JP6278613B2 - ヒートシンク - Google Patents
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特許文献1に示されるヒートパイプについて、例えば、形状的な制約により隣り合うヒートパイプ同士が近接配置された場合に、各ヒートパイプの冷却能力を調整するために、図10に示したように、各ヒートパイプ間でフィン板を矩形に分割する方法がある。
図10において、ヒートシンク200は、基板11の一側面に配置された第1素子21及び第2素子22にそれぞれ熱的に接続された受熱プレート14,15と、基板11の他側面に配置された第3素子23に熱的に接続された受熱プレート16と、これらの受熱プレート14,15,16に一端がそれぞれ取付けられたヒートパイプ31,32,33と、これらのヒートパイプ31,32,33のそれぞれの他端に取付けられた放熱フィン部211,212,213とで構成されている。
放熱フィン部211,212,213は、それぞれ複数の矩形のフィン板221,222,223からなる。
また、図10において、ヒートパイプ31,32を左右に曲げて、ヒートパイプ31,32同士の間隔を広げ、フィン板221,222,223のそれぞれの面積を同等にすることもできる。
また、ヒートパイプ31,32を左右に曲げて、ヒートパイプ31,32同士の間隔を広げた場合、フィン板221,222,223がパイプ曲げ部に干渉することがある。パイプ曲げ部にはフィン板221,222,223が固定できないので、基板11の近傍までフィン板221,222,223が挿せなくなる。これにより、フィン板の枚数が減ることで面積が減り、かえって放熱性能が低下する恐れがある。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、複数のヒートパイプを備えるヒートシンクにおいて、ヒートパイプに設けられるフィン板の面積の適正化を図ることを目的としている。
更に、ヒートパイプに接続されるフィン板の過剰なフィン面積を削除できるため、ヒートシンク全体を小型にすることができる。
また、上記構成において、前記広がり部の少なくとも一辺が、前記フィン板集合体の少なくとも一辺に対し斜めとされた前記斜辺であっても良い。
また、上記構成において、前記複数のヒートパイプがすべて直線形状で構成されていても良い。この構成によれば、それぞれのヒートパイプを直線形状にして近接配置させたとしても、ヒートシンクの冷却性能を向上させつつヒートパイプひいてはヒートシンクを低コストで製造することができる。
更に、ヒートパイプに接続されるフィン板の過剰なフィン板面積を削除できるため、ヒートシンク全体を小型にすることができる。更に、ヒートパイプのフィン接触部を曲げて間隔を広げる必要がないので、ヒートパイプの一端部を基板部に取付ける場合には、フィン板を基板部まで挿入できる。よって、フィン板枚数を減らす必要がないので、小型化できる。
(実施例1)
図1は、本発明のヒートシンク10(実施例1)を示す斜視図である。
ヒートシンク10は、基板11の上面に配置された第1素子21及び第2素子22にそれぞれ熱的に接続された受熱プレート14,15と、基板11の下面に配置された第3素子23に熱的に接続された受熱プレート16と、これらの受熱プレート14,15,16に一端部31a,32a,33a側が取付けられたヒートパイプ31,32,33と、これらのヒートパイプ31,32,33のそれぞれの他端部31b,32b,33b側に取付けられた放熱フィン部34,35,36とで構成されている。放熱フィン部34,35,36は、全体の外形が略直方体状に形成された放熱部38を構成し、それぞれの放熱フィン部34,35,36は、複数のフィン板41,42,43からなる。上記のヒートパイプ31,32,33は、ヒートパイプ群30を構成している。
ヒートパイプ31,32,33は、熱伝動性の高い材質、例えば銅からなるパイプ中に作動液が封入された部品であり、扁平に形成された一端部31a,32a,33aがそれぞれ受熱プレート14,15,16に半田付けされている。
ヒートパイプ31,32,33では、受熱プレート14,15,16側の高温部で作動液が蒸発し、その作動液蒸気が放熱フィン部34,35,36側の低温部に移動して、冷却されることにより凝縮して液体となり、高温部に戻る、という循環を繰り返し、高温部から低温部への熱移動が起こる。
フィン板41,42,43は、アルミニウム合金製であり、それぞれヒートパイプ31,32,33に所定のピッチで圧入により固定されている。放熱フィン部34,35,36は、互いに所定距離の隙間を隔てて配置されている。
3本のヒートパイプ31,32,33の内、中央に配置されるヒートパイプ33に取付けられた矩形のフィン板223は、フィン板221,222,223の中で最も幅が狭く、面積が最小である。また、フィン板221,222の面積は、フィン板223の面積よりも大きいが、フィン板221,222のヒートパイプ31,32に近い部分が冷却性能により大きく寄与し、ヒートパイプ31,32から遠くなるにつれて冷却性能は次第に低下する。従って、フィン板221,222には冷却性能の低い部分が多く存在している。
ヒートパイプ群30は、フィン板集合体40の長手方向の中央に位置するヒートパイプ33からなる第1のヒートパイプ群30Aと、ヒートパイプ33に対してフィン板集合体40の長手方向の両端部側に配置されたヒートパイプ31,32からなる第2のヒートパイプ群30Bとからなる。ヒートパイプ群30A,30Bは、それぞれ複数本のヒートパイプから構成されるが、1本のヒートパイプから構成しても良い。
フィン板43は、ヒートパイプ33の両側方に斜辺43a,43bを有する台形部43cと、この台形部43cに隣接するとともにヒートパイプ31,32の内側方に側辺43d,43eを有する矩形部43fとが一体に組み合わされた外形に形成されている。
ヒートパイプ33は、フィン板集合体40の長手方向におけるフィン板43の中央に位置する固定部43pに固定されている。
矩形部43fは、フィン板43の外縁を構成する上辺43jを備える。上辺43jは、フィン板集合体40の長辺40aに含まれている。
台形部43cは、矩形部43fよりも、ヒートパイプ31,32が並ぶ方向(長辺40a,40bが延びる方向)に広がった広がり部43m,43nを有する。
上記の広がり部43m,43nとは、フィン板43において、ヒートパイプ33が固定された固定部43pよりも、放熱フィン部36(図1参照)の端部(詳しくは、長辺40b側)の方が、幅が広い形状となった部分をいう。
上記したフィン板41,42の斜辺41a,42a及びフィン板43の斜辺43a,43bは、フィン板集合体40の対角線にほぼ沿うようにしても良い。
ここで、図2(A)の比較例Aと図2(B)の実施例1とを比較すると、フィン板43では、ヒートパイプ33の近傍の放熱面積が増大することで、ヒートパイプ33の冷却性向上が可能になる。
図3(A)に示すフィン板43は、下部の台形部43cに斜辺43a,43bを有するため、この斜辺43a,43bを利用して、図3(B)に示すフィン板44では、折り曲げ部44g,44hを形成している。即ち、フィン板44は、下部がヒートパイプ33(図1参照)の両側方に斜辺44a,44bを有する台形部44cと、上部がヒートパイプ31,32(図1参照)の内側方に側辺43d,43eを有する矩形部43fとを一体に組み合わせた外形に形成され、台形部44cの斜辺44a,44bにほぼ直角に折り曲げられた折り曲げ部44g,44hを備える。また、台形部44cは、矩形部43fよりも、ヒートパイプ31,32(図2(B)参照)が並ぶ方向に広がった広がり部44m,44nを有する。
図3(A),(B)において、台形部43c,44cにはヒートパイプ33が圧入される嵌合穴43gが開けられている。
図4は、フィン板44の折り曲げ部44g,44hの有無による作用を比較する作用図である。図4(A)は、フィン板43の作用を示す作用図、図4(B)はフィン板44の作用を示す作用図である。
図4(A)に示すように、フィン板43では、例えば、フィン板43の下方から上方へフィン板43に沿ってエアが流れる場合、エアは、白抜き矢印A,A及び白抜き矢印B,Bで示すように、フィン板43の台形部43c及び矩形部43fの側方を通過し、フィン板43からの放熱を促す
従って、矩形部43fでは、図4(A)の場合よりも多くの風量で冷却されるため、より効率的に冷却することができる。また、折り曲げ部44g,44hを設けることでフィン板44の剛性を高めることができ、同じ板厚であれば、フィン板面積を拡大することができて冷却性能を向上させることができ、また、同じ面積であれば、板厚を薄くすることができて軽量化を図ることができる。
図5は、本発明のヒートシンク50(実施例2)を示す斜視図である。図1に示した実施例1と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
ヒートシンク50は、ヒートシンク10(図1参照)の放熱フィン部34,35,36(図1参照)に対して、放熱フィン部54,55,56のみ異なる。即ち、ヒートシンク50は、受熱プレート14,15,16と、ヒートパイプ31,32,33と、放熱フィン部54,55,56とで構成されている。3つの放熱フィン部54,55,56は、全体の外形が略直方体状に形成された放熱部58を構成し、それぞれの放熱フィン部54,55,56は、複数のフィン板61,62,63からなる。
3本のヒートパイプ31,32,33の内、中央に配置されるヒートパイプ33に取付けられたフィン板63は、三角形状に形成されている。
図6(A)に示したフィン板221,222,223に対して、図6(B)に示したフィン板61,62,63は、それぞれの面積を同一としながら、形状が異なっている。即ち、フィン板221とフィン板61、フィン板222とフィン板62、フィン板223とフィン板63は、それぞれ同一面積である。また、フィン板221とフィン板222、フィン板61とフィン板62も同一面積である。
フィン板63は、ヒートパイプ33の上方に頂点を有する二等辺三角形に形成され、2つの斜辺63a,63b及び底辺63cを備える。底辺63cは、フィン集合体60の長辺60bに含まれる。このように、フィン板63は、ヒートパイプ33側から外縁である底辺63cに向けて広がるように形成されている。
また、フィン板63は、ヒートパイプ31,32よりも、ヒートパイプ31,32が並ぶ方向(長辺60a,60bが延びる方向)に広がった広がり部63d,63eを有する。
ヒートパイプ33は、フィン板集合体60の長手方向におけるフィン板63の中央に位置する固定部63gに固定されている。
上記の広がり部63d,63eとは、フィン板63において、ヒートパイプ33が固定された固定部63gよりも、放熱フィン部56(図1参照)の端部(詳しくは、長辺60b側)の方が、幅が広い形状となった部分をいう。
上記したフィン板61,62の斜辺61a,62a及びフィン板63の斜辺63a,63bは、フィン板集合体60の対角線にほぼ沿うようにしても良い。
ここで、図6(A)の比較例Aと図6(B)の実施例2とを比較すると、フィン板61,62,63では、ヒートパイプ31,32,33のそれぞれの近傍の放熱面積が増大することで、ヒートパイプ31,32,33のそれぞれの冷却性向上が可能になる。
以上に示した比較例A、実施例1及び実施例2について、フィン板の面積及び形状と、素子の温度との関係を以下の実験条件にて評価した。評価結果を表1に示す。
・実験条件
(a)素子の発熱量及びサイズ
第1素子:15W、20mmx15mm
第2素子:15W、30mmx30mm
第3素子:25W、20mmx20mm
いずれも、測定用に上記サイズの銅ブロックにセラミックヒータ(坂口電熱社製 MS-1)を取り付けたダミー素子を使用
(b)各フィン板に上方から下方に流れる冷却風の風速:1.5m/s
(c)素子と受熱プレートとの間の熱伝導グリースの熱伝導率:6W/mK
(d)受熱プレート:サイズ30mmx30mm、板厚1mm、材質ニッケルめっき付きアルミニウム合金
(e)ヒートパイプにおける受熱プレートとの接合部:直径8mmの銅製パイプを厚さ4mmに扁平に形成
(f)フィン板:材質アルミニウム合金、板厚0.3mm、ピッチ2mm、ヒートパイプ1本当たりの枚数20枚
(g)雰囲気温度:20℃
(h)負荷時間:30分
(i)温度測定部位:第1素子、第2素子、第3素子の表面温度
(j)温度測定方法:熱電対(坂口電熱社製 型番K-6F)をダミー素子表面に形成した溝に設置し、ダミー素子中心温度を測定
(実施例3、実施例4、実施例5、比較例1)
図7は、一列に配置された3本のヒートパイプ71,72,73に対応する各フィン板形状(実施例3、実施例4、実施例5、比較例1)を示す正面図である。
図7(A)はフィン板231,232,233がそれぞれ矩形に形成された従来技術である、比較例1を示す図である。
ヒートパイプ71,72,73は、近接配置されてヒートパイプ群70を構成している。ヒートパイプ71,73間及びヒートパイプ72,73間がそれぞれ分割されて、矩形のフィン板231,232,233が形成されている。3つのフィン板231,232,233の内、フィン板233の幅が最も小さく、面積が最も小さい。
フィン板81,82,83は、フィン板集合体80を構成し、フィン板集合体80は、長辺80a,80b及び短辺80c,80dを備える。
ヒートパイプ群70は、フィン板集合体80の長手方向の中央に位置するヒートパイプ73からなる第1のヒートパイプ群70Aと、ヒートパイプ73に対してフィン板集合体80の長手方向の両端部側に配置されたヒートパイプ71,72からなる第2のヒートパイプ群70Bとからなる。ヒートパイプ群70A,70Bは、それぞれ複数本のヒートパイプから構成されるが、1本のヒートパイプから構成しても良い。
フィン板81は、ヒートパイプ71からヒートパイプ71,72,73が並ぶ方向に延びる内側矩形部81aと、この内側矩形部81aよりも幅広で且つ内側矩形部81aから一体に外側に延びる外側矩形部81bとからなる。
同様に、フィン板82は、ヒートパイプ72からヒートパイプ71,72,73が並ぶ方向に延びる内側矩形部82aと、この内側矩形部82aよりも幅広で且つ内側矩形部82aから一体に外側に延びる外側矩形部82bとからなる。
フィン板83は、内側矩形部83aよりも、ヒートパイプ71,72,73が並ぶ方向(長辺80a,80bが延びる方向)に広がった広がり部83f,83g,83h,83jを有する。
フィン板集合体80は、ヒートパイプ71,72,73が並ぶ方向に沿って長辺80a,80bを有する矩形に形成されている。
ヒートパイプ73は、フィン板83におけるフィン板集合体80の長手方向の中央に位置する固定部としての内側矩形部83aに固定されている。
上記の広がり部83f,83g,83h,83jとは、フィン板83において、ヒートパイプ73が固定された内側矩形部83aよりも、フィン板集合体80の端部(詳しくは、長辺80a,80b側)の方が、幅が広い形状となった部分をいう。
フィン板85,86,87は、フィン板集合体80Aを構成し、フィン板集合体80Aは、長辺80e,80f及び短辺80g,80hを備える。
フィン板85は、ヒートパイプ71からヒートパイプ71,72,73が並ぶ方向に向かって延びる略扇形状に形成され、ヒートパイプ71,73間に形成された側辺85aと、この側辺85aの両端部からヒートパイプ71,72,73が並ぶ方向に対して斜めに延びる斜辺85b,85cとを備える。
同様に、フィン板86は、ヒートパイプ72からヒートパイプ71,72,73が並ぶ方向に延びる略扇形状に形成され、ヒートパイプ72,73間に形成された側辺86aと、この側辺86aの両端部からヒートパイプ71,72,73が並ぶ方向に対して斜めに延びる斜辺86b,86cとを備える。
また、フィン板87は、側辺87a,87b間よりも、ヒートパイプ71,72,73が並ぶ方向(長辺80e,80fが延びる方向)に広がった広がり部87m,87n,87p,87qを有する。
フィン板集合体80Aは、ヒートパイプ71,72,73が並ぶ方向に沿って長辺80e,80fを有する矩形に形成されている。フィン板85の斜辺85b,85c、フィン板86の斜辺86b,86c及びフィン板87の斜辺87c,87d,87e,87fは、矩形のフィン板集合体80Aの対角線に沿うようにしても良い。
ヒートパイプ73は、フィン板87におけるフィン板集合体80Aの長手方向の中央であって側辺87a,87b間に位置する固定部87rに固定されている。
上記の広がり部87m,87n,87p,87qとは、フィン板87において、ヒートパイプ73が固定された固定部87r(詳しくは、側辺87a,87b間の幅)よりも、フィン板集合体80Aの端部(詳しくは、長辺80e,80f側)の方が、幅が広い形状となった部分をいう。
フィン板95は、ヒートパイプ71からヒートパイプ71,72,73が並ぶ方向に延びるように矩形に形成され、ヒートパイプ71,73間に形成された側辺95aを備える。同様に、フィン板96は、ヒートパイプ72からヒートパイプ71,72,73が並ぶ方向に延びるように矩形に形成され、ヒートパイプ72,73間に形成された側辺96aを備える。
フィン板97は、ヒートパイプ73を囲むようにフィン板95,96間に配置された内側矩形部97aと、この内側矩形部97aの両側に内側矩形部97aよりも幅広に形成された外側矩形部97b,97cと、これらの外側矩形部97b,97c間であってフィン板95,96の外側に配置された外側端部矩形部97d,97eとが一体に矩形に形成されている。
このように、フィン板97は、ヒートパイプ73側から外縁である長辺97h,97jに向けて広がるように形成されている。
外側矩形部97b,97cは、内側矩形部97aよりも、ヒートパイプ71,72,73が並ぶ方向(長辺97h,97jが延びる方向)に広がった広がり部97p,97q,97r,97sを有する。
ヒートパイプ73は、フィン板97における長手方向の中央に位置する固定部としての内側矩形部97aに固定されている。
上記の広がり部97p,97q,97r,97sとは、フィン板97において、ヒートパイプ73が固定された内側矩形部97aよりも、フィン板97の端部(詳しくは、長辺97h,97j側)の方が、幅が広い形状となった部分をいう。
図8は、一列に配置された4本のヒートパイプ101,102,103,104に対応する各フィン板形状を示す正面図である。
図8(A)はフィン板241,242,243,244が矩形に形成された従来技術である、比較例2を示す図である。
ヒートパイプ101,102,103,104は、近接配置されてヒートパイプ群100を構成している。ヒートパイプ101,103間、ヒートパイプ103,104間、ヒートパイプ102,104間がそれぞれ分割されて、矩形のフィン板241,242,243,244が形成されている。4つのフィン板241,242,243,244の内、フィン板243,244の幅が最も狭く、面積が最も小さい。
フィン板111,112,113,114は、フィン板集合体110を構成し、フィン板集合体110は、長辺110a,110b及び短辺110c,110dを備える。
ヒートパイプ群100は、フィン板集合体110の長手方向の中央に位置するヒートパイプ103,104からなる第1のヒートパイプ群100Aと、ヒートパイプ103,104に対してフィン板集合体110の長手方向の両端部側に配置されたヒートパイプ101,102からなる第2のヒートパイプ群100Bとからなる。ヒートパイプ群100A,70Bは、それぞれ複数本のヒートパイプから構成される。
フィン板111は、ヒートパイプ101からヒートパイプ101,102,103,104が並ぶ方向に延びる略扇形状に形成され、ヒートパイプ101,103間に形成された側辺111aと、この側辺111aの両端部からヒートパイプ101,102,103,104が並ぶ方向に対して斜めに延びる斜辺111b,111cとを備える。
同様に、フィン板112は、ヒートパイプ102からヒートパイプ101,102,103,104が並ぶ方向に延びる略扇形状に形成され、ヒートパイプ102,104間に形成された側辺112aと、この側辺112aの両端部からヒートパイプ101,102,103,104が並ぶ方向に対して斜めに延びる斜辺112b,112cを備える。
上記フィン板111,112の斜辺111b,111c,112b,112cは、フィン板集合体110の対角線に沿って延びている。
また、フィン板113は、フィン板111の側辺111aに対向する側辺113aと、この側辺113aの両端部からフィン板111の斜辺111b,111cに対向しながら延びる斜辺113b,113cと、ヒートパイプ103,104間に形成された側辺113dと、長辺110aに含まれる上辺113eと、長辺110bに含まれる下辺113fとを備える。
更に、フィン板113は、側辺113a,113d間よりも、ヒートパイプ101,102,103,104が並ぶ方向(長辺110a,110bが延びる方向)に広がった広がり部113m,113nを有する。
また、フィン板114は、フィン板112の側辺112aに対向する側辺114aと、この側辺114aの両端部からフィン板112の斜辺112b,112cに対向しながら延びる斜辺114b,114cと、ヒートパイプ103,104間に形成されてフィン板113の側辺113dに対向する側辺114dと、長辺110aに含まれる上辺114eと、長辺110bに含まれる下辺114fとを備える。
更に、フィン板114は、側辺114a,114d間よりも、ヒートパイプ101,102,103,104が並ぶ方向(長辺110a,110bが延びる方向)に広がった広がり部114m,114nを有する。
ヒートパイプ103,104は、フィン板113,114におけるフィン板集合体80の長手方向の中央に位置する固定部としての矩形部113g,114gに固定されている。
上記の広がり部113m,113n,114m,114nとは、フィン板113,114において、ヒートパイプ103,104が固定された矩形部113g,114gよりも、フィン板集合体110の端部(詳しくは、長辺110a,110b側)の方が、幅が広い形状となった部分をいう。
また、図8(A),(B)において、実施例6のフィン板113,114は、比較例2のフィン板243,244に比較して、面積が大きくなり、また、ヒートパイプ103,104のそれぞれの近傍の放熱面積が増大することにより、放熱性を向上させることができる。
図9は、二列に配置された6本のヒートパイプ121,122,123,124,125,126に対応する各フィン板形状を示す正面図である。
図9(A)はフィン板251,252,253が矩形に形成された従来技術である、比較例3を示す図である。
ヒートパイプ121,122,123,124,125,126は、近接配置されてヒートパイプ群120を構成している。2本のヒートパイプ121,124にフィン板251が取付けられ、2本のヒートパイプ122,125にフィン板252が取付けられ、2本のヒートパイプ123,126にフィン板253が取付けられている。ヒートパイプ121,124とヒートパイプ123,126との間、及びヒートパイプ123,126とヒートパイプ122,125との間がそれぞれ分割されて、矩形のフィン板251,252,253が形成されている。3つのフィン板251,252,253の内、フィン板253の幅が最も狭く、面積が最も小さい。
フィン板131,132,133,134,135,136は、フィン板集合体130を構成し、フィン板集合体130は、長辺130a,130b及び短辺130c,130dを備える。
ヒートパイプ群120は、フィン板集合体130の長手方向の中央に位置するヒートパイプ123,126からなる第1のヒートパイプ群120Aと、ヒートパイプ123,126に対してフィン板集合体130の長手方向の両端部側に配置されたヒートパイプ121,122,124,125からなる第2のヒートパイプ群120Bとからなる。ヒートパイプ群120A,120Bは、それぞれ複数本のヒートパイプから構成される。
フィン板133は、フィン板131,132間に挟まれた内側矩形部133aと、この内側矩形部133aよりも幅広で且つ内側矩形部133aから一体に外側に延びる外側矩形部133bとからなる。
また、フィン板133は、内側矩形部133aよりも、ヒートパイプ121,122,123が並ぶ方向(長辺130a,130bが延びる方向)に広がった広がり部133c,133dを有する。
フィン板136は、フィン板134,135間に挟まれた内側矩形部136aと、この内側矩形部136aよりも幅広で且つ内側矩形部136aから一体に外側に延びる外側矩形部136bとからなる。
また、フィン板136は、内側矩形部136aよりも、ヒートパイプ124,125,126が並ぶ方向(長辺130a,130bが延びる方向)に広がった広がり部136c,136dを有する。
フィン板133は、長辺130aを備え、フィン板136は、長辺130bを備える。また、フィン板131,133,134,136の縁部は、短辺130cを形成し、フィン板132,133,135,136の縁部は、短辺130dを形成している。
上記の広がり部133c,133d,136c,136dとは、フィン板133,136において、ヒートパイプ123,126が固定された内側矩形部133a,136aよりも、フィン板集合体130の端部(詳しくは、長辺130a,130b側)の方が、幅が広い形状となった部分をいう。
このように、フィン板133,136は、ヒートパイプ123,126側から外縁である長辺130a,130bに向けて広がるように形成されている。
フィン板141,142,143,144,145,146は、フィン板集合体140を構成し、フィン板集合体140は、長辺140a,140b及び短辺140c,140dを備える。
フィン板141は、ヒートパイプ121からヒートパイプ121,122,123が並ぶ方向へ延びる略扇形状に形成され、ヒートパイプ121,123間に形成された側辺141aと、この側辺141aの一端部からヒートパイプ121,122,123が並ぶ方向に延びる下辺141bと、側辺141aの他端部からヒートパイプ121,122,123が並ぶ方向に対して斜めに延びる斜辺141cとを備える。
フィン板143は、フィン板141,142間に配置された矩形部143aと、この矩形部143aから一体にヒートパイプ121,122,123が並ぶ方向と直交する方向に広がるように延びる台形部143bとからなる。矩形部143aは、フィン板141,142の側辺141a,142aに対向する側辺143c,143dを備える。台形部143bは、フィン板141,142の斜辺141c,142cに対向する斜辺143e,143fを備え、長辺140aが底辺になる。
また、フィン板143は、矩形部143aよりも、ヒートパイプ121,122,123が並ぶ方向(長辺140a,140bが延びる方向)に広がった広がり部143g,143hを有する。
同様に、フィン板145は、ヒートパイプ125からヒートパイプ124,125,126が並ぶ方向へ延びる略扇形状に形成され、ヒートパイプ125,126間に形成された側辺145aと、この側辺145aの一端部からヒートパイプ124,125,126が並ぶ方向に延びる上辺145bと、側辺145aの他端部からヒートパイプ124,125,126が並ぶ方向に対して斜めに延びる斜辺145cとを備える。
また、フィン板146は、矩形部146aよりも、ヒートパイプ124,125,126が並ぶ方向(長辺140a,140bが延びる方向)に広がった広がり部146g,146hを有する。
ヒートパイプ123,126は、フィン板143,146におけるフィン板集合体140の長手方向の中央に位置する固定部としての矩形部143a,146aに固定されている。
上記の広がり部143g,143h,146g,146hとは、フィン板143,146において、ヒートパイプ123,126が固定された矩形部143a146aよりも、フィン板集合体140の端部(詳しくは、長辺140a,140b側)の方が、幅が広い形状となった部分をいう。
また、図9(A)〜(C)において、実施例7のフィン板133,136及び実施例8のフィン板143,146は、比較例3のフィン板253の上下半分の面積に比較して、面積が大きくなり、また、ヒートパイプ123,126のそれぞれの近傍の放熱面積が増大することにより、放熱性を向上させることができる。
複数のヒートパイプ31,32,33に取付けられるフィン板41,42,43の全体の外形は、矩形であるので、フィン板41,42,43を空間に効率良く配置することができる。
また、矩形は、複数のヒートパイプ31,32,33が並べられた方向に沿うように長辺40a,40b又は短辺40c,40dを有するので、各ヒートパイプ31,32,33を各フィン板41,42,43のほぼ中央に配置することができ、ヒートパイプ31,32,33の周囲により均等に放熱することができる。また、各放熱フィン部34,35,36同士を近接配置しやすくなり、ヒートシンク10を容易に組み立てることができる。
また、図7(B)に示したように、フィン板83は、複数の矩形としての内側矩形部83a及び外側矩形部83b,83cを組み合わせた形状に形成されているので、フィン板83の面積を増しつつ単純な形状としてコストを低減することができる。
例えば、フィン板集合体の全体の外形は、完全な矩形でなくても良く、角部が円弧状、面取り形状に形成されていても良い。また、フィン板集合体の一部が切除されていても良い。
また、実施例では主に中央に配置されたフィン板に広がり部を設けた形態について記載したが、これに限らず素子位置とフィン設置可能エリアがずれている場合などは、端部のヒートシンクのフィン板に広がり部を設け、必要な面積が付与されるようにしてもよい。
30A,70A,100A,120A 第1のヒートパイプ群
30B,70B,100B,120B 第2のヒートパイプ群
31,32,3371,72,73,101,102,103,104,121,122,123,124,125,126 ヒートパイプ
34,34,36,54,55,56 放熱フィン部
41,42,43,61,62,63,75,76,77,81,82,83,85,86,87,95,96,97,111,112,113,114,131,132,133,134,135,136,141,142,143,144,145,146 フィン板
43m,43n,44m,44n,63d,63e,83f,83g,83h,83j,87m,87n,87p,87q,97p,97q,97r,97s,113m,113n,114m,114n,133c,133d,136c,136d,143g,143h,146g,146h 広がり部
43p,63g,87r 固定部
83a,97a,133a,136a 内側矩形部(固定部)
113g,114g,143a,146a 矩形部(固定部)
Claims (4)
- 複数のヒートパイプと、前記複数のヒートパイプのそれぞれに対応する放熱フィン部とからなり、前記複数のヒートパイプの端部にそれぞれ前記放熱フィン部の固定部が固定され、
それぞれの前記放熱フィン部は、それぞれの前記ヒートパイプ間で分割された複数のフィン板からなり、前記複数のヒートパイプに対応する複数の前記放熱フィン部は、全体が正面視で矩形のフィン板集合体を構成し、
前記複数のヒートパイプは、前記フィン板集合体の長手方向の中央に位置する第1のヒートパイプ群と、前記第1のヒートパイプ群を両側方から挟むように前記フィン板集合体の長手方向の両端部側に配置された第2のヒートパイプ群とからなり、前記第1のヒートパイプ群は前記放熱フィン部の中央に固定され、
前記分割された複数のフィン板には、少なくとも1本のヒートパイプが固定されており、
前記第1のヒートパイプ群に熱的に接続された前記フィン板には、前記第1のヒートパイプ群の上側よりも下側で前記第1のヒートパイプ群の両側方に大きく広がった斜辺を有する広がり部を備え、
前記広がり部の前記斜辺に、下方から上方へ前記フィン板に沿って流れるエアを前記第1のヒートパイプ群に接続された前記フィン板の中央側に集める折り曲げ部が形成されることを特徴とするヒートシンク。 - 前記広がり部の少なくとも一辺が、前記フィン板集合体の少なくとも一辺と平行であることを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク。
- 前記広がり部の少なくとも一辺が、前記フィン板集合体の少なくとも一辺に対し斜めとされた前記斜辺であることを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク。
- 前記複数のヒートパイプがすべて直線形状で構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のヒートシンク。
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