとした。すると,従来公知の現象に基づく予想とは異なり,図3に示されるように,スプールロール100´の回転軸方向の端部(特にポイントP13)において,局所的に大きなひずみが生じていることが判明した。このスプールロール100´の端部近傍におけるポイントP13において発生したひずみの大きさは,スプールロール100´の中央部分におけるポイントP6で発生したひずみの大きさを,大きく上回るものである。これに対し,従来のスプールロール100´では,回転軸方向の端部において発生する局所的なひずみが無視されていた。このため,従来のスプールロール100´は,巻き取ったシート状部材に細かいシワが形成されるという問題を解決することができないものであった。
図2及び図3に示されるように,回転軸方向の端部においてひずみが大きく発生したポイントP13は,ロールセル10´とヘッダー20´の内側端縁との境界に相当している。このように,ロールセル10´とヘッダー20´との繋ぎ目の位置(ポイントP13)に,回転軸方向の中央部分を上回る大きなひずみが発生していることが,本発明者らの調査によって明らかになった。
上記のように,ロールセル10´とヘッダー20´との繋ぎ目の位置に大きなひずみが発生する原因としては,以下に挙げるものが考えられる。第一に,ロールセル10´の両端部では,ヘッダー20´が存在している箇所と存在していない箇所とで,回転軸方向における断面係数が急激に変化する。このため,このヘッダー20´の内側端縁とロールセル10´とが接触する位置に,大きな変曲点が発生することが原因であると考えられる。また,第二に,ロールセル10´とヘッダー20´とは通常焼嵌めにより固定されているが,ヘッダー20´はダクタイル鋳鉄(FCD)により形成されていることが多いため,加熱時にFCD中の球状黒鉛が漏出して潤滑油として作用してしまう。その結果,ロールセル10´とヘッダー20´の接触面に微小なすべりが発生する。このように,ロールセル10´とヘッダー20´の嵌合部分に微小なすべりが連続的に発生することで,ロールセル10´とヘッダー20´の両方又はいずれか一方のフレッティング摩耗が進行し,両部材の嵌合状態が緩くなる。そして,ロールセル10´とヘッダー20の嵌合状態が緩くなると,シート状物を大径に巻き取った際に,その荷重がロールセル10´とヘッダー20´の内側端縁との境界部分に集中してしまい,ひずみのピークが発生する。このような現象も原因の一つであると考えられる。さらに,第三に,スプール変形により,ヘッダー20´の内側端縁においてシート状物が座屈することも,原因の一つであると考えられる。このように,第一から第三で挙げたような現象が,ロールセル10´とヘッダー20´との繋ぎ目の位置に大きなひずみを発生させ,シート状物に細かいミミズ状のシワが形成する原因になっているものと推測される。
[3.本発明に係るスプールロール]
上記従来のスプールロール100´に関する分析結果を踏まえて,本発明者らは,スプールロールの回転軸方向端部に生じるひずみを簡単な構成で且つ効果的に解消すべく,既存のスプールロールを改良して,本発明の構成を見出した。すなわち,本発明は,ロールセルとヘッダーとの繋ぎ目の位置(ポイントP13近傍)に,ロールセルを補強して回転時のひずみを緩和させる補強手段を形成することを特徴とするものである。以下では,本発明に係るスプールロールの好ましい実施形態について,図面を参照して説明を行う。
[3−1.第1の実施形態]
図4は,本発明の第1の実施形態に係るスプールロール100の構成要素を概念的に示している。図4において,符号Aは回転軸方向を示し,符号Rは径方向を示し,符号Cは周方向を示している。図4に示されるように,本発明に係るスプールロール100は,中空円筒状のロールセル10と,このロールセル10の回転軸方向の両端に嵌め込まれる一対のヘッダー20とを有する。各ヘッダー20は,中央に挿入孔が形成された本体部分21に,その回転軸に沿ってジャーナル(回転支持軸)22が挿入されている。また,ロールセル10の外面を被覆するように,ゴムなどで形成されたカバー材40が取り付けられている。そして,本発明の第1の実施形態に係るスプールロール100は,これらの基本構成に加えて,さらに,少なくとも一対の中空円筒状のスリーブ30を備えている。スリーブ30は,ロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目を補強することにより,この繋ぎ目の近傍に発生する回転時のひずみを緩和するための部材である。このため,第1の実施形態では,この一対のスリーブ30が,「補強手段」として機能する。このようなスリーブ30を,ロールセル10の回転軸方向の両側に設けることで,ロールセル10にシート状部材を巻きつけたときに,このシート状部材に発生する細かいシワを解消することができる。
図5は,本発明の第1の実施形態に係るスプールロール100の断面図を示している。図5に示されるように,スプールロール100は,基本的に,中空円筒状のロールセル10と,二個一対のヘッダー20とを備える。さらに,第1の実施形態において,スプールロールは,二個一対のスリーブ30と,カバー材40とを含んで構成されている。
図5に示されるように,スプールロール100は,重畳領域1と延出領域2を観念することができる。重畳領域1は,径方向においてヘッダー20と重なる領域である。また,延出領域2は,重畳領域1から回転軸方向の内側に向かって一定量だけ延出した領域である。つまり,延出領域2は,回転軸方向に重畳領域1と連続する領域であって,径方向においてはヘッダー20は重ならない領域を意味している。延出領域2が延出する一定量は,適宜調整可能であるが,例えば50〜500mm,又は100mm〜1000mm程度とすればよい。
具体的に説明すると,ロールセル10は,その周面(外面)に,シート状部材を巻き付けるための部材である。ロールセル10は,内部に空間が形成された中空の円筒状であり,スプールロール100の本体を構成している。ロールセル10は,回転軸(一点鎖線)を中心として,周方向に回転する。ロールセル10が回転することにより,その周面にシート状部材が巻き取られて,複数層に積層する。ロールセル10は,複数層に巻回されたシート状部材の荷重が掛かるものであるため,比較的剛性の高い金属で形成することが好ましい。例えば,ロールセル10は,一般構造用圧延鋼材(SS材)や,炭素鋼鋳鋼品(SC材),その他アルミニウム,ステンレス,鉄などの金属で形成すればよい。また,ロールセル10は,剛性の高いカーボン繊維などの繊維強化樹脂で形成することも可能である。また,ロールセル10の回転軸方向の長さや,直径,厚みなどについては,シート状部材の幅や,巻径,材質などを考慮して,適宜調整することができる。
一対のヘッダー20は,スプールロール100を回転させる回転装置(図示省略)に接続する接続端となる部材である。各ヘッダー20は,中央に挿入孔が形成された円筒状の本体部分21と,この本体部分21の挿入孔に挿入されたジャーナル22とを有する。ヘッダー20の本体部分21は,ロールセル10の回転軸方向の端部において,ロールセル10の内部に嵌め込まれて固定される。すなわち,本実施形態では,ヘッダー20の本体部分21の外面がロールセル10の内面に接触するかたちで,互いに結合されている。ヘッダー20とロールセル10の結合方法は,焼き嵌めや,冷やし嵌め,接着,圧入など,公知の方法を採用することができる。特に,ヘッダー20とロールセル10を強固に結合するためには,焼き嵌めを採用することが好ましい。また,このヘッダー20の本体部分21には,ジャーナル22が嵌合されている。ジャーナル22は,その一部分が,ヘッダー20の本体部分21から回転軸方向外側に向かって突出する。このジャーナル22の突出部分は,回転装置(図示省略)によって保持される。ヘッダー20の本体部分21とジャーナル22の結合方法は,焼き嵌めや,冷やし嵌めなどの公知の方法を採用することができる。また,ヘッダー20の本体部分21とジャーナル22は,例えば,一般構造用圧延鋼材(SS材)や,ダクタイル鋳鉄(FCD),アルミニウム,ステンレス,鉄などの金属製であってもよいし,カーボン繊維などの繊維強化樹脂製であってもよい。
このように,ロールセル10の回転軸方向の両端には,一対のヘッダー20がそれぞれ嵌め込まれている。このため,図5に示されるように,ロールセル10は,概念的に,ヘッダー20が嵌め込まれている嵌合部分11と,両端の嵌合部分11の間に位置する中空部分12とに区分することができる。
第1の実施形態に係るスプールロール100は,さらに一対のスリーブ30を含む。一対のスリーブ30は,ロールセル10と一対のヘッダー20の繋ぎ目付近を補強して,この繋ぎ目に発生するひずみを緩和させるための部材である。本実施形態では,このスリーブ30が,「補強手段」として機能する。図5に示されるように,一対のスリーブ30は,内部に空間が形成された中空の円筒状であり,ロールセル10の回転軸方向の両端側に配置される。図5に示された実施形態において,一対のスリーブ30は,それぞれ,ロールセル10の外面に当接するようにして,ロールセル10の外面に固定されている。
図5に示されるように,一対のスリーブ30は,重畳部分31と延出部分32とに区分されている。本実施形態において,スリーブ30の重畳部分31は,上記した重畳領域1に相当し,スリーブ30の延出部分32は,上記した延出領域2に相当している。スリーブ30の重畳部分31は,径方向(厚み方向)において,ヘッダー20の本体部分21と重なる部分である。つまり,スプールロール100の径方向に沿ってスリーブ30を通る仮想的な直線を引いたときに,その直線上にヘッダー20の本体部分21が存在する部分が,スリーブ30の重畳部分31に相当する。言い換えると,スリーブ30の重畳部分31は,ヘッダー20が嵌め込まれたロールセル10の嵌合部分11に固定される部分であるといえる。このため,スリーブ30の重畳部分31は,径方向において,ヘッダー20の本体部分21とロールセル10の両方と重なっている。他方,スリーブ30の延出部分32は,重畳部分31から,回転軸方向の内側に向かって延出した部分である。このため,延出部分32は,径方向において,ロールセル10には重なるものの,ヘッダー20の本体部分21とは重ならない。つまり,スプールロール100の径方向に沿ってスリーブ30を通る仮想的な直線を引いたときに,その直線上にヘッダー20の本体部分21が存在しない部分が,スリーブ30の延出部分32に相当する。言い換えると,スリーブ30の延出部分32は,ロールセル10の中空部分12に固定される部分であるといえる。
このように,一対のスリーブ30は,それぞれ,ロールセル10とヘッダー20の境界に跨るようにして配置される。図2及び図3において説明したとおり,ロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目(ポイントP13)には,スプールロール100の回転時に大きなひずみが発生する。そこで,一対のスリーブ30は,このロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目(ポイントP13)を中心として,その付近においてロールセル10を補強する。このように,一対のスリーブ30を設けることで,ロールセル10の嵌合部分11と中空部分12の境界で回転軸方向における断面係数が急激に変化することを防止でき,この断面係数の変化を緩やかにすることができる。従って,一対のスリーブ30を設けることで,ロールセル10とヘッダー20の内側端縁とが接触する位置に,大きな変曲点が発生することを防止できる。これにより,スプールロール100の端部に発生するひずみを緩和でき,結果として,スプールロール100に巻き取られるシート状部材に細かいシワが生じることを防止できる。
このような観点において,スリーブ30の重畳部分31と延出部分32の回転軸方向における長さを調整することが好ましい。例えば,スリーブ30の延出部分32の長さ(L)は,50mm以上,又は100mm以上であることが好ましい。具体的には,延出部分32の長さ(L)は,50〜500mm,又は100mm〜1000mmであることが好ましい。また,図5に示されるように,一対のスリーブ30は,互いに分離している必要がある。すなわち,一対のスリーブ30が互いに接触するような長さを有し,スリーブ30によってロールセル10の全範囲を覆うことは好ましくない。これは,スリーブ30をロールセル10に嵌め合わせる際に,熱膨張又は熱収縮により,ロールセル10とスリーブ30とが嵌め合わせ途中で固着してしまうおそれがあるからである。
また,例えば,図5に示されるように,スリーブ30の延出部分32の長さ(L)は,重畳部分31の長さ(L)と等しいか,重畳部分31の長さ(L)よりも短いものであることが好ましい(L≦L)。スリーブ30の延出部分32の長さが重畳部分31よりも長いものである場合,この延出部分32に掛かる負荷が大きくなり,スリーブ30が損傷する原因となる。延出部分32は,ロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目を中心として,その近傍においてロールセル10を補強していれば十分である。このため,スリーブ30の長寿命化を考慮して,延出部分32の長さ(L)を重畳部分31の長さ(L)以下とすることが好ましい形態である。例えば,延出部分32の長さ(L)は,重畳部分31の長さ(L)に対し,30%〜100%,40%〜98%,又は50%〜95%とすればよい。
また,スリーブ30は,ロールセル10と同様に,一般構造用圧延鋼材(SS材)や,炭素鋼鋳鋼品(SC材),その他アルミニウム,ステンレス,鉄などの金属で形成することが好ましい。スリーブ30は,剛性の高いカーボン繊維などの繊維強化樹脂で形成することも可能である。特に,スリーブ30の材質は,ロールセル10の材質と熱膨張係数が同一のものであることが好ましい。具体的には,スリーブ30とロールセル10は,同一の材質で形成することが好ましい。スリーブ30とロールセル10の熱膨張係数に差があると,これらを互いに焼き嵌めで結合させるときやこれらが発熱したときに,スリーブ30とロールセル10の結合状態が緩むおそれがある。従って,スリーブ30とロールセル10は,熱膨張係数の等しい同一の材質で形成することが好ましい。
また,スリーブ30の厚み(T)は,ロールセル10の厚み(T)に対し,30%以上であることが好ましい。また,スリーブ30の厚み(T)は,ロールセル10の厚み(T)以下であることが好ましい。例えば,スリーブ30の厚み(T)は,ロールセル10の厚み(T)に対し,30%〜100%,35%〜95%,又は40%〜90%であることが好ましい。スリーブ30の厚み(T)が,ロールセル10の厚み(T)を超えるものであると,スリーブ30の曲げ剛性が高くなり過ぎてしまい,スリーブ30の端部とロールセル10の境界位置にひずみが生じることも考えられる。他方,スリーブ30の厚み(T)が,ロールセル10の厚み(T)の30%未満であると,ロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目に発生するひずみを効果的に緩和できないと考えられる。そこで,スリーブ30の厚み(T)を,ロールセル10の厚み(T)の30%〜100%の範囲とすることで,スプールロール100の端部付近に発生するひずみを緩やかに変化させることができるようになる。その結果,スプールロール100に生じるひずみに大きな変曲点が形成されず緩やかに変化するようになり,シート状部材に形成されるシワを解消できる。具体手的には,スリーブ30の厚み(T)は,例えば5mm〜30mm,又は10mm〜20mmとすることが好ましい。
また,図5に示した実施形態のように,スリーブ30をロールセル10の外側に固定する場合,スリーブ30とロールセル10との固定方法としては,焼き嵌めを採用することが好ましい。
カバー材40は,ロールセル10の外面の腐食や損傷を保護するとともに,この外面にシート状部材が巻き付きやすくするための部材である。例えば,カバー材40は,部材の巻き替えが容易な天然ゴムや合成ゴムなどの素材で形成することとしてもよいし,表面に粗面化処理を施すことで静止摩擦係数を高くしたものであってもよい。特に,カバー材40はゴム材であることが好ましい。図5に示されるように,カバー材40は,ロールセル10の外面を被覆するように配置される。このとき,カバー材40は,ロールセル10の外面に固定されたスリーブ30をも被覆するものであることが好ましい。本実施形態において,カバー材40は,ロールセル10の外面を被覆するセル被覆部分41と,スリーブ30の外面を被覆するスリーブ被覆部分42とに区分される。
ここで,図5の拡大部分に示されるように,カバー材40は,セル被覆部分41とスリーブ被覆部分42とで,その厚みが異なっている。すなわち,カバー材40のスリーブ被覆部分42の厚み(T)は,セル被覆部分41の厚み(T)よりも薄く形成されることが好ましい(T<T)。具体的には,スリーブ30の厚み(T)とカバー材40のスリーブ被覆部分42の厚み(T)との合計値は,セル被覆部分41の厚み(T)とほぼ等しいものであることが好ましい(T+T=T)。例えば,スリーブ30の厚み(T)とスリーブ被覆部分42の厚み(T)との合計値は,セル被覆部分41の厚み(T)に対して,80%〜120%又は90%〜110%であることが好ましく,95%〜105%であるであることが特に好ましい。このように,カバー材40のスリーブ被覆部分42の厚み(T)を調節することにより,ロールセル10の外面にスリーブ30を取り付けた場合であっても,スプールロール100の周面に凹凸が形成されることを防止できる。つまり,カバー材40のスリーブ被覆部分42をセル被覆部分41よりも肉薄とすることで,スリーブ30により生じる凹凸を補償して,スプールロール100の周面を平坦にすることができる。具体的には,カバー材40のセル被覆部分41の厚み(T)は,10mm〜30mm,又は15mm〜20mmであることが好ましい。カバー材40のスリーブ被覆部分42の厚み(T)は,セル被覆部分41の厚み(T)未満であって,3mm〜25mm,又は5mm〜20mmであることが好ましい。
上記した実施形態のスプールロール100は,既存のスプールロール100´(図2参照)を改造して製造することができる。具体的には,まず,既存のスプールロール100´のカバー材40´を,ロールセル10´から一度取り外す。その後,ロールセル10´の回転軸方向両端において,ロールセル10´の外面に,一対のスリーブ30を取り付けて固定する。その際,スリーブ30の一部が,径方向においてヘッダー20と重なる重畳部分31となり,スリーブ30の他部が,この重畳部分31から延出した延出部分32となるように取り付ける。また,取り外したカバー材40´については,スリーブ30と重なる部分の厚みを薄くしておく。例えば,カバー材40´の厚みは,ヤスリやカッターで削ることで薄くすることができる。そして,スリーブ30が取り付けられたロールセル10´の外面に,再びカバー材40´を取り付ける。このようにすれば,既存のスプールロール100´を有効活用して,極めて低コストで,本発明に係るスプールロール100を製造することができる。
[3−2.第2の実施形態]
続いて,図6を参照して,本発明の第2の実施形態に係るスプールロール100について説明する。図6は,第2の実施形態に係るスプールロール100の断面図を示している。図6に示されるように,スプールロール100は,中空円筒状のロールセル10と,二個一対のヘッダー20と,二個一対のスリーブ30と,カバー材40とを含んで構成されている。このように,図6に示した第2の実施形態の基本構成は,図5に示した第1の実施形態と変わらない。そこで,以下では,第2の実施形態について,第1の実施形態と異なる点を中心に説明を行う。
図6に示されるように,第2の実施形態は,一対のスリーブ30をロールセル10の内面に取り付ける点において,第1の実施形態と異なっている。すなわち,各スリーブ30の重畳部分31は,ロールセル10とヘッダー20の間に挟みこむようにして固定されている。具体的には,スリーブ30の重畳部分31の内面全体は,ヘッダー20の外面に当接している。また,スリーブ30の重畳部分31の外面全体は,ロールセル10の内面に当接している。このようにして,各スリーブ30は,ロールセル10とヘッダー20の間に嵌め込まれた構成となっている。他方,スリーブ30の延出部分32は,その外面全体が,ロールセル10の内面に当接している。なお,スリーブ30の延出部分32は,ヘッダー20には重なっていない。
また,スリーブ30は,ロールセル10とヘッダー20の両方に対して固定されている。スリーブ30をロールセル10とヘッダー20に固定する方法は,冷やし嵌めであることが好ましい。スリーブ30を焼き嵌めによってロールセル10とヘッダー20の間に固定することもできるが,その場合には,各部材の熱膨張性の差異により,各部材が上手く密着しないおそれがある。このため,スリーブ30をロールセル10とヘッダー20に対して密着させるために,これらの部材の結合方法として冷やし嵌めを採用することが好ましい。
このように,ロールセル10とヘッダー20の間にスリーブ30の固定することによっても,ロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目付近を補強してひずみを緩和することができる。特に,ロールセル10とヘッダー20の間にスリーブ30の固定することで,ロールセル10とヘッダー20の間に微小なすべりが発生することを防止できるため,ロールセル10とヘッダー20の摩耗を抑制することができる。その結果,ロールセル10,ヘッダー20,及びスリーブ30の嵌合状態が緩くなることを回避できるため,ロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目部分にシート状物による荷重がかかっても,大きなひずみが発生することを防止できる。特に,上述したように,スリーブ30を冷やし嵌めによってロールセル10とヘッダー20の間に固定することにより,これらの効果は顕著なものとなる。つまり,冷やし嵌めを利用することで,例えばヘッダー20がダクタイル鋳鉄(FCD)であっても,スリーブ30との結合の際に,球状黒鉛が漏出して潤滑油として作用することがなくなる。このため,ヘッダー20とスリーブ30との密着性を維持し続けることができる。
なお,第2の実施形態のように,スリーブ30をロールセル10の内面側に固定することで,ロールセル10の外面に凹凸が生じることがなくなる。このため,カバー材40について,肉薄部分を形成する必要がなくなる。
上記した第2の実施形態のスプールロール100は,既存のスプールロール100´(図2参照)を改造して製造することができる。具体的には,まず,ロールセル10´とヘッダー20´とを一度分離させる。このとき,ロールセル10´よりも少し大径の新しいロールセルを用意するか,既存のヘッダー20´よりも少し小径の新しいヘッダーを用意する。その後,ロールセル10´にヘッダー20´をもう一度取り付ける際に,ロールセル10´とヘッダー20´との間に,スリーブ30を嵌めこんで固定する。このようにすれば,既存のスプールロール100´の大部分を有効利用できることから,比較的低コストで,本発明に係るスプールロール100を製造することができる。
[3−3.第3の実施形態]
続いて,図7を参照して,本発明の第3の実施形態に係るスプールロール100について説明する。図7は,第3の実施形態に係るスプールロール100の断面図を示している。図7に示されるように,スプールロール100は,中空円筒状のロールセル10と,二個一対のヘッダー20と,二個一対の第1スリーブ30aと,二個一対の第2スリーブ30bと,カバー材40とを含んで構成されている。このように,図7に示した第3の実施形態は,スリーブ30a,30bが二対で合計4個備わっている点において,第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる。
図7に示されるように,第3の実施形態に係るスプールロール100は,ロールセル10の外側に一対の第1スリーブ30aが取り付けられ,ロールセル10の内側に一対の第2スリーブ30bが取り付けられている。ここで,第3の実施形態における第1スリーブ30aは,上述した第1の実施形態におけるスリーブ30に相当する。また,第3の実施形態における第2スリーブ30bは,上述した第2の実施形態におけるスリーブ30に相当している。このように,第3の実施形態は,第1の実施形態の特徴と第2の実施形態の特徴を組み合わせたものである。
図7に示されるように,スプールロール100は,回転軸から近い順に,ヘッダー20,第2スリーブ30b,ロールセル10,第1スリーブ30a,カバー材40の順に積層されている。また,第1スリーブ30aと第2スリーブ30bは,それぞれ,重畳部分31a,31bと延出部分32a,32bを有するものとなっている。このように,本発明のスプールロール100は,ロールセル10の回転軸方向の両端に,それぞれ,第1スリーブ30aと第2スリーブ30bとを取り付けたものであってもよい。このように,ロールセル10の回転軸方向の両端に,それぞれ二対ずつスリーブ30a,30bを取り付けることで,ロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目の補強効果をさらに高めることができる。
[3−4.第4の実施形態]
続いて,図8を参照して,本発明の第4の実施形態に係るスプールロール100について説明する。図8は,第4の実施形態に係るスプールロール100の断面図を示している。図8に示されるように,第4の実施形態に係るスプールロール100は,中空円筒状のロールセル10と,二個一対のヘッダー20と,カバー材40とを含んで構成されている。ただし,第4の実施形態では,上述した第1〜3の実施形態とは異なり,「補強手段」として機能するスリーブ30が設けられていない。第4の実施形態では,スリーブ30を設けることに代えて,「補強手段」として,ロールセル10の肉厚を部分的に厚くすることとしている。
図8に示されるように,スプールロール100は,重畳領域1と延出領域2を観念することができる。重畳領域1は,径方向においてヘッダー20と重なる領域である。また,延出領域2は,重畳領域1から回転軸方向の内側に向かって一定量だけ延出した領域である。延出領域2が延出する一定量は,適宜調整可能であるが,例えば50〜500mm,又は100mm〜1000mm程度とすればよい。ここで,第4の実施形態に係るスプールロール100では,上記した重畳領域1と延出領域2において,ロールセル10の肉厚が,他の領域(重畳領域1と延出領域2以外のロールセル10の領域)の肉厚と比較して,厚く形成されている。
図8において,ロールセル10の重畳領域1と延出領域2の肉厚は,符号Tで示されている。また,ロールセル10の他の領域の肉厚は,符号Tで示されている。例えば,肉厚Tは,肉厚Tに対して,110%〜500%,150%〜400%,又は180%〜300%であることが好ましい。このように,重畳領域1と延出領域2において,ロールセル10の肉厚を厚くして曲げ剛性を高めることで,スリーブ30を設けたときと同様に,ロールセル10のひずみが生じやすい箇所を効果的に補強することができる。これにより,ロールセル10とヘッダー20の繋ぎ目付近において,ロールセル10に生じるひずみを緩和させることができ,結果として,ロールセル10によって巻き取られるシート状物に局所的なシワが発生することを防止できる。
その他,ロールセル10の厚肉部分に関しては,第1〜3の実施形態のスリーブ30に関する説明を適宜適用することができる。
なお,第4の実施形態では,上述したように,重畳領域1と延出領域2において,ロールセル10の肉厚を部分的に厚くすることで,ロールセル10の剛性(曲げ剛性)を高めることとしている。ただし,図示は省略するが,ロールセル10の肉厚を部分的に厚くすることに代えて,例えば,ロールセル10を部分的に剛性の高い素材によって形成することも可能である。つまり,ロールセル10は,重畳領域1と延出領域2の剛性が,他の領域の剛性と比較して高く形成されていてもよい。例えば,ロールセル10は,重畳領域1と延出領域2の剛性が,他の領域の剛性に対して,110%〜500%,150%〜400%,又は180%〜300%であることが好ましい。ロールセル10の剛性(曲げ剛性)は,公知の手段によって測定することができる。この場合,ロールセル10は,重畳領域1,延出領域2,及び他の領域が,実質的に同じ肉厚であってもよい。このようにして,ロールセル10を構成する素材によって剛性を高めた部分が,上記した「補強手段」に相当することとなる。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
本発明は,シート状物を巻き取るためのスプールロールとその改造方法に関する。従って,本発明は,製紙産業などにおいて好適に利用することができる。
1…重畳領域 2…延出領域 10…ロールセル
11…嵌合部分 12…中空部分 20…ヘッダー
21…本体部分 22…ジャーナル 30…スリーブ
30a…第1スリーブ 30b…第2スリーブ 31…重畳部分
32…延出部分 40…カバー材 41…セル被覆部分
42…スリーブ被覆部分 100…スプールロール 200…ドライヤパート
210…シリンダドライヤ 220…ドライヤフード 300…カレンダパート
310…プレスローラ 320…搬送ローラ 400…リールパート
410…リールドラム

Claims (4)

  1. 周面にシート状物が巻き付けられる中空円筒状のロールセル(10)と,
    前記ロールセル(10)の回転軸方向の両端に嵌め込まれた一対のヘッダー(20)と,を備え
    前記ロールセル(10)を補強して回転時のひずみを緩和させる補強手段を有する
    シート状物を巻き取るためのスプールロールであって,
    前記ロールセル(10)の回転軸方向の両端側に配置される少なくとも一対の中空円筒状のスリーブ(30)を,前記補強手段として備え,
    前記少なくとも一対の中空円筒状のスリーブ(30)は,
    径方向において前記ヘッダー(20)と重なる重畳部分(31)と,
    前記ロールセル(10)の回転軸方向の内側に向かって前記重畳部分(31)から延出する延出部分(32)と,を有し,
    前記ロールセル(10)の外面側に配置され,前記ロールセル(10)の外面に対して固定されたものが含まれており,
    前記ロールセル(10)の少なくとも一部を被覆するカバー材(40)を,さらに備え,
    前記カバー材(40)は,
    前記ロールセル(10)の外面に接するセル被覆部分(41)と,
    前記スリーブ(30)の外面に接するスリーブ被覆部分(42)と,を有する
    スプールロール。
  2. 前記少なくとも一対の中空円筒状のスリーブ(30)には,一対の第1スリーブ(30a)と,一対の第2スリーブ(30b)とが含まれ,
    前記第1スリーブ(30a)は,それぞれ,
    前記ロールセル(10)の外面側に配置され,
    前記ロールセル(10)の外面に対して固定されており,
    前記第2スリーブ(30b)は,それぞれ,
    前記ロールセル(10)の内面側に配置され,
    径方向において前記ヘッダー(20)と重なる重畳部分(31b)が,前記ロールセル(10)と前記ヘッダー(20)の間に固定されている
    請求項に記載のスプールロール。
  3. 前記カバー材(40)のスリーブ被覆部分(42)は,前記セル被覆部分(41)と比較して肉薄に形成されている
    請求項に記載のスプールロール。
  4. 周面にシート状物が巻き付けられる中空円筒状のロールセル(10)と,
    前記ロールセル(10)の回転軸方向の両端に嵌め込まれた一対のヘッダー(20)と,を備える
    シート状物を巻き取るためのスプールロールの改造方法であって,
    一対の中空円筒状のスリーブ(30)のそれぞれに,径方向において前記ヘッダー(20)と重なる重畳部分(31)と,前記ロールセル(10)の回転軸方向の内側に向かって前記重畳部分(31)から延出する延出部分(32)とが形成されるように,前記スリーブ(30)のそれぞれを,前記ロールセル(10)の回転軸方向の両端側であって,前記ロールセル(10)の外面に取り付ける工程と,
    前記ロールセル(10)の少なくとも一部を被覆するカバー材(40)に,前記ロールセル(10)の外面に接するセル被覆部分(41)と,前記スリーブ(30)の外面に接するスリーブ被覆部分(42)とが形成されるように,前記カバー材(40)を取り付ける工程と,を含む
    スプールロールの改造方法。
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