JP6278912B2 - 太陽光発電システム、及びその故障診断方法 - Google Patents
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Description
第1の実施形態は、2つの時間帯において、太陽電池アレイ(アレイ:複数のストリングを並列につなげて構成されるもの)の動作電流と動作電圧から想定日射量と想定温度を求め、算出された想定日射量と想定温度の条件下での太陽電池ストリング(ストリング:複数のモジュールを直列につなげて構成されるもの)の理想電力(理論上期待される電力)とストリングの実電力(実測によって得られる電力)を比較し、2つの時間帯における理想電力と実電力の割合から太陽電池ストリングの故障診断を行う方法について開示する。まず、本発明の実施形態が適用されるメガソーラー発電サイトにおける太陽光発電システムについて説明し、その後、当該故障診断方法について説明する。
図1は、本発明の実施形態による太陽電池モジュールの構成例を示す図である。太陽電池モジュールの主要コンポーネントである太陽電池セル1aは、セルの電極間をはんだ付けによりインターコネクタと呼ばれる配線1bで接続される。充填剤1dは、太陽電池セル1aとガラス1c及びバックシート1eとを接着するのと同時に、太陽電池セル1aや配線1bを衝撃から保護する。ジャンクションBOX1fには、バイパスダイオード1gが搭載されている。
図3は、太陽電池モジュールの劣化・故障の要因を説明するための図である。
太陽電池モジュールの劣化・故障の要因は、主要コンポーネントであるPVセル(セル1aに対応)のみではなく、モジュールを構成する充填剤やセルを接続する配線材の劣化によるところが大きい。これらの劣化・故障現象は、図3に示すように、等価回路のパラメータに反映し、定量的に把握することが可能である。コンポーネントに起因する故障や劣化は、いくつかの故障モード(はんだ剥がれ、セル劣化、断線)に大別でき、モード別に、等価回路上の各パラメータ(直列抵抗、シャント抵抗、バイパスダイオード動作)へ反映される。
図4(a)は、故障モードがはんだ剥がれの場合の等価回路上のパラメータを示す図である。はんだ剥がれの場合、直列抵抗4aの値が上昇する。電流が流れる配線部分の抵抗が増加するため、故障モードがはんだ剥がれの場合は、日射量が大きいほど電圧降下が大きくなり、損失が大きくなる。
図5(a)は、故障モードがセル劣化の場合の等価回路上のパラメータを示す図である。セルが劣化した場合、シャント5aの値が減少する。この場合、日射量が小さいほど漏れ電流の割合が大きくなり、損失が大きくなる。
図6(a)は、故障モードが断線の場合の等価回路上のパラメータを示す図である。断線の場合、バイパスダイオード6aが、常に動作した状態になる。この場合、有効となるセル数の比率の割合に依存するため、日射量に依らず、損失は同じ値になる。
図7は、メガソーラー発電サイト(太陽光発電システム)の構成例を示す図である。メガソーラー発電サイト7は、複数の太陽電池ストリング群7aと、複数の接続箱7bと、パワーコンディショナ7cと、を有している。各ストリング群7aからの電力が複数の接続箱7bを介してパワーコンディショナ7cに伝送される。パワーコンディショナ7cは、集電とDC/DCコンバータを兼ねる集電ラック7dと、AC/DCインバータ7eとによって構成される。集電ラック7dに接続された複数の太陽電池ストリング群7aから最大電力を取り出せるよう制御することをMPPT制御(Maximum Power Point Tracking)と呼ぶ。このMPPT制御は、DC/DCコンバータ7d内部の電流計と電圧計において計測された直流電力を用い、制御することによって達成されるものである。直流昇圧コンバータであるDC/DCコンバータ7dは、太陽電池アレイからの直流電圧を昇圧してAC/DCインバータ7eに供給する。これにより、変換された交流電圧、交流電流が系統に連系(interconnect)される。
図8は、太陽電池アレイの構成例を示す図である。太陽アレイは、太陽電池ストリング8aを接続箱8cにおいて並列接続することによって構成される。各ストリングには、逆方向に電流が流れ込むのを防止するための逆流防止ダイオード8bが取り付けられている。この接続箱8c(図7の7bに対応)内に、ストリング計測装置8dが設置される。
図9は、ストリング電流計測装置8eの一構成例を示したものである。ストリング電流計測装置8eは、検出抵抗9aと、反転増幅回路9bと、AD変換器と、を有している。
図11は、監視装置7i(図8では8h)のハードウェア構成例を示す図である。監視装置7iは、通常のコンピュータによって構成され、各種プログラムを実行するCPU等のプロセッサ1101と、各種プログラムを格納するメモリ1102と、必要なパラメータ、データや計測値等を格納する記憶装置1103と、演算結果等を出力する出力装置1104と、オペレータによる指示やデータを入力するための入力装置1105と、通信のためのインタフェースとなる通信デバイス1106と、を有し、これらがバス1107を介して接続されている。出力装置1104は、例えば、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ等が該当する。入力装置1105は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等が該当する。
以下、本発明の実施形態による太陽光発電システムの故障診断方法において、単位面積当たりの日射量(太陽電池アレイに照射されている日射強度)と太陽電池の動作温度を算出する方法について説明する。単位面積当たりの日射量と太陽電池の動作温度は、パワーコンディショナ7cでの計測値(太陽アレイの電流・電圧計測値)から算出される。本明細書では、太陽電池において、電圧が0つまり短絡されるときの電流を短絡電流、電流が0つまり開放される時の電圧を開放電圧、最大電力を取り出すことができる動作点の電流、電圧をそれぞれ最大動作電流、最大動作電圧と呼ぶこととする。
Isc_0 [Tb] = Isc_0 + α・(Tb - 25) ・・・(2)
pb = (Ipmax_b / J ) / Isc_0 [Tb] ・・・(3)
Voc_b = Ncell・(nf ・k・Tb ) / q ・ln { ( Isc_b・pb ) / Is } ・・・(8)
図12は、メガソーラー発電サイトの1日における所定の時間ごとの日射変化と日射量の時間推移を示す図である。図12には、ある所定の快晴の日における5秒毎の日射変化量と日射量の観測値が示されている。ここでは、図12を用いて、日射の安定の判別方法と時間帯を2つ選択する方法について説明する。
図13は、本発明の第1の実施形態による太陽電池ストリング故障診断処理を説明するためのフローチャートである。当該故障診断処理では、各故障モードにおける日射と損失の関係、メガソーラーの構成、算出式を用いられる。当該故障診断処理を実行する前提として、太陽電池アレイの測定電圧及び測定電流(PCS電圧及びPCS電流)、各太陽電池ストリングの測定電圧及び電流(ストリング電圧1〜n、及びストリング電流1〜n)を取得している必要がある。
監視装置7iのCPU1101は、式(1)〜(3)を用いて、パワーコンディショナ7c(以降PCS:Power Conditioner System)で計測されるPCS電流から太陽電池アレイに照射されている日射量(想定日射量)を算出する。
CPU1101は、図12で説明した方法より、日射変化量が安定した時間帯を抽出する。
CPU1101は、ステップ1301で算出した想定日射量を用いて、故障診断の可否を判断する。例えば、想定日射量が所定値未満であった場合、開始時刻(1)の時間帯の平均日射量と開始時刻(2)の時間帯の平均日射量の差が所定日射量(所定の閾値)よりも小さい場合や、ステップ1302で抽出された日射変化量安定時間帯が2つ未満であった場合には、故障診断処理は実行しないと判断され、処理は終了する。
CPU1101は、開始時刻(1)における太陽電池アレイの動作温度(想定温度)を算出し、想定日射量の温度補正を行う。ステップ1304の処理の詳細については、図14を用いて後述する。
ステップ1304で開始時刻(1)の時間帯における想定日射量(補正値)、及び想定温度が算出されると、CPU1101は、想定日射量及び想定温度におけるストリング電力の理想値を算出する。より具体的には、太陽電池モジュールに関する出力電流を求めるための式(4)を太陽電池ストリングに換算し(式(4)におけるセル数Ncellがストリングにけるセル数となる)、当該式とステップ1304で算出された想定電流値を用いて想定電力値を算出し、ストリング電力(理想値)を求めることとなる。
CPU1101は、開始時刻(1)における損失1を算出する。当該損失1は、ストリング電力の実測値が理想値よりもどの程度低下しているかを示す値(%)である。
CPU1101は、開始時刻(2)における太陽電池アレイの動作温度(想定温度)を算出し、想定日射量の温度補正を行う。ステップ1307の処理の詳細は、ステップ1304と同様、図14に示される通りである。
ステップ1307で開始時刻(2)の時間帯における想定日射量(補正値)、及び想定温度が算出されると、CPU1101は、想定日射量及び想定温度におけるストリング電力の理想値を算出する。より具体的には、太陽電池モジュールに関する出力電流を求めるための式(4)を太陽電池ストリングに換算し(式(4)におけるセル数Ncellがストリングにけるセル数となる)、当該式とステップ1304で算出された想定電流値を用いて想定電力値を算出し、ストリング電力(理想値)を求めることとなる。
CPU1101は、開始時刻(2)における損失2を算出する。損失2も、ストリング電力の実測値が理想値よりもどの程度低下しているかを示す値(%)である。
CPU1101は、上記損失1及び損失2が共に予め設定した故障判定のための閾値に達しているか判断する。損失1及び損失2が共に当該閾値未満である場合(ステップ1310でYes)、処理はステップ1311に移行する。何れかが当該閾値以上である場合(ステップ1310でNo)、処理はステップ1312に移行する。なお、故障判定のための閾値は、例えば、太陽電池ストリングに含まれるセル数をNとすると、1つのセルが故障した場合でも検出したいので、1/N(%)に設定される。N=42(14モジュール、42セル)の場合、当該閾値は2.4%に設定すると良い。
損失1及び損失2が共に閾値未満であるため、CPU1101は、検査対象のストリングは正常であると判断する。
CPU1101は、損失1と損失2を比較する。損失1が損失2よりも大きい場合(両者の差が所定範囲内に収まっていない)には、処理はステップ1313に移行する。損失1と損失2がほぼ同一である場合(両者の差が所定の範囲内にある)、処理はステップ1314に移行する。損失1が損失2よりも小さい場合(両者の差が所定範囲内に収まっていない)、処理はステップ1315に移行する。
CPU1101は、対象のストリングには「はんだ剥がれ」を起こしたセルが含まれていると判定する。
CPU1101は、対象のストリングには「断線」を起こしたセルが含まれていると判定する。
CPU1101は、対象のストリングには「セル劣化」を起こしたセルが含まれていると判定する。
図14は、ステップ1304及び1307の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
CPU1101は、式(5)〜(10)を用いて、PCS電圧から動作温度(想定温度)を計算する。
CPU1101は、式(2)及び(3)を用いて、想定日射量の温度補正を行う。
CPU1101は、ステップ1401の演算を繰り返す。つまり、再度、式(5)〜(10)を用いて、動作温度(想定温度)を計算する。
CPU1101は、動作温度の演算(ステップ1401の演算)を3回行ったか判断する。3回程度ステップ1401の演算を繰り返せば、想定日射量と想定温度が収束するためである。ただし、想定温度等の値を収束することができれば「3回」でなくても良い。繰り返し回数が3回に達している場合(ステップ1404でYes)、処理はステップ1405に移行する。繰り返し回数が3回に達していない場合(ステップ1404でNoの場合)、処理はステップ1402に移行する。
CPU1101は、式(4)とアレイ演算により、ステップ1401〜1404で得られた想定日射量、及び想定温度における電流値を算出する。ここでは、この算出された電流値をPCS想定電流値ということとする。
CPU1101は、PCS電流値(測定値)がステップ1405で算出したPCS想定電流値以上か否か判断する。PCS電流値(測定値)がPCS想定電流値以上である場合(ステップ1406でYes)、処理はステップ1305(図13)に移行する。PCS電流値(測定値)がPCS想定電流値未満である場合(ステップ1406でNo)、処理はステップ1407に移行する。
CPU1101は、検査対象のストリングにおけるセルの有効数を調整する。本発明の実施形態では、パワーコンディショナ7cに集約される太陽電池アレイに対して、太陽電池モジュール2gの出力低下が及ぼす影響は低いことを前提としている。しかし、太陽電池モジュール2gが断線故障した場合などは、多数の太陽電池セル2fの動作が無効になり、太陽電池モジュール2gの特性の変化が大きくなる。そこで、想定温度におけるPCS想定電流値が計測されたPCS電流値よりも大きい場合は、有効セル数の調整を行うこととしている。つまり、セルが故障していると想定し、PCS電流値(測定値)がPCS想定電流値以上になるまで動作温度(想定温度)の演算を繰り返すこととなる。
有効セル数を調整した後、処理はステップ1401に移行する。
図15は、本発明の第1の実施形態によるGUI(Graphical User Interface)の構成例を示す図である。
第2の実施形態は、日射量測定値、及びPCS電流値(測定値)から求めた基準電流と各ストリングの電流値(測定値)との単純な比較を用いて太陽電池のストリングの故障診断を実行するものである。以下で説明する部分以外については、第1の実施形態における内容(例えば、太陽光発電システム、その他の装置・回路の構成やGUI等)と同じである。
CPU1101は、日射計7fによって計測された日射量を用いて、図12で説明した方法より、日射量安定時間を抽出する。
CPU1101は、ステップ1601で算出した想定日射量を用いて、故障診断の可否を判断する。例えば、想定日射量が所定値未満であった場合、開始時刻(1)の時間帯の平均日射量と開始時刻(2)の時間帯の平均日射量の差が所定日射量(所定の閾値)よりも小さい場合や、ステップ1602で抽出された日射変化量安定時間帯が2つ未満であった場合には、故障診断処理は実行しないと判断され、処理は終了する。
CPU1101は、開始時刻(1)の時間帯における計測されたPCS電流値から太陽電池アレイを構成するストリング数で割ることにより得られる基準電流1を算出する。
CPU1101は、基準電流1と、検査対象の太陽電池ストリングにおいて計測されたストリング電流とを比較し、開始時刻(1)の時間帯における損失1を算出する。当該損失は、第1の実施形態と同様に、基準(基準電流1に相当)から実際のストリング電流がどの程度低下しているかを示す値(%)である。
CPU1101は、開始時刻(2)の時間帯における計測されたPCS電流値から太陽電池アレイを構成するストリング数で割ることにより得られる基準電流2を算出する。
CPU1101は、基準電流2と、検査対象の太陽電池ストリングにおいて計測されたストリング電流とを比較し、開始時刻(2)の時間帯における損失2を算出する。
CPU1101は、算出した損失1及び損失2を用いて、ストリングの故障診断を行う。つまり、CPU1101は、損失1及び損失2が共に故障の閾値に達しているか判定する。損失1及び損失2が共に故障の閾値未満である場合(ステップ1607でYes)、処理はステップ1608に移行する。損失1及び損失2の少なくとも1つが故障の閾値以上である場合(ステップ1607でNo)、処理はステップ1609に移行する。
損失1及び損失2が共に閾値未満であるため、CPU1101は、検査対象のストリングは正常であると判断する。
CPU1101は、損失1と損失2を比較する。損失1が損失2よりも大きい場合(両者の差が所定範囲内に収まっていない)には、処理はステップ1610に移行する。損失1と損失2がほぼ同一である場合(両者の差が所定の範囲内にある)、処理はステップ1611に移行する。損失1が損失2よりも小さい場合(両者の差が所定範囲内に収まっていない)、処理はステップ1612に移行する。
CPU1101は、対象のストリングには「はんだ剥がれ」を起こしたセルが含まれていると判定する。
CPU1101は、対象のストリングには「断線」を起こしたセルが含まれていると判定する。
CPU1101は、対象のストリングには「セル劣化」を起こしたセルが含まれていると判定する。
(i)第1の実施形態では、監視装置(計算機)は、まず、一日における所定時間帯毎の日射変化量の情報を取得し、当該日射変化量が所定の日射変化量よりも小さい所定時間帯(30分毎)のうち、最小日射量を示す第1の時間帯と、最大日射量を示す第2の時間帯を抽出する。次に、監視装置は、太陽電池アレイにおける動作電流と短絡電流との比(上記各式における「J」)を用いて、第1及び第2の時間帯における、検査対象の太陽電池ストリングの想定電力値をそれぞれ算出(式(4)を用いて算出)する。さらに、監視装置は、第1及び第2の時間帯において、検査対象の太陽電池ストリングの計測電力値と、第1の時間帯の想定電力値及び第2の時間帯の想定電力値とから、第1の時間帯における第1の電力損失、及び第2の時間帯における第2の電力損失を算出する(例えば、((想定電力値−計測電力値)/想定電力値)の絶対値を損失(%)とする)。そして、監視装置は、第1及び第2の電力損失に基づいて、検査対象の太陽電池ストリングの故障を検出する。具体的には、第1及び第2の電力損失の何れかが所定の故障判定閾値以上の場合に検査対象の太陽電池ストリングに故障が存在すると判定される(ステップ1310参照)。なお、故障判定閾値は、前記太陽電池ストリングの前記太陽電池モジュールを構成する複数のセルのうち1つのセルが故障した場合の電力損失を検知できるような値に設定される。このようにすることにより、通常故障と判定されないようなわずかな電力損失があった場合にも精度よく故障を検知することが可能となる。
7a 太陽電池ストリング群
7b 接続箱
7c パワーコンディショナ
7d 集電ラック
7f 日射計
7g 気温計
7h 変換器
7i 監視装置
Claims (15)
- 複数の太陽電池モジュールを直列接続して太陽電池ストリングが構成され、複数の太陽電池ストリングを並列接続して構成される太陽電池アレイを有する太陽光発電システムであって、
前記複数の太陽電池ストリングのそれぞれの電流及び電圧を計測する複数のストリング計測器と、
前記太陽電池アレイの電流及び電圧を計測するアレイ計測器と、
前記複数の太陽電池ストリングのそれぞれの電力損失を算出し、各太陽電池ストリングにおける故障を検出する計算機と、を有し、
前記計算機は、
一日におけるそれぞれの所定時間帯の日射変化量の情報を取得し、当該日射変化量が所定の日射変化量よりも小さい前記所定時間帯のうち、最小日射量を示す第1の時間帯と、最大日射量を示す第2の時間帯を抽出する処理と、
前記太陽電池アレイにおける動作電流と短絡電流との比を用いて、前記第1及び第2の時間帯における、検査対象の太陽電池ストリングの想定電力値をそれぞれ算出する処理と、
前記第1及び第2の時間帯において、前記検査対象の太陽電池ストリングの計測電力値と、前記第1の時間帯の想定電力値及び前記第2の時間帯の想定電力値とから、前記第1の時間帯における第1の電力損失、及び前記第2の時間帯における第2の電力損失を算出する処理と、
前記第1及び第2の電力損失に基づいて、前記検査対象の太陽電池ストリングの故障を検出する処理と、
を実行することを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項1において、
前記計算機は、前記第1及び第2の電力損失の何れかが所定の故障判定閾値以上の場合に前記検査対象の太陽電池ストリングに故障が存在すると判定することを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項2において、
前記計算機は、前記検査対象の太陽電池ストリングに故障が存在すると判定した場合、前記第1の電力損失と前記第2の電力損失の大きさの比較結果により故障要因を特定することを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項1において、
前記計算機は、前記第1及び第2の時間帯における、前記検査対象の太陽電池ストリングの想定電力値をそれぞれ算出する処理において、
前記太陽電池モジュールの基準状態における短絡電流、開放電圧、動作電圧、及び動作電流のデータに基づいて、前記太陽電池アレイにおける動作電流と短絡電流との比と、前記太陽電池アレイの測定電流及び測定電圧とから、前記太陽電池アレイで想定される日射量と想定される動作温度とを算出し、
前記算出された想定される日射量と想定される動作温度を用いて、前記太陽電池のストリングの想定電力値を算出することを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項2において、
前記故障判定閾値は、前記太陽電池ストリングの前記太陽電池モジュールを構成する複数のセルのうち1つのセルが故障した場合の電力損失を検知できるような値に設定されることを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項1において、
前記計算機は、前記第1の時間帯の平均日射量と前記第2の時間帯の平均日射量の差がある所定の日射量閾値を越えた場合に診断を有効にすることを特徴とする太陽光発電システム。 - 複数の太陽電池モジュールを直列接続して太陽電池ストリングが構成され、複数の太陽電池ストリングを並列接続して構成される太陽電池アレイを有する太陽光発電システムであって、
前記複数の太陽電池ストリングのそれぞれの電流を計測する複数のストリング計測器と、
前記太陽電池アレイの電流を計測するアレイ計測器と、
前記複数の太陽電池ストリングのそれぞれの電流損失を算出し、各太陽電池ストリングにおける故障を検出する計算機と、を有し、
前記計算機は、
一日におけるそれぞれの所定時間帯の日射変化量の情報を取得し、当該日射変化量が所定の日射変化量よりも小さい前記所定時間帯のうち、最小日射量を示す第1の時間帯と、最大日射量を示す第2の時間帯を抽出する処理と、
前記第1及び第2の時間帯における前記太陽電池アレイの電流値を用いて、前記第1及び第2の時間帯における、検査対象の太陽電池ストリングの基準電流値をそれぞれ算出する処理と、
前記第1及び第2の時間帯において、前記検査対象の太陽電池ストリングの計測電流値と、前記第1の時間帯の基準電流値及び前記第2の時間帯の基準電流値とから、前記第1の時間帯における第1の損失、及び前記第2の時間帯における第2の損失を算出する処理と、
前記第1及び第2の損失に基づいて、前記検査対象の太陽電池ストリングの故障を検出する処理と、
を実行することを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項7において、
前記計算機は、前記第1及び第2の損失の何れかが所定の故障判定閾値以上の場合に前記検査対象の太陽電池ストリングに故障が存在すると判定することを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項8において、
前記計算機は、前記検査対象の太陽電池ストリングに故障が存在すると判定した場合、前記第1の損失と前記第2の損失の大きさの比較結果により故障要因を特定することを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項7において、
前記計算機は、前記第1の時間帯の平均日射量と前記第2の時間帯の平均日射量の差がある所定の日射量閾値を越えた場合に診断を有効にすることを特徴とする太陽光発電システム。 - 複数の太陽電池モジュールを直列接続して太陽電池ストリングが構成され、複数の太陽電池ストリングを並列接続して構成される太陽電池アレイを有する太陽光発電システムの故障診断方法であって、
複数のストリング計測器が、前記複数の太陽電池ストリングのそれぞれの電流及び電圧を計測するステップと、
アレイ計測器が、前記太陽電池アレイの電流及び電圧を計測するステップと、
プロセッサが、一日におけるそれぞれの所定時間帯の日射変化量の情報を取得し、当該日射変化量が所定の日射変化量よりも小さい前記所定時間帯のうち、最小日射量を示す第1の時間帯と、最大日射量を示す第2の時間帯を抽出するステップと、
前記プロセッサが、前記太陽電池アレイにおける動作電流と短絡電流との比を用いて、前記第1及び第2の時間帯における、検査対象の太陽電池ストリングの想定電力値をそれぞれ算出するステップと、
前記プロセッサが、前記第1及び第2の時間帯において、前記検査対象の太陽電池ストリングの計測電力値と、前記第1の時間帯の想定電力値及び前記第2の時間帯の想定電力値とから、前記第1の時間帯における第1の電力損失、及び前記第2の時間帯における第2の電力損失を算出するステップと、
前記プロセッサが、前記第1及び第2の電力損失に基づいて、前記検査対象の太陽電池ストリングの故障を検出するステップと、
を含むことを特徴とする太陽光発電システムの故障診断方法。 - 請求項11において、
前記故障を検出するステップにおいて、前記プロセッサは、前記第1及び第2の電力損失の何れかが所定の故障判定閾値以上の場合に前記検査対象の太陽電池ストリングに故障が存在すると判定することを特徴とする太陽光発電システムの故障診断方法。 - 請求項12において、さらに、
前記プロセッサが、前記検査対象の太陽電池ストリングに故障が存在すると判定した場合、前記第1の電力損失と前記第2の電力損失の大きさの比較結果により故障要因を特定するステップを含むことを特徴とする太陽光発電システムの故障診断方法。 - 請求項11において、
前記第1及び第2の時間帯における、前記検査対象の太陽電池ストリングの想定電力値をそれぞれ算出するステップにおいて、前記プロセッサは、(i)前記太陽電池モジュールの基準状態における短絡電流、開放電圧、動作電圧、及び動作電流のデータに基づいて、前記太陽電池アレイにおける動作電流と短絡電流との比と、前記太陽電池アレイの測定電流及び測定電圧とから、前記太陽電池アレイで想定される日射量と想定される動作温度とを算出し、(ii)前記算出された想定される日射量と想定される動作温度を用いて、前記太陽電池ストリングの想定電力値を算出することを特徴とする太陽光発電システムの故障診断方法。 - 請求項11において、さらに、
前記プロセッサが、前記第1の時間帯の平均日射量と前記第2の時間帯の平均日射量の差がある所定の日射量閾値を越えた場合に診断を有効にするステップを含むことを特徴とする太陽光発電システムの故障診断方法。
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