JP2016149832A - 太陽光発電システム、及びその故障診断方法 - Google Patents

太陽光発電システム、及びその故障診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より少ない出力変化でも太陽電池ストリングの故障の検知を可能とし、故障発生要因を特定することを可能とする技術を提供する。【解決手段】太陽光発電システムにおける監視装置は、(i)一日において、最小日射量を示す第1の時間帯と、最大日射量を示す第2の時間帯を抽出する処理と、(ii)太陽電池アレイにおける動作電流と短絡電流との比を用いて、第1及び第2の時間帯における、検査対象の太陽電池ストリングの想定電力値をそれぞれ算出する処理と、(iii)第1及び第2の時間帯において、検査対象の太陽電池ストリングの計測電力値と、第1の時間帯の想定電力値及び第2の時間帯の想定電力値とから、第1及び第2の時間帯における第1及び第2の電力損失を算出する処理と、(iv)第1及び第2の電力損失に基づいて、検査対象の太陽電池ストリングの故障を検出する処理と、を実行する。【選択図】図7

Description

本発明は、太陽光発電システム、及びその故障診断方法に関し、例えば、多数の太陽電池モジュールで構成される太陽光発電システムの故障診断技術に関するものである。
メガソーラーに代表される大規模な太陽光発電システムでは、数千枚〜数十万枚におよぶ200〜300wクラスの太陽電池モジュールが一箇所の発電サイトに配置される。そして、この大規模太陽光発電システムには、故障検出技術やメンテナンス技術が必要とされている。それぞれの太陽電池モジュールは、経年劣化により、同じ日射量、温度条件における出力が徐々に低下する。しかし、一部のモジュールは、製造上の品質や物理的な損傷により、出力が急激に低下する。出力が急激に低下した状態を本明細書では「故障」と呼ぶこととする。
数千枚〜数十万枚におよぶ200〜300wクラスの太陽電池モジュールから故障を検出するために、例えば、特許文献1には、太陽電池モジュール毎に計測手段と通信手段を設け、通信手段から送信された結果と閾値を比較することによって故障を判定する方法が提案されている。また、特許文献2には、計測手段のコスト制約から太陽電池モジュールが直列に接続された太陽電池ストリングと呼ばれる単位に計測手段を接続し、故障を判定する方法が述べられている。さらに、特許文献3には、全体の平均から計算されるストリングの平均電流と各ストリング電流を比較し、一割合低下すれば故障と判定する方法が述べられている。このように特許文献1乃至3には、太陽電池モジュール毎に計測手段と通信手段を設ける方法と太陽電池ストリング毎に計測手段と通信手段を設ける方法が記載されている。
特開2010−123880号公報 特開2005−340464号公報 特許5584622号公報
しかしながら、太陽電池ストリング毎の計測手段や通信手段は、太陽電池ストリングを並列に接続するための接続箱に設置されることが一般的であるのに対し、太陽電池モジュール一つ一つに搭載する計測手段や通信手段は、それらを設置するための設置手段を新たに用意する必要がある。この設置手段には、10〜20年といった耐用年数のものをする必要があり、非常に大きな設置コストになる。したがって、多くのメガソーラーサイトにおいては、太陽電池ストリング毎に計測手段と通信手段を設ける方法を採用されることが一般的である。
また、特許文献1には、故障した太陽電池ストリングを判定するための閾値を設けることも記載されている。特許文献2には、日照時刻に対する各標準出力電力値を予め記憶し、その標準出力電力値と出力を比較することで、故障と判定することも記載されている。特許文献3には、ストリング電流の平均値と各ストリング電流を比較することで、故障の判定を行う方法も記載されている。
しかしながら、特許文献1乃至3に開示されるような従来の太陽電池システムの検査方法では、日射強度や気温などの環境条件によって出力特性が大きく変動するため、太陽電池モジュールの故障や劣化による太陽電池ストリングの出力低下を判断する閾値を設定することが困難である。また、太陽電池ストリングにどのような故障が発生しているかを推定することも困難であるため、その後の発電サイトの保守計画も立てにくいという課題がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、大規模な太陽光発電システムの太陽電池ストリング毎の計測手段や通信手段を設置する場合において、より少ない出力変化でも故障であるか否かの判定を可能とする技術を提供するものである。また、本発明は、太陽電池ストリングの故障発生要因を特定することを可能とする技術を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明は、複数の太陽電池モジュールを直列接続して太陽電池ストリングが構成され、複数の太陽電池ストリングを並列接続して構成される太陽電池アレイを有する太陽光発電システムを提供する。当該システムは、複数の太陽電池ストリングのそれぞれの電流及び電圧を計測する複数のストリング計測器と、太陽電池アレイの電流及び電圧を計測するアレイ計測器と、複数の太陽電池ストリングのぞれぞれの電力損失を算出し、各太陽電池ストリングにおける故障を検出する計算機と、を有する。そして、当該計算機は、(i)一日における所定時間帯毎の日射変化量の情報を取得し、当該日射変化量が所定の日射変化量よりも小さい所定時間帯のうち、最小日射量を示す第1の時間帯と、最大日射量を示す第2の時間帯を抽出する処理と、(ii)太陽電池アレイにおける動作電流と短絡電流との比を用いて、第1及び第2の時間帯における、検査対象の太陽電池ストリングの想定電力値をそれぞれ算出する処理と、(iii)第1及び第2の時間帯において、検査対象の太陽電池ストリングの計測電力値と、第1の時間帯の想定電力値及び第2の時間帯の想定電力値とから、第1の時間帯における第1の電力損失、及び第2の時間帯における第2の電力損失を算出する処理と、(iv)第1及び第2の電力損失に基づいて、検査対象の太陽電池ストリングの故障を検出する処理と、を実行する。
本発明に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、本発明の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。
本発明によれば、大規模な太陽光発電システムにおいて、より少ない出力変化でも太陽電池ストリングの故障を検出することができるようになる。
本発明の実施形態による太陽電池モジュールの構成例を示す図である。 本発明の実施形態による太陽電池ストリングと配線の構成例を示す図である。 本発明の実施形態による太陽電池の故障とその要因との関係を示す図である。 本発明の実施形態による、はんだ剥がれが発生した場合の太陽電池の等価回路上の主要因を示す図(図4(a))と、はんだ剥がれが発生した場合の太陽電池ストリング特性の変化を示す図(図4(b))である。 本発明の実施形態による、セル劣化が発生した場合の太陽電池の等価回路上の主要因を示す図(図5(a))と、セル劣化が発生した場合の太陽電池ストリング特性の変化を示す図(図5(b))である。 本発明の実施形態による、断線が発生した場合の太陽電池の等価回路上の主要因を示す図(図6(a))と、断線が発生した場合の太陽電池ストリング特性の変化を示す図(図6(b))である。 本発明の実施形態によるメガソーラー発電サイトの構成例を示す図である。 本発明の実施形態による太陽光発電システムの接続箱内において、太陽電池ストリング特性をモニターするための回路構成例を示す図である。 本発明の実施形態による、太陽電池ストリングに流れる電流を検出するための回路構成例を示す図である。 本発明の実施形態による、太陽電池ストリングに流れる電流を検出するための別の回路構成例を示す図である。 本発明の実施形態による監視装置のハードウェア構成例を示す図である。 本発明の実施形態による、メガソーラー発電サイトの1日における所定の時間ごとの日射変化と日射量の時間推移(例)を示す図である。 本発明の第1の実施形態による、太陽電池ストリングの故障判定処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施形態による、太陽電池アレイに照射される日射量と動作温度を算出する処理(ステップ1304及び1307)の詳細を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施形態による、太陽電池ストリングの故障判定結果を表示するための画面例(GUI)を示す図である。 本発明の第2の実施形態による、太陽電池ストリングの故障判定処理説明するためのフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。添付図面は本発明の原理に則った具体的な実施形態と実装例を示しているが、これらは本発明の理解のためのものであり、決して本発明を限定的に解釈するために用いられるものではない。
本実施形態では、当業者が本発明を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本発明の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
更に、本発明の実施形態は、後述されるように、汎用コンピュータ上で稼動するソフトウェアで実装しても良いし専用ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装しても良い。
以下では「CPU(プロセッサ)」を主語(動作主体)として本発明の実施形態における各処理について説明を行うが、プログラムを主語とした説明としてもよい。また、プログラムを主語として開示された処理は管理サーバ等の計算機、情報処理装置が行う処理としてもよい。プログラムの一部または全ては専用ハードウェアで実現してもよく、また、モジュール化されていても良い。各種プログラムはプログラム配布サーバや記憶メディアによって各計算機にインストールされてもよい。
(A)第1の実施形態
第1の実施形態は、2つの時間帯において、太陽電池アレイ(アレイ:複数のストリングを並列につなげて構成されるもの)の動作電流と動作電圧から想定日射量と想定温度を求め、算出された想定日射量と想定温度の条件下での太陽電池ストリング(ストリング:複数のモジュールを直列につなげて構成されるもの)の理想電力(理論上期待される電力)とストリングの実電力(実測によって得られる電力)を比較し、2つの時間帯における理想電力と実電力の割合から太陽電池ストリングの故障診断を行う方法について開示する。まず、本発明の実施形態が適用されるメガソーラー発電サイトにおける太陽光発電システムについて説明し、その後、当該故障診断方法について説明する。
<太陽モジュールの構成>
図1は、本発明の実施形態による太陽電池モジュールの構成例を示す図である。太陽電池モジュールの主要コンポーネントである太陽電池セル1aは、セルの電極間をはんだ付けによりインターコネクタと呼ばれる配線1bで接続される。充填剤1dは、太陽電池セル1aとガラス1c及びバックシート1eとを接着するのと同時に、太陽電池セル1aや配線1bを衝撃から保護する。ジャンクションBOX1fには、バイパスダイオード1gが搭載されている。
図2は、太陽電池モジュールの等価回路の構成例を示す図である。図2に示すように、太陽電池モジュール2gは、太陽電池セル2fを複数枚直列に並べ、バイパスダイオード2eで区切られたものとして表すことができる。このバイパスダイオード2eは、太陽電池モジュール2gに逆バイアスが掛かった時、逆方向電流が流れるのを防止するために取り付けられている。さらに、太陽電池モジュール2gを複数枚直列に並べたものを太陽電池ストリング2hと呼ぶ。太陽電池セル2fは、電流源2a、pn接合ダイオード2b、シャント抵抗(pn接合間の漏れ電流の程度を表すもの)2c、及び直列抵抗2dで構成される等価回路で表すことできる。図2で示されるように、当該等価回路は、電源2aとpn接合ダイオード2bとシャント抵抗2cとが並列に接続され、それらに対して直列抵抗2dが直列に接続されている。日射量の比例した電流が、電流源2aから供給される。
<太陽電池モジュールの劣化・故障の要因>
図3は、太陽電池モジュールの劣化・故障の要因を説明するための図である。
太陽電池モジュールの劣化・故障の要因は、主要コンポーネントであるPVセル(セル1aに対応)のみではなく、モジュールを構成する充填剤やセルを接続する配線材の劣化によるところが大きい。これらの劣化・故障現象は、図3に示すように、等価回路のパラメータに反映し、定量的に把握することが可能である。コンポーネントに起因する故障や劣化は、いくつかの故障モード(はんだ剥がれ、セル劣化、断線)に大別でき、モード別に、等価回路上の各パラメータ(直列抵抗、シャント抵抗、バイパスダイオード動作)へ反映される。
(i)はんだ剥がれの場合
図4(a)は、故障モードがはんだ剥がれの場合の等価回路上のパラメータを示す図である。はんだ剥がれの場合、直列抵抗4aの値が上昇する。電流が流れる配線部分の抵抗が増加するため、故障モードがはんだ剥がれの場合は、日射量が大きいほど電圧降下が大きくなり、損失が大きくなる。
図4(b)は、はんだ剥がれの場合の損失の様子(一例)を示す図である。正常で日射量が1.0kW/mにおけるストリングは、電力−電圧曲線4bに示す特性であるのに対し、はんだ剥がれが発生したストリングは、電力−電圧曲線4cに示す特性に変化する。この場合の損失量は、4.5%である。一方、正常で日射量が0.4kW/mにおけるストリングは、電力−電圧曲線4dに示す特性であるのに対し、はんだ剥がれが発生したストリングは、電力−電圧曲線4eに示す特性に変化し、損失量は、2.1%である。
(ii)セル劣化の場合
図5(a)は、故障モードがセル劣化の場合の等価回路上のパラメータを示す図である。セルが劣化した場合、シャント5aの値が減少する。この場合、日射量が小さいほど漏れ電流の割合が大きくなり、損失が大きくなる。
図5(b)は、セル劣化の場合の損失の様子(一例)を示す図である。正常で日射量が1.0kW/mにおけるストリングは、電力−電圧曲線5bに示す特性であるのに対し、セル劣化が発生したストリングは、電力−電圧曲線5cに示す特性に変化する。この場合の損失量は、5.6%である。一方、正常で日射量が0.4kW/mにおけるストリングは、電力−電圧曲線5dに示す特性であるのに対し、セル劣化が発生したストリングは、電力−電圧曲線5eに示す特性に変化し、損失量は、13.9%である。
(iii)断線の場合
図6(a)は、故障モードが断線の場合の等価回路上のパラメータを示す図である。断線の場合、バイパスダイオード6aが、常に動作した状態になる。この場合、有効となるセル数の比率の割合に依存するため、日射量に依らず、損失は同じ値になる。
図6(b)は、断線の場合の損失の様子(一例)を示す図である。正常で日射量が1.0kW/mにおけるストリングは、電力−電圧曲線6bに示す特性であるのに対し、断線が発生したストリングは、電力−電圧曲線6cに示す特性に変化する。この場合の損失量は、2.2%である。一方、正常で日射量が0.4kW/mにおけるストリングは、電力−電圧曲線6dに示す特性であるのに対し、断線が発生したストリングは、電力−電圧曲線6eに示す特性に変化し、損失量は、2.4%であり、同一値と見て問題ない。
本発明の実施形態では、図4乃至6で示した故障モードによって日射量に対する損失変化が異なるという性質を利用して故障診断を行っている。
<メガソーラー発電サイトの構成>
図7は、メガソーラー発電サイト(太陽光発電システム)の構成例を示す図である。メガソーラー発電サイト7は、複数の太陽電池ストリング群7aと、複数の接続箱7bと、パワーコンディショナ7cと、を有している。各ストリング群7aからの電力が複数の接続箱7bを介してパワーコンディショナ7cに伝送される。パワーコンディショナ7cは、集電とDC/DCコンバータを兼ねる集電ラック7dと、AC/DCインバータ7eとによって構成される。集電ラック7dに接続された複数の太陽電池ストリング群7aから最大電力を取り出せるよう制御することをMPPT制御(Maximum Power Point Tracking)と呼ぶ。このMPPT制御は、DC/DCコンバータ7d内部の電流計と電圧計において計測された直流電力を用い、制御することによって達成されるものである。直流昇圧コンバータであるDC/DCコンバータ7dは、太陽電池アレイからの直流電圧を昇圧してAC/DCインバータ7eに供給する。これにより、変換された交流電圧、交流電流が系統に連系(interconnect)される。
メガソーラー発電サイト7には、日射計7fや気温計7gが設置され、変換器7hによって4〜20mAの電流信号に変換され、パワーコンディショナ7cに送信される。そして、パワーコンディショナ7cは、同期化された直流電流と直流電圧、日射量(電流値)、及び気温(電流値)を、監視装置7iに送信する。
一方、各接続箱7bにおいても計測装置が設置される。ストリング毎に計測された直流電流と直流電圧は、伝送経路を介して、監視装置7iに送信される。つまり、監視装置7iには、メガソーラーサイトの日射量と気温、太陽電池アレイの直流電圧と直流電流、各ストリングの直流電流と直流電圧の情報が集約される。
<太陽アレイの構成>
図8は、太陽電池アレイの構成例を示す図である。太陽アレイは、太陽電池ストリング8aを接続箱8cにおいて並列接続することによって構成される。各ストリングには、逆方向に電流が流れ込むのを防止するための逆流防止ダイオード8bが取り付けられている。この接続箱8c(図7の7bに対応)内に、ストリング計測装置8dが設置される。
ストリング計測装置8dは、各ストリングに流れる直流電流を計測するストリング電流計測装置8eと直流電圧を計測する電圧計測装置8fで構成される。電圧計測装置8fで計測された各ストリングの直流電流と直流電圧は、サンプリング処理部にて標本化処理され、信号変換伝送装置によって、パラレルーシリアル変換されてから監視装置8h(図7の7iに対応)に送信される。
<ストリング電流計測装置の構成例>
図9は、ストリング電流計測装置8eの一構成例を示したものである。ストリング電流計測装置8eは、検出抵抗9aと、反転増幅回路9bと、AD変換器と、を有している。
検出抵抗9aは、ストリングに流れる電流を電圧に変換する。そして、反転増幅回路9bは、検出抵抗9aによって変換された電圧をAD変換器で処理できるレベルまで電圧信号を増幅する。AD変換器には、ローパスフィルタが内包されており、これによりリップル成分や検出抵抗の熱雑音の高周波成分が除去される。
図10は、ストリング電流計測装置8eの他の構成例を示す図である。当該ストリング電流計測装置8eは、CTセンサ10aと、バッファ回路10bと、非反転増幅回路10cと、AD変換器と、を有している。CTセンサ10aは、ストリングに流れる電流を電圧に変換する。バッファ回路10bは、変換して得られる電圧をインピーダンス変換する。そして、非反転増幅回路は、AD変換器で処理できるレベルまで電圧信号を増幅する。図9と同様に、AD変換器はローパスフィルタを内包していても良い。
<監視装置の構成>
図11は、監視装置7i(図8では8h)のハードウェア構成例を示す図である。監視装置7iは、通常のコンピュータによって構成され、各種プログラムを実行するCPU等のプロセッサ1101と、各種プログラムを格納するメモリ1102と、必要なパラメータ、データや計測値等を格納する記憶装置1103と、演算結果等を出力する出力装置1104と、オペレータによる指示やデータを入力するための入力装置1105と、通信のためのインタフェースとなる通信デバイス1106と、を有し、これらがバス1107を介して接続されている。出力装置1104は、例えば、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ等が該当する。入力装置1105は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等が該当する。
メモリ1102は、少なくとも、後述する故障診断プログラム(図13及び図14のプログラム、或いは図16のプログラム)を格納する。
<太陽光発電システムの故障診断の原理>
以下、本発明の実施形態による太陽光発電システムの故障診断方法において、単位面積当たりの日射量(太陽電池アレイに照射されている日射強度)と太陽電池の動作温度を算出する方法について説明する。単位面積当たりの日射量と太陽電池の動作温度は、パワーコンディショナ7cでの計測値(太陽アレイの電流・電圧計測値)から算出される。本明細書では、太陽電池において、電圧が0つまり短絡されるときの電流を短絡電流、電流が0つまり開放される時の電圧を開放電圧、最大電力を取り出すことができる動作点の電流、電圧をそれぞれ最大動作電流、最大動作電圧と呼ぶこととする。
本発明者らは、本発明を着想するに当たり、大規模な太陽光発電システムを構成する数万枚におよぶ100〜200wクラスの太陽電池モジュールを評価した。そして、本発明者らは、この評価結果から、太陽電池モジュールの製造ばらつきや種類によらず、動作電流と短絡電流が非常に高い相関を有していることを見出した。また、本発明者らは、太陽電池モジュール毎によって決定される動作電流と短絡電流の比J(=動作電流/短絡電流)は、MPPT制御が行われる日射量0.1〜1.0kW/mの範囲や実使用上の温度範囲においても、ほぼ一定に保たれることを見出した。つまり、太陽電池モジュールが劣化したとしてもJは一定となっている。なお、本明細書において、この動作電流と短絡電流の比Jを、所定の係数と呼ぶ場合がある。
以上のように見出された動作電流と短絡電流との関係に基づき、以下に説明するようなCPU1101によって演算が実行され、ストリング電力の理想値が算出される。
計測される最大動作電流をIpmax_b、標準状態である日射量1.0kW/m、25℃における短絡電流、最大動作電流をIsc_0、Ipmax_0とそれぞれ定義し、動作温度Tbとした時、日射量pbは、短絡電流の温度係数αを用いて、式(1)〜(3)より算出することが出来る。
J = Ipmax_0 / Isc_0 ・・・(1)
Isc_0 [Tb] = Isc_0 + α・(Tb - 25) ・・・(2)
pb = (Ipmax_b / J ) / Isc_0 [Tb] ・・・(3)
なお、パワーコンディショナ7cに集約される太陽電池アレイの単位で考え、故障した太陽電池モジュールを含む太陽電池ストリングを早期に見つけることを鑑みれば、太陽電池アレイ単位での動作電流と短絡電流の比Jも、一定に保たれると考えても問題ない。
以上の関係から、本発明の実施形態による故障診断方法においては、まず、パワーコンディショナ7cで計測される太陽電池アレイ単位での動作電流と短絡電流の比Jを用いて、想定日射量を算出する。次に、パワーコンディショナ7cで計測される太陽電池アレイ単位での動作電圧を用いて、太陽電池アレイの動作温度である想定動作温度を算出する。これらの算出された想定日射量と想定温度を活用することにより、ストリング単位での故障診断を行う。
I:出力電流[A]、Is:逆方向飽和電流[A]、V:出力電圧 [V]、Isc:短絡電流 [A]、T:太陽電池素子絶対温度[K]、 k:ボルツマン定数[J/K]、Rs:配線抵抗[Ω]、q:電子の電荷量[C]、Rsh :シャント抵抗[Ω]、nf:接合定数、及びp:日射量[kW/m2]のパラメータとすると、セル数がNcellで構成される太陽電池モジュール2gの出力電力を算出するための式は、式(4)で表すことができる。
I = Isc ・p−Is・{exp(q・(V/(Ncell) + Rs・I) / (nf・k・T))}−(V/(Ncell)+Rs・I) / Rsh・・・(4)
続いて、1つのモジュールについて出力電圧の算出式(4)を用いて、太陽電池アレイの電流−電圧特性を算出する方法について説明する。なお、本明細書においては、このアレイの計算をアレイ演算と呼ぶこととする。アレイ演算は、ストリング解析とアレイ解析の組み合わせによって実現される。
ストリング解析を行うときは、複数のモジュールに流れる電流 は共通となる。よって、ある電流Iが流れている場合における各太陽電池のモジュール電圧:V[1]、V[2]、V[3]、・・・ V[N-1]、V[N]を式(4)から求め、その和Vstringを求めればストリング電圧を算出することができる。式(4)から電圧を計算する場合、逆関数となるが、ニュートン法などの繰り返し演算を適用することで簡単に求めることが可能である。モジュールにはんだ剥がれや断線があると、正常時のモジュール電圧に比べて電圧が下がり、断線の場合には、バイパスダイオードが機能するため、その電圧はほぼ0として考える。
一方、アレイ解析を行うときは、複数のストリングに係る電圧は共通となる。よって、ある電圧Vが掛かっている場合における各ストリングから取り出される電流:I[1]、I[2]・・・I[N]を式(4)から求め、その和Iarrayを求めればストリング電流を算出することができる。つまり、アレイ演算は、ストリング解析とアレイ解析の組み合わせにより太陽電池アレイの電流−電圧特性を求める演算である。
また、本実施形態の故障診断方法においては、動作温度(想定温度)に関してもパワーコンディショナで計測される最大動作電流Ipmax_b、及び最大動作電圧Vpmax_bのみから算出する。通常、アレイの裏側に温度センサ(熱電対を用いる)を取り付けて動作温度を計測するが、一般的に、温度センサは計測精度が低いため、本実施形態では演算で動作温度Tbを求める。ここで、開放電圧の温度係数β[V/℃]を用いると、太陽電池アレイの開放電圧Voc_bは、常温Taにおける開放電圧をVoc_aとすると、式(5)のように表すことができる。
Voc_b = Voc_a + β・(Tb − Ta) ・・・(5)
次に、前述の係数Jを用いると、同様に動作温度Tbの条件において、Ipmax_bは式(6)のように表すことができる。
Ipmax_b = J・Isc_b・p ・・・(6)
ここで、Isc_b は、動作温度Tb、日射量1.0kW/mにおける短絡電流であり、式(2)より求まる値である。
さらに、動作電圧Vpmax_b、開放電圧Voc_bは、それぞれ式(7)及び式(8)で表される。
Vpmax_b = Ncell・(nf ・k・Tb ) / q ・ ln { ( Isc_b・pb − Ipmax_b) / Is }・・・(7)
Voc_b = Ncell・(nf ・k・Tb ) / q ・ln { ( Isc_b・pb ) / Is } ・・・(8)
式(7)と式(8)を纏めると、式(9)のようになる。
Vpmax_b −Voc_b = Ncell・((nf ・k・ T b) / q) ・ln (1 − J ) ・・・(9)
式(9)に式(5)を代入すると、式(10)のようになる。
Tb = (Vpmax_b−Voc_a−β・Ta ) / Ncell・ (nf ・k/ q )・ ln (1 −J ) + β)・・・(10)
つまり、式(10)で与えられる1次方程式を解くことによって、パワーコンディショナで計測された動作電圧Vpmax_bと常温時の開放電圧から、太陽電池アレイ動作温度Tb(=想定温度)を算出することが可能である。
<故障診断に用いるデータの選択>
図12は、メガソーラー発電サイトの1日における所定の時間ごとの日射変化と日射量の時間推移を示す図である。図12には、ある所定の快晴の日における5秒毎の日射変化量と日射量の観測値が示されている。ここでは、図12を用いて、日射の安定の判別方法と時間帯を2つ選択する方法について説明する。
本実施形態では、5秒毎の日射変化量(絶対値)が、0.015kW/m未満になるような状態が30分続いた状態を安定な時間帯と定義する。図12では、安定な時間帯が5つ選択されている。選択された時間帯で、最も大きい日射量の時間帯を開始時刻(1)の時間帯と定義し、最も小さい日射量の時間帯を開始時刻(2)の時間帯と定義する。ここで、開始時刻(1)の時間帯と開始時刻(2)の時間帯の平均日射量の差分が所定の値よりも小さい場合は、故障診断を行わず、所定の値よりも大きい場合のみ故障診断を行うこととする。また、1日で安定した時間帯が2つ以上取得できなかった場合(例えば、雨の日など)にも故障診断は行わない。なお、本発明の実施形態による故障診断は、メガソーラー発電サイトの1日の動作が終了した後に実行されるものである。
<太陽電池ストリングの故障診断処理>
図13は、本発明の第1の実施形態による太陽電池ストリング故障診断処理を説明するためのフローチャートである。当該故障診断処理では、各故障モードにおける日射と損失の関係、メガソーラーの構成、算出式を用いられる。当該故障診断処理を実行する前提として、太陽電池アレイの測定電圧及び測定電流(PCS電圧及びPCS電流)、各太陽電池ストリングの測定電圧及び電流(ストリング電圧1〜n、及びストリング電流1〜n)を取得している必要がある。
(i)ステップ1301
監視装置7iのCPU1101は、式(1)〜(3)を用いて、パワーコンディショナ7c(以降PCS:Power Conditioner System)で計測されるPCS電流から太陽電池アレイに照射されている日射量(想定日射量)を算出する。
(ii)ステップ1302
CPU1101は、図12で説明した方法より、日射変化量が安定した時間帯を抽出する。
(iii)ステップ1303
CPU1101は、ステップ1301で算出した想定日射量を用いて、故障診断の可否を判断する。例えば、想定日射量が所定値未満であった場合、開始時刻(1)の時間帯の平均日射量と開始時刻(2)の時間帯の平均日射量の差が所定日射量(所定の閾値)よりも小さい場合や、ステップ1302で抽出された日射変化量安定時間帯が2つ未満であった場合には、故障診断処理は実行しないと判断され、処理は終了する。
また、CPU1101は、ステップ1302で抽出された日射変化量安定時間帯の中から、最大日射量の時間帯を開始時刻(1)の時間帯とし、最小日射量の時間帯を開始時刻(2)の時間帯として設定する。
(iv)ステップ1304
CPU1101は、開始時刻(1)における太陽電池アレイの動作温度(想定温度)を算出し、想定日射量の温度補正を行う。ステップ1304の処理の詳細については、図14を用いて後述する。
(v)ステップ1305
ステップ1304で開始時刻(1)の時間帯における想定日射量(補正値)、及び想定温度が算出されると、CPU1101は、想定日射量及び想定温度におけるストリング電力の理想値を算出する。より具体的には、太陽電池モジュールに関する出力電流を求めるための式(4)を太陽電池ストリングに換算し(式(4)におけるセル数Ncellがストリングにけるセル数となる)、当該式とステップ1304で算出された想定電流値を用いて想定電力値を算出し、ストリング電力(理想値)を求めることとなる。
(vi)ステップ1306
CPU1101は、開始時刻(1)における損失1を算出する。当該損失1は、ストリング電力の実測値が理想値よりもどの程度低下しているかを示す値(%)である。
(vii)ステップ1307
CPU1101は、開始時刻(2)における太陽電池アレイの動作温度(想定温度)を算出し、想定日射量の温度補正を行う。ステップ1307の処理の詳細は、ステップ1304と同様、図14に示される通りである。
(viii)ステップ1308
ステップ1307で開始時刻(2)の時間帯における想定日射量(補正値)、及び想定温度が算出されると、CPU1101は、想定日射量及び想定温度におけるストリング電力の理想値を算出する。より具体的には、太陽電池モジュールに関する出力電流を求めるための式(4)を太陽電池ストリングに換算し(式(4)におけるセル数Ncellがストリングにけるセル数となる)、当該式とステップ1304で算出された想定電流値を用いて想定電力値を算出し、ストリング電力(理想値)を求めることとなる。
(ix)ステップ1309
CPU1101は、開始時刻(2)における損失2を算出する。損失2も、ストリング電力の実測値が理想値よりもどの程度低下しているかを示す値(%)である。
(x)ステップ1310
CPU1101は、上記損失1及び損失2が共に予め設定した故障判定のための閾値に達しているか判断する。損失1及び損失2が共に当該閾値未満である場合(ステップ1310でYes)、処理はステップ1311に移行する。何れかが当該閾値以上である場合(ステップ1310でNo)、処理はステップ1312に移行する。なお、故障判定のための閾値は、例えば、太陽電池ストリングに含まれるセル数をNとすると、1つのセルが故障した場合でも検出したいので、1/N(%)に設定される。N=42(14モジュール、42セル)の場合、当該閾値は2.4%に設定すると良い。
このように、本発明の実施形態のポイントは、日照変化量が安定した時間帯を選択し、損失が数%であっても故障を検出することができることにある。
(xi)ステップ1311
損失1及び損失2が共に閾値未満であるため、CPU1101は、検査対象のストリングは正常であると判断する。
(xii)ステップ1312
CPU1101は、損失1と損失2を比較する。損失1が損失2よりも大きい場合(両者の差が所定範囲内に収まっていない)には、処理はステップ1313に移行する。損失1と損失2がほぼ同一である場合(両者の差が所定の範囲内にある)、処理はステップ1314に移行する。損失1が損失2よりも小さい場合(両者の差が所定範囲内に収まっていない)、処理はステップ1315に移行する。
(xiii)ステップ1313
CPU1101は、対象のストリングには「はんだ剥がれ」を起こしたセルが含まれていると判定する。
(xiv)ステップ1314
CPU1101は、対象のストリングには「断線」を起こしたセルが含まれていると判定する。
(xv)ステップ1315
CPU1101は、対象のストリングには「セル劣化」を起こしたセルが含まれていると判定する。
以上の処理を全てのストリングに対して実行すれば、太陽光発電システムにおいて、太陽電池に照射されている日射量と動作温度を精度よく把握しながら、太陽電池ストリングの劣化や故障を高い精度で判定し、故障要因の診断も可能になる。つまり、どのストリングにどのような故障を起こしたセルが含まれるかを検出することができる。ただし、本発明は、どのセルが故障しているかまで特定するものではない。
<ステップ1304及び1307の詳細>
図14は、ステップ1304及び1307の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
(i)ステップ1401
CPU1101は、式(5)〜(10)を用いて、PCS電圧から動作温度(想定温度)を計算する。
(ii)ステップ1402
CPU1101は、式(2)及び(3)を用いて、想定日射量の温度補正を行う。
(iii)ステップ1403
CPU1101は、ステップ1401の演算を繰り返す。つまり、再度、式(5)〜(10)を用いて、動作温度(想定温度)を計算する。
(iv)ステップ1404
CPU1101は、動作温度の演算(ステップ1401の演算)を3回行ったか判断する。3回程度ステップ1401の演算を繰り返せば、想定日射量と想定温度が収束するためである。ただし、想定温度等の値を収束することができれば「3回」でなくても良い。繰り返し回数が3回に達している場合(ステップ1404でYes)、処理はステップ1405に移行する。繰り返し回数が3回に達していない場合(ステップ1404でNoの場合)、処理はステップ1402に移行する。
(v)ステップ1405
CPU1101は、式(4)とアレイ演算により、ステップ1401〜1404で得られた想定日射量、及び想定温度における電流値を算出する。ここでは、この算出された電流値をPCS想定電流値ということとする。
(vi)ステップ1406
CPU1101は、PCS電流値(測定値)がステップ1405で算出したPCS想定電流値以上か否か判断する。PCS電流値(測定値)がPCS想定電流値以上である場合(ステップ1406でYes)、処理はステップ1305(図13)に移行する。PCS電流値(測定値)がPCS想定電流値未満である場合(ステップ1406でNo)、処理はステップ1407に移行する。
(vii)ステップ1407
CPU1101は、検査対象のストリングにおけるセルの有効数を調整する。本発明の実施形態では、パワーコンディショナ7cに集約される太陽電池アレイに対して、太陽電池モジュール2gの出力低下が及ぼす影響は低いことを前提としている。しかし、太陽電池モジュール2gが断線故障した場合などは、多数の太陽電池セル2fの動作が無効になり、太陽電池モジュール2gの特性の変化が大きくなる。そこで、想定温度におけるPCS想定電流値が計測されたPCS電流値よりも大きい場合は、有効セル数の調整を行うこととしている。つまり、セルが故障していると想定し、PCS電流値(測定値)がPCS想定電流値以上になるまで動作温度(想定温度)の演算を繰り返すこととなる。
有効セル数を調整した後、処理はステップ1401に移行する。
<GUIの構成例>
図15は、本発明の第1の実施形態によるGUI(Graphical User Interface)の構成例を示す図である。
上記故障診断処理によって故障が発見されると、診断結果(図15(a)参照)が監視装置7iの表示画面上に表示される。図15(a)の例では、太陽電池ストリング1及び2の2つのストリングにおいて故障が検出されたという診断結果が表示されている。また、故障要因は、ストリング1については「断線」、ストリング2については「はんだ剥がれ」であると特定されている。また、5秒データの表示をクリックすると、図15(b)に示すような開始時刻(1)及び開始時刻(2)の時間帯のデータが並列に表示されるようになっている。つまり、ユーザに対して、実際に故障診断で用いられたデータが提示される。これにより、ユーザは検出された故障について詳細に分析することができるようになる。
(B)第2の実施形態
第2の実施形態は、日射量測定値、及びPCS電流値(測定値)から求めた基準電流と各ストリングの電流値(測定値)との単純な比較を用いて太陽電池のストリングの故障診断を実行するものである。以下で説明する部分以外については、第1の実施形態における内容(例えば、太陽光発電システム、その他の装置・回路の構成やGUI等)と同じである。
図16は、本発明の第2の実施形態による太陽電池ストリング故障診断処理を説明するためのフローチャートである。
(i)ステップ1601
CPU1101は、日射計7fによって計測された日射量を用いて、図12で説明した方法より、日射量安定時間を抽出する。
(ii)ステップ1602
CPU1101は、ステップ1601で算出した想定日射量を用いて、故障診断の可否を判断する。例えば、想定日射量が所定値未満であった場合、開始時刻(1)の時間帯の平均日射量と開始時刻(2)の時間帯の平均日射量の差が所定日射量(所定の閾値)よりも小さい場合や、ステップ1602で抽出された日射変化量安定時間帯が2つ未満であった場合には、故障診断処理は実行しないと判断され、処理は終了する。
また、CPU1101は、ステップ1602で抽出された日射変化量安定時間帯の中から、最大日射量の時間帯を開始時刻(1)の時間帯とし、最小日射量の時間帯を開始時刻(2)の時間帯として設定する。
(iii)ステップ1603
CPU1101は、開始時刻(1)の時間帯における計測されたPCS電流値から太陽電池アレイを構成するストリング数で割ることにより得られる基準電流1を算出する。
(iv)ステップ1604
CPU1101は、基準電流1と、検査対象の太陽電池ストリングにおいて計測されたストリング電流とを比較し、開始時刻(1)の時間帯における損失1を算出する。当該損失は、第1の実施形態と同様に、基準(基準電流1に相当)から実際のストリング電流がどの程度低下しているかを示す値(%)である。
(v)ステップ1605
CPU1101は、開始時刻(2)の時間帯における計測されたPCS電流値から太陽電池アレイを構成するストリング数で割ることにより得られる基準電流2を算出する。
(vi)ステップ1606
CPU1101は、基準電流2と、検査対象の太陽電池ストリングにおいて計測されたストリング電流とを比較し、開始時刻(2)の時間帯における損失2を算出する。
(vii)ステップ1607
CPU1101は、算出した損失1及び損失2を用いて、ストリングの故障診断を行う。つまり、CPU1101は、損失1及び損失2が共に故障の閾値に達しているか判定する。損失1及び損失2が共に故障の閾値未満である場合(ステップ1607でYes)、処理はステップ1608に移行する。損失1及び損失2の少なくとも1つが故障の閾値以上である場合(ステップ1607でNo)、処理はステップ1609に移行する。
(viii)ステップ1608
損失1及び損失2が共に閾値未満であるため、CPU1101は、検査対象のストリングは正常であると判断する。
(ix)ステップ1609
CPU1101は、損失1と損失2を比較する。損失1が損失2よりも大きい場合(両者の差が所定範囲内に収まっていない)には、処理はステップ1610に移行する。損失1と損失2がほぼ同一である場合(両者の差が所定の範囲内にある)、処理はステップ1611に移行する。損失1が損失2よりも小さい場合(両者の差が所定範囲内に収まっていない)、処理はステップ1612に移行する。
(x)ステップ1610
CPU1101は、対象のストリングには「はんだ剥がれ」を起こしたセルが含まれていると判定する。
(xi)ステップ1611
CPU1101は、対象のストリングには「断線」を起こしたセルが含まれていると判定する。
(xii)ステップ1612
CPU1101は、対象のストリングには「セル劣化」を起こしたセルが含まれていると判定する。
以上の処理を全てのストリングに対して実行すれば、太陽光発電システムにおいて、太陽電池に照射されている日射量と動作温度を精度よく把握しながら、太陽電池ストリングの劣化や故障を高い精度で判定し、故障要因の診断も可能になる。つまり、どのストリングにどのような故障を起こしたセルが含まれるかを検出することができる。ただし、本発明は、どのセルが故障しているかまでは検出するものではない。
(C)まとめ
(i)第1の実施形態では、監視装置(計算機)は、まず、一日における所定時間帯毎の日射変化量の情報を取得し、当該日射変化量が所定の日射変化量よりも小さい所定時間帯(30分毎)のうち、最小日射量を示す第1の時間帯と、最大日射量を示す第2の時間帯を抽出する。次に、監視装置は、太陽電池アレイにおける動作電流と短絡電流との比(上記各式における「J」)を用いて、第1及び第2の時間帯における、検査対象の太陽電池ストリングの想定電力値をそれぞれ算出(式(4)を用いて算出)する。さらに、監視装置は、第1及び第2の時間帯において、検査対象の太陽電池ストリングの計測電力値と、第1の時間帯の想定電力値及び第2の時間帯の想定電力値とから、第1の時間帯における第1の電力損失、及び第2の時間帯における第2の電力損失を算出する(例えば、((想定電力値−計測電力値)/想定電力値)の絶対値を損失(%)とする)。そして、監視装置は、第1及び第2の電力損失に基づいて、検査対象の太陽電池ストリングの故障を検出する。具体的には、第1及び第2の電力損失の何れかが所定の故障判定閾値以上の場合に検査対象の太陽電池ストリングに故障が存在すると判定される(ステップ1310参照)。なお、故障判定閾値は、前記太陽電池ストリングの前記太陽電池モジュールを構成する複数のセルのうち1つのセルが故障した場合の電力損失を検知できるような値に設定される。このようにすることにより、通常故障と判定されないようなわずかな電力損失があった場合にも精度よく故障を検知することが可能となる。
また、監視装置は、第1の電力損失と第2の電力損失の大きさの比較結果により故障要因と特定する。具体的には、監視装置は、第1の電力損失が第2の電力損失よりも大きい場合には、はんだ剥がれと判定し、第1の電力損失が第2の電力損失とほぼ同一である場合には、断線と判定し、第1の電力損失が第2の電力損失よりも小さい場合には、セル劣化と判定する。このようにすることにより、故障の要因まで特定することができるので、太陽光発電システムの保守計画が立てやすくなるという効果を期待することができる。
さらに、監視装置は、第1の時間帯の平均日射量と第2の時間帯の平均日射量の差がある所定の日射量閾値を越えた場合に診断を有効にする。このように診断に適する日か否かを判定することにより、診断結果の精度を高めることができるとともに、システムに対して無駄な演算を強いることがなくなり、リソースを有効に活用することができるようになる。
検査対象の太陽電池ストリングの想定電力値をそれぞれ算出する場合、監視装置は、具体的には、まず、太陽電池モジュールの基準状態における短絡電流、開放電圧、動作電圧、及び動作電流のデータに基づいて、太陽電池アレイにおける動作電流と短絡電流との比と、太陽電池アレイの測定電流(PCS電流)及び測定電圧(PCS電圧)とから、太陽電池アレイで想定される日射量(想定日射量)と想定される動作温度(想定動作温度)とを算出する。そして、監視装置は、算出された想定日射量と想定動作温度を用いて、太陽電池のストリングの想定電力値を算出する。このようにすることにより、本発明者らが見出した「動作電流と短絡電流との比がほぼ一定」という関係と各測定値から理想的な状態で得られる電力値(想定電力値)を算出することができ、この値と実際に測定される各太陽電池ストリングの電力値(電流値×電圧値)とを比較して容易に故障診断をし、故障要因を特定することができるようになる。
(ii)第2の実施形態では、監視装置は、第1の実施形態と同様に、一日における所定時間帯毎の日射変化量の情報を取得し、当該日射変化量が所定の日射変化量よりも小さい前記所定時間帯のうち、最小日射量を示す第1の時間帯と、最大日射量を示す第2の時間帯を抽出する。そして、監視装置は、第1及び第2の時間帯における太陽電池アレイのPCS電流値を用いて、第1及び第2の時間帯における、検査対象の太陽電池ストリングの基準電流値をそれぞれ算出する。基準電流値は、PCS電流値をストリング数で除算することにより算出される。また、監視装置は、第1及び第2の時間帯において、検査対象の太陽電池ストリングの計測電流値と、第1の時間帯の基準電流値及び第2の時間帯の基準電流値とから、第1の時間帯における第1の損失、及び第2の時間帯における第2の損失を算出する(例えば、(基準電流値−ストリング電流値)/基準電流値)の絶対値を損失(%)とする)。そして、監視装置は、第1及び第2の損失に基づいて、検査対象の太陽電池ストリングの故障を検出する。故障要因の特定については、第1の実施形態と同様である。
(iii)本発明は、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或は装置に提供し、そのシステム或は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
また、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータ上のメモリに書きこまれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータのCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。
さらに、実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することにより、それをシステム又は装置のハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD−RW、CD−R等の記憶媒体に格納し、使用時にそのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしても良い。
最後に、ここで述べたプロセス及び技術は本質的に如何なる特定の装置に関連することはなく、コンポーネントの如何なる相応しい組み合わせによってでも実装できることを理解する必要がある。更に、汎用目的の多様なタイプのデバイスがここで記述した教授に従って使用可能である。ここで述べた方法のステップを実行するためには、専用の装置を構築するのが有益である場合があるかもしれない。また、実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。本発明は、具体例に関連して記述したが、これらは、すべての観点に於いて限定の為ではなく説明の為である。本分野にスキルのある者には、本発明を実施するのに相応しいハードウェア、ソフトウェア、及びファームウエアの多数の組み合わせがあることが解るであろう。例えば、記述したソフトウェアは、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
さらに、上述の実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていても良い。
加えて、本技術分野の通常の知識を有する者には、本発明のその他の実装がここに開示された本発明の明細書及び実施形態の考察から明らかになる。記述された実施形態の多様な態様及び/又はコンポーネントは、単独又は如何なる組み合わせでも使用することが出来る。明細書と具体例は典型的なものに過ぎず、本発明の範囲と精神は後続する請求範囲で示される。
7 メガソーラー発電サイト
7a 太陽電池ストリング群
7b 接続箱
7c パワーコンディショナ
7d 集電ラック
7f 日射計
7g 気温計
7h 変換器
7i 監視装置

Claims (15)

  1. 複数の太陽電池モジュールを直列接続して太陽電池ストリングが構成され、複数の太陽電池ストリングを並列接続して構成される太陽電池アレイを有する太陽光発電システムであって、
    前記複数の太陽電池ストリングのそれぞれの電流及び電圧を計測する複数のストリング計測器と、
    前記太陽電池アレイの電流及び電圧を計測するアレイ計測器と、
    前記複数の太陽電池ストリングのぞれぞれの電力損失を算出し、各太陽電池ストリングにおける故障を検出する計算機と、を有し、
    前記計算機は、
    一日における所定時間帯毎の日射変化量の情報を取得し、当該日射変化量が所定の日射変化量よりも小さい前記所定時間帯のうち、最小日射量を示す第1の時間帯と、最大日射量を示す第2の時間帯を抽出する処理と、
    前記太陽電池アレイにおける動作電流と短絡電流との比を用いて、前記第1及び第2の時間帯における、検査対象の太陽電池ストリングの想定電力値をそれぞれ算出する処理と、
    前記第1及び第2の時間帯において、前記検査対象の太陽電池ストリングの計測電力値と、前記第1の時間帯の想定電力値及び前記第2の時間帯の想定電力値とから、前記第1の時間帯における第1の電力損失、及び前記第2の時間帯における第2の電力損失を算出する処理と、
    前記第1及び第2の電力損失に基づいて、前記検査対象の太陽電池ストリングの故障を検出する処理と、
    を実行することを特徴とする太陽光発電システム。
  2. 請求項1において、
    前記計算機は、前記第1及び第2の電力損失の何れかが所定の故障判定閾値以上の場合に前記検査対象の太陽電池ストリングに故障が存在すると判定することを特徴とする太陽光発電システム。
  3. 請求項2において、
    前記計算機は、前記検査対象の太陽電池ストリングに故障が存在すると判定した場合、前記第1の電力損失と前記第2の電力損失の大きさの比較結果により故障要因を特定することを特徴とする太陽光発電システム。
  4. 請求項1において、
    前記計算機は、前記第1及び第2の時間帯における、前記検査対象の太陽電池ストリングの想定電力値をそれぞれ算出する処理において、
    前記太陽電池モジュールの基準状態における短絡電流、開放電圧、動作電圧、及び動作電流のデータに基づいて、前記太陽電池アレイにおける動作電流と短絡電流との比と、前記太陽電池アレイの測定電流及び測定電圧とから、前記太陽電池アレイで想定される日射量と想定される動作温度とを算出し、
    前記算出された想定される日射量と想定される動作温度を用いて、前記太陽電池のストリングの想定電力値を算出することを特徴とする太陽光発電システム。
  5. 請求項2において、
    前記故障判定閾値は、前記太陽電池ストリングの前記太陽電池モジュールを構成する複数のセルのうち1つのセルが故障した場合の電力損失を検知できるような値に設定されることを特徴とする太陽光発電システム。
  6. 請求項1において、
    前記計算機は、前記第1の時間帯の平均日射量と前記第2の時間帯の平均日射量の差がある所定の日射量閾値を越えた場合に診断を有効にすることを特徴とする太陽光発電システム。
  7. 複数の太陽電池モジュールを直列接続して太陽電池ストリングが構成され、複数の太陽電池ストリングを並列接続して構成される太陽電池アレイを有する太陽光発電システムであって、
    前記複数の太陽電池ストリングのそれぞれの電流を計測する複数のストリング計測器と、
    前記太陽電池アレイの電流を計測するアレイ計測器と、
    前記複数の太陽電池ストリングのぞれぞれの電流損失を算出し、各太陽電池ストリングにおける故障を検出する計算機と、を有し、
    前記計算機は、
    一日における所定時間帯毎の日射変化量の情報を取得し、当該日射変化量が所定の日射変化量よりも小さい前記所定時間帯のうち、最小日射量を示す第1の時間帯と、最大日射量を示す第2の時間帯を抽出する処理と、
    前記第1及び第2の時間帯における前記太陽電池アレイの電流値を用いて、前記第1及び第2の時間帯における、検査対象の太陽電池ストリングの基準電流値をそれぞれ算出する処理と、
    前記第1及び第2の時間帯において、前記検査対象の太陽電池ストリングの計測電流値と、前記第1の時間帯の基準電流値及び前記第2の時間帯の基準電流値とから、前記第1の時間帯における第1の損失、及び前記第2の時間帯における第2の損失を算出する処理と、
    前記第1及び第2の損失に基づいて、前記検査対象の太陽電池ストリングの故障を検出する処理と、
    を実行することを特徴とする太陽光発電システム。
  8. 請求項7において、
    前記計算機は、前記第1及び第2の損失の何れかが所定の故障判定閾値以上の場合に前記検査対象の太陽電池ストリングに故障が存在すると判定することを特徴とする太陽光発電システム。
  9. 請求項8において、
    前記計算機は、前記検査対象の太陽電池ストリングに故障が存在すると判定した場合、前記第1の損失と前記第2の損失の大きさの比較結果により故障要因を特定することを特徴とする太陽光発電システム。
  10. 請求項7において、
    前記計算機は、前記第1の時間帯の平均日射量と前記第2の時間帯の平均日射量の差がある所定の日射量閾値を越えた場合に診断を有効にすることを特徴とする太陽光発電システム。
  11. 複数の太陽電池モジュールを直列接続して太陽電池ストリングが構成され、複数の太陽電池ストリングを並列接続して構成される太陽電池アレイを有する太陽光発電システムの故障診断方法であって、
    複数のストリング計測器が、前記複数の太陽電池ストリングのそれぞれの電流及び電圧を計測するステップと、
    アレイ計測器が、前記太陽電池アレイの電流及び電圧を計測するステップと、
    プロセッサが、一日における所定時間帯毎の日射変化量の情報を取得し、当該日射変化量が所定の日射変化量よりも小さい前記所定時間帯のうち、最小日射量を示す第1の時間帯と、最大日射量を示す第2の時間帯を抽出するステップと、
    前記プロセッサが、前記太陽電池アレイにおける動作電流と短絡電流との比を用いて、前記第1及び第2の時間帯における、検査対象の太陽電池ストリングの想定電力値をそれぞれ算出するステップと、
    前記プロセッサが、前記第1及び第2の時間帯において、前記検査対象の太陽電池ストリングの計測電力値と、前記第1の時間帯の想定電力値及び前記第2の時間帯の想定電力値とから、前記第1の時間帯における第1の電力損失、及び前記第2の時間帯における第2の電力損失を算出するステップと、
    前記プロセッサが、前記第1及び第2の電力損失に基づいて、前記検査対象の太陽電池ストリングの故障を検出するステップと、
    を含むことを特徴とする太陽光発電システムの故障診断方法。
  12. 請求項11において、
    前記故障を検出するステップにおいて、前記プロセッサは、前記第1及び第2の電力損失の何れかが所定の故障判定閾値以上の場合に前記検査対象の太陽電池ストリングに故障が存在すると判定することを特徴とする太陽光発電システムの故障診断方法。
  13. 請求項12において、さらに、
    前記プロセッサが、前記検査対象の太陽電池ストリングに故障が存在すると判定した場合、前記第1の電力損失と前記第2の電力損失の大きさの比較結果により故障要因を特定するステップを含むことを特徴とする太陽光発電システムの故障診断方法。
  14. 請求項11において、
    前記第1及び第2の時間帯における、前記検査対象の太陽電池ストリングの想定電力値をそれぞれ算出するステップにおいて、前記プロセッサは、(i)前記太陽電池モジュールの基準状態における短絡電流、開放電圧、動作電圧、及び動作電流のデータに基づいて、前記太陽電池アレイにおける動作電流と短絡電流との比と、前記太陽電池アレイの測定電流及び測定電圧とから、前記太陽電池アレイで想定される日射量と想定される動作温度とを算出し、(ii)前記算出された想定される日射量と想定される動作温度を用いて、前記太陽電池のストリングの想定電力値を算出することを特徴とする太陽光発電システムの故障診断方法。
  15. 請求項11において、さらに、
    前記プロセッサが、前記第1の時間帯の平均日射量と前記第2の時間帯の平均日射量の差がある所定の日射量閾値を越えた場合に診断を有効にするステップを含むことを特徴とする太陽光発電システムの故障診断方法。
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