JP6279507B2 - モータ駆動装置及び3相ブラシレスモータの相電流検出方法 - Google Patents

モータ駆動装置及び3相ブラシレスモータの相電流検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、モータ駆動装置及び3相ブラシレスモータの相電流検出方法に関し、詳しくは、インバータの直流母線電流を検出する電流検出器の電流検出値から、3相ブラシレスモータの相電流をそれぞれに検出する技術に関する。
特許文献1には、直流電流を3相交流電流に変換する変換器用の電流検出方法として、位相が異なる2つの電流値を直流電流検出器によってそれぞれ検出し、検出した2つの電流値を用いて残りの位相の電流値を算出する方法が開示されている。
特開平6−153526号公報
インバータの直流母線電流を検出する電流検出器を備えたモータ駆動装置において、PWMキャリア1周期内に2つの電流検出区間を設定し、これらの2つの区間で検出された2つの電流値を3相のうちの2相の電流値として割り当て、残る1相の電流値を3相電流の合計が零になることに基づいて算出する構成とすれば、直流母線電流の検出値から3相それぞれの相電流を検出することができる。
上記の検出方法を実施する場合に、PWMキャリア1周期(換言すれば、PWM制御周期)毎に3相の電流をそれぞれ検出するためには、PWMキャリア1周期毎に2回のA/D変換を行って電流検出器の出力をマイクロコンピュータが読み込む必要が生じる。
つまり、PWMキャリア1周期内に2つの電流検出区間を設定し、マイクロコンピュータは、2つの電流検出区間それぞれで電流検出器の出力信号をA/D変換して読み込み、各電流検出区間で読み込んだ2つの電流検出値を2相に割り当て、残る1相の相電流は2つの電流検出値から推定することで、PWMキャリア1周期毎に3相の電流をそれぞれに検出する。
しかし、低機能(低価格)のマイクロコンピュータでは、PWMキャリア1周期に実施できるA/D変換の回数が1回に限られる場合があり、係るマイクロコンピュータで構成される駆動装置では、上記の相電流検出方法を適用できないという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、インバータの直流母線電流を検出する電流検出器を用い、PWMキャリア1周期に1回のA/D変換で各相電流をそれぞれに検出できる、モータ駆動装置及び3相ブラシレスモータの相電流検出方法を提供することを目的とする。
そのため、本願発明に係るモータ駆動装置は、3相ブラシレスモータに交流電力を供給するインバータと、前記インバータの直流母線電流を検出する電流検出器と、前記電流検出器の出力を入力し前記インバータをPWM制御する制御部と、を含み、前記3相ブラシレスモータを正弦波駆動するモータ駆動装置であって、前記制御部は、PWM制御の1周期に1回の検出タイミングにおいて相電流の絶対値が最大となる1相の相電流を前記電流検出器の出力から求め、前記検出タイミング毎に検出した相電流のピーク値、モータ角度、及び、モータ角度に対する実相電流波形の位相ずれに基づき残る2相の相電流を推定するよう構成され、前記位相ずれをd軸電圧、q軸電圧、及びモータ回転速度に応じて可変に設定するようにした。
また、本願発明に係るモータ駆動装置の別の態様では、前記3相ブラシレスモータのd−q軸上の電圧モデルにおいて抵抗項と干渉項とが生成する角度及びモータ電圧ベクトルから誘起電圧項を引いたベクトルとq軸ベクトルとが生成する角度に基づき前記位相ずれを求めるようにした。
また、本願発明に係るモータ駆動装置の別の態様では、1相の相電流が前記電流検出器による検出値と推定値との間で切り替えられるときの電流偏差が小さくなるように前記位相ずれを補正するようにした。
また、本願発明に係るモータ駆動装置の別の態様では、1相の相電流が前記電流検出器による検出値と推定値との間で切り替えられるときの前記電流検出器による検出値、及び、前記ピーク値に基づいて前記位相ずれを求めるようにした。
また、本願発明に係る3相ブラシレスモータの相電流検出方法は、インバータのPWM制御によって正弦波駆動される3相ブラシレスモータの各相の相電流を、前記インバータの直流母線電流を検出する電流検出器の出力に基づき検出する方法であって、相電流の絶対値が最大となる1相の相電流を検出する検出タイミングをPWM制御の1周期に1回設定するステップと、前記検出タイミングにおいて前記電流検出器の出力から相電流検出値を求めるステップと、前記相電流検出値のピーク値を求めるステップと、モータ角度を検出するステップと、前記モータ角度に対する実相電流波形の位相ずれを設定するステップと、前記ピーク値、前記モータ角度、及び前記位相ずれに基づき相電流推定値を算出するステップと、前記電流検出値を1相の相電流値として割り当て、前記電流推定値を残る2相に割り当てるステップと、を含み、前記位相ずれを設定するステップは、前記3相ブラシレスモータのd−q軸上の電圧モデルにおいて抵抗項と干渉項とが生成する角度及びモータ電圧ベクトルから誘起電圧項を引いたベクトルとq軸ベクトルとが生成する角度に基づき前記位相ずれを求めるようにした。
上記発明によると、PWM制御の1周期に1回の検出タイミングで電流検出値を取得することで、3相の相電流をそれぞれに検出することができる。このため、本願発明に係るモータ駆動装置及び3相ブラシレスモータの相電流検出方法は、PWMキャリア1周期に実施できるA/D変換の回数が1回に限られるマイクロコンピュータに適用できる。
本発明の実施形態における車両用自動変速機の油圧機構のブロック図である。 本発明の実施形態における駆動回路及び3相ブラシレスモータの回路図である。 本発明の実施形態における3相ブラシレスモータのPWM制御の機能ブロック図である。 本発明の実施形態におけるモータ角度の演算処理を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態におけるインバータのスイッチング素子の制御タイミングと電流の検出出力のA/D変換タイミングとを示すタイムチャートである。 本発明の実施形態における各相の実相電流のモータ角度に対する位相ずれを例示するタイムチャートである。 本発明の実施形態におけるピーク電流の検出処理を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施形態における各相の制御デューティと電流検出モードとの相関を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態における電流検出モード毎に各相に対する相電流の割り当てを示す図である。 本発明の実施形態における電流ベクトル角度補正値を説明するためのベクトル図である。 本発明の実施形態における電流偏差に基づく位相補正を説明するための図である。 本発明の実施形態における電流ピーク位置に基づく位相補正を説明するための図である。 本発明の実施形態における抵抗Ra及び誘起電圧定数Keの推定処理を説明するためのベクトル図である。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
以下では、本発明に係るモータ駆動装置及び3相ブラシレスモータの相電流検出方法の一例として、車両用自動変速機の油圧機構を構成する3相ブラシレスモータの駆動に適用した例を説明する。
図1に示す油圧機構は、変速機構7やアクチュエータ8にオイルを供給するオイルポンプとして、車両の動力源である内燃機関12の出力により駆動されるメインオイルポンプ6と、電動式のサブオイルポンプ1とを備える。
そして、サブオイルポンプ1は、例えば、内燃機関12がアイドルストップ制御などにより一時停止してメインオイルポンプ6が停止したときにメインオイルポンプ6に代わってオイルの供給を行ったり、メインオイルポンプ6の駆動中に補助的にオイル供給を行ったりするように駆動される。
サブオイルポンプ1は、3相ブラシレスモータ(埋込磁石3相同期モータIPMSM)2により駆動され、3相ブラシレスモータ2は、モータ駆動装置(MCU)3によって制御される。
モータ駆動装置3は、AT制御装置(ATCU)4からの指令に基づいて3相ブラシレスモータ2を駆動制御する。
3相ブラシレスモータ2で駆動されるサブオイルポンプ1は、オイルパン10のオイルを吸引して、オイル配管5を介して変速機構7やアクチュエータ8に供給する。内燃機関12で駆動されるメインオイルポンプ6は、オイルパン10のオイルを吸引して、オイル配管9を介して変速機構7やアクチュエータ8に供給する。
変速機構7やアクチュエータ8に供給されたオイルはオイルパン10に戻されて再度サブオイルポンプ1及び/又はメインオイルポンプ6によって吸引され、オイルの閉回路を循環する。
サブオイルポンプ1の下流側のオイル配管5には、逆止弁11が配設されている。
なお、上記の油圧機構は、3相ブラシレスモータを用いる車両システムの一例であり、3相ブラシレスモータをアクチュエータとして用いる種々の車両用システムに、本願発明に係るモータ駆動装置及び3相ブラシレスモータの相電流検出方法を適用できる。
例えば、ハイブリッド車両などにおいて内燃機関12の冷却水の循環に用いる電動式のウォータポンプを駆動する3相ブラシレスモータに、本願発明に係るモータ駆動装置及び3相ブラシレスモータの相電流検出方法を適用することができる。
図2は、3相ブラシレスモータ2及びモータ駆動装置3の一例を示す回路図である。
3相ブラシレスモータ2を駆動するモータ駆動装置3は、駆動回路(インバータ回路)212と制御ユニット213とを備える。
制御ユニット213は、A/D変換器213aと、マイクロプロセッサ(CPU,MPUなど)やROM、RAMなどを含んで構成されるマイクロコンピュータ213bとを備え、AT制御装置4との間で通信を行う。
3相ブラシレスモータ2は、3相DCブラシレスモータであり、スター結線されるU相、V相及びW相の3相巻線215u、215v、215wを、図示省略した円筒状の固定子に備え、該固定子の中央部に形成した空間に永久磁石回転子(ロータ)216を回転可能に備える。
なお、3相ブラシレスモータ2は回転子の位置情報を検出するセンサを備えず、制御ユニット213は、ブラシレスモータ2の駆動制御を回転子の位置情報を検出するセンサを用いないセンサレス駆動方式によって行う。
駆動回路212は、逆並列のダイオード218a〜218fを含んでなるスイッチング素子217a〜217fを3相ブリッジ接続したインバータ212aと、直流の電源回路219とを有し、インバータ212aは3相ブラシレスモータ2に交流電力を供給する。
インバータ212aのスイッチング素子217a〜217fは例えばFETで構成され、スイッチング素子217a〜217fの各制御端子(ゲート端子)は、制御ユニット213に接続される。
制御ユニット(制御部)213は、インバータ212aをパルス幅変調(PWM;Pulse Width Modulation)制御する。詳細には、制御ユニット213は、スイッチング素子217a〜217fのオン、オフを三角波比較方式のPWMによって制御して3相ブラシレスモータ2に印加する電圧を制御する。
三角波比較方式のPWM制御においては、三角波(キャリア)と、指令デューティ比(指令電圧)に応じて設定されるPWMタイマとを比較することで、各スイッチング素子217a〜217fをオン、オフさせるタイミングを検出する。
また、インバータ212aの直流母線電流を検出する電流検出器220を、各相の下アーム(スイッチング素子217b,217d,217f)と電源回路219との間に設けてある。
電流検出器220は、各相の下アームと電源回路219との間に直列に接続したシャント抵抗220aと、検出回路220bとから構成される。検出回路220bは、シャント抵抗220aの抵抗分で発生する電流に比例した電圧を検出し、係る電圧のアナログ信号を出力する。
検出回路220bの電圧アナログ信号(直流母線電流の検出信号)は、A/D変換器213aでA/D変換されてマイクロコンピュータ213bに読み込まれる。
制御ユニット213は、各相に正弦波電圧を加える正弦波駆動方式によってブラシレスモータ2を駆動する。
正弦波駆動方式では、制御ユニット213は、回転子が回転することによって発生する誘起電圧(速度起電圧)から回転子の位置情報を得る一方、速度起電圧による回転子位置の検出周期の間で、モータ回転速度に基づき回転子位置を推定する。そして、制御ユニット213は、推定した回転子位置とサブオイルポンプ1の目標回転速度などに応じた指令トルクとに基づくベクトル制御方式によって3相電圧Vu、Vv、Vwを決定し、相間電圧の差で電流の向きと強さとを制御して3相交流電流を各相に流す。
なお、3相ブラシレスモータ2が磁極位置センサを備え、制御ユニット213は、係る磁極位置センサの出力に基づきロータの角度(磁極位置)を検出して3相ブラシレスモータ2を駆動制御することができる。
図3は、制御ユニット213におけるベクトル制御方式による3相電圧Vu、Vv、Vwの設定処理を説明するための機能ブロック図である。
図3において、3相電流検出部501は、検出回路220bの出力のA/D変換値(インバータ212aの直流母線電流)に基づき3相それぞれの相電流を検出する。
角度・角速度演算部502は、モータ角度(磁極位置)及び角速度(モータ回転数)を推定する。
角度・角速度演算部502は、図4に示すように、軸誤差推定部651及び位置・速度推定部652を含む。
軸誤差推定部651は、d軸電流検出値Idc、q軸電流検出値Iqc、d軸入力電圧Vd、q軸入力電圧Vq、及び、モータ回転数ωを入力する。
そして、軸誤差推定部651は、軸誤差Δθcを数1に従って算出する。

数1において、Rdはd軸抵抗、Rqはq軸抵抗、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンスである。
位置・速度推定部652は、軸誤差Δθc(位置推定誤差)に基づきモータ角度(磁極位置)θを演算する。
位置・速度推定部652では、軸誤差Δθcと基準値との差分に比例ゲインを乗算して得た値と、軸誤差Δθcと基準値との差分に積分ゲインを乗算した値の積分値とを合算し、当該合算値を積分してモータ角度(磁極位置)θを求める。
なお、軸誤差Δθcが所定値よりも大きい状態が所定時間以上継続するか、及び/又は、軸誤差Δθcの単位時間当たりの変化量が所定値よりも大きい状態が所定回数以上連続したときに、制御ユニット213は、3相ブラシレスモータ2が脱調したことを判定することができる。
また、3相ブラシレスモータ2が磁極位置センサを備える場合、角度・角速度演算部502は、磁極位置センサの出力に基づいてモータ角度(磁極位置)及び角速度(モータ回転数)を検出する。
図3に示す3相−2軸変換器503では、3相電流検出部501による3相電流の検出値を、そのときのモータ角度(磁極位置)θに基づいて2軸の回転座標系(d−q座標系)の電流Id,Iqに変換する。
ベクトル制御部504には、指令トルクに応じた目標電流(d軸指令電流、q軸指令電流)と、角度・角速度演算部502で算出された角速度と、3相−2軸変換器503で求めた電流Id,Iqとが入力される。
そして、ベクトル制御部504は、目標電流及び角速度に基づいてd−q座標系におけるd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを算出し、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefと、3相−2軸変換器503で求めた実電流Id,Iqとの比較に基づき指令電圧Vq,Vdを決定する。
2軸−3相変換器505では、指令電圧Vq,Vdを3相電圧Vu、Vv、Vwに変換して出力し、PWM変調部506では、変調波としての3相電圧Vu、Vv、Vwを三角波キャリアと比較することで、インバータ212aのスイッチング素子を駆動するためのスイッチングゲート波形を生成する。
数2は、ベクトル制御部504における指令電圧Vq,Vdの演算式を一例である。

数2において、Vdはd軸入力電圧、Vqはq軸入力電圧、kpdはd軸電流フィードバック比例ゲイン、kpqはq軸電流フィードバック比例ゲイン、kidはd軸電流フィードバック積分ゲイン、kiqはq軸電流フィードバック積分ゲイン、Idcはd軸電流検出値、Iqcはq軸電流検出値、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、ωはモータ回転数(rad/sec)、Keは誘起電圧定数、1/sは積分を示す。
以下では、制御ユニット213の3相電流検出部501が、インバータ212aの直流母線電流を検出する電流検出器220の出力に基づき3相電流をそれぞれに検出する処理を詳細に説明する。
図3に示したように、3相電流検出部501は、ピーク値抽出部601、3相電流推定値生成部602、及び、相電流割当部603を含んで構成される。
電流検出器220の検出回路220bの出力(電圧アナログ信号)は、後述するように、PWM制御の1周期に1回の検出タイミングにおいてA/D変換され、ピーク値抽出部601及び相電流割当部603に読み込まれる。
ピーク値抽出部601は、時系列に複数検出された電流検出値に基づき相電流のピーク値を抽出して、3相電流推定値生成部602に出力する。
3相電流推定値生成部602は、相電流のピーク値を入力するとともに電流ベクトル角度θ[deg](モータ角度[deg(電気角)])を入力し、下式に従って3相の電流推定値を算出する。
U相電流推定値=−sin(電流ベクトル角度)*相電流ピーク値
V相電流推定値=−sin(電流ベクトル角度−120[deg])*相電流ピーク値
W相電流推定値=−sin(電流ベクトル角度−240[deg])*相電流ピーク値
3相ブラシレスモータ2の各相電流はベクトル制御によって電気角120degの位相差を有する正弦波に制御されるが、モータ角度に対して位相ずれを生じるので、3相電流推定値生成部602には、この位相ずれ分だけ補正された電流ベクトル角度(モータ角度)θが入力され、これにより位相ずれを見込んだ相電流の推定演算が行われるように構成される。
電流ベクトル角度補正値演算部604は、位相ずれ分の電流ベクトル角度補正値Δθを演算して出力する。電流ベクトル角度補正値Δθは、実モータ角度[deg(電気角)]θacに加算され、加算結果が最終的な電流ベクトル角度(モータ角度)θとして3相電流推定値生成部602に入力され、3相電流推定値生成部602では、電流ベクトル角度補正値Δθにより補正された電流ベクトル角度(モータ角度)θに基づいて各相の相電流推定値を演算する。
電流ベクトル角度補正値演算部604は、抵抗、モータ回転数、d軸電圧、q軸電圧に基づいて補正値Δθを演算する。つまり、電流ベクトル角度(相電流推定値の演算に用いるモータ角度)は、抵抗、モータ回転数、d軸電圧、q軸電圧に応じて補正される。
相電流割当部603には、3相電流推定値生成部602が求めた3相の相電流推定値が入力され、更に、PWM制御の1周期に1回の検出タイミングにおいてA/D変換された、電流検出器220の検出回路220bの出力が入力される。
そして、相電流割当部603は、電流検出モード設定部605の電流検出モード指令に基づいて、3相ブラシレスモータ2の3相のうちの1相に電流検出器220の電流検出値を相電流として割り当て、残る2相には、3相電流推定値生成部602が求めた相電流推定値を割り当てる。上記の電流検出モード指令は、3相のうちで電流検出器220の電流検出値を相電流として割り当てる相を指令する信号である。
つまり、3相電流検出部501においては、3相のうちの1相の相電流は電流検出器220で検出され、他の2相の相電流は電流検出器220で検出された相電流から推定され、電流検出器220で直接的に相電流が検出される1相は、電流検出モード指令に従って順次切り替えられる。
相電流割当部603によって特定された3相それぞれの相電流値は3相−2軸変換器503に出力され、3相−2軸変換器503は、入力した3つ相電流値を2軸の回転座標系(d−q座標系)の電流Id,Iqに変換し、ベクトル制御部504は、電流Id,Iqを用いてベクトル制御を実施する。
電流検出器220の検出回路220bの出力(電圧アナログ信号)のA/D変換は、PWM制御の1周期(キャリア1周期)に1回の検出タイミングにおいて実施されるよう構成されており、図5は、係る検出タイミング(A/D変換タイミング)を説明するための図である。
なお、本願では、中性点に流れ込む方向の相電流をプラスで表し、中性点から流れ出す方向の相電流をマイナスで表すものとする。
制御ユニット213によるPWM制御においては、各相の相電流は電気角で120degの位相差を有する正弦波となるように3相指令電圧Vu、Vv、Vwがベクトル制御によって設定され、3相指令電圧Vu、Vv、Vwが三角波キャリアを上回る期間を各相の上アームのオン期間とするスイッチングゲート波形が生成される。なお、各相の下アームは、上アームの逆相で駆動される。
図5の電気角0degから60degの区間は、3相のうちのV相の相電流が最大となる区間であり、更に、この電気角0degから60degの区間のうちのV相の上アームがオンでU相及びW相の上アームがオフである区間、つまり、電源からV相に流れ込んだ電流が中性点を経てU相及びW相に分流して流れる区間では、電流検出器220はV相の相電流を検出することになる。
なお、V相の上アームがオンでU相及びW相の上アームがオフである区間は、三角波の谷を挟んで両側に発生し、PWM制御の1周期(キャリア1周期)内の2つの独立した区間で電流検出器220はV相の相電流を検出することが可能である。
そこで、制御ユニット213は、電気角0degから60degの区間(換言すれば、V相の相電流が最大となる区間)では、PWM制御の1周期(キャリア1周期)において上アームがオンでU相及びW相の上アームがオフである2つの区間のうちの最初の区間(又は2番目の区間)内に相電流の検出タイミングを設定し、PWM制御の1周期に1回だけ電流検出器220の出力をA/D変換して読み込む。
そして、上記の検出タイミングでは、電流検出器220はV相の相電流を検出することになるので、電流検出器220の出力から求めた相電流をV相の相電流として割り当て、他のU相及びW相については、相電流検出値のピーク値に基づき演算した相電流推定値を割り当てる。つまり、電気角0degから60degの区間は、電流検出器220の電流検出値をV相に割り当てる電流検出モードの区間である。
また、図5において、電気角60degから電気角120degの区間は、3相のうちのU相の相電流が最小となる区間であり、更に、この電気角60degから120degの区間のうちのV相及びW相の上アームがオンでU相の上アームがオフである区間、つまり、電源からV相及びW相に流れ込んだ電流が中性点で合流してU相に流れ込む区間では、電流検出器220はU相の相電流を検出することになる。
そこで、制御ユニット213は、電気角60degから120degの区間(換言すれば、U相の相電流が最小となる区間)では、PWM制御の1周期(キャリア1周期)においてV相及びW相の上アームがオンでU相の上アームがオフである2つの区間のうちの最初の区間(又は2番目の区間)内に相電流の検出タイミングを設定し、PWM制御の1周期に1回だけ電流検出器220の出力をA/D変換して読み込む。
そして、上記の検出タイミングでは、電流検出器220はU相の相電流を検出することになるので、電流検出器220の出力から求めた相電流をU相の相電流として割り当て、他のV相及びW相については、相電流検出値のピーク値に基づき演算した相電流推定値を割り当てる。つまり、電気角60degから120degの区間は、電流検出器220の電流検出値をU相に割り当てる電流検出モードの区間である。
更に、図5の電気角120degから180degの区間は、3相のうちのW相の相電流が最大となる区間であり、更に、この電気角120degから180degの区間のうちのW相の上アームがオンでU相及びV相の上アームがオフである区間、つまり、電源からW相に流れ込んだ電流が中性点を経てV相及びU相に分流して流れる区間では、電流検出器220はW相の相電流を検出することになる。
そこで、制御ユニット213は、PWM制御の1周期(キャリア1周期)においてW相の上アームがオンでU相及びV相の上アームがオフである2つの区間のうちの最初の区間(又は2番目の区間)内に相電流の検出タイミングを設定し、PWM制御の1周期に1回だけ電流検出器220の出力をA/D変換してW相の相電流値として読み込み、他のV相及びU相については、相電流検出値のピーク値に基づき演算した相電流推定値を割り当てる。つまり、電気角120degから180degの区間は、電流検出器220の電流検出値をW相に割り当てる電流検出モードの区間である。
図5において図示を省略した電気角180deg以降の区間においても、上記と同様にして、相電流の割り当てが行われる。
電気角180degから240degの区間は、3相のうちのV相の相電流が最小となる区間であり、制御ユニット213は、PWM制御の1周期(キャリア1周期)においてU相及びW相の上アームがオンでV相の上アームがオフであって電源からU相及びW相に流れ込んだ電流が中性点で合流してV相に流れ込む2つの区間のうちの最初の区間(又は2番目の区間)内に相電流の検出タイミングを設定する。そして、制御ユニット213は、PWM制御の1周期に1回だけ電流検出器220の出力をA/D変換してV相の相電流値として読み込み、他のU相及びW相については、相電流検出値のピーク値に基づき演算した相電流推定値を割り当てる。
また、電気角240degから300degの区間は、3相のうちのU相の相電流が最大となる区間であり、制御ユニット213は、PWM制御の1周期(キャリア1周期)においてU相の上アームがオンでV相及びW相の上アームがオフであって電源からU相に流れ込んだ電流が中性点を経てV相及びW相に分流して流れる2つの区間のうちの最初の区間(又は2番目の区間)内に相電流の検出タイミングを設定する。そして、制御ユニット213は、PWM制御の1周期に1回だけ電流検出器220の出力をA/D変換してU相の相電流値として読み込み、他のV相及びW相については、相電流検出値のピーク値に基づき演算した相電流推定値を割り当てる。
また、電気角300degから360degの区間は、3相のうちのW相の相電流が最小となる区間であり、制御ユニット213は、PWM制御の1周期(キャリア1周期)においてV相及びU相の上アームがオンでW相の上アームがオフであって電源からV相及びU相に流れ込んだ電流が中性点で合流してW相に流れ込む2つの区間のうちの最初の区間(又は2番目の区間)内に相電流の検出タイミングを設定する。そして、PWM制御の1周期に1回だけ電流検出器220の出力をA/D変換してW相の相電流値として読み込み、他のV相及びU相については、相電流検出値のピーク値に基づき演算した相電流推定値を割り当てる。
このように、電気角60deg毎に相電流の絶対値が最大となる1相が切り替わり、制御ユニット213は、そのときの電気角において相電流の絶対値が最大となる1相の相電流を電流検出器220の検出出力から検出できる検出タイミング(A/D変換トリガタイミング)を、PWM制御の1周期に1回だけ設定する。そして、A/D変換して読み込んだ相電流検出値を、相電流の絶対値が最大となる1相に割り当て、電流検出器220によって検出されない残る2相の相電流については、相電流検出値から推定する。
ここで、U相、V相、W相のうちの1相の相電流が最大となる3つの電気角60deg区間と、U相、V相、W相のうちの1相の相電流が最小となる3つの電気角60deg区間とに区別されるから、制御ユニット213は、電流検出モードをこれらの6パターンに設定し、後述するように電流検出モードに従って相電流検出値を割り当てる1相を特定する。
次に、1つの相についての相電流検出値から他の2相の相電流を推定する処理を詳述する。
図6の実線は、モータ角度に対して位相ずれがない理想的な相電流の正弦波波形であり、この理想的な相電流の正弦波波形は、以下の数式によって相電流のピーク値及びモータ角度[deg(電気角)]に基づき算出することができる。
U相電流推定値=−sin(実モータ角度)*相電流ピーク値
V相電流推定値=−sin(実モータ角度−120[deg])*相電流ピーク値
W相電流推定値=−sin(実モータ角度−240[deg])*相電流ピーク値
係る理想的な相電流の正弦波波形に対し実際の相電流の波形は、図6に点線で示すように位相のずれが生じ、位相ずれ分のモータ角度[deg(電気角)](電流ベクトル角度)をΔθとすると、実際の相電流値は以下の式に基づき算出できることになる。
U相電流推定値=−sin(実モータ角度+Δθ)*相電流ピーク値
V相電流推定値=−sin(実モータ角度+Δθ−120[deg])*相電流ピーク値
W相電流推定値=−sin(実モータ角度+Δθ−240[deg])*相電流ピーク値
ここで、相電流のピーク値は、電流検出器220で直接検出される相電流のピーク値として求めることができ、電流検出器220で直接検出される相電流は、前述のように電気角60deg毎に切り替わるので、制御ユニット213は、図7に示すように、電気角60degの区間で複数検出される1相の相電流についてピーク値(極大値、最大値)を求め、上記の相電流の推定演算に用いる。
また、制御ユニット213は、電流検出器220で直接検出される相電流を割り当てる相を電気角60deg毎に切り替えるための電流検出モードを、3相の制御デューティ(換言すれば、各相の指令電圧Vu、Vv、Vw)に基づき設定する。
つまり、図8に示す例では、V相及びU相の制御デューティ(上アーム制御デューティ)が共に50%を上回り、かつ、W相の制御デューティが50%を下回る電気角60degの区間(電気角300〜360deg区間)を第1電流検出モードとし、U相及びW相の制御デューティが共に50%を下回り、かつ、V相の制御デューティが50%を上回る電気角60degの区間(電気角0〜60deg区間)を第2電流検出モードとし、V相及びW相の制御デューティが共に50%を上回り、かつ、U相の制御デューティが50%を下回る電気角60degの区間(電気角60〜120deg区間)を第3電流検出モードとする。
また、V相及びU相の制御デューティが共に50%を下回り、かつ、W相の制御デューティが50%を上回る電気角60degの区間(電気角120〜180deg区間)を第4電流検出モードとし、U相及びW相の制御デューティが共に50%を上回り、かつ、V相の制御デューティが50%を下回る電気角60degの区間(電気角180〜240deg区間)を第5電流検出モードとし、V相及びW相の制御デューティが共に50%を下回り、かつ、U相の制御デューティが50%を上回る電気角60degの区間(電気角240〜300deg区間)を第6電流検出モードとする。
そして、制御ユニット213は、図9に示すようにして、電流検出モード毎に相電流検出値を割り当てる1相を特定し、残る2相については相電流推定値を割り当てる。
例えば、第2電流検出モードの区間では、3相のうちでV相の相電流が最も大きく、V相の上アームがオンでU相及びW相の上アームがオフである区間(V相電流検出区間)で電流検出器220の出力からV相の相電流を検出できる。
そこで、制御ユニット213は、第2電流検出モードでは、V相電流検出区間内にPWM制御1周期に1回だけとなるV相電流の検出タイミングを設定し、係る検出タイミングでA/D変換して読み込んだ相電流検出値を、V相の相電流値として割り当てる。
また、第3電流検出モードの区間では、3相のうちでU相の相電流が最も小さく、V相及びW相の上アームがオンでU相の上アームがオフである区間(U相電流検出区間)で電流検出器220の出力からU相の相電流を検出できる。
そこで、制御ユニット213は、第3電流検出モードでは、U相電流検出区間内にPWM制御1周期に1回だけとなるU相電流の検出タイミングを設定し、係る検出タイミングでA/D変換して読み込んだ相電流検出値を、U相の相電流値として割り当てる。
なお、第3電流検出モードの区間では、中性点からU相に流れ込む電流を検出することになるので、係る電流の向きをマイナスで表す場合、U相の相電流検出値は、電流検出器220の検出電流値に−1を乗算した値となる。
以下同様に、第4電流検出モードの区間では電流検出器220の検出電流値をW相の相電流値に割り当て、第5電流検出モードの区間では電流検出器220の検出電流値に−1を乗算した値をV相の相電流値に割り当て、第6電流検出モードの区間では電流検出器220の検出電流値をU相の相電流値に割り当て、第1電流検出モードの区間では電流検出器220の検出電流値に−1を乗算した値をW相の相電流値に割り当てる。
更に、制御ユニット213は、図7に示したように、各電流検出モードの区間毎に、電流検出器220の検出電流値のピーク値(極大値、最大値)を求める。
例えば、第2電流検出モードの区間では、電流検出器220の出力からV相の相電流がPWM1周期毎に検出されるので、この第2電流検出モードの区間でのV相の相電流検出値の時系列データからピーク値を求め、相電流推定値の演算に用いるピーク値をこのV相の相電流検出値のピーク値で更新する。
また、第3電流検出モードの区間では、電流検出器220の出力からU相の相電流がPWM1周期毎に検出されるので、この第3電流検出モードの区間でのU相の相電流検出値の時系列データからピーク値を求め、相電流推定値の演算に用いるピーク値をこのU相の相電流検出値のピーク値で更新する。
以下同様に、第4電流検出モードの区間ではW相の相電流検出値のピーク値を求め、第5電流検出モードの区間ではV相の相電流検出値のピーク値を求め、第6電流検出モードの区間ではU相の相電流検出値のピーク値を求め、第1電流検出モードの区間ではW相の相電流検出値のピーク値を求め、求めたピーク値で相電流推定値の演算に用いるピーク値を更新する。
そして、例えば、電流検出器220の検出電流値がV相の相電流値として割り当てられる第2電流検出モードの区間では、残るU相及びW相の相電流値として、相電流のピーク値、そのときの実モータ角度θac[deg(電気角)]、更に、位相ずれ(電流ベクトル角度補正値)Δθに基づき以下の式に従って算出される推定値を割り当てる。
U相電流推定値=−sin(実モータ角度θac+Δθ)*相電流ピーク値
W相電流推定値=−sin(実モータ角度θac+Δθ−240[deg])*相電流ピーク値
つまり、図8に示すように、電流検出モード毎(電気角60deg区間毎)に電流検出器220の検出電流値を割り当てる1相が特定され、残る2相については、相電流ピーク値と実モータ角度θac(基準電流ベクトル角度)と位相ずれに基づいて推定した相電流を割り当てる。
これにより、インバータ212aの直流母線電流を検出する電流検出器220を用い、しかも、電流検出器220の検出出力をPWM制御の1周期当たり1回だけA/D変換することで、3相の相電流をそれぞれ求めることができる。
従って、3相電流検出値に基づきベクトル制御を行うモータ駆動装置において、相電流を検出するためのハードウエア構成を簡略化でき、かつ、制御ユニット213(マイクロコンピュータ213b)のA/D変換負荷を軽減できる。そして、A/D変換負荷が軽減されることで、マイクロコンピュータとして低機能(低価格)のものを使用する駆動装置においても適用可能な相電流検出処理となる。
ところで、相電流の検出には、A/D変換に要する時間と通電開始直後の電流変動期間との合計時間よりも長い期間が必要となるが、指令電圧(指令デューティ)の低下に伴って、前記合計時間よりも短い期間になってしまい、相電流の検出が行えなくなる場合がある。
このような場合、例えば、相電流検出期間が前記合計時間以上となるデューティを設定するPWM1周期と、相電流の検出期間が前記合計時間を下回る期間となるデューティを設定するPWM1周期とを交互に設定する処理(以下、パルスシフト処理という)を実施する。
そして、相電流検出期間が前記合計時間以上となるデューティに設定されるときに相電流の検出を行わせ、相電流検出期間が前記合計時間を下回る期間となるデューティに設定されるときに相電流の検出を停止するよう構成し、平均デューティが指令デューティになるように制御すれば、指令デューティ(指令トルク)に制御しつつ相電流の検出が可能になる。
上記のパルスシフト処理はノイズ要因になるが、上記のようにPWM制御の1周期に1回のA/D変換を行う構成であれば、PWM制御の1周期に2回のA/D変換を行って2相の相電流をそれぞれに検出する場合に比べて、パルスシフト処理の実施が要求されるデューティ領域を小さくでき、パルスシフト処理によるノイズの発生を抑制できる。
次に、位相ずれ(電流ベクトル角度補正値)Δθの演算処理、つまり、電流ベクトル角度補正値演算部604の処理内容を詳細に説明する。
数3は、d−q軸上での3相ブラシレスモータ(IPMSM)2の電圧モデルを表す式である。

数3において、Vdはd軸電圧[V]、Vqはq軸電圧[V]、Raはd,q軸抵抗[Ω]、Laはd,q軸インダクタンス[H]、ωはモータ回転数[rad/sec](電気角)、Idはd軸電流[A]、Iqはq軸電流[A]、Keは誘起電圧定数[V/(rad/sec)](電気角)である。
上記数3の回路方程式は、数4に示すように、抵抗項、干渉項(速度起電力項)、誘起電圧項に分けることができる。
ここで、抵抗項は直流成分であり、干渉項はd−q軸間の干渉電圧分であり、誘起電圧項はq軸に発生する誘起電圧分である。
数4を基にベクトル図を表現すると図10のようになる。なお、ベクトル図では、d軸電流Id、q軸電流Iqの変化は無いと仮定し、かつ、Las項(インダクタンスの振幅)は無視するものとする。
図10において、モータ角度はd軸の角度で、モータ角度(基準電流ベクトル角度)に対する位相ずれは図10に示すΔθであり、この位相ずれ分の電流ベクトル角度補正値Δθを求めることで位相ずれを見込んだ相電流の推定が行える。
ここで、図10中の第1角度Δθ1は、抵抗項と干渉項とがなす角度であり、以下の式に従って算出される。
Δθ1=tan-1(干渉項/抵抗項)=tan-1(ωL/Ra)
つまり、第1角度Δθ1は、d,q軸抵抗Ra、d,q軸インダクタンスL、モータ回転数ωから求められる。
また、図10中の第2角度Δθ2は、モータ電圧ベクトルから誘起電圧項を引いたベクトルとq軸ベクトルとがなす角度であり、以下の式に従って算出される。
・Vd≧0のとき
Δθ2=tan-1((Vq−Keω)/Vd)−π/2
・Vd<0のとき
Δθ2=tan-1((Vq−Keω)/Vd)+π/2
つまり、第2角度Δθ2は、q軸電圧Vq、d軸電圧Vd、モータ回転数ωと誘起電圧定数Keとに基づく誘起電圧情報から求められる。
そして、電流ベクトル角度補正値Δθは、Δθ=Δθ2−Δθ1として算出される。
制御ユニット213(電流ベクトル角度補正値演算部604)は、d,q軸抵抗Ra、d,q軸インダクタンスL、モータ回転数ωに基づき第1角度Δθ1を算出し、q軸電圧Vq、d軸電圧Vd、モータ回転数ω、誘起電圧定数Keに基づき第2角度Δθ2を算出し、これらの角度Δθ1、Δθ2から電流ベクトル角度補正値Δθ(位相ずれ)を算出する。
係る構成により、q軸電圧Vq、d軸電圧Vd、モータ回転数ωの変化によって位相ずれが変化しても、制御ユニット213は、実際に発生する位相ずれに基づき相電流推定値を算出することができ、相電流を高い精度で推定することができる。
なお、制御ユニット213のメモリには、角度Δθ1、Δθ2の演算に用いるd,q軸抵抗Ra、d,q軸インダクタンスL、誘起電圧定数Keが定数として予め記憶されていて、角度Δθ1、Δθ2の演算においては、メモリから読み出したd,q軸抵抗Ra、d,q軸インダクタンスL、誘起電圧定数Keと、そのときのq軸電圧Vq、d軸電圧Vd、モータ回転数ωとに基づいて、電流ベクトル角度補正値Δθを算出する。
ここで、d,q軸抵抗Raは、3相ブラシレスモータ2の環境条件(温度条件など)によって変動し、また、3相ブラシレスモータ2毎にばらつきが生じる。そして、d,q軸抵抗Raが基準値(メモリ上の定数)からずれることで、電流ベクトル角度補正値Δθ(位相ずれ)の算出精度が低下し、引いては、相電流推定値の演算精度が低下する。
そこで、制御ユニット213は、d,q軸抵抗Raの変動による相電流推定値の推定誤差の発生を検出し、推定誤差が小さくなる方向にd,q軸抵抗Ra(第1角度Δθ1、電流ベクトル角度補正値Δθ)を補正する。
相電流推定値の誤差が大きくなると、1相に割り当てられる相電流を電流検出器220の検出電流値から相電流推定値に切り替えたときに、切り替え前の相電流検出値と切り替え後の相電流推定値との偏差が大きくなる。
そして、制御ユニット213は、1相に割り当てられる相電流検出値から相電流推定値に切り替えたときに、相電流の絶対値が増える方向の偏差が発生したか減る方向の偏差が発生したかに基づき、d,q軸抵抗Raの変動によって位相ずれが進角方向に変化したか遅角方向に変化したか(換言すれば、d,q軸抵抗Raの増減変化方向)を判断することが可能である。
つまり、1相に割り当てる相電流値を相電流検出値から相電流推定値に切り替えたときに相電流の絶対値が減少方向にステップ的に変化した場合、換言すれば、切り替え時における相電流推定値が相電流検出値よりも小さい場合には、相電流推定値の位相が実際の相電流の位相よりも遅れていることになるので、制御ユニット213は、d,q軸抵抗Raを相電流推定値の位相が進む方向に修正する。
逆に、1相に割り当てる相電流値を相電流検出値から相電流推定値に切り替えたときに相電流の絶対値が増大方向にステップ的に変化した場合、換言すれば、切り替え時における相電流推定値が相電流検出値よりも大きい場合には、相電流推定値の位相が実際の相電流の位相よりも進んでいることになるので、制御ユニット213は、d,q軸抵抗Raを相電流推定値の位相が遅れる方向に修正する。
ここで、相電流推定値の演算に用いるd,q軸抵抗Raを減少させれば相電流推定値の位相は進み、逆に、相電流推定値の演算に用いるd,q軸抵抗Raを増大させれば相電流推定値の位相は遅れることになる。
そこで、制御ユニット213は、1相に割り当てる相電流値を相電流検出値から相電流推定値に切り替えたときに相電流の絶対値が減少方向にステップ的に変化し、相電流推定値の位相を相電流検出値に近づけるために相電流推定値の位相を進める必要がある場合には、d,q軸抵抗Raを現状値よりも所定値ΔRaだけ減少させる補正を行う。
一方、制御ユニット213は、1相に割り当てる相電流値を相電流検出値から相電流推定値に切り替えたときに相電流の絶対値が増大方向にステップ的に変化し、相電流推定値の位相を相電流検出値に近づけるために相電流推定値の位相を遅らせる必要がある場合には、d,q軸抵抗Raを現状値よりも所定値ΔRaだけ増大させる補正を行う。
なお、制御ユニット213は、1相に割り当てる相電流値を相電流検出値から相電流推定値に切り替えたときの相電流のステップ変化量(段差)に応じて、d,q軸抵抗Raを増減補正する所定値ΔRaの大きさを変更することができる。つまり、相電流のステップ変化量の絶対値が大きいほど所定値ΔRaをより大きくすれば、相電流推定値の位相を相電流検出値の位相に応答良く近づけることが可能である。
図11は、電流検出モードの切り替わりパターン毎に、相電流の変化量の判定と判定結果に基づく相電流推定値の位相の補正方向とを示す図である。
第1電流検出モードから第2電流検出モードに切り替わったとき、及び、第4電流検出モードから第5電流検出モードに切り替わったときには、W相に割り当てられる相電流が相電流検出値からW相電流推定値に切り替えられるので、制御ユニット213は、切り替え前の相電流検出値と切り替え後のW相電流推定値とを比較する。
ここで、切り替え前の相電流検出値(前回値)の絶対値から切り替え後のW相電流推定値(今回値)の絶対値を減算した値が所定値ΔIm(ΔIm<0)を下回る場合(|Iw前回値|−|Iw今回値|<ΔIm)、つまり、切り替え後のW相電流推定値の絶対値が切り替え前の相電流検出値の絶対値よりも所定以上に大きく、W相に割り当てられる相電流がステップ的に増大した場合には、W相電流推定値の位相が実際のW相電流の位相よりも進んでいることになるので、制御ユニット213は、d,q軸抵抗Raを相電流推定値の位相が遅れる方向に修正する。
一方、切り替え前の相電流検出値(前回値)の絶対値から切り替え後のW相電流推定値(今回値)の絶対値を減算した値が所定値ΔIp(ΔIp>0)を上回る場合(|Iw前回値|−|Iw今回値|>ΔIp)、つまり、切り替え後のW相電流推定値の絶対値が切り替え前の相電流検出値の絶対値よりも所定以上に小さく、W相に割り当てられる相電流がステップ的に減少した場合には、W相電流推定値の位相が実際のW相電流の位相よりも遅れていることになるので、制御ユニット213は、d,q軸抵抗Raを相電流推定値の位相が進む方向に修正する。
ここで、|Iw前回値|−|Iw今回値|≧ΔImを満たし、かつ、|Iw前回値|−|Iw今回値|≦ΔIpを満たす場合は、W相電流推定値と相電流検出値との偏差が零近傍の許容範囲内であって相電流推定値が十分に高い精度で演算できている、換言すれば、相電流推定値の演算に用いているd,q軸抵抗Raが実際値に十分に近いことになるので、制御ユニット213は、d,q軸抵抗Raを補正せず、d,q軸抵抗Raを現状値に維持する。
また、第2電流検出モードから第3電流検出モードに切り替わったとき、及び、第5電流検出モードから第6電流検出モードに切り替わったときには、V相に割り当てられる相電流が相電流検出値からV相電流推定値に切り替えられるので、制御ユニット213は、切り替え前の相電流検出値と切り替え後のV相電流推定値とを比較する。
制御ユニット213は、V相電流値が検出値から推定値に切り替えられるときに、W相電流値の切り替え時と同様に、切り替え前の相電流検出値(前回値)の絶対値から切り替え後のV相電流推定値(今回値)の絶対値を減算した値を所定値ΔIm、ΔIpと比較することで、V相電流推定値の位相が実際のV相電流の位相よりも所定以上に進んでいるか、所定以上に遅れているか、又は、V相電流推定値の位相と実際のV相電流の位相とが十分に近い状態であるかを判別する。
そして、制御ユニット213は、V相電流推定値の位相が実際のV相電流の位相よりも所定以上に進んでいるか又は所定以上に遅れている場合は、係る位相差が小さくなる方向にd,q軸抵抗Raを修正する。
また、第3電流検出モードから第4電流検出モードに切り替わったとき、及び、第6電流検出モードから第1電流検出モードに切り替わったときには、U相に割り当てられる相電流が相電流検出値からU相電流推定値に切り替えられるので、制御ユニット213は、切り替え前の相電流検出値と切り替え後のU相電流推定値とを比較する。
制御ユニット213は、U相電流値が検出値から推定値に切り替えられるときに、W相電流値の切り替え時と同様に、切り替え前の相電流検出値(前回値)の絶対値から切り替え後のU相電流推定値(今回値)の絶対値を減算した値を所定値ΔIm、ΔIpと比較することで、U相電流推定値の位相が実際のU相電流の位相よりも所定以上に進んでいるか、所定以上に遅れているか、又は、U相電流推定値の位相と実際のU相電流の位相とが十分に近い状態であるかを判別する。
そして、制御ユニット213は、U相電流推定値の位相が実際のU相電流の位相よりも所定以上に進んでいるか又は所定以上に遅れている場合は、係る位相差が小さくなる方向にd,q軸抵抗Raを修正する。
このように、制御ユニット213は、相電流推定値(電流ベクトル角度補正値Δθ、抵抗項)の演算に用いるd,q軸抵抗Raが実際値に対して誤差を有することで、電流ベクトル角度補正値Δθ引いては相電流推定値の演算精度が低下していることを、1相に割り当てられる相電流が相電流検出値から相電流推定値に切り替えられるときの電流変化に基づき検出する。そして、制御ユニット213は、相電流推定値が相電流検出値(実相電流)に近づく方向にd,q軸抵抗Raを補正する。
従って、制御ユニット213は、環境条件の変化(温度変化)や3相ブラシレスモータ2の特性ばらつきなどがあっても、相電流推定値を高い精度で演算することができ、3相電流値に基づき安定した精度で3相ブラシレスモータを制御できる。
なお、制御ユニット213は、上記のように、相電流検出値から相電流推定値に切り替えられるときの割り当て相電流値のステップ変化からd,q軸抵抗Ra(電流ベクトル角度補正値Δθ、抵抗項)の誤差を判定するが、逆に、相電流推定値から相電流検出値に切り替えられるときの割り当て相電流値のステップ変化からd,q軸抵抗Raの誤差を判定することができる。
また、抵抗値は温度に依存するので、制御ユニット213は、温度条件に基づきd,q軸抵抗Ra(電流ベクトル角度補正値Δθ、抵抗項)を補正することができる。
例えば、環境温度を検出する温度センサを備える場合、制御ユニット213は、温度センサの出力から求めた環境温度に応じてd,q軸抵抗Ra(電流ベクトル角度補正値Δθ、抵抗項)を補正することができる。また、制御ユニット213は、3相ブラシレスモータの起動に先立って抵抗値を計測するための通電を行い、基準温度条件で抵抗値と計測した抵抗値とから温度条件を推定し、推定した温度条件に基づいてd,q軸抵抗Ra(電流ベクトル角度補正値Δθ、抵抗項)を補正することができる。
また、上述の構成では、制御ユニット213は、電流ベクトル角度補正値Δθをq軸電圧Vq、d軸電圧Vd、モータ回転数ωなどに基づいて演算するが、相電流検出値のモータ角度に対する位相を検出することで、電流ベクトル角度補正値Δθを設定することができる。
詳細には、制御ユニット213は、1相に割り当てられる相電流が相電流検出値から相電流推定値に切り替えられるときの(換言すれば、電流検出モードが切り替えられる電気角での)相電流検出値と、相電流ピーク値とから、電流ベクトル角度補正値Δθを求めることができる。
制御ユニット213は、1相に割り当てられる相電流が相電流検出値から相電流推定値に切り替えられるときの切り替え直前の相電流検出値と、相電流ピーク値とに基づき、相電流検出値のピーク値となるタイミングから相電流の切り替えタイミングまでの電流ベクトル角度ΔθB(図12参照)を、ΔθB=arccos(切り替え直前の相電流検出値/ピーク電流)(ΔθB≧0)として算出する。
更に、制御ユニット213は、モータ角度に対して位相ずれがない理想的な相電流の正弦波波形、又は、現状の電流ベクトル角度補正値Δθに基づき算出した相電流推定値において相電流がピーク値となるタイミングから、相電流検出値から相電流推定値に切り替えられるタイミング(換言すれば、電流検出モードが切り替えられる電気角)までの角度をΔθAとして設定する(図12参照)。
そして、制御ユニット213は、電流ベクトル角度補正値Δθ又は修正値Δθajを、上記の角度ΔθA及びΔθBに基づき、下式に従って演算する。
Δθ(Δθaj)=ΔθA−ΔθB
つまり、理想電流波形から角度ΔθAを演算する場合、上記の演算式は、理想電流波形がピークとなるタイミングから電流検出モードの切り替えタイミングまでの角度ΔθAから、実際の電流波形のピークとなるタイミングから電流検出モードの切り替えタイミングまでの角度ΔθBを減算することで、理想電流波形がピークとなるタイミングから実際の電流波形がピークとなるタイミングまでの角度を算出することになり、理想電流波形に対する実電流波形の位相ずれが検出される。
また、現状の電流ベクトル角度補正値Δθに基づき算出した相電流推定値から角度ΔθAを演算する場合、上記の演算式は、実際の相電流波形と相電流推定値との位相ずれ、換言すれば、現状の電流ベクトル角度補正値Δθの誤差を示すことになる。従って、修正値Δθajに基づき現状の電流ベクトル角度補正値Δθを補正することで、相電流推定値を実際の相電流波形に近づけることができる。
なお、電流検出モードが切り替えられる電気角での相電流検出値と、相電流ピーク値とから電流ベクトル角度補正値Δθを求める処理を、相電流検出値から相電流推定値に切り替えられるときの相電流検出値と理想波形の相電流値との偏差が所定値以上であるとき、換言すれば、位相ずれが所定以上であるときに実施し、前記偏差が所定値を下回る場合に禁止する構成とすることができる。
相電流偏差(位相ずれ)が小さい状態では電流ベクトル角度補正値Δθの検出感度が低く、また、電流ベクトル角度補正値Δθの演算は電流検出モードの切り替え周期である電気角60deg毎に行われるためモータ回転速度が低い条件では推定遅れが生じる。このため、相電流偏差(位相ずれ)が小さい状態で電流ベクトル角度補正値Δθの更新演算を実施すると、電流制御が発散する可能性がある。
そこで、制御ユニット213は、相電流検出値から相電流推定値に切り替えられるときの相電流検出値と理想波形の相電流値又は相電流推定値との偏差が所定値を下回る場合は、相電流推定値の演算に用いる電流ベクトル角度補正値Δθの更新を停止する。
また、電流ベクトル角度補正値Δθに関与するモータ定数としては、前述のように、抵抗Ra、インダクタンスLa、誘起電圧定数Keがあり、このうちインダクタンスLaは温度に影響を受けないが、抵抗Ra及び誘起電圧定数Keは温度によって変動する。
係る温度に影響を受ける抵抗Ra及び誘起電圧定数Keの値を、制御ユニット213は以下のようにして推定し、推定した結果を用いて電流ベクトル角度補正値Δθを演算することができる。
図13のベクトル図に示すように、干渉項と抵抗項とがなす角度は直角であるため、d軸電圧Vdとq軸電圧Vqとで決まるモータ電圧ベクトルの先端を中心としてω*La*相電流ピーク値を半径とする円を描いたときに、この円の接線であってq軸に対して傾き=tan(Δθ)を有する接線がq軸と交わる点C1で決まるq軸切片は誘起電圧項に該当し、また、交点C1と接点C2とを結ぶ線は抵抗項に該当する。
つまり、交点C1で決まるq軸切片の長さLEは誘起電圧項を表し、誘起電圧項=Ke*ωであるからLE=Ke*ωとなり、長さLE及びそのときのモータ回転数ωから誘起電圧定数Keを下式に従って算出することができる。
Ke=LE/ω
更に、抵抗項=抵抗Ra*相電流ピーク値Ipeakであるから、交点C1と接点C2との距離D1は、
距離D1=抵抗Ra*相電流ピーク値Ipeak
を満たすことになり、距離D1及び相電流ピーク値とから、抵抗Raを下式に従って算出することができる。
Ra=D1/Ipeak
そして、制御ユニット213は、上記のようにして求めた誘起電圧定数Ke、抵抗Raを定数として保存し、q軸電圧Vq、d軸電圧Vd、モータ回転数ωに基づいて電流ベクトル角度補正値Δθを算出するときに、これらの定数を用いるようにする。これにより、そのときの環境温度に適合する誘起電圧定数Ke、抵抗Raを用いて電流ベクトル角度補正値Δθを演算でき、相電流推定値の推定精度が向上する。
また、抵抗Raの誤差が少ない条件では、制御ユニット213は、
誘起電圧定数Keを、相電流検出値から求めた相電流ピーク値Ipeakに基づき下式に従って算出することができる。
Ke=(Vq−√(Ipeak)2*(ω2*La2+Ra2)−Vd2))/ω
上記のようにして推定した誘起電圧定数Keに基づき求めた電流ベクトル角度補正値Δθを用いて相電流推定値を演算させている状態で、抵抗Raの変化が生じ、相電流検出値と相電流推定値との間で切り替えを行うときに電流偏差が生じるようになったときに、制御ユニット213は、前述のように、電流検出モードの切り替え時における相電流検出値と、相電流検出値から求めた相電流ピーク値とから電流ベクトル角度補正値Δθを演算することで、抵抗Ra及び誘起電圧定数Keの変化を加味した電流ベクトル角度補正値Δθを設定できる。
また、制御ユニット213は、例えば、3相ブラシレスモータ2を起動した後に前述の角度ΔθA及びΔθBに基づく電流ベクトル角度補正値Δθの設定処理を1回実行した後に、上記の誘起電圧定数Ke、抵抗Raの推定処理を行い、推定した誘起電圧定数Ke、抵抗Ra、及び、q軸電圧Vq、d軸電圧Vd、モータ回転数ωに基づき電流ベクトル角度補正値Δθを設定する処理に移行することができる。
また、制御ユニット213は、上記の正弦波駆動方式(180度通電方式)による3相ブラシレスモータ2の駆動制御において、相電流の検出可能期間の長さを所定以上の長さとするために、前述したパルスシフト処理を実施する必要がある運転領域(制御デューティが所定値を下回る領域)において、センサレス正弦波駆動方式に代えてセンサレス矩形波駆動方式(120度通電方式)で3相ブラシレスモータ2を駆動することができる。
上記の矩形波駆動方式は、3相のうちでパルス電圧を印加する2相の選択パターン(通電モード)を所定の回転子位置毎に順次切り替えることで、ブラシレスモータ2を駆動する方式である。この矩形波駆動方式では、制御ユニット213は、通電相に対するパルス状の電圧印加によって非通電相(開放相)に誘起される電圧(変圧器起電圧、パルス誘起電圧)から回転子の位置情報を得て、通電相の選択パターンの切り替えタイミングを検出する。
以上、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば種々の変形態様を採り得ることは自明である。
例えば、電流ベクトル角度補正値Δθの演算に用いる抵抗Ra及び誘起電圧定数Keの推定処理において、推定した抵抗Ra及び誘起電圧定数Keの時系列データを平均化処理して電流ベクトル角度補正値Δθの演算に用いるようにしたり、推定した抵抗Ra及び誘起電圧定数Keが所定範囲を超えたときに推定結果を用いることを禁止したりすることができる。
また、電流検出モードの切り替わりに伴って1相に割り当てる相電流を、相電流検出値から相電流推定値に又は相電流推定値から相電流検出値に切り替えるときに、切り替え前後の相電流に偏差がある場合、切り替え前の相電流値から切り替え後の相電流値に徐々に近づく補正電流値を設定し、過渡的に係る補正電流値に基づいて3相ブラシレスモータ2を制御することができる。
また、例えば、相電流検出値を割り当てる相を2相に固定し、係る相の相電流を電流検出器220の出力から直接的に検出できない電流検出モードのときに3相全てに相電流推定値を割り当てる構成とすることができる。
例えば、相電流検出値を割り当てる2相をU相及びV相に固定し、第3電流検出モード及び第6電流検出モードのときにはU相に相電流検出値を割り当てV相及びW相に相電流推定値を割り当て、第2電流検出モード及び第5電流検出モードのときにはV相に相電流検出値を割り当てU相及びW相に相電流推定値を割り当て、第1電流検出モード及び第4電流検出モードのときには3相全てに相電流推定値を割り当てる構成とすることができる。
ここで、相電流検出値を割り当てる固定の2相の組み合わせを所定周期毎に切り替えたり、相電流検出値を割り当てる2相を固定するモードと電流検出モードに従って相電流検出値を割り当てる1相を順次切り替えるモードとをモータ回転数などの条件で切り替えたりすることができる。
1…電動式のサブオイルポンプ、2…3相ブラシレスモータ、3…モータ駆動装置(MCU)、212…駆動回路(インバータ回路)、213…制御ユニット、213a…A/D変換器、213b…マイクロコンピュータ、220…電流検出器、220a…シャント抵抗、220b…検出回路

Claims (5)

  1. 3相ブラシレスモータに交流電力を供給するインバータと、前記インバータの直流母線電流を検出する電流検出器と、前記電流検出器の出力を入力し前記インバータをPWM制御する制御部と、を含み、前記3相ブラシレスモータを正弦波駆動するモータ駆動装置であって、
    前記制御部は、
    PWM制御の1周期に1回の検出タイミングにおいて相電流の絶対値が最大となる1相の相電流を前記電流検出器の出力から求め、前記検出タイミング毎に検出した相電流のピーク値、モータ角度、及び、モータ角度に対する実相電流波形の位相ずれに基づき残る2相の相電流を推定するよう構成され、
    前記位相ずれをd軸電圧、q軸電圧、及びモータ回転速度に応じて可変に設定する、
    モータ駆動装置。
  2. 3相ブラシレスモータに交流電力を供給するインバータと、前記インバータの直流母線電流を検出する電流検出器と、前記電流検出器の出力を入力し前記インバータをPWM制御する制御部と、を含み、前記3相ブラシレスモータを正弦波駆動するモータ駆動装置であって、
    前記制御部は、
    PWM制御の1周期に1回の検出タイミングにおいて相電流の絶対値が最大となる1相の相電流を前記電流検出器の出力から求め、前記検出タイミング毎に検出した相電流のピーク値、モータ角度、及び、モータ角度に対する実相電流波形の位相ずれに基づき残る2相の相電流を推定するよう構成され、
    前記3相ブラシレスモータのd−q軸上の電圧モデルにおいて抵抗項と干渉項とが生成する角度及びモータ電圧ベクトルから誘起電圧項を引いたベクトルとq軸ベクトルとが生成する角度に基づき前記位相ずれを求める、
    モータ駆動装置。
  3. 3相ブラシレスモータに交流電力を供給するインバータと、前記インバータの直流母線電流を検出する電流検出器と、前記電流検出器の出力を入力し前記インバータをPWM制御する制御部と、を含み、前記3相ブラシレスモータを正弦波駆動するモータ駆動装置であって、
    前記制御部は、
    PWM制御の1周期に1回の検出タイミングにおいて相電流の絶対値が最大となる1相の相電流を前記電流検出器の出力から求め、前記検出タイミング毎に検出した相電流のピーク値、モータ角度、及び、モータ角度に対する実相電流波形の位相ずれに基づき残る2相の相電流を推定するよう構成され、
    1相の相電流が前記電流検出器による検出値と推定値との間で切り替えられるときの電流偏差が小さくなるように前記位相ずれを補正する、
    モータ駆動装置。
  4. 3相ブラシレスモータに交流電力を供給するインバータと、前記インバータの直流母線電流を検出する電流検出器と、前記電流検出器の出力を入力し前記インバータをPWM制御する制御部と、を含み、前記3相ブラシレスモータを正弦波駆動するモータ駆動装置であって、
    前記制御部は、
    PWM制御の1周期に1回の検出タイミングにおいて相電流の絶対値が最大となる1相の相電流を前記電流検出器の出力から求め、前記検出タイミング毎に検出した相電流のピーク値、モータ角度、及び、モータ角度に対する実相電流波形の位相ずれに基づき残る2相の相電流を推定するよう構成され、
    1相の相電流が前記電流検出器による検出値と推定値との間で切り替えられるときの前記電流検出器による検出値、及び、前記ピーク値に基づいて前記位相ずれを求める、
    モータ駆動装置。
  5. インバータのPWM制御によって正弦波駆動される3相ブラシレスモータの各相の相電流を、前記インバータの直流母線電流を検出する電流検出器の出力に基づき検出する方法であって、
    相電流の絶対値が最大となる1相の相電流を検出する検出タイミングをPWM制御の1周期に1回設定するステップと、
    前記検出タイミングにおいて前記電流検出器の出力から相電流検出値を求めるステップと、
    前記相電流検出値のピーク値を求めるステップと、
    モータ角度を検出するステップと、
    前記モータ角度に対する実相電流波形の位相ずれを設定するステップと、
    前記ピーク値、前記モータ角度、及び前記位相ずれに基づき相電流推定値を算出するステップと、
    前記電流検出値を1相の相電流値として割り当て、前記電流推定値を残る2相に割り当てるステップと、
    含み、
    前記位相ずれを設定するステップは、前記3相ブラシレスモータのd−q軸上の電圧モデルにおいて抵抗項と干渉項とが生成する角度及びモータ電圧ベクトルから誘起電圧項を引いたベクトルとq軸ベクトルとが生成する角度に基づき前記位相ずれを求める、
    3相ブラシレスモータの相電流検出方法。
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